JP2004302674A - 企画支援システム、方法、プログラム、装置並びに記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】企画車両を3次元データで表した企画車両モデルと、企画車両とは異なる車両を3次元データで表した車両モデルとを、一方をソリッドモデル化し、他方をワイヤーフレームモデル化して重ね合わせて表示する。また、ソリッドモデルの対象とワイヤーフレームモデルの対象を切換えて表示する。
【選択図】 図12
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の企画立案を支援する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両の企画立案の際には、その車両の概要を表す2次元図面を作成し、図面に基づいて企画の善し悪しを判断していた。そして、その企画に変更点があった場合には、再度、一から図面を作成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、従来の企画立案作業においては、図面の作成に多大な労力を費やしており、大幅な時間及びコストがかかるという問題があった。更に、2次元の図面では、車両のイメージがつかみにくいという問題もあった。
【0004】
また、従来は、図面作成工程において、乗員の居住空間などの自由度の少ないファクターに引きずられて、本来自由度の大きいはずの外形形状を無難なものとしてしまう傾向があり、斬新な設計の車両が生みだされにくかった。
【0005】
一方、企画車両をコンピュータグラフィックスで表現する方法も考えられるが、他の車両との比較なしに単独で企画車両を評価することは困難である。
【0006】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、車両の企画立案を効率的かつ効果的に行うことのできる技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るシステムは、車両の企画立案を支援する企画支援システムであって、企画車両を3次元データで表した企画車両モデルを生成する第1生成手段と、前記企画車両とは異なる車両を3次元データで表した車両モデルを生成する第2生成手段と、前記企画車両モデルと前記車両モデルとを、一方をソリッドモデル化し、他方をワイヤーフレームモデル化して重ね合わせて表示する表示手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
車両の外形を3次元データで表した外形ベースモデルと、車両内の乗員の居住空間を3次元データで表した乗員ベースモデルと、車両内のインテリアを3次元データで表したインテリアベースモデルとを記憶するデータベースと、企画車両の諸元値データを入力する入力手段と、前記外形ベースモデル、前記乗員ベースモデル及び前記インテリアベースモデルを、前記諸元値データに応じてそれぞれ変形して外形モデル、乗員モデル及びインテリアモデルを構築する構築手段と、を更に含み、前記第1生成手段は、前記外形モデル、前記乗員モデル及び前記インテリアモデルを組み合わせて前記企画車両モデルを生成することを特徴とする。
【0009】
前記表示手段は、前記ソリッドモデルの対象と前記ワイヤーフレームモデルの対象を切換える切換え手段を含むことを特徴とする。
【0010】
前記表示手段は、前記企画車両モデルと前記車両モデルとの少なくとも一方の位置を変更する変更手段を含むことを特徴とする。
【0011】
前記表示手段は、前記企画車両モデルと前記車両モデルとで重ね合わない部分を強調して表示することを特徴とする。
【0012】
前記表示手段は、前記ワイヤーフレームモデルの一部を非表示とすることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、車両の企画立案を支援する企画支援方法であって、企画車両を3次元データで表した企画車両モデルを生成する第1生成工程と、前記企画車両とは異なる車両を3次元データで表した車両モデルを生成する第2生成工程と、前記企画車両モデルと前記車両モデルとを、一方をソリッドモデル化し、他方をワイヤーフレームモデル化して重ね合わせて表示する表示工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、車両の企画立案を支援する企画支援プログラムであって、コンピュータに企画車両を3次元データで表した企画車両モデルを生成する第1生成工程と、前記企画車両とは異なる車両を3次元データで表した車両モデルを生成する第2生成工程と、前記企画車両モデルと前記車両モデルとを、一方をソリッドモデル化し、他方をワイヤーフレームモデル化して重ね合わせて表示する表示工程と、を実行させることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明に係る記憶媒体は、上記企画支援プログラムを格納したことを特徴とする。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、企画車両を3次元データで表した企画車両モデルと、企画車両とは異なる車両を3次元データで表した車両モデルとを、一方をソリッドモデル化し、他方をワイヤーフレームモデル化して重ね合わせて表示するので、企画車両の形状を他の車両の形状と容易に比較することができ、他の車両と比べた場合のメリットやデメリットを的確に把握することができる。
【0017】
ここで、車両の外形を3次元データで表した外形ベースモデルと、車両内の乗員の居住空間を3次元データで表した乗員ベースモデルと、車両内のインテリアを3次元データで表したインテリアベースモデルとを記憶するデータベースと、企画車両の諸元値データを入力する入力手段と、外形ベースモデル、乗員ベースモデル及びインテリアベースモデルを、諸元値データに応じてそれぞれ変形して外形モデル、乗員モデル及びインテリアモデルを構築する構築手段と、を更に含み、外形モデル、乗員モデル及びインテリアモデルを組み合わせて企画車両モデルを生成すれば、外形や乗員の居住空間やインテリアなどそれぞれのコンセプトに切り分けて車両を企画することができ、企画の自由度を広げることができる。
【0018】
またソリッドモデルの対象とワイヤーフレームモデルの対象を切換える手段を設ければ、企画車両をソリッド表示して他の車両をワイヤーフレーム表示したり、企画車両をワイヤーフレーム表示して他の車両をソリッド表示したりすることが容易に実現でき、より一層、それらの比較が容易になる。
