JP2004302967A - 食事内容に基づく処方支援システム及びこのシステムに用いるプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】患者の食事の摂取内容に応じて医師の処方を支援するシステムを提供する。
【解決手段】本発明の食事内容に基づく処方支援システム及びこのシステムに用いるプログラムは、食品毎の栄養価を登録する第1データベースと、薬品名と対応付けて薬品量に対する栄養素の増減量を登録する第2データベースと、患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベースと、患者の食事の摂取量と前記第1データベースに登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段と、前記摂取量算出手段の算出結果を前記第3データベースに登録された栄養素の必要値と比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、前記第2データベースに登録された薬品量に対する栄養素の増減量に基づき、前記過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の食事内容に基づく処方支援システム及びこのシステムに用いるプログラムは、食品毎の栄養価を登録する第1データベースと、薬品名と対応付けて薬品量に対する栄養素の増減量を登録する第2データベースと、患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベースと、患者の食事の摂取量と前記第1データベースに登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段と、前記摂取量算出手段の算出結果を前記第3データベースに登録された栄養素の必要値と比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、前記第2データベースに登録された薬品量に対する栄養素の増減量に基づき、前記過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食事内容に基づく処方行為を支援するための情報を提供する食事内容に基づく処方支援システム及びこのシステムに用いるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の栄養指導システムを概略的に示すシステム構成図である。
図4に示すように、従来の栄養指導システムは、医師が患者の疾病に応じて作成した栄養指導の指示データをコンピュータネットワークから取り込む指示データ取り込みステップS100と、栄養指導を行なう患者の検査結果,患者が服用している薬剤情報をLAN接続装置を介して取り込むステップS110と、栄養士によって入力装置から患者の訴えが入力されるステップS120と、栄養指導の補助記録を出力するステップS130と、出力された栄養指導の記録をデータベース化するステップS140とをそれぞれ実行する手段を備え、栄養指導に利用するデータ及びそのデータに基づいた栄養指導の記録を管理していた(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−348013号公報(第4−第5頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の栄養指導システムは、医師が患者の疾病に応じて栄養の指導をするに留まり、食事の摂取内容に応じて処方を行うシステムは確立されていなかった。医療の現場においては、食事を主体として治療を行うことが望ましいが、このようなニーズに合ったシステムは存在していなかった。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、患者の食事の摂取内容に応じて医師が処方を行う食事内容に基づく処方支援システム及びこのシステムに用いるプログラムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の食事内容に基づく処方支援システムは、食品毎の栄養価を登録する第1データベースと、薬品名と対応付けて薬品量に対する栄養素の増減量を登録する第2データベースと、患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベースと、患者の食事の摂取量と前記第1データベースに登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段と、前記摂取量算出手段の算出結果を前記第3データベースに登録された栄養素の必要値と比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、前記第2データベースに登録された薬品量に対する栄養素の増減量に基づき、前記過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段とを備える。
【0007】
また、前記第3データベースに登録される患者に必要な栄養素の必要値には範囲が設定されており、薬品選定・処方量算出手段は、患者の栄養素の摂取量が過剰なときは前記範囲の上限値との差を前記過剰分として算出し、また、患者の栄養素の摂取量が不足しているときは前記範囲の下限値との差を前記不足分として算出し、こうして得られる過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う。
【0008】
また、前記薬品選定・処方量算出手段によって選定された薬品と、算出された処方量とを医師クライアントに伝送するための伝送手段をさらに備える。
【0009】
また、取り合わせの悪い食品及び薬品の組合せと、この組合せに対する禁忌内容とを登録する第4データベースと、前記薬品選定・処方量算出手段によって選定された薬品が医師によって選択されると、この薬品を前記第4データベースの登録内容と照合し、患者が摂取した食品と当該薬品との取り合わせが悪い場合は、当該薬品及び食品の組合せに対する禁忌内容を医師クライアントに伝送する禁忌内容伝送手段とをさらに備える。
【0010】
