JP2004300939A - 燃料タンクの燃料流出規制装置 - Google Patents

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Keiji Mitsuyoshi
啓司 三吉
Tomohide Aoki
智英 青木
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Abstract

【課題】過給油を繰り返し行うことを規制できる燃料流出規制装置とする。
【解決手段】キャニスタへ連通するハウジングと、ハウジングから下方へ燃料タンク内に延び下端で開口する筒体2と、燃料タンクの気相の圧力に応じてハウジング内と燃料タンクの気相との連通を開閉するリリーフ弁6と、からなり、燃料液面が筒体2の下端開口に到達したときに気相の圧力が第1所定値に上昇することで燃料が満タンであることを検知し、リリーフ弁6は燃料タンクの気相の圧力が第1所定値を越えた第2所定値に上昇したときに開弁する。
満タンとなった後に気相の圧力が高まった状態を維持できるので、過給油が困難となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の燃料タンクに設けられる満タン検知バルブの構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の燃料タンク近傍には、エバポ回路と称される気化燃料循環システムが設けられている。このエバポ回路は、気化した燃料を燃料タンクから外部のキャニスタに導き、活性炭などに吸着させて一時蓄えることで、蒸気圧の上昇による燃料タンクの内圧の上昇を防止するものである。そしてキャニスタはエンジンに連結され、エンジンの吸気負圧により活性炭から気化燃料を放出させ混合気中に混合することで、吸着された気化燃料を再び燃料として使用している。
【0003】
このエバポ回路では、当然ながらエバポ開口と称される開口が燃料タンクに形成されている。このエバポ開口は、エバポ回路への液体燃料の流入を防止するために、一般に燃料タンクの最上部に形成されている。しかし燃料液面の上下動により、エバポ開口へ液体燃料が流入する恐れがある。もし液体燃料がキャニスタにまで流入すると、活性炭への吸着により通常の気化燃料の吸着作用が阻害されてしまう。
【0004】
そこで従来より、エバポ開口にはカットオフバルブが設けられている。このカットオフバルブとしては、後述するようにフロート弁が多く用いられている。そして燃料液面が異常に上昇した時に、フロート弁が浮力によって浮き上がってエバポ開口を閉じることで、液体燃料がエバポ回路に流入するのが阻止される。
【0005】
また燃料タンクには、給油時に満タンとなったことを検知するための満タン検知手段が設けられている。この満タン検知手段としては、後述するようにフロート弁からなるものが多く用いられ、フロート弁が燃料タンクの開口を閉じることで燃料タンクの内圧を高めて給油ガンをオートストップさせるものである。
【0006】
例えば特開平11−229984号公報には、給油時に多量に発生する燃料蒸気を含んだガスをキャニスタに流すためのシャットオフバルブと、非給油時に燃料蒸気を含んだガスをキャニスタに流すカットオフバルブとを備えた装置が記載されている。この燃料流出規制装置によれば、給油時のシャットオフバルブと給油時以外のカットオフバルブとを1個のハウジング内に収めるものであるので、部品数及びシール箇所を少なくすることができるという利点がある。
【0007】
ところが上記装置においては、フロート弁と連絡通路がそれぞれ並列に二つあり、それぞれが正確に作動するように設計するのが難しいという問題がある。またフロート弁も二つ必要となって部品点数が多いために、コストが高いという不具合もあった。そして径が大きくなるため、配置スペースの制約が大きいという問題もある。
【0008】
さらに形状や容量が異なる燃料タンクにこの装置を用いる場合には、ハウジング及びフロートの形状を変えて多種類製造する必要があり、その工数が多大となるという不具合がある。
【0009】
そこで特開平08−105571号公報には、図5に示すように、一つのケース 100内に一つのフロート弁 200を配置し、ケース 100の下部に開口面積の大きな孔 101を、上部に開口面積の小さい孔 102を形成した燃料流出規制装置が開示されている。
【0010】
