JP2004302041A - 階調表現方法、階調表現回路およびそれを用いた画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印加電圧値の切り替えを高速に行う必要がなく、且つ少ない種類の印加電圧値で階調を表現することができる、階調表現方法、階調表現回路およびそれを用いた画像表示装置を提供する。
【解決手段】第1電極と第2電極とが交差する場所に、互いに異なる印加振幅値Va,Vbを有する複数の電圧パルスPA,PBを所定の印加時間幅ずつ印加することにより、画素を発光させる。電圧パルスPA,PBの印加時間幅は、単位となる最小印加時間幅ta,tbの整数倍で表される。電圧パルスPBの最小印加時間幅tbの発光量は、電圧パルスPBとは異なる印加振幅値Vaを有する電圧パルスPAの最大印加時間幅M・taとして電圧パルスPAの最小印加時間幅taの発光量の整数倍で表される。
【選択図】 図1
【解決手段】第1電極と第2電極とが交差する場所に、互いに異なる印加振幅値Va,Vbを有する複数の電圧パルスPA,PBを所定の印加時間幅ずつ印加することにより、画素を発光させる。電圧パルスPA,PBの印加時間幅は、単位となる最小印加時間幅ta,tbの整数倍で表される。電圧パルスPBの最小印加時間幅tbの発光量は、電圧パルスPBとは異なる印加振幅値Vaを有する電圧パルスPAの最大印加時間幅M・taとして電圧パルスPAの最小印加時間幅taの発光量の整数倍で表される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像表示に関し、特に階調表現に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像表示装置における階調表現は、出力振幅制御と出力時間幅制御とを組み合わせたものである。しかし、素子特性の変化が著しい領域すなわち印加電圧の変化に対する発光量の変化が大きい領域では、出力振幅制御は困難となる。そこで、素子特性の変化が著しい領域では出力時間幅制御を行い、素子特性の変化が緩やかな領域では出力振幅制御を行うというように、切り替えて制御を行っている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−109421号公報([0015]〜[0019])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の階調表現は、上記のような制御を行っていたため、印加電圧値の切り替えを高速に行う必要があるという問題点があった。
【0005】
また印加電圧値の種類が多いため、電源回路の規模が大きくなり切り替え回路が複雑になるという問題点があった。
【0006】
本発明は以上の問題点を解決するためになされたものであり、印加電圧値の切り替えを高速に行う必要がなく、且つ少ない種類の印加電圧値で階調を表現することができる、階調表現方法、階調表現回路およびそれを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る階調表現方法は、第1電極と、該第1電極と隔絶し且つ直交した第2電極との間に、互いに異なる印加振幅値を有する複数の電圧パルスを所定の印加時間幅ずつ印加することにより前記第1電極と前記第2電極とが交差する場所において所望の階調で画素を発光させる階調表現方法であって、前記印加時間幅は、前記電圧パルスそれぞれに対して、単位となる最小印加時間幅の整倍数で表され、前記電圧パルスのうち第1の電圧パルスの最小印加時間幅の発光量が、前記第1の電圧パルスとは異なる印加振幅値の第2の電圧パルスの最小印加時間幅の整数倍の印加時間幅の発光量と等しく、かつ、前記第1の電圧パルスの最小印加時間幅の発光量に等しい発光量となる前記第2の電圧パルスの印加時間幅を前記第2の電圧パルスの最大印加時間幅として、前記第2の電圧パルスの印加時間幅を最大印加時間幅以下とする。
【0008】
請求項5に記載の発明に係る階調表現回路は、第1電極と、該第1電極と隔絶し且つ直交した第2電極との間に、互いに異なる印加振幅値を有する複数の電圧パルスを所定の印加時間幅ずつ印加することにより前記第1電極と前記第2電極とが交差する場所において所望の階調で画素を発光させる階調表現回路であって、前記印加時間幅は、前記電圧パルスそれぞれに対して、単位となる最小印加時間幅の整数倍で表され、前記電圧パルスのうち第1の電圧パルスの最小印加時間幅の発光量が、前記第1の電圧パルスとは異なる印加振幅値の第2の電圧パルスの最小印加時間幅の整数倍の印加時間幅の発光量と等しく、かつ、前記第1の電圧パルスの最小印加時間幅の発光量に等しい発光量となる前記第2の電圧パルスの印加時間幅を前記第2の電圧パルスの最大印加時間幅として、前記第2の電圧パルスの印加時間幅を最大印加時間幅以下とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
本発明は、図10に示すような第1電極ERRa〜cと第2電極ERCa〜dとが交差する場所において所望の階調で画素を発光させる発光素子に関するものである。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態1に係る階調表現方法を示す図である。図1においては、印加電圧値Vaを有する電圧パルスPAと印加電圧値Vbを有する電圧パルスPBとの2種類の電圧パルスが示されている。電圧パルスPAの印加時間幅は、単位となる最小印加時間幅taを用いて、m・taと表すこととする(但しmは整数で、m≧0)。また電圧パルスPBの印加時間幅は、単位となる最小印加時間幅tbを用いて、n・tbと表すこととする(但しnは整数で、n≧0)。最小印加時間幅ta,tbは、階調表現方法を実施する回路の構成や発光素子の特性、あるいはシステムのクロックの周波数により決定される。
【0011】
FED(Field Emission Display:電界放出型画像表示装置)や有機EL(Electro−Luminescence)等の発光素子の画素の素子特性においては、印加電圧値Vと印加電圧値Vにおける単位時間あたりの発光量lとは比例しない。本実施の形態では図3に示すように、印加電圧値Vaを印加した時の単位時間あたりの発光素子の画素の発光量laと、印加電圧値Vbを印加した時の単位時間あたりの発光素子の画素の発光量lbとを用いて(但し、Va<Vb)、印加電圧値Vが高くなるほど、印加電圧値Vにおける単位時間あたりの発光量lの変化が大きくなる場合を例にとり説明する。
【0012】
発光素子の画素に、印加電圧値Vaを有する電圧パルスPAを印加時間幅m・taだけ印加し、印加電圧値Vbを有する電圧パルスPBを印加時間幅n・tbだけ印加した場合の発光量Lは、式(1)のように表される。
【0013】
L=la・m・ta+lb・n・tb・・・式(1)
今、下記の式(2)が成立したとすると(但しMは整数で、M≧0)、式(1)は式(3)のように書き換えることができる。
【0014】
lb・tb=M・la・ta・・・式(2)
L=la・ta・(m+M・n)・・・式(3)
式(2)は、電圧パルスPAによる発光量M・la・taが、電圧パルスPBによる発光量lb・tbに等しいことを示している。印加時間幅tbの電圧パルスPBと、印加時間幅M・taの電圧パルスPAとを図2の斜線部にそれぞれ示す。ここで、これらの電圧パルスの斜線部分は互いに等しい発光量を有している。なお、電圧パルスPAの印加時間幅m・taはM・ta以下で可変であり、電圧パルスPBの印加時間幅n・tbについてもN・tb以下で可変であるN(但しNは整数で、N≧0)が存在する。そして、最大時間幅T=M・ta+N・tbは、画像のフレーム周波数、画像の走査周波数、画素数、表示階調数、駆動回路の動作速度、制御回路の映像信号処理速度、製品としての仕様等により決定される。ただし、図2では、説明を分かりやすくするために、t=M・ta+n・tbの場合について記載している。
【0015】
式(2)が成立する場合としては、Mの値を決めた後に式(2)を成立させるVaとVbの関係を決める場合と、VaとVbの関係を決めた後に式(2)を成立させるMの値を決める場合との2通りの場合がある。前述したように、最小印加時間幅ta,tbは、階調表現方法を実施する回路の構成や発光素子の特性、あるいはシステムのクロックの周波数により決定される。従って、決定された最小印加時間幅ta,tbと、図3に示される印加電圧値Vと単位時間あたりの発光量との関係を用いることにより、式(2)を満たすVa,Vbを決定することができる。
