JP2004306671A - ステアリングホイールの製造方法及びステアリングホイール - Google Patents

ステアリングホイールの製造方法及びステアリングホイール Download PDF

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Masaaki Sakano
正明 坂野
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Abstract

【課題】接合強度及び見栄えを向上することができて、生産性を向上することもできるステアリングホイールの製造方法及びステアリングホイールを提供する。
【解決手段】溶着部50,55の頂面同士を当接させた状態で、振動溶着装置により、一方の半割体37を、他方の半割体38に対してリム部21の周方向に相対変位するように、かつ、両半割体37,38に対してそれらが接近する方向の圧力を加えつつ所定の振幅で振動させ、一対の半割体37,38を振動溶着する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に装着されるステアリングホイールの製造方法及びステアリングホイールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のステアリングホイールにあっては、その意匠性を向上すべく、環状をなすリム部の周方向における一部に、木目模様を有する木目模様部材が取着された、いわゆる木目調ステアリングホイールが知られている。また、この木目模様部材として、例えば、外表面に木目模様が印刷された樹脂製の筒状被覆部からなるものが知られている。一般に、筒状被覆部は、半割状に分割された一対の分割体からなり、その一対の分割体を互いに接合することにより形成される。
【0003】
そして、従来では、これら一対の分割体の接合に際して、ステアリングホイールのリム部に対し、接着剤を用いて接着していた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、前記一対の分割体において、その一方の分割体に爪部を設けるとともに、他方の分割体に、前記爪部と係合する係合部を設け、それら分割体を、爪部と係合部との係合により接合するという方法もある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11―91588号公報(第2−3頁、第3図)
【特許文献2】
特開2002―87282号公報(第3−4頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これら各特許文献に記載のステアリングホイールでは、それぞれ以下のような問題があった。
【0007】
まず、特許文献1に記載のステアリングホイールでは、接着剤の硬化に長時間(数10分以上)を要していた。このため、接着剤が硬化するまで前記一対の分割体を所定の状態に保持しなければならず、ステアリングホイールの生産性の低下を招いていた。
【0008】
一方、特許文献2に記載のステアリングホイールでは、一対の分割体は、その板厚が薄いものとなっている。このため、爪部の突出量や係合部の深さが十分でなく、一対の分割体の接合強度が不足がちになるという問題があった。また、一対の分割体の接合部に段差が生じ易く、ステアリングホイールの見栄えが悪化するという問題もあった。
【0009】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、接合強度及び見栄えを向上することができるとともに、生産性を向上することができるステアリングホイールの製造方法及びステアリングホイールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
前記目的を達成するために、本願請求項1に記載の発明は、芯金とその芯金の外面を被覆する被覆部とからなるリム部を有し、前記被覆部は、その少なくとも一部に、樹脂製の一対の分割体からなる筒状被覆部を有するステアリングホイールの製造方法において、前記一対の分割体を、それらの対向面同士を当接させた状態で、一方の分割体が他方の分割体に対して前記リム部の周方向に変位するように振動させて溶着する振動溶着により接合することを要旨とするものである。
【0011】
この本願請求項1に記載の発明では、分割体同士の相対振動により溶融した樹脂は、振動停止により直ちに冷却され、短時間で硬化される。このため、ステアリングホイールの製造時間を短縮することができ、その生産性を向上することができる。また、一対の分割体を接合するに際して、接着剤等の別の材料を必要としないため、ステアリングホイールの製造コストを、より低減することができる。また、分割体を、リム部の周方向に振動させるため、その溶着作業を行い易くすることができる。
