JP2004303307A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

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JP2004303307A
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Shinsuke Nakagawa
真介 中川
Masato Kobayashi
正人 小林
Hidehiko Numazato
英彦 沼里
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Abstract

【課題】装置個体間または温度変動などで変化する機構共振周波数を簡便なアルゴリズムで短時間に同定し、機構共振を制振する目標軌道を振動周波数の変動に合わせて修正し、使用環境条件の変動によらずシーク時間を常に最小化する。
【解決手段】通常のシーク時間より短時間で移動させ、1〜数トラック距離をシークさせ、主要な機構共振の振動成分を励起し、電流値および位置誤差をサンプリングする。想定周波数範囲のバンドパスフィルタでその電流値と位置誤差信号とを処理し、最小2乗法などで機構共振モデルを推定する。ヘッド移動時の加速度パターンは、ステップ入力に対する軌道発生器を伝達関数モデルや多項式などの演算式で記述し、推定した機構共振周波数に基づいて、重ね合わせ時間を変化させ、軌道発生器のステップ応答を加算し、機構共振を励起させずにヘッドを駆動する目標軌道を生成し、フィードフォワード制御により、制御対象を速やかに目標トラックに移動させる。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置に係り、特に、磁気ヘッドを目標トラックに追従させる動作に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータの外部記憶装置である磁気ディスク装置は、回転している磁気ディスク面上の目的トラックに磁気ヘッドが移動してデータを記録/再生している。データアクセスの処理速度を高めるには、磁気ヘッドを高速に移動させかつ高精度に位置決めすることが必要である。
【0003】
ヘッドの高速,高精度位置決めの阻害要因は、ヘッドアクチュエータ機構系の共振振動である。移動後の目標位置への整定時間を短縮し、高精度に位置決めするには、機構共振振動を抑制するシーク時の加速度パターンの設計と機構共振のピークゲインを安定化する設計が重要である。
【0004】
機構共振振動を抑制するヘッドの移動方法としては、ヘッドを搭載した機構部の特定の共振周波数を加振しないように加速/減速するような移動軌道をデジタル演算により求め、その移動軌道に追従するように、フィードバックおよびフィードフォワード制御をする制御方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この制御方式は、機構共振の逆モデルを有するローパスフィルタからなる伝達関数モデルのステップ応答を制御対象が追従すべき位置の目標軌道とし、その微分値から速度,加速度の目標軌道を生成する。それらの軌道に基づいてシーク制御により、特定共振成分の加振力を低減し、目標位置に速やかに整定させる。
【0006】
機構共振のピークゲインを安定化する方法としては、ノッチフィルタによりその遮断周波数と共振周波数とを一致させ、サーボ系の一巡伝達特性においてゲイン余裕を確保する方法が一般的である。
【0007】
この方法では、ノッチフィルタの周波数を機構共振周波数に一致させることが重要である。しかし、機構共振周波数は、装置個体間または特定装置内の温度変動などの環境条件により変動する。
【0008】
そのため、位置決め装置の制御入力に正弦波を加算してヘッドを加振し、位置誤差信号の振幅を測定し、ゲインを求め、ゲインが最大となる共振周波数を探索し、共振ゲインを低減するようにフィルタ定数を設定する方式が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平2001−249702号公報
(第3〜5頁,図2)
【特許文献2】
特開平5−109217号公報
(第3,4頁,図1,2,3)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の方法により、温度変動や装置毎に発生する機構共振周波数のばらつきがあっても、制振効果を最適に維持するには、何らかの手段で現在の機構共振周波数を推定し、伝達関数モデルにおける逆モデルの周波数を変更する必要がある。そのため機構共振の推定方法として、特許文献2の方法を使用することは可能である。
【0011】
しかし、機構共振周波数の同定に、正弦波を入力して入出力間のゲインを求める方式を採るので、周波数を精度良く決定するには、所望の分解能となるまで正弦波の周波数を細かく設定し、同定精度を高めるため十分な時間加振を続ける必要がある。
【0012】
このように機構共振の推定に長時間を要する方法では、実際の装置の使用環境に応じて時々刻々変動する機構共振周波数を推定することは、実質的に不可能である。
【0013】
