JP6015961B2 - 信号処理装置及びレーダ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入力されたアナログ信号と所定のデジタル符号との相関値を算出する信号処理装置に関する。
近年、自動車に搭載されるレーダ装置(以下、車載レーダ装置と呼称する。)に関する技術開発が活発化している。その一例として、スペクトル拡散方式を利用したレーダ装置(以下、スペクトル拡散型レーダ装置と呼称する。)等が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
国際公開第2006/106774号 特開2000−009833号公報
しかしながら、上記の構成では、高速かつ高分解能のADコンバータを用いる必要があるという問題がある。
本発明の第一の様態に係る信号処理装置は、入力されたアナログ信号と所定のデジタル符号との相関値を算出する信号処理装置であって、雑音信号が入力され、前記雑音信号を前記アナログ信号に加算する雑音加算器と、前記雑音信号が加算されたアナログ信号の大きさと所定の電圧の大きさとを、第1の周期を有するクロック信号に同期するタイミングで比較するコンパレータと、前記コンパレータの比較結果と前記所定のデジタル符号とが入力され、前記コンパレータの比較結果と前記デジタル符号との排他的論理和を、前記クロック信号に同期するタイミングで計算する乗算器と、前記乗算器の計算結果を第2の周期で時系列に積算し、積算結果と前記第2の周期を前記第1の周期で除した値の1/2との差を、前記相関値として算出する積算器とを備える。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、方法として実現されてもよい。
本発明に係る信号処理装置は、高価で消費電力の大きい高速かつ高分解能のADコンバータを用いることなく、大きなダイナミックレンジで動作するアナログ信号とデジタル符号との相関を演算することができる。
図1は、実施の形態1に係る信号処理装置の構成を示すブロック図である。 図2は、信号処理装置の動作を示すフローチャートである。 図3Aは、雑音信号の電圧波形の例を示すグラフである。 図3Bは、雑音信号の電圧の確率分布を示すグラフである。 図4Aは、アナログコンパレータの入力電圧の確率分布を示すグラフである。 図4Bは、アナログコンパレータの入力電圧の累積分布を示すグラフである。 図5は、信号処理装置の入出力特性を示すグラフである。 図6は、制御部を備える信号処理装置の構成を示すブロック図である。 図7は、実施の形態2に係るレーダ装置の構成の一例を示すブロック図である。 図8は、従来技術のスペクトル拡散型のレーダ装置の構成を示すブロック図である。
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した車載レーダ装置に関し、以下の問題が生じることを見いだした。
車載レーダ装置は、衝突を回避するために、対象物(自動車または人など)を検出する。又は、車載レーダ装置は、運転者の運転を支援するために、自車が後退する時に、自車の後に存在する対象物を検出する。このような目的において、自車と他の自動車とが同種のレーダ装置を搭載している場合には、それぞれのレーダ装置が発する電磁波による干渉がおきる。この干渉による不要電波の影響を抑える必要がある。
これに対して、スペクトル拡散型レーダ装置では、拡散に用いるPN符号により送信電波が変調されるため、異なる符号で変調された電波、符号変調のない他方式のレーダ装置では受信機内で信号が抑圧される。
また、送信電波は、PN符号により周波数拡散されるため、単位周波数あたりの電力を小さくすることができ、他の無線システムに与える影響を低くすることができる。そして、PN符号のチップレートと符号周期とを調整することで、距離分解能と最大探知距離との関係を自由に設定することができる。また、電磁波を連続的に送信することが出来るため、ピーク電力が大きくなるということがない。ただし、電波伝搬中に混入した不要電波は、逆拡散処理を施しても、周波数領域上、広帯域に拡散され、狭帯域の濾波器を用いて、不要な雑音や干渉信号を抑圧する。
図8は、従来技術のスペクトル拡散型のレーダ装置の構成を示すブロック図である。
図8において、レーダ装置600は、送信用PN符号発生部603と、送信部601と、受信部602と、受信用PN符号発生部604と、繰り返し符号発生器608と、排他的論理和演算器609と、信号処理部605と、制御部606を備える。
送信部601は、局部発振器611と、平衡変調器612と、増幅器613と、帯域通過型濾波器615と、減衰器616と、送信用空中線617とを備える。
受信部602は、受信用空中線621と、帯域通過型濾波器622と、低雑音増幅器623と、平衡変調器624と、直交復調器625と、帯域通過型濾波器626及び628と、増幅器627及び629とを備える。
直交復調器625は、移相器625aと、平衡変調器625b及び625cとを備える。
送信部601は、局部発振器611の出力と、送信用PN符号発生部603が発生する送信符号から変調信号を発生させる。
局部発振器611は、狭帯域信号を出力する。変調信号は、送信用PN符号としてビットレートの高い符号を用いることで、広帯域に周波数拡散されている。
この変調信号は、増幅器613、帯域通過型濾波器615、減衰器616を経て、送信用空中線617から探知電波として空中に放射される。
受信部602は、物体に反射されて返ってきた探知電波を、受信信号をとして、受信する。具体的には、受信用空中線621が受信信号を受信する。
受信信号は帯域通過型濾波器622で帯域外の不要波を濾過した後、低雑音増幅器623を経て平衡変調器624に入力される。
送信用PN符号発生部603の出力を遅延させた受信相関用符号が受信用PN符号発生部604において発生され、繰り返し符号発生器608との排他的論理和が逆拡散符号として排他的論理和演算器609から出力される。
平衡変調器624では受信信号が逆拡散符号を用いて逆拡散され、直交復調器625により周波数変換されてIおよびQの2系統のベースバンド信号が生成される。
受信信号に変調信号として含まれる送信用PN符号の位相は、物体までの距離に従い、送信出力から時間遅延しているが、受信相関用符号と送信用PN符号との間の時間遅延と、受信信号に含まれる送信用PN符号の位相の遅延量とが一致すると、すなわち受信信号と受信相関用符号に相関がある場合(相関時)、ベースバンド信号には繰り返し符号発生器608の出力波形と同様の信号が発生し、遅延時間が一致しない場合、すなわち、相関がない場合(非相関時)には広帯域に周波数拡散されたままの信号が発生する。
繰り返し符号発生器608と排他的論理和演算器609が設けられているのは、これらがない場合、すなわち平衡変調器624に直接受信相関用符号を入力した場合、相関時のベースバンド信号出力周波数が直流成分だけになり、回路の直流オフセットの影響を受ける不都合があり、そのような不都合を回避するためである。
