JP2004303990A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロスポイント型のFeRAMにおけるメモリ部周辺回路への電気的接続に関し断線の恐れを大幅に軽減する半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】素子分離絶縁膜12を選択的に除去した半導体基板11の所定領域上に層間絶縁膜15及びシリコン窒化膜16が積層され、このシリコン窒化膜16上に下部電極17がストライプ状に形成されている。下部電極17上方には上部電極19が交差するようにストライプ状に形成されている。下部電極17と上部電極19の間に強誘電体薄膜18を配しており、両電極の交差領域がマトリクス状に配列されるメモリセル構造となり、メモリ部20を構成する。メモリ部20上を覆うように層間絶縁膜21が形成されている。層間絶縁膜IL1の厚みは低く抑えることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】素子分離絶縁膜12を選択的に除去した半導体基板11の所定領域上に層間絶縁膜15及びシリコン窒化膜16が積層され、このシリコン窒化膜16上に下部電極17がストライプ状に形成されている。下部電極17上方には上部電極19が交差するようにストライプ状に形成されている。下部電極17と上部電極19の間に強誘電体薄膜18を配しており、両電極の交差領域がマトリクス状に配列されるメモリセル構造となり、メモリ部20を構成する。メモリ部20上を覆うように層間絶縁膜21が形成されている。層間絶縁膜IL1の厚みは低く抑えることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にクロスポイント型のFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)セルを有する半導体集積回路を含む半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FeRAM、いわゆる強誘電体メモリは高速性、低消費電力、高集積性、耐書き換え特性に優れた不揮発性メモリの一つである。強誘電体メモリは強誘電体薄膜のヒステリシス特性、すなわち高速分極反転とその残留分極を利用する高速書き換えが可能である。特にクロスポイント型のFeRAMは、下部電極と上部電極が強誘電体薄膜を介して交差させた構造のメモリセルがマトリクス状に配列される構成を有し、高集積性に優れている。
【0003】
図3は、従来のクロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図である。半導体基板31上に素子分離絶縁膜32が形成され、隣接する素子領域33にはメモリ部の周辺回路として働くMOS型素子34が形成されている。MOS型素子34上を含め全面に層間絶縁膜35が形成されている。層間絶縁膜35はCMP(化学的機械的研磨)技術等を用いて平坦化され、層間絶縁膜35上にはシリコン窒化膜36が形成されている。シリコン窒化膜36は少なくとも後述するメモリ部40に設けられるバリア膜として機能する。すなわち、シリコン窒化膜36は、PZT(Pb(Zr,Ti)O3)、SBT(SrBi2Ta2O9)等の強誘電体のエッチング後に行う、O2雰囲気下のリカバリー・アニール時に、酸素がトランジスタ素子(ゲート酸化膜や拡散層等)へ拡散していくのを防止する目的で成膜される。
【0004】
所定領域における素子分離絶縁膜32上方において、シリコン窒化膜36上に下部電極37がストライプ状に形成されている。下部電極37上方には上部電極39が交差するようにストライプ状に形成されている。下部電極37と上部電極39の間に強誘電体薄膜38を配しており、両電極の交差領域がマトリクス状に配列されるメモリセル構造となり、メモリ部40を構成する。メモリ部40上を覆うように層間絶縁膜41が形成されている。
【0005】
クロスポイント型のFeRAMにおいては、下部電極37の副ビット線電位と上部電極39のワード線電位の関係を制御して、それぞれ強誘電体薄膜38を有する強誘電体キャパシタを所定の印加電界方向に分極させる。選択されたメモリセルは、強電体キャパシタの分極状態に応じた副ビット線電位となり、図示しない選択トランジスタ及びビット線に伝達される。このようなクロスポイント型のFeRAMは例えば特許文献1に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−116107(第5−10頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図3において、例えばメモリ部の周辺回路として働くMOS型素子34上には層間絶縁膜35、シリコン窒化膜36、及び層間絶縁膜41のトータル膜厚の比較的大きい層間絶縁膜IL2が形成されている。MOS型素子34への電気的接続には、この層間絶縁膜IL2上より目的の領域に達するコンタクトホールHL2を開孔し、導電部材により配線する必要がある。