また、特許文献1の伝達関数モデルにおける逆モデルを変更する方法は、変動範囲内において適切な分解能で制振周波数を設定するには、設定分解能に応じた数の伝達関数モデルの係数値またはテーブル値を予め記憶しておき、そのテーブル値に基づいて目標軌道を変更すること必要となり、要求メモリ量が大きくなるので、推定結果に基づいて軌道を変更することは、実質的に困難である。
【0014】
本発明の目的は、装置個体間または温度変動などで変化する機構共振周波数を簡便なアルゴリズムで短時間に同定し、機構共振を制振する目標軌道を振動周波数の変動に合わせて修正し、使用環境条件の変動によらずシーク時間を常に最小化する手段を備えた磁気ディスク装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、制御信号により磁気ヘッドを移動させて目標位置に位置決めするヘッドアクチュエータと、磁気ヘッドの位置を検出する位置検出手段と、目標位置との差信号である位置誤差信号から位置決め制御対象を駆動する制御信号を生成する演算制御手段とを有し、前記演算制御手段が、磁気ヘッドの現在位置と目標位置との間の全移動距離をもとに目標軌道を算出する目標軌道生成手段と、目標軌道にしたがってヘッドアクチュエータを駆動する制御信号を生成するフィードフォワード制御手段とを含む磁気ディスク装置において、前記演算制御手段が、ヘッドアクチュエータにシーク動作をさせた際のヘッドアクチュエータへの操作量と位置誤差とを取り込む手段と、想定される周波数範囲を通過域とするバンドパスフィルタと、通過した信号によりヘッドアクチュエータ共振モデルを同定する手段とを備えた磁気ディスク装置を提案する。
【0016】
前記ヘッドアクチュエータ共振モデルを同定する手段は、ヘッドアクチュエータ共振モデルの係数値と共振周波数値とを対応付ける参照テーブルを備え、ヘッドアクチュエータ共振モデルの同定結果である係数値に基づき演算処理した結果から参照テーブルにより機構系の共振周波数を求める手段とすることができる。
【0017】
本発明は、また、制御信号により磁気ヘッドを移動させて目標位置に位置決めするヘッドアクチュエータと、磁気ヘッドの位置を検出する位置検出手段と、目標位置との差信号である位置誤差信号から位置決め制御対象を駆動する制御信号を生成する演算制御手段とを有し、前記演算制御手段が、磁気ヘッドの現在位置と目標位置との間の全移動距離をもとに目標軌道を算出する目標軌道生成手段と、目標軌道にしたがってヘッドアクチュエータを駆動する制御信号を生成するフィードフォワード制御手段とを含む磁気ディスク装置において、前記演算制御手段が、ヘッドアクチュエータにシーク動作をさせた際のヘッドアクチュエータへの操作量と位置誤差とを取り込む手段と、想定される周波数範囲を通過域とするバンドパスフィルタと、通過した信号によりヘッドアクチュエータ共振モデルを同定する手段とを備え、ヘッドシーク動作時の駆動パターンから同定された共振周波数での加振力を除いた目標軌道を生成し、当該目標軌道からヘッドアクチュエータに対するフィードフォワード制御入力を生成し、共振周波数の同定と共振周波数の加振成分の最小化とをしながらヘッドシーク動作をする磁気ディスク装置を提案する。
【0018】
ヘッドアクチュエータ共振モデルの係数値と所定時間dTとを対応付ける参照テーブルを備え、ヘッドアクチュエータ共振モデルの同定結果である係数値に基づき演算処理した結果から参照テーブルにより所定時間dTを求め、目標軌道の生成時にステップ応答で与えられた軌道を所定時間dTずらして加算した結果を新たな軌道として与えることも可能である。
【0019】
同定するヘッドアクチュエータ共振周波数が2個あるときは、帯域通過フィルタを共振周波数の個数だけ用意し、それぞれの共振周波数についてヘッドアクチュエータモデルを同定し、ステップ目標値の重ね合わせ時間dT1,dT2(dT1>dT2)を求め、時間dT1ずらしたステップ目標値のそれぞれを更にdT2ずらしてステップ目標値を生成し目標軌道とする。
【0020】
ヘッドアクチュエータ共振周波数と温度測定値とを対応付ける参照テーブルを備え、温度測定値に基づいて前記参照テーブルにより機構系の共振周波数を同定し、ヘッドシーク動作時の駆動パターンから同定された共振周波数の加振力を除いた目標軌道を生成するようにしてもよい。
【0021】
本発明において、機構共振周波数を推定するには、1〜数トラック距離をシークさせ、その時の電流値および位置誤差をサンプリングする。このとき通常のシーク時間より短時間で移動させ、主要な機構共振の振動成分が励振されるようにする。
【0022】
想定される周波数範囲を通過域とするバンドパスフィルタで、入手した電流値と位置誤差信号を処理し、通過した信号を最小2乗法などにより処理し、機構共振モデル(ARXモデル)のパラメータを推定する。予めバンドパスフィルタ処理をしているためARXモデルの次数は、2次でよい。
【0023】
推定されたモデルの係数値に基づいて、テーブルを参照し、機構共振周波数を確定する。
【0024】
次に、ヘッド移動時の加速度パターンは、ステップ入力に対する軌道発生器を伝達関数モデルや多項式などの演算式で記述し、その軌道発生器のステップ応答をテーブルに記録するか、装置内のMPUにより実時間演算で入手する。
【0025】
推定した機構共振周波数に基づいて、2つ以上のステップ応答の重ね合わせ時間を変化させて加算し、特定周波数の振動を励起しない1つの目標軌道を生成する。
【0026】
