JP2004306268A - 被記録媒体及びインクジェット式記録方法 - Google Patents

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雅彦 丸山
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Abstract

【課題】印刷面とは反対側の面へのインク付着を防止した縁なし印刷を実現することができる被記録媒体及びインクジェット式記録方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一方面の少なくとも周縁近傍に設けられて水を内包したマイクロカプセル3を有する保湿層4を具備する被記録媒体1を、インクジェット式記録装置に供給することで、保湿層4のマイクロカプセル3を破壊し、このマイクロカプセル3内から放出された水で保湿層4を湿らせた後に、縁なし印刷を実行することにより、被記録媒体1の縁なし印刷が実行される印刷面とは反対側の面にインクミストが付着して汚れが生じるのを有効に防止できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクカートリッジやインクタンク等のインク貯留部に貯留されたインクを記録ヘッドから吐出させて印刷を実行するインクジェット式記録装置に供給される被記録媒体及びこの被記録媒体を用いたインクジェット式記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式プリンタやプロッタ等のインクジェット式記録装置(以下、記録装置という)は、インクカートリッジやインクタンク等のインク貯留部に貯留されたインクを、インク滴として吐出可能な記録ヘッドを有する。そして、この記録装置では、記録ヘッドを主走査方向に沿って移動させ、この移動に連動させて記録ヘッドからインク滴を吐出させることで被記録媒体の主走査方向への印刷を行う。また、記録装置では、被記録媒体を副走査方向に搬送することで、被記録媒体の副走査方向への印刷を行う。
【0003】
このような記録装置には、記録ヘッドに被記録媒体(被記録材)よりも広い領域にインクを吐出させて被記録媒体の印刷面の端部に余白を残さず、印刷面の全面に亘って印刷する、所謂縁なしモードによる印刷を行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この記録装置では、複数のノズル列を有する記録ヘッドと、被記録媒体を印刷面とは反対側から支えることにより被記録媒体の記録ヘッドからの位置を規定するプラテンとを具備し、プラテンには、縁なしモードによる印刷を行った際に被記録媒体の端部からインク滴が打ち捨てられる、すなわち、被記録媒体の外側の領域で吐出されたインク滴を吸収するインク吸収材が保持された溝状の吸収部(溝穴)が設けられている。
【0005】
そして、このような記録装置を用いたインクジェット式記録方法では、打ち捨てられたインクをインク吸収材に吸収させることで、霧状のインクミストの発生を防止し、ノズルや被記録媒体にインクミストが付着するのを防止している。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−86757号公報(第3〜6頁、第1及び2図)
【特許文献2】
特開2000−255161号公報(特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プラテンにインクを吸収するインク吸収材を設けても、実際には、インク滴の吐出時及びインク滴がインク吸収材に当接する衝撃などで、インク滴が吐出される印刷領域にはインクミストが発生する。また、印刷品質を向上するため、記録ヘッドから微細インクを吐出させると、微細インクは飛距離が短く、吐出された微細インクがインク吸収材まで到達せずにミスト化してしまう。このように印刷領域に発生したインクミストは、縁なしモードによる印刷時に被記録媒体の移動方向先端部側を印刷する際に、被記録媒体の移動に伴い印刷面とは反対側の面の移動方向先端部側にも付着して被記録媒体を汚してしまうという問題がある。このような汚れは、両面に印刷を行う被記録媒体、例えば、葉書などを用いる場合に特に問題となる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み、印刷面とは反対側の面へのインク付着を防止した縁なし印刷を実現することができる被記録媒体及びインクジェット式記録方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、少なくとも一方面の少なくとも周縁近傍に設けられて水を内包したマイクロカプセルを含有する保湿層を具備することを特徴とする被記録媒体にある。