【0008】
上記構成によれば、メモリ部が素子分離絶縁膜32上に層間絶縁膜35及びシリコン窒化膜36を介した上に設けられる。これにより、メモリ部の周辺回路、例えばMOS型素子34へのコンタクトホールHL2が高アスペクト比を有する形態となり、アルミニウム配線の断線が懸念される。このような段差被覆性の問題を回避するためW(タングステン)プラグの利用も考えられる。しかしながら、強誘電体メモリでは、上述したようにリカバリー・アニールと呼ばれる、強誘電体薄膜38の安定したヒステリシス特性を得るための酸素アニール(熱処理)を必要とする。これにより、Wプラグを使用した場合、Wプラグ上面で酸化が進行し、配線抵抗が上昇してしまう。従って、Wプラグの使用は避けたい。
【0009】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、クロスポイント型のFeRAMにおけるメモリ部周辺回路への電気的接続に関し断線の恐れを大幅に軽減する半導体装置及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体装置は、半導体基板上の素子分離絶縁膜と、前記素子分離絶縁膜を除去した前記半導体基板の所定領域上に形成された前記素子分離絶縁膜より小さい膜厚の絶縁膜と、前記絶縁膜上に設けられる、交差する下部電極と上部電極の間に強誘電体薄膜を有するメモリセルがマトリクス状に配列されたメモリ部と、を具備したことを特徴とする。
【0011】
上記本発明に係る半導体装置によれば、メモリ部が半導体基板の通常の素子領域より位置が低いレベルの所定領域上において素子分離絶縁膜より小さい膜厚の絶縁膜を介して設けられる形態をとっている。これにより、メモリ部の領域の高さは、隣接する層間絶縁膜の膜厚差をより小さくする方向に改善される。
【0012】
なお、上記本発明に係る半導体装置において、前記絶縁膜は前記下部電極に対するバリア膜を含む積層膜で構成されることを特徴とする。
また、前記メモリ部近くの前記半導体基板上の素子領域において前記メモリ部との接続を有する周辺回路に関係するMOS型素子をさらに具備したことを特徴とする。
また、前記メモリ部近くの前記半導体基板上の素子領域において前記メモリ部との接続を有する周辺回路に関係するMOS型素子をさらに具備し、前記絶縁膜は前記MOS型素子上の層間絶縁膜であることを特徴としている。
上述した特徴によって、MOS型素子とメモリ部を電気的に接続する際のコンタクトホールのアスペクト比はより低い方向に改善され、断線を防ぐ形態が得られる。
【0013】
上記本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上に素子分離絶縁膜を形成する工程と、前記素子分離絶縁膜を選択的に除去する工程と、前記素子分離絶縁膜の選択的除去部分における前記半導体基板の所定領域上に前記素子分離絶縁膜より小さい膜厚の絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上において、交差させる下部電極と上部電極の間に強誘電体薄膜を有したメモリセルがマトリクス状に配列されるようにしたメモリ部を形成する工程と、を具備したことを特徴とする。
【0014】
上記本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、メモリ部が半導体基板の通常の素子領域よりも位置が低いレベルの所定領域上において素子分離絶縁膜より小さい膜厚の絶縁膜を介して設けられる。これにより、メモリ部の領域の高さは、隣接する層間絶縁膜の膜厚差をより小さくする方向に改善される。
【0015】
なお、上記本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記絶縁膜は積層膜とし、上部に前記下部電極に対するバリア膜を形成することを特徴とする。