この目標軌道をもとに制御対象に対するフィードフォワード制御入力を与えると、機構共振周波数が変動しても目標トラックを高速にシークすることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、磁気ディスク装置のヘッド位置決め制御系の基本的構成を示すブロック図である。
スピンドルモータ8は、図示しないベースに固定されており、所定速度で回転する。スピンドルモータ8には、記録媒体である磁気ディスク4が固定されている。スピンドルモータ8に保持された磁気ディスク4の側方には、ピボット軸受3がスピンドルモータ軸に平行になるように設けられている。
【0028】
磁気ヘッド1の保持部材は、ヘッド支持ばね5とキャリッジ7とからなり、ピボット軸受3に揺動可能に固定されている。磁気ヘッド1を移動させる動力は、ボイスコイルモータ(VCM)2により発生する。
ボイスコイルモータ2内の駆動コイルは、キャリッジ7に固定されている。
【0029】
磁気ヘッド1を位置決めするヘッドアクチュエータは、磁気ヘッド1,ヘッド支持ばね5,キャリッジ7,ピボット軸受3,VCM2からなる。
【0030】
演算制御手段は、MPU19と、バス15と、ROM18と、RAM17とからなる。ROM18は、MPU19で実行する本発明のシーク制御を含む各種の制御プログラムを格納し、各種の制御に必要なパラメータを格納している。MPU19には、バス15を介して、インターフェースコントローラ20が接続され、ホスト側コントローラ21のコマンドを受けて、MPU19にリード/ライトのアクセス要求を出す。MPU19には、バス15を介して、ヘッドアクチュエータの駆動電流を制御するパワーアンプ16と、サーボ信号復調器14とが設けられている。
【0031】
磁気ディスク4上に放射状に配置されたサーボセクタ12領域には、サーボ情報22が書き込まれている。
【0032】
サーボ信号復調器14は、増幅器13を介して、ヘッド1で読み取ったサーボ情報22を取り込み、トラック番号およびヘッド位置信号を復調する。MPU19は、トラック番号およびヘッド位置信号に基づき、パワーアンプ16に出力する操作信号68を計算する。
【0033】
操作信号68は、DA変換器27により電圧に変換され、パワーアンプ16への電流指令値25として出力され、ボイスコイルモータ駆動電流6を規定する。
【0034】
【実施形態1】
図2は、本発明の目標軌道を用いて制御対象を目標位置まで移動させる制御方法を説明する図である。
【0035】
与えられた位置,速度の軌道からフィードフォワード制御のための加速度軌道34とフィードバック制御のための目標位置軌道38とを生成する。
【0036】
制御対象の数式モデル9は、Gp(s)で表しておく。Gp(s)は、AD変換器の電圧指令値からヘッド位置までの周波数特性を表す伝達関数である。特に、VCM電流から位置までの伝達特性を機構系モデルとし、数式1のように高次の振動モードの和で表す。
【0037】
【数1】
Figure 2004303307
数式1において、Kは、推力定数,慣性モーメントなどから求められる信号41から信号43までの前向きゲインを表す。
【0038】
制御対象9の出力である位置は、サーボ信号復調器14により一定サンプリング周期Tsで検出され、位置信号43となる。
【0039】
Gc(z)は、位相補償手段36であり、制御系の安定性を確保するための微分器と定常特性を改善するための積分器とからなり、位相進み遅れ補償の機能を持っている。Gc(z)の前向きゲインを調整し、信号39から信号43の一巡伝達特性を調整し、サーボ帯域を設計する。
【0040】
Gc(z)の出力40は、Ts/N周期毎に計算され、DA変換器でTs/N期間は一定値に保持される。このようなDA変換器の動作モデルをZOH(ゼロ次ホールダ)で表す。
【0041】
Gff(z)は、本発明において求められた目標軌道32から制御対象を駆動する加速度フィードフォワード電流指令を与える信号34を計算するための数式モデルである。Gff(z)は、制御対象の逆モデルで与えられる。逆モデルを得る際の制御対象モデルは、例えば二重積分器で表す。
【0042】
Gp0(z)は、加速度フィードフォワード電流指令34から目標位置軌道を計算するための伝達特性モデルであり、図2の信号41から信号43までの伝達特性をモデル化している。具体的には、Gp(s)を移動周波数帯域まで高次の振動モードを正確に同定した機構モデルと、位置検出から制御入力信号41出力までの時間遅れとVCMアンプなどの位相遅れの特性を時間遅れに換算して求めた等価時間遅れLとして同定したモデルとで表す。
【0043】
次に、目標トラックへのシークを例に図2の信号の流れを説明する。シーク開始命令を与えると、30のステップ目標値が設定される。
【0044】
ステップ31は、ステップ目標値により、予め規定されたローパスフィルタ特性を示す伝達関数モデルのステップ応答または多項式で記述されるステップ応答などで、ヘッドが目標トラックに速やかに整定するための望ましい目標軌道32を出力する信号発生器である。
【0045】
目標軌道32は、位置軌道または必要に応じて位置軌道および速度軌道などからなる。
【0046】
計算結果の目標軌道32からステップ33では、加速度フィードフォワード入力34を計算する。
【0047】
ステップ35では、加速度フィードフォワード入力34をもとに、目標値位置38を計算する。
【0048】
