JP2004304346A - 携帯端末装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1筐体と、この第1筐体上を移動する第2筐体とを備えた新しいデザインを有効に利用した携帯端末装置を提供する。
【解決手段】第1筐体14と、表示対象となるデータの少なくとも一部の所定表示範囲をスクロール表示する表示部22と、第1筐体14上を移動する第2筐体12とを備え、第2筐体位置検出部53が、第2筐体12の移動量を筐体移動量として検出し、CPU51が、当該検出された筐体移動量に基づいて、表示部22におけるデータの表示範囲を制御する携帯端末装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】第1筐体14と、表示対象となるデータの少なくとも一部の所定表示範囲をスクロール表示する表示部22と、第1筐体14上を移動する第2筐体12とを備え、第2筐体位置検出部53が、第2筐体12の移動量を筐体移動量として検出し、CPU51が、当該検出された筐体移動量に基づいて、表示部22におけるデータの表示範囲を制御する携帯端末装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は第1筐体と、該第1筐体に対して移動可能に設けられた第2筐体と、を備えた携帯端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の移動通信端末では、メール等を受信し、受信文章が表示部で一度に表示可能な表示情報量をこえている場合、ユーザによる方向キーの連続押下、ジョグダイアルまたは、スクロールキーなどの操作によって行または、頁ごとのスクロール表示を行うことにより、ユーザがすべての表示情報を閲覧可能となる。
【0003】
また、特開2002−164990では、装置本体を縦軸と横軸の回りに回動させることにより、この回動方向と同方向にカーソル位置を移動したり、画面のスクロールを行なえるようにしたものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−164990号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スライド式構造の移動通信端末を実現する場合は、ユーザが、方向キー、ジョグダイアルまたは、スクロールキーを操作可能な位置に、それら操作を行う為のキーを配置する必要があったり、特開2002−164990に記載されているものにおいてはキーの配置は必要ないものの、スクロールの際には装置本体を回転させねばならずユーザにとって使いづらいものとなっていた。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、第1筐体と、この第1筐体上を移動する第2筐体とを備えた新しいデザインを有効に利用した携帯端末装置を提供することをその目的の一つとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、携帯端末装置であって、第1筐体と、表示対象となるデータの少なくとも一部の所定表示範囲をスクロール表示する表示部を備え、前記第1筐体上を移動する第2筐体と、前記第2筐体の移動量を、筐体移動量として検出する手段と、前記検出した筐体移動量に基づいて、前記表示部における前記データの表示範囲を制御する制御手段と、を含むことを特徴としている。
【0008】
ここで制御手段は、前記検出した移動位置に基づいて、前記表示部における前記データの表示範囲の位置を制御することとしてもよい。また、この制御手段は、前記第2筐体の移動中は、当該第2筐体の筐体移動量と、前記表示部に表示されているデータの最大スクロール量とに基づいて決定される表示範囲移動量だけ移動することとしてもよい。
【0009】
このように、第2筐体の移動操作がそのままスクロール操作として受け付けられることで、操作部に関する作業を行うことなく、そのままスクロール操作を行うことができ、利便性を向上できる。
【0010】
また、上記従来例の問題点を解決するための本発明は、第1筐体と、表示対象となるデータの少なくとも一部の所定表示範囲を表示する表示部を備え、前記第1筐体上を移動する第2筐体とを含む携帯端末装置の表示制御方法であって、前記第2筐体の移動量を、筐体移動量として検出する工程と、前記検出した筐体移動量に基づいて、前記表示部における前記データの表示範囲を制御する制御工程とを含むことを特徴としている。
【0011】
さらに上記従来例の問題点を解決するための本発明は、第1筐体と、表示対象となるデータの少なくとも一部の所定表示範囲を表示する表示部を備え、前記第1筐体上を移動する第2筐体とを備えた携帯端末装置に内蔵されたコンピュータに、前記第2筐体の移動量を、筐体移動量として検出する手順と、前記検出した筐体移動量に基づいて、前記表示部における前記データの表示範囲を制御する制御手順とを実行させることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る携帯端末装置は、図1〜図3に示すような直線スライド型の携帯端末であり、具体的に図1は、直線スライド式携帯端末の収納状態を示す正面斜視図であり、図2は、その伸長状態を示す正面斜視図であり、図3は、その伸長状態を示す背面斜視図である。
【0013】
本実施の形態においては、これらの図に示す直線スライド式携帯端末装置10は、移動電話機能を備えるとともに、各種データ処理機能を有するものであり、第1筐体14及び第2筐体12を備え、第2筐体12は第1筐体14に対して直線的にスライド移動可能となっている。
【0014】
すなわち、第2筐体12の裏面には、図3に示されるように、互いに平行する一対のガイド溝30が形成されており、一方、第1筐体14には、操作面16側に、これらガイド溝30に係合する一対の鉤状突起部(図示せず)が形成されている。さらに、第2筐体12の裏面及び第1筐体の表面、すなわち操作面16は、いずれも平面とされており、また、ガイド溝30は直線状に形成されている。このため、第2筐体12は、両ガイド溝30が各鉤状突起部に係合した状態を維持しつつ、第1筐体14に対して直線的にスライド移動するようになっている。こうして、第2筐体12は、第1筐体14の操作面16をその裏面で覆う収納位置と、第1筐体14の操作面16を露出させる伸長位置と、をスライド移動するようになっている。以下では、第2筐体12が収納位置にある状態を収納状態、伸長状態にある状態を伸長状態と呼ぶ。