また、前記メモリ部近くの前記半導体基板上の素子領域において前記メモリ部との接続を有する周辺回路に関係するMOS型素子を形成する工程をさらに具備したことを特徴とする。
また、前記メモリ部近くの前記半導体基板上の素子領域において前記メモリ部との接続を有する周辺回路に関係するMOS型素子を形成する工程をさらに具備し、前記絶縁膜の形成は前記MOS型素子上への層間絶縁膜の形成と同一工程で達成することを特徴としている。
上述した特徴によって、MOS型素子とメモリ部を電気的に接続する際のコンタクトホールのアスペクト比はより低い方向に改善可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の要部構成であり、クロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図である。また、図2は、図1の構成を実現するための途中工程を示す断面図である。
半導体基板11に素子分離絶縁膜12が形成され、隣接する素子領域13にはメモリ部の周辺回路として働くMOS型素子14が形成されている。MOS型素子14上を含め全面に層間絶縁膜15が形成されている。層間絶縁膜15上にはシリコン窒化膜16が形成されている。上述したようにシリコン窒化膜16は、少なくともメモリ部形成時に必要なリカバリー・アニール時の酸素拡散防止用のバリア膜として機能する。
【0017】
この実施形態では素子分離絶縁膜12に囲まれた素子分離絶縁膜12を選択的に除去した半導体基板11の所定領域上に層間絶縁膜15及びシリコン窒化膜16が積層され、このシリコン窒化膜16上に下部電極17がストライプ状に形成されている。下部電極17は例えば厚さ100nm程度のPtである。下部電極17上方には上部電極19が交差するようにストライプ状に形成されている。上部電極19も例えば厚さ100nm程度のPtで構成される。下部電極17と上部電極19の間に強誘電体薄膜18を配する。強誘電体薄膜18は様々考えられ、例えばPZT(Pb(Zr,Ti)O3)系の化合物、層状構造を有するBi系化合物(SBT(SrBi2Ta2O9)等)などから選択して採用する。強誘電体薄膜18の厚さは100〜200nm程度である。これにより、下部電極17と上部電極19の交差領域がマトリクス状に配列されるメモリセル構造となり、メモリ部20を構成する。メモリ部20上を覆うように層間絶縁膜21が形成されている。
【0018】
すなわち、図2に示すように、半導体基板11上にMOS型素子14形成後において、レジストパターンRPを形成し、メモリ部20の形成予定領域の素子分離絶縁膜12を、基板11のシリコンをエッチングストッパとして選択的に除去する。エッチングガスの制御によってエッチング側面をよりなだらかに形成することも考えられる。レジストパターンRP剥離後、層間絶縁膜15及びシリコン窒化膜16が積層され、メモリ部の下地領域を形成する。図1に示す層間絶縁膜15は100nm程度のSiO2膜で、後酸化膜等に相当する.シリコン窒化膜16は50nm程度でバリア膜、素子の保護膜として構成される。このように、通常の素子領域の位置より低いレベルの下地領域にメモリ部20を形成する。
【0019】
例えばメモリ部20の周辺回路として働くMOS型素子14上には層間絶縁膜15、シリコン窒化膜16、及び層間絶縁膜15のトータル膜厚の層間絶縁膜IL1が形成されている。しかし、従来技術に比べれば、層間絶縁膜IL1の厚みは低く抑えることができる。すなわち、メモリ部20が素子分離領絶縁膜12上方に形成されるのではないので、層間絶縁膜IL1の厚みは大略、素子分離領絶縁膜12厚さ(400〜500nm)に相当する高さ分だけ小さくすることができる。
【0020】
メモリ部の周辺回路、例えばMOS型素子14への電気的接続には、この層間絶縁膜IL1上より目的の領域に達するコンタクトホールHL1を開孔し、導電部材により配線する必要がある。層間絶縁膜IL1の厚みが小さい分、従来構成よりコンタクトホールHL1のアスペクト比は小さくなり、アルミニウム配線の断線の恐れが大幅に軽減される。
【0021】
上記実施形態の構成によれば、メモリ部20が通常の素子領域より位置が低い半導体基板11の所定領域上に形成される。しかも、素子分離絶縁膜12より小さい膜厚の絶縁膜(層間絶縁膜15、シリコン窒化膜16の積層)を介して設けられる形態となる。これにより、メモリ部20の領域の高さは、隣接する層間絶縁膜IL1の膜厚差をより小さくする方向に改善される。コンタクトホールHL1内を埋める配線部材は、主配線層として例えばアルミニウム配線を採用する。アルミニウム配線は、Alに少なくともCuを、あるいはさらにSiを僅かに含有する。コンタクトホールHL1のアスペクト比改善により、アルミニウム配線において断線の恐れが大幅に軽減される。