帯域通過型濾波器626及び628は、繰り返し符号発生器608の基本波または高調波を選択的に通過させるように設計されており、信号処理部605には受信相関用符号と送信用PN符号との間の時間遅延に等しい伝搬遅延時間を有する受信信号が選択的に伝達される。制御部606は光速をc、レーダ装置600から物体までの距離をR、受信相関用符号と送信用PN符号との間に設定する時間遅延をτとして、τ=2R/cの関係からτを逐次掃引させることで、信号処理部605は距離Rに対する反射信号の強度や位相を取得することができる。さらに信号処理部605は距離毎の信号強度から、物体の距離を推定し、距離毎に位相の時間変化を計測することで、物体の相対的な移動速度を推定する。
ここで、入力信号として、レーダ装置600が放射した探知電波以外の不要な信号があっても、送信用PNと相関がある場合を除いてベースバンド信号が広帯域に拡散されたままの信号となるから、帯域通過型濾波器626及び628で抑圧されることが、スペクトル拡散型レーダ装置の優れた特徴である。
しかしながら、従来の構成のスペクトル拡散型レーダ装置では、関心のある距離範囲をくまなく計測するには受信相関用符号を掃引するための時間がかかるという課題がある。掃引速度を早くしたい場合には、それに対応して帯域通過型濾波器626及び628の通過帯域幅を広く設定しなければならないので、結果として雑音が増加して感度が劣化するから、感度と掃引速度とはトレードオフの関係にあり、両者を同時に向上させることはできない。
この課題を解決するには、受信用PN符号発生部604から信号処理部605に至る構成要素を複数設けて、それぞれ独立の遅延時間τを設定することで、τの掃引を廃止し、同時並列的に関心のある距離範囲を計測することが考えられる。しかしながら、平衡変調器624や直交復調器625は無線周波数を扱う高周波回路であり、特に高い距離分解能が必要な近距離計測用途においてはミリ波帯の周波数が用いられるから、たとえ集積回路化したとしても、回路の構成要素はその周波数帯の波長で決定される数百マイクロメートル程度の大きさを有し、回路全体では一辺が数ミリメートル程度の大きさになるから、これを集積回路に多数実装することは費用に対する効果の点で現実的ではない。また、たとえ集積できたとしても、集積回路内の空間的に近接した回路間で信号漏洩が発生し、本来独立であるはずの異なる遅延時間の信号間で干渉が起こって誤検知が発生しやすくなるため好ましくない。
そこで、受信信号をそのまま直交復調器に入力することで周波数拡散されたままベースバンド信号に変換し、ADコンバータを用いてデジタル信号に変換してからデジタル信号処理によって受信相関用符号との相関を演算する手法が例えば特許文献2に示されている。
この手法によれば、論理回路を用いて、複数の遅延に対する相関演算を演算でき、論理回路は高周波回路に比べて格段に集積度を高くすることが可能であるばかりか、異なる遅延時間の信号間での干渉は全く発生しないので非常に好都合である。
しかしながら、従来の特許文献2の構成では、非常に高速かつダイナミックレンジの広いADコンバータが必要であるという課題があった。すなわち、ADコンバータのサンプリング速度は、少なくとも送信用PN符号のチップレートと等しい必要がある。
送信用PN符号のチップレートを1/Tcとすると、すなわち、符号の1ビット分の時間をTcとすると、Tcの間に探知電波が伝搬する距離は光速cを用いてc×Tcであるから、例えば10cmの距離分解能を得ようとするならば、物体までの往復伝搬距離の分解能は20cmであり、
Tc=0.2[m]/(3×10[m/sec])=667[psec]
すなわち、ADコンバータのサンプリングレートは少なくとも1.5Gspsという高速なものが必要となる。
また、ダイナミックレンジに関しては、計測対象として関心のある距離範囲と、想定する対象物体のレーダ断面積の大小によって受信空中線の出力端でのダイナミックレンジが決定され、低雑音増幅器を経て直交復調器によりベースバンド信号に変換されても、最大信号と最小信号の比率としてのダイナミックレンジは緩和されることなくそのまま維持されるから、計測対象全てをもれなく検出するには、ADコンバータのダイナミックレンジはそれより大きくする必要がある。
例えば、車載用の近距離レーダを想定すると、1〜10mの距離範囲で伝搬による信号減衰は距離の4乗に比例するから、約40dBにおよび、人と車両のレーダ断面積の比率は35dB程度が想定され、総合すると、75dB程度のダイナミックレンジがある。この場合、ADコンバータには少なくとも13〜14ビット程度の分解能が要求される。このような高分解能かつ高速サンプリングが可能なADコンバータは消費電力が非常に大きく、また集積回路上の占有面積が大きくなるから、装置が高価になるという課題がある。
このような問題を解決するために、本発明の一態様に係る信号処理装置は、入力されたアナログ信号と所定のデジタル符号との相関値を算出する信号処理装置であって、雑音信号が入力され、前記雑音信号を前記アナログ信号に加算する雑音加算器と、前記雑音信号が加算されたアナログ信号の大きさと所定の電圧の大きさとを、第1の周期を有するクロック信号に同期するタイミングで比較するコンパレータと、前記コンパレータの比較結果と前記所定のデジタル符号とが入力され、前記コンパレータの比較結果と前記デジタル符号との排他的論理和を、前記クロック信号に同期するタイミングで計算する乗算器と、前記乗算器の計算結果を第2の周期で時系列に積算し、積算結果と前記第2の周期を前記第1の周期で除した値の1/2との差を、前記相関値として算出する積算器とを備える。
これにより、高価で消費電力の大きい高速かつ高分解能のADコンバータを用いることなく、大きなダイナミックレンジで動作するアナログ信号とデジタル符号との相関を演算できる。
また、例えば、前記第2の周期が前記デジタル符号の繰返し周期の2倍より長くてもよい。
これにより、複数の相関結果を平均化することができ、雑音信号の影響が抑制される。その結果、より広いダイナミックレンジが実現できる。
また、例えば、前記デジタル符号はM系列符号であり、前記第2の周期を前記第1の周期で除した値が、前記デジタル符号の1周期に含まれる符号数の2乗の1/10より大きくてもよい。
これにより、デジタル符号の符号長が過剰に長くシステムが複雑化することが回避できる。また、M系列符号は自己相関特性が位相差0に単一のピークを有するので、デジタル符号としてM系列符号を用いることにより、誤検知を低減することができる。
また、例えば、さらに、逆バイアスされたPN接合ダイオードを有する、前記雑音信号を発生する雑音発生器を備えてもよい。
これにより、雑音発生器を非常に簡便に構成することができる。
また、例えば、さらに、前記相関値が飽和しない範囲において、前記雑音信号の振幅を減少させるよう前記雑音発生器を制御する制御部を備えてもよい。
これにより、入力されたアナログ信号の信号強度に応じて信号処理装置のダイナミックレンジが最適化され、アナログ信号の信号強度が小さい場合における感度が最大化される。
また、例えば、前記雑音信号の周波数成分は、前記クロック信号の周波数の1/2の周波数以上の周波数帯域を含んでもよい。
これにより、積算器により第2の周期の間に積算された各サンプルが互いに独立となる。