本発明の食事内容に基づく処方支援システムに用いるプログラムは、患者の食事内容に基づいて処方内容の決定を支援するために、コンピュータに、患者の食事の摂取量と第1データベースに登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段、及び、患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベースに登録された栄養素の必要値と前記摂取量算出手段の算出結果とを比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、第2データベースに登録された薬品量に対する栄養素の増減量に基づき、前記過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段として機能させるプログラムである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による食事内容に基づく処方支援システム及びこのシステムに用いるプログラムの好適な実施の形態について詳細に説明する。
このシステムは、入院患者の食事内容に基づいて医師の処方行為を支援するための処方情報を提供するシステムである。
【0012】
図1は、本発明の食事内容に基づく処方支援システムの構成を示すシステム構成図である。
図1に示すように、病院サーバ1は、後述する各種データ(表1ないし表11で表す)を記憶保持する病院データベース(Data Base:以下、DBと略す)2を備える。
また、病院サーバ1は、院内LAN(Local Area Network)等で構成されるネットワーク3を通じて医師クライアント4、看護師クライアント5、及び、栄養士クライアント6と接続されている。
【0013】
病院サーバ1は、患者の食事の摂取量と第1データベースとしての病院DB2に登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段と、摂取量算出手段の算出結果を第3データベースとしての病院DB2に登録された栄養素の必要値と比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、この過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段と、薬品選定・処方量算出手段としての病院サーバ1によって選定された薬品が医師によって選択されると、この薬品を第4データベースとしての病院DB2の登録内容と照合し、患者が摂取した食品と当該薬品との取り合わせが悪い場合は、当該薬品及び食品の組合せに対する禁忌内容を医師クライアント4に伝送する禁忌内容伝送手段としての機能を担うサーバである。
【0014】
病院DB2は、食品毎の栄養価を登録する第1データベースと、薬品名と対応付けて薬品量に対する栄養素の増減量を登録する第2データベース、患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベース、及び、取り合わせの悪い食品及び薬品の組合せと、この組合せに対する禁忌内容とを登録する第4データベースとしての役割を担うほか、後述する表1データないし表11データを登録するデータベースである。
【0015】
医師クライアント4、看護師クライアント5、及び、栄養士クライアント6は、医師、看護師、及び、栄養士が使用する端末であり、Personal Computer(PC)で構成することができる。特に図示しないが、これらの各クライアントは、後述する表データを表示するためのモニタを備える。
【0016】
図2(a)〜(d)は、本発明の食事内容に基づく処方支援システムにおける各種情報(患者情報、食事オーダメニュー、食事実施メニュー及び処方オーダ)を入力するための画面を示す図である。
【0017】
図2(a)に示す患者情報入力画面は、医師クライアント4または看護師クライアント5のモニタ(共に図示せず)に表示されるものであり、患者情報である患者名、性別、生年月日、病名及び嗜好内容を入力するための画面である。この患者情報は医師または看護師によって入力される。
【0018】
図2(b)に示す食事オーダメニュー入力画面は、医師クライアント4または看護師クライアント5のモニタに表示されるものであり、患者毎の食事メニューを入力するための画面である。この画面において食事メニューをマウスポインタで右クリックすると、ヒント表示でおかずの内容を表示することができる。食事メニューのオーダは、医師または看護師が行う。
【0019】
図2(c)に示す食事実施メニュー画面は、実際の患者の食事量を入力するための画面である。この食事量は、看護師が計測して看護師クライアント5を通じて病院DB2に登録するものである。
図2(d)に示す処方オーダ画面は、該当患者に対する薬品オーダを発行するための画面である。ラジオボックスには「食事摂取内容に応じた処方」と「食事内容との禁忌チェック」の2つからいずれかを選択できるように構成されている。これらの内容については後述する。この処方オーダ画面は、医師クライアント4のモニタに表示されるものであり、処方オーダ(すなわち処方行為)は医師のみが行える。
また、以下では、各表に登録されたデータを病院DB2内の表1データ〜表11データと称する。
【0020】
【表1】
【0021】
表1は、患者が病院で摂取する食事の献立を表示する表1データを示す。
ここでは、一例として、標準食1、標準食2、標準食3、特別食1、特別食2、及び、特別食3のそれぞれにつき、主食、おかず1、おかず2、おかず3、及び、おやつの種類を表示している。この献立は、栄養士が栄養士クライアント6を通じて表1データとして病院DB2に登録する。
【0022】
【表2】
【0023】
表2は、食品名に対する栄養価を表示する表2データを示す。
ここでは、一例として、ご飯、玄米、うどん、おかゆ、肉、野菜、チーズ、みかん、及び、バナナにつき、エネルギー(Kcal)、たんぱく質(g)、糖分(g)、塩分(g)、ビタミンA(mg)、ビタミンB(mg)、ビタミンC(mg)、ビタミンD(mg)、鉄(mg)、亜鉛(mg)、カルシウム(mg)の含有量等を表示する。このような表2データは、予め病院DB2内に記憶保持されている。
【0024】
【表3】
【0025】
表3は、患者毎の食事摂取量を表示する表3データを示す。
表3に示す食事摂取量は、上述したように、看護師クライアント5を通じて看護師が食事摂取量を患者ID及び摂取日時と共に病院DB2に登録するものである。
【0026】
【表4】
【0027】
表4は、栄養価単価による患者毎の食事摂取量を表示する表4データを示す。これは、患者が摂取した食事毎の栄養価を表したものであり、表1データ及び表2データに基づいて病院サーバ1内で作成されるデータである。
【0028】
【表5】
【0029】
表5は、薬品と食品名との組合せにおける禁忌内容を表示する表5データを示す。
ここでは、一例として、魚、肉、アルコールを摂取した場合に薬品A、B、Cをそれぞれ服用した場合の禁忌内容を、「禁忌」または「注意」のいずれかで表す。具体的には、精神安定剤や睡眠薬(トリアゾラム等)はアルコールにより鎮静効果が強くなりすぎ、記憶障害を起こすことがあるので、禁忌内容としては「注意」を表示することとする。このような表5データは予め病院DB2内に記憶保持されている。
