JP3777606B2 - 企画支援プログラム、方法、装置並びに記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の企画立案を支援するプログラム、方法、装置並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両の企画立案の際には、その車両の概要を表す2次元図面を作成し、図面に基づいて企画の善し悪しを判断していた。そして、その企画に変更点があった場合には、再度、一から図面を作成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、従来の企画立案作業においては、図面の作成に多大な労力を費やしており、大幅な時間及びコストがかかるという問題があった。更に、2次元の図面では、車両のイメージがつかみにくいという問題もあった。
【0004】
また、従来は、図面作成工程において、乗員の居住空間などの自由度の少ないファクターに引きずられて、本来自由度の大きいはずの外形形状を無難なものとしてしまう傾向があり、斬新な設計の車両が生みだされにくかった。
【0005】
また、たとえ車両の外形形状の作成を自動的に行う技術が提案されたとしても、その外形形状の作成に必要な外形諸元値が多いとその入力に非常に手間がかかり現実的ではない。
【0006】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、車両の企画立案を効率的かつ効果的に行うことのできる企画支援プログラム、企画支援方法、企画支援装置並びに記録媒体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明の車両の企画を支援する企画支援プログラム、企画支援方法、並びに企画支援プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータに、ユーザによる車両の外形寸法を規定する外形諸元値入力を受け付ける入力工程と、車両の外部形状に関する外形パラメータグループを読出し、読出した前記外形パラメータグループに含まれる外形パラメータを、前記外形諸元値及び所定のルールに基づいて変更して、車両の外観を表す外形モデルを構築する外形モデル構築工程と、ユーザにより入力された車両内での乗員の着座状態に関する乗員パラメータに基づいて人型モデル及びシートモデルを読み出し、該モデルに基づいて乗員の居住性を表す居住空間モデルを構築する居住空間モデル構築工程と、前記外形モデル構築工程で構築された外形モデルと、前記居住空間モデル構築工程で構築された居住空間モデルとを重畳表示する表示工程と、を実行させ、前記外形諸元値は、車幅方向の中心で、かつルーフパネル上の特定位置に設定された定義点の座標と、車幅方向の中心で、かつフロントバンパー及びリアバンパーの前後方向に対する最突出部位置に設定された定義点の座標と、車体側面の車幅方向における最突出部位置に設定された定義点の座標と、車幅方向の中心で、かつフロントウインドガラスの下端に設定された定義点の座標と、を決定するための値を含み、前記所定のルールは車型毎に設定され、前記外形モデル構築工程では、これらの定義点の座標を元に、前記車両の車型に応じた前記所定のルールに基づいて、他の車両部位の座標を自動的に導き出し、前記外形モデルを構築することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る企画支援装置は、ユーザによる車両の外形寸法を規定する外形諸元値入力を受け付ける入力手段と、車両の外部形状に関する外形パラメータグループを読出し、読出した前記外形パラメータグループに含まれる外形パラメータを、前記外形諸元値及び所定のルールに基づいて変更して、車両の外観を表す外形モデルを構築する外形モデル構築手段と、ユーザにより入力された車両内での乗員の着座状態に関する乗員パラメータに基づいて人型モデル及びシートモデルを読み出し、該モデルに基づいて乗員の居住性を表す居住空間モデルを構築する居住空間モデル構築手段と、前記外形モデル構築手段で構築された外形モデルと、前記居住空間モデル構築手段で構築された居住空間モデルとを重畳表示する表示手段と、を備え、前記外形諸元値は、車幅方向の中心で、かつルーフパネル上の特定位置に設定された定義点の座標と、車幅方向の中心で、かつフロントバンパー及びリアバンパーの前後方向に対する最突出部位置に設定された定義点の座標と、車体側面の車幅方向における最突出部位置に設定された定義点の座標と、車幅方向の中心で、かつフロントウインドガラスの下端に設定された定義点の座標と、を決定するための値を含み、前記所定のルールは車型毎に設定され、前記外形モデル構築手段は、これらの定義点の座標を元に、前記車両の車型に応じた前記所定のルールに基づいて、他の車両部位の座標を自動的に導き出し、前記外形モデルを構築することを特徴とする。
【0009】
更に、本発明に係る企画支援システムは、ユーザによる車両の外形寸法を規定する外形諸元値入力を受け付ける入力手段と、車両の外部形状に関する外形パラメータグループを複数格納したデータベースと、前記データベースから、1つの前記外形パラメータグループを選択する選択手段と、選択した前記外形パラメータグループに含まれる外形パラメータを、前記諸元値及び所定のルールに基づいて変更して車両の外観を表す外形モデルを構築する外形モデル構築手段と、人型モデル及びシートモデルを格納した乗員データベースと、ユーザにより入力された車両内での乗員の着座状態に関する乗員パラメータに基づいて前記乗員データベースから前記人型モデル及び前記シートモデルを読み出し、該モデルに基づいて乗員の居住性を表す居住空間モデルを構築する居住空間モデル構築手段と、前記外形モデル構築手段で構築された外形モデルと、前記居住空間モデル構築手段で構築された居住空間モデルとを重畳表示する表示手段と、を備え、前記外形諸元値は、車幅方向の中心で、かつルーフパネル上の特定位置に設定された定義点の座標と、車幅方向の中心で、かつフロントバンパー及びリアバンパーの前後方向に対する最突出部位置に設定された定義点の座標と、車体側面の車幅方向における最突出部位置に設定された定義点の座標と、車幅方向の中心で、かつフロントウインドガラスの下端に設定された定義点の座標と、を決定するための値を含み、前記所定のルールは車型毎に設定され、前記外形モデル構築手段は、これらの定義点の座標を元に、前記車両の車型に応じた前記所定のルールに基づいて、他の車両部位の座標を自動的に導き出し、前記外形モデルを構築することを特徴とする。
【0010】
前記外形諸元値が、更に、車体側面に形成されたホイールハウジングの前後方向の中心に設定された定義点の座標を決定するための値を含むことは好適である。
【0011】
前記外形諸元値が、前記定義点の座標を決定するための値のみからなり、前記外形モデル構築工程では、前記定義点の座標のみを元に、他の車両部位の座標を自動的に導き出し、前記外形モデルを構築することも好適である。
【0012】
【発明の効果】
本発明よれば、車両の外観に関する外形パラメータグループを読出し、読出した前記外形パラメータグループに含まれる前記外形パラメータを変更することで、車両の外形モデルを構築できる。また、車両内の乗員の着座状態に関する乗員パラメータに基づいて人型モデル及びシートモデルを読み出し、該モデルに基づいて乗員の居住性を表す居住空間モデルを構築できる。そして、これらの外形モデル及び居住空間モデルを重畳表示することもできる。
【0013】
従って、企画の再考にあたり、車両の外形の練り直しを行う場合には、外形パラメータを変更すればよいし、車両の内部空間の練り直しを行う場合には、乗員パラメータを調整すればよく、従来に比べ、非常に作業を効率化できる。
【0014】
つまり、従来は、2次元の図面上で、運転手の視界をさえぎらないように、そして、乗員に圧迫感を与えないように、外形形状を決めていたが、本発明は、外形モデルを居住空間モデルとは独立に構築し、かつ、居住空間モデルの調整を行うことも可能なので、内部空間の制約に縛られることなく、自由な発想で効果的に外形の設定を行うことができる。
【0015】
たとえば、車両外形が、運転手の視界をさえぎったり、乗員に圧迫感をあたえたりする可能性を含んでいたとしても、外形モデルを変更せずに、シートの角度や、内装のカラーリングなどを調整することにより、それらの問題の回避を図ることができる。更には、乗員に、多少の圧迫感や窮屈さを許容させることもできる。これはつまり、人と物との干渉が問題となるからであり、本発明では、単純に物と物の干渉を回避する場合とは全く異なる発想で企画及び検証を行うことができる。
【0016】
更には、外形モデル構築工程で構築された外形モデルと、居住空間モデル構築工程で構築された居住空間モデルとを重畳表示することができるので、車室空間内に乗員が納まるか否かなどのパッケージング成立性の検証を迅速に行うことができる。
【0017】
また、所定の車両外観を規定する上で非常に重要な定義点の座標を、外形諸元値によって直接設定できるため、他の外形部位に左右されることなくユーザの意思をストレートに表した外形モデルを構築することができる。
更に、車型毎に前記所定のルールを設定しているため、変形時のモデルの形状を現実的なものとして表示でき、検証作業の精度を向上できるとともに、手作業によるモデルの形状変更を少なくでき作業効率を大幅に向上できる。
【0018】
また、本発明(請求項2,6,8,10)によれば、車体側面に形成されたホイールハウジングの前後方向の中心に設定された定義点の座標を諸元値によって直接変更可能としているため、上記請求項1の効果に加えて、外形モデルを構築する際にフロントバンパー及びリヤバンパーの位置とは独立に車室の形状を決めることができる。
【0019】
また、本発明(請求項3)によれば、他の車両部位の座標は、この定義点との関係で自動的に導き出されるので、ユーザの諸元値入力の手間が非常に少なくてすむ。
【0020】
詳細には、入力すべき諸元値が多いと、入力作業が煩雑になり、かつ、入力者の既成概念に基づく車両形状となる可能性が高いが、本発明は、入力すべき諸元値を、必要最低限と思われる値に絞るので、入力作業を簡単にし、既成概念に囚われずに自由な発想の車両を企画可能とする。
【0021】
更に、車幅方向の中心で、かつフロントウインドガラスの下端に設定された定義点の座標を諸元値によって直接変更可能としているため、外形モデルを構築する際にルーフパネル位置とは独立にカウルボックスやボンネットの形状を決めることができる。従って、諸元値を入力するだけで、より入力者のイメージに近い形状モデルを構築することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。なお、本明細書において、外形モデル、居住空間モデル、構造モデルとは、それぞれ車両の外観、シート及び乗員の状態、骨組み構造を表す座標データの集合体である。また、諸元値とは、車両形状を決定する寸法をいい、例えば、全高、全幅、全長などは含まれるが、居住空間を決定する乗員パラメータは含まれない。また、車型とは、スポーツ、セダン、トラックなどの車両のタイプをいい、車種とは、製品化された車両の銘柄(商標)をいうものとする。
【0023】
(全体のシステム構成)
まず、本実施形態としての企画支援システムの全体構成について説明する。
【0024】
図1は、本実施形態に係る企画支援システム100の構成を例示する図である。
【0025】
図1の企画支援システム100は、ネットワーク接続された企画支援装置としてのコンピュータ1とデータベースサーバ2とを含むものである。また、コンピュータ1は、CPU11、ROM(Read Only Memory)13、RAM(Random Access Memory)14、外部記憶部15、入力部16、表示部17、画像処理部18及び通信部19を備え、それぞれは、システムバス12によって接続されている。
【0026】
CPU11は、一般的なコンピュータとしての演算処理や車両の企画を支援するための情報処理を実行する。
【0027】
