JP2004304117A - 鉄心 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉄心は、表面に、絶縁皮膜102が形成された第1領域と絶縁皮膜102の間に露出した第2領域とを有する電磁鋼板101と、少なくとも前記第2領域を被覆する被覆部材103と、を備え、前記第2領域は、機械加工によって絶縁皮膜102を除去して形成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的には鉄心に関し、好適には鉄心を用いた位置決め装置を使って特殊環境下で半導体を製造することに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の位置決め装置は、例えば、特許文献1に開示されている。図9は、従来の位置決め装置であるXYステージの斜視図である。定盤42は、Xステージ32、Yステージ37等のステージ装置を支持する基準面43を持つ。固定Yガイド38は、定盤42に固定されて、その側面を基準面としている。移動体としてのYステージ37は、Yリニアモータ41によって、固定Yガイド38に案内されて、Y方向に移動する。Yリニアモータ41は、Yリニアモータ固定子39とYリニアモータ可動子40とを含む。Xステージ32は、不図示のXリニアモータ可動子を備え、Yステージ37に設けられたXガイド33によって、X方向に案内される。同様にして、Xステージ32は、Yステージ37に設けられたXリニアモータ固定子34によって、X方向に推力が与えられる。
【0003】
Xステージ32を構成する天板31は、図9に示すように板形状に形成されうる。天板31上には、X方向及びY方向における位置計測のためのX方向ミラー45及びY方向ミラー46が設けられている。X方向ミラー45及びY方向ミラー46には、それぞれレーザビームが照射され、その反射光に基づいてX方向及びY方向の位置が計測される。また、従来のXYステージは、例えば、図11に示すθZT駆動機構200を搭載して、露光光軸と平行であるZ方向及びX、Y、Z軸回りの方向(θx、θy、θz)にも移動することができる。
【0004】
図10は、従来のXYステージから図11に示すθZT駆動機構200を外した状態を示す図である。θZT駆動機構200は、Xステージ51のXステージ天板51aの上面に搭載される。Xステージ51のXステージ底板51cは、不図示のエアーパッドによってエアーガイドされる。これによって、Xステージ51は、定盤55上の平面を摩擦することなく、XY方向に移動することができる。ステージ51をX方向に移動させる駆動力は、Yステージ54のビーム54b上に配置されたリニアモータによって発生される。このリニアモータの固定子51dには、コイルが配置される。一方、リニアモータの可動子としてのマグネットは、Xステージ51の天板51aの裏面に取付けられる。従って、上記のコイルに電流を流すことによって、マグネットにX方向の推力が発生する。
【0005】
Yステージ54をY方向に移動させる駆動力は、定盤55に取付けられたリニアモータによって発生される。このリニアモータの固定子51eには、コイルが配置されている。一方、リニアモータの可動子としてのマグネット54cは、Yステージ54のビーム54bに連結された連結板54dの端部に取付けられる。このコイルに電流を流すことによって、マグネットにY方向の推力が発生する。Yステージ54は、上述のように、定盤55に固定された固定Yガイド52の側面に沿って移動することができる。Y方向の推力は、ビーム54bの側面を基準面として、X方向にガイドする部分を介して与えられる。X方向にガイドする部分にもエアーパッドが用いられる。
【0006】
図11の円筒状の固定部材202及び案内部材203は、図9のXステージ32をXY方向に移動させる駆動力を天板31に伝達させる機構に相当する。固定部材202及び案内部材203は、エアーによって非接触にガイドされ、エアーを介して力が伝達される。これらの力の伝達によって、ウェハを目標位置に移動させることができる。
【0007】
図11のθZT駆動機構200について説明する。台盤151は、図10のXステージ51の上部に配置される。台盤151は、円筒状の固定部材202を持つ。固定部材202に保持された多孔質パッド207は、不図示のウェハとウェハチャックとを保持する図9の天板31に相当する天板204に取付けられた案内部材203の内周面を、非接触で支持する。台盤151は、不図示のθリニアモータによって、その中心軸の周りを回転し、また、周方向に等間隔で配設されたZリニアモータ215aによって、図11の上下方向に往復移動することができる。
【0008】
従来の位置決め装置は、ウェハ等の基板を搭載した天板をX、Y方向における所定の位置に移動させるために、レーザ干渉計を用いて天板のXY方向の位置を制御しながら、XYステージによって台盤をXY方向に移動させている。天板は、台盤からラジアル空気軸受の空気膜を介して駆動力を受け、所定の位置に移動する。天板と台盤とは一体となって移動することが望ましいが、台盤の移動に対して保持盤である天板が受ける駆動力は、静圧軸受の空気膜の圧縮性によって、位相遅れが生じるという問題があった。
【0009】
そこで、ラジアル空気軸受の代わりに、θZT駆動機構に用いられるローレンツ力アクチュエータ(リニアモータ)をXY方向の駆動機構として利用することが考えられる。しかし、この場合でも、天板やその上に搭載されるウェハ及びウェハチャックの重さと加速に耐え得る力をローレンツ力アクチュエータ(リニアモータ)に発生させることは、モータの大きさやモータからの発熱量の面からも非常に困難であった。
【0010】
これに対し、加速に耐えて、発熱量が少ないアクチュエータとして、電磁石を用いた電磁アクチュエータがある。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−229759号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電磁石を用いた電磁アクチュエータは、電磁鋼板であるケイ素鋼板を積上げた鉄心を有し、電磁鋼板を加工処理したときの切口から錆が発生するという問題がある。この錆は、ウェハを汚染する原因となる。
【0013】
さらに、真空環境で電磁石を用いる電磁アクチュエータでは、個々のケイ素鋼板を合体させるためのワニス(接着の効果がある)が用いられるが、図13に示すように、ワニスから多くの脱ガスが生じる。EUV(Extreme Ultra Violet)光を露光用照明光として使用するステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置では、脱ガス中に含まれるハイドロカーボン(−CH)によってミラーが曇り、ミラーの反射率が劣化する。これによって、必要な露光量が得られず、半導体素子の微細加工の生産性が下がるという問題がある。
【0014】
