JP2004301664A - 半導体検査治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ファイナルテストでの配線間ショートの発生を回避する。
【解決手段】被試験ICを載置するためのソケットを有する検査治具103と、検査治具の複数の接触子と接触する複数の信号ピンを有するテスタヘッド101とを備える半導体検査治具であって、検査治具103とテスタヘッド101との間に絶縁部材102を介在させた構造を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】被試験ICを載置するためのソケットを有する検査治具103と、検査治具の複数の接触子と接触する複数の信号ピンを有するテスタヘッド101とを備える半導体検査治具であって、検査治具103とテスタヘッド101との間に絶縁部材102を介在させた構造を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組立完了したICに低温度の熱ストレスを与えて電気的なファイナルテストを行うのに用いる半導体検査治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、組立完了したICに、低温度の熱ストレスを与えて検査を行うのに半導体検査装置が用いられる。この半導体検査治具では、例えば低温槽内に被試験ICを入れたトレイを収容し、さらにトレイから吸着ヘッドで低温プレート上に被試験ICを移して低温度の熱ストレスを与えている。このような半導体検査装置では、低温槽内で吸着ヘッドを駆動する回転軸のベアリングやハウジングが低温槽の外部に露出しているために、これらの露出部分に結露が生じ易くなっている。そこで、ベアリングやハウジング露出部分を密封カバーで被い、これらが常温の外気に触れないようにして、結露防止対策としている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、図8に示すように、サーモストリーマを用いて被試験ICに低温度の熱ストレスを与え、ファイナルテストを行う半導体検査装置が提案されている。半導体検査装置は、被試験ICを載置するためのソケット106を有する検査治具103と、検査治具103を着脱可能に支持し、検査治具103に設けられた複数の接触子に接触する信号ピンを持ったテスタヘッド101と、検査治具103上において、ソケット106および周辺の領域を冷気の排気口で被い、排気口に冷気703を供給する冷気供給手段としてのサーモストリーマ702と、テスタヘッド101に接続されて、冷気による熱ストレスの印加条件下で被試験ICの性能を試験するIC試験機704とから構成されている。
【0004】
IC検査装置を用いてICのファイナルテストを行うには、まず、被試験ICが収納されているソケットおよびその周辺の領域を密に被うようにして、サーモストリーマ702の排気口を検査治具上にセットする。次に、サーモストリーマ702から冷気703をこれの排気口に送り込み、被試験IC周辺の温度を変化させて熱ストレスを与える。この温度環境でソケット106検査治具103およびテスタヘッド101の各配線を介して電気的に接続されたIC試験機704により、被試験ICの検査を行う。
【0005】
また、このような検査は通常複数個の被試験ICを取り替えるたびに、サーモストリーマ702の排気口を検査治具103上において上下している。この場合において、検査治具103側には冷気703を被試験IC周辺外へ洩れないようにする対策がとられていないため、洩れた冷気が検査治具103上の中心部から周辺に流れ下る。このため、冷気703の温度がマイナス40℃程度という低温度で長時間検査を行った場合に、被試験IC周辺や、検査治具103とテスタヘッド101との間隙に入った冷気が常温の外気と接触する。このため、検査治具103の下面に臨む複数の接触子間や、これらの接触子に接触される信号ピン104間に結露701が発生する場合がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−248787号公報(第2〜3頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のIC検査装置にはこのような結露701を防止する対策がとられていないため、隣接する接触子同士や信号ピン同士の配線間経路の絶縁が阻害されて電気的にショート状態となり、検査結果に不具合を生じていた。また、この不具合解消のためこれまでその結露701を頻繁に拭き取っていたが、この作業のために被試験ICの検査効率が極めて悪くなっているという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、配線間ショートの発生およびこれに伴う検査結果の不具合を回避することができる半導体検査治具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の半導体検査治具は、被試験ICを載置するためのソケットを有する検査治具と、前記検査治具の複数の接触子と接触する複数の信号ピンを有するテスタヘッドとを備える半導体検査治具であって、前記検査治具と前記テスタヘッドとの間に絶縁部材を介在させた構造を有する。
