JP2004301588A - レーダ装置 - Google Patents
レーダ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004301588A JP2004301588A JP2003093206A JP2003093206A JP2004301588A JP 2004301588 A JP2004301588 A JP 2004301588A JP 2003093206 A JP2003093206 A JP 2003093206A JP 2003093206 A JP2003093206 A JP 2003093206A JP 2004301588 A JP2004301588 A JP 2004301588A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- signal
- group
- radio wave
- transmission
- transmission signal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
Abstract
【課題】従来のレーダ装置においては、受信機及びカオス信号処理部の回路における経時的な性能劣化、あるいは瞬時的な受信信号レベル変動の影響が距離測定精度に影響していた。
【解決手段】従来のレーダ装置における送信信号の立ち上がりエッジをトリガとして受信信号を処理した加算カーブに加えて、送信信号の立ち下がりエッジをトリガとして受信信号を処理した加算カーブを用い、この2つの加算カーブの交点を求めることにより目標までの距離を算出する手段を備えることにより、回路自身の性能劣化、及び瞬時的な受信信号レベル変動対しても高精度で距離算出を行うことが可能となる。
【選択図】 図2
【解決手段】従来のレーダ装置における送信信号の立ち上がりエッジをトリガとして受信信号を処理した加算カーブに加えて、送信信号の立ち下がりエッジをトリガとして受信信号を処理した加算カーブを用い、この2つの加算カーブの交点を求めることにより目標までの距離を算出する手段を備えることにより、回路自身の性能劣化、及び瞬時的な受信信号レベル変動対しても高精度で距離算出を行うことが可能となる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、周期性の低いランダム信号であるカオスコードを用いたレーダ装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のレーダ装置は、ノイズ信号源で発生させたランダム信号を、例えば、1と−1の2値信号に変換して送信信号として送信し、目標物に反射して戻ってきた信号を受信信号として受信し、受信機内では、この送信信号の任意の時点を基準時点とし、この基準時点からこの送信信号の極性が負から正に変化する時点すなわちゼロクロス点までの時間差分をシフトした複数の受信信号を加算し、平均化する。この平均化された信号は、基準時点から特定時間離れた時点において、負から正へと急峻に変化するカーブを持ち、この急峻に変化する時点が目標物までの距離を示している(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
三菱電機ニューリリース開発No.111、2001年2月14日発表、http://www.MitsubishiElectric.co.jp/news/2001
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のレーダ装置においては、受信機及びカオス信号処理部の回路における経時的な性能劣化、あるいは瞬時的な受信信号レベル変動の影響が距離測定精度に影響していた。
【0005】
この発明は、係る課題を解決するためになされたものであり、この影響を軽減し、距離測定精度の向上を図ったレーダ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明によるレーダ装置は、周期性の低いランダム信号であるカオスコードを発生するノイズ信号源と、ノイズ信号源からの信号を2値化し送信信号とする2値化回路と、2値化された信号を高周波に重畳して電波として目標物に照射するための送信機及び送信アンテナを備えた電波送信部と、目標物から反射してきた電波を受信するための受信アンテナ及び受信機を備えた電波受信部と、送信信号の周波数に対して充分に早い周期で動作するレジスタシフトクロック発生部と、電波受信部で受信した信号をシフトレジスタクロック発生部のシフトレジスタクロックの立ち上がり又は立ち下がりで複数のレジスタに格納し、これらレジスタ間でシフト動作するレジスタ群と、レジスタ群に格納されている電波受信部からの受信信号を、送信信号の立ち上がりと立ち下がり時点で記憶する複数のDフリップフロップから成るDフリップフロップ群と、Dフリップフロップ群から送出されるデータを送信信号の立ち上がりで加算し、立ち下がりで減算する複数の加減算器から成る加減算器群とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明による実施の形態1のレーダ装置を示した図である。図1において、ノイズ信号源1は周期性の低いランダム信号であるカオスコードを発生するノイズ源であり、この信号を2値化回路2に介することによって、+1と−1の2値に変換し、この2値信号を送信機3に送り、送信アンテナ4を介して、送信波5として目標物6に対して照射する。この目標物6にて反射された電波は受信波7として受信アンテナ8を介して受信機9にて受信され、受信信号としてカオス信号処理部10aに送られる。また、12はカオス信号処理部10aに対してレジスタシフト用のクロックを発生するレジスタシフトクロック発生部である。