【0012】
さらに、一対の分割体は、振動溶着時に溶融した分割体自身の樹脂が硬化することにより一体化される。このため、一対の分割体における一方の分割体に爪部を設けるとともに、他方の分割体に、この爪部と係合する係合部を設け、それら爪部と係合部との係合により一対の分割体を接合する場合に比べて、接合強度を向上することができる。
【0013】
また、本願請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記一対の分割体は、少なくとも一方の分割体の対向面に突設されて少なくとも先端部が溶融される溶着部を有するものであることを要旨とするものである。
【0014】
この本願請求項2に記載の発明では、前記請求項1に記載の発明の効果に加えて、一対の分割体は、それら両対向面の溶着部にて互いに接合され、両対向面における溶着部以外の部分が、直接振動溶着に供されることがない。これにより、分割体の対向面において、溶着部以外の対向面が乱されることがない。このため、一対の分割体を溶着させた製品の仕上がり状態を向上させることができ、ステアリングホイールの品質を向上することができる。
【0015】
また、本願請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明において、前記被覆部は、硬質樹脂材料からなる筒状被覆部と、軟質材料からなる軟質被覆部とを備え、前記一対の分割体を、前記軟質被覆部を弾性変形させつつ、前記リム部の周方向に振動させて溶着することを要旨とするものである。
【0016】
この本願請求項3に記載の発明では、前記請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、一対の分割体を、軟質被覆部の弾性変形を利用して振動させることにより、一対の分割体を、振動溶着によってリム部に取着することができる。ここで、溶着のための振動を停止すると軟質被覆部は自動的にもとの形状に復元されるため、ステアリングホイールの筒状被覆部と軟質部材との境界部分に隙間が生じることを抑制することができて、製品の仕上がり状態を向上させることができる。
【0017】
また、本願請求項4に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の発明において、前記被覆部は、硬質樹脂材料からなる筒状被覆部と、軟質材料からなるとともに前記筒状被覆部の両端部から所定の隙間を介して離間するように設けられる軟質被覆部とを備え、前記一対の分割体を、前記隙間の開口幅の範囲内で前記リム部の周方向に振動させて溶着することを要旨とするものである。
【0018】
この本願請求項4に記載の発明では、前記請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、一対の分割体を、その端部と軟質被覆部との間の隙間を利用して振動させるため、分割体の振動ストロークを容易に確保することができる。このため、振動溶着によって軟質被覆部にかかるストレスを低減することができる。また、リム部において、軟質被覆部の少なくとも一部に皮革部材を備えた、いわゆる皮巻きステアリングホイールの場合には、前記隙間を、皮革部材の端末部分を保持するために利用することができる。
【0019】
また、本願請求項5に記載の発明は、芯金とその芯金の外面を被覆する被覆部とからなるリム部を有し、前記被覆部は、その少なくとも一部に、樹脂製の一対の分割体からなる筒状被覆部を有するステアリングホイールにおいて、前記一対の分割体は、それらの対向面の少なくとも一部に形成された溶着部と、同溶着部の近傍に形成されるとともに、溶融した樹脂材料が前記一対の分割体の対向面間からそれらの外表面に表出することを回避する表出回避部と、を有することを要旨とするものである。
【0020】
この本願請求項5に記載の発明では、一対の分割体を、それらの対向面同士を当接させた状態で、一方の分割体が他方の分割体に対して相対変位するように振動させて溶着する振動溶着により接合一体化させる場合、溶着部において溶融した樹脂材料で、溶着に直接寄与しない余剰の材料が、分割体の表出回避部内に導かれる。これにより、その溶融した樹脂材料が、一対の分割体における接合部の外表面に表出することが抑制され、接合部にバリとして残ることが回避される。このため、ステアリングホイールの見栄えを向上することができるとともに、バリ取り等の後処理が不要となり、ステアリングホイールの製造コストを低減させることができる。
