JP4737506B2 - 車両企画支援システム - Google Patents
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一方、本出願人は、車両特性を評価するために、評価者に車両搭乗状態を疑似体験させるシミュレーション装置を提案している(特許文献1)。また、本出願人は、画面上に車両の外形や居住空間等に関する複数のモデルを変形可能に表示して車両企画を支援する企画支援プログラム等を提案している(例えば、特許文献2)。
このように構成された本発明においては、車両モデルの複数の諸元項目における寸法及び角度を含む諸元値の入力のための諸元値入力画面が表示され、入力された諸元値に基づいて車両モデルをその形状及び諸元値を変更可能な車両モデルとして表示するモーフィング画面が表示されるので、車両企画者は、諸元値の入力及び車両モデルの形状及び諸元値の変更により、様々な形状やパッケージング等をより効率的に且つ効果的に評価することが出来、且つ、従来の図面に基づいた車両企画のアプローチとは全く異なり、従来の固定観念に縛られない自由度の高い手法でより新しい車両を企画することが出来る。
また本発明においては、車両企画者がモーフィング画面において諸元値を関連して複数変更した場合、履歴登録手段により、その変更した複数の諸元値と共に、それらの諸元項目、関連した目的及び理由を関連諸元変更データとして登録することが可能となるので、例えば、視認性を高めるためにハンドル位置を下げた場合、シート位置も下げた方が良い、等というノウハウを登録することが出来、その後の車両企画に役立てることが出来る。従って、設計の経験が少ない者が、そのようなノウハウ等を活用することで、様々な部位を試行錯誤により調整する等の作業の繰り返しを少なくすることが出来る。即ち、車両企画上生じる問題を、登録されたノウハウ等に基づいて解決することが出来、車両企画をより効率的に進めることが出来る。その結果、設計の経験が少ない者が、より効果的に新たな発想に基づいた斬新な車両を企画することが出来る。
これらの結果、車両企画をより効率的且つ効果的に進めることが出来る。
このように構成された本発明においては、関連した目的及び理由を検索する履歴検索手段により、車両企画者は、例えば視認性を向上させようとするとき、視認性に関して登録された関連諸元変更データを検索することが出来る。そして、その検索したデータに基づいて、例えば視認性向上のためにはハンドル位置と共にシート位置を変更した方が良い、等の対処内容を知ることが可能になり、車両企画を有効に進めることが出来る。
このように構成された本発明においては、履歴登録手段により、車両企画者は、関連した目的を関連諸元変更データの名称として登録し、さらに、この名称で検索をすることが可能となるので、関連諸元変更データを効率的に利用することが出来る。
このように構成された本発明においては、関連諸元変更データの登録後、車両企画者が関連諸元変更データに含まれる諸元項目と一致する諸元項目の諸元値を変更した場合、履歴報知手段により、その一致した諸元項目を含む関連諸元変更データが報知されるので、車両企画者は、例えば、視認性向上のためにハンドル位置に関する諸元項目の諸元値を変更した場合、シート位置も変更した方が良いことを知ることが出来、その後の車両企画を有効に進めることが出来る。
先ず、図1乃至図3により、本実施形態による車両企画支援システムの概要を説明する。
図1は、本実施形態による車両企画支援システムの基本構成を示すブロック図であり、図2は、本実施形態による車両企画支援システムの評価用モニタ装置の基本構成を示す斜視図であり、図3は、本実施形態による車両企画支援システムの企画支援プログラムの構成、データベースの構成及びデータの概念的な流れを示す図である。
図1に示すように、本実施形態による車両企画支援システム1は、コンピュータ2と、データベースサーバ4と、評価用モニタ装置6とを備えている。
先ず、コンピュータ2は、CPU8、ROM10、RAM12、記憶部14、入力部16、表示部18、画像処理部20及び通信部22を有し、これらは、互いにシステムバスによって接続されている。
CPU8は、一般的なコンピュータの演算処理に加え、図3に示す企画支援プログラム30による処理を実行する中央演算装置である。ROM10には、コンピュータ2を起動させるブートプラグラム等が格納されている。RAM12は、車両企画支援システム上で実行される企画支援プログラム30や各種データを一時的に記憶するためのプログラム領域や、データの書き込みや読み出しを行うためのデータ領域を有する。
図2に示すように、評価用モニタ装置6は、プロジェクタ24と平面スクリーン26とを備えている。プロジェクタ24は、画像処理部20で演算処理された情報に基づいて、後述する車両モデルやシミュレーションモデルを平面スクリーン26に後方側から投影する。そして、平面スクリーン26の前方側に位置する複数の車両企画者(企画車両の評価や各操作等を行う者)は、それらの車両モデルやシミュレーションモデルを表示する画面28を見ることが出来るようになっている。このように、評価用モニタ装置6により、試作車を作製しなくても、複数の車両企画者が、同時に、企画車両の検討や評価を行うことが出来るようになっている。
図3に示すように、企画支援プログラム30には、モデル構想プログラム32及びシミュレーションプログラム34が含まれている。本実施形態では、モデル構想プログラム32により、企画車両の各部のレイアウトによって定まるパッケージング等に関する検討を進め、シミュレーションプログラム34により、その企画車両の評価を行うようになっている。
モデル構想プログラム32には、諸元値入力プログラム(諸元値入力画面表示プログラム)36、車両モデルデータ生成プログラム38、モーフィング画面表示プログラム40及び履歴登録表示プログラム42が含まれ、シミュレーションプログラム34には、シミュレーション画像表示プログラム44が含まれている。
