JP2004300118A - 4,5−ジ置換カルボニルイミダゾールの製造方法 - Google Patents

4,5−ジ置換カルボニルイミダゾールの製造方法 Download PDF

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益司 元木
Takayuki Ito
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Abstract

【課題】医農薬などの機能性化合物の中間体、原料として有用である、一般式(I)で表される4,5−ジ置換カルボニルイミダゾールを、安価かつ安全に合成できる製造方法を提供すること。
【解決手段】一般式(II)で表される4,5−ジ置換カルボニルオキサゾールを、ギ酸とアンモニウム塩と反応させることを特徴とする一般式(I)で表される4,5−ジ置換カルボニルイミダゾールの製造方法。
【化1】
Figure 2004300118

一般式(I)中、R及びRは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。R及びRは、それぞれ同じでも、異なっていてもよい。一般式(II)中、R及びRは一般式(I)中のR及びRと同義である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医農薬、写真用カプラーなどの機能性化合物の中間体、原料として有用である4,5−ジ置換カルボニルイミダゾールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールは、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸を酸性条件下、アルコールと作用させてエステル化することによって合成する例が数多く報告されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方法は反応時間が長く、また酸及びアルコールを大過剰に使わなければならないということから効率的な合成法とはいえない。また、その原料である、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸は、ジアミノマレオニトリルとオルトギ酸エステルを反応させて4,5−ジシアノイミダゾールを合成し(例えば、特許文献1参照)、得られた4,5−ジシアノイミダゾールを加水分解することで合成する例が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、この合成方法は、(1)原料のジアミノマレオニトリルは分解すると強い毒性のある青酸を発生する、(2)4,5−ジシアノイミダゾールは炎症性のある物質である、ということから、安全性に関して大きな問題点を有している。
【0003】
また、イミダゾールをホルムアルデヒドと反応させてオリゴヒドロキシメチルイミダゾールを合成した後、硝酸酸化によりイミダゾール−4,5−ジカルボン酸を合成する例が報告されている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、この反応は環境及び安全性に問題があり、またオリゴヒドロキシメチルイミダゾールを酸化する際、大量の濃硝酸中で加熱して反応を行うため、反応条件が激しすぎるという問題点がある。また、ベンゾイミダゾールを酸化剤を用いて酸化し、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸を合成する例が報告されている(例えば非特許文献3参照)。しかしながら、この酸化法は酸化剤にクロムやマンガンといった重金属を用いるため、環境問題に適応していないという問題点を有している。また、酒石酸を濃硝酸でニトロエステル化した後、ホルムアルデヒドと反応させてイミダゾール−4,5−ジカルボン酸を合成するという方法がある(例えば非特許文献4参照)。しかしながら、その反応の中間体である酒石酸のニトロエステル体が爆発性の可能性がある物質であるため、安全性に大きな問題点がある。
【0004】
4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールを合成するその他の報告例としては、ジオキソこはく酸ジエチルを酢酸溶媒中で、ヘキサメチレンテトラミン及び酢酸アンモニウムと反応させて4,5−ジエトキシカルボニルイミダゾールを合成する例が報告されている(例えば、非特許文献5参照。)。しかしながらその収率は低く、さらにヘキサメチレンテトラミンと酢酸アンモニウムを大過剰に使用するため、効率的な合成法としては満足のいくものではなかった。さらに、シュウ酸ジエチルとN−ホルミルグリシン エチルエステルをナトリウム エトキシド存在下でクライゼン縮合させ、塩酸を作用させた後、チオシアン酸カリウムと反応させて2−メルカプト−イミダゾール−4,5−ジカルボン酸ジエチルを合成し、その後、その化合物を硝酸で処理することにより、4,5−ジエトキシカルボニルイミダゾールを合成する例が報告されている(例えば、非特許文献6参照。)。しかしながら、反応工程数が多いということから効率的な合成法とはいえなかった。
4−エチル−5−フェニル−オキサゾールをホルムアミドと反応させることにより、4−エチル−5−フェニル−イミダゾールを合成する方法が報告されている(例えば、非特許文献7参照。)。しかしながら、この方法を適用した4,5−ジアルコキシカルボニルオキサゾールの合成の報告例はなかった。また、この文献に記載の方法で4,5−ジメトキシカルボニルオキサゾールとホルムアミドとの反応に適用すると目的の4,5−ジメトキシカルボニルイミダゾールは全く得られなかった。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第2,534,331
【特許文献2】
特開昭59−137465号公報
【非特許文献1】
ジャーナル・オブ・ジ・ケミカル・ソサエティ(Journal of the Chemical Society) ,1999,64,6575.
