JP2004301744A - 赤外線センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】基板12上にメンブレン14が形成され、このメンブレン14上の赤外線検出体28により赤外線を検出する赤外線センサ10において、接着剤30を用いて実装面40に実装する際に、接着剤30がメンブレン40まで這い上がっても、センサ感度の低下を防止しうる赤外線センサを提供する。
【解決手段】赤外線センサ10を、メンブレン下方の内空部18に内在する流体の熱伝導率の7倍以下の熱伝導率の接着剤30によって、実装面40とを接着して実装することとする。
【選択図】 図1
【解決手段】赤外線センサ10を、メンブレン下方の内空部18に内在する流体の熱伝導率の7倍以下の熱伝導率の接着剤30によって、実装面40とを接着して実装することとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メンブレンが形成された構造をとり赤外線受光時に生じる温度変化に基づいて電気信号を発生する赤外線検出体を備える赤外線センサに関し、特に、接着剤を用いて実装面であるセンサ下部構造と接着して実装する赤外線センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、メンブレン構造を有する赤外線センサとしては、サーモパイル型の赤外線センサがよく知られている。図5(a)は、メンブレン構造を有する従来の赤外線センサの斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示す赤外線センサのA‘−A断面図である。
【0003】
従来の赤外線センサ10は、シリコンチップである基板12の裏面がエッチングされて、メンブレン14が形成される。メンブレン14を有する基板12の上面には、前記メンブレン14上に温接点部22を、メンブレン14外側の厚肉部上に冷接点部24を有する複数個の熱電対20が設けられている。熱電対20の温接点部は赤外線吸収膜26により覆われている。赤外線吸収膜26は、ポリエステル樹脂にカーボンを含有させ、焼き固めたものであり、赤外線を吸収して温接点の温度を効率よく上昇させるためのものである。基板12は、実装面であるセンサ下部構造40に接着剤30で接着されて実装される。
【0004】
図5(c)に、基板12の上面に設けられる熱電対20を示す。人体などから赤外線が照射されると、赤外線吸収膜26に赤外線が吸収されて温度上昇が起こる。その結果、メンブレン14上に設けられた温接点部22は、赤外線吸収膜26から伝達される熱の伝達経路が小さいために温度が上昇する一方、メンブレン外側の厚肉部上に設けられた冷接点部24は、基板12がヒートシンクとなり温度上昇が起きない。その結果温接点部22と冷接点部24との間に温度差が生じ、ゼーベック効果による起電力が発生する。熱電対20は、図示するとおり直列に複数個繋がれており、各熱電対の起電力の総和Voutをセンサの出力とする。
【0005】
従来の赤外線センサ10に使用される接着剤30は、熱伝導率5W/mK程度の銀ペーストなどであった。これは、温接点部22と冷接点部24との間の温度差を大きくして赤外線センサ10の感度を高めるために、基板12の肉厚部の熱がセンサ下部構造40に逃げやすいように熱伝導率が高い接着剤が好ましいと考えられていたからである。なお、このようなメンブレン構造を有する赤外線センサとしては、特許文献1に開示される半導体装置がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−58134号公報(段落〔0016〕〜〔0020〕)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
センサ下部構造40への実装に接着剤を用いる場合、接着の際に基板12の下面16により押し出された接着剤30が、メンブレン14下方にある基板12の内空部18の内壁19を這い上がり、メンブレン14裏面にまで到達する恐れがある。図6(a)にメンブレン14裏面にまで接着剤30が到達した様子を示す。
【0008】
