JP2006277367A - 車両企画支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 画面上に車両モデルを表示して車両の企画を支援する車両企画支援システムにおいて、車室内空間の距離の把握を容易にして車両モデルの評価をより正確に行うことができる車両企画支援システムを提供する。
【解決手段】 モデル構築手段によって構築された車両モデルの車室内画像を生成するシミュレーション部220に、評価用モニタ装置6の表示画面の手前の空間に、車室内画像の立体表示に対応する仮想車室内空間を設定する空間設定部232と、位置検出装置7によって検出された評価者の位置と、仮想車室内空間における車両モデルの設定部分との位置関係が、干渉状態であるか否か、或いは基準距離以下の近接状態であるか否かを判定する位置関係判定部234と、判定された位置関係が、干渉状態又は近接状態である場合に、位置関係を報知する位置関係報知部236とを有する。
【選択図】 図14

Description

本発明は、コンピュータを利用した車両企画支援システムに係り、より詳細には、画面上に表示された仮想空間内での走行シミュレーションにおいて車両モデルをより正確に評価するための車両企画支援システムに係る。
新型車両の開発においては、先ず、車両企画として、車両のコンセプト(車両全体としての商品性)を踏まえて車両のパッケージング等が検討される。従来の車両企画における企画車両の評価は、企画車両の概要を表す多数の図面に基づいて行われていた。このため、企画車両の一部分を変更すると、多くの図面を書き直さなければならなかった。また、クレーモデルやモックアップモデル、更に試作車の製作には、多大なコストと時間がかかる。このため、クレーモデル等を作り直すような試行錯誤を何度も繰り返すことは困難であった。
そこで、本出願人は、車両企画をより効率的且つ効果的に行うために、車両企画支援プログラムを提案している(例えば、特許文献1)。かかる車両企画支援プログラムをコンピュータにより実行する車両企画支援システムによれば、画面上に車両の外形や車室内空間等に関する複数の車両モデルを変形可能に表示して車両企画を支援することができる。
特開2004−042747号公報
車両企画支援システムにおける企画段階では、企画した車両モデルについて種々の評価が行われる。かかる評価においては、車両モデルを、実物大の大きさで表示して、仮想空間内を走行させ、運転者からの視認性や、運転者の受ける圧迫感等といった操作時の状態を再現して評価が行われる。かかる評価を行う際には、評価者による評価のばらつきの発生を抑制するため、車両モデルの運転席の固定基準点から見た車両モデル及び背景画像を表示し、その画像を、評価者が画面前の規定位置から視認している。
ところで、企画車両については、ルーフやピラー等に対して頭上空間が十分か、乗降時のドア開口部に対して頭上空間が十分か、或いは、腕等がドアトリム等と干渉しないかといった項目も評価される。
しかしながら、車両モデルを画面に立体表示して評価者が評価する場合、実車で評価する場合のように、評価者の頭上に手を入れてルーフとの間の距離を評価することができず、また、立体表示されている車室内画像の各部分に直接触れることもできない。このため、評価者が車室内空間の距離を把握しにくく、評価が不正確となるおそれがあった。
そこで、本発明は、画面上に車両モデルを表示して車両の企画を支援する車両企画支援システムにおいて、車室内空間の距離の把握を容易にして車両モデルの評価をより正確に行うことができる車両企画支援システムを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明の車両企画支援システムは、画面上に車両モデルを表示して車両の企画を支援する車両企画支援システムであって、企画しようとする車両の車両モデルを構築するモデル構築手段と、モデル構築手段によって構築された車両モデルの車室内画像を生成するシミュレーション手段と、シミュレーション手段によって生成された車室内画像の立体表示する評価用モニタ装置と、評価用モニタ装置に表示された車室内画像を見る評価者の位置を検出する位置検出装置と、評価用モニタ装置の表示画面の手前の空間に、車室内画像の立体表示に対応する仮想車室内空間を設定する空間設定手段と、位置検出装置によって検出された評価者の位置と、仮想車室内空間における車両モデルの設定部分との位置関係が、干渉状態であるか否か、或いは基準距離以下の近接状態であるか否かを判定する位置関係判定手段と、位置関係判定手段によって判定された位置関係が、干渉状態又は近接状態である場合に、位置関係を報知する位置関係報知手段とを有することを特徴としている。
このように構成された本発明の車両企画支援システムによれば、車室内空間の距離の把握を容易にして車両モデルの評価をより正確に行うことができる。
また、本発明において好ましくは、シミュレーション手段は、評価用モニタ装置に、位置検出装置によって検出された評価者の位置から見た車両モデルの車室内画像を表示させ、評価者の位置の移動に対応した車室内画像を表示させる視点移動対応手段を有する。
このように、評価者の動きに対応して表示画像を変化させれば、評価者が違和感を感じずにより正確な評価を行うことができる。
また、本発明において好ましくは、位置関係判定手段は、位置関係が近接状態である場合に、近接の程度に応じて報知形態を変える。
これにより、評価者は近接の程度を認識することができ、より正確な評価を行うことができる。
また、本発明において好ましくは、空間設定手段は、外部からの入力により、上記仮想車室内空間における車両モデルの設定部分を設定する。
これにより、所望の領域との位置関係を容易に評価することができる。
ところで、車両モデルを評価する際には、一度に、複数箇所の領域について干渉状態等の位置関係を評価したい場合がある。その場合、干渉状態等の位置関係がいずれの設定部分との間で生じているかを判別する必要がある。
そこで、本発明において好ましくは、位置関係報知手段は、複数の設定部分が設定されている場合に、設定部分ごとに個別の報知形態の報知を行う。
これにより、評価者は、複数の設定部分のうち、いずれの設定部分と干渉状態等になっているかを容易に判断することができる。