目標位置38と実際のヘッド位置の検出値43の差信号39を求め、外乱などに起因して発生する差信号39を小さくするために、位相補償手段36で制御信号40を計算する。
【0049】
加速度フィードフォワード入力34と制御信号40とを加算した信号41を制御入力としてDA変換器37に出力し、ヘッドを所望の軌道に追従して移動させるように、ヘッド位置を制御する。
【0050】
図3は、本発明の機構共振周波数推定および目標軌道変更の処理手順を示すフローチャートである。
【0051】
ステップ121において、移動時間を通常シーク時よりも短くして、数トラックのシークを実行する。
【0052】
ステップ122において、複数回のシーク動作を平均化処理して、VCM電流(Ivcm)と位置誤差(PES)を収集する。
【0053】
ステップ123において、想定される周波数範囲を通過域とするバンドパスフィルタを用い、Ivcm_fとPES_fとを求める。
【0054】
ステップ124において、逐次最小2乗法などによりARXモデルのパラメータを推定する。
【0055】
ステップ125において、ARXモデルのパラメータに基づいて、現在の機構共振周波数fdを決定する。
【0056】
ステップ126において、現在の機構共振周波数fdに基づいて、パラメータdTを決定する。
【0057】
機構共振周波数推定は、図2のシーク制御系によりヘッドアクチュエータにシーク動作をさせ、その時のVCM電流値と位置誤差信号とを収集し、機構共振モデルを同定する。
【0058】
まず、推定時のシーク動作について説明する。
【0059】
図4は、コントローラ36の構成の一例を示すブロック図である。コントローラ36は、通常、図4に示すような位相進み遅れ特性を有する位相補償器44を有している。
【0060】
図3のステップ121において、本発明の機構共振モデル推定時には、機構共振周波数近傍を遮断周波数とし、共振周波数における一巡伝達関数のゲインを十分低減するノッチフィルタ45を追加する。
【0061】
このとき、一巡伝達特性のゲイン交差周波数も、機構共振周波数のゲインを十分下げるために通常の位置決め制御時より低く設定するほうがよい。これは、推定時において機構共振にサーボ系による減衰が付与されるのを防ぎ、高精度な共振パラメータ推定のために必要である。
【0062】
また、推定時のシーク移動時間は、通常シークより短く設定し、機構共振を励振するようにする。
【0063】
図3のステップ122において、このシーク動作により得られたVCM電流および位置誤差信号を収集し、複数回のシーク動作の平均値を求めると、RROやNRROの影響を除いたシーク時のVCM電流Ivcmおよび位置誤差信号PESが得られる。
なお、ブロック121の処理の代案としては、制御系の目標値38として直接ステップ入力を与える方法やインパルス入力を与える方法も、機構系に与える加振力としては、ブロック121の方法に劣るものの、その時の駆動電流Ivcmと位置誤差信号PESを収集すれば、図3のステップ122以後の処理を同様に実行できる。
【0064】
図3のステップ123において、得られたIvcm,PESに対してバンドパスフィルタ処理し、機構共振周波数を含む時間応答成分を抽出する。ここでフィルタ処理後のVCM電流をIvcm_f,位置誤差をPES_fとする。バンドパスフィルタの通過域は、機構共振周波数の変動範囲を想定して設定し、遮断域では、十分な減衰性を確保する。
【0065】
図5は、バンドパスフィルタの周波数特性の1例を示す図である。バンドパスフィルタは、FIRタイプの直線位相特性を有するものとし、ゲイン特性46が示すように4000〜4500Hzを通過域としている。また、群遅延時間を補正し、位相特性47が示すように通過域における位相遅れをゼロとしている。
【0066】
図6は、1トラックシーク動作により入手する電流波形50と位置誤差波形53とを示す図である。それぞれを一定周期Tsでサンプリングすると、Ivcm,PESが得られる。これに対してバンドパスフィルタにより処理すると、Ivcm_f,PES_fが得られる。
【0067】
図3のステップ124において、得られたIvcm_f,PES_fをもとに機構共振の伝達関数を推定する。フィルタの通過域が狭く設定されていれば、伝達関数モデルは、低い次数で、精度良く推定できる。ここでは、数式2で表される2次のARXモデルを用いる。本モデルにおいては、Ivcm_fを入力uに、PES_fを出力yとする。
【0068】
数式2のARXモデルを差分方程式表現で数式3のように記述する。ARXモデルのパラメータをベクトルにまとめ数式4のように表現する。数式3のうち、サンプリング周期毎に得られるデータをベクトル(regressor)にまとめ、数式5のように表現する。
【0069】
数式4,数式5により、kサンプリング時点の出力yの1段先予測値は、数式6のように表される。また、kサンプリング時点のyの観測値と数式6の1段先予測値から、推定誤差を数式7で表す。ここまでの結果を用いて、数式8により最小2乗法でパラメータベクトルを推定する。
【0070】
【数2】
Figure 2004303307
【0071】
【数3】
Figure 2004303307
【0072】
【数4】
Figure 2004303307
【0073】
【数5】
Figure 2004303307
【0074】
【数6】
Figure 2004303307
【0075】