メンブレン14下方の内空部18には、熱伝導率0.025W/mK以下の、熱伝導の低い低熱伝導性ガスを内在させて、温接点部22の熱容量を小さくしている。したがって、図6(b)に示すように接着剤が内壁19を這い上がっていない場合には、メンブレン14の温度低下を防止して温接点部22の温度を保つことができる。
【0009】
しかし、図6(c)に示すように接着剤30が這い上がり、メンブレン14まで到達する状態になると、内空部18の流体よりも熱伝導率の高い接着剤30により熱の伝達経路があるために、温接点部22の熱容量が大きくなってしまう。その結果温接点と冷接点の温度差が小さくなりセンサ感度の低下を引き起こす。
【0010】
特許文献1に開示される半導体センサでは、かかる接着剤30の這い上がり防止のために、図7に示すように、接着剤30であるダイボンドペーストを、基板12下面全面にではなく局所的に配置する。しかしこの方法によると、接着剤30が這い上がらないようにするために、特許文献1に開示される実装方法等によって、赤外センサ10の実装工程で接着剤30の塗布位置および塗布量を制御する必要があるため煩雑である。
【0011】
上記事情を鑑み、本発明では、基板上にメンブレンが形成され、このメンブレン上の赤外線検出体により赤外線を検出する赤外線センサにおいて、接着剤を用いて実装面に実装する際に接着剤がメンブレンまで這い上がっても、センサ感度の低下を防止しうる赤外線センサを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る赤外線センサは、実装に使用される接着剤の熱伝導率を、メンブレン下方の基板下面と実装面により囲まれる内空部に内在する流体の熱伝導率の7倍以下であることとした。
【0013】
このように、低熱伝導率の接着剤により実装することにより、実装の際に接着剤の這い上がりが生じてメンブレンまで到達しても、這い上がった接着材により生じる熱伝達経路による熱の伝達を抑えて、赤外線検出体の熱容量を小さく保つことが可能である。これにより赤外線センサのセンサ感度の低下を防止することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付する図面を参照して本発明の第1実施例に係る赤外線センサを説明する。図1(a)は、メンブレン構造を有する本発明の第1実施例に係る赤外線センサの斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示す赤外線センサのA‘−A断面図である。
【0015】
本発明に係る赤外線センサ10は、シリコンチップである基板12の裏面がエッチングされて、メンブレン14が形成される。メンブレン14を有する基板12の上面には、赤外線検出体28が設けられている。ここで、赤外線センサ10は、その下面16をセンサ下部構造40に接着剤30により接着され実装されている。
【0016】
メンブレン14下方の内空部18には、熱伝導率が0W/mK〜0.025W/mKである熱伝導の低い低熱伝導性ガスを内在させて、赤外線検出体28の熱容量を小さくしている。したがって、図1(b)に示すように接着剤が内壁19を這い上がっていない場合には、メンブレン14の温度低下を防止して赤外線検出体28の温度を保つことができる。
【0017】
本発明に係る赤外線センサ10は、センサ下部構造40への実装に使用する接着剤30として、従来使用していた銀ペースト等の熱伝導率の高い接着剤(熱伝導率5W/mK)に代えて、熱伝導率が低い接着剤を使用する。熱伝導率が低く、かつ本発明の赤外線センサ10のようなセンサの接着に使用可能な接着剤として、熱伝導率が0.16W/mK程度のシリコン系接着剤などを好適に使用しうる。
【0018】
図2は、接着剤が基板12の内壁19を這い上がり、メンブレン14まで到達した状態を示す図である。図2に示すように接着剤30が這い上がり、メンブレン14まで到達する状態になっても、上述の通り本発明に係る赤外線センサ10に使用する接着剤30の熱伝導率が低いため、メンブレン14まで達した接着剤30による熱の伝達経路が小さく、赤外線検出体28の熱容量を小さく保つことが可能となる。
【0019】