ROM13には少なくともコンピュータシステムを起動させるためのブートプログラムが格納されている。RAM14は、コンピュータシステム上で走るプログラムを一時的に格納するためのプログラム領域や、データの書き込みや読み出しを行うためのデータ領域を有する。また、外部記憶部15には、新型車両の企画検証を支援するための企画支援プログラム60が格納されている。この外部記憶部15としては、例えば、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、光磁気ディスクドライブ、CD−ROMドライブ、CD−Rドライブ、CD−RWドライブ、DVD(DVD−ROM,DVD−R)ドライブなどのデバイスが適用可能である。この場合、各ドライブから取り外し可能なCD−ROMなどの記憶媒体に企画支援プログラムが格納され、コンピュータ1が記憶媒体に格納されたプログラムを読み出して、以下に説明する各種処理を実行する場合には、そのような記憶媒体そのものが本発明の範疇に含まれる。
【0028】
入力部16は、命令やデータなどを外部から入力するキーボードやマウスなどのデバイスであり、表示部17は、CPU11からの制御指令に基づき画像処理部18で演算処理された文字や画像データを出力する液晶ディスプレイやCRTなどのデバイスである。画像処理部18は、この表示部17により出力させるための画像データを演算処理するデバイスであり、通信部19は、無線又は有線の通信回線(例えば、インターネット網や携帯電話網)を介して他のコンピュータシステムやデータベースサーバ2との間で通信して、遠隔からプログラムやデータなどを送受信可能とする。
【0029】
図2は、企画支援システムに含まれるコンピュータ1とデータベースサーバ2に含まれるデータを示す図である。
【0030】
データベースサーバ2は、図2に示すように、車両の3次元外部形状に関する外形パラメータグループを、車型毎に分類分けして格納した外形データベース2aと、車両の骨組みの3次元構造及び断面形状に関する構造パラメータグループを同じく車型毎に分類分けして格納した構造データベース2bと、国内外の規格に準じた乗員サイズ(大人や子供の標準規格)により定義されたいくつかのタイプの乗員モデルを格納した乗員データベース2cと、完成した車両のパラメータを格納した完成品データベース2dとを含む。
【0031】
コンピュータ1は、ユーザの入力に基づき、企画対象となる車両に関する各種諸元値や乗員の着座位置情報などを含む設計テーブル1aを作成する。そして、設計テーブル1aに基づいてデータベースサーバ2にアクセスし、所望のデータ(パラメータグループ)を読出して変形することによって、基準モデル1b、外形モデル1c、構造モデル1dと呼ばれる3つのモデルを構築し、更に、これら3つのモデルを重ね合わせて全体モデル1eを構築する。
【0032】
設計テーブル1aには、車両内での乗員の着座状態に関する乗員パラメータとして、乗員着座位置(ヒップポイント)やシート配列(1列、2列や3列シートなどのシート数)が入力されている。そして、コンピュータ1では、この乗員パラメータに基づいて、乗員データベース2cから読出した人型モデル及びシートモデルを組合せ、変形して乗員の居住性を表す居住空間モデル1fを構築する。この居住空間モデル1fは、外形モデル1cを構築するために入力される車両諸元値の影響を受けるものではなく、外形モデル1cと居住空間モデル1fは連動して変形することはない。
【0033】
また、この居住空間モデル1fの車両内での位置を規定する車両基準モデル1gを、設計テーブル1aに入力された車両の全長、全幅、全高、ホイールベース、などから構築する。更に、運転手の目の位置を示すアイポイント及び最低限確保すべき運転手の視界に基づいて決められた上端を有し、入力された諸元値に基づいて決められたカウルトップポイントを下端とするフロントガラスモデル1hが構築されている。そして、居住空間モデル1fと車両基準モデル1gとフロントガラスモデル1hを組み合わせることによって、基準モデル1bを構築する。
【0034】
コンピュータ1では基準モデル1bを3次元空間に描画し、表示部17に表示することが可能であり、かつ、例えばポインティングデバイスなどの入力部16を用いて、その3次元空間上で、基準モデル1bに含まれる乗員の着座姿勢などを調整することができる。
【0035】
また、コンピュータ1は、設計テーブル1aに格納された、車型(ハッチバック、ミニバン、セダン、スポーツ、オープン、トラックのいずれか)に基づいて外形データベース2aから、その車型の外形パラメータグループを選択し、読出す。そして、設計テーブル1aに格納された各種諸元(全長、全幅、全高、ホイールベース、フロント及びリアオーバハング)を用いて、外形パラメータグループに含まれる所定の外形パラメータ(バンパー先端位置の座標やルーフトップの座標など)を変更して、諸元に沿った大まかな外形モデル1cを構築する。コンピュータ1では外形モデル1cを3次元空間に描画し、表示部17に表示することが可能であり、かつ、例えばポインティングデバイスなどの入力部16を用いて、その3次元空間上で、外形モデル1cを変形することができる。
【0036】
また、コンピュータ1は、設計テーブル1aに格納された車型及び車両骨組み構成に基づいて、構造データベース2bから構造パラメータグループを選択し、読出す。そして、設計テーブル1aに格納された各種諸元(断面形状や材質や重量や強度など)を用いて、構造パラメータグループに含まれる所定の構造パラメータ(外観に現れる骨組みの外形形状や骨組みの断面形状)を変更して、諸元に沿った構造モデルを構築する。更に、コンピュータ1では構造モデル1dを3次元空間に描画し、表示部17に表示することが可能である。
【0037】
更に、コンピュータ1は、構築された基準モデル1b、外形モデル1c、構造モデル1dを組み合わせて全体モデル1eを構築し、全体モデル1eを3次元空間に描画し、表示部17に表示することが可能である。
【0038】
次に、コンピュータ1に含まれるプログラムについて説明する。
【0039】
図40は、本実施形態の企画支援システムを実現する企画支援プログラムの構成を示す図である。
【0040】
設計テーブル1aは、例えば、オペレーティングシステム上で動作する表計算ソフト40によって作成できる。また、各種モデル1b、1c、1dは、表計算ソフト40で作成した設計テーブル1aから値を抽出して計算する3次元CADソフト50によって作成することができる。
【0041】
つまり、本システムを実現する企画支援プログラム60は、表計算ソフト40に組み込まれた設計テーブル作成プログラム61と、3次元CADソフトに組み込まれた基準モデル構築プログラム62、外形モデル構築プログラム63、構造モデル構築プログラム64、3次元画像生成、表示プログラム65とを含む。
【0042】
設計テーブル作成プログラム61は、ユーザに車両の諸元などを入力させるグラフィカルユーザインタフェースを表示する機能を含む。これにより、ユーザは、容易に各種諸元や乗員の着座位置、着座姿勢などを入力することができる。
【0043】
また各種モデル構築プログラム62〜64は、設計テーブル作成プログラム61で作成された設計テーブル1aを参照する機能を有し、更に、設計テーブル1aの内容に基づいて、乗員データベース2c、外形データベース2a、構造データベース2bに含まれるパラメータグループを読出し、所定のパラメータを自動的に変更する機能を有する。
【0044】
なお、ここでは、設計テーブル作成プログラムと他のプログラムが異なるソフト上で実行されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、企画支援用ソフトの中に、設計テーブル作成機能、基準、外形、構造モデル構築機能、画像生成、表示機能の全てを搭載させても良い。
【0045】
図3は、基準モデル構築プログラム62によって構築された基準モデルを、表示プログラム65で表示部17に表示した場合の表示画面例を示す図である。
【0046】
また、図4は、基準モデルから居住空間モデルのみを取りだした場合の表示画面例を示す図である。ここでは、居住空間モデルは、左前輪の中心を原点とする座標データの集合となっている。一方、車両基準モデルも同じ点を原点とした座標データとなっており、この原点を基準に図3のように重ねて表示される。
【0047】
図5は、外形モデル構築プログラム63によって構築された外形モデルを、表示プログラム65で表示部17に表示した場合の表示画面例を示す図である。外形モデルは、車両の全長、全幅、全高、ホイールベースなどの諸元値やワゴンやセダンなどの複数の車型といったパラメータにより定義され、入力されたパラメータから図5のような3次元画像データが画像処理により自動生成されて表示される。
【0048】
図6は、構造モデル構築プログラム64によって構築された外形モデルを、表示プログラム65で表示部17に表示した場合の表示画面例を示す図である。構造モデルは、設計テーブルに入力された、骨組み構造を示すパラメータと、フロントピラーやセンタピラーなどの部位ごとの断面形状を示すパラメータとにより定義され、入力されたパラメータから図6のような3次元画像データが画像処理により自動生成されて表示可能となっている。
【0049】
図7は基準モデルと外形モデルと構造モデルとを重ね合わせた完成モデルの画像表示例、図8は基準モデルと構造モデルとを重ね合わせた場合の画像表示例を夫々示している。各モデルは、基準点を有しており、その基準点同士を重ね合わせることによって、図7、8のように表示される。なお、重ね合わせの基準点については、以下の[モデル重畳表示の基準点]の欄で詳しく述べる。
【0050】
基準モデルと外形モデルとを重ね合わせることにより、車両のパッケージング状態(乗員のヘッドクリアランスや圧迫感)や視認性を検証することができる。また、更に構造モデルを重畳表示することにより、衝突性能や車体剛性などを検証でき、車室内から見たドライバの視界範囲などの詳しい評価を行うことができる。
【0051】
車両基準モデルと外形モデルと構造モデルは共通のパラメータを有しており、その変更により互いに連動して変形する。一方、居住空間モデルは、外形モデルや構造モデルとは共通するパラメータを有しておらず、外形モデルや構造モデルを変更しても連動しない。これにより、外形モデルを居住空間モデルとを独立に構築でき、内部空間の制約に縛られることなく、自由な発想で効果的に外形の設定を行うことができる。また逆に、外形形状に囚われずに自由な発想で居住空間の企画立案を行うことができる。
【0052】
図9、図10は、基準モデルと外形モデルと構造モデルとを重ね合わせた完成モデルの他の画像表示例を示している。図7と異なり、図9の表示例では外形モデルを半透過表示し、図10の表示例では、外形モデルを完全に透過表示している。
【0053】
この例では、入力された全高や全長などのパラメータが、居住空間モデルを収容するには小さすぎたために、車両外形から乗員の頭部が突き出ている。そして、これらの図では、このような居住空間モデルと外形モデルの干渉状態を明確に判別できるように、干渉部分のみ異なる色で表示している。
【0054】
これにより、乗員のヘッドクリアランスや運転手の視界確保などが不十分であることが視覚的に検証でき、この検証結果に基づいて各モデルを変更することができる。即ち、外形モデルや構造モデルによって設定される車室空間に対して、居住空間モデルによって決定された乗員の着座位置、着座姿勢に無理がある場合には、図9の画面上でその着座位置をずらしたり、着座姿勢を変えたり、ルーフ位置を上げたり、といった調整を行うことができる。このような調整処理については、<局所変形ルール>の欄などで詳細に述べる。
【0055】
なお、干渉部分の判別表示の方法としては、異なる色で表示する以外にも、矢印で注意を喚起したり、警告音を発したり、といった方法が考えられる。
【0056】
(プログラム構成)
以下に、本実施形態に係る企画支援プログラム60に含まれる、各プログラムの機能について説明する。
【0057】
[設計テーブル作成プログラム]
設計テーブルに入力されるパラメータは、外形パラメータとしての外形寸法及び車両タイプや、乗員パラメータとしてのシート数、車内寸法及び視界条件の他、タイヤホイール寸法や、フロア下寸法や、乗員配置条件などがある。
【0058】
なお、以下のテーブルで入力される長さ方向及び垂直方向のパラメータは、全て、前輪の車軸を原点とした場合の各部位の座標位置を導くための値である。そして、以下のテーブルで入力される幅方向のパラメータは、車両の中心面を基準とするものである。つまり、設計テーブルに全てのパラメータを適正に入力した場合、前輪の車軸と車両の中心面を原点とした3次元座標上に車両の外形や居住空間(乗員やシート)やフロントガラスなどのモデルを描画することが可能となる。
