JP4666209B2 - 車両企画支援システム - Google Patents
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Description
一方、多数のオブジェクトが含まれる市街地の背景画像の中を車両モデルに高速走行させることも不自然であり、却って正確な評価を妨げてしまう。
このように車室内画像に、グリッド画像を追加表示すれば、車室内の形状が明らかとなり、走行時の圧迫感をより正確に評価することができる。
(1.システム全体)
まず、図1を参照して、実施形態における車両企画支援システムの概要を説明する。図1は、本実施形態の車両企画支援システムの基本構成を示すブロック図である。
本実施形態による車両企画支援システム1は、画面上に車両モデルを表示して車両の企画を支援する車両企画支援システムであって、コンピュータ2と、データベースサーバ4と、評価用モニタ6とから構成されている。
このコンピュータ2は、CPU8、ROM10、RAM12,記憶部14、入力部16、表示部18、画像処理部20、及び通信部22を有し、これらは互いにシステムバスを介して接続されている。
ROM10には、コンピュータ2を起動させるブートプログラム等が格納されている。
記憶部14は、ハードディスクドライブ等の記憶装置である。この記憶部14は、企画支援プログラム格納部を有し、そこにモデル構築部の機能、及びシミュレーション部の機能をそれぞれ実現するための企画支援プログラム30(図2参照)が格納されている。
CPU8は、中央演算装置であり、一般的なコンピュータの演算処理に加え、企画支援プログラム30(図2参照)による処理を実行する。
表示部18は、液晶ディスプレイ等であり、画像処理部20で演算処理された車両モデルやデータを表示する。
通信部22は、無線又は有線の通信回線を介して、データベースサーバ4、評価用モニタ装置6及び他のコンピュータ(図示せず。)との間で情報を送受信するものである。
次に、図2を参照して、データベースサーバ4について説明する。
データベースサーバ4には、図2に示すように、種々の車両データや仮想空間データがそれぞれ格納された種々のデータベースが含まれている。
次に、図3を参照して、評価用モニタ装置6について説明する。
図3に示すように、評価用モニタ装置6は、プロジェクタ24と、平面スクリーン26とを備えている。プロジェクタ24は、画像処理部20で演算処理された情報に基づいて、車両モデルを平面スクリーン26に後方から投影する。そして、平面スクリーン26の前方に位置する車両企画者(企画車両の評価や、車両企画支援システムの操作等を行う者)が、それらの車両モデルを表示する画面28を見ることができるようになっている。これにより、評価用モニタ装置6により、試作車を製作しなくても、車両企画者が企画車両の検討や評価を行うことができる。
次に、企画支援プログラム30、及び、企画支援システムにおける企画支援プログラムによる処理の流れの概要について説明する。
図3に示すように、企画支援プログラム30には、データベースサーバ4に格納された車両データを利用して、企画しようとする車両の車両モデルを構築するためのモデル構想プログラム32と、モデル構築手段によって構築された車両モデルを立体画像として評価用モニタ装置6に表示するシミュレーションプログラム34とが含まれている。
さらに、コンピュータ2でシミュレーションプログラム34による処理を実行して、車両モデルを表示して、企画車両の評価を行う。
まず、企画支援プログラム30のうちのモデル構想プログラム32、及び、そのプログラムの処理をコンピュータ2により実行することによる車両企画支援について説明する。
図3に示すように、モデル構想プログラム32には、諸元値入力プログラム(諸元値入力画面表示プログラム)36、車両モデルデータ生成プログラム38、及びモーフィング画面表示プログラム40が含まれている。
また、シミュレーションプログラム34には、シミュレーション画像表示プログラム44が含まれている。
まず、構想モデルプログラムのうち、諸元値入力プログラム36について説明する。
諸元値入力プログラム36は、車両企画者の入力等に基づいて「諸元値データ」を生成するためのプログラムである。ここで、「諸元値データ」とは、企画車両の車型や車両寸法を決定する寸法等の諸元値等をいう。また、車型とは、スポーツ、セダン、トラックなどの車両のタイプをいう。
そして、諸元値入力プログラム36により入力された諸元値を利用して、以下に説明する車両モデルデータ生成プログラムにより、車両モデルのための車両モデルデータが生成される。
