JP2004305592A - 超音波処置装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】把持部材の歯の摩耗を防止して確実に組織を把持することができ、微細処置に適した処置部先端部分の細径化を図りつつ滑り止めの歯を先端まで形成すことの可能な超音波処置装置を提供する。
【解決手段】超音波処置装置は、超音波振動子で発生した超音波振動を伝達し、生体組織を処置する処置部41f(超音波プローブ)と、この処置部41fに対峙して回動自在に支持され、この処置部41fとの間で生体組織を把持するジョー51と、このジョー51に揺動可能に設け、生体組織を当接しながら把持する把持面54Aを有する把持部材54と、を具備する超音波処置具を有して構成される。そして、把持部材54の把持面54Aは処置部41fの形状に合わせた形状で形成され、この把持面54の両側の長手方向全域には生体組織を把持した際の滑り止めを行うための鋸歯状の歯部55が側面から見て傾斜するように設けられている。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体組織を把持して生体組織の切開、切除、或いは凝固等の超音波処置を施す超音波処置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、超音波処置装置は、生体組織に対して切開、切除、或いは凝固等の超音波処置を施すものである。
このような超音波処置装置は、例えば、手元側の操作部に超音波振動子が配設されると共に、この超音波振動子で発生した超音波振動を伝達し、生体組織を処置するための超音波プローブが先端側に配設されている。
【0003】
また、超音波処置装置は、長尺な挿入部としてのシースを備え、このシース先端には、超音波プローブに対峙して回動自在に支持される把持部材としてのジョーが配設されている。また、シース内に設けられた第1のチャンネルには超音波振動を伝達する振動伝達部材が挿通されている。振動伝達部材の先端部は、ジョーと対向するようにシースの先端開口から突出されており、ジョーとの間で把持した組織を超音波振動によって処置する超音波プローブとして形成されている。
【0004】
そして、超音波処置装置は、超音波プローブに対してジョーを開閉操作する可動ハンドルが操作部に配設されると共に、ジョーに可動ハンドルからの操作力を伝達するための操作ロッドがシース内の第2のチャンネルに軸方向に進退可能に挿入されている。
【0005】
そして、超音波処置装置は、可動ハンドルの操作に伴い、操作ロッドが第2のチャンネル内の軸方向に進退し、この操作ロッドの進退動作に連動してジョーを超音波プローブに対して閉操作するのに伴い、超音波プローブの振動伝達部材の先端部とジョーとの間で生体組織を把持するようになっている。
続いて、この状態で、超音波処置装置は、超音波振動子からの超音波振動を振動伝達部材を介して超音波プローブに伝達することにより、把持された生体組織に対して切開、切除、或いは凝固等の超音波処置を施すようになっている。
【0006】
この種の従来の超音波処置装置の関連技術としては、例えば特開2000−296132号公報に記載の超音波処置装置や、特開平11−192233号公報に記載の超音波鉗子凝固装置がある。
【0007】
前記特開2000−296132号公報の記載の超音波処置装置では、シース内に位置する振動伝達部材をそれぞれ支持する第1,第2の支持部材の配置位置等を改良することにより、振動エネルギを損失されることなく振動伝達部材の先端部の撓みを有効に抑制でき、組織を確実に把持して処置することができる技術が開示されている。
【0008】
また、前記特開平11−192233号公報に記載の超音波鉗子凝固装置では、該装置のクランプ機構と付属した超音波末端エフエクタとを共同作用させることにより、外科手術の際に組織を切断し、凝固させ、また把持することができる技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−296132号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平11−192233号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2000−254135号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような超音波処置装置では、通常、超音波プローブの処置部と、ジョーの有する把持部材とで生体組織を把持し、この把持した生体組織と、超音波プローブとの間に発生する摩擦熱を用いることで、該生体組織の切開、凝固、あるいは凝固切開の処置を行っているが、細かい生体組織でも確実に処置を行えるようにするために、従来より超音波処置部先端部分の細径化が望まれている。
【0013】
そこで、従来の超音波処置装置の超音波プローブの処置部と把持部材との形状について考慮すると、前記特開2000−296132号公報及び特開2000−254135号公報の記載の超音波処置装置では、超音波プローブの処置部と把持部材との接触部分の形状が平面もしくは円筒面となるように構成されている。ところが、平面形状の場合、超音波処置部の先端部分の細径化を図ることは可能ではあるが、超音波プローブに回転方向の方向性が発生して、シースとこれに挿通され支持される超音波プローブの位置決めが必要になってしまう。また、円筒面の場合、その接触(又は把持)部分の幅が先端側から処置部の基端側まで一定であることから、先端部分での微細な処置操作がしにくくなる。さらに、把持部材のみ先細の形状とした場合、先端近傍では把持部材の下面全てがプローブとの接触面となり、後述する歯を形成することが出来なくなり、組織を滑らせずに把持することが難しくなる。
