JP2004304079A - 電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】低インピーダンス特性、高耐電圧特性を有し、更に高温寿命特性も良好な電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】四弗化アルミニウム塩を含有する電解液の用いられた電解コンデンサにおいて、陽極箔が弗素を含む陽極酸化皮膜を有する電解コンデンサ。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電解コンデンサに関し、特に低インピーダンス特性、高耐電圧特性及び良好な高温寿命特性を有する電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
電解コンデンサは、一般的に巻回型コンデンサ素子からなるコンデンサと積層型のコンデンサ素子からなるコンデンサが知られており、巻回型コンデンサは図1に示すような構造からなる。すなわち、帯状の高純度のアルミニウム箔に、化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を施して、アルミニウム箔表面を拡大させるとともに、このアルミニウム箔をホウ酸アンモニウム水溶液等の化成液中にて化成処理して表面に酸化皮膜層を形成させた陽極電極箔2と、エッチング処理のみを施した高純度のアルミニウム箔からなる陰極電極箔3とを、マニラ紙等からなるセパレータ11を介して巻回してコンデンサ素子1を形成する。そして、このコンデンサ素子1は、電解コンデンサ駆動用の電解液を含浸した後、アルミニウム等からなる有底筒状の外装ケース10に収納する。外装ケース10の開口部には弾性ゴムからなる封口体9を装着し、絞り加工により外装ケース10を密封している。
【0003】
更に、陽極電極箔2、陰極電極箔3には、図2に示すように、それぞれ両極の電極を外部に引き出すための電極引出し手段であるリード線4、5がステッチ、超音波溶接等の手段により接続されている。それぞれの電極引出し手段であるリード線4、5は、アルミニウムからなる丸棒部6と、両極電極箔2、3に当接する接続部7からなり、さらに丸棒部6の先端には、半田付け可能な金属からなる外部接続部8が溶接等の手段で固着されている。
【0004】
ここで、コンデンサ素子に含浸される高電導率を有する電解コンデンサ駆動用の電解液として、γ−ブチロラクトンを主溶媒とし、電解質として環状アミジン化合物を四級化したカチオンであるイミダゾリニウムカチオンやイミダゾリウムカチオンをカチオン成分とし酸の共役塩基をアニオン成分とした塩を溶解させたものが知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【0005】
また、電解コンデンサ用アルミニウム箔表面に形成された酸化皮膜の厚みを4.5nm以下にし、かつその酸化皮膜の中に異種原子として弗素原子を含ませ、アルミニウム箔にピットを均一に形成することにより、静電容量を向上させたアルミニウム電解コンデンサ陽極用箔が知られている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平08−321440号公報
【特許文献2】
特開平08−321441号公報
【特許文献3】
特開平07−169656号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、電子情報機器のデジタル化によるこれら電子情報機器の心臓部であるマイクロプロセッサの駆動周波数の高速化が進むに伴い、周辺回路の電子部品の消費電力が増大化しリップル電流の増大化が著しいため、これらの回路に用いられる電解コンデンサには、低インピーダンス特性が要求されるようになった。
【0008】
また、特に車載の分野では、自動車性能の高機能化による消費電力の増大に伴い、低インピーダンス特性に対する要求が高くなっている。また、車載用回路の駆動電圧は14Vから42Vへと進展しつつあり、このような高い駆動電圧に対応するには、電解コンデンサの耐電圧特性が28V乃至84V以上が必要である。さらに、この分野では高温使用の要求があるため、電解コンデンサには高温寿命特性が要求されるようになった。
【0009】
ところが、現在、このような要望にこたえる電解コンデンサの実用化には問題点が存在する。たとえばアニオン成分としての四弗化アルミニウムイオンを含有する電解液が用いられた電解コンデンサにおいて、コンデンサ製造工程中又はコンデンサ使用中に混入した水分により電解液とアルミニウムとの反応性が高くなった場合、アルミニウム製の陽極箔がアノード・カソード反応により反応して高温寿命特性が低下する欠点があった。
【0010】
そこで、本発明は、低インピーダンス特性を有し、さらに高耐電圧特性を有し、高温寿命特性も良好な電解コンデンサを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決しようとする手段】