【0016】
また式(3)は、mとnとを変化させることにより、電圧パルスPAと電圧パルスPBとによる発光量Lを、電圧パルスPAによる発光量la・ta単位で階調表現ができることを示している。例えば、M=10とし、所望の階調の発光量を27la・taとすると、m=2,n=7とすることにより、電圧パルスPAと電圧パルスPBとで、階調を表現できる。即ち、電圧パルスPBで表現できる20la・taを電圧パルスPBで表現し、電圧パルスPBでは表現できない7la・taを、電圧パルスPAで表現するのである。このようにして、電圧パルスPAと電圧パルスPBとの2種類の電圧パルスを用いて、発光量la・ta単位で階調表現を行うことができる。
【0017】
次に図4を用いて、図1に示すような電圧パルスを印加するための階調表現回路について説明する。
【0018】
発光素子に電圧パルスを印加する期間を規定するための信号Aは、入力端1から入力された後に、バッファ10とレベルシフト回路13とに入力される。バッファ10は、信号の直流成分を除去するためのコンデンサ11を介して、P型FET12のゲートに信号Aと同じ波形の信号を出力する。レベルシフト回路13は、信号Aと波形が同じで直流成分の異なった信号をレベルシフト回路14とインバータ15とに出力する。レベルシフト回路14は、入力される信号と波形が同じで直流成分の異なった信号をインバータ16に出力する。この直流成分の変化は、P型FET12,18およびN型FET17の動作点(動作電位)の変化に入力される信号を対応させるためである。インバータ15は、入力される信号を反転してN型FET17のゲートに出力する。インバータ16は、入力される信号を反転してP型FET18のゲートに出力する。P型FET12のソースとN型FET17のソースとは共に電位V0に接続される。後述するように、発光素子が発光していない期間には、第1電極ERRと第2電極ERCとは、電位V0に接続される。P型FET18のソースは電位Vbに接続される。N型FET17のドレインとP型FET18のドレインとは互いに接続され、さらに発光素子の第1電極ERRに接続される。
【0019】
また、発光素子に低電位パルスを印加するための信号S0は、入力端2から入力された後に、バッファ20とレベルシフト回路22とに入力される。バッファ20は、入力された信号をN型FET23のゲートに出力する。レベルシフト回路22は、信号S0と波形が同じで直流成分の異なった信号をバッファ21に出力する。この直流成分の変化は、N型FET23およびP型FET24の動作点の変化に入力される信号を対応させるためである。バッファ21は、入力された信号を、P型FET24のゲートに出力する。N型FET23のソースは基準電位(GND)に接続される。N型FET23のドレインとP型FET24のドレインとは互いに接続され、さらに発光素子の第2電極ERCに接続される。
【0020】
また、発光素子に他の低電位パルスを印加するための信号S1は、入力端3から入力された後に、インバータ30に入力される。インバータ30は、信号の直流成分を除去するためのコンデンサ31を介して、P型FET32のゲートに信号S1を反転した波形を出力する。P型FET32のソースは、(Vb−Va+Vd)の電位を有する電源に接続され、P型FET32のドレインはダイオード33のアノードに接続される。ダイオード33は電圧降下Vdを有し、P型FET12が導通状態になったときに、P型ダイオード32のドレインが電位V0に接続されることを防ぐはたらきをする。P型FET24のソースはP型FET12のドレインとダイオード33のカソードとに接続される。
【0021】
ここで、以下の説明のために、バッファ10と、コンデンサ11と、P型FET12,18と、レベルシフト回路13,14と、インバータ15,16と、N型FET17とから構成される部分を、第1電極駆動部4とする。第1電極駆動部4から第1電極ERRへは、信号Gが出力される。
【0022】
また、バッファ20,21と、レベルシフト回路22と、N型FET23と、P型FET24とから構成される部分を、第2電極駆動部5とする。第2電極駆動部5から第2電極ERCへは、信号Cが出力される。
【0023】
また、インバータ30と、コンデンサ31と、P型FET32と、ダイオード33とから構成される部分を、電圧供給部6とする。
【0024】
次に、図4に示した回路の動作を、図5を用いて説明する。図5(1)〜(3)は、入力端1〜3から入力される信号A,S0,S1をそれぞれ示す。図5(1)〜(3)に示すように、発光素子は、信号A,S0,S1それぞれの波形の相互関係から、期間P0〜P2の3つの期間で制御される。期間P0においては、信号A,S0,S1は全てLレベルである。期間P1においては、信号A,S0がHレベルで、信号S1がLレベルである。期間P2においては、信号A,S1がHレベルで、信号S0がLレベルである。
【0025】
期間P0においては、P型FET12と、N型FET17と、P型FET24とが導通状態となり、P型FET18と、N型FET23と、P型FET32とが遮断状態となる。従って、図5(4)に示すように、信号G,Cには共に電位V0が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差は0となり、発光素子は発光しない。
【0026】
また期間P1においては、P型FET18と、N型FET23とが導通状態となり、P型FET12と、N型FET17と、P型FET24と、P型FET32とが遮断状態となる。従って、図5(4)に示すように、信号G,Cにはそれぞれ電位Vb,基準電位(GND)が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差はVbとなる。
【0027】
また期間P2においては、P型FET18と、P型FET24と、P型FET32とが導通状態となり、P型FET12と、N型FET17と、N型FET23とが遮断状態となる。従って、図5(4)に示すように、信号Gには電位Vbが出力され、信号Cには電位(Vb−Va+Vd)−Vd即ち(Vb−Va)が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差はVaとなる。
【0028】
以上の動作において、図4に示す回路に信号A,S0,S1を入力する期間を調整することにより、図5の期間P1,P2をそれぞれ時間幅n・tb,m・taにすることができる。
【0029】
図1においては、発光素子の印加電圧値を切り替えるところは3ヶ所、即ち、0からVbに変化するところと、VbからVaに変化するところと、Vaから0に変化するところだけであるので、印加電圧の切り替えを高速に行う必要がない。また発光素子の印加電圧値としては、VaとVbとの2種類のみで階調表現を行っている。
【0030】
次に、図5に示すように印加電圧値Va,Vbに加えて印加電圧値Vc(但し、Va<Vb<Vc)を用いた場合について、図6を用いて説明する。
【0031】
印加電圧値Va,Vbは、上述のとおり式(2)を満たすものとする。また印加電圧値Vcの印加時間幅は、最小印加時間幅tcを単位として、p・tc(但しpは整数で、p≧0)と表されることとし、印加電圧値Vcを印加した時の単位時間あたりの発光素子の画素の発光量をlcとすると、複数の電圧パルスによる発光量は、式(4)のように表される。
【0032】
L=la・m・ta+lb・n・tb+lc・p・tc・・・式(4)
ここで、印加電圧値Vbの最大印加時間幅をN・tbとする(但しNは整数で、N≧0)。このとき、式(2)に加えて以下の式(5)が成立したとすると、式(4)は式(6)のように書き換えることができる。
【0033】
lc・tc=N・lb・tb・・・式(5)
L=la・ta・(m+M・n+M・N・p)・・・式(6)
式(5)は、印加電圧値Vcによる発光量lc・tcが、印加電圧値Vbによる発光量N・lb・tbに等しいことを示している。また式(6)は、mとnとpとを変化させることにより、複数の電圧パルスによる発光量Lを印加電圧値Vaによる発光量la・ta単位で階調表現ができることを示している。
【0034】
上記の説明から、印加電圧値の種類は2,3種類に限らずさらに多い場合であっても、同様に、複数の電圧パルスによる発光量Lを印加電圧値Vaによる発光量la・ta単位で階調表現ができることは容易に類推される。
【0035】