【0010】
上記構成によれば、検査治具とテスタヘッドとの間に絶縁部材を介在させることで、配線間ショートの発生を回避することができる。
【0011】
請求項2の半導体検査治具は、請求項1の半導体検査治具において、前記絶縁部材は、前記接触子または前記信号ピンの配列に整合する貫通孔を備えるものである。
【0012】
上記構成によれば、信号ピンが挿入する貫通孔を絶縁部材に備えることで、配線間ショートの発生を確実に回避することができる。
【0013】
請求項3の半導体検査治具は、請求項1記載の半導体検査治具において、前記絶縁部材は、上面に前記ソケットを搭載する前記検査治具の前記ソケットに対応する下面に設けられるものである。
【0014】
上記構成によれば、特に、検査治具のソケットに対応する下面で発生する結露による配線間ショートを効果的に回避することができる。
【0015】
請求項4の半導体検査治具は、請求項1の半導体検査治具において、前記絶縁部材は、前記検査治具の接触子の配列に整合する貫通孔を備え、前記検査治具に接着するものである。
【0016】
請求項5の半導体検査治具は、請求項1記載の半導体検査治具において、前記絶縁治具は、前記信号ピンの配列に整合する貫通孔を備え、前記テスタヘッドに接着するものである。
【0017】
上記構成によれば、絶縁部材を検査治具またはテスタヘッドに接着させておくことで、ファイナルテスト時の検査治具とテスタヘッドとの密着をより確実に行うことができる。
【0018】
請求項6の絶縁部材は、被試験ICを載置するためのソケットを有する検査治具と、前記検査治具の複数の接触子と接触する複数の信号ピンを有するテスタヘッドとの間に設けられ、前記接触子または前記信号ピンの配列に整合する貫通孔を備えるものである。
【0019】
上記構成により、被試験ICの種別によって検査治具が変わる場合でも、汎用的に絶縁部材を用いて配線間ショートを回避することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の半導体検査治具を示す分解斜視図である。半導体検査治具は、検査治具103およびテスタヘッド101を有し、検査治具103は被試験ICを載置するためのソケット106を、上面の略中央部に一体に備えている。検査治具103の下面には、複数個の接触子109が放射状に設けられ、これらが検査治具103内の配線を通じてソケット106側の試験用端子に接続されている。
【0021】
テスタヘッド101は検査治具103を着脱可能に支持し、上面には接触子109に対応する位置に複数本の信号ピン104が突設されている。接触子109および信号ピン104は図2に示すような位置関係にあり、互いに対応する形状および大きさを持つ。各接触子109は、例えば導電プレートとしたり、あるいは検査治具103内に形成される導電性のコンタクトピンホールとすることもできる。接触子109と信号ピン104との後述のような接触を確実にするため、これらの一方または両方にばね材を使用したり、ばね材を介在させてもよい。各信号ピン104はテスタヘッド101内の配線を通じてIC試験機704に接続されている。
【0022】
検査治具103およびテスタヘッド101間には、伸縮性(弾性)材料によって作られた絶縁部材102が介在されている。絶縁部材102は、被試験ICに対する低温度の熱ストレス印加時に、検査治具103とテスタヘッド101との間隙に冷気が侵入することにより発生した結露による、接触子109同士や信号ピン104同士の配線間ショートを阻止する。絶縁部材102は検査治具103下面およびテスタヘッド101上面間に介在されたとき、これらに確実に密着するゴムやプラスチックなどの伸縮材料からなる。
【0023】
絶縁部材102は、接触子109や信号ピン104に対応する位置に各一の信号ピン挿入孔105が設けられている。従って、絶縁部材102を介してテスタヘッド101上に検査治具103を装着した場合に、各信号ピン104は各信号ピン孔105を貫通して、対向する各接触子109に接触する。このとき、各信号ピン105同士および接触子109同士が電気的に絶縁される。
【0024】
次に絶縁部材102による結露防止および絶縁動作について説明する。被試験ICの熱ストレス印加試験を行う場合には、まず、テスタヘッド101上に絶縁部材102を載置する。このとき、テスタヘッド101の各信号ピン104に対し、絶縁部材102の信号ピン挿入孔105を挿通させる。また、絶縁部材102の下面をテスタヘッド101の上面に密着させる。この密着は、後述の検査治具103の載置による重量を受けてより確実となる。従って、検査治具103が載置されるまでは、信号ピン104の上端は信号ピン挿入孔105内において絶縁部材102の上面に略一致するか、または僅か低い位置に臨んでいる。