【0010】
かかる第1の態様では、インクジェット式記録装置に被記録媒体を供給してマイクロカプセルに外部刺激を与え、このマイクロカプセル内から放出された水で保湿層を湿らせた後に、縁なし印刷を実行することにより、被記録媒体の縁なし印刷が実行される印刷面とは反対側の面にインクミストが付着して汚れが生じるのを有効に防止できる。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記保湿層が前記一方面の全面に設けられていることを特徴とする被記録媒体にある。
【0012】
かかる第2の態様では、保湿層が一方面上に比較的容易に形成でき、且つその被記録媒体をインクジェット式記録装置に供給することで保湿層をマイクロカプセル内の水により十分に湿らせることができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記マイクロカプセルが、圧力に応答する圧力応答性マイクロカプセル及び熱に応答する熱応答性マイクロカプセルの少なくとも一方であることを特徴とする被記録媒体にある。
【0014】
かかる第3の態様では、マイクロカプセルに内包された水が熱や圧力を与える所定のタイミングで少なくとも保湿層に放出される。
【0015】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記保湿層は、基材の一方面側に設けられ、該基材の少なくとも他方面側には、樹脂材料からなる絶縁層と、当該絶縁層上に設けられてインクジェット式記録ヘッドから吐出されたインク滴を吸収して画像が形成されるインク吸収層とが設けられていることを特徴とする被記録媒体にある。
【0016】
かかる第4の態様では、インク吸収層にインク滴を吸収させて縁なし印刷を実行する際に、インク吸収層側の印刷面とは反対側の面にインクミストが付着して汚れが生じるのを防止できる被記録媒体が実現される。
【0017】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記保湿層側とは反対側の面が、前記インク滴を印刷領域より広い範囲に吐出することで全面に亘って縁なし印刷が行われる印刷面となっていることを特徴とする被記録媒体にある。
【0018】
かかる第5の態様では、インク吸収層にインク滴を吸収させて縁なし印刷を実行する際、インク吸収層側の印刷面とは反対側の面にインクミストが付着して汚れが生じるのを防止できる被記録媒体が実現される。
【0019】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記保湿層が設けられた面が、少なくとも端部近傍に余白を残す通常印刷が行われる印刷面となっていることを特徴とする被記録媒体にある。
【0020】
かかる第6の態様では、縁なし印刷を実行する際に、印刷面とは反対側の面にインクミストが付着して汚れが生じるのを防止でき、且つ両面印刷に用いることができる被記録媒体が実現される。
【0021】
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記通常印刷が行われる印刷面を宛名面とする葉書であることを特徴とする被記録媒体にある。
【0022】
かかる第7の態様では、縁なし印刷が実行される裏面とは反対側の宛名面を印刷し、その後、その宛名面を使用する葉書として用いられる被記録媒体が実現される。そして、このような被記録媒体である葉書の裏面に縁なし印刷を行った後、宛名面を通常印刷する際には、印刷前のインク滴の打ち捨ては行われず、裏面にインクミストが付着する虞はないため、特に有効である。
【0023】
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様の被記録媒体をインクジェット式記録装置に供給して当該被記録媒体の印刷領域より広い範囲にインク滴を吐出することで縁なし印刷を少なくとも実行するインクジェット式記録方法において、前記被記録媒体を前記インクジェット式記録装置内の被印刷領域に供給する際に、前記保湿層内に外部刺激を与えることで前記マイクロカプセルに内包された前記水を少なくとも前記保湿層に放出させるようにすることを特徴とするインクジェット式記録方法にある。