次に、モデル構成プログラムのうち、車両モデルデータ生成プログラム38について説明する。
車両モデルデータ生成プログラム38は、諸元入力プログラム36によって入力された諸元値データ、及びデータベースサーバ4に格納されている車両データに基づいて、企画車両の「車両モデルデータ」を生成するためのプログラムである。車両モデルデータは、例えば、データベースサーバ4からテンプレートとして読み出した車両データに諸元値データを代入して生成され、例えば、3次元座標データの集合により構成される。そして、この車両モデルデータにより、企画車両の形態としての「車両モデル」の表示が可能となる。
基準モデルデータ生成プログラム46による処理を実行することにより、データベースサーバ4に格納されている基準データベース60に基づいて、基準モデル80のための基準モデルデータが生成される。基準モデル80は、企画車両における乗員配置等のパッケージングや企画車両の基本的な諸元値を規定するモデルである。
また、外観モデルデータ生成プログラム52による処理を実行することにより、データベースサーバ4に格納されている外観データベース62に基づいて、外観モデル90のための外観モデルデータが生成される。外観モデル90は、企画車両の外観イメージ等を規定するモデルである。外観モデル90には、図4に示すように、エクステリアモデル92が含まれる。
また、外観パーツモデルデータ生成プログラム100による処理を実行することにより、データベースサーバ4に格納されている外観パーツデータベース64に基づいて、外観パーツモデル100のための外観パーツモデルデータが生成される。外観パーツモデル100は、企画車両の外観の一部を構成するドアやウインドウガラスの形状や配置を個別に規定するモデルである。外観パーツモデル100には、図4に示すように、ドアモデル102及びガラスモデル104が含まれている。
また、内装モデルデータ生成プログラム52による処理を実行することにより、データベースサーバ4に格納されている内装データベース66に基づいて、内装モデル110のための内装モデルデータが生成される。内装モデル110は、企画車両の内装を構成するトリムやトップシーリング等の形状及び配置に関する種々の寸法や角度を規定するモデルである。内装モデル110には、図4に示すように、上部インテリアモデル112及び下部インテリアモデル114が含まれる。
さらに、図8(b)に下部インテリアモデル112の表示例を示す。下部インテリアモデル114は、前後ドア及びリフトゲートのトリム114a、カウルサイドトリム114b、Bピラー下部トリム114c、リアサイドトリム114d及びスカッフプレート114eに関するモデルである。
また、内装パーツモデルデータ生成プログラム54による処理を実施することにより、データベースサーバ4に格納されている内装パーツデータベース68に基づいて、内装パーツモデル120のための内装パーツモデルデータが生成される。内装パーツモデル120は、企画車両の内装の一部を構成するインパネやコンソールやとシートの配置や形状に関する種々の数値や角度を規定するモデルである。
次いで、図10に示すように、これらのモデルを重ね合わせて表示することにより、互いの干渉状態等を視覚的に確認することができる。
そのような車両モデルの調整は、以下に説明するモーフィング画面表示プログラムにより容易に行うことができる。
次に、モデル構想プログラムのうち、モーフィング画面表示プログラムについて説明する。
モーフィング画面表示プログラムは、車両モデルデータ生成プログラム38により生成されたモデルデータに基づいて、表示部18の画面上に車両モデルを表示し、且つ、その車両モデルを表示しながら変形させるためのプログラムである。モーフィング画面表示プログラムには、図3に示すように、3次元モーフィング画面表示プログラム58と、2次元モーフィング画面表示プログラム56とが含まれている。
コンピュータで3次元モーフィング画面表示プログラム58による処理を実行することにより、3次元モーフィング画面が表示される。
ここで、図11及び図12に、3次元モーフィング画面の表示例を示す。図11に示すように、3次元モーフィング画面では、車両モデルを任意の視点から見た3次元的な形状を、その視点に合わせて遠近感が出るよう表示することができる。また、図10に示したように、外観モデル90や乗員モデル84等の個々の車両モデルを任意に組み合わせて表示してもよいし、個々の車両モデルを別個に表示してもよい。
なお、図11では、「A」で示すような一部分の諸元ポイントだけを表示している。