【0014】
また、前記接触部分が円錐面である場合も考えれるが、このような場合、軸方向に対して往復振動する超音波プローブに把持部材が面接触せず、また組織に振動を加える作用が増大し、切開優位に働いてしまう。このため、切開機能は勿論、凝固切開機能を含み万能な処置機能と確実な組織の把持動作を満足することが望ましい。
【0015】
また、前記特開平11−192233号公報の記載の超音波鉗子凝固装置では、円筒形状の超音波プローブと、把持性を高めるための略鋸歯状の複数の歯を有する平面形状の把持部材との構成が開示されているが、この構成だと、滑り止め用の歯の一部分(接触部分)に円筒形状の超音波プローブの摩擦が加わることから、対応する歯の部分が摩耗し易くなってしまい、その結果、組織を把持する際に、先端部では滑りやすくなってしまうといった不都合もある。
【0016】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、把持部材の歯の摩耗を防止して確実に組織を把持することができるとともに、微細処置に適した処置部先端部分の細径化を図りつつ滑り止めの歯を先端まで形成することの可能な超音波処置装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の超音波処置装置は、超音波振動子で発生した超音波振動を伝達し、生体組織を処置する超音波プローブと、前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブの処置部との間で生体組織を把持するジョーと、前記ジョーに揺動可能に設けられ、前記生体組織を当接しながら把持する把持面を有する把持部材と、を具備し、前記把持部材の前記把持面を前記超音波プローブの形状に合わせた形状で形成するとともに、この把持面の両側の長手方向全域に、前記生体組織を把持した際の滑り止めを行うための滑り止め部を設けて構成したことを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の請求項2に記載の超音波処置装置は、超音波振動子で発生した超音波振動を伝達し、生体組織を処置する超音波プローブと、前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブの処置部との間で生体組織を把持するジョーと、前記ジョーに揺動可能に設けられ、前記生体組織を当接しながら把持する把持面を有する把持部材と、前記超音波振動子を制御駆動するための駆動回路と、を具備し、前記把持部材の前記把持面を前記超音波プローブの形状に合わせた形状で形成するとともに、この把持面の両側の長手方向全域に、前記生体組織を把持した際の滑り止めを行うための滑り止め部を設けて構成したことを特徴とするものである。
この構成により、把持部材の滑り止め部材としての歯の摩耗を防止して確実に組織を把持することができるとともに、微細処置に適した処置部先端部分の細径化を図ることの可能な超音波処置装置を実現する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1乃至図6は本発明の超音波処置装置の第1の実施の形態に係り、図1は本発明の第1の実施の形態の超音波処置装置を示す全体構成図、図2は図1の装置本体の構成を示す回路ブロック図、図3は図1の超音波処置具の分解状態を示す側面図、図4は図1の超音波処置具全体の組立状態を示す側面図、図5及び図6は改良がなされた超音波処置部の詳細な構成を説明するためのもので、図5は改良がなされた超音波処置部全体の構成図、図5(A)は該超音波処置部の先端側の全体構成を示す斜視図、図5(B)は上面図、図5(C)は側面図である。また、図6は図5に示すジョーの把持部材の構成を説明するためのもので、図6(A)は接触面を有する裏側(下面側)からみた斜視図、図6(B)はさらに詳細な構成を説明するための構成図である。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態の超音波処置装置1は、装置本体1Aに超音波処置具2及びフットスイッチ3がそれぞれ接続されている。
また、超音波処置具2は、細長いシース状の挿入部外套管4(挿入シース部31aともいう)の先端部に処置部5、基端部に手元側の操作部6がそれぞれ配設されている。ここで、操作部6は、超音波振動を発生する図示しない超音波振動子が内蔵され、処置部5を操作する操作ハンドル8とが設けられている。
更に、挿入部外套管4は、この内部に超音波振動子からの超音波振動を処置部5に伝達する振動伝達部材9が配設されている。この振動伝達部材9の先端部は、挿入部外套管4の先端から外部側に露出される。
【0021】
また、装置本体1Aは、この前面に操作盤12が設けられている。この操作盤12は、電源スイッチ13と、操作表示パネル14と、超音波処置具接続部15とが設けられている。ここで、超音波処置具2の操作部6は、ハンドピースコード16の一端が連結されている。そして、このハンドピースコード16の他端部に配設されたハンドピースプラグ17は、装置本体1Aの超音波処置具接続部15に着脱可能に接続されるようになっている。
【0022】
また、装置本体1Aの操作表示パネル14は、超音波処置を行う際の通常運転時の超音波出力の大きさを設定する設定スイッチ18と、この設定スイッチ18で設定される超音波出力の大きさをデジタル表示する表示部19とが設けられている。この設定スイッチ18は、超音波出力の大きさを変更(増減)する出力増加スイッチ18aと、出力低減スイッチ18bとが設けられている。
【0023】