図3に示すように、データベースサーバ4には、基準データベース60、外観データベース62、外観パーツデータベース64、内装データベース66及び内装パーツデータベース68が含まれている。これらのデータベースには、詳細には後述するように車両モデルデータのテンプレートとなる車両データが格納されている。
ベンチマーク車両データベース70には、既存車種に関する寸法や角度等を具体的な数値で表した複数の諸元値が車種毎に格納されている。このような諸元値は、企画車両の形状や各部の配置を変更するベースとなるベース車両や、企画車両の比較対象となるベンチマーク車両としてのデータとして使用することが出来る。
規制値データベース72には、レギュレーション上或いは車両設計上の制約値に関するデータが格納されている。これらのデータは、例えば、国内外の衝突安全基準で定められたバンパ高さ等の具体的な数値で構成されている。また、車両企画の段階に応じて許容することが出来る範囲を各諸元(ルーフ高さ等の諸元項目)に対して規定した規定値に関するデータが格納されている。
履歴データベース76には、車両企画者による諸元値の設定或いは変更の手順やその目的等のノウハウが履歴データとして格納されている。また、この履歴データベース76には、新たに履歴データを保存することが出来る。
図4は、本実施形態による車両モデルに含まれる各モデルを説明するための図であり、図5は、本実施形態による基準モデルの主要寸法モデル(a)、乗員モデル(b)及びアンダーボディモデル(c)の一例を示す図であり、図6は、本実施形態による外観モデルのエクステリアモデルの一例を示す図であり、図7は、本実施形態による外観パーツモデルのドアモデル(a〜c)及びガラスモデル(d)の一例を示す図であり、図8は、本実施形態による内装モデルの上部インテリアモデル(a)及び下部インテリアモデル(b)の一例を示す図であり、図9は、本実施形態による内装パーツモデルのインパネモデル、コンソールモデル及びシートモデルの一例を示す図であり、図10は、本実施形態による乗員モデル、外観モデル及び内装モデルを組み合わせた車両モデルの一例を示す図である。
図4に示すように、車両モデルには、基準モデル80が含まれ、この基準モデル80には、主要寸法モデル82、乗員モデル84及びアンダーボディモデル86が含まれている。
図5(a)に示すように、主要寸法モデル82は、車両の外枠82a、グラウンド(地面に相当)82b、車輪82c等に関するモデルであり、車両の外枠の寸法、ホイールベースの長さ、車輪の寸法等の諸元で規定される。
乗員マネキン84aは、乗員配置や姿勢を検討するためのものであり、国内外の基準に準じた一定の形状及び寸法を有している。この乗員マネキン84aは、乗員配置及び姿勢を特定するための種々の寸法や角度の諸元で規定される。諸元には、例えば、ヒップポイントの位置、ヒップポイントに対する頭頂やかかとの位置、最前列と2列目の乗員間の距離等が含まれる。なお、「寸法」には、各部間の「相対距離」も含まれる。
図5(c)に示すように、アンダーボディモデル86は、ダッシュパネル86a、フロアパネル86b及びサイドシル86c等の車体の下部構造に関するモデルである。このアンダーボディモデル86は、ダッシュパネル86a及びフロアパネル86bを構成する数枚のパネルのそれぞれの寸法や角度、サイドシル86cの寸法等の諸元で規定される。
図4に示すように、車両モデルには外観モデル90が含まれ、この外観モデル90には、エクステリアモデル92が含まれている。図6に示すように、エクステリアモデル92は、バンパ及びボンネット等を含む車両の外板に関するモデルである。このエクステリアモデル92は、車両の外形に関する種々の寸法や角度の諸元で規定される。諸元には、例えば、ホイールベース、フロントオーバーハング、リアオーバーハング、カウルポイントの位置、ルーフトップ高さ、ピラー部の傾斜角度等が含まれる。
図4に示すように、車両モデルには外観パーツモデル100が含まれ、この外観パーツモデル100には、ドアモデル102及びガラスモデル104が含まれている。
図7(a)乃至(c)に示すように、ドアモデル102は、前後ドアの開口フランジ102a、前後サイドドアの外板及びサッシュ102b、及び、リフトゲートの外板及びサッシュ102cに関するモデルであり、図7(b)乃至(d)に示すように、ガラスモデル104はフロントウインドウ、フロントクォータウインドウ、サイドウインドウ、リアクォータウインドウ及びリアウインドウの各ガラスに関するモデルである。これらのモデルは、それぞれの形状及び配置に関する種々の寸法や角度の諸元で規定される。
図4に示すように、車両モデルには内装モデル110が含まれ、この内装モデル110には、上部インテリアモデル112及び下部インテリアモデル114が含まれている。図8(a)に示すように、上部インテリアモデル112は、ピラートリム112a及びトップシーリング(ルーフヘッダ、ルーフレール及びルーフのトリム)112bに関するモデルであり、図8(b)に示すように、下部インテリアモデル114は、前後ドア及びリフトゲートのトリム114a、カウルサイドトリム114b、Bピラー下部トリム114c、リアサイドトリム114d及びスカッフプレート114eに関するモデルである。これらのモデルは、各トリムやトップシーリング等の形状及び配置に関する種々の寸法や角度の諸元で規定される。
図4に示すように、車両モデルには内装パーツモデル120が含まれ、この内装パーツモデル120には、インパネモデル122、コンソールモデル124及びシートモデル126が含まれている。
図9に示すように、インパネモデル122、コンソールモデル124及びシートモデル126は、ダッシュボード等を含むインパネ、このインパネと連続しているコンソール及び複数のシートに関するモデルである。これらのモデルは、それらの車室内における配置を検討するためのものであり、一定の形状を有している。
インパネモデル122及びコンソールモデル124は、それらの配置に関する寸法や角度の諸元で規定される。また、シートモデル126は、シートの配置、シートの幅、ヘッドレスト上下位置、シートバック角度等に関する寸法(距離)や角度の諸元で規定される。