【非特許文献2】
ジャーナル・オブ・ジ・ケミカル・ソサエティ・ダルトン・トランスアクションズ(Journal of the Chemical Society Dalton Transactions),1987.3003.
【非特許文献3】
ロシアン・ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー(Russian Journal of Physical Chemistry Engl. Transl.),1992,66,463.
【非特許文献4】
オーガニック・シンセシス(Organic Syntheses),22,65.
【非特許文献5】
アナレス・デ・ラ・レアル・ソスィエダ・エスパニョラ・デ・フィシカ・イ・キミカ・セリエ・ベー、キミカ(Anales de la Real Sociedad Espanola de Fisica y Quimica.Serie B,Quimica),1953,49,599.
【非特許文献6】
ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(Journal of the American Chemical Society),1952,74,1084.
【非特許文献7】
ケミシェ・ベリヒテ(Chemische Berichte),93,1960,723−736
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、前記従来技術における問題を解決し、医農薬などの機能性化合物の中間体、原料として有用である、一般式(I)で表される4,5−ジ置換カルボニルイミダゾールを、安価かつ安全に合成できる製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は以下の一般式(I)で表される4,5−ジ置換カルボニルイミダゾールの製造方法によって達成された。
1.一般式(II)で表される4,5−ジアルコキシカルボニルオキサゾールを、ギ酸とアンモニウム塩と反応させることを特徴とする一般式(I)で表される4,5−ジ置換カルボニルイミダゾールの製造方法。
【0008】
【化3】
Figure 2004300118
【0009】
一般式(I)中、R及びRは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。R及びRは、それぞれ同じでも、異なっていてもよい。
【0010】
【化4】
Figure 2004300118
【0011】
一般式(II)中、R及びRは一般式(I)中のR及びRと同義である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
【0013】
以下に本発明の一般式(I)で表される化合物について詳しく述べる。
一般式(I)中、R及びRは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。R及びRは、それぞれ同じでも、異なっていてもよい。
及びRで表されるアルキル基には、直鎖または分岐の、置換基を有するアルキル基及び無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基には、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が1〜50のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素原子1〜30のアルキル基が好ましい。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが含まれる。
【0014】
これらアルキル基が有しても良い置換基の例には、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、2−クロロエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜10の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基で、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、トリシクロアルキル基、
【0015】
アルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基で、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)、トリシクロアルケニル基、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
【0016】
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
【0017】
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、
【0018】
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、炭素数0〜30のヘテロ環アミノ基であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、N−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基であり、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、メルカプト基、
【0019】
アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基で、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基で、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基で、ヘテロ環部は前述のヘテロ環基で説明されたヘテロ環部が好ましく、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、が挙げられる。