【0030】
【表6】
【0031】
表6は、薬品と栄養価との関係を表示する表6データを示す。
ここでは、一例として、薬品A、Bにつき、単位数(何包、何錠)、栄養素の増減効果(+または−)、たんぱく質、糖分、塩分、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、鉄、カルシウムの調整量を表示する。
【0032】
この表6データは予め病院DB2内に記憶保持されているものである。ここで、増減効果が(+)とは、不足している栄養素を補う場合に用いる薬品であることを示し、一方、増減効果が(−)とは、過度に摂取した栄養素を調整するために用いる薬品であることを示す。この表6データは、予め病院DB2に登録されているものである。
【0033】
すなわち、表5における薬品Aは、増減効果が(+)で、かつ、ビタミンA及びビタミンBの調整量がそれぞれ5(mg)ずつなので、薬品Aを摂取することにより、ビタミンA及びビタミンBをそれぞれ5(mg)ずつ補給することができる。一方、薬品Bは、増減効果が(−)で、かつ、糖分の調整量が5(g)となっているので、薬品Bを摂取することにより、糖分5(g)を摂取しなかったことにできる。
【0034】
【表7】
【0035】
表7は、患者毎の嗜好内容を表示する表7データを示す。
ここでは、嗜好内容の一例として、患者ID、好きなもの、及び、嫌いなものを表示する。
この表7データは、患者の入院時に医師または看護師が医師クライアント4または看護師クライアント5を通じて病院DB2に登録するものである。
【0036】
【表8】
【0037】
表8は、患者と病名との関係を表示する表8データを示す。
ここでは、一例として、患者ID、病名1、及び、病名2を表示する。表記の種類が1種類の時は病名1にのみ病名が表示され、3種類以上ある場合は、病名3以下の病名が表示される場合を示す。この表8データは、医師クライアント4を通じて医師によって病院DB2に登録されるものである。
【0038】
【表9】
【0039】
表9は、患者テーブルを表示する表9データを示す。
ここでは、一例として、患者ID、患者名、生年月日、及び、性別を表示する場合を示す。
この表9データは、医師クライアント4または看護師クライアント5を通じて医師または看護師によって病院DB2に登録される。
【0040】
【表10】
【0041】
表10は、病名別一食分の栄養素摂取量を表示する表10データを示す。
ここでは、一例として、糖尿病、及び、脚気につき、たんぱく質(g)、糖分(g)、塩分(g)、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、鉄、亜鉛、及び、カルシウムの摂取量の許容範囲(最低値と最高値によって確定される範囲)を示す。この表10データは予め病院DB2に登録されている。
【0042】
【表11】
【0043】
表11は、患者別の処方内容を表示する表11データを示す。
ここでは、一例として、患者IDに対して、処方内容、処方量、処方単位、及び、服用時を表示する場合を示す。
この表11データは、医師クライアント4を通じて医師によって病院DB2に登録される。
【0044】
以上、これらの表1〜表11の内容は、全て病院DB2に登録されている。
また、病院DB2内の表7データ、表8データ及び表9データは、患者情報を構成する。
【0045】
図3は、本発明の食事内容に基づく処方支援システムにより、医師の処方行為を支援する際の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、病院サーバ1内で行われる処理であり、本発明の食事内容に基づく処方支援システムに用いるプログラムによって実行されるものである。
【0046】
図3に示す処理は、医師の処方行為を支援するためのものであるから、ステップS1の前段階として、医師IDを用いた照合処理を行う。
まず、ステップS1において、患者IDの入力を要求する。入力があった場合はフローはステップS2に進行し、検索ボタンの押し下げを要求する。この検索ボタンは図2(d)に示す処方オーダ画面に表示されるものである。
【0047】
検索ボタンが押し下げられると、「食事摂取内容に応じた処方」と「食事内容との禁忌チェック」のいずれが選択されたかを判定する。これは、図2(d)に示す処方オーダ画面のラジオボタンのいずれが選択されたかを判定する処理である。処方処理が選択された場合はフローがステップS4に進行し、禁忌チェックが選択された場合はフローがステップS20に進行する。
【0048】
ステップS4では、病院DB2内の表8データに基づき、当該患者の病名を検索する。
ステップS5では、当該患者の病名に対して一食分における栄養素の摂取量を求める。
ステップS6では、表3データに登録されている食名について、表1データ及び表2データの内容を用いて、患者が摂取した食事毎の栄養素の摂取量を表示する表4データを作成する。
【0049】
続くステップS7では、表4データと表10データとを各栄養素毎に比較し、過度に摂取している栄養素、及び、不足している栄養素を選別する。
さらにステップS8では、表6データにおける増減効果が(+)、(−)の栄養素の薬品を選定する。ここで、(+)とは、不足している栄養素を補う場合に用いる薬品であることを示し、一方、(−)とは、過度に摂取した栄養素を調整するために用いる薬品であることを示す。
このステップS8では、ステップS7において過剰に摂取しているとして選別された栄養素、または、不足しているとして選別された各栄養素の摂取量が表10データに示す許容範囲内に収まるようにするために必要な薬品名の選定及び処方量の算出を行う。
【0050】
なお、ここでは表10データが範囲を持って設定されている場合を示すが、各栄養素について各病気の患者が摂取してよい単一の値(最高値、最低値、通常値のいずれでもよい)が設定されている場合は、ステップS8において、過剰または不足している栄養素を前記単一の値にするために必要な薬品の選定及び処方量の算出を行うようにすればよい。
【0051】
ステップS9では、図2(d)に示す処方オーダ画面の薬品欄に、ステップS8で選定された薬品名と処方量を表示する。
以上で「食事摂取内容に応じた処方」処理は終了する。
【0052】
ステップS3で「食事内容との禁忌チェック」が選択された場合は、ステップS20において、図2(d)に示す処方オーダ画面の薬品欄に処方したい薬品名を入力することを要求する。
薬品名が入力された場合は、ステップS21において、表1データ及び表3データに基づき、患者が摂取した食品名を抽出する。
【0053】