また、より高い生産性を実現するためには、ウェハを高速に動かすことが必要である。そのためは、大きな加速度が必要である。図11のθZT駆動機構200の天板204に大きな加速度をかけるためには、台盤151にも大きな加速度が伝達されなければならない。そのために、例えば、図9のYリニアモータ41の推力を上げる必要がある。大きくなった推力は、Xガイド33を経由して、台盤151があるXステージに伝達される。前述のように、エアーガイドを用いる場合は、θZT駆動機構200のエアーガイドと同様に、静圧軸受の空気膜の圧縮性によって位相遅れが生じて、一体となって移動できないという問題がある。さらに、加速力が大きいために、エアーガイドの支持力が加速力よりも小さくなり、ガイドとして機能しないという問題がある。
【0015】
そこで、大きな加速度が必要である場合には、θZT駆動機構200と同様に、加速に耐え、発熱量が少ない電磁石を積上げた鉄心を有する電磁アクチュエータを用いることが考えられる。しかし、この場合も同様に、鉄心のガイド面の切口部から発生する錆や電磁石を固定するためのワニスから生じる脱ガスが問題となる。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、例えば、信頼性の高い鉄心を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、鉄心に係り、絶縁皮膜が形成された第1領域と機械加工によって絶縁皮膜が除去された第2領域とを有する複数の電磁鋼板の積層体と、少なくとも前記第2領域を被覆する被覆部材と、を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記積層体の少なくとも1つの端面は、取付け台座に固定され、前記被覆部材は、更に、前記取付け台座を被覆することが好ましい。
【0019】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記複数の電磁鋼板は、接着部材によって互いに連結され、前記被覆部材は、更に、前記接着部材を被覆することが好ましい。
【0020】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記被覆部材は、ポリイミド、ポリパラキシレン、及びアモルファスシリコンの少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0021】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記取付け台座ごと処理しない場合の前記被覆部材は、化学ニッケルメッキ、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸マンガンの少なくとも1つを含むことが好ましい。なお、膜厚は、前記絶縁皮膜の膜厚以下であることが好ましい。
【0022】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記化学ニッケルメッキ等の被覆部材は、更に、洗浄処理によって前記電磁鋼板上の絶縁皮膜が除去された領域を被覆することが好ましい。
【0023】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記被覆部材は、前記電磁鋼板又は前記複数の電磁鋼板の各々の全面を被覆することが好ましい。
【0024】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記積層体及び前記被覆部材の周りに巻かれたコイルを更に備えることが好ましい。
【0025】
本発明の第2の側面は、位置決め装置に係り、固定子と該固定子に対向する可動子とを備え、該固定子と該可動子の少なくとも一方には、前記コイルが巻かれていることを特徴とする。
【0026】
本発明の第3の側面は、露光装置に係り、パターンを形成した原版に照射される露光光を基板に投影するための光学系と、前記位置決め装置と、を備えることを特徴とする。
【0027】
本発明の第4の側面は、鉄心の製造方法に係り、絶縁皮膜を有する複数の電磁鋼板を積上げて積層体を形成する積上工程と、前記積層体を機械加工して該絶縁皮膜の一部を除去する除去工程と、前記絶縁皮膜が除去された領域を被覆部材で被覆する被覆工程と、を含むことを特徴とする。
【0028】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記電磁鋼板の少なくとも1つの端面を取付け台座に固定する工程を更に含み、前記被覆工程は、前記取付け台座を前記被覆部材で被覆することが好ましい。
【0029】
本発明の第5側面は、鉄心の製造方法に係り、絶縁皮膜を有する電磁鋼板を機械加工して該絶縁皮膜の一部を除去する除去工程と、前記絶縁皮膜が除去された領域を被覆部材で被覆する被覆工程と、を含むことを特徴とする。
【0030】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記被覆工程は、ポリイミド、ポリパラキシレン、アモルファスシリコンの少なくとも1つを用いることが好ましい。
【0031】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記取付け台座ごと処理しない場合には、前記被覆工程は、化学ニッケルメッキ、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、及びリン酸マンガンのいずれか1つを前記絶縁皮膜の膜厚以下の膜厚で前記領域に被覆することが好ましい。
【0032】
本発明の好適な実施の形態によれば、前記被覆工程は、前記電磁鋼板又は前記複数の電磁鋼板の各々の全面を被覆することが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0034】
[第1の実施形態]
図1(a)、(b)は、本発明の好適な第1の実施の形態に係る鉄心を示す図である。図1(a)は、図1(b)のa−a’矢視図を示す。図1(a)、(b)に示すように、本実施形態に係る鉄心は、絶縁皮膜102が形成された第1領域と機械加工によって絶縁皮膜102が除去された第2領域とを有する複数の電磁鋼板101の積層体と、少なくとも上記の第2領域を被覆する被覆部材103とを備える。機械加工には、例えば、切削加工、研削加工、及びラップ加工等が含まれる。また、電磁鋼板101の積層体は、電磁鋼板101をN枚積上げてブロック状にした後に、必要な面精度を得るために、少なくとも1面に研削加工や切削加工等の機械加工を施して形成されうる。ポリイミドやポリパラキシレンやアモルファスシリコンの被覆の密着性を良くするために、必要な精度面以外の全ての面を機械加工するのが望ましい。この全面加工によって、磁性燒鈍処理の時に発生した酸化膜やワニスの吹出し等も取り除くことができ、脱ガス量もさらに低減される。
【0035】