なお、インパネモデル122及びコンソールモデル124は、内装モデル110と整合するように、配置に応じて自動的に変形するようにしても良い。
これらのデータベースに格納されている車両データは、車両モデルデータ(車両をモーフィング画面で表示させるためのデータ)を生成するときのテンプレートとなるデータである。即ち、車両データは、車両に関する寸法や角度の諸元をパラメータ(変数)として車両の形状や乗員姿勢等を規定したデータである。この車両データには、後述するルールデータが含まれている。
このような車両データを基に生成される車両モデルは、いわゆる寸法駆動が可能なモデルとなり、寸法や角度を変更すると、それに対応して車両の各部が変形し、或いは、乗員配置等が変更されるようになる。
ルールデータには、諸元同士を関連付けて、車両の各部の形状や配置の整合性を保つデータが含まれる。このようなデータにより、例えば、外形を表すエクステリアモデル92では、ルーフ長さを変更すると、そのルーフとのつながりを保つようにピラー部の角度も連動して変更され、さらに、内装を表す上部インテリアモデル112のトップシーリング(天井内張り)の長さも変更される。このようなルールは、ミニバンやセダンなど、車型ごとに異なるように設定され、例えば、ルーフの前縁を後方に下げた場合、ミニバンでは、フロントピラーの角度を保ったままボンネットが後方に延び、スポーツタイプでは、フロントピラーの傾斜角度が小さくなるようになっている。
図11は、本実施形態による諸元値入力画面の初期画面を示す図であり、図12は、本実施形態による諸元値入力画面の数値入力画面を示す図である。
諸元値入力プログラム36(図3参照)は、図11及び図12に示すような諸元値入力画面を表示させ、入力された諸元値から諸元値データを生成させる機能を有する。
また、このような諸元値入力画面により車型や諸元値等が設定されると、設定された車型等のデータ、及び、諸元値をそれぞれ諸元項目(パラメータ)と関連させて一覧化したデータをそれぞれ含む諸元値データが生成される。
車両モデルデータ生成プログラム38に含まれる各モデルデータ生成プログラム46、48、50、52、54(図3参照)は、諸元値入力プログラム36により生成された諸元値データ及び各データベース60、62、64、66、68に格納されている車両データ(車両モデルのテンプレート)に基づいて車両モデルデータ(車両をモーフィング画面で表示させるためのデータ)を生成する機能を有する。
車両モデルデータには、基準モデルデータ(主要寸法モデルデータ、乗員モデルデータ及びアンダーボディモデルデータ)、外観モデルデータ(エクステリアモデルデータ)、外観パーツモデルデータ(ドアモデルデータ及びガラスモデルデータ)、内装モデルデータ(上部インテリアモデルデータ及び下部インテリアモデルデータ)及び内装パーツモデルデータ(インパネモデルデータ、コンソールモデルデータ及びシートモデルデータ)が含まれる。
一方、2次元モーフィング画面では、車両を側面、平面或いは正面から見た所定の断面及び主要な形状に関する諸元値のみを組み込んだ車両モデル(2次元車両モデル)を表示する。また、組み込まれるルールデータも少なくなっている。
従って、車両モデルデータ生成プログラム38では、3次元モーフィング用の車両モデルデータ及び2次元モーフィング用の車両モデルデータを、表示させるモーフィング画面に応じてそれぞれ生成するようになっている。
図13に示すように、3次元モーフィング画面表示プログラム58は、車両モデルデータ生成プログラム38で生成された3次元モーフィング用の車両モデルデータに基づいて、車両モデルを任意の視点から見た3次元的な形状を、その視点に合わせて距離感が出るように表示させる機能を有する。
また、図14に示すように、各モデルを組み合わせたモデルの車幅方向に断面をとれば、乗員モデル84、内装モデル112、114、内装パーツモデル122、126の車室内の様子を表示させることも出来る。各モデルは、上述した所定の基準位置を基準に重ね合わせられて表示される。
従って、或る諸元ポイントをマウスによりドラッグすると、その諸元ポイントを起点とする寸法や角度が変更されると共に、ルール付けされた関連するその他の寸法や角度がすべて連動して変更されて、車両モデルが、形状や配置の整合性を保って変形する。
このような場合、本実施形態では、以下に説明するように、車両企画者は、2次元モーフィング画面を活用して、有効に車両企画を進めることが出来るようになっている。
先ず、図15乃至図17により、2次元モーフィング画面の種類及び車両モデルの表示内容について説明する。図15は、本実施形態による車両モデルを表示する2次元モーフィング画面の側面図表示(a)、平面図表示(b)及び正面図表示(c)の一例であり、図16は、本実施形態による車両モデルを表示する2次元モーフィング画面の側面図表示の他の例であり、図17は、本実施形態による車両モデルのピラー部の断面を示す2次元モーフィング画面の断面図表示の一例である。
2次元モーフィング画面表示プログラム56(図3参照)は、車両モデルデータ生成プログラム38で生成された2次元モーフィング用の車両モデルデータに基づいて、車両モデルを表示する機能を有する。
これらの2次元モーフィング画面では、車両モデルは、所定の断面及び主要な形状が直線や曲線で表示され(モーフィング形状表示)、さらに、モーフィング形状表示される形状に関する諸元値について、諸元項目、諸元値及びそれらを規定する寸法線が表示される(諸元値表示)。
なお、この図15(a)では、モーフィング表示は、エクステリアモデル92について表示され、他のモデルは省略されている。また、そのようなモーフィング形状表示等と共に、エクステリアモデル92の外板の面形状のイメージや、乗員モデル84の配置や姿勢を示すイメージや線が表示されている。
図15及び図16に示すように、車両企画者は、目的に合わせて、モーフィング形状表示をさせるモデルを任意に選択して表示させ、さらに、その参考にするモデルを任意に選択して、そのイメージを表示させることが出来る。このような2次元モーフィング画面により、例えば、乗員配置や外板のイメージを参考にしながら、車両の外形や主要寸法等について検討することが出来る。