これらの課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、特定の条件の電解液を使用する場合、弗素を含む陽極酸化皮膜を有する陽極箔を採用することにより低インピーダンス特性を有し、さらに高耐電圧特性を有しつつも、高温寿命特性も良好な電解コンデンサを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の電解コンデンサは、四弗化アルミニウム塩を含有する電解液の用いられた電解コンデンサにおいて、陽極箔が弗素を含む陽極酸化皮膜を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、四弗化アルミニウム塩を含有する電解液が用いられた電解コンデンサにおいて、陽極箔が弗素を含む陽極酸化皮膜を有する電解コンデンサを提供するものである。すなわち、アニオン成分として四弗化アルミニウムイオンを含有する電解液が用いられた電解コンデンサにおいて、更に陽極箔が弗素を含む陽極酸化皮膜を有することにより、四弗化アルミニウム塩を含む電解液中における化成性が良好となるため、耐電圧特性が大幅に向上し、また、コンデンサ製造工程中又はコンデンサ使用中に混入した水分により電解液とアルミニウムとの反応性が高くなった場合も、アルミニウム製の陽極箔がアノード・カソード反応により反応して高温寿命特性が低下する等の問題を防止できる。その結果、火花電圧の高く低比抵抗特性の高い電解液を用いた低インピーダンス特性を有し、さらに高耐電圧特性を有し、高温寿命特性も良好な電解コンデンサを安定して供給することができることを見出したものである。
【0014】
本発明のアルミニウム電解コンデンサの構造は、陽極箔が弗素を含む陽極酸化皮膜を有する以外、一般的なアルミニウム電解コンデンサの構造と同様の構造であり、巻回型コンデンサと積層型コンデンサの何れでも良い。
【0015】
例えば図1及び2に示したような巻回型コンデンサの場合、コンデンサ素子1は陽極電極箔2と、陰極電極箔3をセパレータ11を介して巻回して形成する。また図2に示すように陽極電極箔2、陰極電極箔3には陽極引出し手段及び陰極引出し手段である、リード線4、リード線5がそれぞれ接続されている。これらのリード線4、リード線5は、それぞれの箔と接続する接続部7と接続部7と連続した丸棒部6、及び丸棒部6に溶接された外部接続部8より構成されている。なお、それぞれの箔とリード線はステッチ法や超音波溶接等により機械的に接続されている。特に、本発明では、陽極電極箔2は、純度99%以上のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエッチングして拡面処理した後、四弗化アルミニウム塩、たとえば四弗化アルミン酸1,2,3,4‐テトラメチルイミダゾリニウム等を含む化成液中で化成処理を行い、その表面に弗素を含む陽極酸化皮膜層を形成したものを用い、陰極電極箔3は、純度99.9%のアルミニウム箔をエッチングして拡面処理した箔、又はエッチングしたアルミニウム箔の表面に更に窒化チタンの薄膜を形成したものを用いる。このように構成したコンデンサ素子1に本発明による四弗化アルミニウム塩を含有する電解液を含浸し、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケース10に収納し、外装ケース10の開口端部に、リード線4、5を導出する貫通孔を有する封口体9を挿入し、さらに外装ケース10の端部を加締めることにより電解コンデンサの封口を行う。
【0016】
本発明の陽極箔の表面元素組成比における弗素の組成比は、40乃至1重量%が好ましく、更に好ましくは15乃至1重量%の範囲である。なお、この電解コンデンサの陽極箔の表面元素組成比における弗素の組成比は、例えばXPSサーベイスペクトロ分析法により定量される。
【0017】
本発明の陽極箔は、弗素を含む化成液中で化成処理を行いその表面に弗素を含む陽極酸化皮膜層を形成することで得られるが、ここで好ましい化成液としては、四弗化アルミニウム塩を含む化成液が挙げられる。
【0018】
本発明のコンデンサに用いられる四弗化アルミニウム塩は、四弗化アルミニウムをアニオン成分とする塩であるが、この塩としてはアンモニウム塩、アミン塩、四級アンモニウム塩、または四級化環状アミジニウムイオンをカチオン成分とする塩を用いることができる。
【0019】
アミン塩を構成するアミンとしては、一級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン等)、二級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジフェニルアミン、ジエタノールアミン等)、三級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン等)が挙げられる。また、第四級アンモニウム塩を構成する第四級アンモニウムとしてはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等)、ピリジウム(1−メチルピリジウム、1−エチルピリジウム、1,3−ジエチルピリジウム等)が挙げられる。
【0020】