そして、ポリイミドやポリパラキシレンやアモルファスシリコン等の被覆部材103を使って、上記積層体の表面のうち、少なくとも加工処理が施された面を被覆する。上記の全面加工が施されていない場合であっても、加工処理が施された面だけでなく全面を樹脂や無機質層等の被覆部材103で被覆してもよい。このように、表面に加工処理が施された部分を含む積層体において、少なくとも加工処理が施された部分を被覆部材103で被覆することによって、鋼板の表面の加工処理が施された部分から錆が発生することを防止することができるという顕著な効果を奏する。
【0036】
また、電磁鋼板101をN枚積上げて積層体を形成した後に、この積層体がバラバラになったり、研削加工や切削加工の加工屑や加工液が電磁鋼板101の間に入り込んだりしないように、一般にワニスが用いられる。しかし、ワニスは、真空環境や窒素雰囲気やヘリウム雰囲気下において、脱ガスの原因となる。しかし、本発明の好適な実施の形態によれば、ポリイミドやポリパラキシレン樹脂やアモルファスシリコン等の被覆部材103が、ワニス等の接着部材の表面が露出した部分を被覆することによって、接着部材の表面が露出した部分から生じる脱ガスを抑えることができる。
【0037】
ワニスとしては、例えば、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂を主成分とするコイル含浸用ワニスが用いられる。本実施形態では、さらに、脱ガスを抑えるために、被覆処理時の温度に対して十分に耐熱性があるエポキシ系の接着部材105を用いるのが好ましい。また、接着部材は、ガラス転移点の高い熱硬化性の材料であるのが望ましい。これらの接着部材は、一般に粘度が高いので、有機溶剤で希釈して接着層を薄くし、鉄の容積率が落ちないようにするのが望ましい。
【0038】
また、機械加工した面は錆やすいが、これも前述のポリイミドやポリパラキシレン樹脂やアモルファスシリコンで被覆することよって、錆を防止することができる。
【0039】
ポリイミドやポリパラキシレン樹脂は有機物であるが、真空環境や窒素雰囲気やヘリウム雰囲気下で問題となる脱ガスが少ないという特徴を持っている。従って、製造過程でワニス等の接着部材から発生する脱ガス物質をポリイミドやポリパラキシレン樹脂によって封止すると同時に、自分自身からの脱ガスをも抑えることができる。従って、脱ガスの観点でみると、問題となる電磁鋼板101をあたかもポリイミドやポリパラキシレン樹脂で作った樹脂に置き換えたようになっている。
【0040】
上記に示す被覆の効果を確認するために、4重極質量分析を用いて電磁鋼板101を積上げた積層体からの脱ガス量を測定した。図13は、被覆処理をしない状態での積層体からの脱ガスを示す図である。グラフの横軸は質量数を示し、縦軸は脱ガス量を示している。ハイドロカーボンを押さえるためには、質量数44以上の脱ガスの量を抑えることが重要である。
【0041】
図13では、質量数44以上で多くの脱ガスが発生しているのに対して、本発明の好適な実施の形態に係るポリイミドで被覆処理をした場合は、図14に示すように脱ガスが激減している。アモルファスシリコンで被覆処理をした場合も、図15に示すように、脱ガスが激減している。アモルファスシリコンの処理温度は、ポリイミドの処理温度よりも低いため、ワニス等の接着部材の選定範囲が広がる。また、図14と図15を比較した結果においても、アモルファスシリコンによる被覆処理は、ポリイミドによる被覆処理より優れているため、アモルファスシリコンは、被覆部材103として好適な薄膜材料であるといえる。
【0042】
次いで、図1に示した鉄心の製造方法を説明する。図6は、本発明の好適な第1の実施の形態に係る鉄心の製造方法を説明する図である。
【0043】
工程S101では、電磁鋼板101をE型やU型やI型のような所定の形状に打抜き・切断する。電磁鋼板101の主な材料としては、例えば、ケイ素鋼板やパーマロイ等が用いることができる。電磁鋼板101を切断する方法としては、例えば、プレスやワイヤーカット等を用いることができる。さらに、切断による磁気特性の劣化を防ぐために、磁性燒鈍を行うのが好ましい。
【0044】
工程S102では、組立治具を用いて電磁鋼板101を積上げて積層体を形成する。
【0045】
工程S103では、積上げた積層体を接着固定するためにワニスによる真空含浸を行う。また、電磁鋼板101の1枚1枚を耐熱性のあるエポキシ系の接着部材で塗布し、再積層して、熱硬化させても良い。
【0046】
工程S104では、対向面となる部分を機械加工する。この機械加工による磁気特性の劣化を防ぐために、加工方法としては、1回の除去量が小さい研削加工が望ましい。また、工程S106での薄膜の密着性を良くするために、6面すべてを金属加工するのが望ましい。
【0047】
工程S105では、機械加工屑や加工液を除去するために洗浄を行う。
【0048】
工程S106では、ポリイミドやポリパラキシレンの樹脂やアモルファスシリコンで積層体を被覆する。膜厚が厚くなるとギャップが減少するので、膜厚は平面度と含めてギャップの30%以下であることが望ましい。ポリイミドやポリパラキシレンの樹脂の膜厚は、特に限定しないが、例えば、1μm〜100μm、好適には1μm〜20μmが例として挙げられる。
【0049】
上記のように平面度はギャップの20%以下であるとしたが、ギャップが狭い場合でも、被覆後の平面度がトータルで30%以下となるように、予め工程S104において対向面となる部分が精度良く仕上げられている必要がある。
【0050】
工程S107において、樹脂で被覆された積層体を例えば本実施形態に係るステージ等に搭載する。
【0051】
なお、工程S103において積層体を固定するためにワニスを用いたが、図3(a)、(b)に示すように、積層体を溶接によって接着固定部105で固定してもよい。ここで、図3(a)は、溶接された積層体の側面図、図3(b)は、溶接された積層体の平面図を示す。しかし、工程S104の機械加工では、機械加工屑や加工液が、電磁鋼板101の間に入るという問題がある。これらは、工程S105で洗浄を行っても、完全に除去することは極めて困難であり、脱ガスの原因となる。しかし、本発明の好適な実施形態では、ポリイミドやポリパラキシレンの樹脂を工程S106で被覆することによって、これらを防ぐことができる。
【0052】
前述のように、ギャップが狭い場合には、特に、対向面となる部分を精度良く仕上げる必要がある。このような場合においては、図2(a)、(b)に示すように、予め積層体の少なくとも1つの端面を、取付け台座104に固定してもよい。この場合、被覆部材103は、更に、取付け台座104を被覆するのが望ましい。ここで、図2(a)は、図2(b)のa−a’矢視図を示す。これによって、加工しやすくなり、加工精度が向上する。また、取付け台座104への組立誤差も減少し、より精度を上げることができる。
【0053】
このような構成の場合は、取付け台座104ごと、積層体をポリイミドやポリパラキシレンの樹脂やアモルファスシリコンで被覆すれば良い。ポリイミドの被覆処理温度は高いので、取付け台座104と電磁鋼板101の熱膨張を考慮して、鉄系の取付け台座104を用いるのが望ましい。ポリパラキシレンは常温で処理されるので、取付け台座104の材質は、例えば、セラミックスであっても良い。取付け台座104の取付け面等の一部をマスキングして、薄膜が付かない部分がある場合は、積層体のすべての表面部分に薄膜がある構成も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0054】