この制御弁によれば、燃料注入時、燃料液面の上昇とともに、燃料タンク 300内のガスはケース 100の下端開口 109と、開口面積の大きい孔 101、小さい孔 102とを通り、間隙 103を経て、開口部 104から液溜まり部 105、開放状態にある差圧弁 106、間隙 107、キャニスタ等が連結されたパイプ部 108へと排出される。その後、開口面積の大きい孔 101が液面下になると、燃料タンク 300内のガスは開口面積の小さい孔 102を介して排出されるようになるが、開口面積の小さい孔 102のみではガスの排出量が少なくなり、燃料タンク 300の内圧が上昇して給油ガン自動ストッパ機構が作動する。
【0011】
その後は、開口面積の小さい孔 102を介して排出されるガスの量に応じて、注入速度を緩めて追加給油(以下、過給油という)することで、燃料液面を満タン液面高さL2に合わせることが可能となる。また、燃料液面が満タン液面高さL2を越える場合には、燃料注入時に燃料タンク 300内のガスを排出する開口部 104は、フロート弁 200によって塞がれるため、開口部 104に連通されたパイプ部 108への燃料の侵入を防止できる。
【0012】
【特許文献1】特開平11−229984号
【特許文献2】特開平08−105571号
【特許文献3】特開平02−112658号
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
特開平08−105571号公報に記載の燃料流出規制装置では、給油ガン自動ストッパ機構が作動した後に、燃料タンク 300内のガスが開口面積の小さい孔 102からパイプ部 108へと排出されることで、燃料タンク 300の気相の圧力が低下する。これによりフィラーパイプ内の液面が低下し、燃料の過給油が可能となる。
【0014】
しかし燃料の過給油によって気相の圧力が上昇しても、開口面積の小さい孔 102から再びガスが排出されて圧力が低下する。これによりフィラーパイプ内の液面が下降するため、過給油を何度でも行うことができるが、何らかの異常によってフロート弁 200の上昇が阻害された場合には、規定の満タン給油量を越えてしまう場合がある。
【0015】
また給油時には発生する燃料蒸気量が多く、気相の圧力が急激に高まる場合がある。そのような場合には、開口面積の小さい孔 102からのガスの排出量が追いつかず、フィラーパイプ内に燃料が吹き返して給油が困難となる場合もあった。
【0016】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、過給油を繰り返し行うことを規制できる燃料流出規制装置とすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の燃料タンクの燃料流出規制装置の特徴は、燃料タンクの上部に固定されキャニスタへ連通する連通開口をもつハウジングと、ハウジングに連通してハウジングから下方へ燃料タンク内に延び下端で開口する一つの筒体と、ハウジングに設けられ燃料タンクの気相の圧力に応じてハウジング内と燃料タンクの気相との連通を開閉するリリーフ弁と、よりなり、
燃料タンク内の燃料液面が筒体の下端開口に到達したときに燃料タンクの気相の圧力が第1所定値に上昇することで燃料が満タンであることを検知し、リリーフ弁は燃料タンクの気相の圧力が第1所定値を越えた第2所定値に上昇したときに開弁することにある。
【0018】
ハウジング内には、液体燃料に浮いて燃料液面の上下動により上下動することで連通開口を開閉する一つのフロート弁が収納され、燃料液面が異常に上昇した時にフロート弁が連通開口を閉じるように構成することが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料タンクの燃料流出規制装置では、ハウジング内と燃料タンク内部とが筒体及びリリーフ弁を介して連通している。以下、本発明の燃料流出規制装置の作用を説明する。
【0020】
先ず、燃料タンク内の燃料が少ない状態でフィラーパイプから給油が開始されると、液体燃料の液面は燃料タンクの底から徐々に高くなる。それにつれて燃料タンクの気相の容積が小さくなるが、気相のガスは筒体からハウジングを通って連通開口からキャニスタへ流れるため気相の圧力が高まることはなく、給油が円滑に行われる。
【0021】
給油が続行され液面の高さが筒体の先端位置となると、ガスは逃げ場を失い気相の圧力が上昇する。そして気相の圧力が第1所定値となると、給油ガン自動ストッパ機構が作動し給油が自動停止される。
【0022】