【0015】
各ガイド溝30の底部には図示しない線状の電極が設けられており、一方、第1筐体14に設けられた鉤状突起部の頂部にも図示しない電極が設けられている。直線スライド式携帯端末装置10では、これらの電極の接触が維持されることにより、スライド位置に依らず、第1筐体14と第2筐体12との間で電力及びデータの授受が確実に行われるようになっている。
【0016】
また、図1に示されるように、第2筐体12には、その表面に受話スピーカ20、表示部22、副操作部24が設けられ、表面縁部に着信用LED18が設けられている。また、図2に示されるように、第1筐体14には、操作面16に複数のセンサ17と主操作部28とが設けられ、側面にマイク部26が設けられている。
【0017】
センサ17は、第2筐体12の移動方向に複数配列されており、具体的には光センサや、押下されたときにオンとなり、押下されないときにはオフとなるようなプッシュ型のスイッチ等であり、光センサであれば第2筐体12によって覆い隠されたときに入射光がなくなることで第2筐体12の位置を検出し、プッシュ型のスイッチであれば、第2筐体12によって覆い隠されたときに押下されることで、第2筐体12が操作面16のどの部分を覆い隠しているか、すなわち第2筐体12の位置が検出される。
【0018】
主操作部28は、電話番号その他の各種データをユーザが入力したり、各種操作指示を行うため、複数の操作部材を含んでいる。すなわち、この主操作部28には、少なくとも電話番号や文章入力に必要な10キー、着信ボタン、機能選択キー(ファンクションキー)などの各種ボタン及び操作キーを含んでいる。
【0019】
副操作部24は、主に収納状態で必要とされる各種操作部を含んでいる。例えば、収納状態でも電話の着信を受けたい場合は、着信ボタンを副操作部24に含まれる操作部に割り付ければよい。この割り付けは固定的なものであってもよいし、ユーザが任意に割り付けることができるようにしてもよい。
【0020】
表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)からなり、電話番号の表示やメニュー画面などの表示を行う。例えば本実施の形態においては、この表示部22には、図4に示すように、電界強度に関する情報や、着信モードに関する情報等、移動電話機能に関する情報や、バッテリーの残量表示等といった状態情報を表示する表示領域(以下、状態情報表示領域と呼ぶ)と、電子メールのデータなどを表示する表示領域(以下、データ表示領域と呼ぶ)とが設定されている。
【0021】
着信用LED18は、着信があった時に点灯/点滅することでユーザに着信を報知するものである。この着信用LED18は、着信時にユーザが確実に気付くよう表面縁部に設けられている。また、マイク部26は、通話時にユーザの発声を拾うものであり、受話スピーカ20は、通話時に通話相手の発声を出力するものである。受話スピーカ20は、アラームの出力など、他の音声の出力に用いられてもよい。
【0022】
なお、直線スライド式の携帯端末装置10は、収納状態ではPDA(Personal Digital Assistants)として使用され、伸長状態では携帯電話として使用されてもよい。この場合、PDAとしての使い勝手を向上させるため、表示部22にタッチパネルを備え、タッチ入力や手書き文字入力等を可能とすることが望ましい。第2筐体12もまた、第1筐体14と略同一大の薄型箱状に形成されている。
【0023】
本実施の形態の携帯端末装置は、図5に示すように、CPU51と、記憶部52と、第2筐体位置検出部53とを備える。このCPU51は、記憶部52に格納されているプログラムに従って動作し、電子メール等のデータを携帯電話回線を介して受信し、記憶部52に格納する。また、このCPU51は、記憶部52が保持している、これら電子メール等のデータを表示対象のデータとして、当該表示対象となったデータを表示部22に表示する処理を行う。このCPU51による表示の処理については、後に詳しく述べる。
【0024】
記憶部52は、CPU51によって実行されるプログラムを格納している。また、この記憶部52は、CPU51がその処理過程で生成する種々のデータを記憶する、ワークメモリとしても動作する。第2筐体位置検出部53は、第2筐体12の移動位置(第2筐体12が操作面16のどの部分を覆い隠しているか)を検出して、当該検出した位置を表す情報(筐体移動量情報)PをCPU51に出力する。具体的にこの第2筐体位置検出部52は、第1筐体14の操作面16上に設けられたN個のセンサ17によって第2筐体12の位置を検出している。また、この筐体移動量情報は、センサ17が、それを第2筐体12が覆っているか否かによって出力値を変化させるものである場合、第2筐体12により覆われているセンサ17の数がM個であるときには、この値Mを筐体移動量情報Pとして出力する。
【0025】
ここで、CPU51のデータの表示の処理について説明する。CPU51は、表示対象となったデータのうち、表示部22内のデータ表示領域に表示可能なサイズの部分データを、表示範囲として抽出し、当該表示範囲を表示部22のデータ表示領域に表示する。なお、以下の説明では表示部22内のデータ表示領域のスクロール方向のサイズを、データ表示領域サイズと呼ぶ。またCPU51は、ユーザから行われる所定操作に応じて、この部分データの抽出位置、すなわち表示範囲の位置を移動する。すなわち、図6に示すように、当初は表示対象データの先頭とする所定範囲を表示範囲として抽出して表示し(図6(A))、ユーザが表示範囲をデータ末尾方向に移動する指示(スクロールダウン指示)に係る操作を行うと、当該操作の内容に基づいてスクロール量を決定し、表示範囲の先頭位置(以下、表示範囲位置と呼ぶ)をデータ末尾方向に当該決定したスクロール量(表示範囲移動量、ここでは3行とする)だけ移動して表示する(図6(B))。また、CPU51は、表示範囲をデータ先頭方向に移動する指示(スクロールアップ指示)に係る操作が行われると、当該操作の内容に基づいてスクロール量を決定し、表示範囲位置をデータ先頭方向に当該決定したスクロール量だけ移動する、そして、当該移動後の表示範囲位置を先頭とする所定範囲を、表示範囲とすることになる。