続くステップS22では、ステップS20で入力された薬品とステップS21で抽出した食品との組合せにおいて、表5データに該当する禁忌内容があるか否かを判定する。
該当する禁忌内容がない場合はフローは終了し、該当する禁忌内容がある場合はフローはステップS23に進行する。
ステップS23では、ステップS22において見つかった禁忌内容を図2(d)に示す処方オーダ画面の注意内容の欄に表示する。
以上でフローは終了する。
【0054】
以上、本発明の食事内容に基づく処方支援システムによれば、入院患者が食事を通じて摂取する栄養素の摂取量に基づき、不足分または過剰分を補うための薬品の選定・処方量の算出を行うので、患者の食事内容に応じて処方のために有益な薬品及び処方量に関する情報を提供することができる。
【0055】
また、第3データベースとしての病院DB2に登録される患者に必要な栄養素の必要値には範囲が設定されており、薬品選定・処方量算出手段としての病院サーバ1は、患者の栄養素の摂取量が過剰なときは前記範囲の上限値との差を前記過剰分として算出し、また、患者の栄養素の摂取量が不足しているときは前記範囲の下限値との差を前記不足分として算出し、こうして得られる過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行うので、患者の食事内容に応じて処方のために最適な薬品及び処方量に関する情報を提供することができる。
【0056】
また、薬品選定・処方量算出手段としての病院サーバ1によって選定された薬品と、算出された処方量とを医師クライアントに伝送するための伝送手段をさらに備えるので、医師は、患者の食事内容により則した処方を行うことができる。
【0057】
また、取り合わせの悪い食品及び薬品の組合せと、この組合せに対する禁忌内容とを登録する第4データベースとしての病院DB2と、前記薬品選定・処方量算出手段としての病院サーバ1によって選定された薬品が医師によって選択されると、この薬品を前記第4データベースとしての病院DB2の登録内容と照合し、患者が摂取した食品と当該薬品との取り合わせが悪い場合は、当該薬品及び食品の組合せに対する禁忌内容を医師クライアントに伝送する禁忌内容伝送手段とをさらに備えるので、食事内容と取り合わせの悪い薬品を用いた処方を未然に抑止することのできる食事内容に基づく処方支援システムを提供することができる。
【0058】
本発明の食事内容に基づく処方支援システムに用いるプログラムは、患者の食事内容に基づいて処方内容の決定を支援するために、コンピュータに、患者の食事の摂取量と第1データベースに登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段、及び、患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベースに登録された栄養素の必要値と前記摂取量算出手段の算出結果とを比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、第2データベースに登録された薬品量に対する栄養素の増減量に基づき、前記過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段として機能させるので、患者の食事内容に応じて処方のために有益な薬品及び処方量に関する情報を提供するためのプログラムを提供することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明の食事内容に基づく処方支援システムは、食品毎の栄養価を登録する第1データベースと、薬品名と対応付けて薬品量に対する栄養素の増減量を登録する第2データベースと、患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベースと、患者の食事の摂取量と前記第1データベースに登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段と、前記摂取量算出手段の算出結果を前記第3データベースに登録された栄養素の必要値と比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、前記第2データベースに登録された薬品量に対する栄養素の増減量に基づき、前記過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段とを備えるので、患者の食事内容に応じて処方のために有益な薬品及び処方量に関する情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の食事内容に基づく処方支援システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の食事内容に基づく処方支援システムにおける各種情報(患者情報、食事オーダメニュー、食事実施メニュー及び処方オーダ)を入力するための画面を示す図である。
【図3】本発明の食事内容に基づく処方支援システムにより、医師の処方行為を支援する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】従来の栄養指導システムを概略的に示すシステム構成図である。
【符号の説明】
1 病院サーバ、2 病院DB、3 ネットワーク、4 医師クライアント、5 看護師クライアント、6 栄養士クライアント。
【発明の属する技術分野】
本発明は、食事内容に基づく処方行為を支援するための情報を提供する食事内容に基づく処方支援システム及びこのシステムに用いるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来の栄養指導システムを概略的に示すシステム構成図である。
