JP2004301361A - 冷凍・冷蔵設備の集中管理システム - Google Patents

冷凍・冷蔵設備の集中管理システム Download PDF

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Abstract

【課題】空冷コンデンサの管理・制御を可能とし、冷凍機の運転状況との関連付けによる最適な運転圧力の管理・制御を可能とする冷凍・冷蔵設備の集中管理システムを提供する
【解決手段】集中管理システム100は、冷凍・冷蔵ショーケース等の各種冷凍・冷蔵設備の運転状況の管理・制御を行う集中制御装置101を備え、集中制御装置101には、複数のショーケース102の制御器102aと、冷凍機103の制御器103aと、空冷コンデンサ104の制御器104aとがシリアル伝送線等の通信線105によりネットワーク接続されている。
集中制御装置101は、各制御器102a,103a,104aから受信した温度,圧力等の計測情報に基づき、各種冷凍・冷蔵設備の運転状況を管理し、各制御器102a,103a,104aに対し制御信号を送信する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショーケース等の冷凍・冷蔵設備の集中管理システムに関し、特に、空冷コンデンサの運転状況を考慮した運転制御を行う機能を備えた集中管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スーパーマーケット等に多数設置されているショーケース等の冷凍・冷蔵設備の運転状況を集中的に管理・制御するための集中管理システムとして、複数のショーケース,冷凍機の制御器に対して通信可能に接続され、各制御器との間で運転状況の設定情報や温度,圧力等の管理情報の送受信を行う制御部を有する集中制御装置を設けた構成が公知となっている(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開2000−097534号公報(第3,4頁、図1)
【0004】
前記特許文献1に記載の集中制御装置は、複数のショーケース,冷凍機の制御器から温度,圧力等の管理情報を受信し、当該管理情報に基づき各冷凍・冷蔵設備の運転状況を管理するとともに、受信した管理情報に応じて各制御器に設定情報を送信して、各冷凍・冷蔵設備の制御を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の集中管理システムにおける集中制御装置では、空冷コンデンサの制御器との接続がされていないため、空冷コンデンサについては、冷凍機の運転状況やショーケース等の負荷の状態とは無関係に、各空冷コンデンサの制御器毎に単独で運転制御を行っていた。従って、冷凍機の圧力制御との関係等、他の運転状況との関係での管理・制御を行うことができなかった。
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためのものであり、集中制御装置による空冷コンデンサの運転状況の管理・制御を可能とする冷凍・冷蔵設備の集中管理システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明は、複数のショーケース制御器と、冷凍機制御器又は計測装置とに対して接続され、前記各制御器又は計測装置から受信した計測情報に基づきショーケースを含む各種冷凍・冷蔵設備の運転状況を管理するとともに、各制御器に対し運転状況に関する設定情報を送信して制御する集中制御装置を備えた集中管理システムであって、前記集中制御装置は、空冷コンデンサ制御器に接続され、前記空冷コンデンサ制御器に対し前記計測情報及び前記設定情報を送受信可能としたことを特徴とする。これにより、空冷コンデンサについても、集中制御装置による運転状況の管理・制御を行うことが可能となる。ここで、前記集中制御装置が、前記冷凍機制御器又は計測装置から受信した計測情報と、前記空冷コンデンサ制御器から受信した計測情報に基づき、冷凍機及び空冷コンデンサの運転圧力の設定を行うことにより、最適な運転圧力の管理・制御を行うことができる。
また、前記集中制御装置は、前記冷凍機制御器又は計測装置から受信した計測情報に基づき、冷凍機の電力量を算出する手段を備えることにより、冷凍機の電力量の管理を容易に行うことが可能となる。
【0008】
また、前記集中制御装置は、各操作又はイベントの発生に応じた音声を出力する音声出力手段を備えることにより、操作が不慣れな者についても、操作を容易なものとすることができる。