次に図7を用いて、図6に示すような電圧パルスを印加するための回路について説明する。ここで、第1電極駆動部4および第2電極駆動部5については、図4に示したものと同様であるので、説明を省略する。
【0036】
発光素子に印加される電圧値を切り替えるための信号S1は、入力端3から入力された後に、インバータ30に入力される。インバータ30は、信号の直流成分を除去するためのコンデンサ31を介して、P型FET32のゲートに信号S1を反転した波形を出力する。P型FET32のソースは、(Vc−Vb+Vd)の電位を有する電源に接続され、P型FET32のドレインはダイオード33のアノードに接続される。
【0037】
また、発光素子に印加される電圧を切り替えるための信号S2は、入力端7から入力された後に、インバータ34に入力される。インバータ34は、信号の直流成分を除去するためのコンデンサ35を介して、P型FET36のゲートに信号S2を反転した波形を出力する。P型FET36のソースは、(Vc−Va+Vd)の電位を有する電源に接続され、P型FET36のドレインはダイオード37のアノードに接続される。ダイオード37は電圧降下Vdを有し、P型FET12が導通状態になったときに、P型ダイオード36のドレインが電位V0に接続されることを防ぐはたらきをする。ダイオード33,37のカソードはP型FET24のソースとP型FET12のドレインとに接続される。
【0038】
ここで、以下の説明のために、電圧供給部6に、インバータ34と、コンデンサ35と、P型FET36と、ダイオード37とを加えた部分を、電圧供給部8とする。
【0039】
次に、図7に示した回路の動作を、図6を用いて説明する。図6(1)〜(4)は、入力端1〜3,7から入力される信号A,S0,S1,S2をそれぞれ示す。図6(1)〜(4)に示すように、発光素子は、信号A,S0,S1,S2それぞれの波形の相互関係から、期間P0〜P3の4つの期間で制御される。期間P0においては、信号A,S0,S1,S2は全てLレベルである。期間P1においては、信号A,S0がHレベルで、信号S1,S2がLレベルである。期間P2においては、信号A,S1がHレベルで、信号S0,S2がLレベルである。期間P3においては、信号A,S2がHレベルで、信号S0,S1がLレベルである。
【0040】
期間P0においては、P型FET12と、N型FET17と、P型FET24とが導通状態となり、P型FET18と、N型FET23と、P型FET32,36とが遮断状態となる。従って、図6(5)に示すように、信号G,Cには共に電位V0が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差は0となり、発光素子は発光しない。
【0041】
また期間P1においては、P型FET18と、N型FET23とが導通状態となり、P型FET12と、N型FET17と、P型FET24と、P型FET32と、P型FET36とが遮断状態となる。従って、図6(5)に示すように、信号G,Cにはそれぞれ電位Vc,基準電位(GND)が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差はVcとなる。
【0042】
また期間P2においては、P型FET18と、P型FET24と、P型FET32とが導通状態となり、P型FET12と、N型FET17と、N型FET23と、P型FET36とが遮断状態となる。従って、図6(5)に示すように、信号Gには電位Vcが出力され、信号Cには電位(Vc−Vb+Vd)−Vd即ち(Vc−Vb)が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差はVbとなる。
【0043】
また期間P3においては、P型FET18と、P型FET24と、P型FET36とが導通状態となり、P型FET12と、N型FET17と、N型FET23と、P型FET32とが遮断状態となる。従って、図6(5)に示すように、信号Gには電位Vcが出力され、信号Cには電位(Vc−Va+Vd)−Vd即ち(Vc−Va)が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差はVaとなる。
【0044】
以上の動作において、図7に示す回路に信号A,S0,S1,S2を入力する期間を調整することにより、図6の期間P1〜P3をそれぞれ時間幅p・tc,n・tb,m・taにすることができる。
【0045】
このように、本実施の形態に係る階調表現回路並びに階調表現方法においては、印加電圧の切り替えを高速に行う必要がなく、且つ少ない種類の印加電圧値で階調を表現することができる。
【0046】
<実施の形態2>
実施の形態1において、最小印加時間幅ta,tbが互いに異なる値をとる場合には、最小印加時間幅ta,tbの間の最小公倍数を周期とするクロックが必要となる。
【0047】
図8は、実施の形態2に係る階調表現回路並びに階調表現方法における、印加電圧値と印加時間幅との関係を示したグラフである。本実施例においては、最小印加時間幅ta,tbが同じ値をとる。従ってクロックとしては、この最小印加時間幅もしくはその整数倍を周期とするクロックであればよい。
【0048】
このように、本実施の形態に係る階調表現回路並びに階調表現方法においては、クロックの周期が最小印加時間幅もしくはその整数倍を周期とするクロックであればよいので、階調表現回路の規模を小さくすることができ製造コストを削減することができる。
【0049】
また印加電圧値の種類は、2種類に限らずさらに多い場合であっても、同様の効果を有することは容易に類推される。
【0050】
<実施の形態3>
実施の形態1において、Mが、以下の式(7)を満たすとき、式(3)は、以下の式(8)のように書き改めることができる。
【0051】
M=2i(iは自然数)・・・式(7)
L=la・ta・(m+2i・n)・・・式(8)
ここで例えば、iを4とし、mを0から15までの整数、nを0から15までの整数とすれば、Lが256階調すなわち8bitの階調表現を行うことが可能となる。これは、8bitの画像信号の下位4bitをデコードしてmの値とし上位4bitをデコードしてnの値とする簡単な回路だけで、入力画像信号の階調を発光素子の画素に再現できることを示している。
【0052】
図9は、実施の形態3に係る階調表現回路並びに階調表現方法における、印加電圧値と印加時間幅との関係を示したグラフである。図9における太線で囲まれた複数の電圧パルスは、画素信号が例えば38(16進数)である場合のものである。
【0053】
このように、本実施の形態に係る階調表現回路並びに階調表現方法においては、Mが2のべき乗倍であるので、簡単な回路だけで、入力画像信号の階調を発光素子の画素に再現できるという効果を有する。
【0054】
またiが4以外の自然数であったり、印加電圧値の種類が2種類に限らずさらに多い場合であっても、同様の効果を有することは容易に類推される。
【0055】
<実施の形態4>
実施の形態4においては、実施の形態1〜3に係る階調表現回路を、画像表示装置用の2次元の発光素子に用いた場合について説明する。図10に示される発光素子は、簡単のため、第1電極ERRa〜cの3本と、第2電極ERCa〜dの4本とで構成されているものを例にとる。
【0056】
図10に示される発光素子を、印加電圧値Va,Vbの2種類を用いて階調表現する場合について説明する。図11は、第1電極ERRa〜cと、第2電極ERCa〜dと、第1電極駆動部4a〜cと、第2電極駆動部5a〜dと、電圧供給部6a〜dとの接続を示したものである。
【0057】
第1電極駆動部4a〜cは図4の第1電極駆動部4と同じ構成をとり、入力端1a〜cと第1電極ERRa〜cとにそれぞれ接続されている。例えば第1電極駆動部4に対応する第1電極駆動部4aは、入力端1に対応する入力端1aから信号Aに対応する信号Aaが入力され、第1電極ERRに対応する第1電極ERRaに信号Gaを出力する。第1電極駆動部4b〜dについても同様である。
【0058】
また第2電極駆動部5a〜dは、図4の第2電極駆動部5と同じ構成をとり、入力端2a〜cと第2電極ERCa〜dとにそれぞれ接続されている。例えば第2電極駆動部5に対応する第2電極駆動部5aは、入力端2に対応する入力端2aから信号S0に対応する信号S0aが入力され、第2電極ERCに対応する第2電極ERCaに信号Caを出力する。第2電極駆動部5b〜dについても同様である。
【0059】
また電圧供給部6a〜dは、図4の電圧供給部6と同じ構成をとり、入力端3a〜dにそれぞれ接続されている。例えば電圧供給部6に対応する電圧供給部6aは、入力端3に対応する入力端3aから信号S1に対応する信号S1aが入力される。電圧供給部6b〜dについても同様である。