ところで、例えば、車両のルーフとピラーとでは、乗員が圧迫感を感じる距離が異なる。
そこで、本発明において好ましくは、位置関係報知手段は、複数の設定部分が設定されている場合に、設定部分ごとに個別の基準距離を設定する。
これにより、車両モデルの領域別にきめ細かく位置関係を認識することができ、より正確な評価を行うことができる。
とこで、例えば、スポーツカーとセダンとでは、許容される圧迫感の程度が大きく異なる。すなわち、スポーツカーでは、圧迫感がほとんど問題とされないのに対して、セダンでは、乗員が感じる圧迫感が大きな問題となる。
そこで、本発明において好ましくは、位置関係報知手段は、評価対象の車両モデルの車種ごとに個別の基準距離を設定する。
これにより、評価対象の車種に応じたきめ細かい評価を行うことができる。
ところで、位置関係が報知された場合、評価者は、体の部位が車両モデルと干渉状態や近接状態に有ることは認識できるが、自分の体の部位と車両モデルとの配置関係を客観的に把握することが困難な場合がある。
そこで、本発明において好ましくは、シミュレーション手段は、車室内仮想空間におけsる上記位置検出手段によって検出された評価者の位置に、車両モデルの設定部分と干渉状態にある評価者の体の部位モデルの画像を生成し、これを車両モデルの車室内画像と合成した合成画像を生成し、評価用モニタ装置は、シミュレーション手段によって生成された合成画像を立体表示する。
このように、車室内仮想空間に部位モデルの画像を合成して表示すれば、評価者と車両モデルとの位置関係を容易に客観的に把握することができる。これにより、より正確な評価を行うことができる。
また、本発明において好ましくは、シミュレーション手段は、上記仮想車室内空間、及び部位モデルを評価者の視点と異なる地点から見た合成画像を生成する。
これにより、評価者は、自分の体の部位と車両モデルとの配置関係をより客観的に反明くることができ、より正確な評価を行うことができる。
なお、合成画像として、評価者の視点以外に、例えば上下方向から見るように、複数の地点から見た様子を示す合成画像を生成するのが望ましい。
また、本発明において好ましくは、データベースサーバは、上記シミュレーション手段によって合成された合成画像を保存するシミュレーション画像データベースを有する。
これにより、保存した合成画像を再生して詳細な評価を行うことができる。
このように、本発明によれば、画面上に車両モデルを表示して車両の企画を支援する車両企画支援システムにおいて、車室内空間の距離の把握を容易にして車両モデルの評価をより正確に行うことができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の車両企画支援システムの実施形態を説明する。
(1.システム全体)
まず、図1を参照して、実施形態における車両企画支援システムの概要を説明する。図1は、本実施形態の車両企画支援システムの基本構成を示すブロック図である。
本実施形態による車両企画支援システム1は、画面上に車両モデルを表示して車両の企画を支援する車両企画支援システムであって、コンピュータ2と、車両データ及び仮想空間データを格納したデータベースサーバ4と、車両モデルの立体画像を表示する評価用モニタ装置6と、評価用モニタ装置に表示された立体画像を見る評価者の位置を検出する位置検出装置7とから構成されている。
(1.(1)コンピュータ)
このコンピュータ2は、CPU8、ROM10、RAM12,記憶部14、入力部16、表示部18、画像処理部20、及び通信部22を有し、これらは互いにシステムバスを介して接続されている。
入力部16は、命令やデータ等を外部から入力するキーボードや、マウス等である。
ROM10には、コンピュータ2を起動させるブートプログラム等が格納されている。
記憶部14は、ハードディスクドライブ等の記憶装置である。この記憶部14は、企画支援プログラム格納部を有し、そこにモデル構築部の機能、及びシミュレーション部の機能をそれぞれ実現するための企画支援プログラム30(図2参照)が格納されている。
RAM12は、車両企画支援システム上で実行される企画支援プログラム30や各種のデータを一時的に記憶するためのプログラム領域や、データの書込みや読出しを行うためのデータ領域を有する。
CPU8は、中央演算装置であり、一般的なコンピュータの演算処理に加え、企画支援プログラム30(図2参照)による処理を実行する。
画像処理部20は、CPU8からの指令に基づいて表示させようとするデータを演算処理して、表示部18又は評価用モニタ装置6に表示させる。
表示部18は、液晶ディスプレイ等であり、画像処理部20で演算処理された車両モデルやデータを表示する。
通信部22は、無線又は有線の通信回線を介して、データベースサーバ4、評価用モニタ装置6及び他のコンピュータ(図示せず。)との間で情報を送受信するものである。
(1.(2)データベース)
次に、図2を参照して、データベースサーバ4について説明する。
データベースサーバ4には、図2に示すように、種々の車両データや仮想空間データがそれぞれ格納された種々のデータベースが含まれている。
これらのデータベースのうち、基準データベース60、外観データベース62、外観パーツデータベース64、内装データベース66及び内装パーツデータベース68には、それぞれ、車両モデルのテンプレートとなる「車両データ」が格納されている。「車両データ」は、車両に関する寸法や角度の諸元値をパラメータ(変数)として、車両の形状や乗員姿勢等を規定したデータである。
基準データベース60には、車両モデルのうちの後述する基準モデルのテンプレートとなる、主要寸法データ、乗員データ及びアンダーボディデータの車両データが格納されている。
外観データベース62には、車両モデルのうちの後述する外観モデルのテンプレートとなる、外観データであるエクステリアデータの車両データが格納されている。
外観パーツデータベース64には、車両モデルのうちの後述する外観パーツモデルのテンプレートとなる、ドアデータ及びガラスデータの車両データが格納されている。
内装データベース66には、車両モデルのうちの後述する内装モデルのテンプレートとなる、上部インテリアデータ及び下部インテリアデータの車両データが格納されている。