また、本発明の一態様に係るレーダ装置は上記信号処理装置を備える。具体的には、本発明の一態様に係るレーダ装置は、上記の複数の信号処理装置と、前記クロック信号に同期するタイミングで擬似雑音符号を発生する擬似雑音符号発生器、搬送波を発生する発振器、前記搬送波を前記擬似雑音符号で変調して変調信号を発生する変調器、及び、前記変調信号を放射する送信アンテナを備える送信部と、前記送信部から放射され、電波を反射する物体によって反射されて戻ってきた前記変調信号である反射波を受信して受信信号を出力する受信アンテナ、および、前記受信信号を前記搬送波で検波することによりベースバンド信号を生成するダウンコンバータを備える受信部と、前記擬似雑音符号をそれぞれ異なる時間だけ遅延させた複数の遅延符号を発生する遅延符号発生器とを備え、前記複数の信号処理装置は、前記複数の遅延符号と1対1に対応し、前記アナログ信号として前記ベースバンド信号が共通に入力され、前記デジタル符号として対応する前記遅延符号が入力され、さらに、算出した複数の前記相関値を用いて、各遅延符号に対応する距離範囲からの前記反射波を示すデジタル信号である複数の反射信号を出力し、前記レーダ装置は、出力された前記複数の反射信号を用いて、前記物体の速度、方向、及び、位置の少なくとも1つを求める。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、方法として実現されてもよい。
以下、各実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る信号処理装置100の構成を示すブロック図である。
信号処理装置100は、アナログ信号とデジタル符号との相関を取る信号処理装置であって、アナログ信号入力端子101と、雑音発生器102と、加算器103と、アナログコンパレータ104と、クロック入力端子105と、乗算器106と、符号入力端子107と、計数器108と、相関出力端子109とを備える。なお、信号処理装置100を、デジタル相関器とも表記する。
雑音発生器102は、雑音信号を発生し、例えば、電圧が、平均電圧μ、標準偏差σのガウス分布を有する雑音信号を生成する。なお、雑音信号はこれに限らず、雑音信号の確率分布の累積分布関数が直線と同等の部分を有していればよい。
加算器103は、アナログ信号入力端子101から入力されるアナログ信号の電圧(以後VINとする)と、雑音発生器102により発生される雑音信号とを加算し、加算結果をアナログコンパレータ104に入力する。
アナログコンパレータ104は、クロック入力端子105に入力されるクロック信号によって規定される周期Tcに同期して、内部に設定された固定電圧(以降、比較基準電圧と記載する場合がある)と、加算器103の出力電圧(以後VCPとする)とを比較し、その大小関係に従って、論理値1または0を1ビット標本化サンプルとして乗算器106に対して出力する(以後この論理をCPとする)。
アナログコンパレータ104の内部に設定された比較基準電圧とは、アナログ信号の振幅の中心電圧であり、例えば0Vである。また、例えば、アナログ信号がバイアス電圧Vbiasを有する場合、比較基準電圧はVbiasである。また、比較基準電圧と、雑音信号の累積確率が1/2となる電圧とが同じであってもよい。
乗算器106は、符号入力端子107から入力され、論理値1または0をとる所定のデジタル符号と、アナログコンパレータ104の出力との排他的論理和を計数器108へ出力する。すなわち、符号入力端子107の論理(以後Dとする)が1の時、アナログコンパレータの出力論理CPを反転して出力し、Dが0の時、CPをそのまま出力する。より具体的には、乗算器106の出力論理をMLとすると、(i)D=1、CP=1の場合、ML=0、(ii)D=1、CP=0の場合、ML=1、(iii)D=0、CP=0の場合、ML=0、(iv)D=0、CP=1の場合、ML=1となる。
計数器108は、乗算器106の出力論理MLを平均化サンプル数N個分にわたって積算する。具体的には、クロック入力端子105に入力されるクロック信号によって規定される周期Tcに同期して、内部に設定された平均化サンプル数Nのサンプルにわたって乗算器106の出力論理が1の出現数を計数した結果を、出力最大値Nを表現できるビット幅のデジタル信号の形式で、相関出力端子109に出力する(以後この値をCORとする)。
次に、このように構成された本実施の形態に係る信号処理装置100の動作について説明する。
図2は、信号処理装置100の動作を示すフローチャートである。
まず、雑音発生器102は雑音信号を発生する(S101)。
次に、加算器103は、雑音信号を発生する処理(S101)で発生された雑音信号を、アナログ信号入力端子101を介して入力されたアナログ信号に加算する(S102)。そして、雑音信号が加算されたアナログ信号を出力する。
アナログコンパレータ104は、加算器103から出力された、雑音信号が加算されたアナログ信号の電圧VOPと、比較基準電圧とを比較する(S103)。そして、比較結果を示す0又は1の出力論理CPを出力する。例えば、アナログコンパレータ104は、VOPが比較基準電圧より高い場合にCPとして1を出力し、VOPが比較基準電圧以下の高い場合にCPとして0を出力する。ここで、アナログコンパレータ104におけるVOPと所定電圧との比較は、クロック入力端子105を介して入力されるクロック信号のタイミングに同期して行われる。つまり、アナログコンパレータ104は、出力論理CPを周期Tcで出力する。
次に、乗算器106は、アナログコンパレータ104の比較結果を示すCPと、符号入力端子107を介して入力されるデジタル符号Dとの排他的論理和をとる(S104)。そして、排他的論理和をとった結果を示す0又は1の出力論理MLを出力する。つまり、乗算器106は、CPとDとの論理が一致する場合にMLとして0を出力し、CPとDとの論理が一致しない場合にMLとして1を出力する。
最後に、計数器108が乗算器106の出力論理MLを、所定周期で積算する(S105)。言い換えると、計数器108は、MLを平均化サンプル数N個分にわたって積算し、積算結果を示すデジタル値であるCORを出力する。つまり、このCORは、平均化サンプル数N個分における、アナログ信号の電圧とデジタル符号Dとの相関値である。
このように、信号処理装置100は、アナログ信号の電圧VINとデジタル符号Dとの相関値を算出することができる。
この結果、VINの波形と、Dを時系列に見た波形に相関がないときには、相関出力端子109の出力CORはサンプル数Nが増えるにつれN/2に漸近し、相関があるときにはVINに含まれるDと相関のある成分の振幅にしたがった値に漸近する。この動作を図3A、図3B、図4A、図4Bを使って説明する。
図3Aは、雑音発生器102が発生する雑音信号の電圧波形(以後Vとする)の例を示すグラフである。図3Aでは、平均電圧μ=0V、標準偏差σ=1Vのガウス雑音の場合を示しており、電圧の確率密度は図3Bに示す正規分布となる。
[アナログ信号の電圧が一定電圧の場合]
図4Aは、アナログ信号入力端子101に一定の負電圧VINを印加した場合のアナログコンパレータ104の入力電圧の確率分布を示すグラフである。加算器103の働きによって雑音電圧の平均電圧がVINにシフトしている。