更に、装置本体1Aは、図2に示すように超音波処置具2内の超音波振動子に電気エネルギを供給するための駆動回路20が内蔵されている。
この駆動回路20は、超音波周波数の交流信号を発生する発振回路21と、超音波出力の大きさを指示する信号を生成するD/Aコンバータ22と、このD/Aコンバータ22からの信号に基づいて発振回路21の交流信号の大きさを制御するVCA回路23と、VCA回路23の出力を増幅して超音波処置具2内の超音波振動子を駆動する電力を生成するパワーアンプ24と、駆動回路20の出力ラインを入切するリレー25と、超音波処置装置1の動作を制御する制御回路26と、フットスイッチ3からの操作信号を制御回路26及びリレー25に伝達するインターフェース(I/F)回路27とが設けられている。
【0024】
また、制御回路26は、フットスイッチ3の操作による超音波処置の開始時に超音波処置具2内の超音波振動子からの超音波出力を設定スイッチ18による設定出力値よりも大きくし、超音波処置開始後、予め設定された所定の設定時間が経過した時点で、超音波振動子からの超音波出力が設定出力値になるように制御する運転状態切換え手段が内蔵されている。尚、駆動回路20のリレー25は、超音波処置具接続部15とパワーアンプ24との間に介設されている。
【0025】
超音波処置具2は、図3及び図4に示すように、3つのユニットに分解可能である。即ち、超音波処置具2は、ハンドルユニット31と、プローブユニット32と、振動子ユニット33とから構成されている。これらの3つのユニット31〜33は、図4で示す状態に組み立てられる。
【0026】
振動子ユニット33は、ハンドルユニット31に着脱可能に連結されるハンドピース34が設けられている。このハンドピース34は、円筒状カバー34a内に超音波振動を発生するための超音波振動子(不図示)が内蔵されている。
この超音波振動子は、先端側に振幅拡大を行なうホーン(不図示)が連結され、このホーンの先端側がプローブユニット32の基端側に取り付けられる。
【0027】
また、円筒状カバー34aは、この先端部にハンドルユニット31の後述する操作部本体6aの振動子接続部6bに着脱可能に連結されるユニット連結部34bが設けられている。このユニット連結部34bの外周面は、リングの一部を切り離したC字型の形状をしている係合リング39(所謂Cリング)が装着されている。尚、係合リング39は、この断面形状が外周を円弧とする略半月状の断面形状に形成されている。
また、円筒状カバー34aの後端部は、端部にハンドピースプラグ17を設けたハンドピースコード16が接続されている。
【0028】
また、プローブユニット32は、振動子ユニット33における図示しないホーンの先端側に着脱可能に連結される細長い略棒状の振動伝達部材9が設けられている。
この振動伝達部材9の基端部は、ホーンのプローブ取付部36aに連結される取付けねじ41aが形成されている。そして、この取付けねじ41aは、振動子ユニット13におけるプローブ取付部36aのねじ穴部にねじ込み固定されている。これにより、プローブユニット32と、振動子ユニット33とは、一体的に組み付けられている。
【0029】
更に、振動伝達部材9は、基端側から伝達される超音波振動の定在波の節の位置(複数個所)にフランジ状の弾性支持部材41bが設けられている。この弾性支持部材41bは、弾性部材でリング状に形成されており、装着した振動伝達部材9を挿入部外套管4のプローブチャンネル管(図示せず)内に支持する。
また、本実施の形態の振動伝達部材9は、基端部側から2つ目の節の前方に第2段階の振幅拡大を行なう基端側ホーン41cが配設されている。更に、この基端側ホーン41cの先端部側は、超音波振動の伝達を行う中間部41d、最終的な振幅拡大を行う先端側ホーン41e、処置部41f(超音波プローブ)が順次配設されている。ここで、振動伝達部材9の最先端部に配置された処置部41fは、略円形の断面形状に形成されている。
【0030】
また、ハンドルユニット31は、細長い挿入シース部31aと、この挿入シース部31aの先端部に配設された先端作用部31bと、挿入シース部31aの基端部に配設された操作部6とから構成される。ここで、ハンドルユニット31の操作部6は、略円筒状の操作部本体6aが設けられている。そして、この操作部本体6aの基端部は、振動子接続部6bが形成されている。
【0031】
また、操作部本体6aは、この外周面に固定ハンドル42と、操作手段を構成する回動可能な可動ハンドル43とが設けられ、固定ハンドル42及び可動ハンドル43によって操作ハンドル8(図1参照)が構成される。
また、操作部本体6aは、図示しない高周波電源装置が接続される高周波接続用の電極ピン44が設けられている。
【0032】
また、固定ハンドル42の上側部分は、円筒状の操作部本体6aと一体成形されている。更に、固定ハンドル42の操作端部は、親指以外の指の複数のものを選択的に差し込める指掛け孔42aが設けられ、可動ハンドル43の操作端部は、同じ手の親指を掛ける指掛け孔43aが設けられている。
【0033】
また、可動ハンドル43の上端部側は、二股状の連結部43bが形成されている。これらの二股状の連結部43bは、操作部本体6aの両側に配置されている。更に、各連結部43bの上端部は、ハンドル枢支軸45が内方向に向けて突設されている。これらのハンドル枢支軸45は、挿入部外套管4の軸線より上側位置の支点で操作部本体6aに連結されている。これにより、可動ハンドル43は、ハンドル枢支軸45によって回動可能に枢支されている。尚、ハンドル枢支軸45は、高周波絶縁用の絶縁キャップが取り付けられている。
【0034】