【0021】
また、本願請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の発明において、前記表出回避部は、前記一対の分割体のうちの少なくとも一方の分割体の対向面に形成された凹部、または、前記一対の分割体の対向面の一部に形成された両対向面の離間部であることを要旨とするものである。
【0022】
この本願請求項6に記載の発明では、前記請求項5に記載の発明の効果に加えて、表出回避部を、簡素な構成で実現することができる。
また、本願請求項7に記載の発明は、前記請求項5または請求項6に記載の発明において、前記被覆部は、硬質樹脂材料からなる筒状被覆部と、軟質材料からなるとともに前記筒状被覆部の端部から離間するように設けられる軟質被覆部とを備え、前記軟質被覆部は、その外表面の少なくとも一部を被覆する皮革部材を備え、その皮革部材の端末部分を、前記筒状被覆部と前記軟質被覆部との間に嵌め込んで保持することを要旨とするものである。
【0023】
リム部に皮革部材を備えた、いわゆる革巻きステアリングホイールの場合には、その端末部分を被着物に形成された溝部内に嵌め込んで保持する、いわゆる「木目込み」という手法が採用されることがある。
【0024】
これに対して、本願請求項7に記載の発明では、前記請求項5または請求項6に記載の発明の効果に加えて、筒状被覆部と軟質被覆部との端部間の隙間を、皮革部材の端末部分を処理するための「木目込み」のための溝部として利用することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1及び図2(a)〜(c)に示すように、ステアリングホイールは、円環状のリム部21と、そのリム部21の中央に配置されたパッド部22と、リム部21からその中心側に延びる複数(この例では4本)のスポーク部23とを備えている。
【0026】
前記リム部21は、芯金としてのリム部芯金31と、このリム部芯金31の外面を覆う被覆部32とからなっている。前記リム部芯金31は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金等の鋳造品からなり、断面逆U字状をなすように形成されている。一方、被覆部32は、リム部芯金31の外面の全体を覆う軟質被覆部33と、この軟質被覆部33の外表面の一部を覆う筒状被覆部34とを有している。
【0027】
前記軟質被覆部33は、例えば発泡ポリウレタン等の軟質材料で構成されている。ここで、ステアリングホイールが回動されていない状態、すなわち車両を直進させる状態にあるステアリングホイールを、直進操舵位置にあるとする。軟質被覆部33は、ステアリングホイールが直進操舵状態にある状態で、各スポーク部23との連結部を含んで、車両左右方向の両端にあたる部分(図2(c)参照)の半径が、車両上下方向の両端にあたる部分(図2(a),(b)参照)の半径よりも前記筒状被覆部34の肉厚にほぼ相当する分小さく形成されている。また、軟質被覆部33において、前記車両左右方向の両端にあたる部分には、その外周面を覆うようにして、天然皮革からなる皮革部材35が取着されている。
【0028】
前記筒状被覆部34は、例えば、ABS樹脂、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、FRP(Fiber Reinforced Plastics )、ポリカーボネート(PC)とABS樹脂とのアロイ、等の硬質樹脂材料から構成されている。そして、筒状被覆部34は、前記車両上下方向の両端にあたる部分の軟質被覆部33を覆うように設けられている。この筒状被覆部34の外表面には、例えば木目模様などが施されたシート状の化粧板36(図3参照)が貼着されており、この化粧板36の表面には、筒状被覆部34における意匠性及び触感の向上のためにクリアコート剤が塗布されている。なお、筒状被覆部34は、その外表面に所定の模様が印刷されたものなど、任意に使用可能である。
【0029】
本実施形態では、筒状被覆部34は、その両端部が軟質被覆部33と接触しており、リム部21は、その全周がほぼ一定の外径を有するように形成されている。また、筒状被覆部34は、分割体としての一対の半割体37,38から構成され、それら半割体37,38の当接面37a,38a同士が互いに接触して接合されることにより、筒状に形成される。
【0030】
ここで、前記リム部21における軟質被覆部33と筒状被覆部34との境界部分における皮革部材35の端末部分は、「木目込み」と呼ばれる手法によってリム部21に対して固定されている。図5に示すように、筒状被覆部34には、その両端部に周溝39が形成されており、皮革部材35の端末部分は、この周溝39に嵌め込まれる。なお、この皮革部材35の端末部分を、必要に応じ、筒状被覆部34の周溝39内に接着剤を注入し、嵌め込まれた皮革部材35の端末部分を、周溝39の内壁面に接着固定するようにしてもよい。