図15乃至図17に示すように、表示された諸元値(「・・・」)は、画面上で選択することにより数値入力が可能となっている。この諸元値の変更入力により、車両モデルの各部の形状及び配置の変更が行われるようになっている。従って、車両企画者は、諸元値の入力の都度、車両モデルの変形後の形状を見ながら作業を進めることが出来る。
上述した数値入力或いはこのドラッグにより変更された諸元値は、諸元値データに反映されるようになっている。
従って、車両企画者は、基本的には、ルールに縛られずに、変更しようとする部分に関する寸法や角度を一つ一つ変更することが出来るようになっている。このことにより、車両企画者は、その一つ一つの変更に対し変形形状をその都度確認しながら、車両形状を着実に仕上げていくことが出来る。
先ず、図18により、各車両モデル間に適用されるルールの主従関係について説明する。
上述したルールデータには、車両企画を効果的且つ効率的に進めるために、各車両モデル間の主従関係を定めたデータが含まれている。図18において、矢印は主従関係を表し、その起点のモデルが上位、終点のモデルが下位となる。そして、後述するモーフィング画面において、上位のモデルの諸元値が変更された場合、その変更された諸元値に関連する下位のモデルの諸元値も連動して変更され、その変更後の形状が表示される。例えば、主要寸法モデル82においてホイールベースを変更すると、その下位のモデルである乗員モデル84やエクステリアモデル92では、ホイールベースを変更したことにより影響を受けるダッシュパネルから乗員までの距離や前後ホイールアーチ部間の距離等の各諸元値が変更される。
上述したルールデータには、乗員モデル84に対する各モデルの位置関係を記憶したデータが含まれる。
先ず、乗員モデル84とシートモデル126との間では、乗員モデル84のヒップポイントの諸元値を変更すると、シートモデル126の配置に関する諸元値が連動して変更され、変更後のヒップポイントに合う位置にシートモデル126が配置されるようにルールが設定されている。これにより、設計上、必然的に変更しなければならない諸元値を個別に変更する必要がないので、車両企画者の利便性が高まる。
このような見栄え上の理由等によりヒップポイントとインテリアパーツとの相対位置関係がほぼ一義的に定まる場合、諸元値を個別に変更する必要がないので、車両企画者の利便性が高まる。なお、インテリアパーツを、ヒップポイントではなく、アイポイントに連動するようにしても良い。
本実施形態では、このような許容範囲を超えた場合、シートモデル126、インパネモデル122及び下部インテリアモデル114は、そのような許容範囲の中央位置に変更されるようになっている。従って、配置の基準となる中央位置を視覚的に確認することが出来、その結果、車両企画段階での大きなミスを防止することが出来る。
また、ブレーキペダルやステアリングホイールは、安全性などの理由により自動的に連動しない方が良い場合があるので、ヒップポイントが変更されても連動して変更されず、車両企画者が個別に調整するようにしている。
図19は、本実施形態によるシミュレーション画像表示プログラムにより表示される画像の一例であり、車両モデルが仮想道路上を走行する様子を運転手の視点から見た画像を示す図である。
シミュレーション画像表示プログラム44(図3参照)は、車両モデルを単なる数値データ(3次元座標データ)に置き換え、図19に示すように、このシミュレーション車両が仮想空間内の仮想道路上を走行する映像を表示させる機能を有する。
また、シミュレーション画像表示プログラム44は、企画車両とベンチマーク車両を仮想空間内で並走するように表示させる機能、同じ位置で片方の車両を半透明にするなどして重ね合わせて表示させる機能、及び、同じ仮想空間を表す2画面を並べてそれぞれ同時に走行させる機能等も有する。
図20は、本実施形態による車両企画支援システムによる処理の一例を示すフローチャートの前半であり、図21は、本実施形態による車両企画支援システムによる処理の一例を示すフローチャートの後半であり、図22は、本実施形態によるモーフィング表示設定メニューの画面を示す図であり、図23は、本実施形態によるシミュレーション表示及び2次元モーフィング表示が合わせて表示された画面の一例を示す図であり、図24は、図19に示すシミュレーション表示された車両モデルのピラー部の形状及び大きさを変更した後の画像の一例を示す図であり、図25は、本実施形態によるシミュレーション表示された車両モデルのピラー部の変更後及び変更前の画像を並べて表示した画像の一例を示す図である。
次に、S2に進み、S1において入力された或いは読み込まれた諸元値等に基づいて、諸元値データが生成される。
次に、S3に進み、図22に示すようなモーフィング表示設定メニュー画面が表示され、車両企画者は、表示するモーフィング画面を選択する。図22では、2次元モーフィング画面の3面図表示が選択されている。また、車両企画者は、後述するベンチマーク車両に関する項目及び空間エリア表示に関する項目に関してそれぞれ選択する。なお、このモーフィング表示設定メニュー画面は、モーフィング画面表示プログラム40により表示される。
次に、S4に進み、S3において車両企画者により選択されたモーフィング画面に応じて2次元用或いは3次元用の車両モデルデータが生成される。
ここで、上述したように2次元モーフィング画面では、車両モデルの形状変形や配置変更等を効果的且つ効率的に行えるようになっており、一方、3次元モーフィング画面では、車両の3次元的なイメージをつかみやすくなっている。従って、ここでは、最初にS5に進んで2次元モーフィング画面を表示し、その後、S8により3次元モーフィング画面を表示して車両の3次元的なイメージをつかむようにして、車両企画を進める場合について説明する。
車両企画者による2次元モーフィング画面における作業の終了後、車両企画者が、図15乃至図17に示すような3次元モーフィング画面への移行ボタン(「3Dへ移行」と表示)を押すと、S6に進み、一時記憶された変更後の諸元値が一括して諸元値データへ反映される。