【0059】
<車両タイプ選択>
図20は、設計テーブル作成プログラム61に含まれるモデル&タイプ選択インタフェースの一例を示したものである。つまり、このインタフェースから外形モデルを構築する際の車型、及び、構造モデルに含まれるピラー構成を選択することができる
【0060】
構造パラメータグループとしてのピラー構成は、データベースにおいて、図のように車型ごとに複数用意されている。
【0061】
車型には、ミニバン、ステーションワゴン、セダンの内の少なくとも2つが含まれていることが好ましく、この例では、ハッチバック、ミニバン/ワゴン(ステーションワゴン)、セダン、スポーツ、オープン、トラックの計6つの車型にタイプ分けされている。
【0062】
これらの車型ごとに外形パラメータグループ(その車両外形を構成する3次元座標データ)がデータベースに格納されており、車型の選択は、そのまま外形パラメータグループの選択に対応する。また、右欄のピラー構成ごとに構造パラメータグループ(その骨組みを構成する3次元座標データ)がデータベースに格納されており、車型の選択及びピラー構成の選択は、そのまま構造パラメータグループの選択に対応する。
【0063】
ここでは、右欄に示されているピラー構成アイコンのいずれかを選択することで同時に車型が選択される。もちろん、車型を選択するステップと、ピラー構成を選択するステップを独立に行うことができるようなインタフェースとしても良い。どちらにしても、外形パラメータグループ(車型)を選択した場合、選択された車型と同じ分類の構造パラメータグループ(車型に対応するピラー構成)が、構造データベースから自動的に選択されることになる。
【0064】
なお、ここでは車型の選択によって、ピラー構成が絞り込まれるものとしているが、更に、他の入力テーブルにて入力されたパラメータ(例えば全長など)に応じて更に選択できるピラー構成が絞り込まれる構成としても良い。その場合、構造データベースには、車両の大きさごとにピラー構成が格納されていることになる。
【0065】
ピラー構成について具体的に説明すると、図20において、ハッチバックとワゴンでは、フロントピラー201、センタピラー202、リアピラー203を有する車型を基準として、フロントピラー201とセンタピラー202間に更にフロント補助ピラー204を有する車型、センタピラー202とリアピラー203間に更にリア補助ピラー205を有する車型、フロントピラー201とセンタピラー202間とセンタピラー202とリアピラー203間にいずれも補助ピラー204,205を有する各車型が定義されている。
【0066】
また、セダンでは、フロントピラー201、センタピラー202、リアピラー203を有する車型を基準として、センタピラー202を有さない車型(ハードトップタイプ)、センタピラー202とリアピラー203間に更にピラー205を有する車型が定義されている。
【0067】
また、スポーツ及びトラックでは、フロントピラー201、センタピラー202、リアピラー203を有する車型を基準として、センタピラー202を有さない車型が定義されている。
【0068】
また、オープンでは、フロントピラー201のみを有する車型、フロントピラー201とセンタピラー202を有する車型が定義されている。
【0069】
このように、企画する車種に類似した車型を選択可能にしたことで、外形モデルの形状変形等にかかる工数を削減できるとともに検証精度を向上でき、ユーザの作業効率の向上が図れる。
【0070】
また、車型毎に用意された複数のピラー構成のいずれかを選択的に読出して構造モデルを構築するので、ユーザは車型を選択するだけで構造パラメータグループを絞り込むことができるため、企画立案作業を効率化することができる。
【0071】
なお、ここでは図示されていないが、選択された車型に関連して、シート構成を入力できるインタフェースも用意されている。そのインタフェースは、例えば、1列目から3列目までそれぞれ何人掛けにするか入力するテーブルであっても良い。その場合、3つの数で座席数を入力することが可能である。例えば、2シートであれば、(2,0,0)、一般的な5人乗りであれば、(2,3,0)、7人乗りであれば、(2,3,2)といった数値で表すことが可能である。
【0072】
更に、ドアの数を入力できるインタフェースを備えていても良い。
【0073】
<外形寸法>
図11は、設計テーブル作成プログラム61に含まれる外形寸法入力インタフェースの一例を示したものである。図11(a)は、車両諸元値の入力テーブルであり、図11(b)(c)は、入力テーブルで入力するパラメータの対応部位を示すための、車両前方視画像及び側面視画像である。ここで、車両諸元値としては、ホイールベース1101、全幅1102、全高1103、フロントオーバハング1105、リアオーバハング1106、カウルポイントCWの水平位置1107、カウルポイントCWの垂直位置1108、フロントガラス傾斜1109が含まれる。
【0074】
車両諸元値において、フロントオーバハング1105は、前車軸AFより前方に突出している車両の前端と前車軸AF間の距離であり、リアオーバハング1106は、後車軸RFより後方に突出している車両の後端と後車軸RF間の距離である。また、カウルポイントCWの水平位置1107はフロントガラス下端の車幅方向の中心位置と前車軸AF間の水平方向の距離、カウルポイントCWの垂直位置1108はフロントガラス下端の車幅方向の中心位置と前車軸AF間の垂直方向の距離である。更に、フロントガラス傾斜1109はカウルポイント位置を通る垂直な線とフロントガラスとがなす傾斜角度である。
【0075】
また、全長1104は、ホイールベース1101とフロントオーバハング1105とリアオーバハング1106を合算することにより自動演算される(1104=1101+1105+1106)。なお、全高1103は乗車時の接地面GL2を基準とした高さではなく、空車時の接地面GL1を基準とした高さであるが基本的には、GL2に基づいて、基準モデルや全高以外の外形モデルが設定される。
【0076】
なお、外形寸法としては、上記各パラメータの他、国内外の衝突安全基準などの規格によって予め定められたフロントバンパーの上下端基準位置(後述する外形モデルのポイントC1とポイントD1と共通パラメータ)などを入力可能となっていてもよい。その場合、これらの位置に対応したバンパー配設基準範囲が表示される(図22(c)参照)。
【0077】
≪カウルポイントの制約≫
図17は、車両基準モデルのカウルポイントCWの水平位置1107及び垂直位置1108の制約を説明する図である。カウルポイントCWの水平位置1107と垂直位置1108は、図11で入力できるが、完全に任意な位置に配置できるわけではなく、視界などの制約を受ける。
【0078】
すなわち、まず一つ目の条件としては、図13で入力した視界条件のうち、前方の下方視界1302に干渉してはならない。
【0079】
そして二つ目の条件としては、図12(e)で規定されるダッシュパネル上端位置DPから、前上方へ所定の鋭角1701をなす直線よりも下側になければならない。
【0080】
<車内寸法>
図12は、設計テーブル作成プログラム61に含まれる車内寸法入力インタフェースの一例を示したものである。図12(a)は、車内寸法の入力テーブルであり、図12(b),(c),(d)は、入力テーブルで入力するパラメータの対応部位を示すための、前方視画像、側面視画像、底面視画像である。また、図12(e)は、ダッシュパネル位置を決定するための寸法箇所を示すため、ダッシュパネル周辺を拡大視表示した画像である。
【0081】
車内の居住性を決める寸法としては、最前列乗員に関するパラメータと、第2列乗員に関するパラメータと、第3列乗員に関するパラメータと、ダッシュパネルに関するパラメータとに分けることができる。第2列、第3列のシートが無い場合には、第2列、第3列乗員に関するパラメータは入力が不要となる。ここではシート数が3列である旨がすでに入力されているものとする。
【0082】
これらのうち、最前列乗員に関するパラメータとしては、以下のものがある。
・1201:最前列乗員の頭頂位置(最前列ヒップポイントHP1から上方に伸びて垂直方向に対して所定の微小角度だけ後方に傾斜した直線の長さ)
・1202:最前列ヒップポイントHP1とカウルポイントCWとの間の垂直距離
・1203:最前列ヒップポイントHP1と乗車時の接地面GL2との間の垂直距離
・1204:最前列ヒップポイントHP1とフロアパネルとの間の垂直距離
・1205:最前列ヒップポイントHP1と車幅中央Wとの間の距離
・1206:最前列トルソ角度
・1207:前車軸AFとアクセルペダル上端との間の水平距離
また、第2列乗員に関するパラメータとしては以下のものがある。
・1208:第2列乗員の頭頂位置(第2列ヒップポイントHP2から上方に伸びて垂直方向に対して所定の微小角度だけ後方に傾斜した直線の長さ)
・1209:最前列ヒップポイントHP1と第2列ヒップポイントHP2との間の水平距離
・1210:第2列ヒップポイントHP2と第2列乗員かかととの間の水平距離
・1211:第2列ヒップポイントとフロアパネルとの間の垂直距離
・1212:最前列ヒップポイントHP1と第2列ヒップポイントHP2との間の垂直距離
・1213:第2列ヒップポイントと車幅中央との間の距離
・1214:第2列トルソ角度
なお、最前列乗員の頭頂位置1201から運転手の目の位置(アイポイント)EPが自動的に導き出される。
【0083】
更に、第3列乗員に関するパラメータとしては以下のものがある。
・1215:第3列乗員の頭頂位置(第3列ヒップポイントHP3から上方に伸びて垂直方向に対して所定の微小角度だけ後方に傾斜した直線の長さ)
・1216:第2列ヒップポイントHP2と第3列ヒップポイント3rdとの間の水平距離
・1217:第3列ヒップポイントHP3とフロアパネルとの間の垂直距離
・1218:第3列ヒップポイントHP3と車幅中央との間の距離
・1219:第2列ヒップポイントHP2と第3列ヒップポイントHP3との間の垂直距離
・1220:第3列トルソ角度
・1221:第3列ヒップポイントHP3と第3列乗員のかかととの間の距離
また、ダッシュパネル関連のパラメータとしては以下のものがある。
・1222:前車軸AFとダッシュパネルDP前端との間の水平距離
・1223:前車軸AFとダッシュパネルDP後端との間の水平距離
・1224:前車軸AFとダッシュパネルDP前端との間の垂直距離
以上のように車内寸法を入力することにより、最前列〜第3列ヒップポイントHP1〜HP3を基準とした居住空間モデルの絶対空間上における各シート位置を個々に設定可能である。
【0084】
いずれの点を原点とするかによって、居住空間モデルの車両内位置の基準が異なるものとなるため、その原点位置によって外形モデルとの重なり具合に差が生じることとなる。
【0085】
すなわち、外形モデルとの重ね合わせ時に居住空間モデルと外形モデルとの干渉が少ないことが望まれる点を原点に選べばよい。
【0086】
≪ヒップポイントの決定方法≫
図12のインタフェースにおいて、運転手のヒップポイントHP1の高さ方向の位置は1203で、幅方向の位置は1205で規定されるが、車両全長方向の位置(水平位置)を直接入力するための欄は用意されていない。
【0087】
ここでは、この長さ方向の位置を、図12で直接入力された他のパラメータから計算により導出するものとし、以下にその方法について説明する。
【0088】
図16は、運転手のヒップポイントHP1の水平位置の決定方法を説明する図である。
【0089】
図12のテーブルにより、原点である前輪軸AFとアクセルペダルの上端位置(ボールポイント)との間の水平距離1207が規定される。また、運転手のヒップポイントHP1のヒールポイントからの高さ1204も、図12のテーブルにより規定されている。そして、本実施形態では、図中の1601を、以下の式のZに1204を代入することにより導くプログラム構成となっている。
【0090】
1601=k1+k2×Z−k3×Z2
なお、k1,k2,k3は所定の係数である。ここでは、経験則から上記式を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の式によって1601を求めても良いし、また、図12のテーブルで直接入力可能なプログラム構成であっても良い。
【0091】
<視界条件>