【0031】
前記スポーク部23は、スポーク部芯金41と、スポーク部被覆部42とからなっている。前記スポーク部芯金41は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金等の鋳造品からなり、周知のダイカスト成形法により前記リム部芯金31と一体に形成されている。そして、このスポーク部芯金41は、前記パッド部22の下方において、ボスプレート43を介し、ステアリングシャフト(図示略)に連結されている。一方、前記スポーク部被覆部42は、例えば発泡ポリウレタン等の軟質材料で構成され、前記リム部21と前記パッド部22との間のスポーク部芯金41を覆うように設けられている。
【0032】
前記パッド部22は、例えば発泡ポリウレタン等の軟質部材で形成されており、図示しないホーン機構等が収容されている。
本実施形態では、図2(a)において二点鎖線のA印内を拡大した図3に示すように、一方の半割体37は、他方の半割体38と当接する対向面としての当接面37aに形成された溶着部50と、この溶着部50の近傍に形成された表出回避部51とを有している。本実施形態では、表出回避部51を、溶着部50の全周囲に形成された凹部52から構成している。一方、他方の半割体38は、一方の半割体37の当接面37aに当接する対向面としての当接面38aに形成された溶着部55と、この溶着部55の近傍に形成された表出回避部56とを有している。本実施形態では、表出回避部56を、溶着部55の全周囲に形成された凹部57から構成している。
【0033】
図4に示すように、両半割体37,38の溶着部50,55は、一方の半割体37と他方の半割体38とが互いに接合される前の状態において、それらの当接面37a,38aから突出するリブ状に形成されている。また、溶着部50,55は、両当接面37a,38aの長手方向において、所定間隔ごとに複数形成されている。
【0034】
このような構成のステアリングホイールは、例えば以下のように製造される。まず、リム部芯金31とスポーク部芯金41とボスプレート43とを、周知のダイカスト成形法により一体に成形する。次いで、例えば発泡成形法等を用い、一体成形されたリム部芯金31に軟質被覆部33を成形するとともに、スポーク部芯金41にスポーク部被覆部42を成形する。
【0035】
こうして軟質被覆部33が成形されたリム部芯金31を、スポーク部芯金41、ボスプレート43共々、振動溶着装置の所定の位置にセットするとともに、予め成形されて化粧板36が貼着された半割体37,38を、軟質被覆部33を挟み込むように振動溶着装置の所定の位置にセットする。この際、両半割体37,38は、それらの溶着部50,55において対向面の一部をなす頂面50a,55a同士が当接するようにセットする。ここで、両半割体37,38を振動溶着装置にセットした状態では、それら半割体37,38は、その両端部の一部が、軟質被覆部33に接触する。
【0036】
このように溶着部50,55の頂面50a,55a同士が当接した状態で、振動溶着装置により、一方の半割体37を、他方の半割体38に対して前記リム部21の周方向に相対変位するように、かつ、両半割体37,38が接近する方向の圧力を加えながら、所定の振幅で振動させる。この際、一方の半割体37及び他方の半割体38の一方のみを振動させてもよいし、両半割体37,38を、互いに異なる方向に変位するように振動させてもよい。
【0037】
ここで、図5に示すように、一方の半割体37の振動時には、半割体37の両側に位置する軟質被覆部33が、半割体37の端部によって交互に進行方向へと押圧されて、変形する。この半割体37の振幅は、例えば0.7〜1.5mmの範囲内で設定されており、軟質被覆部33の弾性変形の範囲内となっている。
【0038】
こうして、一方の半割体37を他方の半割体38に対して相対変位させることにより、一方の半割体37の溶着部50が他方の半割体38の溶着部55の頂面50a,55a上を摺動する。そして、この摺動による摩擦熱によって両半割体37,38の溶着部50,55が先端側から溶融する。この際、溶着部50,55における溶融した樹脂材料の一部は、重力方向下方へと流動して、他方の半割体38の凹部57内に流入する。
【0039】