このように、センサ下部構造40への実装に使用する接着剤30に熱伝導率の低い接着剤を使用することにより、実装の際に基板12の下面16により押し出された接着剤30が、基板12の内壁19を這い上がり、メンブレン14まで到達しても、赤外線検出体28の熱容量を小さく保つことが可能となり、センサ感度の低下を防止することができる。
【0020】
図3(a)は、メンブレン構造を有する本発明の第2実施例に係る赤外線センサの斜視図であり、図3(b)は、図3(a)に示す赤外線センサのA‘−A断面図である。
【0021】
第2実施例に係る赤外線センサ10は、赤外線検出体28として、前記メンブレン14上に温接点部22を、メンブレン14外側の厚肉部上に冷接点部24接点を有する複数個の熱電対20を備える。熱電対20の温接点部は、赤外線吸収膜26により覆われている。
【0022】
図3(c)に、基板12の上面に設けられる熱電対20を示す。赤外線が照射されると、赤外線吸収膜26に赤外線が吸収されて温度上昇が起こる。その結果、メンブレン14上に設けられた温接点部22は、赤外線吸収膜26から伝達される熱の伝達経路が小さいために温度が上昇する一方、メンブレン外側の厚肉部上に設けられた冷接点部24は、基板12がヒートシンクとなり温度上昇が起きない。その結果温接点部22と冷接点部24との間に温度差が生じ、この温度差に応じたセンサ出力Voutが出力される。
【0023】
センサ下部構造40への実装に低熱伝導率性の接着剤30を使用した場合、冷接点部24のヒートシンクとなる基板12の肉厚部の熱がセンサ下部構造40に逃げにくくなるという問題がある。しかし、冷接点部24のヒートシンクとしての機能は、基板12のみで果たすことが可能なため、接着剤30に低熱伝導率のものを使用しても、センサ特性上問題を生ずるほどの影響は及ぼさない。
【0024】
図4に、本発明の第2実施例係る赤外線センサ10における、センサ表面の温度分布を示す。図示するグラフは、中空部18に内在する流体である低熱伝導性ガスの熱伝導率を0.025W/mK以下とし、接着材30の熱伝導率を0.18W/mK以下、または前記の低熱伝導性ガスの熱伝導率の約7倍以下としたときの、接着剤30の這い上がり有り無し両者の場合における、赤外線センサ10の表面温度分布の解析結果である。
【0025】
図4に示すように、接着剤の這い上がりの有無にかかわらずほぼ同じ表面温度分布となることが分かる。これより、接着材30の熱伝導率は、0.18W/mK以下またはセンサ10の中空部18に内在する低熱伝導性ガスの熱伝導率の約7倍以下であれば、這い上がった接着剤30による赤外線センサ10のセンサ感度への影響を防止することができることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、メンブレン構造を有する本発明の第1実施例に係る赤外線センサの斜視図であり、(b)は、(a)に示す赤外線センサのA‘−A断面図である。
【図2】実装の際の接着剤の這い上がりによりメンブレンまで到達した状態を示す図である。
【図3】(a)は、メンブレン構造を有する本発明の第2実施例に係る赤外線センサの斜視図であり、(b)は、(a)に示す赤外線センサのA‘−A断面図であり、(c)は、基板上面に設けられる熱電対を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例係る赤外線センサ10における、センサ表面の温度分布を示す図である。
【図5】(a)は、メンブレン構造を有する従来の赤外線センサの斜視図であり、(b)は、(a)に示す赤外線センサのA‘−A断面図であり、(c)は、基板上面に設けられる熱電対を示す図である。
【図6】実装の際に、メンブレン下方にある基板の内空部の内壁を這い上がる接着剤の様子を示す図である。
【図7】従来の半導体センサの一例を示す図である。
【符号の説明】
10…赤外線センサ
12…基板
14…メンブレン
16…基板下面
18…内空部
19…内空部内壁
20…熱電対
22…温接点部
24…冷接点部
26…赤外線吸収膜
28…赤外線検出体
30…接着剤
40…センサ下部構造
【発明の属する技術分野】