アナログコンパレータ104の比較基準電圧を0Vとすると、アナログコンパレータ104の出力論理が1になる確率は、図4Aの斜線部301の部分を電圧について積分した値であり、VINに対して図示すると、図4Bのようになる。
従って、サンプル数Nが大きくなると、アナログコンパレータ104の出力論理に1が出現する数(以後NCP=1とする)は、VINに対して図4Bで示される確率(以後PCP=1とする)にサンプル数Nを乗じたN×PCP=1に漸近し、NCP=1からVINを推定することが可能である。特に、VINとPCP=1の関係が直線近似できる範囲においては、定数AおよびBを用いて、式1のように近似することができる。
CP=1=A×VIN+B ・・・(式1)
よって、アナログ信号の電圧VINは、
IN=(NCP=1/N−B)/A
として推定できる。
定数AおよびBはVの分布によって決まり、この場合、eを自然対数の底としてA=e/√(2πσ)≒0.399、B=0.5である。
このように、アナログ信号の電圧VINが一定電圧の場合、アナログコンパレータ104の出力CPから、アナログ信号の電圧VINを推定することができる。すなわち、アナログ信号の電圧VINである入力レベルを推定することができる。
[アナログ信号の電圧が一定電圧でない場合]
アナログ信号の電圧VINが一定電圧でない場合には、上述したアナログコンパレータ104の出力論理に1が出現する数NCP=1からVINを推定する方法を、任意のVINに対してCP=1が起こる確率を考慮することにより適用できる。
INが一定でない場合には、CP=1の確率PCP=1はVINが起こる確率密度f(VIN)とVINが起こったときにCP=1が起こる確率P(CP=1|VIN)との積で計算できる。Vは雑音信号の電圧であり、入力信号の電圧VINと独立であるから、P(CP=1|VIN)はVINが一定電圧である場合と変わらず、式1が成り立つ。したがって、VINの変化の範囲の大部分(例えばVINの平均値からVINの正方向または負方向に標準偏差だけ隔たる範囲)が、VINとPCP=1の関係が直線近似できる範囲(例えば直線関係からの誤差が10%以内)に含まれている場合において、VINが一定でない場合には、CP=1の確率PCP=1は式1から、
CP=1=(A×VIN+B)×f(VIN
と表せる。
このときアナログコンパレータの出力論理CPの期待値E[CP]は、
INの期待値E[VIN]を用いてE[CP]=A×E[VIN]+Bとなり、ここからVINの平均値を推定できる。ここで、E[ ]は期待値を表す表記である。つまり、CPは値1または0の2値に離散化されているが、その平均値はVINと線形に対応している。
つぎに、アナログコンパレータ104の出力論理は乗算器106によって、符号入力端子107の論理に従い、反転されMLが出力される。
さらにMLは計数器108でサンプル数Nにわたって、論理1の出現数を計数してCORとして出力する。言い換えると、計数器108は、論理1の出現数を、サンプル数Nに対応する周期で計数する。この出力はNが増えるにつれ次の値に漸近する。つまり、計数器108の出力CORはMLの期待値E[ML]にサンプル数Nを乗算した値に漸近する。
COR=N×E[ML]=N×E[(CP−0.5)×(D−0.5)×2+0.5]
このCORから、アナログ信号の電圧VINとデジタル符号Dとの相関強度E[(VIN−μVIN)×(D−μ)]を計算できる。これはつぎのように式変形して説明される。ここで、E[X|A]はAが起きたときのXの期待値を表す表記、μXは変数Xの平均値を表す表記であり、以下同様とする。
COR/N=E[2×CP×D−(CP+D)+1]
=2×P(CP=1|D=1)×P(D=1)−(μCP+μ)+1
=2×(A×E[VIN|D=1]+B)×P(D=1)
−(μCP+μ)+1
=2×A×E[VIN|D=1]×P(D=1)+2×B×μ
−(μCP+μ)+1
つまり、
(COR/N−2×B×μ+(μCP+μ)−1)/(2×A)
=E[VIN|D=1]×P(D=1)
=E[VIN×D]
=E[(VIN−μVIN)×(D−μ
+(μIN+μVIND−μVINμ)]
=E[(VIN−μVIN)×(D−μ)]+μμVIN
E[(VIN−μVIN)×(D−μ)]
=(COR/N−2×B×μ+(μCP+μ)−1)/(2×A)
−μμVIN (式2)
≒(COR/N−0.5)/0.798
ここではVはデジタル符号Dと独立な雑音であるから、式1よりP(CP=1|D=1)=A×E[VIN|D=1]+Bが成立することを用いた。
このように、アナログ信号の電圧VINが一定電圧でない場合には、計数器108の出力CORから、アナログ信号の電圧VINを推定することができる。すなわち、信号処理装置100の出力レベルから入力レベルを推定することができる。
言い換えると、乗算器106は、互いに独立であるアナログコンパレータの出力論理CPとデジタル符号Dとの排他的論理和を算出しているので、アナログ信号の電圧VINとデジタル符号Dとの間に相関がない場合にはMLとして0が出力される確率と1が出力される確率とが同じである。これに対し、アナログ信号の電圧VINとデジタル符号Dとの間に相関がある場合には、MLとして0が出力される確率と1が出力される確率とが異なり、さらに、アナログ信号の電圧VINの振幅が大きいほど、MLとして0が出力される確率と1が出力される確率との差が大きくなる。
よって、計数器108の出力CORは、サンプル数Nが十分に大きな値である場合、相関がない場合にはサンプル数Nの1/2の値となり、相関がある場合にはサンプル数Nの1/2の値とは異なる値となる。また、相関がある場合のCORは、アナログ信号の電圧VINに含まれるDと相関のある成分の振幅にしたがった値となる。つまり、相関がある場合のCORはアナログ信号の電圧VINのレベルに対応した値となる。
言い換えると、VINの波形と、Dを時系列に見た波形とに相関がないときには、相関出力端子109の出力CORはサンプル数Nが増えるにつれN/2に漸近し、相関があるときにはVINに含まれるDと相関のある成分の振幅にしたがった値に漸近する。つまり、アナログ信号に含まれる信号成分とデジタル符号との相関がある場合には、CORは、アナログ信号の相関がある信号成分の信号強度に応じた値へと漸近する。この相関がある場合におけるCORは、N/2を基準として、相関がある信号成分の信号強度が大きいほど、0に近い値、又は、Nに近い値となる。すなわち、アナログ信号とデジタル符号との相関がない場合、CORとN/2との差分は実質的に0となり、アナログ信号とデジタル符号との相関がない場合、CORとN/2との差分は、アナログ信号のうちデジタル符号に相関している信号成分の信号強度が大きいほど、大きい値となる。
次に、VINの波形と、Dを時系列に見た波形との相関がある場合とない場合とにおける、信号処理装置100の入出力特性について説明する。
図5は、信号処理装置100の入力レベルに対する出力レベルを示すグラフである。具体的には、OUT=(COR/N−0.5)としてVINに対して図示したものである。なお、横軸はVINの電圧レベルを示し、縦軸は相関ありの場合のOUTの飽和レベルを基準とした出力レベルを示す。また、
INの電圧レベルとは、アナログ信号の電圧が一定電圧でない場合にはアナログ信号の振幅に相当し、出力レベルとは、OUTの値である。