【0026】
本実施の形態において特徴的なことの一つは、この表示範囲位置を移動するための所定操作に、第2筐体の移動操作が含まれることである。すなわち、CPU51は、第2筐体位置検出部53から入力される、第2筐体12の位置を表す情報(筐体移動量情報)に基づいて、表示範囲位置を移動し、データの表示範囲を制御する。
【0027】
具体的にスクロール量は、予め一定の値Δsを設定しておき、この値Δsを用いて決定してもよい。この場合、CPU51は、入力される筐体移動量情報PにΔsを乗じたP×Δs行目を表示範囲位置とする。そしてCPU51は、P×Δs行目から、表示部22のデータ表示領域サイズの行数分のデータを表示範囲として画定し、この表示範囲のデータを表示部22に表示させる。このようにすると、第2筐体12によってセンサ17のどれもが覆われていない状態、すなわち伸長状態のときの値P=0から、センサ17のすべてが覆われている状態、すなわち収納状態のときの値P=Nまでに対し、データの0行目を先頭とする表示範囲から、データのN×Δs行目を先頭とする表示範囲までを、第2筐体12によって覆われたセンサ17の個数に応じてスクロール表示することとなる。なお、Δsは、表示部22のデータ表示領域サイズの行数以下であることとしてもよい。なお、データの画像部分については、テキスト一行分のピクセル数を、一行として扱うこととすれば、同様に処理できる。
【0028】
また、スクロール量を、表示対象となったデータの最大スクロール量に基づいて決定してもよい。ここで最大スクロール量は、データの行数としてもよいし、当該データの行数から表示部22のデータ表示領域サイズに相当する行数を差し引いた行数としてもよい。CPU51は、このようにして定められる最大スクロール量Sを検出し、この最大スクロール量Sをデータ表示領域サイズの行数Lで除した値、S/L(ページ数)を演算する。そして、このページ数S/Lと、センサ17の個数Nとを比較し、センサ17の個数とページ数とが等しい、すなわちN=S/Lであれば、スクロール量Δsを、Δs=L(これはS/Nにも等しい)とする。これによると、いわゆるページスクロールが行われることとなって、第2筐体12を移動させて伸長状態から収納状態とするまでの間に、表示対象データの全体がスクロールによって表示されることとなる。
【0029】
また、ページ数S/Lと、センサ17の個数Nとを比較した結果、N>S/Lであれば、スクロール量Δs=S/Nとする。これによると、スクロールが、データ表示領域サイズのピクセル数未満のステップで行われ、スライド移動操作に応じたスクロール速度が遅くなるようになって、第2筐体12を移動させて伸長状態から収納状態とするまでの操作全体で、表示対象データの全体がスクロールによって表示されることとなる。なお、N=S/Lである場合、L=S/Nであるので、CPU51は、NがS/L以上であれば、スクロール量Δs=S/Nとすることとしてもよい。
【0030】
さらに、ページ数S/Lと、センサ17の個数Nとを比較した結果、N<S/Lである場合は、スクロール量Δs=S/Nと定めると、1度のスクロールにおける表示範囲位置の移動量であるΔsがデータ表示領域サイズLを超え、データの一部が表示されない結果となる。そこでこの場合、CPU51は、縮小率Q=L×N/Sを演算し、テキストについては、この縮小率Qだけ縮小したフォントを用いて表示し、画像については、この縮小率だけ、少なくともそのスクロール方向のピクセル数を縮小ないし切り取った画像を生成して、当該生成した画像を表示するようにする。そしてスクロール量Δs=S/Nとする。これによると、表示対象のデータが縮小表示されることで、第2筐体12を移動させて伸長状態から収納状態とするまでの操作全体で、表示対象データの全体がスクロールによって表示されることとなる。
【0031】
次に、本実施の形態の携帯端末装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、携帯端末装置が当初、伸長状態にあるものとする。携帯端末装置が電子メール等を着信すると、着信用LED18が点灯し、及び/又は音声が鳴動されて着信が報知される。そして、当該電子メールは内部の記憶部52に格納される。
【0032】
ユーザが当該着信した電子メールを表示する指示操作を行うと、CPU51が当該指示操作を受けて、記憶部52に格納した電子メールのデータを表示対象とし、この表示対象のデータを表示する処理を開始する。
【0033】
まずCPU51は、データ表示領域サイズLと、表示対象データの行数Sとを比較し、S<Lである場合はそのまま表示対象データを表示部22に表示する。また、S≧Lであれば、S/Lを演算し、このS/Lと、センサ17の個数Nとを比較する。
【0034】
ここでN≧S/Lであれば、スクロール量Δsを、Δs=S/Nとする。そして、CPU51は、センサ17のうち、第2筐体12によって覆われているセンサ17の数Mを取得する。そしてCPU51は、表示対象のデータのうち、Δs×M行目から、L行分の部分データを抽出し、この抽出した部分データを表示部22に表示させる。ここでは伸長状態にあるものとしているので、M=0であり、従って0行目(つまり先頭)からL行分の部分データを表示部22に表示する(例えば図6(A))。
【0035】
ユーザが第2筐体12を伸長状態から収納状態へと移動し始め、第2筐体12が、センサ17の一つを覆う位置になると、CPU51は、第2筐体位置検出部53から入力される数Mが「0」から「1」に変化したことを検出して、表示対象のデータのうち、Δs×M行目から、L行分の部分データを抽出し、この抽出した部分データを表示部22に表示させる。ここではM=1であるので、Δs行目からL行分の部分データが表示部22に表示されることになる。例えば、Δs=3であるとすると、図6(B)に示すように、3行だけスクロールした状態で表示される。