更に、可動ハンドル43の各連結部43bは、ハンドル枢支軸45の下側に作動軸47が設けられている。この作動軸47は、挿入部外套管4内(図5参照:操作ロッドチャンネル管4A)を挿通する操作ロッド50(図5参照:操作力伝達部材)に進退力を伝達するためのものである。そして、操作ロッド50は、軸方向に進退する動作によって、処置部41fに対して後述のジョー51に開閉操作を行わせる。即ち、可動ハンドル43と作動軸47とは、操作手段を構成している。尚、作動軸47は、挿入部外套管4の略軸線上に配置されている。
【0035】
本実施の形態では、超音波処置具2は、ハンドルを握って可動ハンドル43を閉操作すると、作動軸47が前側に移動することで、操作ロッド50を前側に押し出し、処置部41fに対してジョー51が閉じるように構成されている。
【0036】
また、挿入部外套管4(挿入シース部31a)の基端部は、回転ノブ48と共に、操作部本体6aの先端部にこの操作部本体6aの中心線の軸回り方向に回転可能に取付けられている。ここで、挿入部外套管4は、図示しない金属管の外周面に絶縁チューブ49が装着されて形成されている。この絶縁チューブ49は、挿入部外套管4の外周面全体を基端部までの大部分被覆する状態に設けられる。
【0037】
また、ハンドルユニット31は、先端作用部31bに生体組織を把持するための片開き型のジョー51が回動自在に取り付けられている。このジョー51には、後述するように操作ロッド50を連結する。
【0038】
挿入部外套管4は、この先端部にジョー51を保持するジョー保持部52が設けられている。このジョー保持部52は、略管状の保持部材本体52aの先端部が絶縁カバー53で被覆され、高周波電流に対する絶縁が行われている。更に、ジョー51には、生体組織(臓器)を把持する把持部材54が図示しない揺動支点で揺動可能に取り付けられている。
【0039】
次に、本実施の形態の特徴となる処置部5の詳細な構成を説明する。
図4に示すようにジョー51は、その取付け部が挿入部外套管4の保持部材本体52aの先端に形成されたスロット(図示せず)に挿入され、枢支軸60を介して保持部材本体52aに回動可能に取り付けられている。
【0040】
また、ジョー51には、先端側に把持部材54が揺動可能に配置されている。具体的には、ジョー51は、把持部材54を挟み込むようにして一体的に連結し、枢支ピン(図示せず)により揺動支点(図示せず)で把持部材54を揺動可能に取り付けている。
【0041】
本実施の形態では、上記目的を達成するために、前記ジョー51の把持部材54の形状に改良を施している。
【0042】
すなわち、前記把持部材54を有するジョー51が装着された超音波処置部5の先端部分の概略構成が図5(A)に示されている。
【0043】
図5(A)に示すように、ジョー51の把持部材54は、挿入部外套管4内に挿通される振動伝達部材9の先端部に設けられた円筒状の処置部41f(超音波プローブ)の外周面と接触して組織を把持する把持面54A(54a)と、この把持面54Aの両側に配され、挿入方向(長手方向)に所定の幅(L1,L2:図6参照)を有して略鋸歯状に形成される滑り止め部材としての歯部55とを有して構成されている。
【0044】
また、把持部材54は、図5(B),図5(C)に示すように、先端部分が先細で根本部分が幅広となる形状で形成されるとともに、先端部分の歯部55の頂点と根本部分の歯部55の頂点とを結ぶ線が側面からみて所定各α°傾斜するように該把持部材54の厚みが先端部分では薄く根本部分では厚くなるように形成されている。
【0045】
この場合、把持面54Aは、図5(C)に示すように、該把持部材54が処置部41fに接触した際に、該把持部材54の上面と円筒状の処置部41fの外周(下側の外周)とが略平行となる所定の深さ、つまり、該処置部41fの外周面と密接するように該処置部41fの外周面に合わせた円筒形状に形成されている。
【0046】
さらに詳細に説明すると、前記把持部材54の把持面54Aは、図6(A)に示すように、先端部分の把持面54aの幅が狭く、また根本部分の把持面54bの幅が広くなるように形成されている。したがって、円筒形状の把持面54Aは、図6(B)に示すように、投影図において、楕円形状に形成されることになる。
【0047】
また、把持部材54と処置部41fとを接触した場合の先端部分と根本部分の各断面図が図6(B)に示されている。つまり、把持部材54の根本部分は、把持面54bにて処置部41fと面接触可能な厚みH1を有して構成され、また先端部分は把持面54aにて処置部41fの先端部と面接触可能な厚みH2を有して構成されている。この場合、把持部材54は、H2<H1 の関係を満足している。
【0048】
また、把持面54Aの両側に配された歯部55は、それぞれ所定の幅で複数の歯が併設されるように形成されている(図6(A)参照)。
【0049】
例えば、根本部分の歯部55の幅をL1とし、先端部分の歯部55の幅をL2とすると、L1≒L2 となる。すなわち、先端部分から根本部分にかけて一定の幅(L1,L2)を確保するように両側の歯部55を構成することで、処置部41fと組織を把持する際に先端部分から根本部分まで組織を滑らせずに確実に把持することが可能となる。
【0050】
なお、前記所定の幅(L1,L2)を極めて小さくした構成は、歯部55が組織を把持する際の滑り止めとしての効果が小さくなり、構造的に把持性が劣化することになるので、好ましくない。よって、所定寸法以上の幅が必要である。
【0051】
また、本実施の形態において、前記把持部材54は、例えばPTFE(テフロン:デュポン社商標名)等の低摩擦材料で形成すれば良い。また、把持部材54は、単体では、剛性に乏しいので、図示しない金属製の強度部材を取り付けて剛性を確保しても良い。
【0052】
次に、本実施の形態の特徴となる作用を説明する。
【0053】