この溶着部50,55の溶融により、両半割体37,38が互いに接近する方向に変位し、やがて、それら半割体37,38の当接面37a,38a同士が当接する。こうして両当接面37a,38aが当接した後に、一方の半割体37の他方の半割体38に対する振動を止め、それら半割体37,38の端部が一致した状態で、両半割体37,38を所定期間(数10秒以下)保持する。この間に、両溶着部50,55の溶融した樹脂材料が冷却されて硬化し、溶着部50,55同士が接続されて、両半割体37,38が一体化される。
【0040】
このように両半割体37,38が一体化した状態では、溶着部50,55の溶着に寄与しない過剰な材料は、半割体37の凹部52と半割体38の凹部57との空間内で硬化しており、半割体37の当接面37aと半割体38の当接面38aとの間から筒状被覆部34の外表面には表出していない。
【0041】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、一対の半割体37,38を、それらの溶着部50,55の頂面50a,55a同士を当接させた状態で、一方の半割体37が他方の半割体38に対してリム部21の周方向に相対変位するように振動させて溶着する振動溶着により一体化している。
【0042】
これにより、半割体37,38同士の相対変位(振動)により溶融した溶着部50,55の樹脂材料は、半割体37,38の振動停止により直ちに冷却され、短時間で硬化される。このため、ステアリングホイールの製造時間を短縮することができ、その生産性を向上することができる。また、一対の半割体37,38を一体化するに際して、接着剤等の別の材料を必要としないため、ステアリングホイールの製造コストを、より低減することができる。また、一方の半割体37を、他方の半割体38に対してリム部21の周方向に振動させるため、その溶着作業を行い易くすることができる。
【0043】
さらに、一対の半割体37,38は、振動溶着時に溶融した半割体37,38自身(溶着部50,55)の樹脂材料が冷却硬化することにより一体化される。このため、一対の分割体において、一方の分割体に爪部を設けるとともに、他方の分割体に、この爪部と係合する係合部を設け、それら爪部と係合部との係合により一対の分割体を接合する場合に比べて、一対の半割体37,38の接合強度を向上することができる。
【0044】
(2)本実施形態では、一対の半割体37,38には、それらの当接面37a,38aに突設されて先端部が溶融されるリブ状の溶着部50,55を設けている。これにより、一対の半割体37,38は、それらの溶着部50,55にて互いに接合され、両当接面37a,38aが、振動溶着に直接供されることがない。これにより、両半割体37,38の当接面37a,38aにおいて、溶着部50,55以外の部分が乱されることがない。このため、一対の半割体37,38を溶着させた製品の仕上がり状態を向上させることができ、ステアリングホイールの品質を向上することができる。
【0045】
(3)本実施形態では、一方の半割体37を、他方の半割体38に対して相対変位させて軟質被覆部33を弾性変形させつつ、リム部21の周方向に振動させて溶着している。これにより、一対の半割体37,38を、振動溶着によってリム部21に取着することができる。ここで、溶着のための一対の半割体37,38の振動を停止すると、軟質被覆部33は、自動的にもとの形状に復元される。このため、ステアリングホイールの筒状被覆部34と軟質被覆部33との境界部分に隙間が生じることを抑制することができ、製品の仕上がり状態を向上させることができる。
【0046】
(4)本実施形態では、一対の半割体37,38には、それらの当接面37a,38aにおいて溶着部50,55の近傍に形成されるとともに、溶融した樹脂材料が当接面37a,38aからそれらの外表面に表出することを回避する凹部52,57を設けている。これにより、一対の半割体37,38を振動溶着により一体化する際には、溶着部50,55の溶融した樹脂材料で、溶着に直接寄与しない余剰の材料が、凹部52,57内に導かれる。これにより、その溶融した樹脂材料が、一対の半割体37,38の外表面に表出することが抑制され、両半割体37,38の接合部にバリとして残ることが回避される。このため、ステアリングホイールの見栄えを向上することができるとともに、バリ取り等の後処理が不要となり、ステアリングホイールの製造コストを低減させることができる。また、表出回避部51,56を、簡素な構成で実現することができる。
【0047】
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変形してもよい。
・前記実施形態において、半割体37,38の凹部52,57を、溶着部50,55の全周囲にわたって設ける構成には限定されない。これら凹部52,57を、例えば図6に示すような態様で、溶着部50,55に対して筒状被覆部34の外表面側に位置する部位に設ける構成としてもよい。