【0024】
かかる第8の態様では、インクジェット式記録装置に被記録媒体を供給してマイクロカプセルに外部刺激を与え、このマイクロカプセル内から放出された水で保湿層を湿らせた後に、縁なし印刷を実行することにより、被記録媒体の縁なし印刷が実行される印刷面とは反対側の面にインクミストが付着して汚れが生じるのを有効に防止できる。
【0025】
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記外部刺激を、前記被記録媒体を搬送ローラにより挟んで圧力を加えることにより行うことを特徴とするインクジェット式記録方法にある。
【0026】
かかる第9の態様では、従来公知のインクジェット式記録装置に設けられた搬送ローラを利用して、保湿層内のマイクロカプセルに外部刺激を与え、保湿層を確実に湿らせることができる。
【0027】
本発明は、記録ヘッドに被記録媒体よりも広い領域にインク滴を吐出させて、被記録媒体の印刷面の端部に余白を残さず印刷面の全面に亘って縁なし印刷を行う縁なしモードを有する記録装置によって、縁なしモードで被記録媒体の移動方向先端部側に印刷を行った際に、印刷面とは反対側の面の移動方向先端部側に霧状のインクミストが付着して汚れが生じるという問題を解決するものである。そして、本発明は、このようなインクミストの付着は、被記録媒体が搬送時に接触する搬送用のローラや、被記録媒体同士の摩擦等によって帯電することが主な要因であるという知見に基づきなされたものである。
【0028】
具体的には、本発明は、従来の被記録媒体が低湿度環境(例えば、40%未満)では帯電し易いため、被記録媒体の少なくとも一方面の少なくとも周縁近傍に水を内包したマイクロカプセルを含有する保湿層を設け、縁なし印刷の際、少なくとも被記録媒体の印刷面とは反対側の面を水により湿らせることで、インクミストの付着を防止するものである。すなわち、被記録媒体の移動方向先端部を縁なし印刷する前に、保湿層内のマイクロカプセルに物理的な刺激を与え、マイクロカプセルの壁材を破壊することにより、被記録媒体の少なくとも印刷面とは反対側の面の移動方向先端部近傍を湿らせることで、被記録媒体の帯電を実質的に低く抑え、被記録媒体の印刷面とは反対側の面にインクミストが付着して汚れが生じるのを防止するという特有の効果を発揮するものである。
【0029】
ここで、マイクロカプセルを用いた被記録媒体については、マイクロカプセルを含有するインク受容層が設けられたインクジェット用記録媒体が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この特許文献2には、電子供与性発色剤や電子受容性顕色剤等をマイクロカプセル化する旨の記載はあるが、水をマイクロカプセル化して被記録媒体を湿らせるという本発明の技術思想を示唆する記載はない。すなわち、本発明は、特許文献2からは示唆されない全く新規なものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る被記録媒体の概略断面図である。図1に示すように、本実施形態の被記録媒体1は、基材2の一方面側に設けられてマイクロカプセル3を含有する保湿層4と、この基材2の保湿層4側とは反対側に設けられたインク吸収層5とを具備する。
【0031】
ここで、基材2は、従来公知のものを採用すればよく、例えば、紙を主体とするものが好ましい。勿論、その他に、プラスチックフィルム等の樹脂フィルムを用いてもよい。また、紙としては、例えば、繊維状物質、又はこの繊維状物質に填料を含有するシート材等の原紙が挙げられ、従来公知のものを用いることができる。このような紙を構成する繊維状物質は、通常、木材パルプを主体とするものであるが、必要に応じて、これに合成繊維やガラス繊維等を混ぜてもよい。一方、プラスチックフィルムとしては、透明、半透明、及び不透明の何れを用いてもよく、例えば、ポリエステル系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、セロハン、セルロイド等が挙げられる。例えば、本実施形態では、基材2として原紙を用いた。
【0032】