本発明は、メンブレンが形成された構造をとり赤外線受光時に生じる温度変化に基づいて電気信号を発生する赤外線検出体を備える赤外線センサに関し、特に、接着剤を用いて実装面であるセンサ下部構造と接着して実装する赤外線センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、メンブレン構造を有する赤外線センサとしては、サーモパイル型の赤外線センサがよく知られている。図5(a)は、メンブレン構造を有する従来の赤外線センサの斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示す赤外線センサのA‘−A断面図である。
【0003】
従来の赤外線センサ10は、シリコンチップである基板12の裏面がエッチングされて、メンブレン14が形成される。メンブレン14を有する基板12の上面には、前記メンブレン14上に温接点部22を、メンブレン14外側の厚肉部上に冷接点部24を有する複数個の熱電対20が設けられている。熱電対20の温接点部は赤外線吸収膜26により覆われている。赤外線吸収膜26は、ポリエステル樹脂にカーボンを含有させ、焼き固めたものであり、赤外線を吸収して温接点の温度を効率よく上昇させるためのものである。基板12は、実装面であるセンサ下部構造40に接着剤30で接着されて実装される。
【0004】
図5(c)に、基板12の上面に設けられる熱電対20を示す。人体などから赤外線が照射されると、赤外線吸収膜26に赤外線が吸収されて温度上昇が起こる。その結果、メンブレン14上に設けられた温接点部22は、赤外線吸収膜26から伝達される熱の伝達経路が小さいために温度が上昇する一方、メンブレン外側の厚肉部上に設けられた冷接点部24は、基板12がヒートシンクとなり温度上昇が起きない。その結果温接点部22と冷接点部24との間に温度差が生じ、ゼーベック効果による起電力が発生する。熱電対20は、図示するとおり直列に複数個繋がれており、各熱電対の起電力の総和Voutをセンサの出力とする。
【0005】
従来の赤外線センサ10に使用される接着剤30は、熱伝導率5W/mK程度の銀ペーストなどであった。これは、温接点部22と冷接点部24との間の温度差を大きくして赤外線センサ10の感度を高めるために、基板12の肉厚部の熱がセンサ下部構造40に逃げやすいように熱伝導率が高い接着剤が好ましいと考えられていたからである。なお、このようなメンブレン構造を有する赤外線センサとしては、特許文献1に開示される半導体装置がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−58134号公報(段落〔0016〕〜〔0020〕)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
センサ下部構造40への実装に接着剤を用いる場合、接着の際に基板12の下面16により押し出された接着剤30が、メンブレン14下方にある基板12の内空部18の内壁19を這い上がり、メンブレン14裏面にまで到達する恐れがある。図6(a)にメンブレン14裏面にまで接着剤30が到達した様子を示す。
【0008】
メンブレン14下方の内空部18には、熱伝導率0.025W/mK以下の、熱伝導の低い低熱伝導性ガスを内在させて、温接点部22の熱容量を小さくしている。したがって、図6(b)に示すように接着剤が内壁19を這い上がっていない場合には、メンブレン14の温度低下を防止して温接点部22の温度を保つことができる。
【0009】
しかし、図6(c)に示すように接着剤30が這い上がり、メンブレン14まで到達する状態になると、内空部18の流体よりも熱伝導率の高い接着剤30により熱の伝達経路があるために、温接点部22の熱容量が大きくなってしまう。その結果温接点と冷接点の温度差が小さくなりセンサ感度の低下を引き起こす。
【0010】
特許文献1に開示される半導体センサでは、かかる接着剤30の這い上がり防止のために、図7に示すように、接着剤30であるダイボンドペーストを、基板12下面全面にではなく局所的に配置する。しかしこの方法によると、接着剤30が這い上がらないようにするために、特許文献1に開示される実装方法等によって、赤外センサ10の実装工程で接着剤30の塗布位置および塗布量を制御する必要があるため煩雑である。
【0011】