【数7】
Figure 2004303307
【0076】
【数8】
Figure 2004303307
数式8の処理には、大容量のメモリが必要となり、望ましくないので、サンプリング毎に更新されるデータベクトルから数式8と等価な処理をする。逐次最小2乗法により、数式9〜数式11で推定する。逐次最小2乗法は、必要なメモリ容量が少なく済み、磁気ディスク装置内のマイクロプロセッサを利用してパラメータを推定するのに適している。
【0077】
【数9】
Figure 2004303307
【0078】
【数10】
Figure 2004303307
【0079】
【数11】
Figure 2004303307
図7は、機構共振パラメータ推定値の時間応答を示す図である。Ivcm_fとPES_fとを用いて、サンプル毎に数式9〜数式11を演算し、数式4のパラメータベクトルの各要素a1,a2,b1,b2を54,55,56,57のように求める。この場合は、3mS程度のサンプリングデータから、収束性良くパラメータを推定している。
【0080】
図8は、機構共振モデルの推定結果の周波数特性を示す図である。すなわち、数式1で表される複数の機構共振を有するヘッドアクチュエータの伝達関数の周波数応答58を示す図である。図8は、ヘッドアクチュエータについて、54,55,56,57のように係数を推定した時に、数式4で表されるARXモデルの周波数応答59を併せて示している。
【0081】
推定したい最低次の機構共振周波数が精度良く推定されている。
【0082】
図3のステップ125においては、得られたパラメータベクトル数式4を機構共振周波数に変換する。連続時間領域での機構共振モデルを数式12で表す。数式12をサンプリング周期Tsでゼロ次ホールドサンプリングしたときのパルス伝達関数は、数式2において以下の係数値をもつとして表される。ただし、d=0とする。
【0083】
【数12】
Figure 2004303307
【0084】
【数13】
Figure 2004303307
【0085】
【数14】
Figure 2004303307
【0086】
【数15】
Figure 2004303307
【0087】
【数16】
Figure 2004303307
ここで求めたい共振周波数は、数式17のようになるので、係数a1とa2から数式18が得られる。数式17と数式18とから、サンプリング周期Tsを介して、a1,a2とwdとが1対1に対応する。
【0088】
【数17】
Figure 2004303307
【0089】
【数18】
Figure 2004303307
図9は、機構共振モデル推定結果と共振周波数およびdTとの関係を示す図である。この関係をテーブル化すると、ARXモデルによる推定結果から補間によりwd値を求めることが可能になる。
【0090】
ここで求めたwd値は、使用環境などにより変動する。中でも温度との関係が非常に大きい。そのため、磁気ディスク装置に温度センサが内蔵されていれば、温度測定値と共振周波数wdとを組み合わせて磁気ディスク装置のメモリに記憶,テーブル化,逐次更新し、温度が急激に変化しかつ推定動作が連続データアクセス中のため機構共振を推定できない場合には、温度測定値から共振周波数wdをテーブル参照により簡便に求めるブロック125までの処理を代替することが有効である。
【0091】
また、共振周波数wdの検出に関しては、検出精度は劣るものの、図3のステップのブロック123で得られたフィルタ処理後のPES_fについて、極大値または極小値の周期をカウントし、周波数を簡便に求める方法もある。
【0092】
図10は、2段階でステップ目標値を与える制振方法を示す図である。
【0093】
本発明では、図2の信号発生器31に与える目標値30として、図10のステップ入力65を与えたときに得られる信号を目標軌道32にする。
【0094】
図10のdTおよびKは、制振したい周波数wdと減衰係数とを入力すると、数式19,数式20で与えられる。
【0095】
【数19】
Figure 2004303307
【0096】
【数20】
Figure 2004303307
図3のステップ126の処理は、図9により求めたwdから数式20で表されるdTをサンプリング周期Tsで規格化したdT/Tsをテーブル補間により求める処理である。
【0097】
図11は、数式19,20で得た値からdT/Tsを求めた特性を示す図である。
【0098】
図12は、数式18で得た値から直接dT/Tsを求めた特性を示す図である。
【0099】
図13は、位置のステップ応答70,71を時間dTずらして与えると、位置の目標軌道72がその和として得られることを示す図である。すなわち、目標入力30として65を与えた時に信号発生器31が発生する信号32の目標位置軌道を生成する処理である。
【0100】
図14は、位置のステップ応答70,71の微分値73,74を時間dTずらして与えると、速度軌道75がその和として得られることを示す図である。なお、wdの推定精度に比較して減衰係数ζの推定精度は高くないものとして、ζ=0.0とし、K=1と簡単化した。
【0101】
ステップ目標値65は、軌道発生用の信号生成器31に与えるのではなく、図2の信号38として、直接フィードバック制御系の目標値として与えることも可能である。その時は、信号34をゼロとする。
【0102】