【0019】
また、企画車両モデルと他の車両モデルとの少なくとも一方の位置を変更する変更手段を設ければ、その重ね合わせの基準位置を変えることが容易になる。例えば、それぞれのルーフトップの位置が一致するように表示したり、フロントピラー上端位置が一致するように表示したり、或いはハンドル中心が一致するように表示したりと、様々な表示が可能となり、あらゆる角度からそれらの車両を比較することが可能となる。これにより、企画車両の評価を高い精度で行うことができる。
【0020】
更に、企画車両モデルと他の車両モデルとで重ね合わない部分を強調して表示すれば、それらの車両形状の比較が一層容易になる。
【0021】
また、ワイヤーフレームモデルの一部を非表示とすることが可能であれば、重ね合わせ表示の際に比較する必要のない部分のワイヤーフレームを非表示として、より一層それらの車両形状の比較を容易化することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。なお、本明細書において、外形モデル、居住空間モデル、構造モデルとは、それぞれ車両の外観、シート及び乗員の状態、骨組み構造を表す複数の点の座標データ及びそれぞれの点の相関関係によって表現されるオブジェクトである。また、諸元値とは、車両形状を決定する寸法をいい、例えば、全高、全幅、全長などが含まれる。また、車型とは、スポーツ、セダン、トラックなどの車両のタイプをいう。
【0023】
(全体のシステム構成)
まず、本実施形態としての企画支援システムの全体構成について説明する。
【0024】
図1は、本実施形態に係る企画支援システム100の構成を例示する図である。図1の企画支援システム100は、ネットワーク接続された企画支援装置としてのコンピュータ1とデータベースサーバ2とを含む。コンピュータ1は、CPU11、ROM(Read Only Memory)13、RAM(Random Access Memory)14、HD(Hard Disk)15、入出力インタフェース(I/O)16、画像処理部18及び通信部19をその本体に備え、それぞれは、バス12によって互いに接続されている。また、本体外部には入力デバイス20及びディスプレイ17が設けられており、それぞれ入出力インタフェース16及び画像処理部18に接続されている。
【0025】
これらのうち、CPU11はコンピュータ1全体を制御する演算・制御用のプロセッサである。ROM13は、CPU11で実行するブートプログラムや固定値等を格納する不揮発性メモリである。RAM14は、データやプログラムを一時的に記憶するための揮発性メモリである。HD15は、コンピュータ1で実行するOS及び各種のプログラムモジュールを格納した記憶手段としての記憶媒体である。入出力インタフェース16は、コンピュータ本体と入力デバイス20との間でデータを入出力するためのインタフェースである。
【0026】
入力デバイス20は、命令やデータを入力するキーボードやマウスなどのデバイスであり、ディスプレイ17は、CPU11からの制御指令に基づき画像処理部18で演算処理された文字や画像データを出力する液晶ディスプレイやCRTなどのデバイスである。画像処理部18は、このディスプレイ17に表示するための画像データを演算処理するユニットである。通信部19は、無線又は有線の通信回線を介してデータベースサーバ2との間でデータを送受信するためのユニットである。
【0027】
詳しく説明すると、RAM14は、車両企画支援処理に際しCPU11で実行するプログラムを一時的に格納するためのプログラム実行領域14a、ユーザから入力された車両の諸元値データを一時的に記憶しておく諸元値記憶領域14b、企画車両に関する各種モデルを記憶する各種モデル記憶領域14c、表示画像を一時的に記憶する表示画像記憶領域14d、及び、シミュレーション設定を記憶するシミュレーション設定記憶領域14eを備える。
【0028】
また、HD15には、新型車両の企画を支援するためのプログラムモジュールが格納されている。具体的には、車両の諸元値データをまとめた設計テーブル801を生成するための設計テーブル作成モジュール15a、設計テーブルを参照して基準モデルを構築する基準モデル構築モジュール15b、設計テーブルを参照して外形モデルを構築する外形モデル構築モジュール15c、設計テーブルを参照して構造モデルを構築する構造モデル構築モジュール15d、設計テーブルを参照してインテリアモデルを構築するインテリアモデル構築モジュール15e、企画車両に含まれる部品を3次元データで表した部品モデルを生成する部品モデル構築モジュール15f、企画車両モデルを登録する企画車両登録モジュール15g、3次元データで表されたモデルを投影面に投影して表示する投影画像表示モジュール15h、及び、生成した企画車両モデルの走行時における運転者の視界をシミュレーションするシミュレーションモジュール15iが企画支援プログラムとして格納されている。
【0029】
また、HD15には更に、設計テーブル作成モジュール15aによって生成された設計テーブルファイル(以下単に設計テーブルと称する)15jと、各種モデル構築モジュール15b〜15gによって構築された各種モデルファイル(以下単に各種モデルと称する)15kと、シミュレーションモジュール15iで生成されたシミュレーション画像ファイル15mが格納されている。
【0030】
なお、設計テーブル作成モジュール15aは、完全にオリジナルのプログラムモジュールでなくても、例えば、オペレーティングシステム上で動作する表計算ソフトの一部の機能を利用したモジュールでもよい。また、各種モデル構築モジュール15b〜15g、投影画像表示モジュール15h、及びシミュレーションモジュール15iは、3次元CADソフトの一部の機能を利用したモジュールでもよい。この場合、各種モデル15kは、3次元CADソフトが、設計テーブル15jから値を抽出して所定の計算を行うことによって構築される。
【0031】
また、設計テーブル作成モジュール15a、基準モデル構築モジュール15b、外形モデル構築モジュール15c、構造モデル構築モジュール15d、インテリアモデル構築モジュール15e、部品モデル構築モジュール15f、企画車両モデル登録モジュール15g、投影画像表示モジュール15h、及び、シミュレーションモジュール15iをまとめて1つの企画支援アプリケーションとしてパッケージングしても良い。
【0032】