【0022】
また、層間絶縁膜IL1は、従来DOF(焦点深度)確保のためにCMP等の平坦化加工を要していたが、コンタクトホールHL1のアスペクト比が小さくなることもあって、CMPを必ずしも必要としない。これにより工程短縮の利点が期待できる。
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、メモリ部が、素子分離領域を選択的に除去した低い位置の半導体基板の所定領域上において、素子分離絶縁膜より小さい膜厚の絶縁膜を介して設けられる。これにより、メモリ部の領域の高さは、隣接する層間絶縁膜の膜厚差をより小さくする方向に改善される。この結果、クロスポイント型のFeRAMにおけるメモリ部周辺回路への電気的接続に関し断線の恐れを大幅に軽減する半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の要部構成であり、クロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図。
【図2】図1の構成を実現するための途中工程を示す断面図。
【図3】従来のクロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図。
【符号の説明】
11,31…半導体基板、12,32…素子分離絶縁膜、13,33…素子領域、14,34…MOS型素子、15,35…層間絶縁膜、16,36…シリコン窒化膜、17,37…下部電極、18,38…強誘電体薄膜、19,39…上部電極、20,40…メモリ部、21,41…層間絶縁膜。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にクロスポイント型のFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)セルを有する半導体集積回路を含む半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FeRAM、いわゆる強誘電体メモリは高速性、低消費電力、高集積性、耐書き換え特性に優れた不揮発性メモリの一つである。強誘電体メモリは強誘電体薄膜のヒステリシス特性、すなわち高速分極反転とその残留分極を利用する高速書き換えが可能である。特にクロスポイント型のFeRAMは、下部電極と上部電極が強誘電体薄膜を介して交差させた構造のメモリセルがマトリクス状に配列される構成を有し、高集積性に優れている。
【0003】
図3は、従来のクロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図である。半導体基板31上に素子分離絶縁膜32が形成され、隣接する素子領域33にはメモリ部の周辺回路として働くMOS型素子34が形成されている。MOS型素子34上を含め全面に層間絶縁膜35が形成されている。層間絶縁膜35はCMP(化学的機械的研磨)技術等を用いて平坦化され、層間絶縁膜35上にはシリコン窒化膜36が形成されている。シリコン窒化膜36は少なくとも後述するメモリ部40に設けられるバリア膜として機能する。すなわち、シリコン窒化膜36は、PZT(Pb(Zr,Ti)O3)、SBT(SrBi2Ta2O9)等の強誘電体のエッチング後に行う、O2雰囲気下のリカバリー・アニール時に、酸素がトランジスタ素子(ゲート酸化膜や拡散層等)へ拡散していくのを防止する目的で成膜される。
【0004】
所定領域における素子分離絶縁膜32上方において、シリコン窒化膜36上に下部電極37がストライプ状に形成されている。下部電極37上方には上部電極39が交差するようにストライプ状に形成されている。下部電極37と上部電極39の間に強誘電体薄膜38を配しており、両電極の交差領域がマトリクス状に配列されるメモリセル構造となり、メモリ部40を構成する。メモリ部40上を覆うように層間絶縁膜41が形成されている。
【0005】