また、前記集中制御装置は、前記計測情報に基づく管理情報の記憶手段として外部記憶手段を備えるとともに、前記記憶手段に対し、前記各計測情報毎に記録の要否及び記録時間間隔を設定する手段を備えることにより、より適切な管理情報の記録を行うことができる。
【0009】
また、前記冷凍機制御器は、前記空冷コンデンサ制御器に通信線を介して接続され、前記空冷コンデンサ制御器に対して各計測情報及び空冷コンデンサの運転状況に関する設定情報を送受信可能とし、前記冷凍機制御器は、各計測手段から取得した計測情報と、前記空冷コンデンサ制御器から受信した計測情報とに基づき、空冷コンデンサの運転状況に関する設定情報を送信することにより、集中制御装置からの制御を行うことなく、最適な運転圧力の管理・制御を行うことができる。
【0010】
また、前記冷凍機制御器は、オイル供給配管に備えられた温度センサからの計測情報に基づきオイル供給異常を判定する手段を備えるとともに、複数の圧縮機について、各圧縮機の運転積算時間と連続起動回数とに基づき、各圧縮機の運転制御を行う手段を備えることにより、冷凍機のより適切な運転制御を行うことができる。
【0011】
さらに、前記空冷コンデンサ制御器は、前記集中制御装置又は前記冷凍機制御器から受信した制御信号に基づき、ファン制御を行う制御部を備えることにより、より適切なファン制御を行うことができる。また、前記空冷コンデンサ制御器に、各計測手段から取得した計測情報に基づき散水装置を制御する手段を備えることにより、通常は別途設けられている散水装置用の制御装置を不要とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る集中管理システムの概略構成を示す系統図である。
集中管理システム100は、冷凍・冷蔵ショーケース等の各種冷凍・冷蔵設備の運転状況の管理・制御を行う集中制御装置101を備え、集中制御装置101には、複数のショーケース102の制御器102aと、冷凍機103の制御器103aと、空冷コンデンサ104の制御器104aとがシリアル伝送線等の通信線105によりネットワーク接続されている。
集中制御装置101は、各制御器102a,103a,104aから受信した温度,圧力等の計測情報に基づき、各種冷凍・冷蔵設備の運転状況を管理し、各制御器102a,103a,104aに対し制御信号を送信する。
【0013】
図2は、集中管理システム100を構成する集中制御装置101の概略構成を示すブロック図である。
集中制御装置101は、制御部201と、制御部201に接続された複数のコネクタ202,記憶手段203,音声出力部204,外部警報入力部205,外部警報出力部206とを備える。
制御部201は、冷凍・冷蔵ショーケース102等の各種冷凍・冷蔵設備の運転状況の管理・設定等を行い、コネクタ202に通信線105を介して接続された各制御器102a,103a,104aとの間で、各種制御信号,計測信号の送受信を行う。また、制御部201は、コネクタ202に接続された操作パネルからの入力に基づき各種設定を行うとともに、各種運転情報,計測情報を含む管理情報を、操作パネルの表示部に表示する。本実施の形態では、制御部201に電力量算出手段を備えることとし、冷凍機103の制御器103aから取得した計測情報に基づき、冷凍機103の電力量を算出する。なお、コネクタ202は、パーソナルコンピュータ等の端末装置が接続可能であり、制御部201は端末装置との間で管理情報等の送受信を行うことも可能となっている。
集中制御装置101により管理・設定等される管理情報は、記憶手段203に記憶される。記憶手段203としては、内部記憶装置203aの他、メモリカード等の外部記憶装置203bが用いられ、外部記憶装置203bが抜き差し可能なスロット等が設けられている。
音声処理部204には外部スピーカ207が接続されており、各種操作又はイベントの発生等に応じた制御部201からの制御信号に基づき、ガイダンス又は警告メッセージ等の音声が出力される。
【0014】
図3は、集中制御装置101のコネクタ202に接続される操作パネルの一例を示す図である。
操作パネル300は、表示部301と、操作部302とを有する。また、本例では、操作パネル300に外部スピーカ207が備えられている。表示部301は、ディスプレイ等の表示装置から構成され、操作部302は、複数の操作ボタンから構成される。
制御部201は、操作部302の操作に応じて各制御器の設定を行うとともに、各制御器から受信した管理情報を表示部301に表示する。また、外部スピーカ207から音声ガイダンス等を出力する。
【0015】
図4は、集中制御装置101のコネクタ202に対し通信線105を介して接続される冷凍機103の制御器103aの概略構成を示すブロック図である。