また、このような基材2の一方面側に設けられた保湿層4は、水を内包したマイクロカプセル3を含有している。ここで、このような保湿層4に内在させたマイクロカプセル3は、外部から物理的な刺激を与えることにより内包した水を放出する応答性を有するものであり、例えば、熱によって破壊される熱応答性マイクロカプセルや、圧力によって破壊される圧力応答性マイクロカプセル等が挙げられる。例えば、本実施形態では、圧力応答性マイクロカプセルを用いた。また、このようなマイクロカプセル3内に水を包み込む壁材としては、例えば、加熱条件や加圧条件等に応じて、従来公知の樹脂材料等から適宜選択すればよい。このような樹脂材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリ尿素、尿素/ホルマリン樹脂、メラミン/ホルマリン樹脂等が挙げられる。さらに、マイクロカプセル化する方法としては、例えば、コアセルベーション法、界面重合法、インサイチュー重合法等が挙げられるが、本発明は、何れの方法を用いてもよい。
【0033】
このようなマイクロカプセル3を含有する保湿層4は、被記録媒体1を後述するインクジェット式記録装置に供給する際、マイクロカプセル3内の水により被記録媒体1の表面を適度に湿らせることで、インクミストの付着を防止するためのものである。また、インクミストの付着は、被記録媒体1の移動方向先端部側の端部近傍に特に発生し易いことから、保湿層は基材の少なくとも移動方向先端部近傍に設けられていればよいが、基材の幅方向端部近傍を含めて、基材の周縁近傍に設けられていてもよいし、基材の一方面側の全面に設けられていてもよい。本実施形態では、基材2の一方面側の全面に保湿層4を設けた。
【0034】
一方、基材2の保湿層4とは反対側の面に設けられたインク吸収層5には、後述する記録ヘッドから吐出したインク滴を吸収させることで、所定の画像が形成される。このため、インク吸収層5は、インクと親和性の高い物質から構成することが好ましく、例えば、顔料(多孔質微粒子)系のインク吸収層、高分子系のインク吸収層が挙げられ、顔料系の場合、インク吸収層は多孔質シリカで形成するのが好ましい。
【0035】
以上説明した本実施形態の被記録媒体1は、後述するインクジェット式記録装置に供給され、被記録媒体1のインク吸収層5側の面に縁なし印刷が実行されるが、この際、詳しくは後述するが、縁なし印刷される印刷面とは反対側に設けられた保湿層4をマイクロカプセル3内の水により適度に湿らせることで、インク滴の吐出等に起因して発生するインクミストが保湿層4側の面に付着して汚れが生じるのを有効に防止することができる。
【0036】
このような構成の被記録媒体1は、両面に印刷を行う、例えば、宛名面を有するキャストタイプの葉書として用いると特に有効である。すなわち、このような葉書は、後述するインクジェット式記録装置に供給されて、例えば、宛名面とは反対側の裏面に縁なし印刷を行った後、宛名面に郵便番号や氏名、住所等の部分的な通常印刷をする際には、印刷前のインク滴の打ち捨ては行われないため、裏面にインクミストが付着することはない点で特に有効である。
【0037】
ここで、図2及び図3を参照して、上述した被記録媒体1を供給するインクジェット式記録装置の一例を説明する。なお、図2は、インクジェット式記録装置の概略斜視図であり、図3は、インクジェット式記録装置の要部拡大断面図及びプラテンの平面図である。記録装置10は、被記録媒体1の印刷面の端部に余白を残して印刷を行う通常モードと、被記録媒体1の端部に余白を残さず印刷面の全面に亘って縁なし印刷を行う縁なしモードとの2つのモードを有するものである。具体的には、図2及び図3に示すように、インク滴を吐出する複数のノズル列21を有する記録ヘッド22が搭載された記録ヘッドユニット20と、被記録媒体1を印刷面とは反対の面側から支えることにより被記録媒体1のノズル列21からの位置を規定するプラテン30と、被記録媒体1を記録ヘッドユニット20とプラテン30との間に搬送する搬送手段40と、搬送された被記録媒体1を排紙する排紙手段50とを具備する。
【0038】