コンピュータ1は不揮発性の大容量記憶媒体としてHD15を備えるが、本発明はこれに限定されるものではない。HDに代わる他の記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などが挙げられる。つまり、CD−ROMなどの記憶媒体に企画支援プログラムが格納されており、その記憶媒体に対応したドライブを用いて企画支援プログラムを読み出し実行することにより、企画支援処理が実現されてもかまわない。
【0033】
(データ構成及びモデルの構築処理)
図2は、コンピュータ1とデータベースサーバ2に含まれるデータを示す図である。データベースサーバ2は、図2に示すように、乗員・シート・車輪データベース2aと、外形データベース2bと、構造データベース2cと、インテリアデータベース2dと、汎用部品データベース2eと、完成車両データベース2fと、風景データベース2gとを含む。
【0034】
これらのうち、乗員・シート・車輪データベース2aは、国内外の規格に準じた乗員サイズ(大人や子供の標準規格)により定義された乗員の形状を3次元データで表した乗員ベースモデル及びシートベースモデル並びに車輪ベースモデルを蓄積し、管理している。
【0035】
外形データベース2bは、車両の典型的な外部形状を3次元データで表現した外形ベースモデルを、車型毎に分類分けして蓄積し、管理している。外形ベースモデルは、ハッチバック、ミニバン、セダン、スポーツ、オープン、トラックといった車型毎に、外形的な特徴のない、最も一般的な形状の3次元データで表現される。なお、外形ベースモデルは、ドアやボンネットやリヤハッチとして属性が付加された複数の面データを含んでおり、それぞれの面の表示/非表示を選択可能である。
【0036】
構造データベース2cは、車両の典型的な骨組みを3次元データで表現した構造ベースモデルを、同じく車型毎に分類分けして蓄積し、管理している。インテリアデータベース2dは、車内に設けられる各種の典型的なインテリアを3次元データで表現したインテリアベースモデルを蓄積し、管理している。汎用部品データベース2eは、ドアミラーやハンドルやリアスポイラー等の汎用部品の画像を蓄積し、管理している。ここで管理されている画像は、3次元画像に限らず、2次元画像をも含んでいる。完成車両データベース2fは、完成した企画車両モデル1fの他、実在の車両を参考のため3次元データで表現したベンチマーク車両モデルなどを蓄積し、管理している。風景データベース2gは、企画車両モデル1fを仮想的に走行させた場合に運転者の視界に入る風景を表す風景データを蓄積し管理している。風景データには、仮想建築物、仮想道路、仮想車両、及び仮想歩行者などをオブジェクトとして有する3次元仮想空間データや、実際の画像をビデオ撮影して得られた2次元動画データなどが含まれる。
【0037】
コンピュータ1は、ユーザの入力に基づき、設計テーブル作成モジュール15aを実行し、図3のような入力画面を表示して、シート数、シート位置、全長、全高、全幅などの基本的な諸元値の入力を促す。図3において(a)は、諸元値の入力テーブルであり、(b)(c)は、入力テーブルで入力する諸元値の対応部位を示すための、車両前方視画像及び側面視画像である。「…」部分に数値を入力することができる。この図で入力可能な諸元値は、ホイールベース1101、全幅1102、全高1103、フロントオーバハング1105、リアオーバハング1106、カウルポイントCWの水平位置1107、カウルポイントCWの垂直位置1108、フロントガラス傾斜1109である。なお、入力する諸元値はこれに限定されるものではなく、他の様々な諸元値を入力するため、図3に類似する複数の画面が用意されている。そして、入力された諸元値に基づいて、設計テーブル15jを作成する。すなわち、設計テーブル15jには、乗員の着座位置情報など、企画車両に関する各種諸元値が含まれる
コンピュータ1は、ユーザの入力に基づき、基準モデル構築モジュール15bを実行する。基準モデル構築モジュール15bは、設計テーブル15jにおいて設定された諸元値に基づいて、車両の居住空間を表現する基準モデル1aを構築する。この基準モデル1aは、乗員の乗車姿勢を示すラインデータを含む。このラインデータは、乗員の頭頂位置を示すヘッドポイントと、尻位置を示すヒップポイントと、膝位置を示すニーポイントと、かかと位置を示すヒールポイントとを結ぶ線分を含む。乗員・シート・車輪データベース2aから乗員の姿勢を立体的に表した乗員ベースモデルを読出し、このラインデータに沿って変形することにより乗員モデルを基準モデル1aに含めることもできる。
【0038】
また、基準モデル1aは、ハンドル位置を示す点データ、運転者の視点位置を示す点データ及び運転者の前方視界及び後方視界を示すラインデータを含む。更に、基準モデル構築モジュール15bは、乗員・シート・車輪データベース2aから読出したシートベースモデルを、設計テーブル15jにおいて設定されたヒップポイントのデータなどに基づいて変形・配置し、シートモデルとして基準モデル1aの一部とすることができる。
【0039】
コンピュータ1は、ユーザの入力に基づき、外形モデル構築モジュール15cを実行する。外形モデル構築モジュール15cは、外形データベース2bから外形ベースモデルを読出し、設計テーブル15jにおいて設定された諸元値に基づいて変形して外形モデル1bを構築する。すなわち、コンピュータ1は、設計テーブル15jに設定された、車型(ハッチバック、ミニバン、セダン、スポーツ、オープン、トラックのいずれか)に基づいて外形データベース2bから外形ベースモデルを読出す。そして、設計テーブル15jに格納された各種諸元(全長、全幅、全高、ホイールベース、フロント及びリアオーバハング)を用いて、外形ベースモデルに含まれる所定の外形パラメータ(バンパー先端位置の座標やルーフトップの座標など)を変更して、諸元に沿った大まかな外形モデル1bを構築する。逆にいうと、それらの諸元値に応じて自動変形可能な3次元外形ベースモデルをデータベースに用意しておく。
【0040】
更に、コンピュータ1は、外形モデル1bの投影画像を図4のように表示し、入力デバイス20からの入力に応じて、外形モデル1bを局所的に変形することができる。外形ベースモデルは、互いに相関関係を有する複数の制御点の3次元データに基づいて構成されており、外形モデルを画像表示した状態で入力デバイス20によりその制御点の移動を指示すると、外形モデルが局所的に変形される。具体的には、外形ベースモデルは制御点として、入力される諸元値によってその位置が定義される定義点と、車両の形状が不自然なものとならないようにそのような定義点に追従して移動する追従点とを有する。
【0041】