また、図5に示す入出力特性は、雑音信号Vが平均電圧μ=0V、標準偏差σ=1Vのガウス雑音であり、デジタル符号Dが周期511ビットのM系列符号であり、計数器108がデジタル符号Dの10周期分(サンプル数N=5.11×10)を計数した場合において、VINにDを減衰させて、そのまま入力した場合のOUT(実線)と遅延させて入力した場合のOUT(破線)を入力レベルに対して図示した結果である。つまり、図5は、信号処理装置100の入力レベルに対する出力レベルを示すグラフであり、実線で示されるグラフは相関がある場合の相関値に対応するグラフであり、破線で示されるグラフは相関がない場合の相関値に対応するグラフである。
同図に示すように、相関がある場合、入力レベルが大きくなるにつれ、出力レベルも入力レベルに線形に対応して大きくなる。これに対し、相関がない場合、入力レベルが大きくなっても出力レベルは大きくならない。つまり、相関がある場合には、OUTからVINの入力レベルを推定できる。言い換えると、CORからVINの振幅を推定できる。
また、相関がある場合及び相関がない場合のいずれも、入力レベルが−80dBV以下の場合は、出力レベルがノイズフロアに埋もれているが、このノイズフロアは、雑音発生器102で発生される雑音信号によるものである。また、相関がない場合であっても、入力レベルが−20dBVを超えたあたりから、入力レベルが大きくなるにつれ出力レベルが大きくなるが、これについては後述する。
ここで、ダイナミックレンジDRは、OUTの最大値とノイズフロアとの振幅比として定義されるので、図5から約85dBであることが見て取れる。
また、ダイナミックレンジDRは、サンプル数Nを用いて、理論上、下記の式3で表される。
DR=√N ・・・(式3)
よって、理論式から、デジタル符号Dの10周期分(サンプル数N=5.11×10)計数器108で計数した結果のダイナミックレンジは、87dBと算出される。つまり、本実施の形態に係る信号処理装置100は、ほぼ理論値どおりのダイナミックレンジを実現できている。
つまり、本実施の形態に係る信号処理装置100は、高速、かつ、高分解能のADコンバータを用いることなく、大きなダイナミックレンジで入力信号とデジタル符号Dとの相関をとることができる。例えば、本実施の形態に係る信号処理装置100を上述した車載用の近距離レーダに適用した場合、当該レーダは、要求されるダイナミックレンジである75dBを超えるダイナミックレンジを実現できる。よって、計測対象からの反射波に対して、伝搬による信号減衰による影響、及び、人と車両の断面積の比による影響があっても、計測対象を検出することができる。
以上のように、本実施の形態に係る信号処理装置100は、入力されたアナログ信号とデジタル符号Dとの相関値を算出する信号処理装置であって、雑音信号が入力され、雑音信号をアナログ信号に加算する加算器103と、雑音信号が加算されたアナログ信号の大きさと比較基準電圧とを、周期Tcを有するクロック信号に同期するタイミングで比較するアナログコンパレータ104と、アナログコンパレータ104の比較結果と所定のデジタル符号Dとが入力され、アナログコンパレータ104の比較結果とデジタル符号Dとの排他的論理和を、クロック信号に同期するタイミングで計算する乗算器106と、乗算器106の計算結果を所定の周期で時系列に積算し、積算結果と所定の周期を周期Tcで除した値の1/2との差を、相関値として算出する計数器108とを備える。
なお、アナログコンパレータ104及び計数器108はそれぞれ、比較器及び積算器の一例である。
これにより、高価で消費電力の大きい高速かつ高分解能のADコンバータを用いることなく、デジタル信号処理によって大きなダイナミックレンジで動作するアナログ信号とデジタル符号との相関を演算できる。
また、アナログ信号とデジタル符号との相関がある場合、相関値は、アナログ信号の入力レベルに応じた値となる。つまり、相関値からアナログ信号の入力レベルを求めることができる。
次に、図5の相関がない場合のグラフにおいて、入力レベルが−20dBVを超えたあたりから、入力レベルが大きくなるにつれ出力レベルが大きくなる理由について説明する。
信号処理装置100では、アナログ入力信号としてレベルの大きい信号が入力された場合、アナログ入力信号とデジタル符号Dとの相関がない場合であっても、デジタル符号Dの自己相関特性に応じた所定の出力レベルが出てしまう。
具体的には、周期511ビットのM系列符号の自己相関特性は位相差0のピーク以外では符号の1周期を構成するビット数をNとして−1/N(以後Nをレンジ外除去比(ORR:Out of Range Rejection)とも表記する)になる。すなわち、レンジ外除去比は20log(511)[dB]となり、この場合、理論値では54dBである。つまり、信号処理装置100を用いたレーダ装置等であって、デジタル符号を1ビットずつ遅延させた場合の物体からの反射波を測定することにより各遅延時間に対応する距離範囲(レンジ)毎に反射波を測定するレーダ装置等において、測定対象外のレンジからの大きな反射波がある場合、測定対象のレンジからの反射波がない場合であっても、測定対象外のレンジからの大きな反射波のレベルからORRを除した値の反射波が測定対象のレンジにあるかのようにみえる。
このレンジ外除去比は、図5では実線と破線の振幅比として見て取ることができ、入力レベルが−20dBVを超えたあたりからは理論値の54dBとほぼ同様であることがわかる。
このように、相関がない場合であっても、相関がある場合における最大の出力レベルからORRを除した値がノイズフロアよりも大きい場合には、相関がない場合における出力レベルがノイズフロアよりも大きくなる。つまり、相関がない場合であっても、入力レベルが大きくなると、出力レベルが大きくなる。
ところで、上述したように、サンプル数を十分大きくすることにより、広いダイナミックレンジが実現可能である。ここで計数器108において計数するサンプル数Nはデジタル符号Dの1周期分以上として相関演算を完結させる必要があるが、好ましくは2周期以上とする。つまり、計数器108が乗算器106の計算結果を積算する周期がデジタル符号の繰返し周期の2倍より長い。なお、計数器108が乗算器106の計算結果を積算する周期は、第2の周期に相当する。
これにより、複数の相関結果を平均化することができ、雑音の影響が抑制されるから、広いダイナミックレンジが実現される。ただし、このようなダイナミックレンジの広さはNを大きくすることにより実現されているのであり、相関出力CORの出力サンプルレートが、デジタル符号Dのビットレートに比べてダイナミックレンジの2乗分だけ遅くなることを意味する。
しかしながら、レーダのような距離測定応用では、距離分解能10cmを得るために1.5Gbpsの符号レートが必要であることを既に説明したが、測距結果の更新周期は数Hz程度でも十分であることが多く、この例では約3Hzとなっていて、車両の後退時の障害物検知などにおいては実用上差し支え無い。また、この条件で得られるダイナミックレンジは87dBであり、人や車両を探知する高分解能レーダとして要求されるダイナミックレンジを満足するものとなっている。