また、記録ヘッド22を有する記録ヘッドユニット20には、インク供給手段を構成するカートリッジ23A及び23Bがそれぞれ着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット20を搭載したキャリッジ24は、装置本体11に取り付けられたキャリッジ軸12に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動モータ13の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト14を介してキャリッジ24に伝達されることで、記録ヘッドユニット20を搭載したキャリッジ24はキャリッジ軸12に沿って主走査方向に移動される。
【0039】
さらに、プラテン30は、記録ヘッドユニット20に搭載された記録ヘッド22のノズル列21に相対向するようにキャリッジ軸12の軸方向に亘って設けられている。このプラテン30には、ノズル列21に相対向する面に主走査方向に亘って溝形状を有する吸収部31が設けられている。そして、このプラテン30の吸収部31には、縁なしモードによる印刷時に打ち捨てられたインク滴を吸収するインク吸収材32が保持されている。このように、吸収部31にインク吸収材32を設けることで、被記録媒体1の印刷面の全面に亘って縁なしモードによる印刷を行う際に、記録ヘッド22が被記録媒体1よりも広い領域にインク滴を吐出して被記録媒体1の端部から吸収部31内にインク滴が打ち捨てられても、打ち捨てられたインク滴を吸収部31内に保持されたインク吸収材32に吸収させることができる。
【0040】
また、搬送手段40は、このようなプラテン30と記録ヘッドユニット20との間に被記録媒体1を搬送するものであり、例えば、本実施形態では、図示しない駆動モータ等の駆動手段により回転される搬送駆動ローラ41と、搬送駆動ローラ41に圧接して搬送駆動ローラ41に従動回転する搬送従動ローラ42とで構成されている。そして、この搬送駆動ローラ41と搬送従動ローラ42との間に図示しない給紙装置から給紙された被記録媒体1が挟持されることで、被記録媒体1は、搬送駆動ローラ41の回転により記録ヘッドユニット20とプラテン30との間に搬送される。
【0041】
一方、記録ヘッドユニット20とプラテン30との間に搬送されて、所定の印刷が行われた被記録媒体1は、所定距離の搬送が行われた後、搬送方向下流側に設けられた排紙手段50によって排紙される。この排紙手段50は、本実施形態では、図示しない駆動モータ等の駆動手段により回転される排紙駆動ローラ51と、排紙駆動ローラ51に圧接して排紙駆動ローラ51に従動回転する排紙従動ローラ52とで構成されている。この排紙駆動ローラ51と排紙従動ローラ52との間に被記録媒体1が挟持されることで、被記録媒体1は記録ヘッドユニット20とプラテン30との間から排紙される。
【0042】
なお、このような構成の記録装置10では、詳しくは後述するが、縁なしモードによる印刷時には、記録ヘッド22に被記録媒体1よりも広い領域にインク滴を吐出させて、被記録媒体1の外側の領域、すなわち、被記録媒体1の端部でプラテン30にインク滴を打ち捨てながら印刷を実行することで、被記録媒体1の端部に余白を残さず、被記録媒体1の印刷面の全面に亘って縁なし印刷をすることができる。
【0043】
以下、図4を参照して、このような記録装置10を用いた本実施形態に係るインクジェット式記録方法について説明する。なお、図4は、実施形態1に係るインクジェット式記録方法の一例を説明する図である。まず、図4(a)に示すように、被記録媒体1のインク吸収層5側の面を記録ヘッド22に向けた状態で、その被記録媒体1を搬送手段40の搬送駆動ローラ41と搬送従動ローラ42との間に巻き込みながら記録装置10内部の印刷領域に搬送する。なお、ここでいう印刷領域とは、記録ヘッド22のノズル列21からインク滴が吐出されて印刷が実行される領域であり、少なくとも記録ヘッドユニット20とプラテン30との間を含む領域である。
【0044】
このように被記録媒体1を搬送手段40により巻き込む際に、本実施形態では、搬送手段40により被記録媒体1に対して圧力を付与し、この被記録媒体1の保湿層4に内在した圧力応答性のマイクロカプセル3に圧力を加えることにより、マイクロカプセル3を破壊する。これによって、マイクロカプセル3に内包した水が保湿層4に放出されて保湿層4が適度に湿るので、例えば、給紙装置での被記録媒体1同士の摩擦や搬送手段40との接触等によって生じた被記録媒体1の帯電が低減される。
【0045】