【0036】
さらにユーザが第2筐体12を移動して、第2筐体12が、センサ17を順次覆う位置に達するごとに第2筐体位置検出部53が出力する値Mが変化する。CPU51は、この第2筐体位置検出部53から入力される数Mが変化したことを検出して、表示対象のデータのうち、Δs×M行目から、L行分の部分データを抽出し、この抽出した部分データを表示部22に表示させる。収納位置に近接して、N個のセンサ17をすべて隠す位置まで、第2筐体12が移動すると、第2筐体位置検出部53が出力する値Mは、M=Nとなり、CPU51は、表示対象のデータのうち、Δs×N行目から、L行分の部分データを抽出し、この抽出した部分データを表示部22に表示させるようになる。このとき、Δs=S/Nであるから、Δs×N=Sであり、表示データの最終行が表示部22に表示された状態となる。
【0037】
すなわち、本実施の形態によると、伸長状態から収納状態に移動する間に、表示対象データが表示部22にスクロール表示され、ユーザは、その全体を確認できるようになる。
【0038】
また、本発明の携帯端末装置は、ここまでに説明した実施の形態に限られるものではない。例えば、ここまでの説明では、第1筐体14に対して第2筐体12が直線的に、すなわち直線軌道によりスライド移動する例について述べたが、第1筐体14の操作面16を一定曲率の曲面に形成し、第2筐体12の裏面を、操作面16と同じ一定曲率の曲面に形成して、第1筐体14に対して第2筐体12が円弧軌道によりスライド移動するようにしてもよい。また、第1筐体の第2筐体側の面に略垂直な軸を中心として回動する第2筐体を有するものでもよい。
【0039】
さらにセンサ17は、第2筐体12又は第1筐体14内に内蔵され、第2筐体12の移動に伴って、その抵抗値を変化させるポテンショメータ等であってもよい。この場合、当該ポテンショメータの解像度が、センサ17の数Nに相当する値として用いられる。
【0040】
また、主操作部28のキーをセンサ17の代わりに用いることもできる。この場合、第2筐体12は、その移動方向端部が、上面側から第1筐体14側に近接するにつれて削り取られ、図7(A)に示すように曲面Rをなすように形成されるとともに、第1筐体14上のキーの少なくとも一部は、第2筐体12の移動方向、及びそれに直交する方向に沿って格子状に、N行×K列に配置され、それらは第2筐体12によって覆われる位置で、押下された状態となるように配置される。CPU51は、主操作部28上で、格子状に配列されたキーのうち、第2筐体12の移動方向に直交する方向に配列されたキーすべてが押下された状態となったとき、当該キーの位置に相当する行まで第2筐体12が移動しているとして、第2筐体位置検出部53は筐体移動位置を表す情報を出力する。例えば、図7(B)に示すように、N行×K列のキーのうち、M行×K列が押下された状態にあるとすると、第2筐体位置検出部53が出力する筐体移動位置の情報は、「M」となる。図7(A)は、本実施の形態の携帯端末装置を側面から見た場合の概要図であり、図7(B)は、本実施の形態の携帯端末装置を上側から見た場合の概要平面図である。
【0041】
さらに、この際、CPU51は、当該第2筐体位置検出部53が出力する筐体移動位置の情報に基づいて、当該M×K個のキーについてのスキャン処理を停止してもよい。すなわち、CPU51は、主操作部28上のキーが押下されているか否かを、各キーについて順次スキャンしながら監視しているのであるが、一行分がすべて押下された状態になっているキーについては、第2筐体12によって覆われており、ユーザによる操作はないものとして、当該行のキーについてはスキャン処理を停止するのである。これにより消費電力の向上が図られる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の方向キー、ジョグダイアルまたは、スクロールキーなど、表示及び、カーソル移動を行う為の操作キーが不要になり、部品実装スペースを軽減でき、コストダウンを図ることができる上、ユーザにとっても表示部のスクロール操作をしやすい携帯端末装置を提供することができる。また、第1筐体と、この第1筐体上を移動する第2筐体とを備えた新しいデザインを有効に利用した携帯端末装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の収納状態を示す正面斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の伸長状態を示す正面斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の伸長状態を示す背面斜視図である。
【図4】表示部22の表示領域の例を表す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の例を表す構成ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置における表示例を表す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置を側面及び上側から見た場合のそれぞれの概要図である。
【符号の説明】
10 直線スライド式携帯端末装置、12 第2筐体、14 第1筐体、16操作面、17 センサ、18 着信用LED、20 受話スピーカ、22 表示部、24 副操作部、26 マイク部、28 主操作部、30 ガイド溝、51 CPU、52 記憶部、53 第2筐体位置検出部。
【発明の属する技術分野】
本発明は第1筐体と、該第1筐体に対して移動可能に設けられた第2筐体と、を備えた携帯端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の移動通信端末では、メール等を受信し、受信文章が表示部で一度に表示可能な表示情報量をこえている場合、ユーザによる方向キーの連続押下、ジョグダイアルまたは、スクロールキーなどの操作によって行または、頁ごとのスクロール表示を行うことにより、ユーザがすべての表示情報を閲覧可能となる。