図4に示すように、従来の栄養指導システムは、医師が患者の疾病に応じて作成した栄養指導の指示データをコンピュータネットワークから取り込む指示データ取り込みステップS100と、栄養指導を行なう患者の検査結果,患者が服用している薬剤情報をLAN接続装置を介して取り込むステップS110と、栄養士によって入力装置から患者の訴えが入力されるステップS120と、栄養指導の補助記録を出力するステップS130と、出力された栄養指導の記録をデータベース化するステップS140とをそれぞれ実行する手段を備え、栄養指導に利用するデータ及びそのデータに基づいた栄養指導の記録を管理していた(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−348013号公報(第4−第5頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の栄養指導システムは、医師が患者の疾病に応じて栄養の指導をするに留まり、食事の摂取内容に応じて処方を行うシステムは確立されていなかった。医療の現場においては、食事を主体として治療を行うことが望ましいが、このようなニーズに合ったシステムは存在していなかった。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、患者の食事の摂取内容に応じて医師が処方を行う食事内容に基づく処方支援システム及びこのシステムに用いるプログラムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の食事内容に基づく処方支援システムは、食品毎の栄養価を登録する第1データベースと、薬品名と対応付けて薬品量に対する栄養素の増減量を登録する第2データベースと、患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベースと、患者の食事の摂取量と前記第1データベースに登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段と、前記摂取量算出手段の算出結果を前記第3データベースに登録された栄養素の必要値と比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、前記第2データベースに登録された薬品量に対する栄養素の増減量に基づき、前記過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段とを備える。
【0007】
また、前記第3データベースに登録される患者に必要な栄養素の必要値には範囲が設定されており、薬品選定・処方量算出手段は、患者の栄養素の摂取量が過剰なときは前記範囲の上限値との差を前記過剰分として算出し、また、患者の栄養素の摂取量が不足しているときは前記範囲の下限値との差を前記不足分として算出し、こうして得られる過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う。
【0008】
また、前記薬品選定・処方量算出手段によって選定された薬品と、算出された処方量とを医師クライアントに伝送するための伝送手段をさらに備える。
【0009】
また、取り合わせの悪い食品及び薬品の組合せと、この組合せに対する禁忌内容とを登録する第4データベースと、前記薬品選定・処方量算出手段によって選定された薬品が医師によって選択されると、この薬品を前記第4データベースの登録内容と照合し、患者が摂取した食品と当該薬品との取り合わせが悪い場合は、当該薬品及び食品の組合せに対する禁忌内容を医師クライアントに伝送する禁忌内容伝送手段とをさらに備える。
【0010】
本発明の食事内容に基づく処方支援システムに用いるプログラムは、患者の食事内容に基づいて処方内容の決定を支援するために、コンピュータに、患者の食事の摂取量と第1データベースに登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段、及び、患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベースに登録された栄養素の必要値と前記摂取量算出手段の算出結果とを比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、第2データベースに登録された薬品量に対する栄養素の増減量に基づき、前記過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段として機能させるプログラムである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による食事内容に基づく処方支援システム及びこのシステムに用いるプログラムの好適な実施の形態について詳細に説明する。
このシステムは、入院患者の食事内容に基づいて医師の処方行為を支援するための処方情報を提供するシステムである。
【0012】
図1は、本発明の食事内容に基づく処方支援システムの構成を示すシステム構成図である。
図1に示すように、病院サーバ1は、後述する各種データ(表1ないし表11で表す)を記憶保持する病院データベース(Data Base:以下、DBと略す)2を備える。
また、病院サーバ1は、院内LAN(Local Area Network)等で構成されるネットワーク3を通じて医師クライアント4、看護師クライアント5、及び、栄養士クライアント6と接続されている。
【0013】
病院サーバ1は、患者の食事の摂取量と第1データベースとしての病院DB2に登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段と、摂取量算出手段の算出結果を第3データベースとしての病院DB2に登録された栄養素の必要値と比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、この過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段と、薬品選定・処方量算出手段としての病院サーバ1によって選定された薬品が医師によって選択されると、この薬品を第4データベースとしての病院DB2の登録内容と照合し、患者が摂取した食品と当該薬品との取り合わせが悪い場合は、当該薬品及び食品の組合せに対する禁忌内容を医師クライアント4に伝送する禁忌内容伝送手段としての機能を担うサーバである。
【0014】
病院DB2は、食品毎の栄養価を登録する第1データベースと、薬品名と対応付けて薬品量に対する栄養素の増減量を登録する第2データベース、患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベース、及び、取り合わせの悪い食品及び薬品の組合せと、この組合せに対する禁忌内容とを登録する第4データベースとしての役割を担うほか、後述する表1データないし表11データを登録するデータベースである。
【0015】
医師クライアント4、看護師クライアント5、及び、栄養士クライアント6は、医師、看護師、及び、栄養士が使用する端末であり、Personal Computer(PC)で構成することができる。特に図示しないが、これらの各クライアントは、後述する表データを表示するためのモニタを備える。
【0016】
図2(a)〜(d)は、本発明の食事内容に基づく処方支援システムにおける各種情報(患者情報、食事オーダメニュー、食事実施メニュー及び処方オーダ)を入力するための画面を示す図である。
【0017】