【0048】
また、半割体37,38の当接面37a,38aに凹部52,57を設ける代わりに、半割体37,38の対向面に、それら両対向面が互いに当接しない離間部を設ける構成としてもよい。このようにした場合には、例えば、図7に示すような態様で、半割体37,38の対向面において筒状被覆部34の外表面側を当接面37a,38aとし、内面側を離間部59とする構成を採用することができる。また、この場合には、両溶着部50,55は、離間部59内に設けられる。
【0049】
これらの構成においても、溶着部50,55の溶融した樹脂材料で、溶着に直接寄与しない余剰の材料が、筒状被覆部34の外表面に表出することが抑制され、両半割体37,38の接合部にバリとして残ることが回避される。なお、これらの構成では、前記余剰の材料の一部が、筒状被覆部34の内周面側へ流動することが考えられる。しかしながら、一対の半割体37,38が振動溶着された後の状態では、筒状被覆部34の内周側へ流動した前記余剰の材料の一部は、外部からは視認されないため、ステアリングホイールの外観が損なわれることがない。
【0050】
・また、例えば図7に示すような態様で、前記離間部59内において、一対の半割体37,38の振動溶着時に重力方向下方に位置する半割体の対向面から突出する突出部60を、溶着部よりも筒状被覆部34の外表面側に設ける構成としてもよい。
【0051】
・前記実施形態において、一方の半割体37の表出回避部51及び他方の半割体38の表出回避部51のどちらか一方を省略する構成としてもよい。なお、このようにした場合には、一対の半割体37,38の振動溶着時に重力方向上方に位置する半割体の表出回避部を省略することが望ましい。
【0052】
・前記実施形態において、一方の半割体37の溶着部50及び他方の半割体38の溶着部55のどちらか一方のみを、当接面37a,38aから突設する構成としてもよい。
【0053】
・前記実施形態では、両半割体37,38を、それらの溶着部50,55同士を互いに面接触させながら振動溶着する構成とした。しかしながら、両半割体37,38を、それらの溶着部50,55同士を互いに線接触または点接触させながら振動溶着する構成としてもよい。
【0054】
・前記実施形態において、両半割体37,38の当接面37a,38aに、それら半割体37,38の板厚方向に溶着部50,55を複数設ける構成としてもよい。
【0055】
・前記実施形態において、溶着部50,55を、半割体37,38の当接面37a,38aにて、例えば筒状被覆部34の一端側から他端側まで延びるような突条とする構成としてもよい。
【0056】
・前記実施形態では、筒状被覆部34が軟質被覆部33の一部を覆う構成を有するステアリングホイールの例を示した。しかしながら、本発明は、例えば図8に示すように、筒状被覆部34がリム部芯金31の外表面の少なくとも一部を直接覆う構成を有するステアリングホイールにも同様に適用することができる。
【0057】
・前記実施形態では、一対の半割体37,38の振動溶着時に、軟質被覆部33を弾性変形させつつ行うようにした。しかしながら、本発明は、例えば図9に示すように、軟質被覆部33が、筒状被覆部34の両端部から所定の隙間65を介して離間するようにリム部芯金31を被覆するステアリングホイールにも同様に適用することができる。この場合、一対の半割体37,38を、前記隙間65の開口幅の範囲内でリム部21の周方向に振動させて溶着する。
【0058】
この構成によれば、一対の半割体37,38を、それらの端部と軟質被覆部33との間の隙間65を利用して振動させるため、半割体37,38の振動ストロークを容易に確保することができる。このため、振動溶着によって軟質被覆部33にかかるストレスを低減することができる。
【0059】
・また、リム部21において筒状被覆部34と軟質被覆部33との間に隙間65があるステアリングホイールの場合には、例えば図10に示すように、軟質被覆部33を覆う皮革部材35の端末部分35aを、筒状被覆部34と軟質被覆部33との間、すなわち隙間65に嵌め込んで保持する構成としてもよい。
【0060】
この構成によれば、筒状被覆部34と軟質被覆部33との端部間の隙間65を、皮革部材35の端末部分35aを処理するための「木目込み」のための溝部として利用することができる。
【0061】
・前記実施形態において、パッド部22を省略する構成としてもよい。
・前記実施形態において、リム部21の皮革部材35を省略する構成としてもよい。このようにした場合には、筒状被覆部34の周溝39も省略される。
【0062】