そして、諸元値によって大まかに形状が決められた外形モデルを図4のように画像表示した状態で、その画像上に表示された3次元外形モデルの追従点をポインティングデバイスを用いて自由に移動可能として企画車両の外形形状を微調整する。図4において、星で示された点が定義点たる基準ポイントCであり、これらの点は、前後(水平)方向の移動が制限され、上下(垂直)方向の移動が許容される。また、黒丸で示された点が、追従点たる操作ポイントDであり、前後、左右及び上下方向に任意に移動できる。操作ポイントDは車幅中央に設定されている。また、白丸で示された点は、追従ポイントE、F、Gである。追従ポイントEは、操作ポイントDとの相対位置関係を保持したままで操作ポイントDの移動量に応じて追従移動する(即ち、線分Lの形状を保持しながら追従して移動・変形する)。その他、追従ポイントFは、車両の側部に位置し、基準ポイントCに追従して移動する。また、追従ポイントGは、ガラスの形状を定義するポイントであり、ルーフサイドのライン形状に追従しつつも、ユーザの操作によって移動可能である。なお、図4に示されている制御点は一例かつ一部であって、この図に表れていない箇所にも制御点は設けられている。更に、ユーザが新たに制御点を設定して、車両の外形を更に局所的に変形することも可能である。
【0042】
また、コンピュータ1は、ユーザの入力に基づき、構造モデル構築モジュール15dを実行する。構造モデル構築モジュール15dは、構造データベース2cから構造ベースモデルを読出し、設計テーブル15jにおいて設定された諸元値に基づいて変形して構造モデル1cを構築する。更に同様に、コンピュータ1は、ユーザの入力に基づき、インテリアモデル構築モジュール15eを実行して、インテリアデータベース2dからインテリアベースモデルを読出し、設計テーブル15jにおいて設定された諸元値に基づいて変形してインテリアモデル1dを構築する。インテリアモデルとしては、フロントピラーのトリム、センターピラーのトリム、リアピラーのトリム、ドアトリム、インストルメントパネル、ルーフトリムなどを含む。更に、ハンドルを持つ乗員の腕のみのモデルをインテリアモデルとして含んでも良い。また、設計テーブルでこれらのインテリアパーツのそれぞれについて色を設定する構成でも良い。
【0043】
このように構築された基準モデル1a、外形モデル1b、構造モデル1c、インテリアモデル1dは、投影画像表示モジュール15hを用いて、図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)に示すように、それぞれ単独に表示することもできるし、図5(e)に示すように全て組み合わせて表示することもできる。また、指定したモデルのみを組み合わせて表示することも可能である。
【0044】
そして、組合せ表示により各モデルの干渉の有無を確認する。すなわち、乗員のヘッドクリアランスや運転手の視界確保などが不十分であることを視覚的に検証し、この検証結果に基づいて各モデルを変更する。外形モデルや構造モデルによって設定される車室空間に対して、基準モデルによって決定された乗員の着座位置、着座姿勢に無理がある場合には、着座位置をずらしたり、着座姿勢を変えたり、ルーフ位置を上げたり、といった調整を行う。このようにすれば、外形モデルを居住空間モデルとを独立に構築でき、内部空間の制約に縛られることなく、自由な発想で効果的に外形の設定を行うことができる。また逆に、外形形状に囚われずに自由な発想で居住空間の企画立案を行うことができる。
【0045】
(汎用部品の表示)
外形モデルは、ドアミラーなどの付属品等を全く含まない、非常にプレーンな外形を表すデータである。従って、単に、基準モデル、外形モデル、構造モデルを組合わせただけの企画車両モデルのみを表示した場合には、実際の車両を見慣れたユーザに、どこか物足りない印象を与えてしまい、評価が正確に行えない場合がある。そこで、本システム100では、実際の車両に近い印象を与えるため、ドアミラーを付加して表示したり、或は、インテリアモデルに含まれるありきたりのハンドルを、他の特徴的なハンドルに替えて表示したりする機能を有する。
【0046】
具体的には、投影画像表示モジュール15hで企画車両モデル1fの投影画像を表示する場合に、ユーザの入力に応じて、汎用部品データベース2eから読出した部品画像を重ねて表示する。すなわち、ユーザは汎用部品データベース2eから企画車両に付加したい汎用部品を選択し、簡易的に企画車両モデル1fに取付けることができる。これにより、様々な部品の付属した車両を容易に視覚化することができ、企画車両の表示に際し実際の車両の近い印象を与えることができる。
【0047】
ここで、企画車両モデルの一部を非表示として、汎用部品の付加により不自然が生じないようにできる。例えば、メーターの画像を重ねて表示する場合に、元々インテリアモデルに備えられているメーター画像部分を非表示にすることができる。この非表示処理は如何なる方法によって行ってもよい。各種モデルに含まれる3次元データに対して予め部品を示す属性を与えておき、汎用部品の画像が付加される際に、対応する属性を有する点及び線を透過表示するといった処理が考えられる。例えば、汎用部品としてメータが付加される場合には、インテリアモデルを構成する3次元データのうち、メータ部分を表現する3次元データの色を透明にする処理を行えばよい。
【0048】
なお、汎用部品データベース2eから読出した部品画像データが2次元画像データである場合には、所定の視点から企画車両モデルを投影した投影画像に対し、その部品画像データに応じた部品画像を重畳表示すれば、不自然のない表示が実現できるとともに、多種多様な部品の画像データ生成の負担を軽減することができる。
【0049】
また、部品画像データが3次元画像データの場合には、3次元空間内で企画車両モデルと部品画像データとを結合すれば、何れの位置に視点があったとしても不自然のない投影画像を表示でき、3次元空間内の様々な位置に視点を動かして、あらゆる角度から、部品と企画車両との関係を検証することができる。また、表示画面上でのマウスポインタの動きに応じて、3次元空間内において視点を移動させ、画面上で立体形状の企画車両がくるくる動くように表示することも可能である。その場合、3次元空間内で企画車両モデルと部品画像データとが結合されていれば、部品と企画車両とが接続状態を保ったまま同時に動くことになる。このような部品画像データが用意される汎用部品としては、ドア、ワイパー、カーナビゲーションシステムの操作パネル、メーター、オーディオシステムの操作パネル、ハンドル、またはミラーなどが挙げられる。
【0050】