【0008】
図2は、この発明による実施の形態1のレーダ装置におけるカオス信号処理部10aを示した図である。このカオス信号処理部10aは、図2に示したとおり、送信信号の周波数に対して充分に早い周期で動作するレジスタシフトクロック発生部12のレジスタシフトクロックをトリガとして、受信機9からの受信信号13をレジスタ群11に格納しシフトを行い、2値化回路2からの送信信号15の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジによりDフリップフロップ群14を通して、加減算器群26に送る機能を有している。
【0009】
図3は、この加減算器群26に格納されているデータk個を時間軸上に並ぶデータとして置き換えたものであり、実施の形態1のレーダ装置における動作原理を図3にて説明する。時間軸上のある1点を基準時刻とし、この基準時刻から最初に訪れる送信信号T:17の立ち上がり若しくは立ち下がりエッジまでの時間であるD1、次の立ち上がり又は立ち下がりエッジまでの時間であるD2、同じく3番目のエッジまでの時間であるD3、同じくn番目のエッジまでの時間であるDnを計測し、受信信号R18をD1からDnまでの各々の時間分だけシフトした受信信号である受信信号RD1:27、受信信号RD2:28、受信信号RD3:29〜受信信号RDn:30(nは任意の正の整数)を生成する。
【0010】
この時、立ち上がりエッジまでの時間をシフトして生成した受信信号は加算、立ち下がりエッジまでの時間をシフトして生成した受信信号は減算を行い、このn個の受信信号の加算と減算により加算カーブYD:31を得る。
この加算カーブYD:31と加算値0軸上との交点25は、基準時刻からの経過時間をT[s]、目標物6までの距離をR[m]、光速をC[m/s]とした場合、数1にて表される関係式が成り立つ。
【0011】
【数1】
【0012】
つまり、目標物6までの距離Rは、基準時刻からの経過時間Tを求めることにより算出される。
【0013】
また、この加算カーブYD:31は、時間Tの前後において、負のピーク値から、正のピーク値に急峻に変化する性質を持っており、加算値0軸上との交点25付近における加算カーブYD:31の傾きをQとすると、負のピーク値と正のピーク値の時間間隔をSとして、その傾きQは数2にて表される。
【0014】
【数2】
【0015】
この実施の形態1によれば、目標物までの距離を決める加算カーブの交点付近の傾きを急峻にすることが可能であり、レーダ装置の受信機及びカオス信号処理部の回路における経時的な性能劣化、あるいは瞬時的な受信信号レベルの変動が発生した場合でも、交点の変動量が従来の方式より少なくなり、距離測定精度の劣化を防ぐことができ、高い精度の距離測定を維持することが可能である。
【0016】
実施の形態2.
図4は、この発明による実施の形態2のレーダ装置を示した図である。図4において、ノイズ信号源1は周期性の低いランダム信号であるカオスコードを発生するノイズ源であり、この信号を2値化回路2を通すことによって、+1と−1の2値に変換し、この2値信号を送信機3に送り、送信アンテナ4を介して、送信波5として目標物6に対して照射する。この目標物6にて反射した電波は受信波7として受信アンテナ8を介して、受信機9にて受信され、受信信号としてカオス信号処理部10bに送られる。
【0017】
図5は、この発明による実施の形態2のレーダ装置におけるカオス信号処理部10bの回路を示した図である。このカオス信号処理部10bは、図5に示したとおり、加算器群(+)16は、送信信号15の立ち上がりエッジで受信信号13を加算し、加算器群(−)32は送信信号15の立ち下がりエッジで受信信号13を減算する機能を有している。
【0018】
図6は、この発明による実施の形態2のレーダ装置における動作原理(1)を示した図である。また、図7は、この発明による実施の形態2のレーダ装置における動作原理(2)を示した図である。この動作を図6、図7にて説明する。
図6において、時間軸上のある1点を基準時刻とし、この基準時刻から最初に訪れる送信信号T17の立ち上がりエッジまでの時間であるP1、次の立ち上がりエッジまでの時間であるP2、同じく3番目のエッジまでの時間であるP3、同じくn番目のエッジまでの時間であるPnを計測し、受信信号R:18をP1からPnまでの各々の時間分だけシフトした受信信号である受信信号RP1:19、受信信号RP2:20、受信信号RP3:21〜受信信号RPn:22(nは任意の正の整数)を生成し、このn個の受信信号の加算により加算カーブYP23を得る。