【0003】
また、特開2002−164990では、装置本体を縦軸と横軸の回りに回動させることにより、この回動方向と同方向にカーソル位置を移動したり、画面のスクロールを行なえるようにしたものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−164990号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スライド式構造の移動通信端末を実現する場合は、ユーザが、方向キー、ジョグダイアルまたは、スクロールキーを操作可能な位置に、それら操作を行う為のキーを配置する必要があったり、特開2002−164990に記載されているものにおいてはキーの配置は必要ないものの、スクロールの際には装置本体を回転させねばならずユーザにとって使いづらいものとなっていた。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、第1筐体と、この第1筐体上を移動する第2筐体とを備えた新しいデザインを有効に利用した携帯端末装置を提供することをその目的の一つとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、携帯端末装置であって、第1筐体と、表示対象となるデータの少なくとも一部の所定表示範囲をスクロール表示する表示部を備え、前記第1筐体上を移動する第2筐体と、前記第2筐体の移動量を、筐体移動量として検出する手段と、前記検出した筐体移動量に基づいて、前記表示部における前記データの表示範囲を制御する制御手段と、を含むことを特徴としている。
【0008】
ここで制御手段は、前記検出した移動位置に基づいて、前記表示部における前記データの表示範囲の位置を制御することとしてもよい。また、この制御手段は、前記第2筐体の移動中は、当該第2筐体の筐体移動量と、前記表示部に表示されているデータの最大スクロール量とに基づいて決定される表示範囲移動量だけ移動することとしてもよい。
【0009】
このように、第2筐体の移動操作がそのままスクロール操作として受け付けられることで、操作部に関する作業を行うことなく、そのままスクロール操作を行うことができ、利便性を向上できる。
【0010】
また、上記従来例の問題点を解決するための本発明は、第1筐体と、表示対象となるデータの少なくとも一部の所定表示範囲を表示する表示部を備え、前記第1筐体上を移動する第2筐体とを含む携帯端末装置の表示制御方法であって、前記第2筐体の移動量を、筐体移動量として検出する工程と、前記検出した筐体移動量に基づいて、前記表示部における前記データの表示範囲を制御する制御工程とを含むことを特徴としている。
【0011】
さらに上記従来例の問題点を解決するための本発明は、第1筐体と、表示対象となるデータの少なくとも一部の所定表示範囲を表示する表示部を備え、前記第1筐体上を移動する第2筐体とを備えた携帯端末装置に内蔵されたコンピュータに、前記第2筐体の移動量を、筐体移動量として検出する手順と、前記検出した筐体移動量に基づいて、前記表示部における前記データの表示範囲を制御する制御手順とを実行させることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る携帯端末装置は、図1〜図3に示すような直線スライド型の携帯端末であり、具体的に図1は、直線スライド式携帯端末の収納状態を示す正面斜視図であり、図2は、その伸長状態を示す正面斜視図であり、図3は、その伸長状態を示す背面斜視図である。
【0013】
本実施の形態においては、これらの図に示す直線スライド式携帯端末装置10は、移動電話機能を備えるとともに、各種データ処理機能を有するものであり、第1筐体14及び第2筐体12を備え、第2筐体12は第1筐体14に対して直線的にスライド移動可能となっている。
【0014】
すなわち、第2筐体12の裏面には、図3に示されるように、互いに平行する一対のガイド溝30が形成されており、一方、第1筐体14には、操作面16側に、これらガイド溝30に係合する一対の鉤状突起部(図示せず)が形成されている。さらに、第2筐体12の裏面及び第1筐体の表面、すなわち操作面16は、いずれも平面とされており、また、ガイド溝30は直線状に形成されている。このため、第2筐体12は、両ガイド溝30が各鉤状突起部に係合した状態を維持しつつ、第1筐体14に対して直線的にスライド移動するようになっている。こうして、第2筐体12は、第1筐体14の操作面16をその裏面で覆う収納位置と、第1筐体14の操作面16を露出させる伸長位置と、をスライド移動するようになっている。以下では、第2筐体12が収納位置にある状態を収納状態、伸長状態にある状態を伸長状態と呼ぶ。
【0015】
各ガイド溝30の底部には図示しない線状の電極が設けられており、一方、第1筐体14に設けられた鉤状突起部の頂部にも図示しない電極が設けられている。直線スライド式携帯端末装置10では、これらの電極の接触が維持されることにより、スライド位置に依らず、第1筐体14と第2筐体12との間で電力及びデータの授受が確実に行われるようになっている。
【0016】
また、図1に示されるように、第2筐体12には、その表面に受話スピーカ20、表示部22、副操作部24が設けられ、表面縁部に着信用LED18が設けられている。また、図2に示されるように、第1筐体14には、操作面16に複数のセンサ17と主操作部28とが設けられ、側面にマイク部26が設けられている。
【0017】
センサ17は、第2筐体12の移動方向に複数配列されており、具体的には光センサや、押下されたときにオンとなり、押下されないときにはオフとなるようなプッシュ型のスイッチ等であり、光センサであれば第2筐体12によって覆い隠されたときに入射光がなくなることで第2筐体12の位置を検出し、プッシュ型のスイッチであれば、第2筐体12によって覆い隠されたときに押下されることで、第2筐体12が操作面16のどの部分を覆い隠しているか、すなわち第2筐体12の位置が検出される。