制御器103aは、各冷凍機103の運転制御を行う制御部401と、第1,第2通信ポート402,403と、センサ入力部404と、複数の制御信号出力部405〜407と、操作部408と、表示部409とを備える。
制御部401は、第1通信ポート402に通信線105を介して接続された集中制御装置101からの制御信号に基づき、制御信号出力部405に接続された圧縮機等の運転制御を行う。また、制御部401は、オイル供給異常を判定し、当該判定結果に応じてオイル供給電磁弁の制御を行う手段と、冷凍機103の各圧縮機について運転状況(運転時間,運転間隔等)を制御する手段とを備える。
本実施の形態では、第2通信ポート403に通信線105を介して空冷コンデンサ104の制御器104aが接続され、センサ入力部404には、圧力センサ,温度センサ等の複数のセンサの他、機械警報入力接点等が接続される。制御部401は、各計測信号等を集中制御装置101に送信すると共に、制御器104aからの計測信号等に基づき後述する圧力設定処理等を行う。
制御信号出力部406には、オイル配管電磁弁が接続され、制御部401は後述するオイル供給異常判断処理に基づきオイル配管電磁弁の運転制御を行う。
制御信号出力部407には、警報装置が接続され、制御部401からの制御信号に基づき警報発生等の運転制御を行う。
【0016】
図5は、制御器103aの外観の一例を示す図である。
制御器103aには、操作部406を構成する複数の操作ボタン501〜504と、表示部407を構成するデジタル表示器505とを備える。
制御部401は、操作ボタン501〜504の操作に応じて各種設定及び表示切替を行うとともに、各センサから取得した計測情報を表示部407に表示する。
【0017】
図6は、集中制御装置101のコネクタ202に対し通信線105を介して接続される空冷コンデンサ104の制御器104aの概略構成を示すブロック図である。
制御器104aは、ファンモータの運転制御等を行う制御部601と、第1,第2通信ポート602,603と、センサ入力部604と、複数の制御信号出力部605,606と、操作部607と、表示部608とを備える。
本実施の形態では、第1,第2通信ポート602,603に通信線105を介して冷凍機103の制御器103a及び集中制御装置101が接続され、制御器103a又は集中制御装置101から送信された運転情報等に基づき、制御信号出力部605に接続されたファンモータ等の運転制御を行う。
また、センサ入力部604には、圧力センサ,温度センサ等の複数のセンサの他、機械警報入力接点等が接続される。制御部401は、センサ入力部404を介して入力された各計測信号等に基づきファンモータ等の運転制御を行うとともに、集中制御装置101に各計測信号等を送信する。
制御信号出力部606には、散水装置が接続され、温度センサ等の計測信号に基づき制御器401から制御信号を出力し、散水装置の運転制御を行う。
【0018】
図7は、制御器104aの外観の一例を示す図である。
制御器104aには、操作部607を構成する複数の操作スイッチ701,702と、表示部407を構成する複数の表示ランプ703,704とを備える。
制御部401は、操作スイッチ701,702の操作に応じて、各種設定及び運転モードの切替えを行うとともに、運転状況に応じて表示ランプ703,704の点灯等を行う。
【0019】
以上の構成により、本実施の形態の集中管理システム100による各種冷凍・冷蔵設備の運転制御方法について説明する。
まず、集中制御装置101では、管理者により設定された設定値に基づく制御信号を各制御器102a,103a,104aに送信するとともに、各制御器102a,103a,104aから各測定信号を受信し、各測定信号に基づき、各種冷凍・冷蔵設備の運転状況等の管理・制御を行う。
例えば、制御部201は、ショーケースの冷却温度の測定信号に基づき冷却状態を監視し、冷却に問題が無い場合には、冷凍機103の制御器103aに対して吸入ガス圧力設定値を上げる制御信号を送信するとともに、空冷コンデンサ104の制御器104aに対して凝縮圧力設定値を下げる制御信号を送信する。
【0020】
また、制御部201は、冷凍機103の制御器103aから、吸入ガス圧力情報,凝縮圧力情報,圧縮機ON/OFF情報を受信し、電力量算出手段により各情報に基づき冷凍機103の電力量を算出する。
この場合の冷凍機の電力量は、受信した吸入ガス圧力情報及び凝縮圧力情報から圧縮機入力値を算出するとともに、圧縮機ON/OFF情報に基づき圧縮機運転時間を算出し、圧縮機入力値及び圧縮機運転時間から下記の式(1)により算出する。
電力量=圧縮機入力値×圧縮機運転時間×補正値 ・・・ (1)