【0019】
同様にして、図7において、時間軸上のある1点を基準時刻とし、この基準時刻から最初に訪れる送信信号T17の立ち下がりエッジまでの時間であるN1、次の立ち下がりエッジまでの時間であるN2、同じく3番目のエッジまでの時間であるN3、同じくn番目のエッジまでの時間であるNnを計測し、受信信号R18をN1からNnまでの各々の時間分だけシフトした受信信号である受信信号RN1:33、受信信号RN2:34、受信信号RN3:35〜受信信号RNn:36(nは任意の正の整数)を生成し、このn個の受信信号の加算により加算カーブYN37を得る。
【0020】
この結果、図8は、この発明による実施の形態2のレーダ装置における加算カーブに関する動作原理を示した図である。この発明によれば、送信信号の立ち下がりのタイミングで加算した加算カーブYN37と、送信信号の立ち上がりのタイミングで加算した加算カーブYP23の2つの加算カーブを得られるが、この2つを加算、又は比較することによりその交点38を求めることができ、この交点38と基準時刻との差より目標物までの距離Rを算出することができる。この時のこの交点38付近における傾きQXは、上記2つのカーブの傾きの差となるので、数3で表される。
【0021】
【数3】
【0022】
この実施の形態2によれば、2つの加算カーブを利用し、2つカーブの交点を求め、数1より目標までの距離Rを算出しているため、レーダ装置の受信機及びカオス信号処理部の回路における経時的な性能劣化、瞬時的な受信信号レベルの変動が発生した場合でも、2つのカーブが同じ方向へ変位するとした場合は、距離測定精度の劣化を防ぐことができ、高い精度の距離測定を維持することが可能である。
【0023】
【発明の効果】
この発明によれば、レーダ装置の受信機及びカオス信号処理部の性能劣化、及び瞬時的な受信信号レベルの変化に影響を受けずに目標物までの距離を高精度で測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による実施の形態1のレーダ装置を示した図である。
【図2】この発明による実施の形態1のレーダ装置におけるカオス信号処理部の回路を示した図である。
【図3】この発明による実施の形態1のレーダ装置における動作原理を示した図である。
【図4】この発明による実施の形態2のレーダ装置を示した図である。
【図5】この発明による実施の形態2のレーダ装置におけるカオス信号処理部の回路を示した図である。
【図6】この発明による実施の形態2のレーダ装置における動作原理(1)を示した図である。
【図7】この発明による実施の形態2のレーダ装置における動作原理(2)を示した図である。
【図8】この発明による実施の形態2のレーダ装置における加算カーブに関する動作原理を示した図である。
【符号の説明】
1 ノイズ信号源、 2 2値化回路、 3 送信機、 4 送信アンテナ、5 送信波、 6 目標物、 7 受信波、 8 受信アンテナ、 9 受信機、 10 カオス信号処理部、 11 レジスタ群、 12 レジスタシフトクロック、 13 受信信号、 14 Dフリップフロップ群、15 送信信号、
16 加算器(+)群、 17 送信信号T、18 受信信号R、
19 受信信号RP1、 20 受信信号RP2、21 受信信号RP3、
22 受信信号RPn、 23 加算カーブYP、24 ピーク間隔S、
25 加算値0軸上との交点、 26 加減算器群、27 受信信号RD1、
28 受信信号RD2、 29 受信信号RD3、30 受信信号RDm、
31 加算カーブYD、 32 加算器(−)群、33 受信信号RN1、
34 受信信号RN2、 35 受信信号RN3、36 受信信号RNn、
37 加算カーブYN、 38 2つの加算カーブの交点。
【発明の属する技術分野】
この発明は、周期性の低いランダム信号であるカオスコードを用いたレーダ装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のレーダ装置は、ノイズ信号源で発生させたランダム信号を、例えば、1と−1の2値信号に変換して送信信号として送信し、目標物に反射して戻ってきた信号を受信信号として受信し、受信機内では、この送信信号の任意の時点を基準時点とし、この基準時点からこの送信信号の極性が負から正に変化する時点すなわちゼロクロス点までの時間差分をシフトした複数の受信信号を加算し、平均化する。この平均化された信号は、基準時点から特定時間離れた時点において、負から正へと急峻に変化するカーブを持ち、この急峻に変化する時点が目標物までの距離を示している(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
三菱電機ニューリリース開発No.111、2001年2月14日発表、http://www.MitsubishiElectric.co.jp/news/2001