次いで、図2に示した鉄心の別の製造方法を説明する。図7は、本発明の好適な第1の実施の形態に係る鉄心の別の製造方法を説明する図である。
【0055】
図6に示す工程S101と同様に、工程S111でも電磁鋼板101を所定の形状に切断し、磁性燒鈍を行う。
【0056】
工程S112では、組立治具を用いて電磁鋼板101を積上げて積層体を形成する。
【0057】
工程S113では、工程S112で積上げた積層体をワニス等で接着固定する。
【0058】
工程S114では、積層体を取付け台座104に固定するために、積層体の固定側の面(取付け面)を機械加工する。
【0059】
工程S115では、積層体を取付け台座104に固定する。固定方法としては、例えば、機械的なクランプや接着剤等を用いることができる。
【0060】
工程S116では、取付け台座104の底面を加工基準にして対向面となる部分の機械加工を行う。
【0061】
工程S117では、機械加工屑や加工液を除去するために洗浄を行う。
【0062】
工程S118では、図6の工程S106と同様にして、ポリイミドやポリパラキシレンの樹脂やアモルファスシリコンを被覆する。このとき、例えば、取付け台座104を含めて被覆することが好ましい。工程S115で台座を固定する時に使用した接着部材も、このポリイミドやポリパラキシレンの樹脂やアモルファスシリコンによって被覆される。従って、接着部材からの脱ガスを抑えることができる。
【0063】
工程S119では、樹脂被覆された取付け台座104付きの積層体を、例えばステージ等に組み付ける。
【0064】
本実施形態によれば、ポリイミドやポリパラキシレン等の樹脂やアモルファスシリコン等の無機物を電磁鋼板の加工面に被覆することによって、小さなギャップ量を実現できるような薄い膜を形成し、機械加工面からの錆の発生を防止するとともに、接着部材からの脱ガスを封止することができる。
【0065】
[第2の実施形態]
図16(a)、(b)は、本発明の好適な第2の実施形態に係る鉄心の構成を示す概念図であり、前述の第1の実施形態の構成要素と同様の部分は同じ番号で示している。図16(a)は、図16(b)のa−a’矢視図を示す。
【0066】
図16(a)、(b)に示すように、積層体を構成している電磁鋼板の少なくとも1面をそれぞれ機械加工して、その表面が露出した部分を、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、無電界ニッケル等を用いたメッキ103’で処理する。たとえば、化学ニッケルメッキ(無電界ニッケルメッキ;KN)103’を施された面は、緻密な金属膜であり、水分等を吸収することも、ガスを発生することもない。また、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸マンガンは、電磁鋼板101の表面に形成された絶縁皮膜102と同様の材質であるため、絶縁効果を得ることもできる。どちらのメッキを選択するかは、鉄心の必要とされる磁気特性から判断すればよい。また、これらのメッキ処理によって、当然であるが、下地の電磁鋼板101の腐食を防ぐことができる。
【0067】
図17は、上記メッキ処理を施した電磁鋼板101をN枚積上げた積層体を示す図である。積層体は、例えば、図4に示される電磁石継ぎ手や電磁石ガイドの鉄心として用いられる。電磁鋼板101自体には接着効果はないので、積上げられた後に、機械的にクランプされるのが好ましい。図17に示すA面は、対向面となる部分として、メッキされる前に必要な精度を持つ平面度に仕上げられているのが望ましい。本実施形態に係るリン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、無電界ニッケル等は、A面上を均一に被覆(メッキ処理)して、B面を形成する。A面とB面は平行であり、A面の平面度はB面でも維持されるので、1枚毎にバラバラにした後に、再組立しても必要な精度が維持される。従って、平面度が悪化してギャップがなくなるということがない。また、必要とされるギャップ30〜200μmに対して、メッキの厚さは1〜3μm程度と薄くできるので、メッキ処理によってギャップがなくなるということもない。
【0068】
次いで、図16、17に示した鉄心の製造方法を説明する。図22は、本発明の好適な第2の実施の形態に係る鉄心の別の製造方法を説明する図である。
【0069】
工程S101’では、電磁鋼板101をE型やU型やI型のような所定の形状に打抜き・切断する。切断方法としては、プレスやワイヤーカット等がある。さらに、切断による磁気特性の劣化を防ぐために、磁性焼鈍を行うのが望ましい。
【0070】
工程S102’では、組立治具を用いて、電磁鋼板を積上げてブロック状の積層体を形成する。
【0071】
工程S103’では、対向面となる部分を機械加工する。機械加工によって磁気特性が劣化することを防ぐために、加工方法としては、例えば、1回の除去量が小さい研削加工が用いられるのが望ましい。また、工程S103’では、再組立する場合の再現性を確保するために、積層体を支持する部材と接する面や組立の基準となる面も機械加工される。組立に寄与しない他の面もメッキ材料との濡れ性を良くするために、同様に加工されることが望ましい。
【0072】
工程S104’では、工程S102’で積層した電磁鋼板101を組立治具から外して、1枚ごとに分解する。工程S106’で再組立するときの再現性を確保するために、積層する順番が変わったり、裏表が逆になったりしないように管理するのが望ましい。
【0073】
工程S105’では、順番・裏表の状態を維持しながら、洗浄後にメッキ処理が行われる。
【0074】
工程S106’では、順番が管理された電磁鋼板101を1枚ごとに再積層する。
【0075】
工程S107’では、例えば、本実施形態に係るステージ等に積層体を搭載する。
【0076】
なお、電磁鋼板101の表面には、前述のように、絶縁皮膜102が形成されている。この絶縁皮膜102としては、例えば、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン等が用いられる。図22の工程S105’のメッキ処理を行う前に、メッキの密着性をよくするために、酸やアルカリで洗浄を行うのが望ましい。しかし、この洗浄で、絶縁皮膜102が剥がれてしまうことがある。特に、外周部が剥がれ落ちることがある。そこで、本実施形態では、図18(a)、(b)に示すように、絶縁皮膜102が剥がれて電磁鋼板101の表面が露出した部分を新たに化学ニッケルメッキやリン酸亜鉛やリン酸マグネシウムやリン酸マンガン103’でメッキ処理する。機械加工で電磁鋼板101の表面が露出した部分や洗浄工程等によって絶縁皮膜102が剥がれて電磁鋼板101の表面が露出した部分を被覆することができる。図18(a)は、図18(b)のa−a’矢視図を示す。これによって、電磁鋼板101の表面が露出した部分からの錆の発生を防止することができる。