・前記実施形態では、断面逆U字状のリム部芯金31を有するステアリングホイールの例を示したが、例えばパイプ状のリム部芯金を有するステアリングホイールにおいて具体化してもよい。
【0063】
・前記実施形態では、皮革部材35として天然皮革を採用したが、合成皮革等を採用してもよい。
・前記実施形態では、軟質材料として発泡ポリウレタンを例にとって説明したが、軟質材料としては、例えば天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等の発泡体等を使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステアリングホイールの一実施形態を示す正面図。
【図2】(a)は図1の2a―2a線断面図、(b)は図1の2b―2b線断面図、(c)は図1の2c―2c線断面図。
【図3】図2(a)のAにて示す丸印内を拡大して示す部分断面図。
【図4】一対の半割体を接合する前の溶着部を拡大して示す部分断面図。
【図5】図1の5―5線断面図。
【図6】変形例にかかる一対の半割体の接合部を拡大して示す部分断面図。
【図7】変形例にかかる一対の半割体の接合部を拡大して示す部分断面図。
【図8】変形例にかかるリム部の内部構造を拡大して示す部分断面図。
【図9】変形例にかかるリム部の内部構造を拡大して示す部分断面図。
【図10】変形例にかかるリム部の内部構造を拡大して示す部分断面図。
【符号の説明】
21…リム部、31…芯金としてのリム部芯金、32…被覆部、33…軟質被覆部、34…筒状被覆部、35…皮革部材、35a…端末部分、37,38…分割体としての半割体、37a,38a…対向面、50,55…溶着部、51,56…表出回避部、52,57…表出回避部を構成する凹部、59…離間部、65…隙間。

Claims (7)

  1. 芯金とその芯金の外面を被覆する被覆部とからなるリム部を有し、前記被覆部は、その少なくとも一部に、樹脂製の一対の分割体からなる筒状被覆部を有するステアリングホイールの製造方法において、
    前記一対の分割体を、それらの対向面同士を当接させた状態で、一方の分割体が他方の分割体に対して前記リム部の周方向に変位するように振動させて溶着する振動溶着により接合することを特徴とするステアリングホイールの製造方法。
  2. 前記一対の分割体は、少なくとも一方の分割体の対向面に突設されて少なくとも先端部が溶融される溶着部を有するものであることを特徴とする請求項1に記載のステアリングホイールの製造方法。
  3. 前記被覆部は、硬質樹脂材料からなる筒状被覆部と、軟質材料からなる軟質被覆部とを備え、前記一対の分割体を、前記軟質被覆部を弾性変形させつつ、前記リム部の周方向に振動させて溶着することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステアリングホイールの製造方法。
  4. 前記被覆部は、硬質樹脂材料からなる筒状被覆部と、軟質材料からなるとともに前記筒状被覆部の両端部から所定の隙間を介して離間するように設けられる軟質被覆部とを備え、前記一対の分割体を、前記隙間の開口幅の範囲内で前記リム部の周方向に振動させて溶着することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステアリングホイールの製造方法。
  5. 芯金とその芯金の外面を被覆する被覆部とからなるリム部を有し、前記被覆部は、その少なくとも一部に、樹脂製の一対の分割体からなる筒状被覆部を有するステアリングホイールにおいて、
    前記一対の分割体は、それらの対向面の少なくとも一部に形成された溶着部と、同溶着部の近傍に形成されるとともに、溶融した樹脂材料が前記一対の分割体の対向面間からそれらの外表面に表出することを回避する表出回避部と、を有することを特徴とするステアリングホイール。
  6. 前記表出回避部は、前記一対の分割体のうちの少なくとも一方の分割体の対向面に形成された凹部、または、前記一対の分割体の対向面の一部に形成された両対向面の離間部であることを特徴とする請求項5に記載のステアリングホイール。
  7. 前記被覆部は、硬質樹脂材料からなる筒状被覆部と、軟質材料からなるとともに前記筒状被覆部の端部から所定の隙間を介して離間するように設けられる軟質被覆部とを備え、前記軟質被覆部は、その外表面の少なくとも一部を被覆する皮革部材を備え、その皮革部材の端末部分を、前記隙間に嵌め込んで保持することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のステアリングホイール。
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