その後、一般には、フィラーパイプ内に液体燃料が上昇するまで過給油が行われる。このとき、リリーフ弁は燃料タンクの気相の圧力が第1所定値を越えた第2所定値に上昇したときに開弁するように構成され、例えば第2所定値を規定満タン時の気相の圧力P1と、燃料タンク内の液面高さとフィラーパイプ内の液面の高さの差(H)に相当する圧力P2との和(P1+P2)以上に設定しておけば、フィラーパイプ内の液面が上昇することによってそれ以上過給油することが困難となる。したがって過給油なしで必ず規定満タン状態とすることができ、過給油を複数回行うことがない。
【0023】
また温度の上昇などによって燃料タンク内の気相の圧力が異常に高くなり第2所定値を越えた場合には、リリーフ弁が開き、リリーフ弁を介して気相とハウジング及びキャニスタが連通する。これにより気相の圧力を低下させることができ、また給油時の吹き返しを防止できるので、安全性が確保される。
【0024】
ハウジングは燃料タンクと一体としてもよいし別体としてもよい。また燃料タンク内の気相部分に配置してもよいし、燃料タンクの上壁を貫通するように設けることもできる。さらにハウジングと燃料タンクの固定方法は、溶着、ボルトによる締結、燃料タンクとの一体成形など、特に制限されない。キャニスタへ連通する連通開口の位置は、一般にはハウジングの最上部である。
【0025】
筒体の長さは、下端開口の位置がその燃料タンクの規定満タン時の燃料液面の位置となるようにすることが望ましい。したがって燃料タンクの容量及び形状によってその長さが種々異なるが、本発明の場合には筒体の長さを調整するだけで満タン検知が可能である。したがって筒体を予め最大長さに形成しておけば、車種などに応じて筒体を所望の長さに切断するだけで満タン液面位置を規定できるので、燃料タンクに応じて種々の燃料流出規制装置を製造する必要が無く、工数を大幅に低減することができる。また筒体をハウジングと別体に形成しておき、所望の長さの筒体のみを複数種類用意しておくこともできる。
【0026】
筒体は、ハウジングの下部に固定してもよいし、筒体の上端部がハウジングの周壁を兼ねることもできる。この筒体は、少なくとも下端開口の径をハウジングより小径とすることが望ましい。これにより給油時に燃料液面が波立った場合でも、満タン検知を正確に行うことができる。
【0027】
リリーフ弁は、燃料タンクの気相の圧力に応じてハウジング内と燃料タンクの気相との連通を開閉するものであり、スプリング、板バネあるいはそれ自身の重量や弾性などによる付勢力で閉弁状態を維持するものが好ましい。この付勢力によって気相の圧力が第2所定値未満の場合には閉弁状態が維持され、第2所定値以上となったときに開弁することができる。
【0028】
ハウジング内には、液体燃料に浮いて燃料液面の上下動により上下動することで連通開口を開閉する一つのフロート弁が収納されていることが望ましい。このフロート弁はカットオフバルブとして機能し、キャニスタへ液体燃料が流出するのを防止することができる。
【0029】
フロート弁は従来と同様の材質、同様の形状のものを用いることができる。またフロート弁の見かけ比重と液体燃料の比重との差のみで浮揚する構成としてもよいし、スプリングなどの付勢手段の付勢力を浮力の補助として用いることもできる。
【0030】
フロート弁は、例えば特開平02−112658号公報に記載されているように、上下方向に移動可能にフロート弁に保持された内部シール部材をもつ二重シール構造とすることが望ましい。このような構造とすれば、フロート弁がキャニスタへの連通開口に密着して液面が下がってもフロート弁が下降しなくなるような不具合が防止でき、燃料液面が激しく波立った場合におけるフロート弁の動的シール性が向上するため、カットオフバルブとしての作用がより効果的に奏される。
【0031】
ハウジング内で、フロート弁の外周には、上部に開口する筒部が形成されていることが望ましい。このような筒部を形成することにより、ハウジングの小径の貫通孔から侵入した液体燃料が筒部に当接して流れが規制されることで、キャニスタへの連通開口へ侵入するのをさらに防止することができ、液体燃料の流出を一層規制することができる。この筒部の高さは、平常時に下降して着座しているフロート弁の上面の高さ以上とすることが好ましい。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0033】
(実施例1)