【0025】
続いて、絶縁部材102上に検査治具103を載置する。このとき、検査治具103の下面に臨む各接触子109を、テスタヘッド101上の各信号ピン104の上端(先端)に位置を合わせるようにして接触させる。この接触は、検査治具103が、絶縁部材102を厚み方向(下方向)に僅か加圧して収縮させることにより可能となる。これにより、テスタヘッド101に対し、検査治具103上のソケット106に載せられた被試験ICの電気的接続を確実にすることができる。
【0026】
絶縁部材102は収縮によってテスタヘッド101の上面と検査治具103の下面とに密着される。このため、サーモストリーマ702の排気口の上下によって被試験ICやソケット106周辺から漏れた冷気が、テスタヘッド101と検査治具103との間隙の全領域107に対し侵入すること、および冷気と常温の大気との接触にもとづく結露の発生を防止できるとともに、各接触子109同士および信号ピン104同士を絶縁できる。通常は、ソケット106周辺部が集中して低温度の熱ストレスを受けるため、ソケット106の直下の検査治具103の下面領域108では温度勾配が大きくなり、この領域に結露が集中的に発生しやすくなる。この場合にも、絶縁部材102はその領域での結露発生を確実に防止するとともに、信号ピン挿入孔105内に臨む各接触子109同士や各信号ピン104同士をそれぞれ分離して絶縁する。従ってこれらを配線として流れる信号の漏れや配線間のショートを防止できる。この結果、結露発生による従来のような検査結果の不具合を解消できる。また、霜の除去作業が不要となり、試験作業の効率化を実現できる。
【0027】
図3は、本発明の他の実施の形態によるIC検査治具を示す要部の分解斜視図である。本実施の形態では、図1について述べたのと同様に、テスタヘッド101と検査治具103との間隙の全領域に冷気が侵入するのを、絶縁部材102Aが防止する。絶縁部材102Aには、ソケット106直下の検査治具103の下面領域108に対応する部位に、上下面に貫通する空洞110が設けられている。
【0028】
図4は、本発明の他の実施の形態によるIC検査治具を示す要部の分解斜視図である。本実施の形態は、ソケット106直下の検査治具103の下面領域108付近に結露が発生するのを防止するものである。このため、絶縁部材102Bがその下面領域108にのみに当接される形状(例えば、円形)および大きさに形成されている。これにより低温度の熱ストレスを集中して受ける下面領域108に結露が発生し、この結露が接触子109や信号ピン104がある部位に流れてこれらの間の絶縁が阻害されるのを確実に回避することができる。下面領域108を除く領域では結露が発生しない場合に有効である。
【0029】
図5は、本発明の他の実施の形態によるIC検査治具を示す要部の分解斜視図である。本実施の形態では、絶縁部材102を、検査治具103のテスタヘッド101に対向する面(下面)に予め接着してある。これによれば、検査治具103および絶縁部材102を一体として結露防止および絶縁の対策をIC検査治具に施すことができる。特に、検査治具103下面の接触子109付近での結露発生の防止および絶縁保護をより十分に図ることができる。また、検査治具103とテスタヘッド101の組み付けを容易、迅速に実施できる。検査治具103のテスタヘッド101に対する接続は、空気圧(吸気圧)を利用してこれらを吸着搬送させることによりなされるため、検査治具103に最初から絶縁部材102を接着させておくことにより、上記のようなテスタヘッド101への組み付けを効率化でき、より十分な絶縁効果が得られる。
【0030】
図6は、本発明の他の実施の形態によるIC検査治具を示す要部の分解斜視図である。本実施の形態は、絶縁部材102を、テスタヘッド101の検査治具103に対向する面(上面)に予め接着(密着)してある。これによれば、テスタヘッド101および絶縁部材102を一体として結露防止および絶縁の対策をIC検査治具に施すことができ、特に、テスタヘッド101上面の信号ピン104付近での結露発生の防止および絶縁保護をより十分に図ることができる。また検査治具103とテスタヘッド101の組み付けを容易、迅速に実施できる。検査治具103のテスタヘッド101に対する接続は、空気圧を利用してこれらを吸着搬送させることによりなされるため、テスタヘッド101に最初から絶縁部材を接着させておくことにより、テスタヘッド101に対する検査治具103の接続(組み付け)をこれまで通り簡単に行うことができ、また、十分な結露防止および絶縁の効果が得られる。
【0031】