しかし、その際には、問題となる機構振動のほかに、ブロック36,37,9とそれを結ぶ信号線からなるフィードバック制御系の減衰の小さな極に対応する周波数fsvに対して、残留振動を低減するために、時間dTを設定する必要がある。 周波数fsvは、機構共振周波数よりも低いので、必然的に目標値への到達が遅くなる。ヘッドを目標位置に高速に到達させるには、図2の構成のように、ステップ目標値を信号発生器31に与え、フィードフォワード制御によりヘッドを移動させなけれなならない。
【0103】
図15は、図7に示した機構共振のゲイン特性58および位相特性60を示す実際の磁気ディスク装置において、目標入力30として、従来のステップ目標値を入力してシークさせた場合のセトリング応答すなわち整定応答83と、制振のために図10のステップ目標値65を入力してシークさせた場合のセトリング応答82を示す図である。
【0104】
実施形態1によれば、特定周波数の振動が低減され、セトリング応答82では、セトリング残留振動が減少している。
【0105】
図16は、機構共振周波数が当初の設定値から200Hz低下した場合のセトリング応答を示す図である。
【0106】
それぞれの時間応答は、目標入力30を従来のステップ目標値としたセトリング応答86,dTを調整前のステップ目標値65によりシークさせた場合のセトリング応答85,機構共振周波数の低下に合わせてdTを調整した場合のセトリング応答84を示している。
【0107】
セトリング応答85は、セトリング応答86よりも改善されており、設定値がずれても、従来の目標入力と比較して、良好なセトリング応答を示している。
【0108】
セトリング応答84は、セトリング応答85,86よりも改善されており、制振周波数を推定論理により再設定すれば、更に良好なセトリング応答が得られることを表している。
【0109】
図17は、セトリング応答84,85,86に対応する電流波形87,88,89を示す図である。
【0110】
【実施形態2】
次に、第1共振周波数wdだけでなく、第2共振周波数wd2に対しても同時に制振する実施形態2を説明する。なおwd≦wd2とする。
【0111】
第1共振周波数wdに対しては、実施形態1と同様な方法で制振し、第2共振周波数wd2に対しては、バンドパスフィルタの特性46,47を第2共振周波数の変動範囲に設置し、実施形態1と同様な手順で共振周波数wd2を推定する。ここでwd2は、固定値としてもよい。
【0112】
図18は、第1共振周波数wdと第2共振周波数wd2とを制振するステップ目標値90を示す図である。
【0113】
2周波数を制振するため、ステップ目標値90は、第1共振周波数wdから定まるdTだけずらして与える2つの目標ステップ入力のそれぞれに対して、更にdT2だけずらして与えるステップ目標入力を生成する畳み込み演算により、4回のステップ目標値を与える。wd=wd2の場合は、2回目と3回目のステップが重なるので、みかけ上3回のステップ目標値を与えることになる。この方法により第1共振周波数wdと第2共振周波数wd2とを同時に制振する。
【0114】
【数21】
Figure 2004303307
【0115】
【数22】
Figure 2004303307
【0116】
【数23】
Figure 2004303307
【0117】
【数24】
Figure 2004303307
図19は、最初のステップ入力から時間dT2,dT,dT+dT2ずらして位置のステップ応答91,92,93,94を与えると、位置の目標軌道95がその和として得られることを示す図である。
【0118】
目標入力30として90を与えた時の信号発生器31が発生する信号32のうち、目標位置軌道を生成する処理を示している。
【0119】
図20は、最初の入力から時間dT2,dT,dT+dT2ずらして位置のステップ応答の微分値である96,97,98,99を与えると、目標速度軌道100がその和として得られることを示す図である。
【0120】
なお、機構共振周波数wd,wd2の推定精度に比べて減衰係数ζの推定精度が高くないとして、ζ=0.0,K=K2=1とした。
【0121】
図21は、図8に示した機構共振のゲイン特性58および位相特性60を示す実際の磁気ディスク装置において、目標入力30として、従来のステップ目標値を入力してシークさせた場合のセトリング応答111と、制振のために図18のステップ目標値90を入力してシークさせた場合のセトリング応答110とを示す図である。
【0122】
実施形態2においても、特定周波数の振動が低減され、セトリング応答110では、セトリング残留振動が減少している。
【0123】
図22は、機構共振周波数wdが当初の設定値から200Hz低下した場合のセトリング応答を示す図である。
【0124】
それぞれの応答は、目標入力30を従来のステップ応答としたセトリング応答114,dTを調整前のステップ目標値90によりシークさせた場合のセトリング応答113,機構共振周波数の低下に合わせてdTを調整した場合のセトリング応答112を示す。
【0125】
セトリング応答113は、セトリング応答114よりも改善されており、設定値がずれても、従来の目標入力と比較して、良好なセトリング応答を示している。
【0126】
セトリング応答112は、セトリング応答113,114よりも改善されており、制振周波数を推定論理により再設定すれば、更に良好なセトリング応答が得られることを表している。