さらに、四級化環状アミジニウムイオンをカチオン成分とする塩においては、カチオン成分となる四級化環状アミジニウムイオンは、N,N,N’,−置換アミジン基をもつ環状化合物を四級化したカチオンであり、N,N,N’−置換アミジン基をもつ環状化合物としては、以下の化合物が挙げられる。イミダゾール単環化合物(1−メチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−1−メチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、1,2,4−トリメチルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール等のニトロ誘導体、1,2−ジメチル−5(4)−アミノイミダゾール等のアミノ誘導体等)、ペンゾイミダゾール化合物(1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール、1−メチル−5(6)−ニトロベンゾイミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化合物(1−メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1−メチル−2−フェニルイミダゾリン、1−エチル−2−メチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−エトキシメチルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミジン環を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等)等である。
【0021】
本発明のコンデンサに用いられる電解液の四弗化アルミニウム塩の含有量は、好ましくは電解液全重量の5〜40重量%、さらに好ましくは10〜35重量%である。四弗化アルミニウム塩の濃度がこの範囲であると十分な電気伝導率が得られず、一方、四弗化アルミニウム塩の濃度がこの範囲より大きい場合、電解液の粘性の増加、低温での塩の析出等の問題が生じてしまう可能性があり、耐電圧が低下する。
【0022】
本発明のコンデンサに用いられる電解液の溶媒としては、プロトン性極性溶媒、非プロトン性溶媒、及びこれらの混合物を用いることができる。プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール類(エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。また、非プロトン性の極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類(γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等)、スルホラン系(スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等)、環状アミド系(N−メチル−2−ピロリドン等)、カーボネイト類(エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキルー2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチルー2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキルー2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチルー2−イミダゾリジノン等)〕などが代表として、挙げられる。中でも、γ−ブチロラクトンを用いるとインピーダンス特性が向上するので好ましく、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランを用いると高温特性が向上するので好ましく、エチレングリコールを用いると耐電圧特性が向上するので好ましい。
【0023】
本発明の電解コンデンサに用いられる電解液の溶媒は、さらに優れた電気伝導率、熱安定性、耐電圧性を有する電解液を得る観点から、60重量%乃至95重量%含有させることが好ましい。
【0024】
本発明の電解コンデンサに用いられるセパレータとしては、通常マニラ紙やクラフト紙等の紙が用いられるが、ガラス繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン等の不織布を用いることもできる。
【0025】
本発明の電解コンデンサに用いられる封口体は、好ましくはブチルゴムであり、特に、イソブチレンとイソプレンとの共重合体からなる生ゴムに補強剤(カーボンブラック等)、増量剤(クレイ、タルク、炭酸カルシウム等)、加工助剤(ステアリン酸、酸化亜鉛等)、加硫剤等を添加して混線した後、圧延、成型したゴム弾性体を用いることができる。加硫剤には、アルキルフェノールホルマリン樹脂;過酸化物(ジクミルペルオキシド、1,1−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン等);キノイド(p−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム等);イオウ等を用いることができる。また、封口体の表面をテフロン(登録商標)等の樹脂でコーティングしたり、ベークライト等の板を貼り付けると溶媒蒸気の透過性が低減するので更に好ましい。