内装パーツデータベース68には、車両モデルのうちの後述する内装パーツモデルのテンプレートとなる、インパネデータ、コンソールデータ及びシートデータの車両データが格納されている。
さらに、これらの各データベース60〜68の車両データには、それぞれ、後述するモーフィング画面表示プログラムによる処理を実行する際に、諸元どうしを関連づけて、車両の各部分の形状や配置の整合性を保つためのルールデータが含まれる。
また、データベースサーバ4のベンチマーク車両データベース70には、既存車種の各部の寸法や角度等の諸元値のデータが車種ごとに格納されている。これらのデータは、企画車両の形状や各部の配置を変更するベースとなるベース車両や、企画車両の比較対照となるベンチマーク車両のデータとして使用される。
また、データベースサーバ4の規制値データベース72には、レギュレーション上、又は車両設計上の制約値に関するデータが格納されている。これらのデータは、例えば、国内外の衝突安全基準で定められたバンパ高さ等の具体的な数値や、車両企画の段階に応じて許容することができる範囲を各諸元(ルーフ高さ等の諸元項目)に対して規定した規定値で構成されている。
また、データベースサーバ4の仮想空間データベース74には、車両モデルを評価用モニタ装置6でシミュレーション表示する際に仮想空間の背景画像を構成するための仮想空間データが格納されている。この仮想空間データには、建築物、道路、交差点、信号、歩行者、他の車両等のオブジェクトのデータが含まれる。また、仮想空間の背景画像には、例えば、市街地の背景画像や、高速道路の背景画像、及び山岳有料道路の背景画像等、種々の道路の背景画像が含まれる。
また、データベースサーバ4のシミュレーション画像データベース76には、後述するシュミレーション画像が格納される。
(1.(3)評価用モニタ装置)
次に、図3を参照して、評価用モニタ装置6について説明する。
図3に示すように、評価用モニタ装置6は、プロジェクタ24と、平面スクリーン26とを備えている。プロジェクタ24は、画像処理部20で演算処理された情報に基づいて、車両モデルを平面スクリーン26に後方から投影する。そして、平面スクリーン26の前方に位置する車両企画者(企画車両の評価や、車両企画支援システムの操作等を行う者)が、それらの車両モデルを表示する画面28を見ることができるようになっている。これにより、評価用モニタ装置6により、試作車を製作しなくても、車両企画者が企画車両の検討や評価を行うことができる。
(1.(4)位置検出装置)
次に、図3を参照して、位置検出装置7について説明する。
位置検出装置7は、評価用モニタ装置6に表示された立体画像を見る評価者700の位置を検出するものである。図3に示すように、本実施形態の位置検出装置7は、評価者の頭部に取り付けた位置基準マーク720aと、評価者700の肘部に取り付けた位置基準マーク720bと、評価者700の手に取り付けた位置基準マーク720cと、それらの位置基準位置マーク720の位置を検出する2台の位置検出カメラ710a及び710bとから構成されている。そして、本実施形態では、位置検出カメラ710a及び710bによって検出れた位置基準マーク720aに対して一定の位置を、評価者の視点の位置としている。
なお、図3では、位置基準マーク720a〜cをそれそれ便宜的にピン形状で表示しているが、位置基準マーク720としては、任意好適な形状の機材を使用することができる。例えば、立体映像を見るためのヘッドトラックに頭部の目印を付けてもよいし、電波を発信させたり、光を放射させるようにしてもよい。また、図3では、位置検出カメラ710a及び710bを設けた例を示しているが、評価者700の位置を検出することができるものならば、任意好適な機材を使用することができる。
(2.企画支援プログラム)
次に、企画支援プログラム30、及び、企画支援システムにおける企画支援プログラムによる処理の流れの概要について説明する。
図3に示すように、企画支援プログラム30には、データベースサーバ4に格納された車両データを利用して、企画しようとする車両の車両モデルを構築するためのモデル構想プログラム32と、モデル構築手段によって構築された車両モデルを立体画像として評価用モニタ装置6に表示するシミュレーションプログラム34とが含まれている。
本実施形態では、コンピュータ2でモデル構想プログラム32による処理を実行して車両モデルを構築する。ここでは、上記車両モデルとして、上記評価用モニタ手段に表示して企画車両の各部のレイアウトによって定まるパッケージング等に関する検討、評価を行う。図4に車両モデルに含まれる各モデルを示す。
さらに、コンピュータ2でシミュレーションプログラム34による処理を実行して、車両モデルを表示して、企画車両の評価を行う。
(2.1モデル構想プログラム)
まず、企画支援プログラム30のうちのモデル構想プログラム32、及び、そのプログラムの処理をコンピュータ2により実行することによる車両企画支援について説明する。
図3に示すように、モデル構想プログラム32には、諸元値入力プログラム(諸元値入力画面表示プログラム)36、車両モデルデータ生成プログラム38、及びモーフィング画面表示プログラム40が含まれている。
また、シミュレーションプログラム34には、シミュレーション画像表示プログラム44が含まれている。
(2.1(1)諸元値入力プログラム)
まず、構想モデルプログラムのうち、諸元値入力プログラム36について説明する。
諸元値入力プログラム36は、車両企画者の入力等に基づいて「諸元値データ」を生成するためのプログラムである。ここで、「諸元値データ」とは、企画車両の車型や車両寸法を決定する寸法等の諸元値等をいう。また、車型とは、スポーツ、セダン、トラックなどの車両のタイプをいう。
そして、諸元値入力プログラム36により入力された諸元値を利用して、以下に説明する車両モデルデータ生成プログラムにより、車両モデルのための車両モデルデータが生成される。
(2.1(2)車両モデルデータ生成プログラム)
次に、モデル構成プログラムのうち、車両モデルデータ生成プログラム38について説明する。
車両モデルデータ生成プログラム38は、諸元入力プログラム36によって入力された諸元値データ、及びデータベースサーバ4に格納されている車両データに基づいて、企画車両の「車両モデルデータ」を生成するためのプログラムである。車両モデルデータは、例えば、データベースサーバ4からテンプレートとして読み出した車両データに諸元値データを代入して生成され、例えば、3次元座標データの集合により構成される。そして、この車両モデルデータにより、企画車両の形態としての「車両モデル」の表示が可能となる。