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のレーダ装置においては、受信機及びカオス信号処理部の回路における経時的な性能劣化、あるいは瞬時的な受信信号レベル変動の影響が距離測定精度に影響していた。
【0005】
この発明は、係る課題を解決するためになされたものであり、この影響を軽減し、距離測定精度の向上を図ったレーダ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明によるレーダ装置は、周期性の低いランダム信号であるカオスコードを発生するノイズ信号源と、ノイズ信号源からの信号を2値化し送信信号とする2値化回路と、2値化された信号を高周波に重畳して電波として目標物に照射するための送信機及び送信アンテナを備えた電波送信部と、目標物から反射してきた電波を受信するための受信アンテナ及び受信機を備えた電波受信部と、送信信号の周波数に対して充分に早い周期で動作するレジスタシフトクロック発生部と、電波受信部で受信した信号をシフトレジスタクロック発生部のシフトレジスタクロックの立ち上がり又は立ち下がりで複数のレジスタに格納し、これらレジスタ間でシフト動作するレジスタ群と、レジスタ群に格納されている電波受信部からの受信信号を、送信信号の立ち上がりと立ち下がり時点で記憶する複数のDフリップフロップから成るDフリップフロップ群と、Dフリップフロップ群から送出されるデータを送信信号の立ち上がりで加算し、立ち下がりで減算する複数の加減算器から成る加減算器群とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明による実施の形態1のレーダ装置を示した図である。図1において、ノイズ信号源1は周期性の低いランダム信号であるカオスコードを発生するノイズ源であり、この信号を2値化回路2に介することによって、+1と−1の2値に変換し、この2値信号を送信機3に送り、送信アンテナ4を介して、送信波5として目標物6に対して照射する。この目標物6にて反射された電波は受信波7として受信アンテナ8を介して受信機9にて受信され、受信信号としてカオス信号処理部10aに送られる。また、12はカオス信号処理部10aに対してレジスタシフト用のクロックを発生するレジスタシフトクロック発生部である。
【0008】
図2は、この発明による実施の形態1のレーダ装置におけるカオス信号処理部10aを示した図である。このカオス信号処理部10aは、図2に示したとおり、送信信号の周波数に対して充分に早い周期で動作するレジスタシフトクロック発生部12のレジスタシフトクロックをトリガとして、受信機9からの受信信号13をレジスタ群11に格納しシフトを行い、2値化回路2からの送信信号15の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジによりDフリップフロップ群14を通して、加減算器群26に送る機能を有している。
【0009】
図3は、この加減算器群26に格納されているデータk個を時間軸上に並ぶデータとして置き換えたものであり、実施の形態1のレーダ装置における動作原理を図3にて説明する。時間軸上のある1点を基準時刻とし、この基準時刻から最初に訪れる送信信号T:17の立ち上がり若しくは立ち下がりエッジまでの時間であるD1、次の立ち上がり又は立ち下がりエッジまでの時間であるD2、同じく3番目のエッジまでの時間であるD3、同じくn番目のエッジまでの時間であるDnを計測し、受信信号R18をD1からDnまでの各々の時間分だけシフトした受信信号である受信信号RD1:27、受信信号RD2:28、受信信号RD3:29〜受信信号RDn:30(nは任意の正の整数)を生成する。
【0010】
この時、立ち上がりエッジまでの時間をシフトして生成した受信信号は加算、立ち下がりエッジまでの時間をシフトして生成した受信信号は減算を行い、このn個の受信信号の加算と減算により加算カーブYD:31を得る。
この加算カーブYD:31と加算値0軸上との交点25は、基準時刻からの経過時間をT[s]、目標物6までの距離をR[m]、光速をC[m/s]とした場合、数1にて表される関係式が成り立つ。
【0011】
【数1】
【0012】
つまり、目標物6までの距離Rは、基準時刻からの経過時間Tを求めることにより算出される。
【0013】
また、この加算カーブYD:31は、時間Tの前後において、負のピーク値から、正のピーク値に急峻に変化する性質を持っており、加算値0軸上との交点25付近における加算カーブYD:31の傾きをQとすると、負のピーク値と正のピーク値の時間間隔をSとして、その傾きQは数2にて表される。
【0014】
【数2】
【0015】
この実施の形態1によれば、目標物までの距離を決める加算カーブの交点付近の傾きを急峻にすることが可能であり、レーダ装置の受信機及びカオス信号処理部の回路における経時的な性能劣化、あるいは瞬時的な受信信号レベルの変動が発生した場合でも、交点の変動量が従来の方式より少なくなり、距離測定精度の劣化を防ぐことができ、高い精度の距離測定を維持することが可能である。
【0016】
実施の形態2.