図1に本発明の一実施例の燃料流出規制装置の断面図を示す。この燃料流出規制装置は、自動車の樹脂製のガソリンタンクの上面に形成された開口部の上部に溶着固定されるカバー1と、カバー1の下面に溶着固定された筒体2と、筒体2内に嵌合及び溶着保持されたアッパケース3と、アッパケース3に嵌合保持され筒体2内に配置されたロアケース4と、アッパケース3及びロアケース4内に上下動自在に配置されたダブルフロート弁5と、ロアケース4に保持固定されたリリーフ弁6と、から主として構成されている。
【0034】
カバー1はポリエチレン樹脂とポリアミド樹脂から2色射出成形によって形成され、外側のポリエチレン樹脂層がガソリンタンクの表面に溶着されて固定される。またカバー1には、キャニスタに連通するチューブが挿通されるニップル10がガソリンタンクの上面と平行に突出する。またカバー1内には、湯飲み茶碗を逆さにした形状のアッパケース3が配置されている。
【0035】
筒体2はポリアミド樹脂から射出成形によって形成され、大径部20と小径部21とからなる二段構造となっている。大径部20の端面がカバー1の下面に溶着固定されてハウジングを構成している。また小径部21は、ガソリンタンクの内部に向かってほぼ鉛直に延びて、下端の開口端がガソリンタンクの規定満タン時の燃料液面の位置となる長さに形成されている。
【0036】
筒体2の大径部20には、アッパケース3の下端開口に嵌合固定されたロアケース4が保持されている。アッパケース3は下端が筒体2の上端に当接して溶着され、外周面がシールリング30を介してカバー1に気密に当接することで保持固定されている。またアッパケース3の最上部にはカバー1へ連通するエバポ開口31が形成され、エバポ開口31の周囲には上方へ向かって立設された筒状の液溜め部32が形成されている。このアッパーケース3と筒体2の大径部20とで本発明にいうハウジングが構成されている。
【0037】
ロアケース4は、座板40と、座板40から上方へ延びる筒部41とからなる略有底筒状をなし、筒部41の上端がアッパケース3に嵌合固定されている。座板40及び筒部41には、表裏を貫通する複数の貫通孔42が形成されている。また座板40の中央には、突起43が上方に向かって突出形成されている。
【0038】
筒部41内には、ダブルフロート弁5が座板40に載置された状態で収容されている。ダブルフロート弁5は、ロアフロート50と、アッパフロート51とから構成されている。ロアフロート50は、一端が突起43に保持されたスプリング44を介して筒部41内に収容されている。その側周面には上下方向に延びるリブ52が複数個形成され、リブ52が筒部41の内周面に当接して案内されながら筒部41内を上下動可能に構成されている。またロアフロート50の上部にはシール突起53が形成されている。そしてロアフロート50の上部には、有底筒状のアッパフロート51が上下方向に相対移動可能に保持され、アッパフロート51の中央に設けられた貫通する弁孔54がシール突起53に対向している。
【0039】
アッパフロート51は、底部を上にした形状でロアフロート50に保持されている。ロアフロート50の外周面には複数の係合溝55が形成され、アッパフロート51の開口端部に形成された爪部56が係合溝55に係合している。係合溝55は爪部56より長く形成され、アッパフロート51はロアフロート50に対して上下方向に僅かに相対移動可能となっている。そしてロアフロート50とアッパフロート51とが互いに近接する方向に相対移動した時に、ロアフロート50のシール突起53が弁孔54を塞いでシールするように構成されている。
【0040】
アッパフロート51の上面には、ゴム製の弁体57が嵌合固定されている。そしてロアフロート50の上昇に伴ってアッパフロート51が上昇した時に、弁体57がエバポ開口31の下端面に当接してシールするように構成されている。
【0041】
このロアフロート50及びアッパフロート51はPOM樹脂から形成され、その形状及びスプリング44の付勢力により見かけ比重がガソリンより小さくなって液体ガソリンに浮くように構成されている。スプリング44は、ロアフロート50の下端部と座板40との間で挟持されることで付勢力が蓄えられた状態で保持されている。しかしその付勢力は、ロアフロート50,アッパフロート51及び弁体57の合計重さより小さいものであり、大気中及びガソリン蒸気中ではロアフロート50は重力によりスプリング44を押圧して、ロアフロート50の下端面がロアケース4の座板40に当接している。
【0042】