車両モデルデータ生成プログラム38には、図3に示すように、基準モデルデータ生成プログラム46、外観モデルデータ生成プログラム48、外観パーツモデルデータ生成プログラム50、内装モデルデータ生成プログラム52及び内装パーツモデルデータ生成プログラム54が含まれる。これらのプログラムによる処理を実行することにより、企画車両の車両モデルのための車両モデルデータが生成される。
(2.1(2)(a)基準モデル生成プログラム)
基準モデルデータ生成プログラム46による処理を実行することにより、データベースサーバ4に格納されている基準データベース60に基づいて、基準モデル80のための基準モデルデータが生成される。基準モデル80は、企画車両における乗員配置等のパッケージングや企画車両の基本的な諸元値を規定するモデルである。
基準モデル80には、図4に示すように、主要寸法モデル82、乗員モデル84及びアンダーボディモデル86が含まれる。基準モデル80のうち、これらの個々のモデル82、84及び86により、或いは、これらのモデル82、84及び86を組み合わせた基準モデル80により、乗員配置等のパッケージングや車両の基本的な諸元値を検討、評価することができる。
ここで、図5(a)に、主要寸法モデル82の表示例を示す。主要寸法モデル82は、車両の外枠82a、グランド(地面に相当)82b、車輪82c等に関するモデルであり、車両の外枠の寸法、ホイールベースの長さ、車輪の寸法等の諸元値で規定される。
次に、図5(b)に乗員モデル84の表示例を示す。乗員モデル84は、乗員マネキン84a、ステアリング84b、ペダル84c及び視界条件84d等に関するモデルである。
乗員マネキン84aは、乗員配置や姿勢を検討するためのものであり、国内外の基準に準じた一定の形状及び寸法を有している。この乗員マネキン84aは、乗員配置及び姿勢を特定するための種々の寸法や角度の諸元で規定される。この諸元には、例えば、ヒップポイントに対する頭頂やかかとの位置、最前列を2列目の乗員間の距離等が含まれる。なお、ここで寸法には、各部分間の相対距離も含まれる。
ステアリング84b及びペダル84cは、それらの乗員に対する配置を検討するためのものであり、それらの形状及び寸法は一定である。ステアリング84b及びペダル84cは、例えば、それらのヒップポイント又はかかとに対する相対距離や角度の諸元で規定される。視界条件84dは、アイポイントから車両の前後両方に上下に拡がる角度等の諸元で規定される。
次に、図5(c)にアンダーボディモデルの表示例を示す。アンダーボディモデル86は、ダッシュパネル86a、フロアパネル86b及びサイドシル86c等の車体の下部構造に関するモデルである。このアンダーボディモデル86は、ダッシュパネル86a及びフロアパネル86bを構成する数枚のパネルのそれぞれの寸法や角度、サイドシル86cの寸法等の諸元値で規定される。
(2.1(2)(b)外観モデルデータ生成プログラム)
また、外観モデルデータ生成プログラム52による処理を実行することにより、データベースサーバ4に格納されている外観データベース62に基づいて、外観モデル90のための外観モデルデータが生成される。外観モデル90は、企画車両の外観イメージ等を規定するモデルである。外観モデル90には、図4に示すように、エクステリアモデル92が含まれる。
外観モデル90により、企画車両の外観イメージ等を検討することができる。さらに、外観モデル90を基準モデル80と組み合わせることにより、車両の弧住空間等のパッケージングをより詳細に検討することができる。
ここで、図6(a)にエクステリアモデル92の表示例を示す。エクステリアモデル92は、バンパ及びボンネットを含む車両の外板に関するモデルである。エクステリアモデル92は、車両の外形に関する種々の寸法や角度の諸元値で規定される。諸元値には、例えば、ホイールベース、フロントオーバーハング、リアオーバーハング、カウルポイントの位置、ルーフトップ高さ、ピラー部の傾斜角度等が含まれる。
(2.1(2)(c)外観パーツモデルデータ生成プログラム)
また、外観パーツモデルデータ生成プログラム100による処理を実行することにより、データベースサーバ4に格納されている外観パーツデータベース64に基づいて、外観パーツモデル100のための外観パーツモデルデータが生成される。外観パーツモデル100は、企画車両の外観の一部を構成するドアやウインドウガラスの形状や配置を個別に規定するモデルである。外観パーツモデル100には、図4に示すように、ドアモデル102及びガラスモデル104が含まれている。
ここで、図7(a)〜図7(c)に、ドアモデル102の表示例を示す。ドアモデル102は、前後ドアの開口フランジ102a、前後サイドドアの外板及びサッシュ102b、及び、リフトゲートの外板及びサッシュ102cに関するモデルである。また、図7(b)〜図7(d)に、ガラスモデル104の表示例を示す。ガラスモデル104は、フロントウインドウ、フロントクォータウインドウ、サイドウインドウ、リアクォータウインドウ及びリアウインドウの各ガラスに関するモデルである。これらのモデルは、それぞれの形状及び配置に関する種々の寸法や角度の諸元値で規定される。
これらドアモデル102及びガラスモデル104により、外観の一部を構成するドアやウインドウガラスの形状や配置を個別に検討することができる。さらに、外観パーツモデル100を外観モデル90と組み合わせることにより、車両の外観イメージ等をより詳細に検討することができる。
(2.1(2)(d)内装モデルデータ生成プログラム)
また、内装モデルデータ生成プログラム52による処理を実行することにより、データベースサーバ4に格納されている内装データベース66に基づいて、内装モデル110のための内装モデルデータが生成される。内装モデル110は、企画車両の内装を構成するトリムやトップシーリング等の形状及び配置に関する種々の寸法や角度を規定するモデルである。内装モデル110には、図4に示すように、上部インテリアモデル112及び下部インテリアモデル114が含まれる。