また、歩行者などの移動物体を検知対象とする場合においては、Nを小さくしてもよく、その場合、後段に高速フーリエ変換などの周波数弁別器を設けて、移動にともなうドップラ周波数毎に、さらに信号を弁別すればよい。このように構成すれば、Nを小さくしたことによりCORの周波数帯域が高帯域化してノイズフロアが上がっていても、ドップラ周波数成分毎に分離後の信号は周波数帯域が限定され、ノイズフロアが低下してダイナミックレンジを維持することができるばかりか、物体の移動速度の推定が可能になる効果もある。
ここで、本実施の形態1に係る信号処理装置100は、アナログ信号をデジタル信号に変換する量子化器として、固定電圧と入力電圧の大小により2値の論理値を出力するアナログコンパレータ104を用いるが、これは同一のサンプリング速度で動作する高分解能のADコンバータに比べて、はるかに単純であり、集積回路上に占める面積も小さく、かつ、消費電力も小さい。このように本実施の形態によれば、高性能のデジタル相関器を安価なアナログコンパレータ104と、論理回路とのみで構成することができる。
ここで本実施の形態におけるアナログ信号に雑音信号を加算する方法はADコンバータの歪緩和技術として知られているディザリングとは根本的に異なるものである。ディザリングでは、ADコンバータの入力に微小な雑音を加えた上で量子化し、デジタルフィルタで所望周波数帯域のみ抽出することで、歪の影響を所望周波数帯域外に追いやるという発想である。
アナログ信号とデジタル符号との相関を計算するには、少なくとも符号レートと同一のサンプルレートでデジタル変換した信号の全周波数帯域が必要であるから、デジタル変換後の周波数帯域が限定されるディザリング技術による変換結果を適用することはできない。本実施の形態の発想は、アナログ信号のサンプルレートに対して、相関出力の更新レートが非常に遅くとも実用上差し支えないというレーダ応用特有の条件のもとに、非常に大きなダイナミックレンジが必要というディザリング技術の発想とは異なる新たな課題から生まれたものである。
ここで、レーダのような測距応用にはデジタル符号DとしてM系列符号を用いることが望ましい。M系列符号は先に説明したように、その自己相関特性が位相差0に単一のピークを有し、その他の1ビット長以上の時間差を持った位相差では符号長Nとして−1/Nになり、目標の誤検知の原因となるサブピークがないという優れた特徴がある。
このとき、相関出力のダイナミックレンジDRが、レンジ外除去比Nよりも過剰に小さい場合、ダイナミックレンジの範囲内の最大の入力信号は、デジタル符号に相関していない時に、ダイナミックレンジDRで決定される最小検知レベルよりさらに小さい信号レベルにまで過剰に抑圧される。この場合、符号長が不必要に長く、システムが複雑化することに対して得られる効果がないため、好ましくはレンジ外除去比に対しそれより10dB小さい値よりもダイナミックレンジが大きいことが望ましい。つまり、計数器108の積算周期をクロック信号の周期Tcで除した値が、デジタル符号の1周期に含まれる符号数(例えば、511)の2乗の1/10より大きいことが望ましい。
この場合、ダイナミックレンジの範囲内の最大の信号がデジタル符号に相関していない時に出力される漏洩信号のレベルは、ダイナミックレンジDRで決定される最小検知レベルすなわち雑音レベルより10dB小さい値もしくはそれ以上となる。よって、一般的に10dB程度の変動をもって観測される雑音信号に対して、漏れ信号が十分抑圧された状態もしくは、漏れ信号が観測できる状態となる。この構成により、符号長が過剰に長くシステムが複雑化することが回避できる。
このように構成すれば、デジタル符号の自己相関特性により大信号に対するレンジ外漏洩で決定されるシステムのダイナミックレンジに対し、その一部の小信号側が雑音加算による出力のゆらぎに起因して決定されるノイズフロアで信号検出不能になることを最小限にとどめることができる。また、相関出力CORの出力サンプルレートを決めた場合に、それに伴って決定される、ノイズフロアに対して、不必要にレンジ外除去比を大きく設定してシステムを複雑化することがなく、バランスのとれたシステムを実現できる。
また、雑音発生器102の発生する雑音信号の電圧Vは少なくともアナログ信号の電圧VINともデジタル符号Dとも独立であることが必要であり、ガウス雑音のように、その確率分布(確率密度を電圧について積分した関数)に直線近似可能な部分があることがのぞましい。そのような雑音発生器102として、半導体によるPN接合素子、つまりダイオード(PN接合ダイオード)など、に逆バイアスを印加した際に発生するショット雑音を利用することが可能である。
この構成をもちいれば、非常に簡便にかつ、本応用に非常に都合のよい雑音を発生させることが可能である。
また、雑音に含まれる周波数成分として、アナログコンパレータ104におけるサンプリング周波数の1/2の周波数帯域以上のものが望ましい。言い換えると、雑音信号の周波数成分は、クロック周波数1/Tcの1/2の周波数以上の周波数帯域を含むものが望ましい。このようにすることで、サンプル毎に入力VINともデジタル符号Dとも独立な雑音を得ることができる。この点においても、半導体によるPN接合素子に逆バイアスを印加した際に発生するショット雑音を利用する雑音発生器は非常に広帯域の雑音を発生することが可能であり都合がよい。
さらに、実施の形態1に係る信号処理装置100では、入力ダイナミックレンジの大信号側は雑音電圧Vの振幅で決定される。この特性を活かし、入力信号レベルを信号処理装置のダイナミックレンジ内に調整するために、雑音発生器102に対し、雑音電圧調整手段を設けてもよい。さらに、雑音電圧調整手段を制御するレベル制御手段を設け、レベル制御手段は雑音電圧レベルを可変し、可変量に応じて相関出力CORが予め決定した許容誤差の範囲で線形に変化しない場合、相関出力CORが飽和していると判断し、許容誤差の範囲内で雑音電圧レベルに対してCORが線形変化するまで雑音電圧を増加させ、またCORが飽和していないと判断できるときは、飽和する限界点まで雑音電圧を低下させるように制御してもよい。このような制御により、入力信号レベルに対し信号処理装置のダイナミックレンジが最適化され、大信号が飽和しない範囲において、小信号に対する感度が最大化される。
言い換えると、信号処理装置100は、図6に示すように、さらに、相関値が飽和しない範囲において、雑音信号の振幅を減少させるよう雑音発生器102を制御する制御部201を備えてもよい。なお、この制御部201は、上述の雑音電圧調整手段及びレベル制御手段に相当する。
つまり、図4Aからわかるように、雑音信号が加算されたアナログ信号の確率分布が比較基準電圧よりも大きい場合、アナログコンパレータ104の出力が常に1となる。よって、CORはNとなる。この状態からアナログ信号の電圧VINを大きくしてもアナログコンパレータ104の出力は常に1となり、CORはNのままで飽和状態となる。同様に、雑音信号が加算されたアナログ信号の確率分布が比較基準電圧よりも小さい場合、アナログコンパレータ104の出力が常に0となる。よって、CORは0となる。この状態からアナログ信号の電圧VINを小さくしてもアナログコンパレータ104の出力は常に0となり、CORは0のままで飽和状態となる。