図6は、汎用部品を表す部品画像データの1例であり、ハンドルを表す3次元データの表示画像を示している。このような部品画像は、全体としていずれかの方向に伸縮することが可能であり、企画車両モデルの形状や大きさに合わせて部品画像を伸縮させて、より自然な企画車両の検証を行うことができる。
【0051】
(ニューフィーチャーへの対応)
外形ベースモデルや構造ベースモデルは、あらゆる企画車両のベースになるものであるため、特徴のない一般的な形状のデータとなっている。従って、全く斬新なデザインの車両を企画しようとする場合には、その変形だけでは対応しれない場合が想定できる。そこで、本システム100では、全く新しいデザインの部品モデルを別個に作成可能とし、外形モデルや構造モデルを部分的に非表示にして、新規に作成した部品モデルを結合して表示できる機能を有する。
【0052】
具体的には、データベースサーバ2から読出したベースモデルの変形では対応しきれない場合に、部品モデル作成モジュール15fを実行して新規作成部品モデル1eを作成し、企画車両モデル1fに組込むことができる。例えば、図7に示すように、リアドア701を窓の上部が車両の屋根まで回り込んでいるような斬新なデザインとしたい場合には、既存の外形ベースモデルの変形では対応できないため、部品モデル作成モジュール15fを実行してリアドアの3次元モデルを別個に作成し、外形ベースモデルに結合する。そのように生成した企画車両モデルを表示する場合、投影画像表示モジュール15hは、外形モデルのリアドア部分702を非表示(透過表示)とすることができる。つまり、企画車両モデル1fを表示する際に、外形モデル1bの一部であって、部品モデル1eに対応する部分を非表示にすることができる。
【0053】
このように、企画車両に含まれうる部品を3次元データで表した部品モデルを新たに生成し、外形ベースモデル及び乗員ベースモデルを、諸元値データに応じてそれぞれ変形して生成したモデルに結合することによって、既存の概念を越えた全く新しいコンセプトの車両を3次元空間に表現することが可能となる。すなわち、データベースに含まれる典型的な外形ベースモデルなどを変形するだけでは構築し得ないニューフィーチャーにも対応することができ、より斬新な車両を企画できる。また、そのような斬新な企画車両モデルを表示する際に、外形モデルの一部であって、部品モデルに対応する部分を非表示にするので、外形ベースモデルを新しく作り替える必要なく、容易に自然な企画車両モデルを表示できる。
【0054】
(企画車両モデル登録)
以上のように、各モデル構築モジュール15b〜15fによって構築された基準モデル1a、外形モデル1b、構造モデル1c、インテリアモデル1d及び部品モデル1eは、各種モデルファイル15kとしてそれぞれHD15に格納される。ただし、1つの車両の企画において構築される各モデルは、それぞれ1つずつに限られるものではなく、同じ企画について複数の基準モデル1a、外形モデルb、構造モデル1c、インテリアモデル1d及び部品モデル1eを構築することが望ましい。
【0055】
HD15に、少なくとも複数の基準モデル1aと複数の外形モデル1bとを記憶すれば、企画車両モデル登録モジュール15gは、ユーザの入力指示に応じ、HD15に格納された複数の基準モデル1aと複数の外形モデル1bとを任意に組み合わせて企画車両モデル1fとして登録する。
【0056】
登録された企画車両モデル1fの例を図8に示す。図8に示すように企画車両モデル1fは、組み合わせる基準モデル1a、外形モデル1b、構造モデル1c、インテリアモデル1d、部品モデル1eを特定するためのテーブル801に登録される。逆に言えば、図8に示すテーブル801において企画車両モデル1fが特定されると、その企画車両モデル1fに含まれる基準モデル1a、外形モデル1b、構造モデル1c、インテリアモデル1d、部品モデル1eがHD15から読出され、組み合わされる。
【0057】
図8は、企画車両モデルAが、基準モデルAと外形モデルAと構造モデルAとインテリアモデルAとを組み合わせたものであることを示している。また、企画車両モデルBが、基準モデルAと外形モデルBと構造モデルBとインテリアモデルAとを組み合わせたものであることを示している。外形モデルA及び構造モデルAのホイールベースが外形モデルB及び構造モデルBのホイールベースに比べて短いとしすると、これらの企画車両モデルA及び企画車両モデルBを横斜め上方向から投影した画像は、図9(a)及び(b)のようになる。基準モデル及びインテリアモデルは同一であるから、車内の居住空間、シート配置及びインテリアは、全く同一である。図8に示すように、企画車両モデルAにはホイールベースが短いバージョンの企画車両モデルであることを示す属性を持たせてもよい。それぞれの企画車両モデルの特徴を示す属性をテーブル801に登録すれば、企画車両モデルを選択する際に分かりやすく望ましい。
【0058】
企画者は、予め図8に示すテーブル801に企画車両モデルを登録しておき、プレゼンテーションの際にこのテーブル801からいずれかの企画車両モデルを選択して画像表示することができる。従って、企画者は評価者に対し、図9(a)や図9(b)のような画像を瞬時に表示して評価を求めることができる。例えば、ホイールベースが長い場合と短い場合のそれぞれのメリット及びデメリットを説明することが容易になる。そして、外形モデル、基準モデルなどをどのように組み合わせた企画車両モデルが最も好ましいかを的確に判定することができる。なお、図9(a)及び図9(b)の画像を同じ画面に重ねて表示しても良い。複数の企画車両モデルを重ねて表示すれば、企画車両モデル同士の比較がより一層容易になる。
【0059】
図8において、基準モデルBは、基準モデルAにおけるシートを格納したものである。従って、企画車両モデルC及び企画車両モデルDは、それぞれ企画車両モデルA及び企画車両モデルBのシートを格納したものとなる。
【0060】
このように、シートの形態の異なる複数の基準モデルを記憶しておき、それぞれを同じ外形モデルと組み合わせた複数の企画車両モデルを登録すれば、企画しようとする車両について、シート形態を変えた画像を瞬時に表示することができ、企画車両の評価を緻密に行うことができる。なお、図8に示すいずれの企画車両モデル1fにも、基準モデル1a、外形モデル1b、構造モデル1c、インテリアモデル1dが含まれているが、基準モデル1a及び外形モデル1bのみを組み合わせて企画車両モデルとして登録しても良いし、いずれか1つのモデルのみを企画車両モデルとして登録することも可能である。
【0061】
