JP2004305362A - 脈波測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ローコストで測定精度の高い脈波測定装置を提供する。
【解決手段】脈波測定装置は、従来のトノメトリ方式で必要とされている微細なセンサよりも幅の広いセンサを複数個並べてなる圧力センサを備える。そして、動脈直上に該当するセンサからの脈波信号に基づくAI値と、そのセンサエレメントより所定の距離にある2つのセンサエレメントとからの脈波信号に基づくAI値との差α,βより、α+βを得(S203)、これを歪み度合いを表わす補正パラメータとして、回帰式を用いてAI値補正量を算出する(S205)。この補正量より、動脈直上に該当するセンサからの脈波信号に基づくAIを補正する(S207)。
【選択図】 図13

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は脈波測定装置に関し、特に、ローコストで測定精度の高い脈波測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、脈波測定装置としては、圧力センサを動脈直上にセットして脈波を測定する脈波測定装置があった。しかしながら、このような脈波測定装置は、動脈直上に圧力センサを位置決めすることが非常に難しく、高度なテクニックが必要とされるという問題があった。また、位置決め再現性がよくないことから、測定の再現性もよくないという問題もあった。
【0003】
そこで、このような問題を解決するため、トノメトリ方式を利用した脈波測定装置がある。
【0004】
ここで、トノメトリ方式の原理について、図16を用いて説明する。すなわち、図16を参照して、体表面から平板で動脈を押圧して、動脈を平坦に変形させる。そのとき、平坦につぶれた動脈直上は、図16において点線矢印で示される血管張力が左右でつりあうため、血管内圧への血管張力の影響が最も小さい。そこで、平坦につぶれた動脈直上で平坦につぶれた部分に比べてサイズの小さなセンサエレメントで計測した圧力は動脈内圧に一致し、体表面から動脈内波形を測定できるという原理である。
【0005】
このトノメトリ方式を利用するため、従来の脈波測定装置としては、動脈直上に位置決めして押圧し脈波を測定する圧力センサとして、微小なセンサエレメントを複数個配列し、動脈直上にあるセンサエレメントで脈波を測定する脈波測定装置がある。たとえば特許文献1などにこのようなトノメトリ方式を利用した血圧測定装置が開示されている。
【0006】
このようなトノメトリ方式を利用した脈波測定装置は、微細なセンサエレメントが複数個配列されており、いずれかのセンサエレメントが動脈直上に位置する可能性が高いため、位置決めが容易になる。複数個配列されたセンサエレメントにおける位置決めについては、たとえば、本願出願人が先に出願して公開されている特許文献2などに開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許第2776961号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2002−320594号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のトノメトリ方式を利用した脈波測定装置は、微細な(たとえば0.2〜0.3mm程度の幅の)センサエレメントを多数配列しなければならない。そのため、高感度、微細加工などの高度な必要条件を満たさなければならず、半導体シリコンMEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)圧力センサなどを使わざるを得なくなり、非常に高価なセンサとなってしまうという問題があった。また、多数のセンサエレメントからの信号を取扱うため、センサ信号を受取る電子回路も複雑になり、コストが高くなってしまうという問題があった。
【0010】
また、仮に、このような問題を回避するために脈波測定装置において上述のような微細のセンサエレメントを用いない場合には、センサエレメントの幅に比べて動脈の平坦につぶれた部分が狭くなり、測定誤差が発生してしまうという問題がある。この問題について、図17を用いて詳しく説明する。図17は、動脈上に並んだ微細(0.2mm幅)な各センサエレメントで測定された脈波より算出した、センサ信号の歪みに顕著に影響されるパラメータであるAI(Augmentation Index)を示す図である。なお、AIについては、本発明の実施の形態において詳細に説明している。
【0011】
図17に示されるように、センサ信号歪みの程度を示すAI値の増加は、平坦部分から離れるほど大きくなり、センサ信号歪みの程度が大きくなっていることが示されている。これは、図16に示されるように、平坦部分から離れると、平坦部分に平行な方向以外の方向の血管張力が発生して、血管張力の合力が血管内圧に及ぼす影響が大きくなることによる。
【0012】
センサエレメントの幅が大きくなると、必然的に検出範囲も広がり、平坦部分以外の部分を含む可能性が高まる。その結果、図17に示されるようなセンサ信号の歪みの高い部分も検出範囲に入る可能性が高まり、センサエレメントからのセンサ信号に歪みが発生して測定誤差が生じる可能性が高い。このような問題は、センサエレメントの幅が大きい場合のみならず、センサエレメントの押圧力が不足している場合や、動脈内圧が高まったときにセンサエレメントが押し返された場合などにも生じる。
【0013】