図4は、この発明による実施の形態2のレーダ装置を示した図である。図4において、ノイズ信号源1は周期性の低いランダム信号であるカオスコードを発生するノイズ源であり、この信号を2値化回路2を通すことによって、+1と−1の2値に変換し、この2値信号を送信機3に送り、送信アンテナ4を介して、送信波5として目標物6に対して照射する。この目標物6にて反射した電波は受信波7として受信アンテナ8を介して、受信機9にて受信され、受信信号としてカオス信号処理部10bに送られる。
【0017】
図5は、この発明による実施の形態2のレーダ装置におけるカオス信号処理部10bの回路を示した図である。このカオス信号処理部10bは、図5に示したとおり、加算器群(+)16は、送信信号15の立ち上がりエッジで受信信号13を加算し、加算器群(−)32は送信信号15の立ち下がりエッジで受信信号13を減算する機能を有している。
【0018】
図6は、この発明による実施の形態2のレーダ装置における動作原理(1)を示した図である。また、図7は、この発明による実施の形態2のレーダ装置における動作原理(2)を示した図である。この動作を図6、図7にて説明する。
図6において、時間軸上のある1点を基準時刻とし、この基準時刻から最初に訪れる送信信号T17の立ち上がりエッジまでの時間であるP1、次の立ち上がりエッジまでの時間であるP2、同じく3番目のエッジまでの時間であるP3、同じくn番目のエッジまでの時間であるPnを計測し、受信信号R:18をP1からPnまでの各々の時間分だけシフトした受信信号である受信信号RP1:19、受信信号RP2:20、受信信号RP3:21〜受信信号RPn:22(nは任意の正の整数)を生成し、このn個の受信信号の加算により加算カーブYP23を得る。
【0019】
同様にして、図7において、時間軸上のある1点を基準時刻とし、この基準時刻から最初に訪れる送信信号T17の立ち下がりエッジまでの時間であるN1、次の立ち下がりエッジまでの時間であるN2、同じく3番目のエッジまでの時間であるN3、同じくn番目のエッジまでの時間であるNnを計測し、受信信号R18をN1からNnまでの各々の時間分だけシフトした受信信号である受信信号RN1:33、受信信号RN2:34、受信信号RN3:35〜受信信号RNn:36(nは任意の正の整数)を生成し、このn個の受信信号の加算により加算カーブYN37を得る。
【0020】
この結果、図8は、この発明による実施の形態2のレーダ装置における加算カーブに関する動作原理を示した図である。この発明によれば、送信信号の立ち下がりのタイミングで加算した加算カーブYN37と、送信信号の立ち上がりのタイミングで加算した加算カーブYP23の2つの加算カーブを得られるが、この2つを加算、又は比較することによりその交点38を求めることができ、この交点38と基準時刻との差より目標物までの距離Rを算出することができる。この時のこの交点38付近における傾きQXは、上記2つのカーブの傾きの差となるので、数3で表される。
【0021】
【数3】
【0022】
この実施の形態2によれば、2つの加算カーブを利用し、2つカーブの交点を求め、数1より目標までの距離Rを算出しているため、レーダ装置の受信機及びカオス信号処理部の回路における経時的な性能劣化、瞬時的な受信信号レベルの変動が発生した場合でも、2つのカーブが同じ方向へ変位するとした場合は、距離測定精度の劣化を防ぐことができ、高い精度の距離測定を維持することが可能である。
【0023】
【発明の効果】
この発明によれば、レーダ装置の受信機及びカオス信号処理部の性能劣化、及び瞬時的な受信信号レベルの変化に影響を受けずに目標物までの距離を高精度で測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による実施の形態1のレーダ装置を示した図である。
【図2】この発明による実施の形態1のレーダ装置におけるカオス信号処理部の回路を示した図である。
【図3】この発明による実施の形態1のレーダ装置における動作原理を示した図である。
【図4】この発明による実施の形態2のレーダ装置を示した図である。
【図5】この発明による実施の形態2のレーダ装置におけるカオス信号処理部の回路を示した図である。
【図6】この発明による実施の形態2のレーダ装置における動作原理(1)を示した図である。
【図7】この発明による実施の形態2のレーダ装置における動作原理(2)を示した図である。
【図8】この発明による実施の形態2のレーダ装置における加算カーブに関する動作原理を示した図である。
【符号の説明】
1 ノイズ信号源、 2 2値化回路、 3 送信機、 4 送信アンテナ、5 送信波、 6 目標物、 7 受信波、 8 受信アンテナ、 9 受信機、 10 カオス信号処理部、 11 レジスタ群、 12 レジスタシフトクロック、 13 受信信号、 14 Dフリップフロップ群、15 送信信号、
16 加算器(+)群、 17 送信信号T、18 受信信号R、
19 受信信号RP1、 20 受信信号RP2、21 受信信号RP3、