ここで、図8(a)に内装モデル110の表示例を示す。内装モデル110は、上部インテリアモデル112は、ピラートリム112a及びトップシーリング(ルーフヘッダ、ルーフレール及びルーフのトリム)112bに関するモデルである。
さらに、図8(b)に下部インテリアモデル112の表示例を示す。下部インテリアモデル114は、前後ドア及びリフトゲートのトリム114a、カウルサイドトリム114b、Bピラー下部トリム114c、リアサイドトリム114d及びスカッフプレート114eに関するモデルである。
(2.1(2)(e)内装パーツモデルデータ生成プログラム)
また、内装パーツモデルデータ生成プログラム54による処理を実施することにより、データベースサーバ4に格納されている内装パーツデータベース68に基づいて、内装パーツモデル120のための内装パーツモデルデータが生成される。内装パーツモデル120は、企画車両の内装の一部を構成するインパネやコンソールやとシートの配置や形状に関する種々の数値や角度を規定するモデルである。
内装パーツモデル120には、図4に示すように、インパネモデル122、コンソールモデル124及びシートモデル126が含まれている。インパネモデル122及びコンソールモデル124は、それらの配置に関する寸法や角度の諸元の諸元値データで規定される。また、シートモデル126は、シート配置、シート幅、ヘッドレス上下位置、シートバック角度等に関する寸法(距離)や角度の諸元の諸元値データで規定される。
ここで、図9にこれらモデルの表示例を示す。インパネモデル122、コンソールモデル124及びシートモデル126は、ダッシュボード等を含むインパネ、このインパネと連続しているコンソール及び複数のシートに関するモデルである。これらのモデルは、それらの車室内における配置を検討するためのものであり、一定の形状を有している。
上述した車両モデルデータ生成プログラム38による処理を実施するに当たっては、個々のモデルデータ生成プログラム46〜54により、各車両モデル互いに独立に生成し、それぞれ検討することができる。例えば、主要寸法モデル82により、車両の全体の大きさを、また、乗員モデル84により、車両の内部空間を、さらに、エクステリアモデル92により、車両の外観イメージを、それぞれ別個に検討することができる。
次いで、図10に示すように、これらのモデルを重ね合わせて表示することにより、互いの干渉状態等を視覚的に確認することができる。
図10に示す例では、乗員モデル84の乗員の頭が動く範囲を示す空間エリアの一部分(図中の斜線部分)が、外観モデルのルーフから飛び出してしまっている。そこで、車両企画者は、このような干渉状態を解消するために、乗員モデルのヒップポイントを下げたり、外観モデルのルーフの高さを上げたりといった調整をして、各車両モデルを再検討することができる。
そのような車両モデルの調整は、以下に説明するモーフィング画面表示プログラムにより容易に行うことができる。
(2.1(3)モーフィング画面表示プログラム)
次に、モデル構想プログラムのうち、モーフィング画面表示プログラムについて説明する。
モーフィング画面表示プログラムは、車両モデルデータ生成プログラム38により生成されたモデルデータに基づいて、表示部18の画面上に車両モデルを表示し、且つ、その車両モデルを表示しながら変形させるためのプログラムである。モーフィング画面表示プログラムには、図3に示すように、3次元モーフィング画面表示プログラム58と、2次元モーフィング画面表示プログラム56とが含まれている。
(2.1(3)(a)3次元モーフィング画面表示プログラム)
コンピュータで3次元モーフィング画面表示プログラム58による処理を実行することにより、3次元モーフィング画面が表示される。
ここで、図11及び図12に、3次元モーフィング画面の表示例を示す。図11に示すように、3次元モーフィング画面では、車両モデルを任意の視点から見た3次元的な形状を、その視点に合わせて遠近感が出るよう表示することができる。また、図10に示したように、外観モデル90や乗員モデル84等の個々の車両モデルを任意に組み合わせて表示してもよいし、個々の車両モデルを別個に表示してもよい。
また、図12に示すように、3次元モーフィング画面では、車両モデルの車幅方向に断面に沿って、乗員モデル84、内装モデル112,114、内装パーツモデル122,126の車室内の様子を表示させることもできる。
そして、図11に示す3次元モーフィング画面では、表示した車両モデルを、図中丸印で示す、各部分の寸法や角度の起点となる諸元ポイントをマウスでドラッグすることにより、各部分の形状及び配置の変更をすることができるようになっている。変更後の諸元値は、自動的に形成され、諸元値データに反映される。
なお、図11では、「A」で示すような一部分の諸元ポイントだけを表示している。
この3次元モーフィング画面で表示さえる車両モデルは、3次元形状を表示するため全ての諸元値が反映され、且つ、変形された場合に形状及び配置の整合性を保つために、諸元どうしを関連づけるルールデータが全て組み込まれて表示される。このため、任意の諸元ポイントをマウスでドラッグすると、その諸元ポイントを起点する寸法や角度が変更されると共に、ルール付けされた関連するその他の寸法や角度が全て連動して変更される。その結果、車両モデルを、各部分の形状や配置の整合性を保ちつつ変形させることができる。
例えば、外形を表すエクステリアモデル92では、ルーフ長さを変更すると、そのルーフとのつながりを保つように、ピラー部の角度も連動して変更され、連動して変更され、さらに、内装を表す上部インテリアモデル112のトップシーリング(天井内張り)の長さも合わせて変更される。このようなルールデータは、ミニバンやセダンといった車型ごとに異なるように設定される。例えば、ルーフの前縁を後方に移動させた場合、ミニバンでは、フロントピラーの角度を保ったままボンネットが後方に延び、一方、スポーツタイプでは、フロントピラーの傾斜角度が小さくなるようになっている。
このように、3次元モーフィング画面では、車両企画者は、車両形状の全体的なイメージを容易に掴むことができ、車両モデルの3次元的なイメージを見ながら、感覚的に車両形状を様々に変形させて、車両を企画することができる。
(2.1(3)(b)2次元モーフィング画面表示プログラム)