本発明はこれらの問題を鑑みてなされたものであって、高い測定精度を維持しつつ、ローコストな脈波測定装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、脈波測定装置は、動脈内圧波形を体表から検出する、複数のセンサエレメントを含む圧脈波センサと、圧脈波センサで検出される脈波波形に基づいて、複数のセンサエレメントのうち、動脈の直上にあるセンサエレメントを選択する選択手段と、選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形から、所定の特徴点の振幅値を用いた特徴量を算出する脈波波形特徴量算出手段と、選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形とから、各々のセンサエレメントで検出される脈波波形の歪み度合の違いを算出する歪み度合算出演算手段と、算出された歪み度合の違いを用いて、所定の特徴点の振幅値を補正する振幅値補正手段とを備える。
【0015】
さらに、上述の特徴量は、AI(Augmentation Index)値であることが望ましい。
【0016】
また、上述の歪み度合算出手段で算出する歪み度合の違いは、脈波波形特徴量算出手段において、選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形から算出されるAI値と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形から算出されるAI値との差の和であることが望ましい。
【0017】
あるいは、上述の歪み度合算出手段で算出する歪み度合の違いは、脈波波形特徴量算出手段において、選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形から算出されるAI値と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形から算出されるAI値との差の2乗和であることが望ましい。
【0018】
また、上述の歪み度合算出手段は、歪み度合の違いとして、選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形とを同一位相で正規化した後、この同一位相以外の他の同一位相における選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形の波高値と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形の波高値との比を算出することが望ましい。
【0019】
あるいは、上述の歪み度合算出手段は、歪み度合の違いとして、選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形とをピークの時相で正規化した後、選択されたセンサエレメントで検出された正規化された脈波波形の面積と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出された正規化された脈波波形の面積との比を算出することが望ましい。
【0020】
またあるいは、上述の歪み度合算出手段は、歪み度合の違いとして、選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形とをピークの時相で正規化した後、選択されたセンサエレメントで検出された正規化された脈波波形が所定の割合のしきい値を交差する時間幅と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出された正規化された脈波波形がしきい値を交差する時間幅との比を算出することが望ましい。
【0021】
またあるいは、上述の歪み度合算出手段は、歪み度合の違いとして、選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形の、1拍内の大動脈弁閉鎖痕に相当する時相前後の面積比と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形の時相前後の面積比との比を算出することが望ましい。
【0022】
またあるいは、上述の歪み度合算出手段は、歪み度合の違いとして、選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形とを同一拍の面積で正規化した後、選択されたセンサエレメントで検出された正規化された脈波波形の最大波高値と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出された正規化された脈波波形の最大波高値との比を算出することが望ましい。
【0023】
またあるいは、上述の歪み度合算出手段は、歪み度合の違いとして、選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形の振幅と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形の振幅との比を算出することが望ましい。
【0024】
またあるいは、上述の歪み度合算出手段は、歪み度合の違いとして、選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形と、選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形との相関係数を算出することが望ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0026】