また、コンピュータで2次元モーフィング画面表示プログラムによる処理を実行することにより、2次元モーフィング画面が表示される。2次元モーフィング画面では、車両を側面、平面又は正面から見た所定の断面、及び主要な形状に関する諸元値のみを選択的に組み込んだ車両モデル(2次元車両モデル)が表示される。
これらの2次元モーフィング画面では、車両モデルは、所定の断面及び主要な形状が直線や曲線で表示される(モーフィング形状表示)。例えば、図13(a)では、側面図表におけるモーフィング形状表示として、車両中間面の断面上に表れるルーフやカウル等の形状、及び側面形状を特徴付けるベルトライン形状等の主要な形状が太線で表示されている。
次に、図3に示す企画支援プログラム30のうち、シミュレーションプログラム34について説明する。シミュレーションプログラム34は、車両モデルデータに基づいて、車両モデルを評価用モニタ装置6に立体表示させるためのプログラムである。
なお、評価用モニタ装置6では立体映像が表示されるが、図15をはじめとするシミュレーション画像を示す図面では、通常の平面画像として示す。
このようにオブジェクトレス背景画像を補正することにより、走行シミュレーションにおいて速度感覚を強めることができる。
図21に示す表示例では、車室内画像の明るさを、運転者に近い部分ほど暗くする。具体的には、車室内画像の天井部分の明るさを、手前に来るほど暗くなるように表示する。このように、運転者に近い部分ほど暗くすることにより、車室内の圧迫感を強めることができ、走行時の圧迫感をより正確に評価することができる。
また、本発明において、手段とは、必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウエアによって実現される場合も包含する。また、一つの物理的手段の機能が二以上の物理的手段により実現されてもよいし、二以上の物理的手段の機能が一つの物理的手段により実現されてもよい。
2 コンピュータ
4 データベースサーバ
6 評価用モニタ装置
30 企画支援プログラム
32 モデル構想プログラム
34 シミュレーションプログラム
36 諸元値入力プログラム
38 車両モデルデータ生成プログラム
40 モーフィング画面表示プログラム
210 モデル構築部
220 シミュレーション部
222 背景画像選択部
224 背景画像補正部
226 画像合成表示部
228 車室内画像補正部
Claims (2)
- 画面上に車両モデルを表示して車両の企画を支援する車両企画支援システムであって、 車両データ及び仮想空間データを格納したデータベースサーバと、
上記データベースサーバに格納された上記車両データを利用して、企画しようとする車両の車両モデルを構築するモデル構築手段と、
上記モデル構築手段によって構築された車両モデルを立体画像として評価用モニタ装置に表示するシミュレーション手段と、
を有し、
上記シミュレーション手段は、
上記評価用モニタ装置に表示する背景画像を構成する仮想空間データを上記データベースサーバから選択する背景画像選択手段と、
上記背景画像選択手段によって選択された仮想空間データにより構成される背景画像が、道路以外にオブジェクトが表示されていないオブジェクトレス背景画像である場合に、上記オブジェクトレス背景画像の距離感及び/又は速度感を強める補正を行う背景画像補正手段と、
車両モデルの運転席から前方を見た車室内画像と、上記運転席から見た前方視界としての背景画像とを合成して表示する画像合成手段と、を有し、
上記背景画像補正手段は、上記オブジェクトレス背景画像の距離感及び/又は速度感を強める補正として、
上記オブジェクトレス背景画像に、遠方部分ほど間隔を狭くしたグリッド画像を追加表示する補正、
上記オブジェクトレス背景画像に、色を遠方部分ほど薄く、近い部分ほど濃くした空の画像を追加表示する補正、及び
上記オブジェクトレス背景画像に、色を遠方部分ほど薄く、近い部分ほど濃くした建物群画像を、道路に沿って追加表示する補正
の中から選択した1つ又は2つ以上の組合せの補正を行うことを特徴とする車両企画支援システム。 - 上記シミュレーション手段は、上記車室内画像の奥行き感を強める補正を行う車室内画像補正手段を更に有し、
上記車室内画像補正手段は、上記車室内画像の奥行き感を強める補正として、
上記車室内画像に、車両モデルの車室内の表面の形状に従うグリッド画像を追加表示する補正、及び、
上記車室内画像において、明るさを運転者に近い部分ほど暗くする補正
の少なくとも一方の補正を行う請求項1記載の車両企画支援システム。
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