22 受信信号RPn、 23 加算カーブYP、24 ピーク間隔S、
25 加算値0軸上との交点、 26 加減算器群、27 受信信号RD1、
28 受信信号RD2、 29 受信信号RD3、30 受信信号RDm、
31 加算カーブYD、 32 加算器(−)群、33 受信信号RN1、
34 受信信号RN2、 35 受信信号RN3、36 受信信号RNn、
37 加算カーブYN、 38 2つの加算カーブの交点。
Claims (2)
- 周期性の低いランダム信号であるカオスコードを発生するノイズ信号源と、
このノイズ信号源からの信号を2値化し送信信号とする2値化回路と、
この2値化された信号を高周波に重畳して電波として目標物に照射するための送信機及び送信アンテナを備えた電波送信部と、
目標物から反射してきた電波を受信するための受信アンテナ及び受信機を備えた電波受信部と、
上記送信信号の周波数に対して充分に早い周期で動作するレジスタシフトクロック発生部と、
上記電波受信部で受信した信号をこのシフトレジスタクロック発生部のシフトレジスタクロックの立ち上がり又は立ち下がりで複数のレジスタに格納し、これらレジスタ間でシフト動作するレジスタ群と、
このレジスタ群に格納されている上記電波受信部からの受信信号を、上記送信信号の立ち上がりと立ち下がり時点で記憶する複数のDフリップフロップから成るDフリップフロップ群と、
このDフリップフロップ群から送出されるデータを上記送信信号の立ち上がりで加算し、立ち下がりで減算する複数の加減算器から成る加減算器群と
を備えたことを特徴とするレーダ装置。 - 周期性の低いランダム信号であるカオスコードを発生するノイズ信号源と、
このノイズ信号源からの信号を2値化し送信信号とする2値化回路と、
この2値化された信号を高周波に重畳して電波として目標物に照射するための送信機及び送信アンテナを備えた電波送信部と、
目標物から反射してきた電波を受信するための受信アンテナ及び受信機を備えた電波受信部と、
上記送信信号の周波数に対して充分に早い周期で動作するレジスタシフトクロック発生部と、
上記電波受信部で受信した信号をこのシフトレジスタクロック発生部のシフトレジスタクロックの立ち上がり又は立ち下がりで複数のレジスタに格納し、これらレジスタ間でシフト動作するレジスタ群と、
このレジスタ群に格納されている上記電波受信部からの受信信号を、上記送信信号の立ち上がりと立ち下がり時点で記憶する複数のDフリップフロップから成るDフリップフロップ群と、
このDフリップフロップ群から送出されるデータを上記送信信号の立ち上がりで加算する複数の加減算器から成る第一の加減算器群と
上記Dフリップフロップ群から送出されるデータを上記送信信号の立ち下がりで加算する複数の加減算器から構成される第二の加減算器群と
上記受信信号を上記送信信号の立ち上がりで加算した加算カーブと、上記受信信号を上記送信信号の立ち下がりで加算した加算カーブとを比較し、その交点を求める交点検出回路と
を備えたことを特徴とするレーダ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003093206A JP2004301588A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | レーダ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003093206A JP2004301588A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | レーダ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004301588A true JP2004301588A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33406060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003093206A Pending JP2004301588A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | レーダ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004301588A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100758271B1 (ko) * | 2005-12-08 | 2007-09-12 | 한국전자통신연구원 | 카오스 초광대역 무선 통신 방식을 이용한 거리 측정 장치및 그 방법 |
KR100806860B1 (ko) * | 2005-05-13 | 2008-02-22 | 삼성전자주식회사 | Ranging 시스템 및 그 방법 |