図2(a)に示す患者情報入力画面は、医師クライアント4または看護師クライアント5のモニタ(共に図示せず)に表示されるものであり、患者情報である患者名、性別、生年月日、病名及び嗜好内容を入力するための画面である。この患者情報は医師または看護師によって入力される。
【0018】
図2(b)に示す食事オーダメニュー入力画面は、医師クライアント4または看護師クライアント5のモニタに表示されるものであり、患者毎の食事メニューを入力するための画面である。この画面において食事メニューをマウスポインタで右クリックすると、ヒント表示でおかずの内容を表示することができる。食事メニューのオーダは、医師または看護師が行う。
【0019】
図2(c)に示す食事実施メニュー画面は、実際の患者の食事量を入力するための画面である。この食事量は、看護師が計測して看護師クライアント5を通じて病院DB2に登録するものである。
図2(d)に示す処方オーダ画面は、該当患者に対する薬品オーダを発行するための画面である。ラジオボックスには「食事摂取内容に応じた処方」と「食事内容との禁忌チェック」の2つからいずれかを選択できるように構成されている。これらの内容については後述する。この処方オーダ画面は、医師クライアント4のモニタに表示されるものであり、処方オーダ(すなわち処方行為)は医師のみが行える。
また、以下では、各表に登録されたデータを病院DB2内の表1データ〜表11データと称する。
【0020】
【表1】
【0021】
表1は、患者が病院で摂取する食事の献立を表示する表1データを示す。
ここでは、一例として、標準食1、標準食2、標準食3、特別食1、特別食2、及び、特別食3のそれぞれにつき、主食、おかず1、おかず2、おかず3、及び、おやつの種類を表示している。この献立は、栄養士が栄養士クライアント6を通じて表1データとして病院DB2に登録する。
【0022】
【表2】
【0023】
表2は、食品名に対する栄養価を表示する表2データを示す。
ここでは、一例として、ご飯、玄米、うどん、おかゆ、肉、野菜、チーズ、みかん、及び、バナナにつき、エネルギー(Kcal)、たんぱく質(g)、糖分(g)、塩分(g)、ビタミンA(mg)、ビタミンB(mg)、ビタミンC(mg)、ビタミンD(mg)、鉄(mg)、亜鉛(mg)、カルシウム(mg)の含有量等を表示する。このような表2データは、予め病院DB2内に記憶保持されている。
【0024】
【表3】
【0025】
表3は、患者毎の食事摂取量を表示する表3データを示す。
表3に示す食事摂取量は、上述したように、看護師クライアント5を通じて看護師が食事摂取量を患者ID及び摂取日時と共に病院DB2に登録するものである。
【0026】
【表4】
【0027】
表4は、栄養価単価による患者毎の食事摂取量を表示する表4データを示す。これは、患者が摂取した食事毎の栄養価を表したものであり、表1データ及び表2データに基づいて病院サーバ1内で作成されるデータである。
【0028】
【表5】
【0029】
表5は、薬品と食品名との組合せにおける禁忌内容を表示する表5データを示す。
ここでは、一例として、魚、肉、アルコールを摂取した場合に薬品A、B、Cをそれぞれ服用した場合の禁忌内容を、「禁忌」または「注意」のいずれかで表す。具体的には、精神安定剤や睡眠薬(トリアゾラム等)はアルコールにより鎮静効果が強くなりすぎ、記憶障害を起こすことがあるので、禁忌内容としては「注意」を表示することとする。このような表5データは予め病院DB2内に記憶保持されている。
【0030】
【表6】
【0031】
表6は、薬品と栄養価との関係を表示する表6データを示す。
ここでは、一例として、薬品A、Bにつき、単位数(何包、何錠)、栄養素の増減効果(+または−)、たんぱく質、糖分、塩分、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、鉄、カルシウムの調整量を表示する。
【0032】
この表6データは予め病院DB2内に記憶保持されているものである。ここで、増減効果が(+)とは、不足している栄養素を補う場合に用いる薬品であることを示し、一方、増減効果が(−)とは、過度に摂取した栄養素を調整するために用いる薬品であることを示す。この表6データは、予め病院DB2に登録されているものである。
【0033】
すなわち、表5における薬品Aは、増減効果が(+)で、かつ、ビタミンA及びビタミンBの調整量がそれぞれ5(mg)ずつなので、薬品Aを摂取することにより、ビタミンA及びビタミンBをそれぞれ5(mg)ずつ補給することができる。一方、薬品Bは、増減効果が(−)で、かつ、糖分の調整量が5(g)となっているので、薬品Bを摂取することにより、糖分5(g)を摂取しなかったことにできる。
【0034】
【表7】
【0035】
表7は、患者毎の嗜好内容を表示する表7データを示す。
ここでは、嗜好内容の一例として、患者ID、好きなもの、及び、嫌いなものを表示する。
この表7データは、患者の入院時に医師または看護師が医師クライアント4または看護師クライアント5を通じて病院DB2に登録するものである。
【0036】
【表8】
【0037】
表8は、患者と病名との関係を表示する表8データを示す。
ここでは、一例として、患者ID、病名1、及び、病名2を表示する。表記の種類が1種類の時は病名1にのみ病名が表示され、3種類以上ある場合は、病名3以下の病名が表示される場合を示す。この表8データは、医師クライアント4を通じて医師によって病院DB2に登録されるものである。
【0038】
【表9】
【0039】
表9は、患者テーブルを表示する表9データを示す。
ここでは、一例として、患者ID、患者名、生年月日、及び、性別を表示する場合を示す。
この表9データは、医師クライアント4または看護師クライアント5を通じて医師または看護師によって病院DB2に登録される。
【0040】
【表10】
【0041】
表10は、病名別一食分の栄養素摂取量を表示する表10データを示す。
ここでは、一例として、糖尿病、及び、脚気につき、たんぱく質(g)、糖分(g)、塩分(g)、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、鉄、亜鉛、及び、カルシウムの摂取量の許容範囲(最低値と最高値によって確定される範囲)を示す。この表10データは予め病院DB2に登録されている。
【0042】
【表11】
【0043】
表11は、患者別の処方内容を表示する表11データを示す。
ここでは、一例として、患者IDに対して、処方内容、処方量、処方単位、及び、服用時を表示する場合を示す。
この表11データは、医師クライアント4を通じて医師によって病院DB2に登録される。
【0044】
以上、これらの表1〜表11の内容は、全て病院DB2に登録されている。
また、病院DB2内の表7データ、表8データ及び表9データは、患者情報を構成する。