【0060】
また図11の、第1電極駆動部4a〜cと第2電極駆動部5a〜dと電圧供給部6a〜dとにおいては、図4の、P型FET12のドレインとダイオード33のカソードとP型FET24のソースとにそれぞれ相当する部分が接続され同じ電位となるように構成されている。
【0061】
次に、図11に示した発光素子の動作を、図12を用いて説明する。図12(1)〜(3)は、入力端1a〜c,2a〜c,3a〜cから入力される信号Aa〜c,S0a〜d,S1a〜dをそれぞれ示す。また図12(4)は、第1電極ERRa〜cに入力される信号Ga〜cを示す。図12(5)〜(8)は、第2電極ERCa〜dに入力される信号Ca〜dを示す。図11において電位V0は、第1電極ERRa〜cのいずれかと第2電極ERCa〜dのいずれかとの間に電圧(Vb−V0)を印加しても、発光素子が発光しない電位であるとする。
【0062】
まず、信号AaをHレベル、信号Ab,AcをLレベルにする。このとき信号S0a〜d,S1a〜dを用いて、図11の第1電極ERRaと第2電極ERCa〜dとの間の画素の階調表現を、実施の形態1と同様の手順で行う。このとき図12(2),(3)に示すように、第2電極ERCa〜dへの電圧パルスの印加は同時に行われる。
【0063】
次に、信号AbをHレベル、信号Aa,AcをLレベルにする。このとき信号S0a〜d,S1a〜dを用いて、図11の第1電極ERRbと第2電極ERCa〜dとの間の画素の階調表現を、実施の形態1と同様の手順で行う。このとき図12(2),(3)に示すように、第2電極ERCa〜dへの電圧パルスの印加は同時に行われる。
【0064】
次に、信号AcをHレベル、信号Aa,AbをLレベルにする。このとき信号S0a〜d,S1a〜dを用いて、図11の第1電極ERRcと第2電極ERCa〜dとの間の画素の階調表現を、実施の形態1と同様の手順で行う。このとき図12(2),(3)に示すように、第2電極ERCa〜dへの電圧パルスの印加は同時に行われる。
【0065】
上記の手順により、第1電極ERRa〜cの階調表現を1サイクル分行うことができる。ここで、図10の発光素子の画素に用いられる蛍光体の残光時間を、第1電極ERRa〜cの階調表現の1サイクル分の周期と同じかそれよりも長く設定しておくことにより、発光素子は2次元画像を表示することができる。
【0066】
このように、本実施の形態に係る画像表示装置においては、実施の形態1〜3に係る階調表現回路を、画像表示用の2次元の発光素子に用いている。従って、印加電圧値の切り替えを高速に行う必要がなく、且つ少ない種類の印加電圧値で階調を表現することが可能な画像表示装置を提供することができる。
【0067】
また上記の説明では、第1電極が3本で第2電極が4本の場合の説明を行ったが、これに限らず、第1電極および第2電極の本数がさらに多い発光素子においても、同様に2次元画像を表示できることは容易に類推される。
【0068】
<実施の形態5>
実施の形態1〜4においては、以下に説明するように、信号Cに印加される電位の変化は、小さいことが望ましい。従って、電圧パルスPAと電圧パルスPBとは、間隔を空けずに連続して入力されることが望ましい。
【0069】
図13(1)には、電圧パルスPA,PBが連続して入力される場合を示す。また図13(2)には、電圧パルスPA,PBが連続せずに間隔を空けて入力される場合を示す。
【0070】
図5,6,12においては、第1電極ERRや第2電極ERCの抵抗値や、両電極間の容量成分が無視できる理想的な場合を図示している。しかし実際には抵抗値や容量成分があるため、図5のような電圧パルスが印加された場合には、図13(1)のようにパルスの立ち上がり及び立ち下がりにおいて波形が変形し、変形部分41〜43が発光量の誤差となる。電圧パルスが連続しない場合には、実際の波形は図13(2)のようになり、変形部分51〜53の面積の和は、変形部分41〜43の面積の和より大きくなる。従って、電圧パルスPAと電圧パルスPBとの間隔を空けずに連続して入力することにより、信号Cに印加される電位の変化を小さくすることができ、発光量の誤差を小さくすることができる。また、間隔を空けない分だけ複数の電圧パルスの時間幅も小さくすることができるので、輝度が高く階調数が多い良質な階調表現を行うことができる。
【0071】
このように、本実施の形態に係る階調表現回路並びに階調表現方法においては、異なる印加電圧値を有する電圧パルスが連続して入力されるので、発光量の誤差を小さくすることができ、また、輝度が高く階調数が多い良質な階調表現を行うことができる。
【0072】
なお、本発明は上記の実施例において詳細に説明されたが、これらの実施例により限定的に解釈されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【0073】
加えて、本発明は図3に示すような素子特性を有する発光素子のみに限定されるものではなく、印加電圧値が高くなるほど、印加電圧値における単位時間あたりの発光量の変化が小さくなる場合にも適用される。
【0074】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1に記載の発明に係る階調表現方法及び請求項5に記載の発明に係る階調表現回路においては、印加電圧値の切り替えを高速に行う必要がなく、且つ少ない種類の印加電圧値で階調を表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る階調表現方法を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る階調表現方法を示す図である。
【図3】発光素子の画素における印加電圧値と発光量との関係を示す図である。
【図4】実施の形態1に係る階調表現回路を示す回路図である。
【図5】実施の形態1に係る階調表現方法を示すタイミングチャートである。
【図6】実施の形態1に係る階調表現方法を示すタイミングチャートである。
【図7】実施の形態1に係る階調表現回路を示す回路図である。
【図8】実施の形態2に係る階調表現方法を示すタイミングチャートである。
【図9】実施の形態3に係る階調表現方法を示すタイミングチャートである。
【図10】実施の形態4に係る発光素子を示す構成図である。
【図11】実施の形態4に係る発光素子を示す構成図である。
【図12】実施の形態4に係る階調表現方法を示すタイミングチャートである。
【図13】実施の形態5に係る階調表現方法を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1,1a〜c,2,2a〜c,3,3a〜c,7 入力端、4,4a〜c 第1電極駆動部、5,5a〜d 第2電極駆動部、6,6a〜d,8 電圧供給部、10,20,21 バッファ、11,31,35 コンデンサ、12,18,24,32,36 P型FET、13,14,22 レベルシフト回路、15,16,30 インバータ、17,23 N型FET、33,37 ダイオード、41〜43,51〜54 変形部分、ERR,ERRa〜c 第1電極、ERC,ERCa〜d 第2電極、A,S0,S0a〜d,S1,S1a〜d,S2,G,C 信号、P0〜P3 期間、PA,PB 電圧パルス。
【発明の属する技術分野】
本発明は画像表示に関し、特に階調表現に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像表示装置における階調表現は、出力振幅制御と出力時間幅制御とを組み合わせたものである。しかし、素子特性の変化が著しい領域すなわち印加電圧の変化に対する発光量の変化が大きい領域では、出力振幅制御は困難となる。そこで、素子特性の変化が著しい領域では出力時間幅制御を行い、素子特性の変化が緩やかな領域では出力振幅制御を行うというように、切り替えて制御を行っている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−109421号公報([0015]〜[0019])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の階調表現は、上記のような制御を行っていたため、印加電圧値の切り替えを高速に行う必要があるという問題点があった。
【0005】
また印加電圧値の種類が多いため、電源回路の規模が大きくなり切り替え回路が複雑になるという問題点があった。