ここで、圧縮機入力値については、圧縮機運転時間に基づき、下記の式(2)により算出する。
圧縮機入力値=入力値算出係数×圧縮機運転時間 ・・・ (2)
前記式(1)の補正値及び前記式(2)の入力値算出係数は、前記各圧力情報から取得した低圧圧力及び高圧圧力と、各冷凍機毎に予め格納されているスクロールタイプ等のタイプ種別との組合せ毎に、予め設定されているそれぞれの算出式に基づき算出される。
補正値及び入力値算出係数の算出式は、過去の運転時間と消費電力との相関関係に基づいて、各組合せ毎に設定されるものであり、集中制御装置101において設定変更を可能としている。
【0021】
集中制御装置101では、各制御器102a,103a,104aから受信した測定信号に基づく温度情報,圧力情報や警告情報等の管理情報を記憶手段203に記憶する。
記憶手段203への管理情報の記憶は、予め設定された時間間隔により行う。
図8は、データ記録時間間隔の設定画面の一例を示す図である。
データ記録設定画面800では、管理対象となる制御器等を示すナンバー801,名称802が示され、また、各管理対象毎に複数のセンサ等の管理項目803が示され、各管理項目毎に、記憶の要否及び時間間隔の設定を可能とする。これにより、例えば、変化の少ない環境温度等は15分毎(15m)、ショーケースの庫内温度は3分毎(3m)、冷凍機の運転圧力は30秒毎(30s)等、各管理項目毎にメンテナンスに必要なデータの適切な記憶が可能となる。なお、図中「−」で表示される管理項目は、センサ等が接続されていない場合等、記録不要として設定されたものを示す。
【0022】
なお、集中制御装置101では、音声出力部204を備えており、各種設定時における操作方法のガイダンス及び警告情報を、操作パネル300等に設けられた外部スピーカ207により音声出力する。
【0023】
冷凍機103の制御器103aでは、集中制御装置101からの制御信号に基づき冷凍機の運転制御を行うとともに、各種センサの測定信号及び警告情報を集中制御装置101に送信する。
【0024】
また、制御器103aは、圧力センサにより計測した吸入ガス圧力と、通信線105を介して接続された空冷コンデンサ104の制御器104aから受信した凝縮圧力とに基づき、圧力設定値が適正か否かを判定し、吸入ガス圧力設定値を上げる制御を行うとともに、判定結果に応じて制御器104aに凝縮圧力設定値を変更する制御信号を送信する。
図9は、制御器103aの行う凝縮圧力設定値の変更処理手順の一例を示すフローチャートである。
制御器103aは、凝縮器圧力設定値の下限値(HpL LIM)と上限値(HpH LIM)とを設定する(ステップ901)。この場合、下限値(HpL LIM)は吸入ガス圧力設定値と各冷媒毎に設定される補正値とに基づき算出された値が設定される。また、上限値(HpH LIM)は、集中制御装置101又は制御器103aにおいて予め入力された値が設定される。
制御器103aは、吸入ガス圧力の測定値に基づき、異常状態の継続時間を監視し(ステップ902)、異常状態が所定時間(本例では12分間)継続した場合には、凝縮圧力設定値(Hps)を上限値(HpH LIM)に変更する制御信号を出力する(ステップ903)。
一方、異常状態が所定時間以内の場合には、前回の凝縮圧力設定値(Hps)の変更から所定時間が経過したか否かを判定し(ステップ904)、所定時間が経過した場合には、吸入ガス圧力測定値と凝縮圧力測定値のそれぞれの平均値(LpAve,HpAve)を計算する(ステップ905)。
計算結果として取得した凝縮圧力平均値(HpAve)について、凝縮圧力設定値(Hps)との比較を行い(ステップ906)、凝縮圧力平均値(HpAve)が凝縮圧力設定値(Hps)よりも大きい場合には、凝縮圧力設定値(Hps)を、凝縮圧力平均値(HpAve)−修正値(本例では0.1Mpa)に変更する制御信号を出力する(ステップ907)。但し、変更後の凝縮圧力設定値(Hps)は、上限値(HpH LIM)以下とする。
また、凝縮圧力平均値(HpAve)が凝縮圧力設定値(Hps)以下の場合には、凝縮圧力設定値(Hps)−吸入ガス圧力平均値(LpAve)が第1の基準値(本例では0.65)よりも小さいか否かを判定し(ステップ908)、第1の基準値よりも小さい場合には、凝縮圧力設定値(Hps)を、凝縮圧力平均値(HpAve)+修正値に変更する制御信号を出力する(ステップ909)。但し、この場合も、変更後の凝縮圧力設定値(Hps)は、上限値(HpH LIM)以下とする。