【0077】
この場合、被覆するメッキ103’の厚さが管理されている必要がある。図20に示すように、絶縁皮膜102の厚みを超えて被覆すると、工程S106’で再積層するときに、図21に示すようになり、正しく整列させることができない。その結果、再積層するときに、電磁鋼板101の絶縁皮膜102が接触する前に、再メッキした皮膜が接触し、各々の電磁鋼板101の間に隙間が生じる。この隙間の分だけ積上げ時の高さが変化してしまう。元の枠に入れるためには、電磁鋼板を減らさなければならない。面の接触についても、再メッキしたところで接触する保証がなくなり、上下にずれて段差が生じる。その結果、ギャップにとって重要である平面度が維持できない。
【0078】
本実施形態では、図18(a)、(b)に示すように、被覆部材としての化学ニッケルメッキ103’の厚さが、絶縁皮膜102の厚さ以下に制御されることによって、工程S106’で再積層するときに、図19(a)、(b)に示すように電磁鋼板101を正しく整列することができる。なお、図19(a)は、図19(b)のa−a’矢視図を示す。これによって、積上げ時の高さの変化を抑えて、再積層した場合でも平面度を維持することができる。
【0079】
図17の場合と同様に、図19においても、メッキする前に対向面となる部分として必要とされる精度で仕上げられているA面の上に、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン、無電界ニッケル等による被覆でB面が形成され、A面とB面とは平行で、A面の平面度はB面でも維持される。従って、1枚ごとにバラバラにされた後、再組立しても必要な精度は維持される。
【0080】
なお、メッキした電磁鋼板101を洗浄した後に乾燥させたり、真空中に入れるためにベーキングしたりする場合は、再積層時の組立再現性を維持するために、電磁鋼板101の変形を避けて80℃以下で処理されることが望ましい。
【0081】
本実施形態によれば、鉄心に含まれる電磁鋼板を1枚ごとに、機械加工で露出した面やメッキ処理前の洗浄工程で剥がれた部分を、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン、無電界ニッケル等によりメッキする。これによって、防錆のために必要とされるワニスや塗装部材などの有機物を用いることがなくなる。また、真空環境下でハイドロカーボン等の脱ガスが発生しないため、例えば、本実施形態に係る鉄心を露光装置に適用した場合に、ミラーの曇りが発生することがなく、露光量が低下しないため、高い生産性を維持することができる。また、本実施形態に係る鉄心を大気中で用いられる露光装置に適用した場合であっても、電磁鋼板の機械加工面からの錆の発生を防止することができ、高い信頼性を有する鉄心を実現することができる。
【0082】
なお、化学ニッケルメッキやリン酸亜鉛やリン酸マグネシウムやリン酸マンガン等のメッキの膜厚は、特に限定しないが、例えば、2μm〜6μm程度であるのが望ましい。ただし、組立再現性が悪い場合は、化学ニッケルメッキを使う。化学ニッケルメッキの膜厚を50μm〜100μm程度に厚くして、同じ高さとなるように、化学ニッケルメッキの面を機械加工するのが好ましい。このとき、電磁鋼板101の下地面が露出しないように加工に注意する必要がある。
【0083】
[位置決め装置]
次いで、本発明の好適な実施形態1〜2に係る鉄心の応用例として、基板を所定位置に駆動する位置決め装置を説明する。図4及び図5は、本発明の好適な実施形態に係る鉄心を用いた位置決め装置を示す図である。図4は平面図であり、図5は断面図である。
【0084】
中空天板401は、SiCのコンポジット材やアルナセラミックス等を含む。中空天板401の構造は、剛性と軽量とを両立させるために、中空リブ構造である。中空天板401の上面には、基板としてのウェハ501を搭載するために、ウェハチャック410がある。ウェハチャック410は、不図示のバキュームエアーやメカクランプ等によって、中空天板401に固定されている。ウェハ501は、不図示のバキュームエアーや静電気力によって、ウェハチャック410に保持されている。
【0085】
さらに、この位置決め装置は、ウェハ501の相対位置を計測するために、ミラー402を備える。ミラー402は、図4では、X軸、Y軸、及びヨーイング方向で用いられるものしか示されていないが、6自由度を計測できるように、他のミラーも配置されうる。ウェハ501の位置は、ミラー402と不図示のレーザ干渉計によって、確定することができる。
【0086】
中空天板401の下面には、基板としてのウェハ501を6自由度の所定位置に移動させるために、電磁力を使ったアクチュエータと中空天板401の重力を支持する機構とが備えられている。電磁力を使ったアクチュエータには、2つのタイプがある。XY方向の加速力を受け持つ電磁継ぎ手と6自由度を制御するローレンツ力アクチュエータである微動LMである。
【0087】
電磁力を使ったアクチュエータは、短ストロークであり、図8に示すような長ストロークで移動できるXステージ801上方に搭載されている。図8は図5や図4で示す部分を取り除いた状態である。図5のXステージ上板504は、従来のステージの図11の上板51aと同様の役目をしているものである。すなわち、X軸方向からXステージ801を見ると、Xステージ801とXステージ上板504によって、Yステージ802のブリッジ部分を囲むような□字状の構造になっている。
【0088】
長ストロークで移動できるステージ部分について説明する。Yステージ802の両足部分には、Yステージ自重を支持するためのYステージ静圧軸受(底)803が備えられて、エアー、窒素、ヘリウム等の気体を給気することによって、定盤804から浮上する。Yステージ802の側面にも、同様にして、Yステージ静圧軸受(サイド)805が備えられ、Yガイド806から浮上する。Yステージ静圧軸受(底)803とYステージ静圧軸受(サイド)805によって、Yステージ802は、Yガイド806に沿って、非接触でY方向に移動することができる。移動力(駆動力)は、Yステージ802の両側に配置された2つのYアクチュエータ(Yリニアモータ可動子807a、Yリニアモータ固定子807b)によって発生される。Yリニアモータ可動子807aは磁石であり、Yステージ802に固定されている。Yリニアモータ固定子807bはコイルであり、Yガイド806や定盤804に固定されている。
【0089】
Yステージ802のブリッジ部分には、水平方向(X方向)の移動力(駆動力)を発生させるXリニアモータ固定子808が配置されている。不図示のXリニアモータ可動子は、Xステージ801の上板の底面に配置されている。具体的には、図5のXステージ上板504の下側にあって、図10のXステージ51と同様の位置に配置される。
【0090】