WO2008023726A1 (fr) * | 2006-08-22 | 2008-02-28 | Yamatake Corporation | Appareil de radar et procédé de mesure de la distance |
KR101083011B1 (ko) | 2010-05-11 | 2011-11-15 | 국방과학연구소 | 펄스 발생기 |
KR101144503B1 (ko) * | 2005-05-02 | 2012-05-11 | 엘지전자 주식회사 | 초광대역 레이더를 이용한 이동 통신 단말기 및 운용 방법 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003093206A patent/JP2004301588A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101144503B1 (ko) * | 2005-05-02 | 2012-05-11 | 엘지전자 주식회사 | 초광대역 레이더를 이용한 이동 통신 단말기 및 운용 방법 |
KR100806860B1 (ko) * | 2005-05-13 | 2008-02-22 | 삼성전자주식회사 | Ranging 시스템 및 그 방법 |
KR100758271B1 (ko) * | 2005-12-08 | 2007-09-12 | 한국전자통신연구원 | 카오스 초광대역 무선 통신 방식을 이용한 거리 측정 장치및 그 방법 |
US8175274B2 (en) | 2005-12-08 | 2012-05-08 | Electronics And Telecommunications Research Institute | Range measurement apparatus and method using chaotic UWB wireless communication |
WO2008023726A1 (fr) * | 2006-08-22 | 2008-02-28 | Yamatake Corporation | Appareil de radar et procédé de mesure de la distance |
KR101083011B1 (ko) | 2010-05-11 | 2011-11-15 | 국방과학연구소 | 펄스 발생기 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2021003500A1 (en) | Interference suppression for multi-radar coexistence | |
JP2019522221A (ja) | 参照信号補間を用いる狭帯域測距システムのための方法及び装置 | |
JP2002214369A (ja) | 時間測定装置及び距離測定装置 | |
JP2010197263A5 (ja) | レーダ装置及びエコーデータ処理装置 | |
JP2010203941A (ja) | レーダ装置 | |
CN113256539B (zh) | 深度图像的去混叠方法、装置、设备及计算机存储介质 | |
KR20230074273A (ko) | 라이다 시스템 및 동작 방법 | |
JP2004301588A (ja) | レーダ装置 | |
JP5918351B2 (ja) | 信号サーチ方法、信号サーチプログラム、信号サーチ装置、gnss信号受信装置、および情報機器端末 | |
US7193692B2 (en) | Laser range finder and method to measure a distance | |
CN101107585A (zh) | 用于根据差分图像相关性来确定运动的方法和系统 | |
JP2006234474A (ja) | パルスレーダ装置 | |
JP2008151506A (ja) | 移動物体検出装置 | |
CN113759340A (zh) | 回波信号处理方法及装置、激光雷达及存储介质 | |
JP2005140542A (ja) | 検出装置 | |
JP4374788B2 (ja) | 時間測定装置及び距離測定装置 | |
US20140372027A1 (en) | Music-Based Positioning Aided By Dead Reckoning | |
JP2007170975A (ja) | 物体検知装置 | |
JP6485538B2 (ja) | 信号処理装置、処理方法とプログラム、ならびに、目標検出装置、検出方法 | |
JP2006329669A (ja) | レーダ装置 | |
JP2007155490A (ja) | マイクロ波ドップラーセンサ | |
JP6015961B2 (ja) | 信号処理装置及びレーダ装置 | |
JP2010019678A (ja) | 信号処理装置 | |
JP2007096463A (ja) | Fsk信号検波器 | |
JP2009002943A (ja) | 測距システムおよび方法 |