いま、本実施の形態の超音波処置装置の処置具5を用いて組織の切開、または凝固切開等の処置を行うものとする。
【0054】
すると、生体内に挿痛された超音波処置具5のジョー51の把持部材54と、振動伝達部材9の先端側の超音波プローブ(処置部41f)とで組織を把持することになる。
【0055】
この場合、処置する組織が微細なものであったとすると、従来の超音波処置装置では、把持部材の形状が先端から基端まで同一幅のため先端において幅広で微細処置を行うには好ましくない。また、円筒形状の超音波プローブを用いて把持部材の形状のみ先細の場合、先端部分の組織に食い込むべき歯の先端の幅が小さくなり、組織を把持する際に滑りやすくなってしまう。
【0056】
しかしながら、本実施の形態では、細径の円筒形状の超音波プローブ(処置部41f)とで把持する把持部材54は、処置部41fに対して当て付ける把持面54Aが、該処置部41fの外周面と面接触する円筒形状に形成されると同時に、該把持面54Aの両側の長手方向の全長に渡って、滑り止め作用を向上させるのに有効な所定の幅で歯部55を設けて構成されているので、図6(B)に示すように歯部55の突縁部55aによって組織を滑らせることなく確実に把持することが可能となり、先端部分において確実に把持することが可能となる。
【0057】
また、先端部分から根本部分にかけて常に安定した摩擦力を得ることが可能となり、切開、凝固、あるいは凝固切開等の処置を全て効果的に行うことも可能となる。
【0058】
したがって、本実施の形態によれば、把持部材の歯を確実に形成して確実に組織を把持することができるとともに、簡単な構成にて、微細処置に適した処置部先端部分の細径化を図ることができる超音波処置装置の実現が可能となる。
【0059】
ところで、超音波処置装置では、長手方向(軸方向)の振動ではなく、捻り振動を用いて同様の機器を構成することもある。
【0060】
このような場合、円筒状プローブでは先端部ほど処置部表面における周速が早くなるため、先端部での発熱が多くなり、すなわち、処置部の全長に渡って均一な発熱を行わせるが難しい。
【0061】
本発明では、捻り振動を用いた場合において、処置部の先端部の細径化に好適の円錐形状、又は先細りのテーパー形状の超音波プローブ(処置部)を用いて処置部の全長に渡って均一な熱を発生させ、均一な凝固切開が可能である。このような実施の形態を下記に示す。
【0062】
(第2の実施の形態)
図7及び図8は本発明の超音波処置装置の第2の実施の形態を示し、図7(A)は本実施の形態の超音波処置部の先端側の全体構成を示す斜視図、図8は図7に示す超音波処置部の詳細な構成を説明するためのもので、図8(A)は上面図、図8(B)は側面図、図8(C)は該処置部に対応する捻れ角及び周速の特性を示す特性図を示している。なお、図7及び図8は、前記第1の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0063】
本実施の形態の超音波処置装置では、図7に示すように、振動伝達部材9の超音波プローブ(処置部)41f1の形状が、円錐形状または曲線を母線とする回転形状に形成されている。
【0064】
また、この処置部41f1に接触するジョー51Aは、把持部材54Bを備えている。この把持部材54Bは、前記第1の実施の形態と略同様に処置部41f1の外周面と密着する把持面54Aと、この把持面54Aの両側に配された歯部55とを設けて構成されているが、処置部41f1と対向する面の平面形状が第1の実施の形態と同様であり(図8(A)参照)、また、把持部材54Bの基端部分の厚さが把持面54bにおいて薄く、一方先端部分の厚さが把持面54aにおいて厚くなるように構成されている(図8(B)参照)。
【0065】
したがって、このように構成すれば、超音波プローブ(処置部)41f1を、円錐形状または曲線を母線とする回転体形状に構成した場合でも、図8(C)に示すように、処置部41f1の捻れ振動の定在波の節を節Cとすると、周速は処置具41f1の半径に捻れ角度を乗算したものとなるため、把持面54Aの周速を先端部分から根本部分にかけて均一にすることができる。すなわち、周速が把持面54Aの先端部部から根本部分まで均一であるため、発熱を均一に発生させることが可能となり、先端部から根本基端部にかけて凝固切開性能を均一に行うことができる。
【0066】
その他の構成及び作用については前記第1の実施の形態と同様である。
【0067】
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と略同様の効果が得られる他に、処置部の先端部の細径化に好適の円錐形状、又は先細りのテーパー形状の超音波プローブ(処置部)を用いても処置部の全長に渡って均一な発熱を発生させ、切開優位とならない均一な凝固切開が可能となる。また、処置部の先端部の細径化を図ることができるので、微細な処置を行うことも可能である。
【0068】
(変形例)
図9は前記第2の実施の形態の超音波処置処置部の変形例を示し、図9(A)は該超音波処置部全体の構成を示す上面図、図9(B)は側面図、図9(C)は該処置部に対応する捻れ角及び周速の特性を示す特性図を示している。なお、図9は、前記第2の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0069】
本例では、前記第2の実施の形態にて用いた超音波プローブ(処置部)41f1の形状を、さらに周速の均一さがより厳密になる形状に構成したことが特徴である。
【0070】
具体的には、図9(A),図9(B)に示すように、超音波プローブ(処置部)41f2は、曲線を母線とする回転体形状に形成され、さらに母線形状を略余弦(cosin )形状となる曲線とした。