Xステージ801をYステージ802のブリッジ側面に沿ってX方向に移動させるために、本発明の好適な実施の形態では電磁石を用いる。電磁石を用いた電磁石ガイド(固定側)809bは、Yステージ802のブリッジの側面に配置され、X軸に水平で定盤面に垂直な面を持つ。Xステージ801側には、電磁石を用いた電磁石ガイド(可動側)809aが配置され、上記のブリッジ側面に対応する平行な面を持っている。可動子としての電磁石ガイド(可動側)809a、固定子としての電磁石ガイド(固定側)809bは、それぞれブリッジの両側に配置されるのが好ましい。両側に配置するのは、電磁石1ユニットでは、吸引力方向の力しか発生しないためである。電磁石ガイド(可動側)809aには、駆動用の電磁石ガイド駆動コイル810が巻かれている。電磁石ガイド(可動側)809aと電磁石ガイド(固定側)809bとが対向する面には、所定ギャップが設けられている。例えば、このギャップは、両側とも30〜200μm程度に保たれており、電磁石のコイルに同じ電流を流して、同じ力で引っ張りあうと、ギャップが一定に維持される。これによって、エアーガイドを設けた場合と同様の効果が得られる。
【0091】
ウェハを載せた6自由度の天板を保持するXステージ801を、Y方向に駆動するために、Yリニアモータで駆動力を発生させる。その駆動力はYステージ802に伝達される。また、この駆動力は、電磁石ガイドを介してXステージ801に伝達される。Xステージ801に力を伝達するために、移動方向に対向する電磁石には、ギャップを維持する力に合わせて、Xステージ801と6自由度の天板部分の可動体重量に移動加速度を乗じた力を発生させる。これによって、力のバランスが取られて、ギャップは変動することなく、Xステージ801をY方向に移動することができる。
【0092】
本実施形態によって、スキャン方向と同じY軸側の移動速度を上げることができ、スキャン時間が短縮されて、生産性が向上する。同様にX軸側の移動速度を上げると、例えば、ウェハ交換時やアライメント時のX方向への移動や露光中のX方向への移動時間が短縮され、さらに生産性が向上する。Xリニアモータの駆動力を大きくすることによって、X軸側の移動速度を上げることができる。Xリニアモータの駆動力が大きくなると、その反力を考慮しなければならない。リニアモータの反力は、Xリニアモータ固定子808を経由して、Yステージ802が受け、Yステージ静圧軸受(サイド)805を介して、定盤804に伝わる構成になっている。これは、Yガイド806の静圧軸受を上述のXステージ801のように、電磁石ガイドでガイドすることによって解決できる。
【0093】
図8の長ストローク部分のXステージ801やYステージ802にも、不図示のレーザ干渉計が具備されている。Xステージ801のY方向の計測を行うレーザ干渉計は、図4の中空天板401に配置された光学ミラー(例えば、ミラー402)のように棒状であり、Xステージ801がX方向に移動しても計測できるような形態である。
【0094】
従来は、図11に示すように、XY方向の最終位置決め制御においても、ラジアル空気軸受を介して、長ストロークである駆動アクチュエータ54cや駆動アクチュエータ51cによって、ウェハ位置がコントロールされていた。しかし、本実施形態では、XY方向の最終位置決め制御は、上述した中空天板401の下面のローレンツ力アクチエータである微動LMによって行われる。そのため、長ストロークであるアクチュエータの制御性能を下げても、全体として、位置決め制御は高精度に維持され、部品コストや調整コストも下げることができる。
【0095】
次に、図4及び図5の中空天板401を含む微動可動部について説明する。図5は、図4のa−a矢視図を示す。電磁継ぎ手可動側403a、電磁継ぎ手固定側403bは、上述の長ストロークアクチュエータが発生した加速力を、電磁石を用いて、中空天板401を含む微動可動部に伝達する。電磁継ぎ手可動側403a及び電磁継ぎ手固定側403bは、電磁石として、電磁鋼板101をブロック状に積上げた積層体を含む。電磁継ぎ手可動側403a及び電磁継ぎ手固定側403bは、1ユニットでは、吸引力方向の力しか発生しないので、図4に示すように、それぞれX方向に2つ、Y方向用に2つ対向して配置させるのが好ましい。電磁継ぎ手固定側403bは、Xステージ上板504の中央部に配置される。電磁継ぎ手可動側403aは、中空天板401側に配置される。発熱や実装の面から、電磁継ぎ手のコイルは、電磁継ぎ手固定側403bに配置されるのが好ましい。電磁継ぎ手固定側403bの電磁鋼板は、コイルを挿入できるように、E型やU型の形状であるのが好ましい。電磁継ぎ手固定側403bと電磁継ぎ手可動側403aとが対向する面は、電磁石ガイドと同様に適当なギャップが存在する。
【0096】
中空天板401の下面には、前述のように、もう一つのアクチュエータとして、6自由度に制御させるために、ローレンツ力アクチエータである微動LMが配置される。微動LMは、XY方向のぞれぞれに対して、電磁継ぎ手の外側に配置される。X軸上には2つのY方向微動LM405と、Y軸上に2つのX方向微動LM404がある。ヨーイング方向の制御は、Y方向微動LM405かX方向微動LM404のどちらかのリニアモータによって行われる。その他の配置としては、XY方向の微動LMのどちらかのリニアモータを1個にして、それを微動可動部の重心に配置することも可能である。XY方向の微動LMも発熱・実装の面から、磁石とヨークとを可動側に配置し、発熱するコイルを固定側に配置するのが好ましい。
【0097】
Z方向とピッチング・ローリング方向とを制御するために、図4に示すように、3つのZ方向微動LM406が天板下面の周辺に配置される。XY方向の微動LMと同様に、Z方向微動LM406も、発熱・実装の面から、可動側に磁石とヨークとが配置され、固定側に発熱するコイルが配置されるのが好ましい。
【0098】
さらに、中空天板401の下面には、図4に示すように均等に配置された自重補償408が備えられる。自重補償408は、微動可動部の重量と自重補償機構が発生する力とがほぼ等しくなるように構成されている。その力残差は、中空天板401の上下方向の位置に対して、自重補償機構から発生する力が変化することによって生じる。この力残差は、Z方向微動LM406によって、完全に取り除かれる。この力残差によって、定常的に大きな推力をZ方向微動LM406が発生する必要があり、微動LMの発熱によって、中空天板401周りの環境が悪化することのないように、自重補償機構が発生する力は十分に調整されている。発生する力の変動を少なくするために、自重補償機構としては、吸引磁石と圧縮バネとを併用することが望ましい。
【0099】
ウェハ交換時に、電磁継ぎ手の固定側403bから、一時的にウェハを保持するための受け渡し棒407が3本配置されている。露光時のようにウェハがチャック410にあるような場合には、図4に示すように、受け渡し棒407の上面よりも、ウェハ下面やチャック上面が上方にある状態になっている。受け渡し棒407自身が上下に移動しなくても、中空天板401全体がZ方向微動LM406によって下方に動かされることによって、受け渡し棒407がチャック上面より飛び出すことができる。ウェハを搬送するために搬送ハンドを出し入れできる隙間にまで、中空天板全体を下げることによって、ウェハを交換することができる。