次に、S7に進み、変更後の諸元値データに基づいて、3次元モーフィング用の車両モデルデータが一括して生成される。
ここで、上述したように、2次元モーフィング画面の車両モデルは、適用される諸元値及びルールが、3次元モーフィング画面用の車両モデルより少ない。従って、逐次、3次元モーフィング画面用の車両モデルデータの生成が行われた場合には、例えば、ボンネット部分とフェンダー部分との接続面が一致しない等、整合性がとれないことによるエラーが生じる場合がある。従って、2次元モーフィング画面における作業終了後に、3次元モーフィング用の車両モデルデータを一括して生成させることにより、整合性がとれないことによるエラーの多発を防止することが出来る。
また、上述したように、3次元用の車両モデルデータの生成には、諸元値やルールがすべて反映されるので計算量が多い。従って、3次元用の車両モデルデータの計算に要する時間を省くことにより、車両企画を効率的に行うことが出来る。
次に、S9に進み、車両企画者が、再び2次元モーフィング画面において車両の変形等を行う必要があると判断し、図13及び図14に示すような2次元モーフィング画面への移行ボタン(「2Dへ移行」と表示)を押すと、S5に進み、再度、2次元モーフィング画面が表示される。
なお、車両企画者は、図20中、破線で示すように、先ずS8で車両の3次元的なイメージをつかむか、或いは、おおまかな変形を行った後、S9において2次元モーフィング画面への移行ボタンを押して、S5における2次元モーフィング画面での作業を行うことも出来る。
次に、S11に進み、シミュレーション画像表示プログラム44(図3参照)により走行条件設定画面(図示せず)が表示され、車両企画者は、走行ルート、日照方向、天候、走行速度、旋回速度等を設定する。
次に、S12に進み、S11で設定された走行条件に合わせて、仮想空間データベース74から仮想空間データが読み出され、さらに、この仮想空間データと、S10で保存されたシミュレーション車両のデータとが組み合わされて、図19に示すように、シミュレーション車両が仮想空間内の仮想道路上で走行する様子が表示される。車両企画者が、図19に示すような画面上の一時停止ボタンを押すと、表示が一時停止される。この一時停止によって、車両企画者は、企画車両をじっくり評価することが出来、例えば、信号や歩行者の視認性等の評価を行うことが出来る。
車両企画者は、例えば、図19に示すように、歩行者が三角窓のピラーを含むAピラー部に隠れて視認性が悪いと判断した場合、図23に示すようなこの2次元モーフィング画面により、車両モデルの形状変更等を行うことが出来る。例えば、歩行者に対する視認性を高めるために、ピラー部に対する乗員モデル84の配置を変更する。或いは、図17に示すようなピラー部の断面を示す2次元モーフィング画面を表示させて、エクステリアモデル92及び上部インテリアモデル112のピラー部の形状や大きさを変更する。
次に、S16に進み、シミュレーション画像表示プログラム44により、変更された部分(例えば、ピラーの断面形状)に対応するシミュレーションモデルの一部の数値データが変更される。
2次元モーフィング画面表示プログラム56(図3参照)は、上述した機能以外に、車両企画の参考や比較対象にしようとするベンチマーク車両を、企画車両の車両モデルと重ね合わせて表示させる機能を有する。
また、車両企画者は、図22に示す選択画面において、企画車両の車両モデルと、ベンチマーク車両とを重ね合わせる基準位置を選択する(図22では、「フロントバンパー先端」が選択されている)。図26に示すように、ベンチマーク車両は選択された基準位置を基準に重ね合わされて表示される。
図27は、本実施形態による車両モデルと共にレンジ表示を表示した2次元モーフィング画面の一例であり、図28は、本実施形態によるレンジ表示設定メニューの画面を示す図であり、図29は、本実施形態による複数の車両形状のレンジ表示を表示する2次元モーフィング画面の一例である。
本発明の実施形態では、諸元値入力プログラム36及び各モーフィング画面表示プログラム56、58(図3参照)は、それぞれ、レンジ入力機能及びレンジ表示機能を有し、車両企画者によるレンジ値(所定の数値範囲)の入力により、そのレンジ値に応じた車両形状が表示されるようになっている。
ここで、車両形状を表示するには、或る特定の数値で表された諸元値が必要となるが、車両企画段階では、例えば、mm単位で数値を特定することに意味がない場合が多く、また、或る特定の数値を決めるのが不便な場合がある。従って、本実施形態では、レンジ入力を可能にすることにより、車両の企画を効果的に進めることが出来るようにしている。
本実施形態では、図12に示すように、諸元値入力プログラム36のレンジ入力機能により、諸元値入力画面にレンジ入力コラム(レンジ入力画面)が表示され、車両企画者は、各車両モデルの各諸元値に対するレンジ値を入力することが出来るようになっている。
具体的には、車両企画者は、レンジ値として、ルーフ高さなどの個々の諸元に対して、デザイン上の自由度を定める範囲となる上限値及び下限値を入力することが出来る。例えば、図12に示すように、入力したルーフ高さ(RoofHeight)の諸元値1500に対し、ルーフ高さを50mm高く或いは50mm低くした場合に、車両形状が全体としてどのようなイメージに変わるかを知りたい場合、車両企画者は「±50」と入力する。
ここで、レンジ入力コラムには、例えば、「±50」や「−10mm〜+50mm」等の諸元値に対する値の差を入力する。また、「1720〜1780」等の下限値と上限値をそれぞれ入力することが出来、この場合には、諸元値入力コラムへの諸元値の入力を省略することが出来る。
本実施形態では、図27及び図28に示すように、各モーフィング表示プログラム56、58のレンジ表示機能により、諸元値に基づく車両モデルが表示されると共に、入力されたレンジ値に対応する車両形状(レンジ表示)が表示されるようになっている。