クロスポイント型のFeRAMにおいては、下部電極37の副ビット線電位と上部電極39のワード線電位の関係を制御して、それぞれ強誘電体薄膜38を有する強誘電体キャパシタを所定の印加電界方向に分極させる。選択されたメモリセルは、強電体キャパシタの分極状態に応じた副ビット線電位となり、図示しない選択トランジスタ及びビット線に伝達される。このようなクロスポイント型のFeRAMは例えば特許文献1に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−116107(第5−10頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図3において、例えばメモリ部の周辺回路として働くMOS型素子34上には層間絶縁膜35、シリコン窒化膜36、及び層間絶縁膜41のトータル膜厚の比較的大きい層間絶縁膜IL2が形成されている。MOS型素子34への電気的接続には、この層間絶縁膜IL2上より目的の領域に達するコンタクトホールHL2を開孔し、導電部材により配線する必要がある。
【0008】
上記構成によれば、メモリ部が素子分離絶縁膜32上に層間絶縁膜35及びシリコン窒化膜36を介した上に設けられる。これにより、メモリ部の周辺回路、例えばMOS型素子34へのコンタクトホールHL2が高アスペクト比を有する形態となり、アルミニウム配線の断線が懸念される。このような段差被覆性の問題を回避するためW(タングステン)プラグの利用も考えられる。しかしながら、強誘電体メモリでは、上述したようにリカバリー・アニールと呼ばれる、強誘電体薄膜38の安定したヒステリシス特性を得るための酸素アニール(熱処理)を必要とする。これにより、Wプラグを使用した場合、Wプラグ上面で酸化が進行し、配線抵抗が上昇してしまう。従って、Wプラグの使用は避けたい。
【0009】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたもので、クロスポイント型のFeRAMにおけるメモリ部周辺回路への電気的接続に関し断線の恐れを大幅に軽減する半導体装置及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体装置は、半導体基板上の素子分離絶縁膜と、前記素子分離絶縁膜を除去した前記半導体基板の所定領域上に形成された前記素子分離絶縁膜より小さい膜厚の絶縁膜と、前記絶縁膜上に設けられる、交差する下部電極と上部電極の間に強誘電体薄膜を有するメモリセルがマトリクス状に配列されたメモリ部と、を具備したことを特徴とする。
【0011】
上記本発明に係る半導体装置によれば、メモリ部が半導体基板の通常の素子領域より位置が低いレベルの所定領域上において素子分離絶縁膜より小さい膜厚の絶縁膜を介して設けられる形態をとっている。これにより、メモリ部の領域の高さは、隣接する層間絶縁膜の膜厚差をより小さくする方向に改善される。
【0012】
なお、上記本発明に係る半導体装置において、前記絶縁膜は前記下部電極に対するバリア膜を含む積層膜で構成されることを特徴とする。
また、前記メモリ部近くの前記半導体基板上の素子領域において前記メモリ部との接続を有する周辺回路に関係するMOS型素子をさらに具備したことを特徴とする。
また、前記メモリ部近くの前記半導体基板上の素子領域において前記メモリ部との接続を有する周辺回路に関係するMOS型素子をさらに具備し、前記絶縁膜は前記MOS型素子上の層間絶縁膜であることを特徴としている。
上述した特徴によって、MOS型素子とメモリ部を電気的に接続する際のコンタクトホールのアスペクト比はより低い方向に改善され、断線を防ぐ形態が得られる。
【0013】
上記本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上に素子分離絶縁膜を形成する工程と、前記素子分離絶縁膜を選択的に除去する工程と、前記素子分離絶縁膜の選択的除去部分における前記半導体基板の所定領域上に前記素子分離絶縁膜より小さい膜厚の絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上において、交差させる下部電極と上部電極の間に強誘電体薄膜を有したメモリセルがマトリクス状に配列されるようにしたメモリ部を形成する工程と、を具備したことを特徴とする。
【0014】
上記本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、メモリ部が半導体基板の通常の素子領域よりも位置が低いレベルの所定領域上において素子分離絶縁膜より小さい膜厚の絶縁膜を介して設けられる。これにより、メモリ部の領域の高さは、隣接する層間絶縁膜の膜厚差をより小さくする方向に改善される。
【0015】
なお、上記本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記絶縁膜は積層膜とし、上部に前記下部電極に対するバリア膜を形成することを特徴とする。