【0071】
一方、前記把持部材54Cの把持面54Aは、前記処置部41f12のR形状に合わせた形状で構成されている。なお、図示はしないが把持面54Aの両側に設けられた歯部55については前記第2の実施の形態と略同様に設けられている。
【0072】
また、把持部材54Cは、前記第2の実施の形態と略同様に処置部41f2と対向する形状が先細であるが、把持部材54Bの先端部分から根本部分にかけての厚みが、把持面54Aの全長において均一となるよう構成されている。
【0073】
したがって、上記構成とすることにより、超音波プローブ(処置部)41f2を、曲線を母線とする回転体形状とすることにより、図9(C)に示すように、処置部41f1の捻れ振動の定在波の節を節Cとすると、前記第2の実施の形態と略同様に把持面54Aの周速を先端部分から根本部分にかけて前記第2の実施の形態より一段と均一にすることができ、一層の効果が得られる。
【0074】
ところで、従来の超音波処置装置では、通常用いられる超音波プローブ(処置部)の形状は半径一定の円筒形状であるが、把持部材から組織に掛かる把持荷重(以下、単に荷重)とその把持面積との関係を変えるような形状にすることで、切開優位か凝固優位かのいずれかのひとつに設定することが可能である。
【0075】
また、他の従来技術としては、円筒の片側に鈍角の長手方向のエッジを形成した超音波プローブもあり、処置手術する準備段階で、円筒形状かエッジを形成したものであるかを選択し、組立てて所望する処置を行っていた。
【0076】
しかしながら、このような構成では、所望する処置を行うためには処置の準備段階で対応する形状の超音波プローブを選択し組立てなければならず面倒であり、また、処置中の切換は極めて困難である。
【0077】
そこで、本発明はこのような不都合に鑑み、広範囲な凝固処置と短時間での切開処置とを1つの超音波プローブに兼ね備え、効率よく処置を行うことが可能である。このような実施の形態を下記に示す。
【0078】
(第3の実施の形態)
図10及び図11は本発明の超音波処置装置の第3の実施の形態を示し、図10は切開優位の処置機能を有する超音波処置部の先端側の全体構成を示す斜視図、図11は切開及び凝固の処置機能を有する超音波処置部の先端側の構成を示す構成図である。なお、図10及び図11は、前記第1の実施の形態と同様な構成要素については同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
【0079】
本実施の形態の超音波処置装置は、切開優位となる処置機能を有するもので、その構成は振動伝達部材9の超音波プローブ(処置部)41f3の形状を、基端部において接線方向が水平となる曲線の形状に湾曲させた1次曲面となるように構成すると同時に、側面を平面形状となるように構成したことが特徴である。
【0080】
具体的には、前記超音波プローブ(処置部)41f3は、図10に示すように、把持部材54Dの把持面と接触する処置面60と、その処置面の両側に配された側面61とを有して構成される。
【0081】
前記処置面60は、上述したように、処置部41f3の先端部から基端部にかけて長手方向軸に略平行な曲線の形状に湾曲させた1次曲面として形成される。つまり、先端部が先細の形状に構成されている。
【0082】
また、側面61は、長手方向軸に対して垂直に切り掛かれた平面形状に構成されている。
【0083】
一方、前記処置面60と密接する把持部材54Dは、前記第1の実施の形態と略同様に処置部41f3の処置面60と密接するすように形成された把持面54Aと、この把持面54Aの両側に配された歯部55とを設けて構成されている。すなわちた、把持部材54Dは、超音波プローブ(処置部)41f3の形状に合わせた形状で構成されたものとなる。
【0084】
その他の構成は、前記第1の実施の形態と略同様である。
【0085】
したがって、上記構成の超音波処置部においては、超音波プローブ(処置部)41f3の処置面60が基端部においてその接線方向が水平となる曲線の形状に湾曲させた2次曲面として形成され、すなわち、先端部が先細の形状に構成されているので、先端部において把持面の法線方向の速度成分が発生し、この速度成分により処置部41f3の処置面においてキャビテーションが発生し、切開優位の処置を行うことが可能となる。
【0086】
この場合、特に処置部41f3の先端部分においては、その処置機能が顕著となる。基端部においては面が長手方向軸に略平行となるので、従来通り凝固優位の処置が可能である。
【0087】
また、本発明では、このように切開優位となる超音波処置部の先端形状を用いて、切開及び凝固の両方の処置機能をより明確に有する超音波処置部も構成することが可能である。
【0088】
具体的には、図11に示すように、本例の前記超音波プローブ(処置部)41f4は、前記処置面60(図10参照)が先端部から略中央部分にかけて長手方向軸に曲線の形状に湾曲させた曲面部60aと、略中央近傍から根本部分(基端部)にかけて長手方向軸に対して略平面の形状に形成された平面部60bとの2つを設けて構成されている。
【0089】
一方、図示はしないが把持部材54Dの把持面54Aの形状も、この超音波プローブ(処置部)41f4の形状に合わせて構成されている。
【0090】
その他の構成は、図10に示す超音波処置部と同様である。
【0091】
したがって、上記構成の超音波処置部においては、前記曲面部60aに位置する先端部分ではキャビテーションが発生して切開優位の特性を得ることができると同時に、前記平面部60bに位置する基端側部分では挿入軸方向の振動による摩擦熱が発生して通常の凝固優位の特性をえることが可能となる。すなわち、基端側の平面部60近傍で充分に凝固させた後に、該超音波処置部による把持位置を先端側の曲面部60aに移動させることで短時間で切開処置を効率良く行うことが可能となる。