図1に、本実施の形態における脈波測定装置の構成の具体例を示す。図1を参照して、本実施の形態における脈波測定装置は、大きくは、本体部10とセンサ部20とを含んで構成され、本体部10は外部の血圧計30と接続される。本体部10と血圧計30との接続は、専用ケーブルや通信回線などを介した接続や、非接触の無線通信も含むものとする。なお、図1においては、本脈波測定装置が本体部10に通信機能を備えて血圧計30と連携して必要に応じて血圧測定可能な構成が示されているが、いうまでもなく、本脈波測定装置が血圧計30を含み、血圧測定可能であってもよい。
【0027】
本体部10はCPU(Central Processing Unit)101を備え、電源110からエネルギを供給されて動作する。CPU101は、メモリ108などの記憶装置にアクセスしてプログラムを読出して実行し、当該脈波測定装置全体の制御を行なう。
【0028】
また、CPU101は、操作スイッチ109からユーザからの操作信号を受取り、その操作信号に基づいて脈波測定装置全体の制御処理を行なう。すなわち、CPU101は、操作スイッチ109から入力された操作信号に基づいて、ポンプ102、弁103および血圧計30に対して制御信号を送出する。そして、血圧計30から測定結果を受取る。
【0029】
ポンプ102および弁103は、CPU101から入力された制御信号に基づいて、センサ部20に含まれる空気袋21を加圧あるいは空気袋21内の空気の排気を行なう。圧力センサ104は、空気袋21内の圧力(カフ圧)を検出し、圧力信号をA/D変換器106に入力する。
【0030】
センサ部20に含まれる圧脈波センサ22は、所定間隔に並んだ複数のセンサエレメントを含んで構成され、空気袋21の圧力によって測定中の被験者の手首などの測定部位に押圧される。その状態で、センサ20は被験者の脈波を検出する。圧脈波センサ22は、検出した脈波信号を各センサエレメントのチャネルごとにマルチプレクサ23に入力し、マルチプレクサ23からアンプ105に入力される。
【0031】
アンプ105は、マルチプレクサ23から入力された各チャネルの脈波信号を所定レベルまで増幅させ、A/D変換器106に入力する。
【0032】
A/D変換器106は、圧力センサ104から入力されたアナログ信号である圧力信号と、アンプ105から入力されたアナログ信号である動脈信号とをデジタル情報に変換して、CPU101に入力する。
【0033】
そして、CPU101は、デジタル信号を表示器107やメモリ108に出力する。
【0034】
図1に示される本実施の形態の脈波測定装置の圧脈波センサ22は、通常のトノメトリ方式で必須とされるセンササイズよりも大きなサイズのセンサエレメントからなり、本実施の形態の脈波測定装置は、そのようなセンサエレメントで動脈直上で測定される信号の歪みを補正することを特徴とする。
【0035】
図2に示すフローチャートを用いて、本実施の形態の脈波測定装置における処理について説明する。図2のフローチャートに示される処理は、脈波測定装置のCPU101が、メモリ108などの記憶装置にアクセスしてプログラムを読出して実行することによって実現される。
【0036】
図2を参照して、始めに、脈波の測定を開始するには、センサ部20を被験者の手首などの測定部位に、図示しない装着ベルトにて装着する(S101)。そして、CPU101は血圧計30に対して制御信号を送出し、血圧の測定の開始を指示する(S103)。血圧計30で被験者の血圧が測定されると(S105)、次に、CPU101は、脈波の測定を開始するため、弁103を開き、A/D変換器106を介して圧力センサ104から入力される空気袋21内の圧力を検知しながら、空気袋21内の圧力が所定の圧力勾配となるようにポンプ102に加圧を行なうよう制御信号を送出し、空気袋21内の圧力を高めて圧脈波センサ22の押圧を開始する(S107)。
【0037】
圧脈波センサ22を構成する各センサエレメントは、被験者の測定部位に押し当てられ、動脈の拍動をそれぞれ検出する(S109)。そのときの押圧力を適正な押圧力にするために、CPU101は、空気袋21内の圧力をいったん被験者の最低血圧以上まで高めた後に(S111でYES)、適正な押圧力を決定する(S113)。
【0038】
ステップS111における空気袋21内の圧力が最低血圧を超えたか否かの判定方法については、本発明において限定されるものではない。たとえば、圧脈波センサ22で検出される脈波の立上がり点直前に平坦部があれば、空気袋21内の圧力が最低血圧を超えているという判定ができる。
【0039】
また、ステップS113における適正押圧力の決定方法についてもまた、本発明において限定されるものではなく、既存の方法を用いることができる。たとえば、最低血圧以下の押圧力の範囲において、圧力変化に対して脈波振幅の変化が少ない領域を適正押圧力と決定するなどの方法がある。
【0040】
そして、空気袋21内の圧力がステップS113で決定された適正押圧となるよう、CPU101は、弁103およびポンプ102を制御する(S115)。すなわち、いったん空気袋21内の圧力が適正押圧に達すると、CPU101は弁103を閉じ、適正押圧を維持する。なお、漏気や体動によって押圧が適正値からずれた場合、CPU101は、そのことを圧力センサ104からA/D変換器106を介してを介して入力される圧力値を関しすることによって検知でき、その検知に応じて適応的に弁103およびポンプ102を制御して適正押圧を維持してもよい。
【0041】