また、コンピュータで2次元モーフィング画面表示プログラムによる処理を実行することにより、2次元モーフィング画面が表示される。2次元モーフィング画面では、車両を側面、平面又は正面から見た所定の断面、及び主要な形状に関する諸元値のみを選択的に組み込んだ車両モデル(2次元車両モデル)が表示される。
ここで、図13に、2次元モーフィング画面の表示例を示す。図13の(a)〜(c)は、それぞれ、2次元モーフィング画面の、側面図表示、平面図表示、及び正面図表示の一例である。
これらの2次元モーフィング画面では、車両モデルは、所定の断面及び主要な形状が直線や曲線で表示される(モーフィング形状表示)。例えば、図13(a)では、側面図表におけるモーフィング形状表示として、車両中間面の断面上に表れるルーフやカウル等の形状、及び側面形状を特徴付けるベルトライン形状等の主要な形状が太線で表示されている。
さらに、モーフィング形状表示される形状に関する諸元値について、諸元項目、諸元値及びそれらを規定する寸法線が表示される(諸元値表示)。例えば、図13(a)では、諸元項目として、「Wheel base」、「***」等が表示され、また、諸元値として「2400」、「・・・」等が表示されている。
このように、2次元モーフィング画面では、車両企画者は、寸法線を表示して、寸法や角度の諸元値を直接数値入力して変更することもでき、また、形状を変更する際に、どの諸元をドラッグすれば良いかを容易に判断することができる。また、車両形状の全体的なイメージを容易に掴むことができ、車両モデルの3次元的なイメージを見ながら、感覚的に車両形状を様々に変形させて、車両を企画することができる。
(2.2シミュレーションプログラム)
次に、図3に示す企画支援プログラム30のうち、シミュレーションプログラム34について説明する。シミュレーションプログラム34は、車両モデルデータに基づいて、車両モデルを評価用モニタ装置6に立体表示させるためのプログラムである。
図14に、シミュレーションプログラム34に対応する機能ブロック図を示す。この機能ブロック図では、コンピュータ2においてシミュレーションプログラム34による処理を実行して、構築された車両モデルの車室内画像を生成する機能をシミュレーション部220として表す。また、モデル構想プログラム30による処理を実行して、企画しようとする車両の車両モデルを構築する機能をモデル構築と210として表す。
シミュレーション部220は、シミュレーション画像生成部222と、位置関係評価部230とを有する。先ず、シミュレーション画像生成部222について説明する。
シミュレーション画像生成部222により、仮想空間データベース74から選択した仮想空間における、運転者の視点(アイポイント)から見た映像や、車両の外側の所定の視点から見た車両モデルの走行状態等の映像を表示させることができる。
なお、シミュレーション画像生成部222の機能は、シミュレーション画像生成プログラム71による処理をコンピュータ2で実行することにより実現される。
ここで、図15に、シミュレーション画像生成部222により、評価用モニタ装置に表示される画像の一例を示す。図15は、車両モデルが仮想道路上を走行する様子を運転手の視点から見た画像を示す図である。図15に示す画像では、評価者よって評価がばらつかないように、運転者の固定された視点から見た画像が表示される。こような映像により、車両企画者は、運転席からの視認性等の評価を行うことができる。
なお、評価用モニタ装置6には立体映像が表示されるが、図15をはじめとするシミュレーション画像を示す図面では、便宜的に、画面上に平面画像を示す。
さらに、シミュレーション画像生成部222は、視点移動対応部224を有する。視点移動対応部224により、評価用モニタ装置6に、位置検出装置7によって検出された評価者700の位置から見た車両モデルの車室内画像を表示させ、更に、評価者700の位置の移動に対応した車室内画像を表示させることができる。
ここで、図16(a)及び(b)に、評価者の視点に対応して表示画像が変化する様子を示す。図16(a)に示すように、評価者700が左側に移動すると、これに対応して、画面28の表示画像の視点も左側に移動し、その結果、評価者700の正面にあったステアリング310の映像は、画面右側に移動する。また、図16(b)に示すように、評価者700が右側に移動すると、これに対応して、画面28の表示画像の視点も右側に移動し、その結果、評価者700の正面にあったステアリング310の映像は、画面左側に移動する。
なお、画面28に表示されるが画像は立体表示画像であるため、手前に有るように表示されるステアリング310が大写しになっている。また、評価者700は、立体表示を見るためのヘッドトラック29を装着している。このヘッドトラック29には、評価者700の頭部の位置を示す位置基準マーク720aが付けられている。そして、位置基準マーク720aの位置が、位置検出装置7によって検出される。本実施形態では、その位置基準マーク720aの検出位置から一定の位置を評価者700の視点の位置としている。
次に、シミュレーション部220の位置関係評価部230について説明する。位置関係評価部230は、車両モデルの車室内空間の特定の部分と、評価者の体の一部分との位置関係を評価するためのものである。
なお、位置関係評価部230の機能は、位置関係評価プログラム73による処理をコンピュータ2で実行することにより実現される。
そして、図14に示すように、位置関係評価部230は、空間設定部232と、位置関係判定部234と、位置関係報知部236とを有する。
空間設定部232は、評価用モニタ装置6の表示画面28の手前の空間に、車室内画像の立体表示に対応する仮想車室内空間を設定するものである。この仮想車室内空間は、評価者が見ている立体映像に対応しているが、評価者700は実際に触れることはできない。
また、位置関係判定部234は、位置検出装置7によって検出された評価者700の位置と、仮想車室内空間における車両モデルの設定部分との位置関係が、干渉状態、又は基準距離以下の近接状態であるか否かを判定する。