【0127】
図23は、セトリング応答112,113,114に対応する電流波形115,116,117を示す図である。
【0128】
【実施形態3】
実施形態3では、主共振周波数成分に対して制振効果を得るために、ヘッドアクチュエータの駆動パターンの目標位置/目標速度軌道を次のように生成する。
【0129】
数式25が位置の目標値応答を決定する規範伝達関数モデルにおいて、分子に帯域除去特性を指定する。数式25の伝達関数のステップ応答は、オーバーシュート無しに、目標値に整定する。これを目標位置軌道とし、数式25を1階微分したすなわち数式25にsを乗じた伝達関数のステップ応答を目標速度軌道とする。この軌道から得られる加速度フィードフォワード制御入力は、特定周波数成分のパワーを低くできるので、シーク時に主共振周波数の振動を抑制する効果が得られる。
【0130】
【数25】
Figure 2004303307
τiは応答の時定数であり、ζrは抑制したい振動周波数であり、ωrは減衰係数である。Wrを推定した共振周波数と一致させると、環境変動により機構共振周波数が変動しても、機構系残留振動を最小化してシークできる。
【0131】
ここまでは、推定した機構共振をシーク時の特定振動の励起を抑制する駆動パターンの生成に用いたが、ノッチフィルタの周波数変更に用いることも可能である。
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、装置個体間または特定装置内の温度変動などにより変動する機構共振周波数を簡便なアルゴリズムで短時間に同定し、機構共振を制振する目標軌道を振動周波数の変動に合わせて修正できるので、装置個体間または特定装置内の使用環境条件の変動によらず、シーク時間を常に最小化する磁気ディスク装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ディスク装置のヘッド位置決め制御系の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の目標軌道を用いて制御対象を目標位置まで移動させる制御方法を説明する図である。
【図3】本発明の機構共振周波数推定および目標軌道変更の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】位相補償手段36の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】バンドパスフィルタの周波数特性の1例を示す図である。
【図6】1トラックシーク動作により入手する電流波形50と位置誤差波形53とを示す図である。
【図7】機構共振パラメータ推定値の時間応答を示す図である。
【図8】機構共振モデルの推定結果の周波数特性を示す図である。
【図9】機構共振モデル推定結果と共振周波数およびdTとの関係を示す図である。
【図10】2段階でステップ目標値を与える制振方法を示す図である。
【図11】数式19,20で得た値からdT/Tsを求めた特性を示す図である。
【図12】数式18で得た値から直接dT/Tsを求めた特性を示す図である。
【図13】位置のステップ応答70,71を時間dTずらして与えると、位置の目標軌道72がその和として得られることを示す図である。
【図14】位置のステップ応答70,71の微分値73,74を時間dTずらして与えると、速度軌道75がその和として得られることを示す図である。
【図15】図7に示した機構共振のゲイン特性58および位相特性60を示す実際の磁気ディスク装置において、目標入力30として、従来のステップ目標値を入力してシークさせた場合のセトリング応答すなわち整定応答83と、制振のために図10のステップ目標値65を入力してシークさせた場合のセトリング応答82を示す図である。
【図16】機構共振周波数が当初の設定値から200Hz低下した場合のセトリング応答を示す図である。
【図17】セトリング応答84,85,86に対応する電流波形87,88,89を示す図である。
【図18】第1共振周波数wdと第2共振周波数wd2の両方を制振するステップ目標値90を示す図である。
【図19】最初のステップ入力から時間dT2,dT,dT+dT2ずらして位置のステップ応答91,92,93,94を与えると、位置の目標軌道95がその和として得られることを示す図である。
【図20】最初の入力から時間dT2,dT,dT+dT2ずらして位置のステップ応答の微分値である96,97,98,99を与えると、速度軌道100がその和として得られることを示す図である。
【図21】図8に示した機構共振のゲイン特性58および位相特性60を示す実際の磁気ディスク装置において、目標入力30として、従来のステップ目標値を入力してシークさせた場合のセトリング応答111と、制振のために図18のステップ目標値90を入力してシークさせた場合のセトリング応答110とを示す図である。
【図22】機構共振周波数wdが当初の設定値から200Hz低下した場合のセトリング応答を示す図である。
【図23】セトリング応答112,113,114に対応する電流波形115,116,117を示す図である。
【符号の説明】
1 磁気ヘッド
2 ボイスコイルモータ
3 ピボット軸受
4 磁気ディスク
5 ヘッド支持ばね
6 ボイスコイルモータ駆動電流
7 キャリッジ
8 スピンドルモータ
9 数式モデル
12 サーボセクタ