【0026】
本発明ように弗素を含む陽極酸化皮膜を有する陽極箔は、四弗化アルミニウム塩を含む電解液中における化成性が良好なため、耐電圧特性が大幅に向上する。さらに、四弗化アルミニウム塩を用いた電解液では、工程中又はコンデンサ使用中に混入した水分により電解液とアルミニウムとの反応性が高くなり高温寿命特性が低下するが、弗素を含む陽極酸化皮膜を有する陽極箔はこのような反応性が小さくなり、高温寿命特性が低下する等の問題を防止できる。
【0027】
【実施例】
次にこの発明について実施例を示して説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではなく、実施例中の材料、使用量、割合、操作等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。
【0028】
コンデンサ素子は陽極電極箔と陰極電極箔をセパレータを介して巻回して形成する。また陽極電極箔、陰極電極箔には陽極引出し用のリード線、陰極引出し用のリード線がそれぞれ接続されている。これらのリード線は、電極箔に当接する接続部とこの接続部と一体に形成した丸棒部、および丸棒部の先端に固着した外部接続部からなる。また、接続部および丸棒部は99%のアルミニウム、外部接続部は銅メッキ鉄鋼線(以下CP線とする)からなる。このリード線の、少なくとも丸棒部の表面には、リン酸アンモニウム水溶液による化成処理により酸化アルミニウムからなる陽極酸化皮膜が形成されている。このリード線は、接続部においてそれぞれステッチや超音波溶接等の手段により両極電極箔に電気的に接続されている。陽極電極箔は、純度99.9%のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエッチングして拡面処理した後、四弗化アルミン酸1,2,3,4‐テトラメチルイミダゾリニウムを含む化成液で化成処理を行いその表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用いる。実施例1乃至3の陽極箔の表面元素組成比における弗素組成比をXPSサーベイスペクトロ分析により定量したところ、それぞれ、10、32及び45%である。陰極箔は、純度99.9%のアルミニウム箔をエッチングして拡面処理した箔を用いる。そして、電解液を含浸したコンデンサ素子を外装ケースに収納し、外装ケースの開口部に封口体を装着するとともに、外装ケースの端部に絞り加工を施して外装ケースを密封する。封口体は、リード線をそれぞれ導出する貫通孔を備えている。
【0029】
なお、実施例1乃至3で用いた電解コンデンサ用電解液は、溶媒としてγ−ブチロラクトンを80重量%、溶質として四弗化アルミン酸1,2,3,4‐テトラメチルイミダゾリニウム20重量%を溶解したものである。
以上のように構成した電解コンデンサの定格は、100WV−22μFであり、これらの電解コンデンサの特性を評価した。試験条件は105℃、1000時間負荷である。その結果を(表1)に示す。
【0030】
【表1】
Figure 2004304079
【0031】
(表1)から明らかなように、本発明によるコンデンサは低インピーダンス特性を有する100WVの電解コンデンサを実現しており、高耐電圧特性が良好である。また、何れの実施例も良好な高温寿命特性が得られており、特に、弗素元素比が45%の実施例3と比較して、弗素元素比が32%の実施例2ではさらに良好な高温寿命特性を得ており、弗素元素比が10%の実施例1は最も良好な高温寿命特性が得られた。
【0032】
【発明の効果】
本発明の電解コンデンサによれば、低比抵抗特性及び高い火花電圧が得られる電解コンデンサ用電解液を使用する電解コンデンサにおいて、弗素を含む陽極酸化皮膜を有する陽極箔を採用することにより、低インピーダンス特性、高耐電圧特性のみならず、高温寿命特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解コンデンサの構造を示す内部断面図である。
【図2】コンデンサ素子の構造を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子
2 陽極電極箔
3 陰極電極箔
4 陽極引出し用のリード線
5 陰極引出し用のリード線
6 丸棒部
7 接続部
8 外部接続部
9 封口体
10 外装ケース
11 セパレータ

Claims (2)

  1. 四弗化アルミニウム塩を含有する電解液の用いられた電解コンデンサにおいて、陽極箔が弗素を含む陽極酸化皮膜を有する電解コンデンサ。
  2. 陽極箔の表面元素組成比において弗素の組成比が40乃至1重量%である電解コンデンサ。
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