【0018】
主操作部28は、電話番号その他の各種データをユーザが入力したり、各種操作指示を行うため、複数の操作部材を含んでいる。すなわち、この主操作部28には、少なくとも電話番号や文章入力に必要な10キー、着信ボタン、機能選択キー(ファンクションキー)などの各種ボタン及び操作キーを含んでいる。
【0019】
副操作部24は、主に収納状態で必要とされる各種操作部を含んでいる。例えば、収納状態でも電話の着信を受けたい場合は、着信ボタンを副操作部24に含まれる操作部に割り付ければよい。この割り付けは固定的なものであってもよいし、ユーザが任意に割り付けることができるようにしてもよい。
【0020】
表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)からなり、電話番号の表示やメニュー画面などの表示を行う。例えば本実施の形態においては、この表示部22には、図4に示すように、電界強度に関する情報や、着信モードに関する情報等、移動電話機能に関する情報や、バッテリーの残量表示等といった状態情報を表示する表示領域(以下、状態情報表示領域と呼ぶ)と、電子メールのデータなどを表示する表示領域(以下、データ表示領域と呼ぶ)とが設定されている。
【0021】
着信用LED18は、着信があった時に点灯/点滅することでユーザに着信を報知するものである。この着信用LED18は、着信時にユーザが確実に気付くよう表面縁部に設けられている。また、マイク部26は、通話時にユーザの発声を拾うものであり、受話スピーカ20は、通話時に通話相手の発声を出力するものである。受話スピーカ20は、アラームの出力など、他の音声の出力に用いられてもよい。
【0022】
なお、直線スライド式の携帯端末装置10は、収納状態ではPDA(Personal Digital Assistants)として使用され、伸長状態では携帯電話として使用されてもよい。この場合、PDAとしての使い勝手を向上させるため、表示部22にタッチパネルを備え、タッチ入力や手書き文字入力等を可能とすることが望ましい。第2筐体12もまた、第1筐体14と略同一大の薄型箱状に形成されている。
【0023】
本実施の形態の携帯端末装置は、図5に示すように、CPU51と、記憶部52と、第2筐体位置検出部53とを備える。このCPU51は、記憶部52に格納されているプログラムに従って動作し、電子メール等のデータを携帯電話回線を介して受信し、記憶部52に格納する。また、このCPU51は、記憶部52が保持している、これら電子メール等のデータを表示対象のデータとして、当該表示対象となったデータを表示部22に表示する処理を行う。このCPU51による表示の処理については、後に詳しく述べる。
【0024】
記憶部52は、CPU51によって実行されるプログラムを格納している。また、この記憶部52は、CPU51がその処理過程で生成する種々のデータを記憶する、ワークメモリとしても動作する。第2筐体位置検出部53は、第2筐体12の移動位置(第2筐体12が操作面16のどの部分を覆い隠しているか)を検出して、当該検出した位置を表す情報(筐体移動量情報)PをCPU51に出力する。具体的にこの第2筐体位置検出部52は、第1筐体14の操作面16上に設けられたN個のセンサ17によって第2筐体12の位置を検出している。また、この筐体移動量情報は、センサ17が、それを第2筐体12が覆っているか否かによって出力値を変化させるものである場合、第2筐体12により覆われているセンサ17の数がM個であるときには、この値Mを筐体移動量情報Pとして出力する。
【0025】
ここで、CPU51のデータの表示の処理について説明する。CPU51は、表示対象となったデータのうち、表示部22内のデータ表示領域に表示可能なサイズの部分データを、表示範囲として抽出し、当該表示範囲を表示部22のデータ表示領域に表示する。なお、以下の説明では表示部22内のデータ表示領域のスクロール方向のサイズを、データ表示領域サイズと呼ぶ。またCPU51は、ユーザから行われる所定操作に応じて、この部分データの抽出位置、すなわち表示範囲の位置を移動する。すなわち、図6に示すように、当初は表示対象データの先頭とする所定範囲を表示範囲として抽出して表示し(図6(A))、ユーザが表示範囲をデータ末尾方向に移動する指示(スクロールダウン指示)に係る操作を行うと、当該操作の内容に基づいてスクロール量を決定し、表示範囲の先頭位置(以下、表示範囲位置と呼ぶ)をデータ末尾方向に当該決定したスクロール量(表示範囲移動量、ここでは3行とする)だけ移動して表示する(図6(B))。また、CPU51は、表示範囲をデータ先頭方向に移動する指示(スクロールアップ指示)に係る操作が行われると、当該操作の内容に基づいてスクロール量を決定し、表示範囲位置をデータ先頭方向に当該決定したスクロール量だけ移動する、そして、当該移動後の表示範囲位置を先頭とする所定範囲を、表示範囲とすることになる。
【0026】
本実施の形態において特徴的なことの一つは、この表示範囲位置を移動するための所定操作に、第2筐体の移動操作が含まれることである。すなわち、CPU51は、第2筐体位置検出部53から入力される、第2筐体12の位置を表す情報(筐体移動量情報)に基づいて、表示範囲位置を移動し、データの表示範囲を制御する。
【0027】
具体的にスクロール量は、予め一定の値Δsを設定しておき、この値Δsを用いて決定してもよい。この場合、CPU51は、入力される筐体移動量情報PにΔsを乗じたP×Δs行目を表示範囲位置とする。そしてCPU51は、P×Δs行目から、表示部22のデータ表示領域サイズの行数分のデータを表示範囲として画定し、この表示範囲のデータを表示部22に表示させる。このようにすると、第2筐体12によってセンサ17のどれもが覆われていない状態、すなわち伸長状態のときの値P=0から、センサ17のすべてが覆われている状態、すなわち収納状態のときの値P=Nまでに対し、データの0行目を先頭とする表示範囲から、データのN×Δs行目を先頭とする表示範囲までを、第2筐体12によって覆われたセンサ17の個数に応じてスクロール表示することとなる。なお、Δsは、表示部22のデータ表示領域サイズの行数以下であることとしてもよい。なお、データの画像部分については、テキスト一行分のピクセル数を、一行として扱うこととすれば、同様に処理できる。