そして、図4(b)に示すように、印刷領域内において、記録ヘッド22から被記録媒体1よりも広い範囲に、すなわち、被記録媒体1の移動方向先端部の外側で、プラテン30のインク吸収材32に対してインク滴を打ち捨てながら印刷を実行する。そして、このような印刷領域に対して、搬送手段40により被記録媒体を一定の速度で搬送することで、被記録媒体1のインク吸収層5側の面の移動方向先端部側から端部に余白を残さず縁なし印刷が実行される。このような縁なし印刷の際、本実施形態では、被記録媒体1の保湿層4を予め湿らせて被記録媒体1の帯電が低減されているので、記録ヘッド22からインク滴を打ち捨てることで生じたインクミストが被記録媒体1に電気的に引き寄せられることがない。したがって、被記録媒体1の縁なし印刷されるインク吸収層5側の印刷面とは反対側、すなわち、保湿層4側の面にインクミストが付着して汚れるのを有効に防止できる。
【0046】
以上、本実施形態では、縁なし印刷の際、インクミストが付着しない程度に保湿層4を湿らせるようにしたが、これにより、印刷領域を実質的に加湿することができる。すなわち、このように印刷領域を加湿できれば、被記録媒体1の印刷面とは反対側の面にインクミストが付着するのをより有効に防止できる。なお、このような印刷領域は、湿度が50%以上となるのが好ましいが、湿度が高すぎると被記録媒体1に皺、印刷不良等が発生すると共に、搬送時にジャミング等が発生し易いため、80%以下の湿度とするのが好ましい。すなわち、印刷領域の好適な湿度は、50〜80%である。
【0047】
また、本実施形態では、被記録媒体1の保湿層4とは反対側の面にインク吸収層5を設けたが、これに限定されず、基材の少なくとも他方面側にインク吸収層を設ければよい。例えば、基材の両面にインク吸収層を設け、そのインク吸収層の少なくとも一方側の面上に保湿層を設けてもよいし、少なくとも一方のインク吸収層にマイクロカプセルを内在させてそのインク吸収層が被記録媒体の表面を湿らせる保湿層を兼ねるようにしてもよい。
【0048】
また、このような場合には、被記録媒体の保湿層に、例えば、熱応答性マイクロカプセルと圧力応答性マイクロカプセルとをそれぞれ存在させておき、一方面側を印刷する際に加圧し、他方面側を印刷する際に加熱するようにすれば、縁なし印刷を少なくとも保湿層が湿った状態で行うことができるため、上述したのと同様に、インクミストの付着を有効に防止することができるという効果もある。特に、このようにして少なくとも二種類のマイクロカプセルを含有する保湿層を設けるようにすれば、葉書の宛名面を先に印刷し、その後、裏面を印刷するようにしても、少なくとも保湿層を湿らせた状態で縁なし印刷を実行できるので、上述したのと同様の効果を得ることができる。
【0049】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2に係る被記録媒体の概略断面図である。なお、上述した実施形態1で図1を用いて説明した構成部分と同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。図5に示すように、本実施形態の被記録媒体1Aは、基材2の一方面側に設けられてマイクロカプセル3を含有する保湿層4と、この基材2の保湿層4側とは反対側に絶縁層であるポリエチレン層6を介して設けられたインク吸収層5とを具備する以外は上述した実施形態1と同様である。
【0050】
このような構成の被記録媒体1Aとしても、上述した実施形態1のインクジェット式記録装置の搬送手段により被記録媒体1Aを巻き込む際、マイクロカプセル3に圧力を付与して、このマイクロカプセル3から水を放出させて保湿層4を湿らせるようにする。これにより、被記録媒体1Aのインク吸収層5側の印刷面に縁なし印刷を実行する際、その印刷面とは反対側の保湿層4を湿らせるようにすることで、上述した実施形態1と同様に、被記録媒体1Aの保湿層4側の面にインクミストが付着して汚れが生じることを有効に防止できる。
【0051】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した各実施形態では、保湿層4に圧力応答性マイクロカプセル3を内在させた被記録媒体1及び1Aを一般の搬送手段40により巻き込んで加圧することで保湿層4を湿らせるようにしたが、被記録媒体を圧接してマイクロカプセルを破壊するローラ部材を別途設けるようにし、このローラ部材によって被記録媒体に圧力を加えて保湿層を湿らせるようにしてもよい。または、熱応答性マイクロカプセルを含有させた保湿層を有する被記録媒体の場合には、所定温度に加熱した状態の搬送手段により巻き込んで被記録媒体を加熱して保湿層を湿らせるようにしてもよいし、搬送手段とは別にヒータ等の加熱手段を設け、被記録媒体を加熱し、保湿層を湿らせるようにしてもよい。なお、このような搬送手段及び加熱手段は、少なくとも縁なし印刷時のみ動作して、マイクロカプセルを破壊するようにすればよい。