また、前記メモリ部近くの前記半導体基板上の素子領域において前記メモリ部との接続を有する周辺回路に関係するMOS型素子を形成する工程をさらに具備したことを特徴とする。
また、前記メモリ部近くの前記半導体基板上の素子領域において前記メモリ部との接続を有する周辺回路に関係するMOS型素子を形成する工程をさらに具備し、前記絶縁膜の形成は前記MOS型素子上への層間絶縁膜の形成と同一工程で達成することを特徴としている。
上述した特徴によって、MOS型素子とメモリ部を電気的に接続する際のコンタクトホールのアスペクト比はより低い方向に改善可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の要部構成であり、クロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図である。また、図2は、図1の構成を実現するための途中工程を示す断面図である。
半導体基板11に素子分離絶縁膜12が形成され、隣接する素子領域13にはメモリ部の周辺回路として働くMOS型素子14が形成されている。MOS型素子14上を含め全面に層間絶縁膜15が形成されている。層間絶縁膜15上にはシリコン窒化膜16が形成されている。上述したようにシリコン窒化膜16は、少なくともメモリ部形成時に必要なリカバリー・アニール時の酸素拡散防止用のバリア膜として機能する。
【0017】
この実施形態では素子分離絶縁膜12に囲まれた素子分離絶縁膜12を選択的に除去した半導体基板11の所定領域上に層間絶縁膜15及びシリコン窒化膜16が積層され、このシリコン窒化膜16上に下部電極17がストライプ状に形成されている。下部電極17は例えば厚さ100nm程度のPtである。下部電極17上方には上部電極19が交差するようにストライプ状に形成されている。上部電極19も例えば厚さ100nm程度のPtで構成される。下部電極17と上部電極19の間に強誘電体薄膜18を配する。強誘電体薄膜18は様々考えられ、例えばPZT(Pb(Zr,Ti)O3)系の化合物、層状構造を有するBi系化合物(SBT(SrBi2Ta2O9)等)などから選択して採用する。強誘電体薄膜18の厚さは100〜200nm程度である。これにより、下部電極17と上部電極19の交差領域がマトリクス状に配列されるメモリセル構造となり、メモリ部20を構成する。メモリ部20上を覆うように層間絶縁膜21が形成されている。
【0018】
すなわち、図2に示すように、半導体基板11上にMOS型素子14形成後において、レジストパターンRPを形成し、メモリ部20の形成予定領域の素子分離絶縁膜12を、基板11のシリコンをエッチングストッパとして選択的に除去する。エッチングガスの制御によってエッチング側面をよりなだらかに形成することも考えられる。レジストパターンRP剥離後、層間絶縁膜15及びシリコン窒化膜16が積層され、メモリ部の下地領域を形成する。図1に示す層間絶縁膜15は100nm程度のSiO2膜で、後酸化膜等に相当する.シリコン窒化膜16は50nm程度でバリア膜、素子の保護膜として構成される。このように、通常の素子領域の位置より低いレベルの下地領域にメモリ部20を形成する。
【0019】
例えばメモリ部20の周辺回路として働くMOS型素子14上には層間絶縁膜15、シリコン窒化膜16、及び層間絶縁膜15のトータル膜厚の層間絶縁膜IL1が形成されている。しかし、従来技術に比べれば、層間絶縁膜IL1の厚みは低く抑えることができる。すなわち、メモリ部20が素子分離領絶縁膜12上方に形成されるのではないので、層間絶縁膜IL1の厚みは大略、素子分離領絶縁膜12厚さ(400〜500nm)に相当する高さ分だけ小さくすることができる。
【0020】
メモリ部の周辺回路、例えばMOS型素子14への電気的接続には、この層間絶縁膜IL1上より目的の領域に達するコンタクトホールHL1を開孔し、導電部材により配線する必要がある。層間絶縁膜IL1の厚みが小さい分、従来構成よりコンタクトホールHL1のアスペクト比は小さくなり、アルミニウム配線の断線の恐れが大幅に軽減される。
【0021】
上記実施形態の構成によれば、メモリ部20が通常の素子領域より位置が低い半導体基板11の所定領域上に形成される。しかも、素子分離絶縁膜12より小さい膜厚の絶縁膜(層間絶縁膜15、シリコン窒化膜16の積層)を介して設けられる形態となる。これにより、メモリ部20の領域の高さは、隣接する層間絶縁膜IL1の膜厚差をより小さくする方向に改善される。コンタクトホールHL1内を埋める配線部材は、主配線層として例えばアルミニウム配線を採用する。アルミニウム配線は、Alに少なくともCuを、あるいはさらにSiを僅かに含有する。コンタクトホールHL1のアスペクト比改善により、アルミニウム配線において断線の恐れが大幅に軽減される。