【0045】
図3は、本発明の食事内容に基づく処方支援システムにより、医師の処方行為を支援する際の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、病院サーバ1内で行われる処理であり、本発明の食事内容に基づく処方支援システムに用いるプログラムによって実行されるものである。
【0046】
図3に示す処理は、医師の処方行為を支援するためのものであるから、ステップS1の前段階として、医師IDを用いた照合処理を行う。
まず、ステップS1において、患者IDの入力を要求する。入力があった場合はフローはステップS2に進行し、検索ボタンの押し下げを要求する。この検索ボタンは図2(d)に示す処方オーダ画面に表示されるものである。
【0047】
検索ボタンが押し下げられると、「食事摂取内容に応じた処方」と「食事内容との禁忌チェック」のいずれが選択されたかを判定する。これは、図2(d)に示す処方オーダ画面のラジオボタンのいずれが選択されたかを判定する処理である。処方処理が選択された場合はフローがステップS4に進行し、禁忌チェックが選択された場合はフローがステップS20に進行する。
【0048】
ステップS4では、病院DB2内の表8データに基づき、当該患者の病名を検索する。
ステップS5では、当該患者の病名に対して一食分における栄養素の摂取量を求める。
ステップS6では、表3データに登録されている食名について、表1データ及び表2データの内容を用いて、患者が摂取した食事毎の栄養素の摂取量を表示する表4データを作成する。
【0049】
続くステップS7では、表4データと表10データとを各栄養素毎に比較し、過度に摂取している栄養素、及び、不足している栄養素を選別する。
さらにステップS8では、表6データにおける増減効果が(+)、(−)の栄養素の薬品を選定する。ここで、(+)とは、不足している栄養素を補う場合に用いる薬品であることを示し、一方、(−)とは、過度に摂取した栄養素を調整するために用いる薬品であることを示す。
このステップS8では、ステップS7において過剰に摂取しているとして選別された栄養素、または、不足しているとして選別された各栄養素の摂取量が表10データに示す許容範囲内に収まるようにするために必要な薬品名の選定及び処方量の算出を行う。
【0050】
なお、ここでは表10データが範囲を持って設定されている場合を示すが、各栄養素について各病気の患者が摂取してよい単一の値(最高値、最低値、通常値のいずれでもよい)が設定されている場合は、ステップS8において、過剰または不足している栄養素を前記単一の値にするために必要な薬品の選定及び処方量の算出を行うようにすればよい。
【0051】
ステップS9では、図2(d)に示す処方オーダ画面の薬品欄に、ステップS8で選定された薬品名と処方量を表示する。
以上で「食事摂取内容に応じた処方」処理は終了する。
【0052】
ステップS3で「食事内容との禁忌チェック」が選択された場合は、ステップS20において、図2(d)に示す処方オーダ画面の薬品欄に処方したい薬品名を入力することを要求する。
薬品名が入力された場合は、ステップS21において、表1データ及び表3データに基づき、患者が摂取した食品名を抽出する。
【0053】
続くステップS22では、ステップS20で入力された薬品とステップS21で抽出した食品との組合せにおいて、表5データに該当する禁忌内容があるか否かを判定する。
該当する禁忌内容がない場合はフローは終了し、該当する禁忌内容がある場合はフローはステップS23に進行する。
ステップS23では、ステップS22において見つかった禁忌内容を図2(d)に示す処方オーダ画面の注意内容の欄に表示する。
以上でフローは終了する。
【0054】
以上、本発明の食事内容に基づく処方支援システムによれば、入院患者が食事を通じて摂取する栄養素の摂取量に基づき、不足分または過剰分を補うための薬品の選定・処方量の算出を行うので、患者の食事内容に応じて処方のために有益な薬品及び処方量に関する情報を提供することができる。
【0055】
また、第3データベースとしての病院DB2に登録される患者に必要な栄養素の必要値には範囲が設定されており、薬品選定・処方量算出手段としての病院サーバ1は、患者の栄養素の摂取量が過剰なときは前記範囲の上限値との差を前記過剰分として算出し、また、患者の栄養素の摂取量が不足しているときは前記範囲の下限値との差を前記不足分として算出し、こうして得られる過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行うので、患者の食事内容に応じて処方のために最適な薬品及び処方量に関する情報を提供することができる。
【0056】
また、薬品選定・処方量算出手段としての病院サーバ1によって選定された薬品と、算出された処方量とを医師クライアントに伝送するための伝送手段をさらに備えるので、医師は、患者の食事内容により則した処方を行うことができる。
【0057】
また、取り合わせの悪い食品及び薬品の組合せと、この組合せに対する禁忌内容とを登録する第4データベースとしての病院DB2と、前記薬品選定・処方量算出手段としての病院サーバ1によって選定された薬品が医師によって選択されると、この薬品を前記第4データベースとしての病院DB2の登録内容と照合し、患者が摂取した食品と当該薬品との取り合わせが悪い場合は、当該薬品及び食品の組合せに対する禁忌内容を医師クライアントに伝送する禁忌内容伝送手段とをさらに備えるので、食事内容と取り合わせの悪い薬品を用いた処方を未然に抑止することのできる食事内容に基づく処方支援システムを提供することができる。
【0058】
本発明の食事内容に基づく処方支援システムに用いるプログラムは、患者の食事内容に基づいて処方内容の決定を支援するために、コンピュータに、患者の食事の摂取量と第1データベースに登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段、及び、患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベースに登録された栄養素の必要値と前記摂取量算出手段の算出結果とを比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、第2データベースに登録された薬品量に対する栄養素の増減量に基づき、前記過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段として機能させるので、患者の食事内容に応じて処方のために有益な薬品及び処方量に関する情報を提供するためのプログラムを提供することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