一方、凝縮圧力設定値(Hps)−吸入ガス圧力平均値(LpAve)が第1の基準値(本例では0.65)以上の場合には、凝縮圧力設定値(Hps)−吸入ガス圧力平均値(LpAve)が第2の基準値(本例では0.7)よりも大きいか否かを判定し(ステップ910)、第2の基準値よりも大きい場合には、凝縮圧力設定値(Hps)を、凝縮圧力設定値(Hps)−修正値に変更する制御信号を出力する(ステップ911)。但し、変更後の凝縮圧力設定値(Hps)は、下限値(HpL LIM)以上とする。
なお、ステップ904において、所定時間以内と判定した場合、ステップ907,909,911において、凝縮圧力設定値(Hps)の変更がされた場合又は凝縮圧力設定値(Hps)−吸入ガス圧力平均値(LpAve)が第2の基準値以下の場合には、ステップ902による判定を行う。
以上の凝縮圧力設定値の変更処理に用いられる補正値,基準値,修正値は、冷媒毎に予め設定された値が用いられる。
以上の処理により、制御器103aは、適切な運転圧力となるように凝縮圧力設定値の変更を行う。
【0025】
また、制御器103aは、図10に示すように、冷凍機103の給油配管1001に設置された温度センサ1001aにより計測した配管温度を監視し、オイルセパレータ1002の故障により吐出ガスがオイル配管に流れ込み、温度異常となった場合に、オイル供給電磁弁1003を開閉操作する制御を行うとともに、集中制御装置101及び警報装置に警報信号を出力することにより、圧縮機1004へのオイル供給不足等の異常に対する制御処理を行う。
図11は、制御器103aによるオイル供給異常判断に基づく、オイル供給電磁弁1003の制御処理手順を示すフローチャートである。
制御器103aは、冷凍機103の給油配管1001に設置された温度センサ1001aにより計測した配管温度を監視し、配管温度が第1の基準値以上であるか否かを判定する(ステップ1101)。配管温度が第1の基準値以上の場合には、オイル供給異常として、オイル供給電磁弁を開閉操作する制御信号を出力するとともに(ステップ1102)、警報信号を出力する(ステップ1103)。
一方、配管温度が第2の基準値(本例では50℃)以上の状態が所定時間(本例では10分間)継続したか否かを判定し(ステップ1104)、所定時間継続した場合には、オイル供給異常として、前述と同様に制御信号及び警報信号を出力する(ステップ1102,1103)。
なお、配管温度が第2の基準値以下の場合、又は第2の基準値以上の状態が所定時間以内の場合には、ステップ1101による判定処理を行う。
以上の処理により、制御器103aは、オイル供給異常の場合に電磁弁の開閉操作及び警報出力等を行う。
また、制御器103aは、圧縮機の運転管理として、複数の圧縮機のON/OFF制御において、各圧縮機の運転がショートサイクルとならないよう、各圧縮機の運転積算時間と連続起動回数とに基づきON制御する圧縮機の選択を行う。
例えば、図12に示すように、共通の制御器103aにより制御される圧縮機A,Bにおいて、圧縮機Bに対し短時間でのON/OFF制御(1201,1202)が2回連続して行われた場合には、次のON/OFF制御(1203)は圧縮機Bに対してではなく、圧縮機Aに対して行う。
【0026】
空冷コンデンサ104の制御器104aでは、集中制御装置101又は冷凍機103の制御器103aからの制御信号に基づきファンモータの回転制御を行うとともに、各種センサの測定信号及び警告情報を集中制御装置101及び制御器103aに送信する。
また、各センサからの計測信号に基づき、散水装置の運転制御を行う。この場合には、制御器104aに接続された各センサ等から取得した計測情報に基づき、別途散水装置用の制御装置を設けた場合と同様の運転制御を行うこととなる。
【0027】
なお、ショーケース102の制御器102aは、従来の集中管理システムと同様に、集中制御装置101からの制御信号に基づく運転制御を行うとともに、センサから取得した計測情報を集中制御装置101に送信する。
【0028】
以上のように、本実施の形態に係る集中管理システムでは、集中制御装置101に、空冷コンデンサ104の制御器104aを接続し、各種制御信号,計測信号の送受信を可能としたので、空冷コンデンサ104のファンモータ制御についても集中制御装置により管理・制御を行うことができる。この場合、冷凍機103の制御器103aからの測定情報と、空冷コンデンサ104の制御器104aからの測定情報とに基づき、最適な運転圧力となるように設定値の変更等の制御を行うことが可能となるため、空冷コンデンサ104についても適切な運転管理・制御を行うことができるとともに、省エネ効果を高めることができる。
また、集中制御装置101の制御部201に、冷凍機103の制御器103aから取得した計測情報に基づき冷凍機103の電力量を算出する手段を備えたので、冷凍機電力量の算出を容易に行うことが可能となる。