図27に示すように、モーフィング画面では、基準表示として、諸元値に対応する車両モデルA(実線で示す)が表示されると共に、レンジ表示として、上限値における車両形状B(仮想線で示す)及び下限値における車両形状C(仮想線で示す)がそれぞれ表示されるようになっている。この図27に示す例では、基準表示は車両全体について表示され、レンジ表示は、車両の一部、即ち、ピラー部及びルーフ部のみ表示されている。
図27では、レンジ表示を仮想線で示したが、実際には、半透明で或いは基準表示(車両モデル)とは異なる色で表示される。また、3次元モーフィング画面においても同様に、レンジ表示が、例えば、半透明に表示される。
このような比較をする場合、従来は、諸元値を入力し直してモーフィング画面を表示させる作業を繰り返しており、時間がかかる上に比較もしにくかった。本発明の実施形態によれば、このような比較を容易に行うことが出来るので、車両企画を効率的に進めることが出来る。
また、この設定メニューにより、上限値表示及び下限値表示を任意に選択して、いずれか又は両方を基準表示に加えて表示させることが出来る。上限値表示又は下限値表示のいずれかを選択した場合には、基準表示に対し、レンジ表示が一つ表示され、互いに対比することが出来る。
また、基準表示(車両モデル)を非表示にして、上限値と下限値の2つのレンジ表示形状のみを表示させることも出来る。この場合、車両企画者は、上限値表示及び下限値表示の2つの形状の範囲内で、企画車両形状を自由に頭の中で想像し易くなる。
ここで、諸元値を入力せず、レンジ入力コラムに「1720〜1780」等の上限値と下限値を入力した場合には、上限値と下限値の中間値である1750が自動的に諸元値として定められ、各モーフィング画面ではその自動的に定められた諸元値を使用して基準表示(車両モデル)が表示される。
レンジ入力機能及びレンジ表示機能は、レンジ値の入力及び各モーフィング画面における諸元値の変更を規制する機能を有する。
先ず、レンジ値の入力及び諸元値の変更が不可となる場合について説明する。
自動車の開発において、例えば既存車種のドアやボンネット等をキャリーオーバー(流用)する場合がある。車両企画において、このようなキャリーオーバーを考慮して進めることで、車両企画をしてみたものの実現不可能な車両を開発することを防止することが出来る。
そこで、本発明の実施形態では、レンジ入力機能及びレンジ表示機能に、キャリーオーバーする部品に関するレンジ値の入力及び各モーフィング画面における諸元値の変更が受け付けられないように規制する機能を持たせている。
また、キャリーオーバー指定された諸元項目に関して上述したルールデータも適用されないようになっている。従って、本来ならルールデータに基づいて他の部分の諸元値の変更により連動して変更される諸元値であっても、キャリーオーバー指定がONである諸元値は、連動して変更されないようになっている。
また、キャリーオーバーでない場合でも、車両企画の途中で、例えばデザイン上特徴ある部分の諸元値を固定して、その後の車両企画を進めたい場合がある。この場合には、諸元値入力画面に戻り、キャリーオーバー指定をONにした後に諸元値データを生成すれば、その後、その部分に関する諸元値の変更が規制される。
自動車の開発においては、レギュレーション上の規制や車両設計上の制約を考慮する必要がある。例えば、レギュレーションとして、フロントバンパの高さは国内外の衝突安全基準等の制約を受け、また、車両設計上でも、エンジンの搭載位置等に関係してボンネット高さが制約を受ける場合がある。車両企画において、このような制約を考慮して進めることで、その後の開発を効率的に進めることが出来ると共に、車両企画をしてみたものの実現不可能な車両を開発することを防止することが出来る。
そこで、本発明の実施形態では、レンジ入力機能及びレンジ表示機能に、レンジ値の入力及び諸元値の変更が上述したような制約の範囲内でのみ受け付けられるように規制する機能を持たせている。
また、各モーフィング画面では、制約範囲を有する諸元値が、他の諸元値を変更することにより上述したルールデータに基づいて連動して変更される場合、制約範囲内でのみ連動するようになっている。本来ならルールデータに基づいて制約範囲を超えるような場合には、警告が行われる。
自動車の開発においては、通常、車両企画が最終段階に近づく程、諸元値に対し許容できるレンジ値は狭くなる。例えば、車両企画の最終段階に近くなる程、車両の外形やドア形状を大きく変更しない方が車両企画を効率的に進めることが出来る。車両企画の各段階において、このような許容範囲を考慮して車両企画を進めることで、車両企画を効果的に進めることが出来る。
そこで、本実施形態では、このような許容範囲を予め規定し、レンジ入力機能及びレンジ表示機能に、レンジ値の入力及び諸元値の変更がその規定した範囲内でのみ受け付けられるように規制する機能を持たせている。
一方、図11に示すように、諸元値入力画面の初期画面には、「stage1」や「stage2」等の企画段階を選択する選択ボタンが表示され、車両企画者により、企画段階が選択される。
図30は、本実施形態による空間エリア表示である頭部エリア表示及び乗降エリア表示を含む乗員モデルを表示する2次元モーフィング画面の一例を示す図であり、図31は、本実施形態による空間エリア表示である頭部エリア表示及び乗降エリア表示を含む乗員モデルを表示する2次元モーフィング画面の一例を示す図であり、図32は、本実施形態による空間エリア表示である頭部エリア表示及び乗降エリア表示を含む乗員モデルを表示する3次元モーフィング画面の一例を示す図であり、図33は、本実施形態による空間エリア表示である頭部エリア表示の変形例を示す図であり、図34は、本実施形態による空間エリア表示であるリーチエリア表示を含む乗員モデルを表示する3次元モーフィング画面の一例であり、図35は、本実施形態による空間エリア表示であるステアリング操作エリア表示の表示を示す図であり、図36は、本実施形態による空間エリア表示であるペダル操作エリア表示の表示を示す図である。