【0052】
さらに、上述した実施形態では、記録ヘッドユニット20が主走査方向に移動して被記録媒体の主走査方向に印刷を行う記録装置10を例示したが、縁なしモードによる印刷を行える記録装置であれば本発明を適用することができる。縁なしモードによる印刷を行える記録装置としては、例えば、固定された記録ヘッドに複数のノズル列が被記録媒体よりも広く設けられた、記録ヘッド固定型の記録装置を挙げることができる。
【0053】
なお、本発明では、マイクロカプセル内に水を内包したが、例えば、アルコール等の透明な液体、または、透明な液体と水とからなる混合液等を内包させても上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る被記録媒体の概略断面図である。
【図2】実施形態1に係る記録装置の概略斜視図である。
【図3】実施形態1に係る記録装置の要部拡大断面図及び平面図である。
【図4】実施形態1に係る記録方法の一例を説明する図である。
【図5】実施形態2に係る被記録媒体の概略断面図である。
【符号の説明】
1 被記録媒体、 2 基材、 3 マイクロカプセル、 4 保湿層、 5インク吸収層、 6 ポリエチレン層、 10 記録装置、 20 記録ヘッドユニット、 22 記録ヘッド、 21 ノズル列、 30 プラテン、 40 搬送手段、 50 排紙手段

Claims (9)

  1. 少なくとも一方面の少なくとも周縁近傍に設けられて水を内包したマイクロカプセルを含有する保湿層を具備することを特徴とする被記録媒体。
  2. 請求項1において、前記保湿層が前記一方面の全面に設けられていることを特徴とする被記録媒体。
  3. 請求項1又は2において、前記マイクロカプセルが、圧力に応答する圧力応答性マイクロカプセル及び熱に応答する熱応答性マイクロカプセルの少なくとも一方であることを特徴とする被記録媒体。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記保湿層は、基材の一方面側に設けられ、該基材の少なくとも他方面側には、樹脂材料からなる絶縁層と、当該絶縁層上に設けられてインクジェット式記録ヘッドから吐出されたインク滴を吸収して画像が形成されるインク吸収層とが設けられていることを特徴とする被記録媒体。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記保湿層側とは反対側の面が、前記インク滴を印刷領域より広い範囲に吐出することで全面に亘って縁なし印刷が行われる印刷面となっていることを特徴とする被記録媒体。
  6. 請求項5において、前記保湿層が設けられた面が、少なくとも端部近傍に余白を残す通常印刷が行われる印刷面となっていることを特徴とする被記録媒体。
  7. 請求項6において、前記通常印刷が行われる印刷面を宛名面とする葉書であることを特徴とする被記録媒体。
  8. 請求項1〜7の何れかの被記録媒体をインクジェット式記録装置に供給して当該被記録媒体の印刷領域より広い範囲にインク滴を吐出することで縁なし印刷を少なくとも実行するインクジェット式記録方法において、
    前記被記録媒体を前記インクジェット式記録装置内の被印刷領域に供給する際に、前記保湿層内に外部刺激を与えることで前記マイクロカプセルに内包された前記水を少なくとも前記保湿層に放出させるようにすることを特徴とするインクジェット式記録方法。
  9. 請求項8において、前記外部刺激を、前記被記録媒体を搬送ローラにより挟んで圧力を加えることにより行うことを特徴とするインクジェット式記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113602021A (zh) * 2021-08-04 2021-11-05 宁波卓越印务有限公司 一种印刷膜及其制备方法

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