【0092】
したがって、本実施の形態によれば、超音波処置部の先端部の細径彼はかることができることは勿論のこと、広範囲な凝固処置と短時間での切開処置とを1つの超音波プローブに兼ね備え、効率よく処置を行える万能な超音波処置装置の実現が可能である。
【0093】
なお、本実施の形態では、図12及び第13の変形例に示すような超音波プローブ(処置部)及び把持部材を構成してもよい。このような変形例を下記に示す。
【0094】
(変形例1)
図12は図10に示す超音波処置部の変形例を示し、該超音波処置部の先端側の構成を示す構成図である。つまり、図12に示すように、超音波プローブ(処置部)41f5は、図10に示す処置面60の2次曲面の形状を代表する曲線を母線とし、先端部から基端部にかけて長手方向軸の周りに回転させた回転体形状に構成されている。
【0095】
この場合、把持部材54Eは、図10に示す把持部材54Dと略同様に把持面54Aが処置部41f5の形状に合わせて構成され、また、先端部分が先細の形状となるように構成される。
【0096】
このような構成により、図10に示す超音波処置部と同様な作用,効果が得られる。さらに、平面形状でも先細とすることができ、より微細な処置が可能となる。
【0097】
(変形例2)
図13は図11に示す超音波処置部の変形例を示し、該超音波処置部の先端側の構成を示す構成図である。つまり、図13に示すように、超音波プローブ(処置部)41f6は、処置面が、先端部から略中央部分にかけて長手方向軸の周りに回転させた回転体形状の円錐面部60bと、略中央近傍から根本部分(基端部)にかけて長手方向軸に対して略平行の円筒形状に形成された円筒面60bとの2つを設けて構成されている。
【0098】
この場合の把持部材54Eは、図示はしないが図12に示す把持部材54Dと略同様に把持面54Aが処置部41f6の形状に合わせて構成され、また、先端部分が先細の形状となるように構成される。
【0099】
このような構成により、図11に示す超音波処置部と同様な作用,効果が得られる。
【0100】
また、これら(図12,図13)の形状のプローブでは、軸方向の振動と捻り振動とを切り替えて使用するよう電源部を構成しても良い。この場合、切開優位な部位がなくなり、長大な凝固優位部を有する処置装置となる。
【0101】
なお、本実施の形態において、超音波プローブ(処置部)の形状は、図10乃至図13に示す形状に限定されることはなく、これらを組み合わせて所望する処置機能を満足できるように構成しても良い。この場合、設定した処置具の形状に合わせて把持部材の把持面の形状も変更する必要がある。
【0102】
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0103】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施の形態によれば、以下のごとき構成を得ることができる。
【0104】
(付記項1) 超音波振動子で発生した超音波振動を伝達し、生体組織を処置する超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブの処置部との間で生体組織を把持するジョーと、
前記ジョーに揺動可能に設けられ、前記生体組織を当接しながら把持する把持面を有する把持部材と、
を具備し、
前記把持部材の前記把持面を前記超音波プローブの形状に合わせた形状で形成するとともに、この把持面の両側の長手方向全域に、前記生体組織を把持した際の滑り止めを行うための滑り止め部を設けて構成したことを特徴とする超音波処置装置。
【0105】
(付記項2) 超音波振動子で発生した超音波振動を伝達し、生体組織を処置する超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブの処置部との間で生体組織を把持するジョーと、
前記ジョーに揺動可能に設けられ、前記生体組織を当接しながら把持する把持面を有する把持部材と、
前記超音波振動子を制御駆動するための駆動回路と、
を具備し、
前記把持部材の前記把持面を前記超音波プローブの形状に合わせた形状で形成するとともに、この把持面の両側の長手方向全域に、前記生体組織を把持した際の滑り止めを行うための滑り止め部を設けて構成したことを特徴とする超音波処置装置。
【0106】
(付記項3) 前記把持部材の前記把持面は、前記超音波プローブの処置部と面接触するように形成され、前記滑り止め部材は、挿入軸方向に対して鉛直に、複数併設された鋸波状の歯部で形成したものであることを特徴とする付記項1又は付記項2に記載の超音波処置装置。
【0107】
(付記項4) 前記把持部材は、その幅が先端部にかけて幅が小さくなるように形成され、厚みが前記歯部の頂点を結ぶ線が側面からみて基端部にかけて傾斜するように先端部では薄く、基端部では厚くなるように形成されたことを特徴とする付記項3に記載の超音波処置装置。
【0108】
(付記項5) 前記把持部材の把持面は楕円形状に形成され、前記歯部は先端側から基端側にかけて均一な幅の先端縁を有して形成されていることを特徴とする付記項4に記載の超音波処置装置。
【0109】
(付記項6) 前記超音波プローブの処置部は、細径の円筒形状で構成されたことを特徴とする付記項1又は付記項2に記載の超音波処置装置。
【0110】
(付記項7) 前記超音波プローブの処置部は、円錐状又は曲線を母線とする回転体形状に構成され、把持部材が先細の形状であり、捻り振動を印加されることにより、処置部が捻り振動による往復回転運動を行うことを特徴とする付記項1又は付記項2に記載の超音波処置装置。