また、図7に示した企画車両は、図8において企画車両モデルEのように登録される。ここで、図7のドア部分701の部品モデルは、部品モデルAに相当することとなる。
【0062】
次に、企画車両モデルの登録処理について図10を用いて説明する。図10は、企画車両モデルの登録ダイヤログ1001を示す図である。登録ダイヤログ1001には、各モデルのリストが表示される。ここには、外形モデルリスト1002、シートモデルリスト1003、構造モデルリスト1004のみが示されているが、スライドバー1005を操作することによって、他のモデルのリストも表示される。各モデルリストには、予めHD15に格納された複数のモデルが、それぞれサムネイル画像で表示される。図10の状態では、外形モデルリスト1002には、外形モデルAと外形モデルBとが表示されているが、スライドバー1006を操作することによって、他の外形モデルも表示される。また、シートモデルリスト1003には、シートモデルAとシートモデルBとが表示されているが、同様に、スライドバー1007を操作することによって、他の外形モデルも表示される。このような複数の各モデルリストから各モデルを選択して登録ボタン1008を選択すれば、選択された各モデルの組合せが図8のテーブル801に登録される。
【0063】
例えば、外形モデルリスト1002から外形モデルAを選択し、シートモデルリスト1003からシートモデルAを選択して登録したものが図8の企画車両モデルAに相当し、外形モデルリスト1002から外形モデルBを選択し、シートモデルリスト1003からシートモデルAを選択して登録したものが図8の企画車両モデルBに相当する。同様に、外形モデルリスト1002から外形モデルAを選択し、シートモデルリスト1003からシートモデルBを選択して登録したものが図8の企画車両モデルCに相当し、外形モデルリスト1002から外形モデルBを選択し、シートモデルリスト1003からシートモデルBを選択して登録したものが図8の企画車両モデルDに相当する。なお、図10は、登録ダイヤログの1例に過ぎず、基準モデルなどのファイル名を選択することによって企画車両モデルの登録を行っても良い。
【0064】
以上に説明したように、1つの基準モデル1aに対してそれぞれ異なる外形モデル1bを結合した複数の企画車両モデルとを表示したり、1つの外形モデル1bに対して異なる基準モデル1aを結合した複数の企画車両モデルとを表示したりすれば、外形が同じで車内の居住空間が異なる企画車両モデルや、居住空間の構成が同じで外形のみ異なる企画車両モデルを容易に生成でき、それらの企画車両モデルを比較して、最適な車両を企画することができる。
【0065】
なお、ホイールベースの異なる複数の外形モデルを同一の基準モデルに組み合わせた企画車両モデルについて説明したが、同様に、車高やその他の諸元値の異なる複数の外形モデルを同一の基準モデルに組み合わせて様々なバージョンの企画車両モデルを登録してもよい。車高またはホイールベースの異なる複数の外形モデルを記憶して基準モデルと結合すれば、車内の居住空間の構成が同じで車高やホイールベースが異なる企画車両モデルを容易に生成でき、それらの企画車両モデルを比較して、最適な車両を企画することができる。例えば、シート構成やボンネット、リヤハッチ部分の形状は同じでホイールベースのみが異なる2つの企画車両を容易に生成でき、全体として比較評価することが可能となる。
【0066】
(シミュレーション表示)
企画車両モデル1fでは、運転席のシート位置から運転者の視点位置が大まかに定義されているが、その視点位置や視線方向を自由に設定することが可能である。そして、設定された運転者の視点位置や視線方向に応じて、運転者の視界を仮想的に表す視界画像を容易に生成することができる。この視界画像には、インテリアモデル1dを構成するピラー、ハンドル、メータフード、運転者の腕などが含まれるが、これに上述した汎用部品画像を視界画像に重ねても良い。例えば、インテリアモデル1dに含まれるハンドルを非表示にして、汎用部品データベース2eから読出したハンドル画像を表示したり、ドアミラー画像、サンバイザー画像、バックミラー画像を付加的に表示したりすることが考えられる。
【0067】
なお、この視界画像には、車両の外の風景画像は含まれないが、シミュレーションモジュール15iが風景データベース2gから読出した風景データを企画車両モデルから生成した視界画像に重ねることにより、図11に示すような視認性評価用のシミュレーション画像15mを生成し、企画車両の走行時の運転者からの視界をシミュレーション表示する。ここで視認性やインテリアデザインに問題があれば、インテリアモデルに含まれるピラーの太さや構造、またはその色や模様などを変更して視認性やデザインを改善する。
【0068】
風景データが仮想建築物、仮想道路、仮想車両、及び仮想歩行者などをオブジェクトとして有する3次元仮想空間データの場合には、3次元空間内の仮想道路上において企画車両モデルを走行させ、その運転者からの視界をシミュレーション表示する。また、風景データが、実際の風景をビデオ撮影して得られた2次元動画データである場合には、企画車両モデルを運転者の視点から投影した投影画像にその動画を重畳表示する。これにより企画車両モデルのフロントガラス及びドアガラス部分に車外の風景が表示されることになる。
【0069】
なお、以上のように企画車両を表示する際には、ただ企画車両モデルのみを表示するよりも、他の車両モデルと比較しながら評価した方が、評価を容易且つ正確に行うことができる場合が多い。そこで、本実施形態のコンピュータ1は、企画車両とは異なる他の車両の3次元モデルを生成し、投影画像表示モジュール15hを用いて、企画車両モデルと他の車両モデルとを重ね合わせて表示する。ここで他の車両とは、他の企画車両でも良いし、実存する車両でも良い。ここでは比較の対象となる実存車両をベンチマーク車と呼ぶ。ベンチマーク車を、3次元モデル化する場合には、3次元測定器を用いてベンチマーク車の各点の3次元座標を測定すればよい。
【0070】
図12は、企画車両モデルと他の車両モデルとを重ね合わせて表示した表示画像例を示す図である。この図12において、企画車両モデルはテクスチャマッピングされてソリッドモデル化されている一方で、他の車両モデルはワイヤーフレームモデル化されて表示されている。このように表示することにより、企画車両の形状を他の車両の形状と容易に比較することができ、他の車両と比べた場合のメリットやデメリットを的確に把握することができる。
【0071】