ここで、図17に、評価用モニタ装置6に表示される車室内画像の一例を示す。図17中、車両モデルの車室内の位置関係の評価対象となる設定部分にそれぞれハッチングを付して示す。図17に示す例では、ステアリング310、シフトレバー320、ドアトリム330及びピラー340をそれぞれ設定部分としている。そして、図17に示す設定部分は、それぞれ、仮想車室内空間における車両モデルの設定部分に対応している。
なお、設定部分は、車両モデルのパーツ単位で設定してもよいし、パーツの一部分について選択的に設定してもよいし、或いは、複数のパーツにわたって設定してもよい。また、これらの設定部分は、例えば、コンピュータ2の入力部16を介して、評価者等が外部から指定して入力することができる。
ところで、これらの設定部分については、それぞれ位置関係の評価内容が異なっている。例えば、ステアリング310については、運転者としての評価者の手が十分に届くか否かを評価する必要がある。また、シフトレバー320については、評価者の手が十分に届くか否かを評価する必要がある、更に、シフトレバーを操作する際のストローク(図中に矢印Bで示す。)についても評価する必要がある。また、ドアトリム330については、評価者の手や肘がどの程度の動きで当たるか否かを評価する必要ある。そして、ピラー340については、評価者の頭部との距離が十分か否かを評価する必要がある。
また、位置関係報知部236は、位置関係判定部234によって判定された位置関係が、干渉状態又は近接状態である場合に、位置関係を画面表示等により報知する。
例えば、ドアトリム330との位置関係を評価する場合には、評価者の手や肘がドアトリム330と干渉状態にあるときに報知するとよい。これに対して、例えば、ピラー340との位置関係については、ピラー340と評価者700の頭部との距離が基準距離以下になった場合に、段階的に、或いは、連続的に報知形態を変えるのがよい。
また、報知形態としては、表示画面中の干渉状態にある設定部分の色表示を変えてもよいし、警報音やチャイムを鳴らしてもよい。
ここで、図18(a)及び(b)に、干渉状態等の位置関係を報知する報知形態を設定する画面を設定する。
図18(a)に示す警報設定プロパティIでは、警報タイミングを選択することにより、評価者と設定部分との位置関係が既に干渉状態となった接触時に報知するか、或いは、近接状態時に近接の程度に応じて報知形態を変えるかを設定することができる。
また、警報方法として、音声、画像、又はその両方を選択することができる。さらに、必要に応じて、表示画面を拡大表示することができる。また、複数の設定部分が設定されている場合に、設定部分ごとに個別の報知形態の報知を行うのが望ましい。例えば、ドアトリム300と干渉状態になった場合と、ピラー340と近接状態になった場合とでは、表示の色や、警報の音色等の報知形態が異なるのがよい。
また、複数の設定部分が設定されている場合には、設定部分ごとに個別の基準距離を設定して報知するとよい。例えば、ピラー340と、ルーフ部分とで、近接状態を判定する際に、異なる基準距離を設定することができる。
さらに、図18(b)に示す警報設定プロパティIIでは、車種等に応じて、警報タイミングを更に詳細設定することができる。
例えば、セダン基準の場合には、スポーツカー基準により、近接状態となる基準距離が長く設定されている。また、マニュアル設定により、所望の基準距離を設定することもできる。さらに、セダン基準の場合においても、車種クラスによって、近接距離となる基準距離を更にきめ細かく設定することができる。
ここで、図19(a)及び(b)に、ドアトリム330との干渉状態の評価例を示す。なお、図19に示す車体は、評価用モニタ装置6の表示画像である。
図19(a)では、評価者700の左手と、ドアトリム330は、干渉していない。評価者700の左手には、位置基準マーカー720cが付けられている。
図19(b)では、評価者700の左手と、ドアトリム330とが干渉状態になっている。このため、設定部分としてのドアトリム330が、例えば、赤色で表示され、干渉状態が報知される。なお、図19(b)では、ドアトリム330に便宜的にハッチングを付し示している。
また、本実施形態では、上記位置検出手段によって検出された評価者の車室内仮想空間における位置に、車両モデルの設定部分と干渉状態にある評価者の体の部位モデルの画像を生成し、これを車両モデルの車室内画像と合成した合成画像を生成する。そして、評価用モニタ装6で、その合成画像を立体表示する。これは、例えば、図19に示した評価者700の腕及び手を部位モデルとして表示したものに相当する。
さらに、仮想車室内空間、及び部位モデルを評価者の視点と異なる地点、例えば、真上から見た合成画像を生成することが望ましい。これにより、ドアトリム300と評価者の手との干渉状態をより容易に把握することができる。
そして、これらの合成画像は、データベースサーバ4のシミュレーション画像データベース76に保存し、再生することができる。
次に、図20(a)及び(b)に、ステアリング310との位置関係の評価例を示す。
図20(a)では、評価者700の手が、ステアリング310に届いていない。これ対して、図20(b)では、評価者700の手が、ステアリング310に届いている。このため、設定部分としてのステアリングが、例えば、青色で表示され、評価者700の手がステアリング310を操作できる位置にあることが分かる。
なお、評価者700の手が届くことが必要な設定部分の報知形態は、干渉状態や近接状態の報知形態と異なることが望ましい。
また、図17に示したシフトレバー320についても、ステアリング310と同様に、評価者700の手が届いた場合に、青色に変えて表示するとよい。さらに、シフトレバー320に手が届いた状態から、シフトレバー320を操作する場合に必要な所定のストローク分だけ、手を移動させた場合には、更にシフトレバー320の色を例えば黄色に変えたり、チャイムを鳴らしたりして、位置関係を報知するとよい。
上述した各実施形態においては、本発明を特定の条件で構成した例について説明したが、本発明は種々の変更及び組み合わせを行うことができ、これに限定されるものではない。
また、本発明において、手段とは、必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウエアによって実現される場合も包含する。また、一つの物理的手段の機能が二以上の物理的手段により実現されてもよいし、二以上の物理的手段の機能が一つの物理的手段により実現されてもよい。