【0006】
本発明は以上の問題点を解決するためになされたものであり、印加電圧値の切り替えを高速に行う必要がなく、且つ少ない種類の印加電圧値で階調を表現することができる、階調表現方法、階調表現回路およびそれを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る階調表現方法は、第1電極と、該第1電極と隔絶し且つ直交した第2電極との間に、互いに異なる印加振幅値を有する複数の電圧パルスを所定の印加時間幅ずつ印加することにより前記第1電極と前記第2電極とが交差する場所において所望の階調で画素を発光させる階調表現方法であって、前記印加時間幅は、前記電圧パルスそれぞれに対して、単位となる最小印加時間幅の整倍数で表され、前記電圧パルスのうち第1の電圧パルスの最小印加時間幅の発光量が、前記第1の電圧パルスとは異なる印加振幅値の第2の電圧パルスの最小印加時間幅の整数倍の印加時間幅の発光量と等しく、かつ、前記第1の電圧パルスの最小印加時間幅の発光量に等しい発光量となる前記第2の電圧パルスの印加時間幅を前記第2の電圧パルスの最大印加時間幅として、前記第2の電圧パルスの印加時間幅を最大印加時間幅以下とする。
【0008】
請求項5に記載の発明に係る階調表現回路は、第1電極と、該第1電極と隔絶し且つ直交した第2電極との間に、互いに異なる印加振幅値を有する複数の電圧パルスを所定の印加時間幅ずつ印加することにより前記第1電極と前記第2電極とが交差する場所において所望の階調で画素を発光させる階調表現回路であって、前記印加時間幅は、前記電圧パルスそれぞれに対して、単位となる最小印加時間幅の整数倍で表され、前記電圧パルスのうち第1の電圧パルスの最小印加時間幅の発光量が、前記第1の電圧パルスとは異なる印加振幅値の第2の電圧パルスの最小印加時間幅の整数倍の印加時間幅の発光量と等しく、かつ、前記第1の電圧パルスの最小印加時間幅の発光量に等しい発光量となる前記第2の電圧パルスの印加時間幅を前記第2の電圧パルスの最大印加時間幅として、前記第2の電圧パルスの印加時間幅を最大印加時間幅以下とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
本発明は、図10に示すような第1電極ERRa〜cと第2電極ERCa〜dとが交差する場所において所望の階調で画素を発光させる発光素子に関するものである。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態1に係る階調表現方法を示す図である。図1においては、印加電圧値Vaを有する電圧パルスPAと印加電圧値Vbを有する電圧パルスPBとの2種類の電圧パルスが示されている。電圧パルスPAの印加時間幅は、単位となる最小印加時間幅taを用いて、m・taと表すこととする(但しmは整数で、m≧0)。また電圧パルスPBの印加時間幅は、単位となる最小印加時間幅tbを用いて、n・tbと表すこととする(但しnは整数で、n≧0)。最小印加時間幅ta,tbは、階調表現方法を実施する回路の構成や発光素子の特性、あるいはシステムのクロックの周波数により決定される。
【0011】
FED(Field Emission Display:電界放出型画像表示装置)や有機EL(Electro−Luminescence)等の発光素子の画素の素子特性においては、印加電圧値Vと印加電圧値Vにおける単位時間あたりの発光量lとは比例しない。本実施の形態では図3に示すように、印加電圧値Vaを印加した時の単位時間あたりの発光素子の画素の発光量laと、印加電圧値Vbを印加した時の単位時間あたりの発光素子の画素の発光量lbとを用いて(但し、Va<Vb)、印加電圧値Vが高くなるほど、印加電圧値Vにおける単位時間あたりの発光量lの変化が大きくなる場合を例にとり説明する。
【0012】
発光素子の画素に、印加電圧値Vaを有する電圧パルスPAを印加時間幅m・taだけ印加し、印加電圧値Vbを有する電圧パルスPBを印加時間幅n・tbだけ印加した場合の発光量Lは、式(1)のように表される。
【0013】
L=la・m・ta+lb・n・tb・・・式(1)
今、下記の式(2)が成立したとすると(但しMは整数で、M≧0)、式(1)は式(3)のように書き換えることができる。
【0014】
lb・tb=M・la・ta・・・式(2)
L=la・ta・(m+M・n)・・・式(3)
式(2)は、電圧パルスPAによる発光量M・la・taが、電圧パルスPBによる発光量lb・tbに等しいことを示している。印加時間幅tbの電圧パルスPBと、印加時間幅M・taの電圧パルスPAとを図2の斜線部にそれぞれ示す。ここで、これらの電圧パルスの斜線部分は互いに等しい発光量を有している。なお、電圧パルスPAの印加時間幅m・taはM・ta以下で可変であり、電圧パルスPBの印加時間幅n・tbについてもN・tb以下で可変であるN(但しNは整数で、N≧0)が存在する。そして、最大時間幅T=M・ta+N・tbは、画像のフレーム周波数、画像の走査周波数、画素数、表示階調数、駆動回路の動作速度、制御回路の映像信号処理速度、製品としての仕様等により決定される。ただし、図2では、説明を分かりやすくするために、t=M・ta+n・tbの場合について記載している。
【0015】
式(2)が成立する場合としては、Mの値を決めた後に式(2)を成立させるVaとVbの関係を決める場合と、VaとVbの関係を決めた後に式(2)を成立させるMの値を決める場合との2通りの場合がある。前述したように、最小印加時間幅ta,tbは、階調表現方法を実施する回路の構成や発光素子の特性、あるいはシステムのクロックの周波数により決定される。従って、決定された最小印加時間幅ta,tbと、図3に示される印加電圧値Vと単位時間あたりの発光量との関係を用いることにより、式(2)を満たすVa,Vbを決定することができる。
【0016】
また式(3)は、mとnとを変化させることにより、電圧パルスPAと電圧パルスPBとによる発光量Lを、電圧パルスPAによる発光量la・ta単位で階調表現ができることを示している。例えば、M=10とし、所望の階調の発光量を27la・taとすると、m=2,n=7とすることにより、電圧パルスPAと電圧パルスPBとで、階調を表現できる。即ち、電圧パルスPBで表現できる20la・taを電圧パルスPBで表現し、電圧パルスPBでは表現できない7la・taを、電圧パルスPAで表現するのである。このようにして、電圧パルスPAと電圧パルスPBとの2種類の電圧パルスを用いて、発光量la・ta単位で階調表現を行うことができる。
【0017】
次に図4を用いて、図1に示すような電圧パルスを印加するための階調表現回路について説明する。
【0018】
発光素子に電圧パルスを印加する期間を規定するための信号Aは、入力端1から入力された後に、バッファ10とレベルシフト回路13とに入力される。バッファ10は、信号の直流成分を除去するためのコンデンサ11を介して、P型FET12のゲートに信号Aと同じ波形の信号を出力する。レベルシフト回路13は、信号Aと波形が同じで直流成分の異なった信号をレベルシフト回路14とインバータ15とに出力する。レベルシフト回路14は、入力される信号と波形が同じで直流成分の異なった信号をインバータ16に出力する。この直流成分の変化は、P型FET12,18およびN型FET17の動作点(動作電位)の変化に入力される信号を対応させるためである。インバータ15は、入力される信号を反転してN型FET17のゲートに出力する。インバータ16は、入力される信号を反転してP型FET18のゲートに出力する。P型FET12のソースとN型FET17のソースとは共に電位V0に接続される。後述するように、発光素子が発光していない期間には、第1電極ERRと第2電極ERCとは、電位V0に接続される。P型FET18のソースは電位Vbに接続される。N型FET17のドレインとP型FET18のドレインとは互いに接続され、さらに発光素子の第1電極ERRに接続される。
【0019】
また、発光素子に低電位パルスを印加するための信号S0は、入力端2から入力された後に、バッファ20とレベルシフト回路22とに入力される。バッファ20は、入力された信号をN型FET23のゲートに出力する。レベルシフト回路22は、信号S0と波形が同じで直流成分の異なった信号をバッファ21に出力する。この直流成分の変化は、N型FET23およびP型FET24の動作点の変化に入力される信号を対応させるためである。バッファ21は、入力された信号を、P型FET24のゲートに出力する。N型FET23のソースは基準電位(GND)に接続される。N型FET23のドレインとP型FET24のドレインとは互いに接続され、さらに発光素子の第2電極ERCに接続される。