圧脈波センサ22の押圧が適正になると、CPU101は、被験者の動脈の直上の位置をセンサの検知領域内に含むセンサエレメントを決定する(S117)。ステップS117におけるセンサエレメントの決定方法については、本発明において限定されるものではなく、たとえば、本願出願人が先に出願し、特願2002−320594号公報においてすでに開示している方法などを用いることができる。
【0042】
次に、CPU101は、ステップS117で決定されたセンサエレメントによって測定された脈波より、特徴量を算出する(S119)。なお、ここでの処理については、後にフローチャートを挙げて詳細に説明する。そして、CPU101は、ステップS119の特徴量の算出処理を、測定終了条件が成立するまで繰返す(S121でYES)。ステップS121で測定を終了するための条件は、予め設定された所定時間の経過であってもよいし、ユーザからの中断指示などであってもよい。
【0043】
脈波の測定が終了すると、CPU101は、圧力センサ104の押圧を解除するため、弁103を開放し、空気袋21を排気するためにポンプ102を作動させる(S123)。そして、圧力センサ104の押圧が解除されると、ユーザはセンサ部20を測定部位から取外し(S125)、一連の脈波計測処理を終了する。
【0044】
さらに、上述のステップS119で実行される特徴量算出処理について説明を行なう。本実施の形態では、特徴量としてAI(Augmentation Index)値を用いて説明する。
【0045】
ここで、AIとは、公知の指標であって、主に中枢血管の動脈硬化に対応する脈波の反射強度を反映する特徴量を指標化したものである。AIは、特に循環器系疾患の早期発見のために有効な指標と言われており、血圧とは異なった挙動を示すことが知られている。AIは、上述のステップS119において、CPU101で、測定された脈波から計算される。また、当該脈波測定装置が図示されないコンピュータ等の情報処理装置に接続されて、測定情報が当該情報処理装置において処理される場合には、当該情報処理装置に含まれるCPUで計算されてもよい。
【0046】
図3および図4に、測定される脈波の時間経過に従う変化の具体例を示す。たとえば、図3に示される脈波が測定された場合には、AI値はAI=P1/P2(もしくはAI(%)=(P2−P1)/P1×100)として得られ、図4に示される脈波が測定された場合には、AI値はAI=P1/P2(もしくは、AI(%)=(P2−P1)/P2×100)として得られる。ここで、時間T1におけるレベルP1は、心臓の心拍による血液の駆出波による値を示し、時間T2におけるレベルP2は、心拍による駆出波についての反射波による値を示す。この反射波は、血管の硬化に対応して強度と出現時相とが変化する。なお、P1,P2を決定する方法としては、脈波波形に微分等の演算操作を行なって求めることができる。一般的に、被験者の年齢が若い方が、図3に示されるようにレベルP2<レベルP1となり、被験者の年齢が高い方が図4に示されるようにレベルP2>レベルP1となる。これは、被験者の年齢が高くなるほど血管内壁の硬化(動脈硬化)が進行しているために、駆出波を血管壁で十分に吸収できずレベルの高い反射が短時間のうちに検出されることによる。
【0047】
ところで、すでに述べたトノメトリ方式での脈波の測定は、動脈の平坦部分よりも小さな幅(0.2mm程度)のセンサエレメントで脈波を検出することが必須であるが、このセンサエレメントの幅が動脈の平坦部分よりも大きくなると、センサエレメントで測定される動脈内圧とセンサ信号とが線形性を示さなくなり、歪みが発生する。
【0048】
すなわち、センサエレメントの動脈に対する位置と、センサエレメントで測定される脈波の波形との関係を示した図5からわかるように、平坦につぶれている動脈直上のセンサエレメントで測定した場合の脈波の振幅に比べて、完全に平坦にはつぶれていない動脈中央から離れた位置のセンサエレメントで測定した場合の脈波の振幅は全体的に低い傾向にある。これは、センサエレメントで検出される脈波が、動脈中央から離れた位置に発生する血管張力(図16参照)の影響を受けることによる。
【0049】
このようなセンサ信号の歪みは、算出されたAI値により顕著に表われる。図6および図7は、動脈上に並んだ各センサエレメントで測定された脈波より得られたAI値を示す図であって、図6は0.6mm幅のセンサエレメントで測定された脈波から得られたAI値、図7は1.0mm幅のセンサエレメントで測定された脈波から得られたAI値を示している。図6および図7、さらに0.2mm幅のセンサエレメントで測定された脈波から得られたAI値を示す図17は、センサエレメントの幅が大きくなるほど、平坦につぶれている動脈中央から離れた位置を含む動脈の範囲から脈波を測定することになるため、センサエレメントの中心が動脈上の同じ位置で測定された脈波に基づいたAI値であっても、高めに得られる傾向を示している。すなわち、これらの図は、センサエレメントの幅が大きくなるほどAI値の誤差が大きくなる傾向を示している。
【0050】
このようなセンサエレメント幅とAI値の誤差との関係を図8に示す。図8に示されるように、センサエレメント幅が大きくなるとセンサ信号の歪みは大きくなり、AI値の誤差も大きくなる。その結果、AI誤差のばらつきを示す標準偏差(Standard Deviation:SD)も大きくなっていることがわかる。
【0051】
また、図6および図7を参照して、センサ信号の歪みは、センサエレメントの位置が動脈直上から離れるほど、あるいは動脈の平坦部から離れるほど大きくなっていることがわかる。すなわち、各センサエレメントからのセンサ信号に基づいて算出されるAI値には、各センサエレメントからのセンサ信号の歪みの程度も反映されている。