【0028】
また、スクロール量を、表示対象となったデータの最大スクロール量に基づいて決定してもよい。ここで最大スクロール量は、データの行数としてもよいし、当該データの行数から表示部22のデータ表示領域サイズに相当する行数を差し引いた行数としてもよい。CPU51は、このようにして定められる最大スクロール量Sを検出し、この最大スクロール量Sをデータ表示領域サイズの行数Lで除した値、S/L(ページ数)を演算する。そして、このページ数S/Lと、センサ17の個数Nとを比較し、センサ17の個数とページ数とが等しい、すなわちN=S/Lであれば、スクロール量Δsを、Δs=L(これはS/Nにも等しい)とする。これによると、いわゆるページスクロールが行われることとなって、第2筐体12を移動させて伸長状態から収納状態とするまでの間に、表示対象データの全体がスクロールによって表示されることとなる。
【0029】
また、ページ数S/Lと、センサ17の個数Nとを比較した結果、N>S/Lであれば、スクロール量Δs=S/Nとする。これによると、スクロールが、データ表示領域サイズのピクセル数未満のステップで行われ、スライド移動操作に応じたスクロール速度が遅くなるようになって、第2筐体12を移動させて伸長状態から収納状態とするまでの操作全体で、表示対象データの全体がスクロールによって表示されることとなる。なお、N=S/Lである場合、L=S/Nであるので、CPU51は、NがS/L以上であれば、スクロール量Δs=S/Nとすることとしてもよい。
【0030】
さらに、ページ数S/Lと、センサ17の個数Nとを比較した結果、N<S/Lである場合は、スクロール量Δs=S/Nと定めると、1度のスクロールにおける表示範囲位置の移動量であるΔsがデータ表示領域サイズLを超え、データの一部が表示されない結果となる。そこでこの場合、CPU51は、縮小率Q=L×N/Sを演算し、テキストについては、この縮小率Qだけ縮小したフォントを用いて表示し、画像については、この縮小率だけ、少なくともそのスクロール方向のピクセル数を縮小ないし切り取った画像を生成して、当該生成した画像を表示するようにする。そしてスクロール量Δs=S/Nとする。これによると、表示対象のデータが縮小表示されることで、第2筐体12を移動させて伸長状態から収納状態とするまでの操作全体で、表示対象データの全体がスクロールによって表示されることとなる。
【0031】
次に、本実施の形態の携帯端末装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、携帯端末装置が当初、伸長状態にあるものとする。携帯端末装置が電子メール等を着信すると、着信用LED18が点灯し、及び/又は音声が鳴動されて着信が報知される。そして、当該電子メールは内部の記憶部52に格納される。
【0032】
ユーザが当該着信した電子メールを表示する指示操作を行うと、CPU51が当該指示操作を受けて、記憶部52に格納した電子メールのデータを表示対象とし、この表示対象のデータを表示する処理を開始する。
【0033】
まずCPU51は、データ表示領域サイズLと、表示対象データの行数Sとを比較し、S<Lである場合はそのまま表示対象データを表示部22に表示する。また、S≧Lであれば、S/Lを演算し、このS/Lと、センサ17の個数Nとを比較する。
【0034】
ここでN≧S/Lであれば、スクロール量Δsを、Δs=S/Nとする。そして、CPU51は、センサ17のうち、第2筐体12によって覆われているセンサ17の数Mを取得する。そしてCPU51は、表示対象のデータのうち、Δs×M行目から、L行分の部分データを抽出し、この抽出した部分データを表示部22に表示させる。ここでは伸長状態にあるものとしているので、M=0であり、従って0行目(つまり先頭)からL行分の部分データを表示部22に表示する(例えば図6(A))。
【0035】
ユーザが第2筐体12を伸長状態から収納状態へと移動し始め、第2筐体12が、センサ17の一つを覆う位置になると、CPU51は、第2筐体位置検出部53から入力される数Mが「0」から「1」に変化したことを検出して、表示対象のデータのうち、Δs×M行目から、L行分の部分データを抽出し、この抽出した部分データを表示部22に表示させる。ここではM=1であるので、Δs行目からL行分の部分データが表示部22に表示されることになる。例えば、Δs=3であるとすると、図6(B)に示すように、3行だけスクロールした状態で表示される。
【0036】
さらにユーザが第2筐体12を移動して、第2筐体12が、センサ17を順次覆う位置に達するごとに第2筐体位置検出部53が出力する値Mが変化する。CPU51は、この第2筐体位置検出部53から入力される数Mが変化したことを検出して、表示対象のデータのうち、Δs×M行目から、L行分の部分データを抽出し、この抽出した部分データを表示部22に表示させる。収納位置に近接して、N個のセンサ17をすべて隠す位置まで、第2筐体12が移動すると、第2筐体位置検出部53が出力する値Mは、M=Nとなり、CPU51は、表示対象のデータのうち、Δs×N行目から、L行分の部分データを抽出し、この抽出した部分データを表示部22に表示させるようになる。このとき、Δs=S/Nであるから、Δs×N=Sであり、表示データの最終行が表示部22に表示された状態となる。
【0037】
すなわち、本実施の形態によると、伸長状態から収納状態に移動する間に、表示対象データが表示部22にスクロール表示され、ユーザは、その全体を確認できるようになる。
【0038】
また、本発明の携帯端末装置は、ここまでに説明した実施の形態に限られるものではない。例えば、ここまでの説明では、第1筐体14に対して第2筐体12が直線的に、すなわち直線軌道によりスライド移動する例について述べたが、第1筐体14の操作面16を一定曲率の曲面に形成し、第2筐体12の裏面を、操作面16と同じ一定曲率の曲面に形成して、第1筐体14に対して第2筐体12が円弧軌道によりスライド移動するようにしてもよい。また、第1筐体の第2筐体側の面に略垂直な軸を中心として回動する第2筐体を有するものでもよい。