【0020】
また、発光素子に他の低電位パルスを印加するための信号S1は、入力端3から入力された後に、インバータ30に入力される。インバータ30は、信号の直流成分を除去するためのコンデンサ31を介して、P型FET32のゲートに信号S1を反転した波形を出力する。P型FET32のソースは、(Vb−Va+Vd)の電位を有する電源に接続され、P型FET32のドレインはダイオード33のアノードに接続される。ダイオード33は電圧降下Vdを有し、P型FET12が導通状態になったときに、P型ダイオード32のドレインが電位V0に接続されることを防ぐはたらきをする。P型FET24のソースはP型FET12のドレインとダイオード33のカソードとに接続される。
【0021】
ここで、以下の説明のために、バッファ10と、コンデンサ11と、P型FET12,18と、レベルシフト回路13,14と、インバータ15,16と、N型FET17とから構成される部分を、第1電極駆動部4とする。第1電極駆動部4から第1電極ERRへは、信号Gが出力される。
【0022】
また、バッファ20,21と、レベルシフト回路22と、N型FET23と、P型FET24とから構成される部分を、第2電極駆動部5とする。第2電極駆動部5から第2電極ERCへは、信号Cが出力される。
【0023】
また、インバータ30と、コンデンサ31と、P型FET32と、ダイオード33とから構成される部分を、電圧供給部6とする。
【0024】
次に、図4に示した回路の動作を、図5を用いて説明する。図5(1)〜(3)は、入力端1〜3から入力される信号A,S0,S1をそれぞれ示す。図5(1)〜(3)に示すように、発光素子は、信号A,S0,S1それぞれの波形の相互関係から、期間P0〜P2の3つの期間で制御される。期間P0においては、信号A,S0,S1は全てLレベルである。期間P1においては、信号A,S0がHレベルで、信号S1がLレベルである。期間P2においては、信号A,S1がHレベルで、信号S0がLレベルである。
【0025】
期間P0においては、P型FET12と、N型FET17と、P型FET24とが導通状態となり、P型FET18と、N型FET23と、P型FET32とが遮断状態となる。従って、図5(4)に示すように、信号G,Cには共に電位V0が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差は0となり、発光素子は発光しない。
【0026】
また期間P1においては、P型FET18と、N型FET23とが導通状態となり、P型FET12と、N型FET17と、P型FET24と、P型FET32とが遮断状態となる。従って、図5(4)に示すように、信号G,Cにはそれぞれ電位Vb,基準電位(GND)が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差はVbとなる。
【0027】
また期間P2においては、P型FET18と、P型FET24と、P型FET32とが導通状態となり、P型FET12と、N型FET17と、N型FET23とが遮断状態となる。従って、図5(4)に示すように、信号Gには電位Vbが出力され、信号Cには電位(Vb−Va+Vd)−Vd即ち(Vb−Va)が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差はVaとなる。
【0028】
以上の動作において、図4に示す回路に信号A,S0,S1を入力する期間を調整することにより、図5の期間P1,P2をそれぞれ時間幅n・tb,m・taにすることができる。
【0029】
図1においては、発光素子の印加電圧値を切り替えるところは3ヶ所、即ち、0からVbに変化するところと、VbからVaに変化するところと、Vaから0に変化するところだけであるので、印加電圧の切り替えを高速に行う必要がない。また発光素子の印加電圧値としては、VaとVbとの2種類のみで階調表現を行っている。
【0030】
次に、図5に示すように印加電圧値Va,Vbに加えて印加電圧値Vc(但し、Va<Vb<Vc)を用いた場合について、図6を用いて説明する。
【0031】
印加電圧値Va,Vbは、上述のとおり式(2)を満たすものとする。また印加電圧値Vcの印加時間幅は、最小印加時間幅tcを単位として、p・tc(但しpは整数で、p≧0)と表されることとし、印加電圧値Vcを印加した時の単位時間あたりの発光素子の画素の発光量をlcとすると、複数の電圧パルスによる発光量は、式(4)のように表される。
【0032】
L=la・m・ta+lb・n・tb+lc・p・tc・・・式(4)
ここで、印加電圧値Vbの最大印加時間幅をN・tbとする(但しNは整数で、N≧0)。このとき、式(2)に加えて以下の式(5)が成立したとすると、式(4)は式(6)のように書き換えることができる。
【0033】
lc・tc=N・lb・tb・・・式(5)
L=la・ta・(m+M・n+M・N・p)・・・式(6)
式(5)は、印加電圧値Vcによる発光量lc・tcが、印加電圧値Vbによる発光量N・lb・tbに等しいことを示している。また式(6)は、mとnとpとを変化させることにより、複数の電圧パルスによる発光量Lを印加電圧値Vaによる発光量la・ta単位で階調表現ができることを示している。
【0034】
上記の説明から、印加電圧値の種類は2,3種類に限らずさらに多い場合であっても、同様に、複数の電圧パルスによる発光量Lを印加電圧値Vaによる発光量la・ta単位で階調表現ができることは容易に類推される。
【0035】
次に図7を用いて、図6に示すような電圧パルスを印加するための回路について説明する。ここで、第1電極駆動部4および第2電極駆動部5については、図4に示したものと同様であるので、説明を省略する。
【0036】
発光素子に印加される電圧値を切り替えるための信号S1は、入力端3から入力された後に、インバータ30に入力される。インバータ30は、信号の直流成分を除去するためのコンデンサ31を介して、P型FET32のゲートに信号S1を反転した波形を出力する。P型FET32のソースは、(Vc−Vb+Vd)の電位を有する電源に接続され、P型FET32のドレインはダイオード33のアノードに接続される。
【0037】
また、発光素子に印加される電圧を切り替えるための信号S2は、入力端7から入力された後に、インバータ34に入力される。インバータ34は、信号の直流成分を除去するためのコンデンサ35を介して、P型FET36のゲートに信号S2を反転した波形を出力する。P型FET36のソースは、(Vc−Va+Vd)の電位を有する電源に接続され、P型FET36のドレインはダイオード37のアノードに接続される。ダイオード37は電圧降下Vdを有し、P型FET12が導通状態になったときに、P型ダイオード36のドレインが電位V0に接続されることを防ぐはたらきをする。ダイオード33,37のカソードはP型FET24のソースとP型FET12のドレインとに接続される。
【0038】
ここで、以下の説明のために、電圧供給部6に、インバータ34と、コンデンサ35と、P型FET36と、ダイオード37とを加えた部分を、電圧供給部8とする。
【0039】
次に、図7に示した回路の動作を、図6を用いて説明する。図6(1)〜(4)は、入力端1〜3,7から入力される信号A,S0,S1,S2をそれぞれ示す。図6(1)〜(4)に示すように、発光素子は、信号A,S0,S1,S2それぞれの波形の相互関係から、期間P0〜P3の4つの期間で制御される。期間P0においては、信号A,S0,S1,S2は全てLレベルである。期間P1においては、信号A,S0がHレベルで、信号S1,S2がLレベルである。期間P2においては、信号A,S1がHレベルで、信号S0,S2がLレベルである。期間P3においては、信号A,S2がHレベルで、信号S0,S1がLレベルである。
【0040】
期間P0においては、P型FET12と、N型FET17と、P型FET24とが導通状態となり、P型FET18と、N型FET23と、P型FET32,36とが遮断状態となる。従って、図6(5)に示すように、信号G,Cには共に電位V0が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差は0となり、発光素子は発光しない。
【0041】