図7は、本発明の他の実施の形態によるIC検査治具を示す要部の分解斜視図である。本実施の形態では、絶縁部材102を独立させることで、テストヘッド101と検査治具103との間に介在される絶縁部材102の交換を、被試験ICの種類や試験条件、さらには絶縁部材102自体の疲労度合に応じて、任意のタイミングで容易に行うことができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、検査治具とテスタヘッドとの間の絶縁部材により、配線間ショートの発生を回避し、検査結果の不具合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態によるIC検査治具の要部を分解して示す拡大斜視図。
【図2】図1に示す接触子と信号ピンとの対応関係を示す説明図。
【図3】本発明の他の実施の形態によるIC検査治具の要部を分解して示す拡大斜視図。
【図4】本発明の他の実施の形態によるIC検査治具の要部を分解して示す拡大斜視図。
【図5】本発明の他の実施の形態によるIC検査治具の要部を分解して示す拡大斜視図。
【図6】本発明の他の実施の形態によるIC検査治具の要部を分解して示す拡大斜視図。
【図7】本発明の他の実施の形態によるIC検査治具の要部を分解して示す拡大斜視図。
【図8】従来のIC検査装置の全体を示す斜視図。
【符号の説明】
101 テスタヘッド
102、102A、102B 絶縁部材
103 検査治具
104 信号ピン
105 信号ピン挿入孔
106 ソケット
107 全領域
108 下面領域
109 接触子
110 空洞
702 サーモストリーマ
704 IC試験機
【発明の属する技術分野】
本発明は、組立完了したICに低温度の熱ストレスを与えて電気的なファイナルテストを行うのに用いる半導体検査治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、組立完了したICに、低温度の熱ストレスを与えて検査を行うのに半導体検査装置が用いられる。この半導体検査治具では、例えば低温槽内に被試験ICを入れたトレイを収容し、さらにトレイから吸着ヘッドで低温プレート上に被試験ICを移して低温度の熱ストレスを与えている。このような半導体検査装置では、低温槽内で吸着ヘッドを駆動する回転軸のベアリングやハウジングが低温槽の外部に露出しているために、これらの露出部分に結露が生じ易くなっている。そこで、ベアリングやハウジング露出部分を密封カバーで被い、これらが常温の外気に触れないようにして、結露防止対策としている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、図8に示すように、サーモストリーマを用いて被試験ICに低温度の熱ストレスを与え、ファイナルテストを行う半導体検査装置が提案されている。半導体検査装置は、被試験ICを載置するためのソケット106を有する検査治具103と、検査治具103を着脱可能に支持し、検査治具103に設けられた複数の接触子に接触する信号ピンを持ったテスタヘッド101と、検査治具103上において、ソケット106および周辺の領域を冷気の排気口で被い、排気口に冷気703を供給する冷気供給手段としてのサーモストリーマ702と、テスタヘッド101に接続されて、冷気による熱ストレスの印加条件下で被試験ICの性能を試験するIC試験機704とから構成されている。
【0004】
IC検査装置を用いてICのファイナルテストを行うには、まず、被試験ICが収納されているソケットおよびその周辺の領域を密に被うようにして、サーモストリーマ702の排気口を検査治具上にセットする。次に、サーモストリーマ702から冷気703をこれの排気口に送り込み、被試験IC周辺の温度を変化させて熱ストレスを与える。この温度環境でソケット106検査治具103およびテスタヘッド101の各配線を介して電気的に接続されたIC試験機704により、被試験ICの検査を行う。
【0005】
また、このような検査は通常複数個の被試験ICを取り替えるたびに、サーモストリーマ702の排気口を検査治具103上において上下している。この場合において、検査治具103側には冷気703を被試験IC周辺外へ洩れないようにする対策がとられていないため、洩れた冷気が検査治具103上の中心部から周辺に流れ下る。このため、冷気703の温度がマイナス40℃程度という低温度で長時間検査を行った場合に、被試験IC周辺や、検査治具103とテスタヘッド101との間隙に入った冷気が常温の外気と接触する。このため、検査治具103の下面に臨む複数の接触子間や、これらの接触子に接触される信号ピン104間に結露701が発生する場合がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−248787号公報(第2〜3頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のIC検査装置にはこのような結露701を防止する対策がとられていないため、隣接する接触子同士や信号ピン同士の配線間経路の絶縁が阻害されて電気的にショート状態となり、検査結果に不具合を生じていた。