投影画像表示モジュール15hは、更に、ソリッドモデルの対象とワイヤーフレームモデルの対象を切換える機能を有している。これにより、企画車両をソリッド表示して他の車両をワイヤーフレーム表示したり、企画車両をワイヤーフレーム表示して他の車両をソリッド表示したりすることが容易に実現でき、より一層、それらの比較が容易になる。
【0072】
また、投影画像表示モジュール15hは、企画車両モデルと他の車両モデルとの少なくとも一方の位置を変更する機能を有する。つまり、図12のような画面を表示した状態で、他の車両モデルの企画車両に対する位置を変えて、重ね合わせの状態を変更することができる。例えば、それぞれのルーフトップの位置が一致するように表示したり、フロントピラー上端位置が一致するように表示したり、或いはハンドル中心が一致するように表示したりと、様々な表示が可能となり、あらゆる角度からそれらの車両を比較することが可能となる。これにより、企画車両の評価を高い精度で行うことができる。更に、投影画像表示モジュール15hは、企画車両モデルと他の車両モデルとで重ね合わない部分を強調して表示する機能を有する。例えば、企画車両モデルのピラーのうち、他の車両モデルと重ね合わした場合に企画車両モデルのみが表示されて他の車両モデルと重ね合わない部分を色を変えて表示することができる。例えば、図12の斜線1201で示す部分がこれにあたる。このように強調表示すれば、それらの車両形状の比較が一層容易になる。
【0073】
更に、投影画像表示モジュール15hは、ワイヤーフレームモデルの一部を非表示とする機能を有する。これにより、重ね合わせ表示の際に比較する必要のない部分のワイヤーフレームを非表示として、より一層それらの車両形状の比較を容易化することができる。なお、図12では、車内のインテリア部分の比較画面を例示したが、これに限らず、外形やシート配置などもソリッド表示とワイヤーフレーム表示で重ねることによって比較することも可能である。即ち、どの位置に視点を設定したとしてもこのような比較表示が可能となっている。
【0074】
一方、投影画像表示モジュール15hは、インテリアモデルを、奥行き感重視表示と、質感重視表示とで切換えて表示する機能をも有し、インテリアモデルの評価目的に応じた表示を可能としている。例えば、運転者から車外状況がどの程度視認できるかといった視認性を評価したい場合には奥行き感重視表示を行う。また、乗員がインテリアに対してどのような印象(かわいい、かっこいい、広々している、リラックスできるといった印象)を受けるかといった、インテリアそのもののデザインを評価したい場合には、質感重視表示を行う。奥行き感重視表示の例を図13(a)に、質感重視表示の例を図13(b)に示す。
【0075】
シミュレーションモジュール15iは、更に、インテリアモデルを評価する目的に応じた評価モードを選択する機能を有している。具体的には、視認性評価モード、デザイン評価モードといったボタンを含む評価目的選択画面(不図示)を表示して、ユーザ(企画者又は評価者)による評価モードの選択を可能としている。そして、選択された評価モードに応じて奥行き感重視表示と質感重視表示とを自動的に切換えてシミュレーション表示する。このようにすれば、評価モードを選択するだけで自動的にその評価目的に応じた表示が行われ、システムの利便性を向上することができる。
【0076】
なお、図13(a)に示すように、奥行き感重視表示においては、インテリアモデルの表面に、格子柄の2次元画像をテクスチャマッピングして、車内の奥行き感を強調している。なお、この格子は、車両の進行方向と平行な複数の線と、それと直角を為す線とから構成されている。一方、図13(b)に示すように、質感重視表示では、インテリアモデルの表面にシボ等の質感を表現する2次元画像をテクスチャマッピングしている。
【0077】
また、奥行き感重視表示では、質感重視表示に比べて、車外の風景と車内のインテリアとのコントラストを強く表示し、更に、エッジを強調した表示となっている。特に、奥行き感重視表示では車外の風景を明るく表示し、質感重視表示では、暗く表示している。これにより、奥行き感重視表示において、より車内の奥行き感が強調でき、評価精度を高めることが可能となる。
【0078】
(企画検証処理)
図14は、上記のような各モジュールを用いた企画検証処理の全体的な流れを示すフローチャートである。
【0079】
まず、ステップS1401において、上述したように設計テーブル15jを作成する。次に、ステップS1402〜S1405において、設計テーブルに入力されたデータを用いて、基準モデル1a、外形モデル1b、構造モデル1c、インテリアモデル1dを構築する。また、ベースモデルの変形では対応できない場合には、ステップS1406において、新規な部品モデルを作成する。
【0080】
そして、ステップS1407において、各モデルを組合せ、重畳表示する。その際、ステップS1408において、汎用部品を付加して表示しても良い。重畳表示の結果、乗員と外形との干渉などが無いことが確認できれば、ステップS1409からステップS1410に進み、全モデルを組み合わせた企画車両モデルを生成し、保存する。
【0081】
ステップS1407で重畳表示した結果、問題がある場合には、ステップS1409からステップS1401に戻り、設計テーブル15jを変更するか、或いは、表示画面上で変形を加えることによって、各モデルを修正する。
【0082】
ステップS1410において企画車両モデルが生成されると、次にステップS1411に進んで、シミュレーションモジュール15iを起動し、シミュレーション条件を設定する。すなわち、走行条件として、走行ルート、日照方向、天候、走行スピード、旋回スピードなどを設定し、更に、評価モードとして、視認性評価モードまたはデザイン評価モードを選択する。
【0083】
次に、ステップS1412において、設定された走行条件に合わせて、データベースサーバから読出した風景データと企画車両モデルの3次元データとを組合せる。そして、企画車両モデルの運転手の視点から見える動画像をディスプレイに表示し、複数の評価者により視認性、圧迫感などの評価を行う。
【0084】
視認性や圧迫感に問題がなければ、企画書の作成、デザイン開発に進む。何らかの問題があれば、ステップS1413からステップS1401に戻って設計テーブルを修正したり、或いは、インテリアモデルのみを表示画面上で修正したりする。また、他の走行条件で再評価を行う場合には、ステップS1411に戻って、走行条件を変更し再度シミュレーション表示を行う。
【0085】
(評価システム)
以上のように、図14に示すフローチャートの処理によって生成されたシミュレーション画像15mは、例えば、図15に示す評価システムにおいて表示され、複数の評価者が企画車両の視認性を評価するために用いられる。