また期間P1においては、P型FET18と、N型FET23とが導通状態となり、P型FET12と、N型FET17と、P型FET24と、P型FET32と、P型FET36とが遮断状態となる。従って、図6(5)に示すように、信号G,Cにはそれぞれ電位Vc,基準電位(GND)が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差はVcとなる。
【0042】
また期間P2においては、P型FET18と、P型FET24と、P型FET32とが導通状態となり、P型FET12と、N型FET17と、N型FET23と、P型FET36とが遮断状態となる。従って、図6(5)に示すように、信号Gには電位Vcが出力され、信号Cには電位(Vc−Vb+Vd)−Vd即ち(Vc−Vb)が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差はVbとなる。
【0043】
また期間P3においては、P型FET18と、P型FET24と、P型FET36とが導通状態となり、P型FET12と、N型FET17と、N型FET23と、P型FET32とが遮断状態となる。従って、図6(5)に示すように、信号Gには電位Vcが出力され、信号Cには電位(Vc−Va+Vd)−Vd即ち(Vc−Va)が出力されるので、第1電極ERRと第2電極ERCとの電位差はVaとなる。
【0044】
以上の動作において、図7に示す回路に信号A,S0,S1,S2を入力する期間を調整することにより、図6の期間P1〜P3をそれぞれ時間幅p・tc,n・tb,m・taにすることができる。
【0045】
このように、本実施の形態に係る階調表現回路並びに階調表現方法においては、印加電圧の切り替えを高速に行う必要がなく、且つ少ない種類の印加電圧値で階調を表現することができる。
【0046】
<実施の形態2>
実施の形態1において、最小印加時間幅ta,tbが互いに異なる値をとる場合には、最小印加時間幅ta,tbの間の最小公倍数を周期とするクロックが必要となる。
【0047】
図8は、実施の形態2に係る階調表現回路並びに階調表現方法における、印加電圧値と印加時間幅との関係を示したグラフである。本実施例においては、最小印加時間幅ta,tbが同じ値をとる。従ってクロックとしては、この最小印加時間幅もしくはその整数倍を周期とするクロックであればよい。
【0048】
このように、本実施の形態に係る階調表現回路並びに階調表現方法においては、クロックの周期が最小印加時間幅もしくはその整数倍を周期とするクロックであればよいので、階調表現回路の規模を小さくすることができ製造コストを削減することができる。
【0049】
また印加電圧値の種類は、2種類に限らずさらに多い場合であっても、同様の効果を有することは容易に類推される。
【0050】
<実施の形態3>
実施の形態1において、Mが、以下の式(7)を満たすとき、式(3)は、以下の式(8)のように書き改めることができる。
【0051】
M=2i(iは自然数)・・・式(7)
L=la・ta・(m+2i・n)・・・式(8)
ここで例えば、iを4とし、mを0から15までの整数、nを0から15までの整数とすれば、Lが256階調すなわち8bitの階調表現を行うことが可能となる。これは、8bitの画像信号の下位4bitをデコードしてmの値とし上位4bitをデコードしてnの値とする簡単な回路だけで、入力画像信号の階調を発光素子の画素に再現できることを示している。
【0052】
図9は、実施の形態3に係る階調表現回路並びに階調表現方法における、印加電圧値と印加時間幅との関係を示したグラフである。図9における太線で囲まれた複数の電圧パルスは、画素信号が例えば38(16進数)である場合のものである。
【0053】
このように、本実施の形態に係る階調表現回路並びに階調表現方法においては、Mが2のべき乗倍であるので、簡単な回路だけで、入力画像信号の階調を発光素子の画素に再現できるという効果を有する。
【0054】
またiが4以外の自然数であったり、印加電圧値の種類が2種類に限らずさらに多い場合であっても、同様の効果を有することは容易に類推される。
【0055】
<実施の形態4>
実施の形態4においては、実施の形態1〜3に係る階調表現回路を、画像表示装置用の2次元の発光素子に用いた場合について説明する。図10に示される発光素子は、簡単のため、第1電極ERRa〜cの3本と、第2電極ERCa〜dの4本とで構成されているものを例にとる。
【0056】
図10に示される発光素子を、印加電圧値Va,Vbの2種類を用いて階調表現する場合について説明する。図11は、第1電極ERRa〜cと、第2電極ERCa〜dと、第1電極駆動部4a〜cと、第2電極駆動部5a〜dと、電圧供給部6a〜dとの接続を示したものである。
【0057】
第1電極駆動部4a〜cは図4の第1電極駆動部4と同じ構成をとり、入力端1a〜cと第1電極ERRa〜cとにそれぞれ接続されている。例えば第1電極駆動部4に対応する第1電極駆動部4aは、入力端1に対応する入力端1aから信号Aに対応する信号Aaが入力され、第1電極ERRに対応する第1電極ERRaに信号Gaを出力する。第1電極駆動部4b〜dについても同様である。
【0058】
また第2電極駆動部5a〜dは、図4の第2電極駆動部5と同じ構成をとり、入力端2a〜cと第2電極ERCa〜dとにそれぞれ接続されている。例えば第2電極駆動部5に対応する第2電極駆動部5aは、入力端2に対応する入力端2aから信号S0に対応する信号S0aが入力され、第2電極ERCに対応する第2電極ERCaに信号Caを出力する。第2電極駆動部5b〜dについても同様である。
【0059】
また電圧供給部6a〜dは、図4の電圧供給部6と同じ構成をとり、入力端3a〜dにそれぞれ接続されている。例えば電圧供給部6に対応する電圧供給部6aは、入力端3に対応する入力端3aから信号S1に対応する信号S1aが入力される。電圧供給部6b〜dについても同様である。
【0060】
また図11の、第1電極駆動部4a〜cと第2電極駆動部5a〜dと電圧供給部6a〜dとにおいては、図4の、P型FET12のドレインとダイオード33のカソードとP型FET24のソースとにそれぞれ相当する部分が接続され同じ電位となるように構成されている。
【0061】
次に、図11に示した発光素子の動作を、図12を用いて説明する。図12(1)〜(3)は、入力端1a〜c,2a〜c,3a〜cから入力される信号Aa〜c,S0a〜d,S1a〜dをそれぞれ示す。また図12(4)は、第1電極ERRa〜cに入力される信号Ga〜cを示す。図12(5)〜(8)は、第2電極ERCa〜dに入力される信号Ca〜dを示す。図11において電位V0は、第1電極ERRa〜cのいずれかと第2電極ERCa〜dのいずれかとの間に電圧(Vb−V0)を印加しても、発光素子が発光しない電位であるとする。
【0062】
まず、信号AaをHレベル、信号Ab,AcをLレベルにする。このとき信号S0a〜d,S1a〜dを用いて、図11の第1電極ERRaと第2電極ERCa〜dとの間の画素の階調表現を、実施の形態1と同様の手順で行う。このとき図12(2),(3)に示すように、第2電極ERCa〜dへの電圧パルスの印加は同時に行われる。
【0063】
次に、信号AbをHレベル、信号Aa,AcをLレベルにする。このとき信号S0a〜d,S1a〜dを用いて、図11の第1電極ERRbと第2電極ERCa〜dとの間の画素の階調表現を、実施の形態1と同様の手順で行う。このとき図12(2),(3)に示すように、第2電極ERCa〜dへの電圧パルスの印加は同時に行われる。
【0064】
次に、信号AcをHレベル、信号Aa,AbをLレベルにする。このとき信号S0a〜d,S1a〜dを用いて、図11の第1電極ERRcと第2電極ERCa〜dとの間の画素の階調表現を、実施の形態1と同様の手順で行う。このとき図12(2),(3)に示すように、第2電極ERCa〜dへの電圧パルスの印加は同時に行われる。
【0065】
上記の手順により、第1電極ERRa〜cの階調表現を1サイクル分行うことができる。ここで、図10の発光素子の画素に用いられる蛍光体の残光時間を、第1電極ERRa〜cの階調表現の1サイクル分の周期と同じかそれよりも長く設定しておくことにより、発光素子は2次元画像を表示することができる。
【0066】
このように、本実施の形態に係る画像表示装置においては、実施の形態1〜3に係る階調表現回路を、画像表示用の2次元の発光素子に用いている。従って、印加電圧値の切り替えを高速に行う必要がなく、且つ少ない種類の印加電圧値で階調を表現することが可能な画像表示装置を提供することができる。