図13は、設計テーブル作成プログラム61に含まれる視界条件入力インタフェースの一例を示したものである。図13(a)は、確保すべき視界条件の入力テーブルであり、図13(b)は、入力テーブルで入力するパラメータの対応部位を示すための、車両内部側面視画像である。
【0092】
視界条件に関するパラメータとしては、以下のものがある。
・1301:ドライバのアイポイントEPを通る水平面から上方向に確保すべき角度(前方)
・1302:ドライバのアイポイントEPを通る水平面から下方向に確保すべき角度(前方)
・1303:ドライバのアイポイントEPを通る水平面から上方向に確保すべき角度(後方)
・1304:ドライバのアイポイントEPを通る水平面から下方向に確保すべき角度(後方)
1301により、フロントヘッダ(フロントガラス上端のパネル)を配置できる最低位置が自動的に定義され、表示される。また、同様に、1303により、リアヘッダ(リアガラス上端のパネル)を配置できる最低位置が自動的に定義され、表示される。
【0093】
<タイヤホイール寸法>
図14は、設計テーブル作成プログラム61に含まれるタイヤ&ホイール諸元入力インタフェースの一例を示したものである。図14(a)は、タイヤとホイールの寸法を入力するための入力テーブルであり、図14(b),(c)は、入力テーブルで入力するパラメータの対応部位を示すための、車両内部側面視画像、車両内部平面視画像である。また、図14(d),(e)は、ホイールハウジング周辺の側面視画像である。
【0094】
ここで入力されるタイヤ&ホイール関連寸法としては、以下のものがある。
・1401:タイヤ外径
・1402:タイヤ有効径
・1403:車輪幅
・1404:空車時における前輪のホイール中心と乗員乗車時におけるホイール中心との垂直距離
・1405:乗車時における後輪のホイール中心と空車時における後輪のホイール中心との間の垂直距離
・1406:左右前輪間距離
・1407:左右後輪間距離
・1408:車輪外径とホイールハウジングとの間の距離
・1409:ホイールハウジング径
・1410:タイヤホイール外径
<フロア下寸法>
図15は、設計テーブル作成プログラム61に含まれるアンダーフロア寸法入力インタフェースの一例を示したものである。この例は、3列シートの場合の入力インタフェースを示している。図15(a)は、フロア下の各種寸法を入力するための入力テーブルであり、入力テーブルで入力するパラメータの対応部位を示すため、図15(b)には、車両内部側面視画像が、また、図15(c)には、サイドシル周辺の断面視画像が示されている。
【0095】
ここで入力されるフロア下関連寸法としては、以下のものがある。
・1501:最前列フロアパネルと車軸AFとの間の垂直距離
・1502〜1507:後車軸ARとフロアパネル曲折部水平距離
・1508:第2列フロアパネルと車軸面との間の垂直距離
・1509:第2列フロアパネル上端と後車軸ARとの間の垂直距離
・1510:第2列フロアパネル窪み部と後車軸ARとの間の距離
・1511:第3列フロアパネル−後車軸AR間垂直距離
・1512:サイドシル−車幅中央W間距離
・1513:サイドシルSS幅
・1514:サイドシルSS高さ
・1515:サイドシルSSとフロアパネルとの間の垂直距離
≪フロントヘッダ及びリアヘッダ位置の決定方法≫
図18は、車両基準モデルのフロントヘッダの水平位置及び垂直位置の基準を説明する図、図19は、車両基準モデルのリアヘッダの水平位置及び垂直位置の基準を説明する図であり、フロントヘッダの水平位置及び垂直位置は、図18に示すように、例えば、視点EPを中心に水平方向から上方に所定の鋭角をなす直線1301とガラス面との交点を頂点の1つとし、かつガラス面を1辺とする平行四辺形をフロントヘッダの最低位置とする。この時、圧迫感の基準となる直線Lよりも上方に位置することが条件となる。なお、フロントヘッダの車幅方向位置は車幅中央Wに設定される。
【0096】
また、リアヘッダの水平位置及び垂直位置は、図19に示すように、例えば、視点EPを中心に水平方向から上方に所定の微小鋭角をなす直線1304よりも上方であって、最後列の乗員のヘッドクリアランス(HP2,HP3からの距離1208、1215)よりも上方に制約される。
【0097】
なお、フロントヘッダ及びリアヘッダの詳細な断面形状は、後述する構造モデルにより定義される。
【0098】
以上の設計テーブルでは、前輪軸AFを原点とした長さ方向、高さ方向のパラメータを入力することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネル上の点や、バンパー最前端の点やカウルポイントCWを原点として各位置情報(各距離)を入力しても良いし、これらの点の内いずれかを原点として選択できる構成であってもかまわない。
【0099】
<ピラー断面入力>
図24は、設計テーブル作成プログラム61に含まれるピラー断面形状入力インタフェースの一例を示したものである。図24(a)は、断面の選択及び各種寸法を入力するための入力テーブルであり、この入力テーブルで入力するパラメータの対応部位を示すため、図24(b)には、車両外観斜視画像が、また、図24(c)には、各断面の画像が示されている。
【0100】
図のワゴンタイプの車型の場合には、骨組み構造として、例えば、フロントピラー断面A、センタピラー断面B、リア補助ピラー断面C,リアピラー断面D、フロントヘッダ断面E,リアヘッダ断面F,サイドルーフレール断面Gごとに、図24(c)に示す断面形状を決定するパラメータ2401〜2403の他、板厚、材質、強度、重量などの各パラメータを入力設定可能となっている。
【0101】
[基準モデル構築プログラム]
基準モデル構築プログラム62は、上記のような設計テーブルから、車内寸法に関するパラメータ、視認性に関するパラメータ及びフロア下に関するパラメータを取りだして居住空間モデルを生成する。具体的には、車両内での乗員の着座状態に関する、シート数やシート毎のヒップポイント位置等の乗員パラメータを入力し、入力した乗員パラメータに応じて乗員を表す人型モデル及びシートを表すシートモデルをデータベースから読出し、変形して居住空間モデルを構築する。この際、視認性に関するパラメータを用いて、車両の運転位置での人型モデルに、目の位置情報と、該目からの視界として確保されるべき基準範囲を示す視界確保基準範囲情報とを付加する。
【0102】
また、外形寸法に関するパラメータから車両基準モデルを生成する。更に、外形寸法に関するパラメータから導かれたカウルポイント(CW)を下端とし、視認性に関するパラメータ(前方上方視界)とフロントガラス角度1109とに基づいて導かれるフロントヘッダを上端とするフロントガラスモデルを生成する。
【0103】
そして、これらの各モデルを組み合わせることによって基準モデルを生成する。
【0104】
また、基準モデル構築プログラムは、生成した各モデルの座標データを画像生成・表示プログラムに渡して、ディスプレイ上に3次元表示させることができ、かつ、その状態でユーザからのポインティングデバイスによる入力を受付け、どの部位をどのように変形させる命令か判定し、その命令に応じて座標データを変更する。
【0105】
つまり、ユーザは、ディスプレイに表示された3次元画像の変形したい部位をマウスなどのポインティングデバイスで選択し移動することにより、表示画像を変形でき、同時にその変形に応じてメモリ内の座標データを変更することができる。
【0106】
これにより、例えば、ヒップポイントやフロア高さに応じて乗員の着座姿勢が設定変更可能である。従って、企画車両のカテゴリーによって異なる乗員の最適な運転姿勢を再現させた上でパッケージングの成立性を検証可能となる。また、視認性基準や安全性基準、乗員への負担軽減等の様々な要求に対してドライビング姿勢のチューニング検証が容易に可能となる。
【0107】
もちろん、設計テーブルの生成プログラムを再度起動して、設計テーブルに入力された値を変更することによって、基準モデルを変形することも可能である。
【0108】
また、基準モデル構築プログラムは、基準モデルにおけるドライバの視点EPから決定される視界確保基準範囲を表示させることが可能である。従って、車両のパッケージング成立性の検証で重要な要素である、視認性の範囲が保証されているか否かが車両企画段階から容易に検証可能となり、作業の効率化のみならず、企画の後段階での大幅な修正を招く懸念を払拭できる。
【0109】
また、基準モデル構築プログラムは、基準モデルにおけるドライバの視界確保に影響する障害物や乗員の圧迫感に影響する障害物としてフロントヘッダ、リアヘッダ、ピラー、フロントガラス下端の少なくとも1つを表示させることができる。これら障害物はドライバの視点EPから予め決定された視界確保基準範囲や乗員から予め決定された圧迫感抑制基準範囲を残すように視点EPや乗員の位置の変更に連動して変形表示可能である。従って、車両のパッケージング成立性の検証で重要な要素である、圧迫感抑制の範囲が保証されているか否かが車両企画段階から容易に検証可能となり、作業の効率化のみならず、企画の後段階での大幅な修正を招く懸念を払拭できる。
【0110】
また、基準モデルは、後述する外形モデルのパラメータ変更に伴ってフロントバンパー上下端基準位置(ポイントC1とポイントD1)の変更に対応したバンパー配設基準範囲が表示される。従って、車両のパッケージング成立性の検証で重要な要素である、バンパーの上下位置範囲が保証されているか否かが車両企画段階から容易に検証可能となり、作業の効率化のみならず、企画の後段階での規制不成立等の大幅な修正を招く懸念を払拭できる。
【0111】
なお、居住空間モデルは、外形モデル構築プログラムで、どの外形パラメータグループ(車型)が選択されるかによっては変更されない。
【0112】
[外形モデル構築プログラム]
外形モデル構築プログラム63は、設計テーブル作成プログラム61で作成された設計テーブルに含まれる車型データに基づいてデータベースから、ベースとなる外形座標データを読出し、更に、設計テーブルに入力された外形パラメータ(諸元値)と所定のルールに基づいてその外形座標データを変更して外形モデルを構築する。
【0113】
また、外形モデル構築プログラムは、生成した外形モデルの座標データを画像生成・表示プログラムに渡して、ディスプレイ上に3次元表示させることができ、かつ、その状態でユーザからのポインティングデバイスによる入力を受付け、その入力がどの部位をどのように変形させる命令か判定し、その命令に応じて座標データを変更する。
【0114】
つまり、ユーザは、ディスプレイに表示された3次元外形モデル画像の変形したい部位をマウスなどのポインティングデバイスで選択し移動することにより、表示されている車両外形画像を変形でき、同時にその変形に応じてメモリ内の外形モデルの座標データを変更することができる。
【0115】
つまり、外形モデル構築プログラムは、i)設計テーブルの値によってデータベースから読出した大局的な形状を自動変形する大局変形と、ii)ディスプレイ上で局所的な変形部位を指定することにより変更する局所変形と、の2つの変形機能を有している。
【0116】
以下に、これら2つの変形において用いられるルールについて説明する。
【0117】
<大局変形ルール>
図21は、外形モデルの大局変形ルールを説明する図である。
【0118】
外形モデルは、図示の複数の基準ポイントC1(車幅中央のバンパー前端)、C2(カウルポイント)、C3(車幅中央の全高基準位置(ルーフの前後方向に対して前方1/3程度の位置))、C4(車幅中央のリアバンパー後端)、C5(左右車幅基準位置)と、C6(前車軸を通る垂直線上のフロントホイールハウジング)、C7(後車軸を通る垂直線上のリアホイールハウジング)を有しており、これらの位置は、設計テーブルに入力された外形パラメータに応じて決まる。上記ポイントC1〜C4は車幅中央に設定されている。
【0119】
基準ポイントC1及びC4は、全長用定義点として車幅方向の中心でかつフロントバンパー及びリアバンパーの前後方向に対する最突出部位置に設定された全長を定義する上で用いられる。
【0120】
基準ポイントC2は、カウルポイント用定義点として車幅方向の中心でかつフロントガラスの下端に設定されたカウルポイント(ボックス)高さを定義する上で用いられる。
【0121】
基準ポイントC3は、全高用定義点として車幅方向の中心でかつルーフパネル上の特定位置に設定された全高を定義する上で用いられる。
【0122】