【0052】
これらのことを利用して、本実施の形態の脈波測定装置は、上述の図2のステップS119に示される特徴量算出処理において、動脈直上の位置をセンサの検知領域内に含むセンサエレメント(以下、簡単のため、「動脈直上のセンサエレメント」と呼ぶ)からのセンサ信号の歪みと、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントからのセンサ信号の歪みとの差より、動脈直上のセンサエレメントからのセンサ信号の歪みを補正する。
【0053】
より具体的には、図9にセンサエレメント幅が大きい場合に各センサエレメントからのセンサ信号により算出されるAI値の分布を、図10にセンサエレメント幅が小さい場合に各センサエレメントからのセンサ信号により算出されるAI値の分布を模式的に示し、上述の補正方法の原理について説明する。
【0054】
始めに、動脈直上のセンサエレメントからのセンサ信号に基づき算出されるAI値と、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントからのセンサ信号の歪みに基づき算出されるAI値とからセンサ信号の歪み度合いを定義する。すなわち、動脈直上のセンサエレメントからのセンサ信号に基づくAI値と、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントからのセンサ信号に基づくAI値との差(図9に示されるA1およびB1、および図10に示されるA2およびB2)から、各々の場合のセンサ信号の歪み度合いを定義する。以下では、A1およびA2を総称してAと呼び、B1およびB2を総称してBと呼ぶ。歪み度合いの定義方法は本発明において限定されるものではないが、たとえば、係数(A+B)で定義することもできるし、係数(A+B)で定義することもできる。
【0055】
このように歪み度合いを定義すると、図9に示される動脈径に対してセンサエレメント幅が大きい場合には、センサ信号の歪み度合いが大きく、一方、センサ信号の歪み度合いが大きければ、センサエレメントの検知領域に対して動脈の平坦部が狭くなっているので、動脈直上のセンサ信号の歪みも大きいと考えられる。図9においては、動脈直上のセンサ信号の歪みがD1で示されている。逆に、図9よりもセンサエレメント幅が小さい場合には、図10に示されるようにセンサ信号の歪み度合いD2はD1よりも小さく、センサ信号の歪み度合いが小さければ、センサエレメントの検知領域に対して動脈の平坦部が広くなっているので、動脈直上のセンサ信号の歪みも小さいと考えられる。このため、歪み度合いを利用して、動脈直上のセンサで測定された脈波から算出されたAI値を補正することができる。
【0056】
具体的に、1.8mm幅のセンサエレメントで脈波を測定した場合の、歪み度合いを表わすパラメータと、動脈直上のセンサで測定された脈波から算出されたAI値の誤差との関係を、図11および図12に示す。図11は、歪み度合いを表わすパラメータとしてAI値の差の和(上述の係数(A+B))を用いた場合、図12は、歪み度合いを表わすパラメータとしてAI値の差の2乗和(上述の係数(A+B))を用いた場合を示している。
【0057】
図11および図12に示されるように、これらの歪み度合いを表わすパラメータと動脈直上のセンサで測定された脈波から算出されたAI値の誤差とは、相関関係を持っていることがわかる。したがって、これらの関係から得られる回帰式を用いて、AI値の誤差を推定することが可能になる。そこで、このような相関関係を利用して、本脈波測定装置では、上述のステップS119の特徴量算出処理において誤差のないAI値を算出することを特徴としている。
【0058】
上述のステップS119の特徴量算出処理について、さらに図13のフローチャートを用いて説明する。すなわち、図13に示されるように、始めに、CPU101は、ステップS117で決定された動脈直上のセンサエレメントに該当するチャネルから入力された脈波信号に基づいて、AI値AIcを算出する(S201)。さらに、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にある2つのセンサエレメントに該当するチャネルから入力された脈波信号に基づいて、それぞれのAI値AIa,AIbを算出する。
【0059】
次に、α=AIa−AIc,β=AIb−AIcと定義し、CPU101は、α,βを算出して、α+βを算出する(S203)。これは、図12に具体例が示される、歪み度合いを表わすパラメータとしてAI値の差の2乗和を用いる方法である。
【0060】
さらに、ステップS203で算出されたα+βを歪み度合いを表わす補正パラメータとして、回帰式であるAI値補正量算出式Y=NX+Mを用い、AI値補正量(ΔAI)を算出する(S205)。なお、ここで、N,Mは予め決定されている係数である。
【0061】
そして、ステップS205で算出されたAI値補正量(ΔAI)を用いて演算(AIc−ΔAI)を行なって、ステップS117で決定された動脈直上のセンサエレメントで測定された脈波から得られたAI値AIcを補正し(S207)、表示器107に補正されたAI値を表示する(S209)。
【0062】
以上で、特徴量算出処理を終了し、図2に示されるメインルーチンに処理を戻す。
【0063】