【0022】
また、層間絶縁膜IL1は、従来DOF(焦点深度)確保のためにCMP等の平坦化加工を要していたが、コンタクトホールHL1のアスペクト比が小さくなることもあって、CMPを必ずしも必要としない。これにより工程短縮の利点が期待できる。
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、メモリ部が、素子分離領域を選択的に除去した低い位置の半導体基板の所定領域上において、素子分離絶縁膜より小さい膜厚の絶縁膜を介して設けられる。これにより、メモリ部の領域の高さは、隣接する層間絶縁膜の膜厚差をより小さくする方向に改善される。この結果、クロスポイント型のFeRAMにおけるメモリ部周辺回路への電気的接続に関し断線の恐れを大幅に軽減する半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の要部構成であり、クロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図。
【図2】図1の構成を実現するための途中工程を示す断面図。
【図3】従来のクロスポイント型のFeRAMにおける一部のメモリ部及びその周辺を示す断面図。
【符号の説明】
11,31…半導体基板、12,32…素子分離絶縁膜、13,33…素子領域、14,34…MOS型素子、15,35…層間絶縁膜、16,36…シリコン窒化膜、17,37…下部電極、18,38…強誘電体薄膜、19,39…上部電極、20,40…メモリ部、21,41…層間絶縁膜。
Claims (8)
- 半導体基板上の素子分離絶縁膜と、
前記素子分離絶縁膜を除去した前記半導体基板の所定領域上に形成された前記素子分離絶縁膜より小さい膜厚の絶縁膜と、
前記絶縁膜上に設けられる、交差する下部電極と上部電極の間に強誘電体薄膜を有するメモリセルがマトリクス状に配列されたメモリ部と、
を具備したことを特徴とする半導体装置。 - 前記絶縁膜は前記下部電極に対するバリア膜を含む積層膜で構成されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記メモリ部近くの前記半導体基板上の素子領域において前記メモリ部との接続を有する周辺回路に関係するMOS型素子をさらに具備したことを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
- 前記メモリ部近くの前記半導体基板上の素子領域において前記メモリ部との接続を有する周辺回路に関係するMOS型素子をさらに具備し、前記絶縁膜は前記MOS型素子上の層間絶縁膜であることを特徴とした請求項1または2記載の半導体装置。
- 半導体基板上に素子分離絶縁膜を形成する工程と、
前記素子分離絶縁膜を選択的に除去する工程と、
前記素子分離絶縁膜の選択的除去部分における前記半導体基板の所定領域上に前記素子分離絶縁膜より小さい膜厚の絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上において、交差させる下部電極と上部電極の間に強誘電体薄膜を有したメモリセルがマトリクス状に配列されるようにしたメモリ部を形成する工程と、
を具備したことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記絶縁膜は積層膜とし、上部に前記下部電極形成に対するバリア膜を形成することを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
- 前記メモリ部近くの前記半導体基板上の素子領域において前記メモリ部との接続を有する周辺回路に関係するMOS型素子を形成する工程をさらに具備したことを特徴とする請求項5または6記載の半導体装置。
- 前記メモリ部近くの前記半導体基板上の素子領域において前記メモリ部との接続を有する周辺回路に関係するMOS型素子を形成する工程をさらに具備し、前記絶縁膜の形成は前記MOS型素子上への層間絶縁膜の形成と同一工程で達成することを特徴とした請求項5または6記載の半導体装置の製造方法。
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