ポイントC5は、全幅用定義点として車体の左右側面の車幅方向における最突出部位置に設定された全幅を定義する上で用いられる。
【0123】
ポイントC6及びC7は、オーバハング用定義点として車体の左右側面のホイールハウジングの前後方向の中心に設定された4つのフロント及びリアオーバハングを定義する上で用いられる。
【0124】
これら基準ポイントC1〜C7は、ホイールベース1101、全幅1102、全高1103、フロントオーバハング1105、リアオーバハング1106、カウルポイントCWの水平位置1107、カウルポイントCWの垂直位置1108、フロントガラス傾斜1109が入力又は変更されることによって、外形モデルに非連動の変形しない部分として前後方向位置の移動は規制されたままで、その変更後のパラメータに応じて外形モデルに連動して上下方向に移動される。
【0125】
つまり、設計テーブルに入力される外形諸元値は、車幅方向の中心で、かつルーフパネル上の特定位置に設定された定義点C3の座標と、車幅方向の中心で、かつフロントバンパー及びリアバンパーの前後方向に対する最突出部位置に設定された定義点C1,C4の座標と、車体側面の車幅方向における最突出部位置に設定された定義点C5の座標と、車幅方向の中心で、かつフロントウィンドウガラスの下端に設定された定義点C2(CW)の座標と、車体側面に形成されたホイールハウジングの前後方向の中心に設定された定義点C6、C7の座標を決定するための値を含んでいるということができる。
【0126】
言い換えれば、これらの定義点の座標のみが設計テーブルに入力された諸元値に応じて直接決定され、外形モデルに含まれる他の座標は、これらの定義点と車両ごとに予め用意されたルールに基づいて演算により求められる。例えば、C3とC4の座標は設計テーブルで入力された全高1103とホイールベース1101とリアオーバハング1106によって定義され、その間を結ぶラインは、演算により自動的に導き出される。
【0127】
そして、図21(a)に示すように、基準モデルのパラメータ(車両の諸元値)として全高1103や全幅1102やホイールベース1101が変更された場合には、外形モデルはルーフパネルの形状を保ちつつ上下方向に移動する。また、このルーフパネルの移動変形に伴ってフロントガラスの傾斜角度1109とルーフパネルの前後方向の長さとが変形するか否かは、車型に応じて異なる。
【0128】
つまり、外形モデルとしてスポーツタイプの車型が選択されているときには全高1103の諸元値が変更されるとフロントガラス傾斜角度1109が維持されつつ、フロントガラス及びルーフパネルの前後方向の長さが優先的に自動変形される。また、ミニバンの車型が選択されている場合に、全高1103の諸元値が変更されると、フロントガラス傾斜角度1109が優先的に変更されつつ、フロントガラス及びルーフパネルの前後方向の長さが自動変形される。
【0129】
また、図21(b)に示すように、車両の諸元値としての全長(1101+1105+1106)やカウルポイントCWの水平位置1107に応じて、データベース内の車型に応じた外形ベースモデルのフロント全体、リア全体、フロントガラス及びリアガラスの形状を保持したまま両ガラス全体が前後方向に移動される。
【0130】
また、ルーフパネルの上下方向への移動変形に伴いフロントガラス上端が変形された場合、基準モデルで定義されたフロントヘッダは、その入力、変更に追従しないように設定され、基準モデルで同様に定義された乗員の頭部(視点EP)に対して予め決定された視界確保基準範囲や圧迫感抑制基準範囲が検証できるようになっているとともに、これらの検証項目に直接関与しない部分や外形モデルの変形に沿う必要がある部分は自動的に変形するよう設定されている。
【0131】
図35は全高変更前の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例、図36は図35の状態から上記変形ルールに従った全高変更後の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例を示しており、例えば、全高1103を大きく(小さく)した場合には、図21(a)において外形モデルのルーフ全体がポイントC3と共に上方(下方)に移動し、カウルポイントCWの位置は移動しないでフロントガラス傾斜1109が小さく(大きく)なるように自動変形される。また、全幅1102を大きく(小さく)した場合には、図21(b)において外形モデルのボディ側面全体がポイントC5〜C7と共に車幅方向に移動し、基準ポイントC1〜C4の位置は移動しないでボディ全体が幅方向に大きく(小さく)なるように自動変形される。
【0132】
図31はホイールベース変更前の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例、図32は図31の状態から上記変形ルールに従ったホイールベース変更後の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例を示しており、例えば、ホイールベース1101、フロントオーバハング1105、或いはリアオーバハング1106を大きく(小さく)した場合には、図21(a),(b)において外形モデルのフロントやリアが基準ポイントC1或いはC4と共に前方(後方)に移動し、カウルポイントCWの位置は移動しないでボディ全体が前後方向に大きく(小さく)なるように自動変形される。
【0133】
このように、企画された車両の諸元値を入力するだけで外形モデルが自動変形されて表示されるため検証作業を容易に、かつ効率的に行うことができる。
【0134】
また、予め車型に最適な変形ルールを設定しているため、変形時のモデルの形状を現実的なものとして表示でき、検証作業の精度を向上できるとともに、手作業によるモデルの形状変更を少なくでき作業効率を大幅に向上できる。
【0135】
また、基準モデルでは、圧迫感や視認性評価として重要なフロントヘッダは諸元値の入力、変更に追従しないように設定する一方で、検証項目に直接関与しない部分若しくは外形に沿う必要がある部分は自動的に変形するよう設定されていることで検証作業の効率化が図れる。
【0136】
また、外形モデルの車型毎に変形ルールを変えることで一層自動変形した後のモデル形状を現実に近いものとでき、その後のマニュアル補正を軽減できる。すなわち、スポーツタイプでは室内空間より空力特性を向上させる必要があるため、全高を上げる諸元値の変更に対してガラスの傾斜角度を立て気味にして変形させることは現実的ではないが、ミニバンでは空力より居住空間を優先する方が現実的であるため、このように変更している方が作業性が良いと言える。
【0137】
また、諸元値の入力、変更に対してのモデル変形に際して、企画する車両のイメージに沿ったモデルが自動的に容易に作成できる一方で、上記定義点が車両の大枠を決定する際の最低限必要な諸元値となるためこれらわずかの諸元値を入力するだけでイメージに近い車両を自動的に変形させて表示させることができる。
【0138】
詳細には、車両の企画時は詳細な諸元値を持ってない状態であるため、諸元入力が多いと入力そのものが難しいばかりでなく、入力諸元が多いと入力者の規制概念に基づく車両形状のものになる可能性が高く、自由で奇抜な車両を企画することが困難になってしまう。本発明は、規制概念に捕らわれ難い自由な発想の車を企画可能とする一方で、表示後のマニュアル補正も極力抑制できるものである。
【0139】
更に詳細には、カウルポイント用定義点を設定したことで、全高を例えば変更した際に、このカウルポイント用定義点を有していることで、全高の変更に伴うモデルの変形に際してカウルポイントやボンネットも同期させて変形させるかを設定できるため、車両モデルのイメージに沿った形で自動的にモデルが変形するため、効率的な企画検証作業ができる。
【0140】
また、オーバハング用定義点を設定することで、全長を変更させる際に車室だけを変形させるのか、オーバハングも変形させるのか選択でき、車両モデルのイメージに沿った形で自動的にモデルが変形するため、効率的な企画検証作業ができる。
【0141】
<局所変形ルール>
≪ポイントを指定して移動≫
図22は、外形モデルの局所変形ルールを説明する図であり、上記基準ポイントC1〜C7(前後(水平)方向の移動が規制され、上下(垂直)方向の移動が許容されるポイント)に加えて、更に、外形モデルに対して、前後、左右及び上下方向に任意に移動できる第1局所変形ポイントD1〜D9と、これら第1局所変形ポイントD1〜D9との相対位置関係を保持したままで第1局所変形ポイントD1〜D9の任意の移動に連動してその移動量に応じて追従移動する(即ち、線分LA1〜LA9の形状を保持しながら追従して移動・変形する)第2局所変形ポイントE1〜E18が設定されている。上記第1局所変形ポイントD1〜D8は車幅中央に設定されている。
【0142】
第1局所変形ポイントD1は車幅中央のフロントバンパー下端に設定され、ポイントD2は車幅中央のフロントバンパー上端面とフロントグリルとヘッドランプとから構成される前端面との境界部に設定され、ポイントD3は車幅中央のボンネット前端に設定され、ポイントD4は車幅中央のフロントウィンドウガラス上端に設定され、ポイントD5は車幅中央のリアウィンドウガラス上端に設定され、ポイントD6は車幅中央のリアウィンドウガラス下端に設定され、ポイントD7は車幅中央のリアバンパー上端面とリアパネルとテールランプとから構成される後端面との境界部に設定され、ポイントD8は車幅中央のリアバンパー下端に設定され、ポイントD9は左右のサイドウィンドウガラスの輪郭を形成するコーナー部に夫々設定されている。
【0143】
また、第2局所変形ポイントE1,E2はポイントD1を車幅中央としてフロントバンパー下端の輪郭LA1を形成する左右の側部に設定され、ポイントE3,E4はポイントD2を車幅中央としてフロントバンパー上端面とフロントグリルとヘッドランプとから構成される前端面との境界部の輪郭LA2を形成する左右の側部に設定され、ポイントE5,E6はポイントD3を車幅中央としてボンネットの前端部の輪郭LA3を形成する左右の側部に設定され、ポイントE7,E8はポイントD4を車幅中央としてフロントウィンドウガラスの上端の輪郭LA4を形成する左右のコーナー部に設定され、ポイントE9,E10はポイントD5を車幅中央としてリアウィンドウガラスの上端の輪郭LA5を形成する左右のコーナー部に設定され、ポイントE11,E12はポイントD6を車幅中央としてリアウィンドウガラスの下端の輪郭LA6を形成する左右のコーナー部に設定され、ポイントE13,E14はポイントD7を車幅中央としてリアバンパー上端面とリアパネルとテールランプとから構成される後端面との境界部の輪郭LA7を形成する左右の側部に設定され、ポイントE15,E16はポイントD8を車幅中央としてリアバンパー下端の輪郭LA8を形成する左右の側部に設定される。また、ポイントE17,E18はポイントD9から後方に延びる左右のサイドウィンドウガラスの下端の輪郭LA9を形成するライン上に設定されている。
【0144】
加えて、一対のポイントE1とE2はいずれか一方が移動されることによってポイントD1を基準としていずれか他方が追従して鏡像のように対称に移動・変形する。同様に、ポイントE3とE4はポイントD2を基準とし,ポイントE5とE6はポイントD3を基準とし,ポイントE7とE8はポイントD4を基準とし,ポイントE9とE10はポイントD5を基準とし,ポイントE11とE12はポイントD6を基準とし,ポイントE13とE14はポイントD7を基準とし,ポイントE15とE16はポイントD8を基準として、同様のルールによりいずれか一方に追従して鏡像のように対称に移動・変形する。
【0145】
また、左右一対のポイントD9やラインLA9上のポイントE17,E18も上記と同様のルールによりいずれか一方に追従して鏡像のように対称に移動・変形する。
【0146】
≪ラインを指定して移動≫
更に、上記局所変形ルールでは、前後、左右及び上下方向に任意に移動できる第1局所変形ラインLB1〜LB3と、これら第1局所変形ラインLB1〜LB3のうち、第1局所変形ラインLB1との相対位置関係及びライン形状を保持したままで第1局所変形ラインLB1の任意の移動に連動してその移動量に応じて追従移動する第2局所変形ラインLC1と、この第2局所変形ラインLC1との相対位置関係及びライン形状を保持したままで第2局所変形ラインLC1の任意の移動に連動してその移動量に応じて追従移動する第3局所変形ラインLA3が設定されている。