本脈波測定装置において、このような、動脈直上のセンサエレメントからのセンサ信号の歪みと、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントからのセンサ信号の歪みとの歪み度合い違いを利用して、動脈直上のセンサエレメントで測定される波形から算出されたAI値の補正を行なうことで、動脈直上のセンサエレメントで測定された脈波から得られたAI値は補正され、図14に示されるような結果となる。つまり、図14を参照して、そのAI誤差のばらつきを示す標準偏差SDが約0.015となり、図8に示される補正を行なう前の標準偏差SD(0.021)から改善されていることがわかる。
【0064】
なお、ステップS119の特徴量算出処理では、歪み度合いを表わすパラメータとしてAI値の差の2乗和を用いる方法に限定されず、図11に具体例が示される、AI値の差の和を用いることもできる。すなわち、上述のステップS203で、α+βに替えてα+βを算出し、ステップS205で、α+βを歪み度合いを表わす補正パラメータとして、回帰式であるAI値補正量算出式Y=NX+Mを用いてAI値補正量(ΔAI)を算出してもよい。
【0065】
この場合であっても、同様に、動脈直上のセンサエレメントで測定された脈波から得られたAI値は補正され、図15に示されるような結果となる。つまり、図15を参照して、そのAI誤差のばらつきを示す標準偏差SDが約0.015となり、図8に示される補正を行なう前のSD(0.021)から改善されていることがわかる。
【0066】
また、上述の図13に示される処理においては、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントとして2つのセンサエレメントからの脈波信号を用いて演算(補正)処理を行なう例を示しているが、用いるセンサエレメントの数は2に限定されず、1または2以上の複数のセンサエレメントであればよい。
【0067】
なお、以上の説明において、特徴量としてAIを用いる場合の説明をしているが、たとえば脈波一周期の面積と脈波の立ち上がり点から大動脈弁閉鎖痕までの面積の比(心機能評価に活用できる)なども同様の効果を得ることができる。
【0068】
さらに、以上の説明においては、歪み度合いを表わすパラメータとして特徴量であるAI値の差の2乗和や、差の和などの相関関係を用いる場合の説明をしているが、その他の相関関係を歪み度合いを表わすパラメータとして用いても同様の効果を得ることができる。その第1の具体例としては、各センサエレメントで測定された脈波波形を1つの同一位相時点で正規化した後の、この同一位相以外の他の同一位相時点における波高値を用いることもできる。より具体的には、各センサエレメントで測定された脈波波形を大動脈弁閉鎖痕で正規化し、他の時相での各センサエレメントの波高値を得る。そして、歪み度合いを表わすパラメータとして、動脈直上のセンサエレメントで測定された脈波から得られた波高値と、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントで測定された脈波から得られた波高値との比を用いることができる。
【0069】
あるいは、各センサエレメントで測定された脈波波形をピークの時相で正規化し、その場合の他の時相の波高値を用いることもできる。そして、同様に、歪み度合いを表わすパラメータとして、動脈直上のセンサエレメントで測定された脈波から得られた波高値と、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントで測定された脈波から得られた波高値との比を用いることができる。
【0070】
また、第2の具体例としては、各センサエレメントで測定された脈波波形をピークの時相で正規化し、その後の各面積を用いることもできる。そして、歪み度合いを表わすパラメータとして、動脈直上のセンサエレメントで測定された脈波から得られた上述の面積と、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントで測定された脈波から得られた上述の面積との比を用いることができる。
【0071】
また、第3の具体例としては、各センサエレメントで測定された脈波波形をピークの時相で正規化した後の所定の割合のしきい値と交叉する各時間幅を用いることもできる。より具体的には、ピークの時相で各センサエレメントで測定された脈波波形を正規化し、その正規化後の各波形につき、ピークから所定波高下がった値をしきい値とし、各センサエレメントで測定された脈波波形についてこのしきい値と交叉する2点間の時間間隔を求める。そして、歪み度合いを表わすパラメータとして、動脈直上のセンサエレメントで測定された脈波から得られた上述の時間幅と、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントで測定された脈波から得られた上述の時間幅との比を用いることができる。
【0072】
また、第4の具体例としては、各センサエレメントで測定された脈波波形の、大動脈弁閉鎖痕の時相前の面積と後の面積と面積比を用いることもできる。より具体的には、各センサエレメントで測定された脈波波形について、大動脈弁閉鎖痕の時相前の面積αとその時相よりも後方(右側)の面積βとを求め、各波形の面積比α/βを求める。そして、歪み度合いを表わすパラメータとして、動脈直上のセンサエレメントで測定された脈波から得られた上述の面積比と、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントで測定された脈波から得られた上述の面積比との比を用いることができる。