13 ヘッド信号増幅器
14 サーボ信号復調器
15 バス
16 パワーアンプ
17 RAM
18 ROM
19 MPU
20 インターフェースコントローラ
21 ホスト側コントローラ
22 サーボ情報
23 ヘッド信号
24 サーボ信号
25 電流指令値
26 AD変換器
27 DA変換器
28 デジタル電流指令値
29 デジタルサーボ情報
30 目標入力
31 伝達関数モデル
32 目標軌道
33 加速度フィードフォワード計算手段
34 加速度軌道
35 伝達特性モデル
36 位相補償手段
37 DA変換器動作モデル
38 目標位置軌道
39 差信号
40 制御信号
41 加算信号
43 位置信号
44 位相補償器
45 ノッチフィルタ
68 操作信号

Claims (6)

  1. 制御信号により磁気ヘッドを移動させて目標位置に位置決めするヘッドアクチュエータと、磁気ヘッドの位置を検出する位置検出手段と、目標位置との差信号である位置誤差信号から位置決め制御対象を駆動する制御信号を生成する演算制御手段とを有し、
    前記演算制御手段が、前記磁気ヘッドの現在位置と目標位置との間の全移動距離をもとに目標軌道を算出する目標軌道生成手段と、目標軌道にしたがって前記ヘッドアクチュエータを駆動する制御信号を生成するフィードフォワード制御手段とを含む磁気ディスク装置において、
    前記演算制御手段が、前記ヘッドアクチュエータにシーク動作をさせた際のヘッドアクチュエータへの操作量と位置誤差とを取り込む手段と、想定される周波数範囲を通過域とするバンドパスフィルタと、通過した信号によりヘッドアクチュエータ共振モデルを同定する手段とを備えた
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
  2. 請求項1に記載の磁気ディスク装置において、
    前記ヘッドアクチュエータ共振モデルを同定する手段が、前記ヘッドアクチュエータ共振モデルの係数値と共振周波数値とを対応付ける参照テーブルを備え、前記ヘッドアクチュエータ共振モデルの同定結果である係数値に基づき演算処理した結果から前記参照テーブルにより機構系の共振周波数を求める手段である
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
  3. 制御信号により磁気ヘッドを移動させて目標位置に位置決めするヘッドアクチュエータと、磁気ヘッドの位置を検出する位置検出手段と、目標位置との差信号である位置誤差信号から位置決め制御対象を駆動する制御信号を生成する演算制御手段とを有し、
    前記演算制御手段が、前記磁気ヘッドの現在位置と目標位置との間の全移動距離をもとに目標軌道を算出する目標軌道生成手段と、目標軌道にしたがって前記ヘッドアクチュエータを駆動する制御信号を生成するフィードフォワード制御手段とを含む磁気ディスク装置において、
    前記演算制御手段が、前記ヘッドアクチュエータにシーク動作をさせた際のヘッドアクチュエータへの操作量と位置誤差とを取り込む手段と、想定される周波数範囲を通過域とするバンドパスフィルタと、通過した信号によりヘッドアクチュエータ共振モデルを同定する手段とを備え、
    ヘッドシーク動作時の駆動パターンから同定された前記共振周波数での加振力を除いた目標軌道を生成し、当該目標軌道から前記ヘッドアクチュエータに対するフィードフォワード制御入力を生成し、共振周波数の同定と共振周波数の加振成分の最小化とをしながらヘッドシーク動作をする
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
  4. 請求項3に記載の磁気ディスク装置において、
    前記ヘッドアクチュエータ共振モデルの係数値と所定時間dTとを対応付ける参照テーブルを備え、
    前記ヘッドアクチュエータ共振モデルの同定結果である係数値に基づき演算処理した結果から前記参照テーブルにより所定時間dTを求め、
    前記目標軌道の生成時にステップ応答で与えられた軌道を所定時間dTずらして加算した結果を新たな軌道として与える
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
  5. 請求項4に記載の磁気ディスク装置において、
    前記同定するヘッドアクチュエータ共振周波数が2個あるとき、前記帯域通過フィルタを共振周波数の個数だけ用意し、
    それぞれの共振周波数についてヘッドアクチュエータモデルを同定し、
    ステップ目標値の重ね合わせ時間dT1,dT2(dT1>dT2)を求め、
    時間dT1ずらしたステップ目標値のそれぞれを更にdT2ずらしてステップ目標値を生成し目標軌道とする
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
  6. 請求項3ないし5のいずれか一項に記載の磁気ディスク装置において、
    ヘッドアクチュエータ共振周波数と温度測定値とを対応付ける参照テーブルを備え、
    温度測定値に基づいて前記参照テーブルにより機構系の共振周波数を同定し、ヘッドシーク動作時の駆動パターンから同定された共振周波数の加振力を除いた目標軌道を生成する
    ことを特徴とする磁気ディスク装置。
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