したがって、出力レベルが飽和している場合には、雑音信号の振幅を大きくする。これにより、雑音信号が加算されたアナログ信号の確率分布の電圧範囲に比較基準電圧が入るので、アナログ信号が大信号である場合のダイナミックレンジを上げることができる。
これに対し、CORが飽和していない場合には、雑音信号の振幅を小さくすることにより、雑音信号の確率分布の電圧範囲が狭くなるようにする。これにより、アナログ信号が小信号である場合のダイナミックレンジを上げることができる。つまり、小信号に対する感度が最大化できる。
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2に係るレーダ装置の構成の一例を示すブロック図である。図7に示すレーダ装置400は、実施の形態1に記載した信号処理装置100を複数系統もちいたレーダ装置の一例である。なお、信号処理装置100のうち、雑音発生器102及び加算器103は複数系統に対して共通に設けられ、乗算器106及び計数器108は複数系統の各々に対応して個別に設けられている。また、雑音発生器102及び加算器103はアナログ回路で実現され、乗算器106及び計数器108はデジタル回路で実現されている。
まず、レーダ装置400の全体構成について説明する。
信号源421で発生された搬送波は、クロック源427で生成されたクロック信号に同期して符号発生器428で発生する拡散符号により、変調器422で変調される。変調された搬送波は、送信空中線423から探知電波として放射される。
そして、物体に反射されてかえってきた探知電波は受信空中線424で受信され、受信された探知電波は、信号源421で発生された搬送波と当該搬送波を移相器425で90度移相した信号とを用いて復調器426で検波されることにより、搬送波の位相に対する同相成分(I)と直交成分(Q)から構成されるベースバンド信号401に変換される。その後、雑音発生器402によって発生される雑音信号が加算器403でベースバンド信号に加算される。レーダ装置400の受信側において、ここまでの処理がアナログ回路によって実現される。なお、雑音発生器402及び加算器403はそれぞれ、実施の形態1における雑音発生器102及び加算器103に対応する。
次に、デジタル回路によって以降の処理が行われる。
雑音信号が加算されたベースバンド信号は、アナログコンパレータ404で、クロック信号405に同期して固定電圧と比較され、論理値1または0がI、Qの各成分に対してそれぞれ出力される。この信号が遅延器群429で拡散符号407を遅延した信号群の論理にしたがって乗算器群406にてそれぞれ論理反転され計数器群408に入力される。計数器群では、それぞれの遅延に対してI、Qの成分毎に、それぞれの遅延時間に対応するレンジビン(レーダ装置400からの距離範囲)に存在する物体からの反射信号として分離されてレンジビン信号409a、409b〜409nとして出力される。この際、レンジビンは必要な数だけ用意すればよく、その数に対応して乗算器群406、遅延器群429、計数器群408の構成要素を複数設ければ良い。
つまり、乗算器群406、遅延器群429、計数器群408はそれぞれ、n個(nは2以上の整数)のレンジビンに対応する、n個の乗算器406a〜406n、n個の遅延器429a〜429n、n個の計数器408a〜408nを有し、同一の系統に属する乗算器、遅延器、計数器が、同一のレンジビンに対応する。また、遅延器群429に含まれる複数の遅延器は、例えばカスケード接続され、各遅延器が遅延符号の1ビットに対応する時間だけ遅延させることにより、各遅延器が互いに異なるレンジビンに対応する遅延符号を生成する。
以上のように、本実施の形態に係るレーダ装置400は、実施の形態1に係るn個の信号処理装置と、クロック信号に同期するタイミングで拡散符号を発生する符号発生器428、搬送波を発生する信号源421、搬送波を拡散符号で変調して変調信号を発生する変調器422、及び、変調信号を放射する送信空中線423を備える送信部と、送信部から放射され、電波を反射する物体によって反射されて戻ってきた変調信号である反射波を受信して受信信号を出力する受信空中線424、および、受信信号を搬送波で検波することによりベースバンド信号を生成する復調器426を備える受信部と、拡散符号をそれぞれ異なる時間だけ遅延させた複数の遅延符号を発生する遅延器群429とを備え、n個の信号処理装置は、複数の遅延符号と1対1に対応し、アナログ信号としてベースバンド信号が共通に入力され、デジタル符号として対応する遅延符号が入力され、さらに、算出したn個の相関値を用いて、各遅延符号に対応するレンジビンからの反射波を示すデジタル信号であるn個のレンジビン信号409a、409b〜409nを出力し、レーダ装置400は、出力されたn個のレンジビン信号409a、409b〜409nを用いて、物体の速度、方向、又は、位置の少なくとも1つを求める。
つまり、レーダ装置400は、各レンジビンからの反射波に含まれる信号成分と、遅延器群429で遅延された遅延符号との相関値であるレンジビン信号409a、409b〜409nを計測し、次のような処理を行ってもよい。例えば、レーダ装置400は、各レンジビン信号の時系列を高速フーリエ変換することにより、物体の速度を求めてもよい。また、レーダ装置400が受信アンテナを複数備える構成とした場合に、受信アンテナごとに対応する各レンジビン信号を用いて物体の方向を求めてもよい。また、所定の閾値以上のレベルのレンジビン信号に対応するレンジビンに物体が存在すると判断することで、物体の位置を求めてもよい。
なお、符号発生器428、符号発生器428で発生される拡散符号、信号源421、復調器426、遅延器群429、レンジビン信号409a、409b、409nはそれぞれ、擬似雑音符号発生器、擬似雑音符号、発振器、ダウンコンバータ、遅延符号発生器、反射信号の一例である。
また、本実施の形態によれば、受信相関処理で拡散符号の遅延量を掃引することなく、同時並行的に各レンジビンの信号を生成できる。このように本実施の形態に係るレーダ装置400では、拡散符号の遅延量を掃引する必要がない構成によって、従来のスペクトル拡散型のレーダ装置と比較して、次のような効果がある。
従来のスペクトル拡散型のレーダ装置では、関心のある距離範囲をくまなく計測するには受信相関用符号の遅延量を掃引するための時間がかかる。また、掃引速度を速くしたい場合には、それに対応して帯域通過型濾波器の通過帯域幅を広く設定しなければならない。よって、結果として雑音が増加して感度が劣化するから、感度と掃引速度とはトレードオフの関係にあり、両者を同時に向上させることはできないという課題がある。
これに対し、本実施の形態に係るレーダ装置400は、同時並行的に各レンジビンの信号を生成できるので、関心のある距離範囲をレンジビン間で並行して計測することができる。つまり、帯域通過型濾波器の通過帯域幅を広げることによる感度の劣化を生じることなく、関心のある距離範囲を速やかに計測できる。すなわち、感度と測定時間とを同時に向上することができないという従来のスペクトル拡散型のレーダ装置の課題を、高価な高分解能の高速ADコンバータを用いることなく解決できる。