リリーフ弁6は、図2に拡大して示すように、略L字状に曲折した筒体60と、筒体60内に配置されたボール61とを備えている。筒体60の一端には爪部62が形成され、爪部62から僅かに離間した位置の外周表面にはリング状のフランジ63が形成されている。そして爪部62が筒体2の大径部20の上部に形成された取付穴22に外側から嵌合され、フランジ63と大径部20の外周表面との間にOリング64が挟持されることで、リリーフ弁6が筒体2に保持固定されている。なおOリング64に代えて、リリーフ弁6を大径部20に気密に溶着してもよい。
【0043】
またL字状に曲折し下方へ向かう筒体60の他端には、貫通孔65をもつリリーフプレート66が溶着固定され、筒体60の内部にはリリーフプレート66に着座するボール61と、ボール61をリリーフプレート66に向かって下方へ押圧付勢するスプリング67が配置されている。
【0044】
上記のように構成された本実施例の燃料流出規制装置の作用を、図3を参照しながら説明する。
【0045】
先ず、タンク 300内の燃料が少ない状態でフィラーパイプ 301から給油が開始されると、液体燃料の液面はタンク 300の底から徐々に高くなる。それにつれてタンク 300の気相の容積が小さくなるが、気相のガスは筒体2からアッパーケース3のエバポ開口31を通ってキャニスタへ流れるため、気相の圧力が高まることはなく給油が円滑に行われる。
【0046】
給油時には、筒体2の内部には高速の気流が発生しているため、液面の高さが筒体2の下端開口位置となると、筒体2内の圧力がタンク 300内の気相の圧力より低くなり、筒体2内に液体ガソリンが進入してダブルフロート弁5を浮き上がらせてエバポ開口31が閉じられる。ここで、その時点におけるタンク 300内の気相の圧力(第1所定値)をAとし、リリーフ弁6のスプリング67の付勢力とボール61の重力との合計値をBとしたとき、A<Bとなるように設定しておく。例えばAが3〜4kPa である場合には、Bを5〜6kPaとなるように設定する。Aは給油ガン自動ストッパ機構が作動する圧力でもある。そしてエバポ開口31が閉じられ、リリーフ弁6が閉状態であるので、タンク 300内の気相の圧力が上昇してAとなると給油ガン自動ストッパ機構が作動し、給油が自動停止される。
【0047】
その後過給油が行われると、ガスの逃げ場が無いためタンク 300内の気相の圧力が一気に上昇し、図3に示すようにフィラーパイプ 301内の液面が上昇する。その時点で規定満タン状態となり、またフィラーパイプ 301内の液面が上昇しているので、過給油の続行が困難となり規定満タン状態を超えて給油されるのが確実に防止される。
【0048】
規定満タン状態で走行中の場合などに、タンク 300内の気相の圧力が異常に大きくなりB値を超えた場合には、リリーフ弁6が開弁する。するとロアケース4の気相の圧力がタンク 300内の気相の圧力と同一となることで、筒体2内の液面が低下してダブルフロート弁5が下降し、エバポ開口31が開く。これによりタンク 300内の気相の圧力が低下する。
【0049】
一方、初期給油時には大量のガソリン蒸気が発生し、筒体2からロアケース4の貫通孔42を通過するガス流速がきわめて大きくなる。しかし貫通孔42は十分な開口面積を有しているので、ガスは貫通孔42を通じてエバポ開口31から排出される。このように流路が屈折しているが、気体はその通気抵抗及び圧損が流路の断面積によって決定される。したがって貫通孔42の開口面積を十分に確保しておけば、流路の屈折は大きな抵抗や圧損とはならず、ガスによってダブルフロート弁5が浮き上がるような不具合が防止され、満タンに満たないのに給油ガン自動ストッパ機構が作動するような不具合が防止されている。
【0050】
また液面が波立ったりして筒体2内にガソリンが侵入した場合には、ダブルフロート弁5が浮き上がってエバポ開口31を閉じる。これによりカットオフ作用が奏され、キャニスタに液体燃料が流出するのを防止することができる。
【0051】
またダブルフロート弁5がエバポ開口31を開いている時点で、給油時に燃料蒸気が多量に発生したり、温度の上昇などによってタンク 300内の気相の圧力が異常に高くなって上記B値を越えた場合には、リリーフ弁6が開き、リリーフ弁6を介してタンク 300の気相部と筒体2及びキャニスタが連通する。これにより気相の圧力を低下させることができ、また給油時の吹き返しを防止できるので、安全性が確保される。
【0052】