【0147】
更に、第1局所変形ラインLB2との相対位置関係及びライン形状を保持したままで第1局所変形ラインLB2の任意の移動に連動してその移動量に応じて追従移動する第2局所変形ラインLC2と、同様に、第1局所変形ラインLB3との相対位置関係及びライン形状を保持したままで第1局所変形ラインLB3の任意の移動に連動してその移動量に応じて追従移動する第2局所変形ラインLC3とが設定されている。
【0148】
また、第2局所変形ラインLC1を指定して移動させた場合に、第3局所変形ラインLA3は追従移動するが、第1局所変形ラインLB1は不動である。
【0149】
このように、外形モデルの特定部位に予め設定された複数の局所変形ラインを指定して移動することによって当該特定部位のライン形状を保持したまま局所変形ラインの移動量に対応して外形モデルが変形される。
【0150】
第1局所変形ラインLB1は、基準ポイントC1を車幅中央としてフロントバンパー上端の輪郭を形成し、このラインLB1上には基準ポイントC1とフロントバンパー上端の左右の側部を定義するポイントF1〜F4が設定されている。
【0151】
上記第1局所変形ラインLB1に追従移動する第2局所変形ラインLC1はポイントD2を車幅中央としてフロントバンパー上端面とフロントグリルとヘッドランプとから構成される前端面との境界部の輪郭を形成し、このラインLC1上にはポイントD2とこの境界部の左右の側部を定義するポイントE3,E4,F1,F2が設定されている。
【0152】
また、上記第2局所変形ラインLC1に追従移動する第3局所変形ラインLA3はポイントD3を車幅中央としてボンネットの前端部の輪郭を形成し、このラインLA3上にはポイントD3とボンネットの前端部の左右の側部を定義するポイントE5,E6が設定されている。
【0153】
また、第1局所変形ラインLB2は左右のサイドルーフレールの輪郭を形成し、左側のラインLB2上にはフロントウィンドウガラスの下端部の左側コーナー部を定義するポイントF5とフロントウィンドウガラスの上端部の左側コーナー部を定義するポイントE7とルーフパネルの左側のサイドルーフレールを定義するポイントF7,F9とリアウィンドウガラスの上端部の左側コーナー部を定義するポイントE9が設定されている。
【0154】
また、第1局所変形ラインLB2における右側のラインLB2上にはフロントウィンドウガラスの下端部の右側コーナー部を定義するポイントF6とフロントウィンドウガラスの上端部の右側コーナー部を定義するポイントE8とルーフパネルの右側のサイドルーフレールを定義するポイントF8,F10とリアウィンドウガラスの上端部の右側コーナー部を定義するポイントE10が設定されている。
【0155】
上記第1局所変形ラインLB2に追従移動する左右の第2局所変形ラインLC2は左右のサイドウィンドウガラスの上端部の輪郭を形成し、この左右のラインLC2上にはポイントD9とポイントG1〜G4が夫々設定されている。
【0156】
更に、第1局所変形ラインLB3は、基準ポイントC4を車幅中央としてリアバンパー上端の輪郭を形成し、このラインLB3上には基準ポイントC4とリアバンパー上端の左右の側部を定義するポイントF11〜F14が設定されている。
【0157】
上記第1局所変形ラインLB3に追従移動する第2局所変形ラインLC3はポイントD7を車幅中央としてリアバンパー上端面とリアパネルとテールランプとから構成される後端面との境界部の輪郭を形成し、このラインLC3上にはポイントD7とこの境界部の左右の側部を定義するポイントE13,E14,F11,F14が設定されている。
【0158】
なお、ポイントF1とF4はいずれか一方が移動されることによってポイントD1を基準としていずれか他方が鏡像のように追従して移動・変形される。同様に、F2とF3はポイントC1を基準とし,F5とF6はポイントC2を基準とし,F11とF14はポイントC4を基準とし,F12とF13はポイントC4を基準とし,E15とE16はポイントD8を基準とし、同様のルールによりいずれか一方に鏡像のように追従して移動・変形される。
【0159】
また、左右のルーフレールを定義する一対の局所変形ラインLB2はいずれか一方が移動されることによってポイントC2,C3,D4,D5を基準としていずれか他方が鏡像のように追従して移動・変形される。また、これら局所変形ラインLB2に追従移動する局所変形ラインLC2も、同様のルールによりいずれか一方に鏡像のように追従して移動・変形される。
【0160】
また、上記ポイントC1(フロントバンパーの垂直位置)及びポイントC4(リアバンパーの垂直位置)は基準モデルで設定されたパラメータに応じて上下方向に移動される。
【0161】
このように、第1局所変形ポイント及び局所変形ラインをマウスポインタなどを用いてドラッグして移動することにより、第2及び第3局所変形ポイント及び局所変形ラインが追従移動するので、自動変形後の部分的なモデル変形に際して作業効率を向上することができる。すなわち車両の企画レベルでの外観表現に際しては外観精度をさほど高くする必要がなく、全体のイメージ及びレイアウトに関する大まかなな検証が可能であれば良い。このことから本実施形態では上記のことだけを検証する上で必要となる部位を選定し、この部分だけを簡単にモデル変形させるような機能を設定したことで必要かつ十分な精度の企画検証が可能となっただけでなく、その作業効率を大幅に向上できたものである。
【0162】
また、上記局所変形ポイントや局所変形ラインは、企画車両の全体イメージの検証、視認性等の検証、居住空間等の検証を行う上でモデルの外観形状を変形させるのに意味がある部位に設定されている。
【0163】
また、第1局所変形ポイントとこれに連動する第2局所変形ポイントという機能を設定したことで、例えばガラスの上端全体を変形したい時には第1局所変形ポイントを移動させるだけでこれを可能とし、両側部だけを変形したいときには第2局所変形ポイントを移動させればよいため、極めて作業効率を向上させることができる。
【0164】
更に、それらの機能を必要な部位だけに組み込むことで外形モデルに関するプログラムの簡易化を図り高速な実行を可能にしている。
【0165】
以上のように、上述した変形ルールに従って、外形モデルに対して大局変形及び局所変形を行うことで企画検証の条件を容易に変更できる。そして、上記ワゴン以外の車型についても、同様に上記のようなポイント及び変形ルールが定義されている。
【0166】
なお、モデルの変形自由度を確保しつつ、車型に適した変形を可能とするために、外形モデルの車型ごとに変形ルールを可変としてもよく、図23に例示するように、セダン、スポーツ、オープン、トラックに関してはリアガラス下端位置G1を基準ポイントとしてリアデッキ部の前後方向及び車幅方向の形状は保持したまま上下方向に移動・変形できるようにしてもよい。
【0167】
上記変形ルールによれば、基準モデルのパラメータ変更に同期して外形モデルを変形させる場合に、従来は1つのモデルを表現する場合に変形させる線や面を個々に定義する必要があったが、このような作業やプログラムが不要となり作業性の向上及びプログラムの簡素化を図ることができる。
【0168】
また、パラメータ変更により外形モデルが自動変形されるため、パッケージング成立性や車室内からの視認性などを簡易にかつ迅速に異なる条件で何度でも検証できる。
【0169】
なお、後述する構造モデルにも外形モデルと同一の位置に定義点が設定されており、ユーザの作業効率を向上させることができるとともに、強度等が企画する車両に略合致したものとして検証できるため、強度等のデータを細かく変更する必要がなく検証効率の向上が図れるようになっている。
【0170】
[構造モデル構築プログラム]
構造モデル構築プログラムは、設計テーブルに入力されたピラー構成及び断面形状を読出し、車両の骨組み構造の3次元座標データを生成し、画像生成・表示プログラムに渡して、ディスプレイ上に3次元表示させることができ、かつ、その状態でユーザからのポインティングデバイスによる入力を受付け、どの部位をどのように変形させる命令か判定し、その命令に応じて座標データを変更する。
【0171】
なお、構造モデルを構成する骨組みの形状は、外径モデルの変形に応じて自動的に変形するので、構造モデルと外形モデルを重ね合わせた場合にずれることがなく、それらと居住空間モデルとの干渉問題の検証を精度良く行うことができる。
【0172】
また、構造モデルの車型の大きさの相違に基づいて断面積や強度に関する情報が相違するように設定されている。
【0173】
従って、ユーザの作業効率を向上させることができる。更に、強度等が企画する車両に略合致したものとして検証できるため、強度等のデータを細かく変更する必要がなく検証効率の向上が図れ、検証精度の向上を図ることができる。
【0174】
また、構造モデルは、車体フレーム及びピラー等の骨組み構造に関する断面積と強度に関する情報を有しているので、パッケージングの成立性評価を迅速に行えるとともに、ピラー等の断面積情報を備えることで車室空間における乗員への圧迫感等を迅速に検証可能となる。
【0175】
更に、強度情報を持つことで企画車両の強度検証や衝突性能、振動評価等の検証が迅速に行え、企画車両の企画精度を初期企画段階から極めて高いものにできる。
【0176】
また、構造モデルは鋼板の材質、鋼板の板厚、重量に関する情報を備えていることで、企画車両の車両重量、重量配分、重心位置等の検証が可能となり、企画車両の精度検証が企画という開発の初期段階で明確化することができる。
【0177】
更に、構造モデルは、フロントピラー、センタピラー、リアピラー、サイドルーフレール、フロントヘッダ、リアヘッダなどの複数の骨組み構造を持っており、各骨組み部分に対して少なくとも断面積と強度(断面形状)の少なくとも一つが設定変更可能となっていることで、車型(ワゴンやスポーツなどの車両のカテゴリー)が異なれば当然要求される強度や断面積等が異なる。そして、構造モデルの断面積や強度等を個々に変更可能とすることで、企画車両に合わせた最適なパッケージング検証や強度検証が行え、企画精度を極めて高いものにできる。
【0178】
[画像生成表示プログラム]
<モデル重畳表示の基準点>
図40に示す各モデルの構築プログラム61〜64は各モデルの重ね合わせの基準位置を指定するための基準点指定プログラムを有し、画像生成・表示プログラム65の機能により、基準モデルと外形モデルと構造モデルとは、車両の特定部位に定められた基準点(基準部位)同士を一致させて重畳表示させる。
【0179】
詳しくは、車両の基準部位は、例えば、図22のエンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルDP上の点C2、前輪のホイール中心、若しくは車幅中央における最前端のバンパーC1上などのいずれか、または、その組合せであればよい。
【0180】
このように、各モデルの重ね合わせの際の基準位置を特定することで、各モデルを重ね合わせて検証させることが可能となる。
【0181】
また、重ね合わせの際の基準位置を定義することで各モデルが同一の基準で作成されていることになるため重ね合わせ時の検証精度を向上できる。
【0182】
また、基準部位が、車両のエンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネル上の点であれば、ダッシュパネル上の点を中心とする居住空間と外形形状の干渉関係を表示することができ、運転手の視界を精度良く検証可能となる。
【0183】
また、基準部位が、車両の前輪のホイール中心であれば、前輪のホイールを中心とする居住空間と外形形状の干渉関係を表示することができ、前輪のホイールに近い位置にある運転席のペダル位置や運転手の姿勢を精度良く検証可能となる。
【0184】
また、基準部位が、バンパーの最前端であれば、バンパーの最前端を中心とする居住空間と外形形状の干渉関係を表示することができ、車両のフロント部分を精度良く検証可能となる。
【0185】
[企画検証フロー]
次に、上記基準モデル、外形モデル及び構造モデルを用いて新型車両の企画検証を行うシミュレーション方法について説明する。
【0186】
図25は、本実施形態のシミュレーションの前段で決定される新型車両の企画プロセスを説明する図であり、図26及び図27は、上記企画プロセスを決定した後のシミュレーション方法を示すフローチャートである。
【0187】