つまり、本実施の形態に係るレーダ装置400は、デジタル回路で構成されたn個の乗算器406a〜406n及びn個の計数器408a〜408nを並列に設け、各々に対して互いに異なる遅延時間を設定することで、遅延時間を掃引することなく、物体によって反射された探知電波をレンジビンごとに独立して計測することができる。言い換えると、レンジビンごとに相関値を算出することができる。
その結果、高速かつ高分解能のADコンバータを用いることなく、計測対象の物体をもれなく検知することができる。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の信号処理装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、入力されたアナログ信号と所定のデジタル符号との相関値を算出する信号処理方法であって、雑音信号を前記アナログ信号に加算する雑音加算ステップと、前記雑音信号が加算されたアナログ信号の大きさと所定の電圧の大きさとを、第1の周期を有するクロック信号に同期するタイミングで比較する比較ステップと、前記比較ステップの比較結果と前記所定のデジタル符号との排他的論理和を、前記クロック信号に同期するタイミングで計算する乗算ステップと、前記乗算ステップの計算結果を第2の周期で時系列に積算し、積算結果と前記第2の周期を前記第1の周期で除した値の1/2との差を、前記相関値として算出する積算ステップとを含む信号処理方法を実行させる。
以上、一つまたは複数の態様に係る信号処理装置及びそれを備えるレーダ装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記の信号処理装置は雑音発生器を備えていたが、信号処理装置は雑音発生器を備えずに、外部から雑音信号が入力されてもよい。
また、デジタル符号はM系列符号に限らず、Gold系列符号であってもよい。
また、例えば、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は典型的には集積回路であるLSIとして実現されてもよい。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
本発明の信号処理装置および、それを用いたレーダ装置は、自動車、船舶、航空機及びロボットなど、種々の機器に搭載する危険回避のためのレーダ装置、及びセキュリティシステムにおける不審者発見のためのレーダ装置、若しくは物体の光学特性を計測するための計測装置などとして利用可能である。
100 信号処理装置
101 アナログ信号入力端子
102、402 雑音発生器
103、403 加算器
104、404 アナログコンパレータ
105 クロック入力端子
106、406a、406b、406n 乗算器
107 符号入力端子
108、408a、408b、408n 計数器
109 相関出力端子
201、606 制御部
301 斜線部
400、600 レーダ装置
401 ベースバンド信号
405 クロック信号
406 乗算器群
407 拡散符号
408 計数器群
409a、409b、409n レンジビン信号
421 信号源
422 変調器
423 送信空中線
424 受信空中線
425 移相器
426 復調器
427 クロック源
428 符号発生器
429 遅延器群
429a、429b、429n 遅延器
601 送信部
602 受信部
603 送信用PN符号発生部
604 受信用PN符号発生部
605 信号処理部
608 繰り返し符号発生器
609 排他的論理和演算器
611 局部発振器
612 平衡変調器
613 増幅器
615 帯域通過型濾波器
616 減衰器
617 送信用空中線
621 受信用空中線
622 帯域通過型濾波器
623 低雑音増幅器
624 平衡変調器
625 直交復調器
625a 移相器
625b、625c 平衡変調器
626、628 帯域通過型濾波器
627、629 増幅器

Claims (6)

  1. 入力されたアナログ信号と所定のデジタル符号との相関値を算出する信号処理装置であって、
    雑音信号が入力され、前記雑音信号を前記アナログ信号に加算する雑音加算器と、
    前記雑音信号が加算されたアナログ信号の大きさと所定の電圧の大きさとを、第1の周期を有するクロック信号に同期するタイミングで比較するコンパレータと、
    前記コンパレータの比較結果と前記所定のデジタル符号とが入力され、前記コンパレータの比較結果と前記デジタル符号との排他的論理和を、前記クロック信号に同期するタイミングで計算する乗算器と、
    前記乗算器の計算結果を第2の周期で時系列に積算し、積算結果と前記第2の周期を前記第1の周期で除した値の1/2との差を、前記相関値として算出する積算器とを備え
    さらに、逆バイアスされたPN接合ダイオードを有する、前記雑音信号を発生する雑音発生器を備える
    信号処理装置。
  2. 前記第2の周期が前記デジタル符号の繰返し周期の2倍より長い
    請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記デジタル符号はM系列符号であり、
    前記第2の周期を前記第1の周期で除した値が、前記デジタル符号の1周期に含まれる符号数の2乗の1/10より大きい
    請求項1又は2に記載の信号処理装置。
  4. さらに、前記相関値が飽和しない範囲において、前記雑音信号の振幅を減少させるよう前記雑音発生器を制御する制御部を備える
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  5. 前記雑音信号の周波数成分は、前記クロック信号の周波数の1/2の周波数以上の周波数帯域を含む
    請求項1〜のいずれか1項に記載の信号処理装置。
  6. レーダ装置であって、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の複数の信号処理装置と、
    前記クロック信号に同期するタイミングで擬似雑音符号を発生する擬似雑音符号発生器、搬送波を発生する発振器、前記搬送波を前記擬似雑音符号で変調して変調信号を発生する変調器、及び、前記変調信号を放射する送信アンテナを備える送信部と、
    前記送信部から放射され、電波を反射する物体によって反射されて戻ってきた前記変調信号である反射波を受信して受信信号を出力する受信アンテナ、および、前記受信信号を前記搬送波で検波することによりベースバンド信号を生成するダウンコンバータを備える受信部と、
    前記擬似雑音符号をそれぞれ異なる時間だけ遅延させた複数の遅延符号を発生する遅延符号発生器とを備え、
    前記複数の信号処理装置は、
    前記複数の遅延符号と1対1に対応し、前記アナログ信号として前記ベースバンド信号が共通に入力され、前記デジタル符号として対応する前記遅延符号が入力され、
    さらに、算出した複数の前記相関値を用いて、各遅延符号に対応する距離範囲からの前記反射波を示すデジタル信号である複数の反射信号を出力し、
    前記レーダ装置は、出力された前記複数の反射信号を用いて、前記物体の速度、方向、及び、位置の少なくとも1つを求める
    レーダ装置。
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