【0039】
さらにセンサ17は、第2筐体12又は第1筐体14内に内蔵され、第2筐体12の移動に伴って、その抵抗値を変化させるポテンショメータ等であってもよい。この場合、当該ポテンショメータの解像度が、センサ17の数Nに相当する値として用いられる。
【0040】
また、主操作部28のキーをセンサ17の代わりに用いることもできる。この場合、第2筐体12は、その移動方向端部が、上面側から第1筐体14側に近接するにつれて削り取られ、図7(A)に示すように曲面Rをなすように形成されるとともに、第1筐体14上のキーの少なくとも一部は、第2筐体12の移動方向、及びそれに直交する方向に沿って格子状に、N行×K列に配置され、それらは第2筐体12によって覆われる位置で、押下された状態となるように配置される。CPU51は、主操作部28上で、格子状に配列されたキーのうち、第2筐体12の移動方向に直交する方向に配列されたキーすべてが押下された状態となったとき、当該キーの位置に相当する行まで第2筐体12が移動しているとして、第2筐体位置検出部53は筐体移動位置を表す情報を出力する。例えば、図7(B)に示すように、N行×K列のキーのうち、M行×K列が押下された状態にあるとすると、第2筐体位置検出部53が出力する筐体移動位置の情報は、「M」となる。図7(A)は、本実施の形態の携帯端末装置を側面から見た場合の概要図であり、図7(B)は、本実施の形態の携帯端末装置を上側から見た場合の概要平面図である。
【0041】
さらに、この際、CPU51は、当該第2筐体位置検出部53が出力する筐体移動位置の情報に基づいて、当該M×K個のキーについてのスキャン処理を停止してもよい。すなわち、CPU51は、主操作部28上のキーが押下されているか否かを、各キーについて順次スキャンしながら監視しているのであるが、一行分がすべて押下された状態になっているキーについては、第2筐体12によって覆われており、ユーザによる操作はないものとして、当該行のキーについてはスキャン処理を停止するのである。これにより消費電力の向上が図られる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の方向キー、ジョグダイアルまたは、スクロールキーなど、表示及び、カーソル移動を行う為の操作キーが不要になり、部品実装スペースを軽減でき、コストダウンを図ることができる上、ユーザにとっても表示部のスクロール操作をしやすい携帯端末装置を提供することができる。また、第1筐体と、この第1筐体上を移動する第2筐体とを備えた新しいデザインを有効に利用した携帯端末装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の収納状態を示す正面斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の伸長状態を示す正面斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の伸長状態を示す背面斜視図である。
【図4】表示部22の表示領域の例を表す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置の例を表す構成ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置における表示例を表す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る携帯端末装置を側面及び上側から見た場合のそれぞれの概要図である。
【符号の説明】
10 直線スライド式携帯端末装置、12 第2筐体、14 第1筐体、16操作面、17 センサ、18 着信用LED、20 受話スピーカ、22 表示部、24 副操作部、26 マイク部、28 主操作部、30 ガイド溝、51 CPU、52 記憶部、53 第2筐体位置検出部。
Claims (5)
- 第1筐体と、
表示対象となるデータの少なくとも一部の所定表示範囲をスクロール表示する表示部を備え、前記第1筐体上を移動する第2筐体と、
前記第2筐体の移動量を、筐体移動量として検出する手段と、
前記検出した筐体移動量に基づいて、前記表示部における前記データの表示範囲を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする携帯端末装置。 - 請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記制御手段は、
前記検出した移動位置に基づいて、前記表示部における前記データの表示範囲の位置を制御する
ことを特徴とする携帯端末装置。 - 請求項1又は2に記載の携帯端末装置において、
前記制御手段は、
前記第2筐体の移動中は、当該第2筐体の筐体移動量と、前記表示部に表示されているデータの最大スクロール量とに基づいて決定される表示範囲移動量だけ移動する
ことを特徴とする携帯端末装置。 - 第1筐体と、
表示対象となるデータの少なくとも一部の所定表示範囲を表示する表示部を備え、前記第1筐体上を移動する第2筐体とを含む携帯端末装置の表示制御方法であって、
前記第2筐体の移動量を、筐体移動量として検出する工程と、
前記検出した筐体移動量に基づいて、前記表示部における前記データの表示範囲を制御する制御工程と
を含むことを特徴とする表示制御方法。 - 第1筐体と、
表示対象となるデータの少なくとも一部の所定表示範囲を表示する表示部を備え、前記第1筐体上を移動する第2筐体とを備えた携帯端末装置に内蔵されたコンピュータに、
前記第2筐体の移動量を、筐体移動量として検出する手順と、
前記検出した筐体移動量に基づいて、前記表示部における前記データの表示範囲を制御する制御手順と
を実行させることを特徴とする表示制御プログラム。
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