【0111】
(付記項8) 前記超音波プローブの処置部は、基端部の周速が先端部の周速を上回るよう外径を大きくした曲線を母線とする回転体形状に形成されたことを特徴とする付記項7に記載の超音波処置装置。
【0112】
(付記項9) 前記超音波プローブの処置部は、基端部においてその接線が長手方向軸に略平行となる曲線の形状に湾曲させた1次曲面となる処置面を有して構成されるとともに、側面が平面形状に構成されたことをとなるように構成したことを特徴とかる付記項1又は付記項2に記載の超音波処置装置。
【0113】
(付記項10) 前記把持部材は、その把持面が前記超音波プローブの処置部と面接触するように形成されたことを特徴とする付記項9に記載の超音波処置装置。
【0114】
(付記項11) 前記超音波プローブの処置部は、前記1次曲面の形状を代表する曲線を母線として長手方向軸の周りに回転させた回転形状体に構成し、前記把持部材の把持面は、前記超音波プローブの処置部と面接触するように形成されたことを特徴とする付記項9に記載の超音波処置装置。
【0115】
(付記項12) 前記超音波プローブの処置部は、先端部から略中央部分にかけて長手方向軸に沿って湾曲させた2次曲面部と、略中央近傍から基端部にかけて長手方向軸に対して略平行な平面の形状に形成された平面部とからなる処置面を有して構成されたことを特徴とする付記項1又は付記項2に記載の超音波処置装置。
【0116】
(付記項13) 前記把持部材は、その把持面が前記超音波プローブの処置部と面接触するように形成されたことを特徴とする付記項12に記載の超音波処置装置。
【0117】
(付記項14) 前記超音波プローブの処置部は、先端部から略中央部分にかけて長手方向軸の周りに所定形状の曲線または直線を回転させた回転体形状の面と、略中央近傍から基端部にかけて長手方向軸に対して略平行の円筒形状に形成された円筒面とからなる処置面を有して構成されたことを特徴とする付記項1又は付記項2に記載の超音波処置装置。
【0118】
(付記項15) 前記把持部材は、その把持面が前記超音波プローブの処置部と面接触するように形成されたことを特徴とする付記項14に記載の超音波処置装置。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、把持部材の平面形状を先細の形状とし、微細処置に適した処置部先端部分の細径化を図るとともに、把持部材の歯を効果的に形成して確実に組織を把持することが可能な超音波処置装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超音波処置装置を示す全体構成図。
【図2】図1の装置本体の構成を示す回路ブロック図。
【図3】図1の超音波処置具の分解状態を示す側面図。
【図4】図1の超音波処置具全体の組立状態を示す側面図。
【図5】改良がなされた超音波処置部全体の構成図。
【図6】図5に示すジョーの把持部材の構成を説明するための構成図。
【図7】本発明の第2の実施の形態の超音波処置装置の超音波処置具先端側の全体構成を示す構成図。
【図8】図7に示す超音波処置部の詳細な構成を説明するための構成図。
【図9】第2の実施の形態の超音波処置処置部の変形例を示す構成図。
【図10】本発明の第3の実施の形態の超音波処置装置の超音波処置具先端側の全体構成を示す構成図。
【図11】図10の超音波処置具に改良施した超音波処置具先端側の全体構成を示す構成図。
【図12】第2の実施の形態の超音波処置処置部の第1の変形例を示す構成図。
【図13】第2の実施の形態の超音波処置処置部の第2の変形例を示す構成図。
【符号の説明】
1…超音波処置装置、
1A…装置本体、
2…超音波処置具、
3…フットスイッチ、
4…挿入部外套管、
5…処置部、
6…操作部、
9…振動伝達部材、
31…ハンドルユニット、
32…プローブユニット、
33…振動子ユニット、
41f…処置部(超音波プローブ)、
50…操作ロッド、
51…ジョー、
52…ジョー保持部、
52a…保持部本体、
54…把持部材、
54A…把持面、
55…歯部(滑り止め部材)、
60…枢支軸。

Claims (2)

  1. 超音波振動子で発生した超音波振動を伝達し、生体組織を処置する超音波プローブと、
    前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブの処置部との間で生体組織を把持するジョーと、
    前記ジョーに揺動可能に設けられ、前記生体組織を当接しながら把持する把持面を有する把持部材と、
    を具備し、
    前記把持部材の前記把持面を前記超音波プローブの形状に合わせた形状で形成するとともに、この把持面の両側の長手方向全域に、前記生体組織を把持した際の滑り止めを行うための滑り止め部を設けて構成したことを特徴とする超音波処置装置。
  2. 超音波振動子で発生した超音波振動を伝達し、生体組織を処置する超音波プローブと、
    前記超音波プローブに対峙して回動自在に支持され、この超音波プローブの処置部との間で生体組織を把持するジョーと、
    前記ジョーに揺動可能に設けられ、前記生体組織を当接しながら把持する把持面を有する把持部材と、
    前記超音波振動子を制御駆動するための駆動回路と、
    を具備し、
    前記把持部材の前記把持面を前記超音波プローブの形状に合わせた形状で形成するとともに、この把持面の両側の長手方向全域に、前記生体組織を把持した際の滑り止めを行うための滑り止め部を設けて構成したことを特徴とする超音波処置装置。
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