明の食事内容に基づく処方支援システムは、食品毎の栄養価を登録する第1データベースと、薬品名と対応付けて薬品量に対する栄養素の増減量を登録する第2データベースと、患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベースと、患者の食事の摂取量と前記第1データベースに登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段と、前記摂取量算出手段の算出結果を前記第3データベースに登録された栄養素の必要値と比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、前記第2データベースに登録された薬品量に対する栄養素の増減量に基づき、前記過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段とを備えるので、患者の食事内容に応じて処方のために有益な薬品及び処方量に関する情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の食事内容に基づく処方支援システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の食事内容に基づく処方支援システムにおける各種情報(患者情報、食事オーダメニュー、食事実施メニュー及び処方オーダ)を入力するための画面を示す図である。
【図3】本発明の食事内容に基づく処方支援システムにより、医師の処方行為を支援する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】従来の栄養指導システムを概略的に示すシステム構成図である。
【符号の説明】
1 病院サーバ、2 病院DB、3 ネットワーク、4 医師クライアント、5 看護師クライアント、6 栄養士クライアント。
Claims (5)
- 食品毎の栄養価を登録する第1データベースと、
薬品名と対応付けて薬品量に対する栄養素の増減量を登録する第2データベースと、
患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベースと、患者の食事の摂取量と前記第1データベースに登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段と、
前記摂取量算出手段の算出結果を前記第3データベースに登録された栄養素の必要値と比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、前記第2データベースに登録された薬品量に対する栄養素の増減量に基づき、前記過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段とを備える食事内容に基づく処方支援システム。 - 前記第3データベースに登録される患者に必要な栄養素の必要値には範囲が設定されており、薬品選定・処方量算出手段は、患者の栄養素の摂取量が過剰なときは前記範囲の上限値との差を前記過剰分として算出し、また、患者の栄養素の摂取量が不足しているときは前記範囲の下限値との差を前記不足分として算出し、こうして得られる過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行うことを特徴とする請求項1に記載の食事内容に基づく処方支援システム。
- 前記薬品選定・処方量算出手段によって選定された薬品と、算出された処方量とを医師クライアントに伝送するための伝送手段をさらに備える請求項1または2に記載の食事内容に基づく処方支援システム。
- 取り合わせの悪い食品及び薬品の組合せと、この組合せに対する禁忌内容とを登録する第4データベースと、
前記薬品選定・処方量算出手段によって選定された薬品が医師によって選択されると、この薬品を前記第4データベースの登録内容と照合し、患者が摂取した食品と当該薬品との取り合わせが悪い場合は、当該薬品及び食品の組合せに対する禁忌内容を医師クライアントに伝送する禁忌内容伝送手段とをさらに備える請求項1ないし3のいずれか一項に記載の食事内容に基づく処方支援システム。 - 患者の食事内容に基づいて処方内容の決定を支援するために、コンピュータに、患者の食事の摂取量と第1データベースに登録された食品毎の栄養価とに基づき、患者が食事により摂取した栄養素の摂取量を算出する摂取量算出手段、及び、
患者に必要な栄養素の必要値を病気の種類別に登録する第3データベースに登録された栄養素の必要値と前記摂取量算出手段の算出結果とを比較して得る栄養素の過剰分または不足分を調整するために、第2データベースに登録された薬品量に対する栄養素の増減量に基づき、前記過剰分または不足分を補うための薬品の選定及び処方量の算出を行う薬品選定・処方量算出手段として機能させることを特徴とする食事内容に基づく処方支援システムに用いるプログラム。
Priority Applications (1)
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JP2003096047A JP2004302967A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 食事内容に基づく処方支援システム及びこのシステムに用いるプログラム |
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JP2003096047A JP2004302967A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 食事内容に基づく処方支援システム及びこのシステムに用いるプログラム |
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Country | Link |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007058333A (ja) * | 2005-08-22 | 2007-03-08 | Ajinomoto Co Inc | 栄養管理システムおよびプログラム |
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-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003096047A patent/JP2004302967A/ja active Pending
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