【0100】
長ストローク部分の電磁石ガイドについて、さらに詳細に説明を行う。図10に示すように、従来のステージは、エアーパッドを使用したパッシブな構成であるためにギャップが必ず変動するのに対して、本実施形態に係る電磁石ガイドによって、Yステージの加速プロファイルに合わせて、アクティブにギャップを制御することができる。その結果、ギャップがほとんど変動しない制御をすることができる。
【0101】
電磁石ガイドを用いた場合でも、エアーパッドに比ると小さいが、電気的な遅れや磁気ヒスなどによって、ギャップは変動する。磁気ヒス等を小さくするためには、ギャップを広げれば良いが、ギャップを広げると、駆動に必要な電流は増大する。鉄心の飽和磁束密度以上になるまで電流を増やすと、発生する力は飽和磁束密度での力以上には増えない。大きな力を発生ために電磁石の対向する面を大きくする方法もあるが、対向する面を大きくすると、YステージのブリッジやXスライダが大きくなり、搬送重量が増加する。このことから、逆に、ギャップを小さくする方が好ましいが、電磁鋼板の鉄損やヒスの影響を受けて制御し難い。従って、許容される制御特性に合わせたギャップ量が設定される。そのギャップ量は、前述したように、特に限定しないが、例えば、30〜200μmであるのが好ましい。このように、小さなギャップ量であるためには、対向する面の平面度が優れていることが必要となる。平面度が悪いと、ギャップが変動した場合と同様に、力が変動して制御特性が劣化する。対向する面は、エアーパッド面のようなラップ面を必要としないが、その平面度は、切削加工や研削加工等の機械加工を施したギャップの20%以下であるのが望ましい。
【0102】
このように、研削加工や切削加工等の機械加工を施した面は、電磁鋼板の地膚面で錆やすい。また、加工面は錆やすいため、錆と錆による環境悪化とによって、所定ギャップが維持できなくなる。また、機械加工を施した時の研削液が電磁鋼板の間に残り、脱ガスの原因となる。
【0103】
そこで、本実施形態では、本発明の好適な第1の実施の形態に係る鉄心を位置決め装置に適用することができる。具体的には、図1に示すように電磁鋼板101をN枚積上げて積層体を形成した後に、前述の研削加工、切削加工等の機械加工を施し、機械加工が施された面をポリアミドやポリパラキシレン等の被覆部材103を用いて被覆する。これによって、機械加工された面が錆びることを防止することができる。また、、真空環境、窒素雰囲気、ヘリウム雰囲気等において、積層体を形成するときに一般に用いられるワニス等からの脱ガスによる悪影響を低減することができる。
【0104】
また、本実施形態では、本発明の好適な第2の実施の形態に係る鉄心を位置決め装置に適用してもよい。具体的には、図16〜19に示すように、鉄心を形成する各々の電磁鋼板101に対して、研削加工、切削加工等の機械加工を施し、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン、無電解ニッケル等のメッキ103’を被覆する。この場合、機械加工を施した部分にメッキ103’の皮膜が追加される。化学ニッケルメッキ(無電解ニッケルメッキ)を適用したメッキ103’を被覆した面は、緻密な金属膜であり、水分等の吸収性がなく、ガスを発生することがない。また、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸マンガンを適用したメッキ103‘を被覆した面は、電気鋼板101の絶縁皮膜102と同様の材質であり、絶縁効果を奏することができる。また、これらのどちらの材質の膜も、下地の電磁鋼板101の腐食を防ぐことができる。
【0105】
[露光装置]
図12は、上記の位置決め装置を半導体デバイスの製造プロセスに用いられる露光装置に適用した場合における露光装置の構成を示す概略図である。図12において、光源1201から出た光は、真空チャンバ1206内に配置された照明光学系1202を介して、原版としてのマスク1203上に投影される。光源1201としては、例えば、5〜15nm(軟X線領域)に発振スペクトルを有するEUV光が露光用照明光として用いられる。マスク1203は、本発明の好適な実施形態に係る位置決め装置を備えたマスクステージ1203’上に保持されている。マスク1203のパターンは、投影光学系1204を介して、その像面が基板としてのウェハ1205上に投影される。露光対象の試料であるウェハ1205表面には、レジストが塗布されており、露光工程で形成されたショットが配列されている。ウェハ1205は、本発明の好適な実施形態に係る位置決め装置を備えたウェハステージ1205’によって保持されている。真空チャンバ1206内は、真空ポンプ1207によって高い真空度に保たれている。ウェハステージ1205’、マスクステージ1203’が備える電磁鋼板からは、ハイドロカーボン等の脱ガスの発生を防止することができ、EUV露光で生じるミラー面のくもりが発生せず、生産性を劣化させることがない。また、脱ガスの発生を防止することができるため、高い真空度を維持することができる。
【0106】
露光装置としては、例えば、ウェハ1205が走査露光されるようにマスク1203及びウェハ1205が制御されるステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置を用いてもよい。ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置では、マスク1203とウェハ1205とを同期制御する必要があるために、より高速・高精度なステージ制御が要求されるが、本発明の好適な実施の形態に係る電磁アクチュエータによれば、脱ガスや錆の発生を防止することができるため、より高速・高精度なステージ制御を実現することができる。
【0107】
また、従来の大気中の露光装置であっても、電磁鋼板の機械加工面からの錆の発生が防ぐことができるため、信頼性の高い電磁アクチュエータを実現することができる。
【0108】
なお、本発明の好適な実施形態において、ギャップ量が30〜200μmであり、樹脂の膜厚を含めた平面度がギャップの20%或いは30%以下であると述べたが、本発明はこれに限定されない。本発明の好適な実施形態におけるギャップ量や平面度は、上記以外の値であっても、本発明の好適な実施形態を適用することによって、脱ガスや錆に対する同様の効果を得ることができる。
【0109】
また、本発明の好適な実施形態では、半導体露光装置に適用されるウェハステージを例として挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の好適な実施形態では、ウェハに転写されるパターンを具備しているマスクを移動させるためのマスクスキャンステージにも適用することができる。また、本発明に係る鉄心は、ウェハステージやマスクステージに適用されるだけではなく、脱ガスや防錆を必要とするような場所で、モータの電磁鋼板や電磁石に用いられる場合においても適用することができ、同様の効果を得ることができる。