上記事情を鑑み、本発明では、基板上にメンブレンが形成され、このメンブレン上の赤外線検出体により赤外線を検出する赤外線センサにおいて、接着剤を用いて実装面に実装する際に接着剤がメンブレンまで這い上がっても、センサ感度の低下を防止しうる赤外線センサを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る赤外線センサは、実装に使用される接着剤の熱伝導率を、メンブレン下方の基板下面と実装面により囲まれる内空部に内在する流体の熱伝導率の7倍以下であることとした。
【0013】
このように、低熱伝導率の接着剤により実装することにより、実装の際に接着剤の這い上がりが生じてメンブレンまで到達しても、這い上がった接着材により生じる熱伝達経路による熱の伝達を抑えて、赤外線検出体の熱容量を小さく保つことが可能である。これにより赤外線センサのセンサ感度の低下を防止することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付する図面を参照して本発明の第1実施例に係る赤外線センサを説明する。図1(a)は、メンブレン構造を有する本発明の第1実施例に係る赤外線センサの斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示す赤外線センサのA‘−A断面図である。
【0015】
本発明に係る赤外線センサ10は、シリコンチップである基板12の裏面がエッチングされて、メンブレン14が形成される。メンブレン14を有する基板12の上面には、赤外線検出体28が設けられている。ここで、赤外線センサ10は、その下面16をセンサ下部構造40に接着剤30により接着され実装されている。
【0016】
メンブレン14下方の内空部18には、熱伝導率が0W/mK〜0.025W/mKである熱伝導の低い低熱伝導性ガスを内在させて、赤外線検出体28の熱容量を小さくしている。したがって、図1(b)に示すように接着剤が内壁19を這い上がっていない場合には、メンブレン14の温度低下を防止して赤外線検出体28の温度を保つことができる。
【0017】
本発明に係る赤外線センサ10は、センサ下部構造40への実装に使用する接着剤30として、従来使用していた銀ペースト等の熱伝導率の高い接着剤(熱伝導率5W/mK)に代えて、熱伝導率が低い接着剤を使用する。熱伝導率が低く、かつ本発明の赤外線センサ10のようなセンサの接着に使用可能な接着剤として、熱伝導率が0.16W/mK程度のシリコン系接着剤などを好適に使用しうる。
【0018】
図2は、接着剤が基板12の内壁19を這い上がり、メンブレン14まで到達した状態を示す図である。図2に示すように接着剤30が這い上がり、メンブレン14まで到達する状態になっても、上述の通り本発明に係る赤外線センサ10に使用する接着剤30の熱伝導率が低いため、メンブレン14まで達した接着剤30による熱の伝達経路が小さく、赤外線検出体28の熱容量を小さく保つことが可能となる。
【0019】
このように、センサ下部構造40への実装に使用する接着剤30に熱伝導率の低い接着剤を使用することにより、実装の際に基板12の下面16により押し出された接着剤30が、基板12の内壁19を這い上がり、メンブレン14まで到達しても、赤外線検出体28の熱容量を小さく保つことが可能となり、センサ感度の低下を防止することができる。
【0020】
図3(a)は、メンブレン構造を有する本発明の第2実施例に係る赤外線センサの斜視図であり、図3(b)は、図3(a)に示す赤外線センサのA‘−A断面図である。
【0021】
第2実施例に係る赤外線センサ10は、赤外線検出体28として、前記メンブレン14上に温接点部22を、メンブレン14外側の厚肉部上に冷接点部24接点を有する複数個の熱電対20を備える。熱電対20の温接点部は、赤外線吸収膜26により覆われている。
【0022】
図3(c)に、基板12の上面に設けられる熱電対20を示す。赤外線が照射されると、赤外線吸収膜26に赤外線が吸収されて温度上昇が起こる。その結果、メンブレン14上に設けられた温接点部22は、赤外線吸収膜26から伝達される熱の伝達経路が小さいために温度が上昇する一方、メンブレン外側の厚肉部上に設けられた冷接点部24は、基板12がヒートシンクとなり温度上昇が起きない。その結果温接点部22と冷接点部24との間に温度差が生じ、この温度差に応じたセンサ出力Voutが出力される。