図30乃至図32に示すように、頭部エリア表示130は、乗員(乗員モデル84)が、通常の姿勢でいるとき、前方に身を起こしたとき、前後左右に首を振ったとき等を含むその頭部が動く範囲として、実際に頭部が移動する軌跡を含む頭部から所定距離にある空間を示すものである。この表示では、ルーフ等と干渉している部分が明度の違い等によって明確に分かるようになっており、例えば、図32に示す表示では、頭頂付近で明度が異なっている部分130aがあり、ルーフと干渉しているのが分かる。
このような頭部エリア表示130は、乗員モデル84の姿勢や配置(ヒップポイント、トルソー角、ヒールポイント等)を変更すると、連動して、その変更後の位置に対応した位置に表示される。
このような頭部エリア表示130により、頭上空間、頭部とルーフやピラー等との干渉具合、乗員の感じるルーフやピラー等に対する圧迫感等を評価することが出来る。
図30乃至図32に示すように、乗降エリア表示132は、ドア開口部の近傍に表示され、乗員モデル84の頭部の頭頂が乗降の際に通過する範囲を示すものである。この乗降エリア表示132も、頭部エリア表示130と同様に階層表示させることが出来、図30乃至図32では、階層表示された例が示されている。
この表示は、湾曲した曲面で表示され、乗員が前屈みで降りたり、上半身が比較的直立した姿勢で降りたりする際の通過位置を含むようになっている。この表示は、乗員モデル84の配置に連動した位置に表示される。
このように、乗降エリア表示132により、乗降の際における頭上空間(ルーフやピラーとの間隔)や、頭部とルーフやピラー等との干渉を、上述した頭部エリア表示130と同様に評価することが出来る。
図34に示すように、リーチエリア表示134は、乗員モデル84の前方に表示され、乗員(乗員モデル84)が腕を前方に向けてほぼ延ばし且つ上下左右に動かしたときに手が届く範囲を示すものである。図34では、手がステアリング84bに届かないことが分かる。この表示も、乗員の大きさに応じた腕の長さを考慮して、乗員から所定距離前方に何層かに分けて表示することが出来る(図示せず)。この表示も、上述した頭部エリア表示130と同様に、乗員モデル84の姿勢等に連動した位置に表示される。
このように、リーチエリア表示134により、ステアリング84b、シフトレバー(図示せず)やインパネの計器(図示せず)等に対する乗員の操作性や使い易さを評価することが出来る。
図35に示すように、ステアリング操作エリア表示136は、ステアリング84bに重畳して表示され、このステアリング操作エリア表示136により、ステアリング傾斜角度やステアリングセンター等のステアリング自体の操作性を評価することが出来る。
また、図36に示すように、ペダル操作エリア表示138は、ペダル84cに重畳して及びその近傍に表示され、このペダル操作エリア表示138により、各ペダルのペダル操作空間、ペダル高さ、ペダル傾斜角度、ペダル軌跡及び各ペダル同士の段差等のペダル自体の操作性を評価することが出来る。例えば、ペダル角度は、乗員のヒップポイントを上下させたときに足首の角度に連動して表示される。
図22に示すように、モーフィング表示設定メニューにより、上述した各表示のON−OFFを選択することが出来るようになっている。この場合、頭部エリア表示130、乗降エリア表示132、リーチエリア表示134、ステアリング操作エリア表示136及びペダル操作エリア表示138を任意に選択して表示させることが出来る。
また、階層表示のON−OFFを選択することが出来、さらに、階層表示させる場合の乗員モデル84に対する相対距離(頭部に対する距離、腕の付け根に対する距離等)及び階層表示の相互間隔を、それぞれ数値で入力することが出来る。
先ず、図37及び図38により、履歴登録機能について説明する。
図37は、本発明の本実施形態による履歴登録表示プログラムの履歴登録機能による登録用諸元値入力テーブルを示す図であり、図38は、本実施形態による履歴登録表示プログラムの履歴登録機能による履歴登録メニューを示す図である。
ここで、車両企画者は、或る諸元値を設定しようとする場合、どの程度の数値にすれば良いか、或いは、その設定しようとする諸元値に関連して他の諸元値をどの程度の数値にすればよいか等というノウハウを有している場合がある。また、車両企画者は、或る諸元値を変更して設定しようとする場合、他の諸元値も変更すべき或いはした方が良い、というノウハウを有している場合がある。例えば、ヒップポイントを変更した場合、ピラー位置やベルトライン位置も合わせて変更する場合がある。
具体的には、車両企画者が諸元値入力画面で諸元値を入力する場合(最初に入力する場合、及び、その入力後に変更値を再入力する場合を含む)、或いは、各モーフィング画面で諸元値を変更する場合、履歴登録表示プログラム42により、図37に示すような、登録用諸元値入力テーブルを表示させることが出来る。この登録用諸元値入力テーブルにより、諸元項目や諸元値等を設定する。
諸元値を初期入力する場合には、設定した諸元項目に対し諸元値を入力する。また、諸元値入力テーブル(図12参照)或いは諸元値データで既に設定されている諸元値が自動的に読み込まれるようになっており、車両企画者は、この読み込まれた諸元値を変更する。なお、各モーフィング画面を表示させ、このモーフィング画面上で諸元値を変更しても良く、この場合、その変更後の諸元値が登録用諸元値入力テーブルに自動的に読み込まれる。
諸元及び諸元値の設定後、履歴登録表示プログラム42により、図38に示すような履歴登録メニューを表示させることが出来る。この履歴登録メニューにより、車両企画者は、諸元項目及び諸元値の設定目的(入力目的、変更目的)及び設定理由(入力理由、変更理由)を入力する。
また、設定理由として、諸元値を変更しない方が良い、或いは、諸元値を変更してはいけない諸元値がある場合には、その理由(諸元値変更の禁止理由)を入力しても良い。例えば、「ベルトラインを下げるが、エンジンルーム確保のため、カウルポイントは下げない。」等と入力する。