本発明の実施形態における車両企画支援システムの基本構成を示すブロック図である。 実施形態における車両企画支援システムの企画支援プログラムの構成、データベースの構成及びデータの概念的な流れを示す図である。 実施形態における車両企画支援システムの評価用モニタ装置及び位置検出装置の構成を示す斜視図である。 実施形態における車両モデルに含まれる各モデルを説明するための図である。 (a)は、基準モデルの主要寸法モデルの一例を示す図であり、(b)は、基準モデルの乗員モデルの一例を示す図であり、(c)は、基準モデルのアンダーボディーモデルの一例を示す図である。 外観モデルのエクステリアモデルの一例を示す図である。 外観パーツモデルのドアモデル(a〜c)及びガラスモデル(d)の一例を示す図である。 (a)は、内装モデルの上部インテリアモデルの一例を示す図であり、(b)は、内装モデルの下部インテリアモデルの一例を示す図である。 内装パーツモデルのインパネモデル、コンソールモデル及びシートモデルの一例を示す図である。 乗員モデル、外観モデル及び内装モデルを組み合わせた車両モデルの一例を示す図である。 車両モデルを表示する3次元モーフィング画面の一例である。 車両モデルの車室内を表示する3次元モーフィング画面の一例である。 (a)は、車両モデルを表示する2次元モーフィング画面の側面図表示の一例であり、(b)は、その平面図表示の一例であり、(c)は、その正面図表示の一例である。 シミュレーションプログラム34に対応する機能ブロック図である。 仮想空間内で車両モデルが市街地の道路上を走行する様子を運転種の視点から見たシミュレーション画像を示す図である。 (a)及び(b)は、評価者の視点に対応して表示画像が変化する様子を示す図である。 車両モデルの車室内の位置関係の評価対象の設定部分を示す車室内画像の表示例である。 (a)及び(b)は、位置関係を評価する際の条件設定画面の表示例である。 (a)及び(b)は、評価者の手とドアトリムとの干渉状態の評価の様子を示す図である。エクステリア評価のための見取りモード画像の表示例である。 (a)及び(b)は、評価者の手とステアリングとの位置関係の評価の様子を示す図である。
符号の説明
1 車両企画支援システム
2 コンピュータ
4 データベースサーバ
6 評価用モニタ装置
7 位置検出装置
29 ヘッドトラック
30 企画支援プログラム
32 モデル構想プログラム
34 シミュレーションプログラム
36 諸元値入力プログラム
38 車両モデルデータ生成プログラム
40 モーフィング画面表示プログラム
210 モデル構築部
220 シミュレーション部
310 ステアリング
320 シフトレバー
330 ドアトリム
340 ピラー
700 評価者
710a、710b 位置検出カメラ
720a〜c 位置基準マーク

Claims (10)

  1. 画面上に車両モデルを表示して車両の企画を支援する車両企画支援システムであって、
    企画しようとする車両の車両モデルを構築するモデル構築手段と、
    上記モデル構築手段によって構築された車両モデルの車室内画像を生成するシミュレーション手段と、
    上記シミュレーション手段によって生成された車室内画像の立体表示する評価用モニタ装置と、
    上記評価用モニタ装置に表示された車室内画像を見る評価者の位置を検出する位置検出装置と、
    を有し、
    上記シミュレーション手段は、
    上記評価用モニタ装置の表示画面の手前の空間に、車室内画像の立体表示に対応する仮想車室内空間を設定する空間設定手段と、
    上記位置検出装置によって検出された評価者の位置と、上記仮想車室内空間における車両モデルの設定部分との位置関係が、干渉状態であるか否か、或いは基準距離以下の近接状態であるか否かを判定する位置関係判定手段と、
    上記位置関係判定手段によって判定された位置関係が、干渉状態又は近接状態である場合に、位置関係を報知する位置関係報知手段と、
    を有することを特徴とする車両企画支援システム。
  2. 上記シミュレーション手段は、上記評価用モニタ装置に、上記位置検出装置によって検出された上記評価者の位置から見た車両モデルの車室内画像を表示させ、上記評価者の位置の移動に対応した車室内画像を表示させる視点移動対応手段を有する請求項1記載の車両企画支援システム。
  3. 上記位置関係判定手段は、位置関係が近接状態である場合に、近接の程度に応じて報知形態を変える請求項1又は2記載の車両企画支援システム。
  4. 上記空間設定手段は、外部からの入力により、上記仮想車室内空間における車両モデルの設定部分を設定する請求項1乃至3の何れか一項に記載の車両企画支援システム。
  5. 上記位置関係報知手段は、複数の設定部分が設定されている場合に、設定部分ごとに個別の報知形態の報知を行う請求項1乃至4の何れか一項に記載の車両企画支援システム。
  6. 上記位置関係報知手段は、複数の設定部分が設定されている場合に、設定部分ごとに個別の基準距離を設定する請求項1乃至5の何れか一項に記載の車両企画支援システム。
  7. 上記位置関係報知手段は、評価対象の車両モデルの車種ごとに個別の基準距離を設定する請求項1乃至6の何れか一項に記載の車両企画支援システム。
  8. 上記シミュレーション手段は、車室内仮想空間における上記位置検出手段によって検出された評価者の位置に、車両モデルの設定部分と干渉状態にある評価者の体の部位モデルの画像を生成し、これを車両モデルの車室内画像と合成した合成画像を生成し、
    上記評価用モニタ装置は、上記シミュレーション手段によって生成された合成画像を立体表示する請求項1乃至7の何れか一項に記載の車両企画支援システム。
  9. 上記シミュレーション手段は、上記仮想車室内空間、及び上記部位モデルを上記評価者の視点と異なる地点から見た合成画像を生成する請求項8記載の車両企画支援システム。
  10. 上記データベースサーバは、上記シミュレーション手段によって合成された合成画像を保存するシミュレーション画像データベースを有する請求項8又は9記載の車両企画支援システム。
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