【0067】
また上記の説明では、第1電極が3本で第2電極が4本の場合の説明を行ったが、これに限らず、第1電極および第2電極の本数がさらに多い発光素子においても、同様に2次元画像を表示できることは容易に類推される。
【0068】
<実施の形態5>
実施の形態1〜4においては、以下に説明するように、信号Cに印加される電位の変化は、小さいことが望ましい。従って、電圧パルスPAと電圧パルスPBとは、間隔を空けずに連続して入力されることが望ましい。
【0069】
図13(1)には、電圧パルスPA,PBが連続して入力される場合を示す。また図13(2)には、電圧パルスPA,PBが連続せずに間隔を空けて入力される場合を示す。
【0070】
図5,6,12においては、第1電極ERRや第2電極ERCの抵抗値や、両電極間の容量成分が無視できる理想的な場合を図示している。しかし実際には抵抗値や容量成分があるため、図5のような電圧パルスが印加された場合には、図13(1)のようにパルスの立ち上がり及び立ち下がりにおいて波形が変形し、変形部分41〜43が発光量の誤差となる。電圧パルスが連続しない場合には、実際の波形は図13(2)のようになり、変形部分51〜53の面積の和は、変形部分41〜43の面積の和より大きくなる。従って、電圧パルスPAと電圧パルスPBとの間隔を空けずに連続して入力することにより、信号Cに印加される電位の変化を小さくすることができ、発光量の誤差を小さくすることができる。また、間隔を空けない分だけ複数の電圧パルスの時間幅も小さくすることができるので、輝度が高く階調数が多い良質な階調表現を行うことができる。
【0071】
このように、本実施の形態に係る階調表現回路並びに階調表現方法においては、異なる印加電圧値を有する電圧パルスが連続して入力されるので、発光量の誤差を小さくすることができ、また、輝度が高く階調数が多い良質な階調表現を行うことができる。
【0072】
なお、本発明は上記の実施例において詳細に説明されたが、これらの実施例により限定的に解釈されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【0073】
加えて、本発明は図3に示すような素子特性を有する発光素子のみに限定されるものではなく、印加電圧値が高くなるほど、印加電圧値における単位時間あたりの発光量の変化が小さくなる場合にも適用される。
【0074】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1に記載の発明に係る階調表現方法及び請求項5に記載の発明に係る階調表現回路においては、印加電圧値の切り替えを高速に行う必要がなく、且つ少ない種類の印加電圧値で階調を表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る階調表現方法を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る階調表現方法を示す図である。
【図3】発光素子の画素における印加電圧値と発光量との関係を示す図である。
【図4】実施の形態1に係る階調表現回路を示す回路図である。
【図5】実施の形態1に係る階調表現方法を示すタイミングチャートである。
【図6】実施の形態1に係る階調表現方法を示すタイミングチャートである。
【図7】実施の形態1に係る階調表現回路を示す回路図である。
【図8】実施の形態2に係る階調表現方法を示すタイミングチャートである。
【図9】実施の形態3に係る階調表現方法を示すタイミングチャートである。
【図10】実施の形態4に係る発光素子を示す構成図である。
【図11】実施の形態4に係る発光素子を示す構成図である。
【図12】実施の形態4に係る階調表現方法を示すタイミングチャートである。
【図13】実施の形態5に係る階調表現方法を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1,1a〜c,2,2a〜c,3,3a〜c,7 入力端、4,4a〜c 第1電極駆動部、5,5a〜d 第2電極駆動部、6,6a〜d,8 電圧供給部、10,20,21 バッファ、11,31,35 コンデンサ、12,18,24,32,36 P型FET、13,14,22 レベルシフト回路、15,16,30 インバータ、17,23 N型FET、33,37 ダイオード、41〜43,51〜54 変形部分、ERR,ERRa〜c 第1電極、ERC,ERCa〜d 第2電極、A,S0,S0a〜d,S1,S1a〜d,S2,G,C 信号、P0〜P3 期間、PA,PB 電圧パルス。
Claims (10)
- 第1電極と、該第1電極と隔絶し且つ直交した第2電極との間に、互いに異なる印加振幅値を有する複数の電圧パルスを所定の印加時間幅ずつ印加することにより前記第1電極と前記第2電極とが交差する場所において所望の階調で画素を発光させる階調表現方法であって、
前記印加時間幅は、前記電圧パルスそれぞれに対して、単位となる最小印加時間幅の整倍数で表され、
前記電圧パルスのうち第1の電圧パルスの最小印加時間幅の発光量が、前記第1の電圧パルスとは異なる印加振幅値の第2の電圧パルスの最小印加時間幅の整数倍の印加時間幅の発光量と等しく、
かつ、前記第1の電圧パルスの最小印加時間幅の発光量に等しい発光量となる前記第2の電圧パルスの印加時間幅を前記第2の電圧パルスの最大印加時間幅として、前記第2の電圧パルスの印加時間幅を最大印加時間幅以下とする
階調表現方法。 - 請求項1に記載の階調表現方法であって、
複数の前記電圧パルスに含まれる全ての電圧パルスにおいて、前記最小印加時間幅は同一値をとる
階調表現方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の階調表現方法であって、
それぞれの前記電圧パルスの前記最大印加時間幅は、前記最小印加時間幅の2のべき乗倍である
階調表現方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の階調表現方法であって、
複数の前記電圧パルスに含まれる各電圧パルスは連続して印加される
階調表現方法。 - 第1電極と、該第1電極と隔絶し且つ直交した第2電極との間に、互いに異なる印加振幅値を有する複数の電圧パルスを所定の印加時間幅ずつ印加することにより前記第1電極と前記第2電極とが交差する場所において所望の階調で画素を発光させる階調表現回路であって、
前記印加時間幅は、前記電圧パルスそれぞれに対して、単位となる最小印加時間幅の整数倍で表され、
前記電圧パルスのうち第1の電圧パルスの最小印加時間幅の発光量が、前記第1の電圧パルスとは異なる印加振幅値の第2の電圧パルスの最小印加時間幅の整数倍の印加時間幅の発光量と等しく、
かつ、前記第1の電圧パルスの最小印加時間幅の発光量に等しい発光量となる前記第2の電圧パルスの印加時間幅を前記第2の電圧パルスの最大印加時間幅として、前記第2の電圧パルスの印加時間幅を最大印加時間幅以下とする
階調表現回路。 - 請求項5に記載の階調表現回路であって、
前記電圧パルスは前記第1電極に印加される複数の高電位パルスと前記第2電極に印加される低電位パルスとの差分であり、
前記高電位パルスを前記第1電極に印加するための第1電極駆動部と、複数の前記低電位パルスを前記第2電極に印加するための第2電極駆動部と、前記第2電極駆動部に印加される複数の前記低電位パルスを切り替えるための電圧供給部とを備え、
複数の前記低電位パルスの各時間幅の和が前記複数の電圧パルスの総印加時間幅に等しい
階調表現回路。 - 請求項5又は請求項6に記載の階調表現回路であって、
複数の前記電圧パルスに含まれる全ての電圧パルスにおいて、前記最小印加時間幅は同一値をとる
階調表現回路。 - 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の階調表現回路であって、
それぞれの前記電圧パルスの前記最大印加時間幅は、前記最小時間幅の2のべき乗倍である
階調表現回路。 - 請求項5乃至請求項8のいずれかに記載の階調表現回路であって、
複数の前記電圧パルスに含まれる各電圧パルスは連続して印加される
階調表現回路。 - 請求項5乃至請求項9のいずれかに記載の階調表現回路を備える画像表示装置であって、
複数の前記第1電極と、
複数の前記第2電極と
を備える
画像表示装置。
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