また、この不具合解消のためこれまでその結露701を頻繁に拭き取っていたが、この作業のために被試験ICの検査効率が極めて悪くなっているという問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、配線間ショートの発生およびこれに伴う検査結果の不具合を回避することができる半導体検査治具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の半導体検査治具は、被試験ICを載置するためのソケットを有する検査治具と、前記検査治具の複数の接触子と接触する複数の信号ピンを有するテスタヘッドとを備える半導体検査治具であって、前記検査治具と前記テスタヘッドとの間に絶縁部材を介在させた構造を有する。
【0010】
上記構成によれば、検査治具とテスタヘッドとの間に絶縁部材を介在させることで、配線間ショートの発生を回避することができる。
【0011】
請求項2の半導体検査治具は、請求項1の半導体検査治具において、前記絶縁部材は、前記接触子または前記信号ピンの配列に整合する貫通孔を備えるものである。
【0012】
上記構成によれば、信号ピンが挿入する貫通孔を絶縁部材に備えることで、配線間ショートの発生を確実に回避することができる。
【0013】
請求項3の半導体検査治具は、請求項1記載の半導体検査治具において、前記絶縁部材は、上面に前記ソケットを搭載する前記検査治具の前記ソケットに対応する下面に設けられるものである。
【0014】
上記構成によれば、特に、検査治具のソケットに対応する下面で発生する結露による配線間ショートを効果的に回避することができる。
【0015】
請求項4の半導体検査治具は、請求項1の半導体検査治具において、前記絶縁部材は、前記検査治具の接触子の配列に整合する貫通孔を備え、前記検査治具に接着するものである。
【0016】
請求項5の半導体検査治具は、請求項1記載の半導体検査治具において、前記絶縁治具は、前記信号ピンの配列に整合する貫通孔を備え、前記テスタヘッドに接着するものである。
【0017】
上記構成によれば、絶縁部材を検査治具またはテスタヘッドに接着させておくことで、ファイナルテスト時の検査治具とテスタヘッドとの密着をより確実に行うことができる。
【0018】
請求項6の絶縁部材は、被試験ICを載置するためのソケットを有する検査治具と、前記検査治具の複数の接触子と接触する複数の信号ピンを有するテスタヘッドとの間に設けられ、前記接触子または前記信号ピンの配列に整合する貫通孔を備えるものである。
【0019】
上記構成により、被試験ICの種別によって検査治具が変わる場合でも、汎用的に絶縁部材を用いて配線間ショートを回避することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の半導体検査治具を示す分解斜視図である。半導体検査治具は、検査治具103およびテスタヘッド101を有し、検査治具103は被試験ICを載置するためのソケット106を、上面の略中央部に一体に備えている。検査治具103の下面には、複数個の接触子109が放射状に設けられ、これらが検査治具103内の配線を通じてソケット106側の試験用端子に接続されている。
【0021】
テスタヘッド101は検査治具103を着脱可能に支持し、上面には接触子109に対応する位置に複数本の信号ピン104が突設されている。接触子109および信号ピン104は図2に示すような位置関係にあり、互いに対応する形状および大きさを持つ。各接触子109は、例えば導電プレートとしたり、あるいは検査治具103内に形成される導電性のコンタクトピンホールとすることもできる。接触子109と信号ピン104との後述のような接触を確実にするため、これらの一方または両方にばね材を使用したり、ばね材を介在させてもよい。各信号ピン104はテスタヘッド101内の配線を通じてIC試験機704に接続されている。
【0022】
検査治具103およびテスタヘッド101間には、伸縮性(弾性)材料によって作られた絶縁部材102が介在されている。絶縁部材102は、被試験ICに対する低温度の熱ストレス印加時に、検査治具103とテスタヘッド101との間隙に冷気が侵入することにより発生した結露による、接触子109同士や信号ピン104同士の配線間ショートを阻止する。絶縁部材102は検査治具103下面およびテスタヘッド101上面間に介在されたとき、これらに確実に密着するゴムやプラスチックなどの伸縮材料からなる。
【0023】
絶縁部材102は、接触子109や信号ピン104に対応する位置に各一の信号ピン挿入孔105が設けられている。従って、絶縁部材102を介してテスタヘッド101上に検査治具103を装着した場合に、各信号ピン104は各信号ピン孔105を貫通して、対向する各接触子109に接触する。このとき、各信号ピン105同士および接触子109同士が電気的に絶縁される。
【0024】