まず、図25に示す企画プロセスにおいて企画要件を決定する。この企画要件は、例えば、全長、全幅、全高、ホイールベース、最前列ヒップポイント、フロア高さ、サスペンション形式、エンジン配置、シート配列、駆動方式、車型、仕向地、その他の新規技術などが決められる。
【0188】
その後、前提条件としてプラットフォーム(車台)流用の有無、既存車種からの派生、新規条件などを決定する。
【0189】
次に、この前提条件は、プラットフォームの流用度合に応じたレベル1〜レベル3と、新規条件のレベル4に分類される。
【0190】
上記前提条件において、レベル1はプラットフォーム完全流用の場合であって、例えば、全長、全幅、全高、ホイールベース、最前列ヒップポイント、フロア高さ、サスペンション形式、エンジン配置などを既存車種と共通化する内容である。
【0191】
レベル2はプラットフォーム部分流用の場合であって、例えば、全高とエンジン配置を共通化して、全幅、最前列ヒップポイント及びフロア高さは条件付きで変更し、ホイールベースとサスペンション形式などは変更する内容である。
【0192】
レベル3はプラットフォーム一部流用の場合であって、例えば、エンジン配置のみ共通化して、その他の全長、全幅、全高、ホイールベース、最前列ヒップポイント、フロア高さ、サスペンション形式などは変更する内容である。
【0193】
レベル4は上記全長、全幅、全高、ホイールベース、最前列ヒップポイント、フロア高さ、サスペンション形式、エンジン配置などを全て変更する内容である。
【0194】
上述のように企画要件や前提条件が決定されると、図26及び図27に示すように企画支援プログラムを起動して新規車両の企画検証を行う。
【0195】
まず、図26において、ステップS1では、図40に示す企画支援プログラム(特に3次元CADソフト)を図1の外部記憶部から読み出して起動する。これにより、図28に例示する起動画面が表示される。この画面で完成モデル31をチェックした後、OKボタン35をクリックすることによってステップS3からステップS5に進み、既に企画検証が終了しした完成モデルの再検討処理に入る。ステップS5では、図29のような画面において、完成モデルとしてデータベースに格納された複数の企画ファイルがリスト表示される。ここでいずれかの企画ファイルを選択してOKボタン36がクリックされると、ステップS7に進み、データベースから指定された完成モデルが読出される。そして、更に、ステップS28に進んで完成モデルを画像表示する。
【0196】
図28の画面において、完成モデル以外のモデルが選択された場合には、設計テーブルから改めてモデルを構築するということになるため、図30に進み、既存の設計テーブルを読出すのか、新規に設計テーブルを作成するのかの選択を促す。
【0197】
新規設計テーブル作成ボタン43が選択された場合には、ステップS9からステップS15に進み、設計テーブル作成プログラムを起動して、各パラメータに数値を入力する。
【0198】
図30で既存設計テーブル読出しボタン41が選択された場合には、ステップS9からステップS11に進み、設計テーブル選択処理に進む。この処理では、データベースまたはローカルの外部記憶部に格納された設計テーブルを特定する。この場合、既存車の全てのパラメータを含む設計テーブルを選択しても良いし、車台についてのパラメータのみを含む設計テーブルを選択しても良いし、過去に作成途中になっていた設計テーブルを選択しても良い。
【0199】
ステップS11でいずれかの設計テーブルが選択されると、ステップS13で選択された設計テーブルを読出す。
【0200】
そして、ステップS14にて設計テーブルにパラメータを入力・変更する必要があるか否かユーザに確認し、パラメータの入力も変更もない場合には、そのままステップS17に進む。
【0201】
パラメータの変更などがある場合にはステップS15に進み、設計テーブル作成プログラムを起動して、ステップS13で読出した選択テーブルを開き、各パラメータに数値を入力する。
【0202】
ステップS17〜ステップS27では、図28で選択されたモデルの構築を行う。図28では、基準モデルと外形モデルと構造モデルとをそれぞれ選択することも、いずれかを組み合わせて選択することもできる。
【0203】
表示すべき完成モデルの読出しまたは、基準モデル及び/または外形モデル及び/または構造モデルの構築が終了すると、ステップS28にて、それらのモデルの画像表示が行なわれる。
【0204】
図27は、この画像表示状態での詳しい処理を示すものである。
【0205】
まず、ステップS31で、画像生成表示プログラムが、表示対象モデルの3次元座標データを読み出し、ステップS33で画像データに展開する。この際、いくつかのモデルを重畳表示する場合には所定の基準点が重なるように表示して干渉状態の検証を行う。また、各モデルを重ね合わせた3次元画像を動画で表示するように画像処理を行うこともでき、この場合はあらゆる車両走行シーンを想定した車室内からの視認性、視界確保基準範囲や圧迫感抑制基準範囲の評価を行うことができる。また、基準モデルと外形モデル及び構造モデルとが干渉する部位やアンマッチを異なる色で表示したり、或いは警告音などを発するように表示したりすることも可能である。
【0206】
ここで、ユーザは表示されたモデルの変形ポイントをポインティングデバイスで選択し、その変形ポイントを移動することによってモデルの修正指示(局所変形指示)を行うことができる。
【0207】
モデルの修正指示があれば、ステップS35からステップS37に進んで画像データを変形し更に、ステップS33に進んでディスプレイに表示し直す。
【0208】
変形ポイントは、基準モデル、外形モデル、構造モデルのいずれのモデルにも用意されており、3次元画像上で各モデルを変形可能となっている。
【0209】
修正が終了し保存指示が入力されると、ステップS39からステップS41に進み、修正を各モデルに対応する座標データに反映して、保存する。完全モデル表示状態での保存指示の場合には、データベースに保存することもできる。
【0210】
<検証>
次に、図27のステップS33で行う検証作業について説明する。
【0211】
図31はホイールベース変更前の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例、図32は図31の状態から上記変形ルールに従ったホイールベース変更後の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例を示しており、図31の表示画面では第3列乗員が車両後方に飛び出してしまっており、ホイールベース又はリアオーバハングが短すぎることが視覚的に容易に検証できる。従って、ホイールベースやリアオーバハングのパラメータを大きくする変更が必要なことが容易に判明し、また、図32からホイールベース変更後の状態をリアルタイムに確認できる。
【0212】
図33は車幅変更前の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例、図34は図33の状態から上記変形ルールに従った車幅変更後の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例を示しており、図33の表示画面では最前列から第3列までのシート幅が狭く、1列当たり2人乃至3人が着座できない状態になっており、車幅が狭すぎることが視覚的に容易に検証できる。従って、車幅のパラメータを大きくする変更が必要なことが容易に判明し、また、図34から車幅変更後の状態をリアルタイムに確認できる。
【0213】
図35は全高変更前の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例、図36は図35の状態から上記変形ルールに従った全高変更後の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例を示しており、図35の表示画面では最前列から第3列までのヘッドクリアランスが小さく、各列乗員の頭部がヘッドクリアランスラインからはみ出た状態になっており、この状態を乗員の頭部を異なる色で表示したり、或いは警告音などを発したりすることによりオペレータの注意を喚起するので、全高が低すぎることが視覚的に容易に検証できる。従って、全高のパラメータを大きくする変更が必要なことが容易に判明し、また、図35から全高変更後の状態をリアルタイムに確認できる。
【0214】
図37は最前列乗員のヒップポイント変更前の居住空間モデルを側面視で表示する表示画面例、図38は図37の状態から上記変形ルールに従ったヒップポイント変更後の居住空間モデルを側面視で表示する表示画面例を示しており、図37の表示画面では第2列乗員の足がフロアからはみ出た状態になっており、この状態を乗員の足を異なる色で表示したり、或いは警告音などを発したりすることによりオペレータの注意を喚起するので、最前列乗員のヒップポイントが低すぎることが視覚的に容易に検証できる。従って、ヒップポイントのパラメータ変更が必要なことが容易に判明し、また、図38からヒップポイント変更後の状態をリアルタイムに確認できる。
【0215】
図39は、基準モデルに含まれるフロントガラスモデル391と、外形モデルとの重畳画像を示す図である。この図を用いて、外形モデルに含まれるフロントガラス部分が、乗員の視界の妨げになるか否かを検証することができる。この例では、フロントヘッダの略平行四辺形形状の枠内に構造モデルが入っていれば基準モデルに対応した構造モデル及び外形モデルが設定されており、問題なしと判断できる。
【0216】
一方、フロントヘッダ枠よりも、車室内側後方に構造モデルが位置していると、圧迫感に関する問題があると判断し、フロントヘッダ枠よりも下側に構造モデルが位置していると乗員視界が妨げられていると判断できる。
【0217】
上記実施形態によれば、従来では3次元CADデータの作成に要する工数が10人/日、1企画案を作成するのに5人/日程度要していたものを、本実施形態ではモデル作成工数で20人/日程度要するものの、1企画案を0.3人/日で仕上げることができるようになる。また、モデル作成工数は従来より増えるものの、従来のように企画ごとに3次元CADデータをゼロから作成する必要がなく、一度モデルを作成すればそれ以降の作成は必要がなくなるため、作業の効率化を極めて高いレベルで実現することができる。
【0218】
また、新型車両の諸元値の決定作業やパッケージングの成立性評価などを迅速化できるとともに、3次元画像モデルを動画で表示するように構成すれば車室内からの視認性なども評価できる。
【0219】
また、基準モデルと外形モデルと構造モデルとに分類し、これらモデルを重ね合わせる画像処理を行っているため、本シミュレーションを実現させるためのプログラムを複雑化せずに、新型車両の乗員着座姿勢や外形(パッケージング、視認性や外観見栄え)、構造(剛性)などを個々に独立して検証でき、作業を効率化することができる(基準を考えるときに外形や構造の影響にとらわれないことから全体が見えていない途中段階での妥協を行う必要がなく、理想的な企画作業を実現できる)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の新型車両の企画検証を支援する装置、方法並びにプログラムを適用可能なコンピュータシステムの構成を例示する図である。
【図2】車両モデルデータベースの詳細構造を階層的に示す図である。
【図3】車両基準モデルの1つの画像表示例を示す図である。
【図4】乗員基準モデルの1つの画像表示例を示す図である。
【図5】外形モデルの1つの画像表示例を示す図である。
【図6】構造モデルの1つの画像表示例を示す図である。
【図7】基準モデルと外形モデルと構造モデルとを重ね合わせた完成モデルの画像表示例を示す図である。
【図8】基準モデルと構造モデルとを重ね合わせた完成モデルの画像表示例を示す図である。
【図9】基準モデルと外形モデルと構造モデルとを重ね合わせた完成モデルの画像表示例を示す図である。
【図10】基準モデルと外形モデルと構造モデルとを重ね合わせた完成モデルの画像表示例を示す図である。
【図11】3列シートの場合の車両基準モデルを前方視(b)及び側面視(c)で表示する2次元画像とこの2次元画像の対応部位にパラメータとして入力される外形寸法の入力画面(a)とを例示する図である。