さらに、履歴登録メニューでは、企画車両の車型(「ミニバン」等)、クラス(「Bセグメント」等)、開発段階(「stage1」等)をそれぞれ選択する。さらに、履歴登録メニューでは、車両企画のプロジェクト名、車両企画者の氏名、連絡先及び作業日時を入力する。
この履歴データには、複数の諸元値を設定した場合に生成される、設定した複数の諸元項目及びそれらに対応する諸元値と設定目的と設定理由とで構成される関連諸元変更データも含まれる。従って、他の車両企画者が、この関連諸元変更データを検索や報知により参照することで、或る目的を達成するために複数の諸元値を変更する必要があることを知ることが出来、ノウハウを有していない車両企画者も効果的に車両企画を行うことが出来る。
図39は、本発明の本実施形態による履歴登録表示プログラムの履歴検索機能による履歴検索メニューを示す図であり、図40は、本発明の本実施形態による履歴登録表示プログラムの履歴検索機能及び履歴報知機能により表示される履歴一覧画面の一例を示す図である。
履歴検索機能は、履歴データを車両企画者が検索することが出来るようにする機能である。車両企画者が履歴データベース76に保存されている履歴データを検索する場合、履歴検索機能により、図39に示すような履歴検索メニューを表示させることが出来る。この履歴検索メニューでは、キーワードを入力して検索することが出来る。図39では、「視認性」と入力され、また、全データから検索されるような選択がされている。また、検索項目を絞ることが出来、各項目(データ名称(登録名)、設定目的、企画車両名称(登録車)、プロジェクト名)を選択して、これらの中からデータを絞り込んで検索することも出来る。
また、関連諸元変更データ参照ボタンも表示され、このボタンを押すと、設定されている諸元項目及び諸元値が上述した登録用諸元値入力テーブル(図37参照)と同様の形式で表示されると共に設定目的及び設定理由が表示される。この場合、変更後の諸元値と共に変更前の諸元値も表示され、変更の過程を履歴として見ることが出来る。例えば、変更後の諸元値の横に、かっこ書で変更前の諸元値が表示される。
このような履歴検索機能により、例えば、車両企画者が前方視界を良くしようとするとき、前方視界に関して登録されている履歴データを参照して、車両企画に役立てることが出来る。
図41は、本発明の本実施形態による履歴登録表示プログラムの履歴報知機能による履歴報知設定メニューを示す図であり、図42は、本発明の本実施形態による履歴登録表示プログラムの履歴報知機能の機能を説明するためのフローチャートである。
履歴登録表示プログラム42は、諸元値入力プログラム36及び各モーフィング画面表示プログラム56、58と連係して履歴データベース76を参照する機能を有し、車両企画者が諸元値入力画面や各モーフィング画面で諸元値を変更した場合、その変更に関連する履歴データを報知する履歴報知機能を有する。
図42に示すように、S1において、ノウハウアシスト機能がONかOFFかを判定し、OFFである場合には、その後のステップを行わない。
ノウハウアシスト機能がONである場合には、S2に進み、変更された諸元値に関する履歴データの有無を判定する。具体的には、登録されている履歴データの中に、その車両企画者により変更された諸元値の諸元項目と一致する諸元項目が登録されているか否かを判定する。
該当するデータが有る場合には、S4に進み、該当する履歴データを報知する。本実施形態では、この履歴データの報知として、上述した履歴検索機能と同様に、図40に示すような履歴一覧画面が表示される。この履歴一覧画面により、上述したように、データ名、設定目的及び設定理由に加え、履歴の詳細及び関連諸元変更データを見ることが出来る。
6 評価用モニタ装置
28 平面スクリーン
36 諸元値入力プログラム
38 車両モデルデータ生成プログラム
40 モーフィング画面表示プログラム
42 履歴登録表示プログラム
44 シミュレーション画像表示プログラム
56 2次元モーフィング画面表示プログラム
58 3次元モーフィング画面表示プログラム
80 基準モデル
82 主要寸法モデル
84 乗員モデル
86 アンダーボディモデル
90 外観モデル
92 エクステリアモデル
100 外観パーツモデル
102 ドアモデル
104 ガラスモデル
110 内装モデル
112 上部インテリアモデル
114 下部インテリアモデル
120 内装パーツモデル
122 インパネモデル
124 コンソールモデル
126 シートモデル
130 頭部エリア表示
132 乗降エリア表示
134 リーチエリア表示
136 ステアリング操作エリア表示
138 ペダル操作エリア表示
Claims (4)
- 画面上に車両モデルを表示して車両の企画を支援する車両企画支援システムであって、 上記車両モデルの複数の諸元項目における寸法及び角度を含む諸元値の入力をさせるための諸元値入力画面を表示する諸元値入力画面表示手段と、
モーフィング画面により、上記諸元値入力画面に入力された諸元値に基づいて上記車両モデルを形状及び諸元値が変更可能な車両モデルとして表示するモーフィング画面表示手段と、
上記モーフィング画面において、上記諸元値が関連して複数変更された場合、その変更された複数の諸元値と共にそれらの諸元項目、上記関連した目的及び理由を関連諸元変更データとして登録させるための履歴登録手段と、を有することを特徴とする車両企画支援システム。 - さらに、上記関連した目的及び理由を検索する履歴検索手段を有する請求項1記載の車両企画支援システム。
- 上記履歴登録手段は、上記関連した目的を上記関連諸元変更データの名称として登録をさせることが可能であり、
上記履歴検索手段は、この名称で検索をさせることが可能である請求項2記載の車両企画支援システム。 - さらに、上記履歴登録手段による上記関連諸元変更データの登録後、上記関連諸元変更データに含まれる諸元項目と一致する諸元項目の諸元値が変更された場合、その一致した諸元項目を含む関連諸元変更データを報知する履歴報知手段を有する請求項1乃至3のいずれか1項記載の車両企画支援システム。
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