次に絶縁部材102による結露防止および絶縁動作について説明する。被試験ICの熱ストレス印加試験を行う場合には、まず、テスタヘッド101上に絶縁部材102を載置する。このとき、テスタヘッド101の各信号ピン104に対し、絶縁部材102の信号ピン挿入孔105を挿通させる。また、絶縁部材102の下面をテスタヘッド101の上面に密着させる。この密着は、後述の検査治具103の載置による重量を受けてより確実となる。従って、検査治具103が載置されるまでは、信号ピン104の上端は信号ピン挿入孔105内において絶縁部材102の上面に略一致するか、または僅か低い位置に臨んでいる。
【0025】
続いて、絶縁部材102上に検査治具103を載置する。このとき、検査治具103の下面に臨む各接触子109を、テスタヘッド101上の各信号ピン104の上端(先端)に位置を合わせるようにして接触させる。この接触は、検査治具103が、絶縁部材102を厚み方向(下方向)に僅か加圧して収縮させることにより可能となる。これにより、テスタヘッド101に対し、検査治具103上のソケット106に載せられた被試験ICの電気的接続を確実にすることができる。
【0026】
絶縁部材102は収縮によってテスタヘッド101の上面と検査治具103の下面とに密着される。このため、サーモストリーマ702の排気口の上下によって被試験ICやソケット106周辺から漏れた冷気が、テスタヘッド101と検査治具103との間隙の全領域107に対し侵入すること、および冷気と常温の大気との接触にもとづく結露の発生を防止できるとともに、各接触子109同士および信号ピン104同士を絶縁できる。通常は、ソケット106周辺部が集中して低温度の熱ストレスを受けるため、ソケット106の直下の検査治具103の下面領域108では温度勾配が大きくなり、この領域に結露が集中的に発生しやすくなる。この場合にも、絶縁部材102はその領域での結露発生を確実に防止するとともに、信号ピン挿入孔105内に臨む各接触子109同士や各信号ピン104同士をそれぞれ分離して絶縁する。従ってこれらを配線として流れる信号の漏れや配線間のショートを防止できる。この結果、結露発生による従来のような検査結果の不具合を解消できる。また、霜の除去作業が不要となり、試験作業の効率化を実現できる。
【0027】
図3は、本発明の他の実施の形態によるIC検査治具を示す要部の分解斜視図である。本実施の形態では、図1について述べたのと同様に、テスタヘッド101と検査治具103との間隙の全領域に冷気が侵入するのを、絶縁部材102Aが防止する。絶縁部材102Aには、ソケット106直下の検査治具103の下面領域108に対応する部位に、上下面に貫通する空洞110が設けられている。
【0028】
図4は、本発明の他の実施の形態によるIC検査治具を示す要部の分解斜視図である。本実施の形態は、ソケット106直下の検査治具103の下面領域108付近に結露が発生するのを防止するものである。このため、絶縁部材102Bがその下面領域108にのみに当接される形状(例えば、円形)および大きさに形成されている。これにより低温度の熱ストレスを集中して受ける下面領域108に結露が発生し、この結露が接触子109や信号ピン104がある部位に流れてこれらの間の絶縁が阻害されるのを確実に回避することができる。下面領域108を除く領域では結露が発生しない場合に有効である。
【0029】
図5は、本発明の他の実施の形態によるIC検査治具を示す要部の分解斜視図である。本実施の形態では、絶縁部材102を、検査治具103のテスタヘッド101に対向する面(下面)に予め接着してある。これによれば、検査治具103および絶縁部材102を一体として結露防止および絶縁の対策をIC検査治具に施すことができる。特に、検査治具103下面の接触子109付近での結露発生の防止および絶縁保護をより十分に図ることができる。また、検査治具103とテスタヘッド101の組み付けを容易、迅速に実施できる。検査治具103のテスタヘッド101に対する接続は、空気圧(吸気圧)を利用してこれらを吸着搬送させることによりなされるため、検査治具103に最初から絶縁部材102を接着させておくことにより、上記のようなテスタヘッド101への組み付けを効率化でき、より十分な絶縁効果が得られる。
【0030】
図6は、本発明の他の実施の形態によるIC検査治具を示す要部の分解斜視図である。本実施の形態は、絶縁部材102を、テスタヘッド101の検査治具103に対向する面(上面)に予め接着(密着)してある。これによれば、テスタヘッド101および絶縁部材102を一体として結露防止および絶縁の対策をIC検査治具に施すことができ、特に、テスタヘッド101上面の信号ピン104付近での結露発生の防止および絶縁保護をより十分に図ることができる。また検査治具103とテスタヘッド101の組み付けを容易、迅速に実施できる。検査治具103のテスタヘッド101に対する接続は、空気圧を利用してこれらを吸着搬送させることによりなされるため、テスタヘッド101に最初から絶縁部材を接着させておくことにより、テスタヘッド101に対する検査治具103の接続(組み付け)をこれまで通り簡単に行うことができ、また、十分な結露防止および絶縁の効果が得られる。