また、集中制御装置101に音声出力手段204を備えることとしたので、操作に不慣れな者に対しても、集中制御装置101の利用を容易なものとすることが可能となる。
また、集中制御装置101における記憶手段203として、メモリカード等の外部記憶装置203aも利用可能とし、さらに、各管理項目毎に記録の要否及び記録時間間隔を設定可能としたので、管理情報の適切な記録を可能とすることができる。
【0029】
また、冷凍機103の制御器103aと、空冷コンデンサ104の制御器104aとを接続し、各種制御信号,計測信号の送受信を可能としたので、空冷コンデンサ104のファンモータ制御についても制御器103aにより制御を行うことができる。この場合、制御器103aの測定情報と、空冷コンデンサ104の制御器104aから取得した測定情報とに基づき、最適な運転圧力となるように設定値の変更等を行うことが可能となるため、集中制御装置101からの設定値の変更指示等が無い場合であっても、適切な運転制御を行うことができ、省エネ効果を高めることができる。
また、制御器103aの制御部401にオイル供給異常判定手段を備えたので、オイル供給異常による冷凍機の故障等を適切に防止することができる。
また、制御器103aは、圧縮機の運転管理手段を備え、各圧縮機の運転積算時間と連続起動回数とに基づきON制御する圧縮機の選択を行うこととしたので、各圧縮機の運転がショートサイクルとなることを適切に防止することが可能となる。
【0030】
また、空冷コンデンサ104の制御器104aは、集中制御装置101又は冷凍機103の制御器103aからの制御信号に基づき、各設定値を変更しファン制御を行うことを可能としたので、冷凍機の運転状況に応じた適切なファン制御を行うことが可能となる。
また、制御器104aは、制御信号出力部606に散水装置を接続し、各センサからの計測信号に基づき、散水装置の運転制御を行うこととしたので、複数のセンサを備えた散水装置の制御装置を別途設ける必要が無くなり、制御器104aにより適切な運転制御を行うことが可能となる。
【0031】
なお、前記実施の形態では、空冷コンデンサ104の制御器104aを、集中制御装置101と、冷凍機103の制御器103aとにそれぞれ接続することとしているが、本発明はこの構成に限られるものでは無く、空冷コンデンサ104の制御器104aを集中制御装置101又は冷凍機103の制御器103aのいずれかに接続することとしてもよい。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る集中管理システムの概略構成を示す系統図である。以下、図1に示す第1の実施の形態に係る集中管理システムと同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態に係る集中管理システム1300では、空冷コンデンサ104の制御器として、一の通信ポートを有し、冷凍機103の制御器103aのみと接続する制御器106を備えている。
本実施の形態では、冷凍機103の制御器103aを介して、制御器106と集中制御装置101との間における各情報の送受信を行うことにより、前記第1の実施の形態と同様に、空冷コンデンサ104の制御等が可能となる。
従って、本実施の形態では、制御器106を簡易な構成とすることができる。
【0032】
また、図14は、本発明の第3の実施の形態に係る集中管理システムの概略構成を示す系統図である。以下、図1,図13に示す第1,第2の実施の形態に係る集中管理システムと同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態に係る集中管理システム1400では、前記第2の実施の形態と同様の制御器106を集中制御装置101に直接接続するとともに、冷凍機103の制御器に替えて、計測装置107を備えている。
計測装置107としては、冷凍機103に関する温度,圧力等の各種計測情報を計測する計測手段と、当該計測手段による計測情報を集中制御装置101に送信する送信手段とを有するものとして、例えば、特開平11−351712号公報に示す計測装置を用いる。
本実施の形態の構成により、例えば、仕様,メーカ等の相違により、集中制御装置101と、冷凍機103の制御器103aとの間で各種情報の送受信ができないような場合に、集中制御装置101に対して各種計測情報を集中制御装置101に送信する計測装置107を備えることで、冷凍機103に関する計測情報を取得することができるとともに、集中制御装置101から制御器106へ直接制御信号を送信することが可能となる。従って、冷凍機と、集中制御装置,空冷コンデンサとの仕様,メーカ等が相違する場合であっても、空冷コンデンサの制御を適切に行うことが可能となる。この場合、ショーケース102についても、制御器102aに替えて計測装置107を備えることとしてもよい。