【0073】
また、第5の具体例としては、各センサエレメントで測定された脈波波形を同一拍の面積で正規化し、その正規化された波形の最大波高値を用いることもできる。そして、歪み度合いを表わすパラメータとして、動脈直上のセンサエレメントで測定された脈波から得られた上述の最大波高値と、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントで測定された脈波から得られた上述の最大波高値との比を用いることができる。
【0074】
また、第6の具体例としては、各センサエレメントで測定された脈波波形の振幅を用いることもできる。そして、歪み度合いを表わすパラメータとして、動脈直上のセンサエレメントで測定された脈波波形の振幅と、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントで測定された脈波波形の振幅との比を用いることができる。
【0075】
さらに、歪み度合いを表わすパラメータは、上述のように、動脈直上のセンサエレメントで測定された脈波波形から算出される特徴量と、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントで測定された脈波波形から算出される特徴量との差の和や、差の2乗和や、上述のような比に限定されず、動脈直上のセンサエレメントで測定された脈波波形と、動脈直上のセンサエレメントから所定の距離にあるセンサエレメントで測定された脈波波形との相関係数であってもよい。
【0076】
これらのような歪み度合いを表わすパラメータを用いた場合であっても、上に説明されたのと同様に、特徴量のばらつきの少ない、精度高い測定結果を得ることができる。
【0077】
このように、本発明の脈波測定装置では、通常のトノメトリ方式で必要とされる精細なセンサエレメントよりも大きなサイズのセンサエレメントを用いて脈波を測定しても、特徴量であるAIの精度を確保することができる。このことによって、センサエレメントの加工寸法やセンサ感度など必要とされる条件が緩和され、従来なら半導体加工技術に頼らざるを得なかった圧力センシング方法の選択肢が拡大し、ローコストを実現することができる。すなわち、本発明の脈波測定装置では、従来のトノメトリ方式を利用した脈波測定装置において使わざるを得なかった(高価な)半導体シリコンMEMS圧力センサに限定されることなく、圧電セラミックや圧電ポリマ、金属薄膜歪みゲージなどを利用した他のセンサを用いることができ、ローコストを実現することができる。
【0078】
さらに、本発明の脈波測定装置ではセンササイズが大きくできることから、感圧範囲を従来の繊細なセンサエレメントを複数個配列させたトノメトリ方式と同程度としても、センサエレメントの個数を減らすことができ、その結果、センサ信号を受ける電子回路の規模を小さくすることができ、さらなるローコスト化を実現することができる。
【0079】
またさらに、本発明の脈波測定装置ではセンササイズが大きくできることから、従来の繊細なセンサエレメントに比べて、ノイズの影響を抑えることが可能になる。
【0080】
なお、上述の脈波測定装置における特徴量算出(補正)方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0081】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0082】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における脈波測定装置の構成の具体例を示す図である。
【図2】本実施の形態の脈波測定装置における処理を示すフローチャートである。
【図3】脈波の時間経過に従う変化の具体例を示す図である。
【図4】脈波の時間経過に従う変化の具体例を示す図である。
【図5】センサエレメントの動脈に対する位置と、センサエレメントで測定される脈波の波形との関係を示す図である。
【図6】動脈上に並んだ0.6mm幅の各センサエレメントで測定された脈波より得られたAI値を示す図である。
【図7】動脈上に並んだ1.0mm幅の各センサエレメントで測定された脈波より得られたAI値を示す図である。
【図8】センサエレメント幅とAI値の誤差との関係を示す図である。
【図9】センサエレメント幅が大きい場合のAI値の分布を模式的に示す図である。
【図10】センサエレメント幅が小さい場合のAI値の分布を模式的に示す図である。
【図11】歪み度合いを表わすパラメータであるAI値の差の和と、動脈直上のセンサで測定された脈波から算出されたAI値の誤差との関係を示す図である。
【図12】歪み度合いを表わすパラメータであるAI値の差の2乗和と、動脈直上のセンサで測定された脈波から算出されたAI値の誤差との関係を示す図である。
【図13】ステップS119の特徴量算出処理を示すフローチャートである。
【図14】AI値の補正結果を示す図である。
【図15】AI値の補正結果を示す図である。
【図16】トノメトリ方式の原理を説明する図である。
【図17】動脈上に並んだ微細な各センサエレメントで測定された脈波より得られたAI値を示す図である。
【符号の説明】
10 本体部、20 センサ部、30 血圧計、21 空気袋、22 圧脈波センサ、23 マルチプレクサ、101 CPU、102 ポンプ、103 弁、104 圧力センサ、105 アンプ、106 A/D変換器、107 表示器、108 メモリ、109 操作スイッチ、110 電源。

Claims (11)

  1. 動脈内圧波形を体表から検出する、複数のセンサエレメントを含む圧脈波センサと、