【0031】
図7は、本発明の他の実施の形態によるIC検査治具を示す要部の分解斜視図である。本実施の形態では、絶縁部材102を独立させることで、テストヘッド101と検査治具103との間に介在される絶縁部材102の交換を、被試験ICの種類や試験条件、さらには絶縁部材102自体の疲労度合に応じて、任意のタイミングで容易に行うことができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、検査治具とテスタヘッドとの間の絶縁部材により、配線間ショートの発生を回避し、検査結果の不具合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態によるIC検査治具の要部を分解して示す拡大斜視図。
【図2】図1に示す接触子と信号ピンとの対応関係を示す説明図。
【図3】本発明の他の実施の形態によるIC検査治具の要部を分解して示す拡大斜視図。
【図4】本発明の他の実施の形態によるIC検査治具の要部を分解して示す拡大斜視図。
【図5】本発明の他の実施の形態によるIC検査治具の要部を分解して示す拡大斜視図。
【図6】本発明の他の実施の形態によるIC検査治具の要部を分解して示す拡大斜視図。
【図7】本発明の他の実施の形態によるIC検査治具の要部を分解して示す拡大斜視図。
【図8】従来のIC検査装置の全体を示す斜視図。
【符号の説明】
101 テスタヘッド
102、102A、102B 絶縁部材
103 検査治具
104 信号ピン
105 信号ピン挿入孔
106 ソケット
107 全領域
108 下面領域
109 接触子
110 空洞
702 サーモストリーマ
704 IC試験機
Claims (6)
- 被試験ICを載置するためのソケットを有する検査治具と、前記検査治具の複数の接触子と接触する複数の信号ピンを有するテスタヘッドとを備える半導体検査治具であって、前記検査治具と前記テスタヘッドとの間に絶縁部材を介在させた構造を有する半導体検査治具。
- 前記絶縁部材は、前記接触子または前記信号ピンの配列に整合する貫通孔を備える請求項1記載の半導体検査治具。
- 前記絶縁部材は、上面に前記ソケットを搭載する前記検査治具の前記ソケットに対応する下面に設けられる請求項1記載の半導体検査治具。
- 前記絶縁部材は、前記検査治具の接触子の配列に整合する貫通孔を備え、前記検査治具に接着する請求項1記載の半導体検査治具。
- 前記絶縁治具は、前記信号ピンの配列に整合する貫通孔を備え、前記テスタヘッドに接着する請求項1記載の半導体検査治具。
- 被試験ICを載置するためのソケットを有する検査治具と、前記検査治具の複数の接触子と接触する複数の信号ピンを有するテスタヘッドとの間に設けられ、前記接触子または前記信号ピンの配列に整合する貫通孔を備える絶縁部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003094856A JP2004301664A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 半導体検査治具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003094856A JP2004301664A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 半導体検査治具 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004301664A true JP2004301664A (ja) | 2004-10-28 |
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ID=33407333
Family Applications (1)
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JP2003094856A Pending JP2004301664A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 半導体検査治具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004301664A (ja) |
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2003
- 2003-03-31 JP JP2003094856A patent/JP2004301664A/ja active Pending
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