一方、凹凸の大きな道路を走行した場合、あるいはカーブを走行した場合などには、ガソリン液面が大きく波立つため、静置状態でダブルフロート弁5が浮き上がる位置より下方に液面が位置していたとしても、筒体2の下端開口から液体ガソリンがハウジング内に進入する場合がある。しかし本実施例の装置では、貫通孔42を通過した液体ガソリンによってダブルフロート弁5が浮き上がり、弁体57がエバポ開口31を塞ぐので、カットオフ作用が奏される。
【0053】
さらに弁体57がエバポ開口31に密着した状態となっても、液面が下降すればロアフロート50が下降してアッパフロート51とロアフロート50とが離れ、シール突起53が弁孔54から離れることにより、ハウジング内側とキャニスタに連通するニップル10側との圧力が等しくなり、弁体57がエバポ開口31から容易に離れるため、ガソリン液面が大きく波立った場合の応答性が高く動的シール性に優れている。
【0054】
なお、本実施例ではスプリング67で付勢されたボール弁構造のリリーフ弁6を用いたが、ボール61の自重のみでリリーフプレート66を閉じるように構成してもよい。また、図4に示すようなバルブ構造のリリーフ弁7を用いることもできる。このリリーフ弁7は、筒体2の大径部20の内部に配置される傘部70と、傘部70から大径部20の側壁に設けられた貫通孔22を貫通する軸部71と、軸部71の先端に形成された座部72とからなり、大径部20の外面と座部72との間にはスプリング73が配置されている。スプリング73には圧縮応力が蓄えられ、座部72を大径部20の外面から離れる方向へ、つまり傘部70を大径部20の内面に押圧する方向へ付勢している。また大径部20には、傘部70の当接する範囲内に複数の貫通孔23が設けられている。
【0055】
このリリーフ弁7を用いた燃料流出規制装置によれば、スプリング73の付勢力を適切に設計することで、リリーフ弁6と同様に過給油しなくとも規定満タン状態とすることができる。またタンク 300の気相の圧力が異常に高まり、その圧力がスプリング73の付勢力より大きくなると、傘部70が大径部20から離れ、タンク 300内のガスが貫通孔23を通って大径部20内部に流入してキャニスタに流出する。したがってタンク 300の気相の圧力を低下させることができる。
【0056】
なおリリーフ弁7において、少なくとも傘部70をゴムなどの弾性体から形成すれば、弾性変形で貫通孔23を開閉できるので、スプリング73を不要とすることができる。
【0057】
【発明の効果】
すなわち本発明の燃料タンクの燃料流出規制装置によれば、規定の満タン給油量を越えて過給油されることを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の燃料流出規制装置の断面図である。
【図2】本発明の一実施例の燃料流出規制装置の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施例の燃料流出規制装置の満タン時の状態を示す模式的な説明図である。
【図4】本発明の一実施例の燃料流出規制装置に用いたリリーフ弁の他の態様を示す断面図である。
【図5】従来の燃料流出規制装置の断面図である。
【符号の説明】
1:カバー 2:筒体 3:アッパケース
4:ロアケース 5:ダブルフロート弁 6:リリーフ弁

Claims (2)

  1. 燃料タンクの上部に固定されキャニスタへ連通する連通開口をもつハウジングと、該ハウジングに連通して該ハウジングから下方へ該燃料タンク内に延び下端で開口する一つの筒体と、該ハウジングに設けられ該燃料タンクの気相の圧力に応じて該ハウジング内と該燃料タンクの気相との連通を開閉するリリーフ弁と、を含み、
    該燃料タンク内の燃料液面が該筒体の下端開口に到達したときに該燃料タンクの気相の圧力が第1所定値に上昇することで燃料が満タンであることを検知し、該リリーフ弁は該燃料タンクの気相の圧力が該第1所定値を越えた第2所定値に上昇したときに開弁することを特徴とする燃料タンクの燃料流出規制装置。
  2. 前記ハウジング内には、液体燃料に浮いて燃料液面の上下動により上下動することで前記連通開口を開閉する一つのフロート弁が収納され、燃料液面が異常に上昇した時に該フロート弁が前記連通開口を閉じる請求項1に記載の燃料タンクの燃料流出規制装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107606178A (zh) * 2017-09-28 2018-01-19 江苏奥力威传感高科股份有限公司 一种加油控制阀

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