【0110】
以上のように、本実施形態に係る露光装置では、電磁アクチュエータの鉄心部分に構成された電磁鋼板を積上げて積層体を形成して、ワニスを真空含浸し、固定側と可動側と対向する面を機械加工する。そして、上記積層体の機械加工した面を、ワニスからの脱ガスや、機械加工時の切り屑や加工液による脱ガスや、表面の錆等から防ぐために、ポリイミドやポリパラキシレンの樹脂やアモルファスシリコン等被覆部材で、機械加工によって少なくとも電磁鋼板が露出した面を被覆する。
【0111】
また、本実施形態に係る露光装置では、ポリイミドやポリパラキシレンの樹脂やアモルファスシリコンで被覆によって、真空環境下や窒素雰囲気やヘリウム雰囲気下で電磁アクチュエータから発生するハイドロカーボン等の脱ガスを防ぐことができる。これによって、ミラーの曇りが発生しないため、ミラーのくもりによる露光量の低下がなくなり、高い生産性を維持できる。ミラーは高価であるため、ミラー交換の間隔が広がることによって、装置維持のコストを大幅に削減できる。
【0112】
以下に本発明に係る実施態様を列挙する。
【0113】
[実施態様1] 絶縁皮膜が形成された第1領域と機械加工によって絶縁皮膜が除去された第2領域とを有する複数の電磁鋼板の積層体と、少なくとも前記第2領域を被覆する被覆部材と、を備えることを特徴とする鉄心。
【0114】
[実施態様2] 前記積層体の少なくとも1つの端面は、取付け台座に固定され、前記被覆部材は、更に、前記取付け台座を被覆することを特徴とする実施態様1に記載の鉄心。
【0115】
[実施態様3] 前記複数の電磁鋼板は、接着部材によって互いに連結され、前記被覆部材は、更に、前記接着部材を被覆することを特徴とする実施態様1又は実施態様2に記載の鉄心。
【0116】
[実施態様4] 前記被覆部材は、ポリイミド、ポリパラキシレン、及びアモルファスシリコンの少なくとも1つを含むことを特徴とする実施態様1乃至実施態様3のいずれか1項に記載の鉄心。
【0117】
[実施態様5] 前記取付け台座ごと処理しない場合の前記被覆部材は、化学ニッケルメッキ、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸マンガンの少なくとも1つを含むことを特徴とする実施態様4に記載の鉄心。なお、膜厚は、前記絶縁皮膜の膜厚以下であることが好ましい。
【0118】
[実施態様6] 前記化学ニッケルメッキ等の被覆部材は、更に、洗浄処理によって前記電磁鋼板上の絶縁皮膜が除去された領域を被覆することを特徴とする実施態様5に記載の鉄心。
【0119】
[実施態様7] 前記被覆部材は、前記電磁鋼板又は前記複数の電磁鋼板の各々の全面を被覆することを特徴とする実施態様6に記載の鉄心。
【0120】
[実施態様8] 前記積層体及び前記被覆部材の周りに巻かれたコイルを更に備えることを特徴とする実施態様1乃至実施態様7のいずれか1項に記載の鉄心。
【0121】
[実施態様9] 固定子と該固定子に対向する可動子とを備え、該固定子と該可動子の少なくとも一方には、前記コイルが巻かれていることを特徴とする位置決め装置。
【0122】
[実施態様10] パターンを形成した原版に照射される露光光を基板に投影するための光学系と、前記位置決め装置と、を備えることを特徴とする露光装置。
【0123】
[実施態様11] 絶縁皮膜を有する複数の電磁鋼板を積上げて積層体を形成する積上工程と、前記積層体を機械加工して該絶縁皮膜の一部を除去する除去工程と、前記絶縁皮膜が除去された領域を被覆部材で被覆する被覆工程と、を含むことを特徴とする鉄心の製造方法。
【0124】
[実施態様12] 前記電磁鋼板の少なくとも1つの端面を取付け台座に固定する工程を更に含み、前記被覆工程は、前記取付け台座を前記被覆部材で被覆することを特徴とする実施態様11に記載の鉄心の製造方法。
【0125】
[実施態様13] 絶縁皮膜を有する電磁鋼板を機械加工して該絶縁皮膜の一部を除去する除去工程と、前記絶縁皮膜が除去された領域を被覆部材で被覆する被覆工程と、を含むことを特徴とする鉄心の製造方法。
【0126】
[実施態様14] 前記被覆工程は、ポリイミド、ポリパラキシレン、アモルファスシリコンの少なくとも1つを用いることを特徴とする実施態様11乃至実施態様13のいずれか1項に記載の鉄心の製造方法。
【0127】
[実施態様15] 前記取付け台座ごと処理しない場合には、前記被覆工程は、化学ニッケルメッキ、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、及びリン酸マンガンのいずれか1つを前記絶縁皮膜の膜厚以下の膜厚で前記領域に被覆することを特徴とする実施態様11乃至実施態様13のいずれか1項に記載の鉄心の製造方法。
【0128】
[実施態様16] 前記被覆工程は、前記電磁鋼板又は前記複数の電磁鋼板の各々の全面を被覆することを特徴とする実施態様11乃至実施態様13のいずれか1項に記載の鉄心の製造方法。
【0129】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば、信頼性の高い鉄心を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な第1の実施の形態に係る鉄心の構成を示す図である。
【図2】本発明の好適な第1の実施の形態に係る鉄心の構成を示す図である。
【図3】積層した電磁鋼板の固定方法を示す図である。
【図4】ウェハステージ微動部の平面図である。
【図5】ウェハステージ微動部の断面図である。
【図6】本発明の好適な第1の実施の形態に係る鉄心の製造フローを示す図である。
【図7】本発明の好適な第1の実施の形態に係る鉄心の製造フローを示す図である。
【図8】ウェハステージ粗動部の斜視図である。
【図9】従来のウェハステージの斜視図である。
【図10】従来のウェハステージ粗動部の斜視図である。
【図11】従来のウェハステージ微動部の断面図である。
【図12】露光装置の概念図である。
【図13】積層体の脱ガス量の測定結果を示す図である。
【図14】積層体の脱ガス量の測定結果を示す図である。
【図15】積層体の脱ガス量の測定結果を示す図である。
【図16】本発明の好適な第2の実施形態に係る鉄心の構成を示す図である。
【図17】本発明の好適な第2の実施形態に係る鉄心の構成を示す図である。
【図18】本発明の好適な第2の実施形態に係る鉄心の構成を示す図である。
【図19】本発明の好適な第2の実施形態に係る鉄心の構成を示す図である。
【図20】鉄心の構成を示す図である。
【図21】鉄心の構成を示す図である。
【図22】本発明の好適な第2の実施の形態に係る鉄心の製造フローを示す図である。
Claims (1)
- 絶縁皮膜が形成された第1領域と機械加工によって絶縁皮膜が除去された第2領域とを有する複数の電磁鋼板の積層体と、
少なくとも前記第2領域を被覆する被覆部材と、
を備えることを特徴とする鉄心
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