    前記圧脈波センサで検出される脈波波形に基づいて、前記複数のセンサエレメントのうち、前記動脈の直上にあるセンサエレメントを選択する選択手段と、
    前記選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形から、所定の特徴点の振幅値を用いた特徴量を算出する脈波波形特徴量算出手段と、
    前記選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形とから、前記各々のセンサエレメントで検出される脈波波形の歪み度合の違いを算出する歪み度合算出演算手段と、
    前記算出された歪み度合の違いを用いて、前記所定の特徴点の振幅値を補正する振幅値補正手段とを備える、脈波測定装置。
  2. 前記特徴量は、AI(Augmentation Index)値である、請求項1に記載の脈波測定装置
  3. 前記歪み度合算出手段で算出する前記歪み度合の違いは、前記脈波波形特徴量算出手段において、前記選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形から算出されるAI値と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形から算出されるAI値との差の和である、請求項2に記載の脈波測定装置。
  4. 前記歪み度合算出手段で算出する前記歪み度合の違いは、前記脈波波形特徴量算出手段において、前記選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形から算出されるAI値と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形から算出されるAI値との差の2乗和である、請求項2に記載の脈波測定装置。
  5. 前記歪み度合算出手段は、前記歪み度合の違いとして、前記選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形とを同一位相で正規化した後、前記同一位相以外の他の同一位相における前記選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形の波高値と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形の波高値との比を算出する、請求項1または2に記載の脈波測定装置。
  6. 前記歪み度合算出手段は、前記歪み度合の違いとして、前記選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形とをピークの時相で正規化した後、前記選択されたセンサエレメントで検出された前記正規化された脈波波形の面積と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出された前記正規化された脈波波形の面積との比を算出する、請求項1または2に記載の脈波測定装置。
  7. 前記歪み度合算出手段は、前記歪み度合の違いとして、前記選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形とをピークの時相で正規化した後、前記選択されたセンサエレメントで検出された前記正規化された脈波波形が所定の割合のしきい値を交差する時間幅と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出された前記正規化された脈波波形が前記しきい値を交差する時間幅との比を算出する、請求項1または2に記載の脈波測定装置。
  8. 前記歪み度合算出手段は、前記歪み度合の違いとして、前記選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形の、1拍内の大動脈弁閉鎖痕に相当する時相前後の面積比と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形の前記時相前後の面積比との比を算出する、請求項1または2に記載の脈波測定装置。
  9. 前記歪み度合算出手段は、前記歪み度合の違いとして、前記選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形とを同一拍の面積で正規化した後、前記選択されたセンサエレメントで検出された前記正規化された脈波波形の最大波高値と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出された前記正規化された脈波波形の最大波高値との比を算出する、請求項1または2に記載の脈波測定装置。
  10. 前記歪み度合算出手段は、前記歪み度合の違いとして、前記選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形の振幅と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形の振幅との比を算出する、請求項1または2に記載の脈波測定装置。
  11. 前記歪み度合算出手段は、前記歪み度合の違いとして、前記選択されたセンサエレメントで検出される脈波波形と、前記選択されたセンサエレメントから所定の距離にある少なくとも1個以上のセンサエレメントで検出される脈波波形との相関係数を算出する、請求項1または2に記載の脈波測定装置。
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