【0086】
図15(a)に示す評価システムでは、ネットワーク接続された複数の評価用端末1501のそれぞにシミュレーション画像15mを表示し、それぞれの端末1501で入力されたマークやコメントやコメントの対象となる静止画像などをオペレータ用の端末1502に集約する。
【0087】
また、図15(b)に示す評価システムでは、プロジェクタ1503を用いてスクリーン1504にシミュレーション画像15mを表示し、複数の評価者がその画像を同時に見ながら評価用パッド1505にてコメントを入力する。そして入力されたコメントをその入力タイミングの情報と共にオペレータ用端末1506に集約する。
【0088】
このように、企画車両の3次元モデルを構築し、仮想的に道路上を移動させて、その企画車両モデルの運転手の視点からみた映像をシミュレーション表示すれば、企画者は、試作車を作成することなく、運転手の視認性や圧迫感などの居住性やデザイン性を視覚的に評価することができる。これにより、車両の企画立案に必要な時間及びコストを、大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る企画支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態のデータベース及びコンピュータに格納されるデータを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る諸元値の入力画面例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る外形モデルの局所変形について説明する図である。
【図5】本発明の実施形態に係る企画車両モデルの表示画像例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る部品モデルの表示画像例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る斬新なデザインを盛込んだ企画車両モデルの表示画像例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る企画車両モデルの登録データ例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る企画車両モデルの表示画像例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る企画車両モデルの登録画面例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るシミュレーション表示画像例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る企画車両モデルと比較車両モデルの重ね合わせ表示画像例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係るインテリアモデルの奥行き感重視表示の例及び質感重視表示画像例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る車両企画処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態に係る企画車両モデルの評価システムの例を示す図である。
Claims (9)
- 車両の企画立案を支援する企画支援システムであって、
企画車両を3次元データで表した企画車両モデルを生成する第1生成手段と、
前記企画車両とは異なる車両を3次元データで表した車両モデルを生成する第2生成手段と、
前記企画車両モデルと前記車両モデルとを、一方をソリッドモデル化し、他方をワイヤーフレームモデル化して重ね合わせて表示する表示手段と、
を含むことを特徴とする企画支援システム。 - 車両の外形を3次元データで表した外形ベースモデルと、車両内の乗員の居住空間を3次元データで表した乗員ベースモデルと、車両内のインテリアを3次元データで表したインテリアベースモデルとを記憶するデータベースと、
企画車両の諸元値データを入力する入力手段と、
前記外形ベースモデル、前記乗員ベースモデル及び前記インテリアベースモデルを、前記諸元値データに応じてそれぞれ変形して外形モデル、乗員モデル及びインテリアモデルを構築する構築手段と、
を更に含み、
前記第1生成手段は、前記外形モデル、前記乗員モデル及び前記インテリアモデルを組み合わせて前記企画車両モデルを生成することを特徴とする請求項1に記載の企画支援システム。 - 前記表示手段は、前記ソリッドモデルの対象と前記ワイヤーフレームモデルの対象を切換える切換え手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の企画支援システム。
- 前記表示手段は、前記企画車両モデルと前記車両モデルとの少なくとも一方の位置を変更する変更手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の企画支援システム。
- 前記表示手段は、前記企画車両モデルと前記車両モデルとで重ね合わない部分を強調して表示することを特徴とする請求項1に記載の企画支援システム。
- 前記表示手段は、前記ワイヤーフレームモデルの一部を非表示とすることを特徴とする請求項1に記載の企画支援システム。
- 車両の企画立案を支援する企画支援方法であって、
企画車両を3次元データで表した企画車両モデルを生成する第1生成工程と、
前記企画車両とは異なる車両を3次元データで表した車両モデルを生成する第2生成工程と、
前記企画車両モデルと前記車両モデルとを、一方をソリッドモデル化し、他方をワイヤーフレームモデル化して重ね合わせて表示する表示工程と、
を含むことを特徴とする企画支援方法。 - 車両の企画立案を支援する企画支援プログラムであって、
コンピュータに
企画車両を3次元データで表した企画車両モデルを生成する第1生成工程と、
前記企画車両とは異なる車両を3次元データで表した車両モデルを生成する第2生成工程と、
前記企画車両モデルと前記車両モデルとを、一方をソリッドモデル化し、他方をワイヤーフレームモデル化して重ね合わせて表示する表示工程と、
を実行させることを特徴とする企画支援プログラム。 - 請求項8に記載の企画支援プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
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