【図12】3列シートの場合の車両基準モデルを前方視(b)、側面視(c)、平面視(d)及びダッシュパネル周辺の拡大視(e)で表示する2次元画像とこの2次元画像の対応部位にパラメータとして入力される車内寸法の入力画面(a)とを例示する図である。
【図13】3列シートの場合の車両基準モデルを側面視(b)で表示する2次元画像とこの2次元画像の対応部位にパラメータとして入力される視界関連寸法の入力画面(a)とを例示する図である。
【図14】3列シートの場合の車両基準モデルを側面視(b)、平面視(c)及びホイールハウジング周辺の側面視(d),(e)で表示する2次元画像とこの2次元画像の対応部位にパラメータとして入力されるタイヤ関連寸法の入力画面(a)とを例示する図である。
【図15】3列シートの場合の車両基準モデルを側面視(b)及びサイドシル周辺の断面視(c)で表示する2次元画像とこの2次元画像の対応部位にパラメータとして入力されるアンダーフロア関連寸法の入力画面(a)とを例示する図である。
【図16】車両基準モデルに対する最前列乗員のヒップポイントHP1の水平位置TL、車幅方向位置BL及び垂直位置WLの決定方法を説明する図である。
【図17】車両基準モデルのカウルポイントCWの水平位置1107及び垂直位置1108の決定方法を説明する図である。
【図18】車両基準モデルのフロントヘッダの水平位置及び垂直位置の決定方法を説明する図である。
【図19】車両基準モデルのリアヘッダの水平位置及び垂直位置の決定方法を説明する図である。
【図20】車型とピラー本数により定義される外形モデルを例示する図である。
【図21】外形モデルの大局変形ルールを説明する図である。
【図22】外形モデルの局所変形ルールを説明する図である。
【図23】外形モデルの車型変形ルールを説明する図である。
【図24】構造モデルの外観視(b)と断面形状(c)を表示する2次元及び3次元画像とこの画像の対応部位にパラメータとして入力される断面寸法の入力画面(a)とを例示する図である。
【図25】本実施形態のシミュレーションの前段で決定される新型車両の企画プロセスを説明する図である。
【図26】上記企画プロセスを決定した後のシミュレーション方法を示すフローチャートである。
【図27】上記企画プロセスを決定した後のシミュレーション方法を示すフローチャートである。
【図28】図26及び図27のシミュレーション開始時の操作画面例を示す図である。
【図29】図28の操作画面において完成モデルボタンを選択した場合の表示画面例を示す図である。
【図30】図28の操作画面において基準モデルボタンを選択した場合の表示画面例を示す図である。
【図31】ホイールベース変更前の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例を示す図である。
【図32】図31の状態から上記変形ルールに従ったホイールベース変更後の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例を示す図である。
【図33】車幅変更前の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例を示す図である。
【図34】図33の状態から上記変形ルールに従った車幅変更後の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例を示す図である。
【図35】全高変更前の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例を示す図である。
【図36】図35の状態から上記変形ルールに従った全高変更後の外形モデルを前方斜視(a)及び後方斜視(b)で表示する表示画面例を示す図である。
【図37】最前列乗員のヒップポイント変更前の外形モデルを側面視で表示する表示画面例を示す図である。
【図38】図37の状態から上記変形ルールに従ったヒップポイント変更後の外形モデルを側面視で表示する表示画面例を示す図である。
【図39】フロントガラスモデルと外形モデルとの干渉状態を示す図である。
【図40】本実施形態の企画支援プログラムの構成を示す図である。

Claims (10)

  1. 車両の企画立案を支援するため、コンピュータに、
    ユーザによる車両の外形寸法を規定する外形諸元値入力を受け付ける入力工程と、
    車両の外部形状に関する外形パラメータグループを読出し、読出した前記外形パラメータグループに含まれる外形パラメータを、前記外形諸元値及び所定のルールに基づいて変更して、車両の外観を表す外形モデルを構築する外形モデル構築工程と、
    ユーザにより入力された車両内での乗員の着座状態に関する乗員パラメータに基づいて人型モデル及びシートモデルを読み出し、該モデルに基づいて乗員の居住性を表す居住空間モデルを構築する居住空間モデル構築工程と、
    前記外形モデル構築工程で構築された外形モデルと、前記居住空間モデル構築工程で構築された居住空間モデルとを重畳表示する表示工程と、
    を実行させる企画支援プログラムであって、
    前記外形諸元値は、
    車幅方向の中心で、かつルーフパネル上の特定位置に設定された定義点の座標と、
    車幅方向の中心で、かつフロントバンパー及びリアバンパーの前後方向に対する最突出部位置に設定された定義点の座標と、
    車体側面の車幅方向における最突出部位置に設定された定義点の座標と、
    車幅方向の中心で、かつフロントウインドガラスの下端に設定された定義点の座標と、
    を決定するための値を含み、
    前記所定のルールは車型毎に設定され、
    前記外形モデル構築工程では、これらの定義点の座標を元に、前記車両の車型に応じた前記所定のルールに基づいて、他の車両部位の座標を自動的に導き出し、前記外形モデルを構築することを特徴とする企画支援プログラム。
  2. 前記外形諸元値は、更に、
    車体側面に形成されたホイールハウジングの前後方向の中心に設定された定義点の座標を決定するための値を含むことを特徴とする請求項1に記載の企画支援プログラム。
  3. 前記外形諸元値は、前記定義点の座標を決定するための値のみから構成され、
    前記外形モデル構築工程では、前記定義点の座標のみを元に、他の車両部位の座標を自動的に導き出し、前記外形モデルを構築することを特徴とする請求項1または2に記載の企画支援プログラム。
  4. 前記請求項1、2または3に記載の企画支援プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  5. 車両の企画立案を支援するため、コンピュータに、
    ユーザによる車両の外形寸法を規定する外形諸元値入力を受け付ける入力工程と、
    車両の外部形状に関する外形パラメータグループを読出し、読出した前記外形パラメータグループに含まれる外形パラメータを、前記外形諸元値及び所定のルールに基づいて変更して、車両の外観を表す外形モデルを構築する外形モデル構築工程と、
    ユーザにより入力された車両内での乗員の着座状態に関する乗員パラメータに基づいて人型モデル及びシートモデルを読み出し、該モデルに基づいて乗員の居住性を表す居住空間モデルを構築する居住空間モデル構築工程と、
    前記外形モデル構築工程で構築された外形モデルと、前記居住空間モデル構築工程で構築された居住空間モデルとを重畳表示する表示工程と、
    を実行させる企画支援方法であって、
    前記外形諸元値は、
    車幅方向の中心で、かつルーフパネル上の特定位置に設定された定義点の座標と、
    車幅方向の中心で、かつフロントバンパー及びリアバンパーの前後方向に対する最突出部位置に設定された定義点の座標と、
    車体側面の車幅方向における最突出部位置に設定された定義点の座標と、
    車幅方向の中心で、かつフロントウインドガラスの下端に設定された定義点の座標と、
    を決定するための値を含み、
    前記所定のルールは車型毎に設定され、
    前記外形モデル構築工程では、これらの定義点の座標を元に、前記車両の車型に応じた前記所定のルールに基づいて、他の車両部位の座標を自動的に導き出し、前記外形モデルを構築することを特徴とする企画支援方法。
  6. 前記外形諸元値は、更に、
    車体側面に形成されたホイールハウジングの前後方向の中心に設定された定義点の座標を決定するための値を含むことを特徴とする請求項5に記載の企画支援方法。
  7. 車両の企画立案を支援する企画支援装置であって、
    ユーザによる車両の外形寸法を規定する外形諸元値入力を受け付ける入力手段と、
    車両の外部形状に関する外形パラメータグループを読出し、読出した前記外形パラメータグループに含まれる外形パラメータを、前記外形諸元値及び所定のルールに基づいて変更して、車両の外観を表す外形モデルを構築する外形モデル構築手段と、
    ユーザにより入力された車両内での乗員の着座状態に関する乗員パラメータに基づいて人型モデル及びシートモデルを読み出し、該モデルに基づいて乗員の居住性を表す居住空間モデルを構築する居住空間モデル構築手段と、
    前記外形モデル構築手段で構築された外形モデルと、前記居住空間モデル構築手段で構築された居住空間モデルとを重畳表示する表示手段と、
    を備え、
    前記外形諸元値は、
    車幅方向の中心で、かつルーフパネル上の特定位置に設定された定義点の座標と、
    車幅方向の中心で、かつフロントバンパー及びリアバンパーの前後方向に対する最突出部位置に設定された定義点の座標と、
    車体側面の車幅方向における最突出部位置に設定された定義点の座標と、
    車幅方向の中心で、かつフロントウインドガラスの下端に設定された定義点の座標と、
    を決定するための値を含み、
    前記所定のルールは車型毎に設定され、
    前記外形モデル構築手段は、これらの定義点の座標を元に、前記車両の車型に応じた前記所定のルールに基づいて、他の車両部位の座標を自動的に導き出し、前記外形モデルを構築することを特徴とする企画支援装置。
  8. 前記外形諸元値は、更に、
    車体側面に形成されたホイールハウジングの前後方向の中心に設定された定義点の座標を決定するための値を含むことを特徴とする請求項7に記載の企画支援装置。
  9. 車両の企画立案を支援する企画支援システムであって、
    ユーザによる車両の外形寸法を規定する外形諸元値入力を受け付ける入力手段と、
    車両の外部形状に関する外形パラメータグループを複数格納したデータベースと、
    前記データベースから、1つの前記外形パラメータグループを選択する選択手段と、
    選択した前記外形パラメータグループに含まれる外形パラメータを、前記諸元値及び所定のルールに基づいて変更して車両の外観を表す外形モデルを構築する外形モデル構築手段と、
    人型モデル及びシートモデルを格納した乗員データベースと、
    ユーザにより入力された車両内での乗員の着座状態に関する乗員パラメータに基づいて 前記乗員データベースから前記人型モデル及び前記シートモデルを読み出し、該モデルに基づいて乗員の居住性を表す居住空間モデルを構築する居住空間モデル構築手段と、
    前記外形モデル構築手段で構築された外形モデルと、前記居住空間モデル構築手段で構築された居住空間モデルとを重畳表示する表示手段と、
    を備え、
    前記外形諸元値は、
    車幅方向の中心で、かつルーフパネル上の特定位置に設定された定義点の座標と、
    車幅方向の中心で、かつフロントバンパー及びリアバンパーの前後方向に対する最突出部位置に設定された定義点の座標と、
    車体側面の車幅方向における最突出部位置に設定された定義点の座標と、
    車幅方向の中心で、かつフロントウインドガラスの下端に設定された定義点の座標と、
    を決定するための値を含み、
    前記所定のルールは車型毎に設定され、
    前記外形モデル構築手段は、これらの定義点の座標を元に、前記車両の車型に応じた前記所定のルールに基づいて、他の車両部位の座標を自動的に導き出し、前記外形モデルを構築することを特徴とする企画支援システム。
  10. 前記外形諸元値は、更に、
    車体側面に形成されたホイールハウジングの前後方向の中心に設定された定義点の座標を決定するための値を含むことを特徴とする請求項9に記載の企画支援システム。
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