【0033】
なお、前記第2,第3の実施の形態では、一の通信ポートを有する制御器を用いることとして説明したが、第1の実施の形態と同様に、二つの通信ポートを有する制御器を用いることとしてもよい。
また、前記各実施の形態において集中制御装置に別途無線通信手段を備え、携帯電話機等の通信端末に対し、管理情報の送受信を可能としてもよい。また、集中管理システムの制御装置には、各制御器以外のもの、例えば、複数センサを備えた計測装置を接続し、当該計測装置からの計測情報に基づき、運転管理・制御を行うこととしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の集中管理システムによれば、次のような効果を奏する。
(1)空冷コンデンサについても、集中制御装置による運転状況の管理・制御を行うことが可能となる。ここで、前記集中制御装置が、前記冷凍機制御器から受信した計測情報と、前記空冷コンデンサ制御器から受信した計測情報に基づき、冷凍機及び空冷コンデンサの運転圧力の設定を行うことにより、最適な運転圧力の管理・制御を行うことができる。
(2)また、集中制御装置により、冷凍機の電力量の管理を容易に行うことができるとともに、外部記憶装置により管理情報の記録をより適切に行うことができる。
(3)また、音声出力手段により、操作方法のガイダンス及び警告の発生を適切なものとすることができる。
(4)また、冷凍機の制御器で、各計測手段から取得した計測情報と、前記空冷コンデンサ制御器から受信した計測情報に基づき、空冷コンデンサの運転圧力の設定を行うことにより、集中制御装置からの制御を行うことなく、最適な運転圧力の管理・制御を行うことができる。
(5)また、前記冷凍機の制御器に備えた、オイル供給の異常判定を行う手段と、各圧縮機の運転積算時間と連続起動回数とに基づき各圧縮機の運転制御を行う手段とにより、冷凍機のより適切な運転制御を行うことができ、圧縮機等の故障予防を行なうことができる。
(6)さらに、前記空冷コンデンサ制御器は、前記集中制御装置又は前記冷凍機制御器から受信した制御信号に基づき、ファン制御を行う制御部を備えることにより、より適切なファン制御を行うことができる。また、前記空冷コンデンサ制御器に、各計測手段から取得した計測情報に基づき散水装置を制御する手段を備えることにより、別途散水装置の制御装置を設ける必要が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る集中管理システムの概略構成を示す系統図である。
【図2】集中管理システムを構成する集中制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】集中制御装置の操作パネルの一例を示す正面図である。
【図4】集中管理システムを構成する冷凍機制御器の概略構成を示すブロック図である。
【図5】冷凍機制御器の操作パネルの一例を示す正面図である。
【図6】集中管理システムを構成する空冷コンデンサ制御器の概略構成を示すブロック図である。
【図7】空冷コンデンサ制御器の操作パネルの一例を示す正面図である。
【図8】集中制御装置の操作パネルに表示されるデータ記録設定画面の一例を示す図である。
【図9】冷凍機制御器による凝縮圧力設定値の制御処理手順を示すフローチャートである。
【図10】オイル供給異常判断を行うための概略構成を示す系統図である。
【図11】冷凍機制御器によるオイル供給異常判定処理手順を示すフローチャートである。
【図12】冷凍機制御器による圧縮機のON/OFF制御の一例を示す図である。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る集中管理システムの概略構成を示す系統図である。
【図14】本発明の他の実施の形態に係る集中管理システムの概略構成を示す系統図である。
【符号の説明】
100,1300,1400 集中管理システム
101 集中制御装置
102 ショーケース
102a 制御器
103 冷凍機
103a 制御器
104 空冷コンデンサ
104a 制御器
105 通信線
106 制御器
107 計測装置
201 制御部
202 コネクタ
203 記憶手段
203a 内部記憶装置
203b 外部記憶装置
204 音声出力部
205 外部警報入力部
206 外部警報出力部
207 スピーカ
401 制御部
402 第1通信ポート
403 第2通信ポート
404 センサ入力部
405 制御信号出力部
406 制御信号出力部
407 制御信号出力部