【0023】
センサ下部構造40への実装に低熱伝導率性の接着剤30を使用した場合、冷接点部24のヒートシンクとなる基板12の肉厚部の熱がセンサ下部構造40に逃げにくくなるという問題がある。しかし、冷接点部24のヒートシンクとしての機能は、基板12のみで果たすことが可能なため、接着剤30に低熱伝導率のものを使用しても、センサ特性上問題を生ずるほどの影響は及ぼさない。
【0024】
図4に、本発明の第2実施例係る赤外線センサ10における、センサ表面の温度分布を示す。図示するグラフは、中空部18に内在する流体である低熱伝導性ガスの熱伝導率を0.025W/mK以下とし、接着材30の熱伝導率を0.18W/mK以下、または前記の低熱伝導性ガスの熱伝導率の約7倍以下としたときの、接着剤30の這い上がり有り無し両者の場合における、赤外線センサ10の表面温度分布の解析結果である。
【0025】
図4に示すように、接着剤の這い上がりの有無にかかわらずほぼ同じ表面温度分布となることが分かる。これより、接着材30の熱伝導率は、0.18W/mK以下またはセンサ10の中空部18に内在する低熱伝導性ガスの熱伝導率の約7倍以下であれば、這い上がった接着剤30による赤外線センサ10のセンサ感度への影響を防止することができることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、メンブレン構造を有する本発明の第1実施例に係る赤外線センサの斜視図であり、(b)は、(a)に示す赤外線センサのA‘−A断面図である。
【図2】実装の際の接着剤の這い上がりによりメンブレンまで到達した状態を示す図である。
【図3】(a)は、メンブレン構造を有する本発明の第2実施例に係る赤外線センサの斜視図であり、(b)は、(a)に示す赤外線センサのA‘−A断面図であり、(c)は、基板上面に設けられる熱電対を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例係る赤外線センサ10における、センサ表面の温度分布を示す図である。
【図5】(a)は、メンブレン構造を有する従来の赤外線センサの斜視図であり、(b)は、(a)に示す赤外線センサのA‘−A断面図であり、(c)は、基板上面に設けられる熱電対を示す図である。
【図6】実装の際に、メンブレン下方にある基板の内空部の内壁を這い上がる接着剤の様子を示す図である。
【図7】従来の半導体センサの一例を示す図である。
【符号の説明】
10…赤外線センサ
12…基板
14…メンブレン
16…基板下面
18…内空部
19…内空部内壁
20…熱電対
22…温接点部
24…冷接点部
26…赤外線吸収膜
28…赤外線検出体
30…接着剤
40…センサ下部構造
Claims (4)
- 基板と、該基板に形成される薄肉部であるメンブレンと、該メンブレンを有する前記基板上面に赤外線検出体とを備える赤外線センサであって、
前記基板底面と前記赤外線センサを実装する実装面とを接着剤によって接着して実装され、
前記接着剤は、メンブレン下方の、前記基板下面と前記実装面により囲まれる内空部に内在する流体の熱伝導率の7倍を超えない熱伝導率の材質からなることを特徴とする赤外線センサ。 - 基板と、該基板に形成される薄肉部であるメンブレンと、該メンブレンを有する前記基板上面に赤外線検出体とを備える赤外線センサであって、
熱伝導率が0.18W/mK以下である接着剤によって、前記基板底面と前記実装面とを接着して実装されることを特徴とする赤外線センサ。 - 前記接着剤は、シリコン系接着剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線センサ。
- 前記赤外線検出体は、
温接点部を前記メンブレン上に備え、冷接点部を前記基板上における前記メンブレンの外側に備える熱電対と、
前記温接点部を被覆するように前記メンブレン上に形成された赤外線吸収膜とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線センサ。
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