408 操作部
409 表示部
601 制御部
602 第1通信ポート
603 第2通信ポート
604 センサ入力部
605 制御信号出力部
606 制御信号出力部
607 操作部
608 表示部

Claims (13)

  1. 複数のショーケース制御器と、冷凍機制御器又は計測装置とに接続され、前記各制御器又は計測装置から受信した計測情報に基づきショーケースを含む冷凍・冷蔵設備の運転状況を管理するとともに、各制御器に対し運転状況に関する設定情報を送信して制御する集中制御装置を備えた集中管理システムであって、
    前記集中制御装置は、空冷コンデンサ制御器に接続され、前記空冷コンデンサ制御器に対し前記計測情報及び前記設定情報を送受信可能としたことを特徴とする冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
  2. 前記集中制御装置は、前記冷凍機制御器又は計測装置から受信した計測情報と、前記空冷コンデンサ制御器から受信した計測情報に基づき、冷凍機及び空冷コンデンサの運転圧力の設定を行うことを特徴とする請求項1に記載の冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
  3. 前記集中制御装置は、前記冷凍機制御器又は計測装置から受信した計測情報に基づき、冷凍機の電力量を算出する手段を備えることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
  4. 前記集中制御装置は、各操作又はイベントの発生に応じた音声を出力する音声出力手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
  5. 前記集中制御装置は、前記計測情報に基づく管理情報の記憶手段として外部記憶手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
  6. 前記集中制御装置は、前記記憶手段に対し、前記各計測情報毎に記録の要否及び記録時間間隔を設定する手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
  7. 前記冷凍機制御器は、前記空冷コンデンサ制御器に通信線を介して接続され、前記空冷コンデンサ制御器に対して各計測情報及び空冷コンデンサの運転状況に関する設定情報を送受信可能としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
  8. 複数のショーケース制御器と、冷凍機制御器とに対して接続され、前記各制御器から受信した計測情報に基づきショーケースを含む各種冷凍・冷蔵設備の運転状況を管理するとともに、各制御器に対し運転状況に関する設定情報を送信して制御する集中制御装置を備えた集中管理システムであって、
    前記冷凍機制御器は、空冷コンデンサ制御器に通信線を介して接続され、前記計測情報及び前記設定情報を送受信可能としたことを特徴とする冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
  9. 前記冷凍機制御器は、各計測手段から取得した計測情報と、前記空冷コンデンサ制御器から受信した計測情報とに基づき、空冷コンデンサの運転状況に関する設定情報を送信することを特徴とする請求項7又は8のいずれかに記載の冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
  10. 前記冷凍機制御器は、オイル供給配管に備えられた温度センサからの計測情報に基づきオイル供給異常を判定する手段を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
  11. 前記冷凍機制御器は、複数の圧縮機について、各圧縮機の運転積算時間と連続起動回数とに基づき、各圧縮機の運転制御を行う手段を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
  12. 前記空冷コンデンサ制御器は、前記集中制御装置又は前記冷凍機制御器から受信した制御信号に基づき、ファン制御を行う制御部を備えることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
  13. 前記空冷コンデンサ制御器は、各計測手段から取得した計測情報に基づき散水装置を制御する手段を備えることを特徴とする請求項1〜12に記載の冷凍・冷蔵設備の集中管理システム。
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