【0020】
及びRで表されるシクロアルキル基には、置換基を有するシクロアルキル基及び無置換のシクロアルキル基が含まれる。前記シクロアルキル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基が好ましい。シクロアルキル基の例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが含まれる。これらシクロアルキル基が有しても良い置換基の例は、前記アルキル基の置換基の例として挙げたものがあげられる。
【0021】
及びRで表されるアルケニル基には、置換基を有するアルケニル基及び無置換のアルケニル基が含まれる。前記アルケニル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が2〜30のアルケニル基が好ましい。アルケニル基の例には、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイルなどが含まれる。これらアルケニル基が有しても良い置換基の例には、前記アルキル基の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0022】
及びRで表されるアルキニル基には、置換基を有するアルキニル基及び無置換のアルキニル基が含まれる。置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が2〜30のアルキニル基が好ましい。アルキニル基の例には、エチニル、プロパルギルなどが含まれる。これらアルキニル基が有しても良い置換基の例には、前記アルキル基の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0023】
及びRで表されるアリール基には、置換基を有するアリール基及び無置換のアリール基が含まれる。アリール基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。アリール基の例には、フェニル、p−トリル、ナフチルなどが含まれる。これらアリール基が有しても良い置換基の例には、前記アルキル基の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
【0024】
一般式(II)中、R及びRは一般式(I)中のR及びRと同義である。
【0025】
以下、一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、下記の例に限定されるものではない。
【0026】
【化5】
Figure 2004300118
【0027】
以下、一般式(II)で表される化合物の具体例を示すが、下記の例に限定されるものではない。
【0028】
【化6】
Figure 2004300118
【0029】
次に本発明による一般式(I)の化合物の合成法について詳細に説明する。
本発明の合成法は、一般式(II)で表される化合物を、ギ酸とアンモニウム塩と反応させることを特徴としている。ここで用いられる有機溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレンなど)、酢酸エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、脂肪族カルボン酸類(例えば、ギ酸、酢酸など)、ジメチルスルホキシド、アルコール類(例えば、メタノール、イソプロパノールなど)などを挙げることができるが、好ましくは芳香族炭化水素類及びカルボン酸類である。
【0030】
本反応で用いる反応溶媒は、原料となる一般式(II)で表される化合物の質量で0.1倍〜15倍用いるのが好ましく、1倍〜10倍用いるのがさらに好ましい。
【0031】
ギ酸は、上記でも述べたように、反応基質として上記溶媒と混合して用いる以外に、ギ酸のみを溶媒として用いることもできる。ギ酸は、原料となる一般式(II)で表される化合物のモル数で1倍〜100倍用いるのが好ましく、5倍〜50倍用いるのがさらに好ましい。
【0032】
本反応に用いるアンモニウム塩は、例えば、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、トリフルオロ酢酸アンモニウム、トリクロロ酢酸アンモニウム、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム及び沃化アンモニウムなどを挙げることができるが、好ましくはギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムであり、更に好ましくは硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムである。
本反応で用いるアンモニウム塩は、原料となる一般式(II)で表される化合物のモル数で2〜30倍が好ましく、より好ましくは5倍〜20倍であり、反応基質により選択される。
一般式(II)の4,5−ジアルコキシカルボニルオキサゾール、ギ酸、アンモニウム塩の添加順序としては、ギ酸を溶媒として用いる場合は、4,5−ジアルコキシカルボニルオキサゾールにギ酸を添加して4,5−ジアルコキシカルボニルオキサゾールを溶解させた後にアンモニア塩を添加するか、もしくは4,5−ジアルコキシカルボニルオキサゾールとアンモニウム塩の混合物にギ酸を添加してもよい。ギ酸を溶媒として用いない場合は、4,5−ジアルコキシカルボニルオキサゾールを有機溶媒に溶解させた後、順次ギ酸とアンモニウム塩を添加するのが好ましい。それぞれの添加方法における添加速度は速くてもゆっくりでもよい。
【0033】
本反応における反応温度は、50℃〜140℃が好ましく、70℃〜120℃がより好ましい。反応終了は、NMR、HPLC、TLC、その他の方法によって確認することができる。
【0034】
通常、本反応に要する時間は、反応温度、アンモニア塩の種類や量、及び溶媒などに左右されるが、好ましくは1〜20時間であり、より好ましくは2〜10時間である。
【0035】
一般式(II)で表される化合物は、リービッヒ・アナレン・デ・ケミー(Liebigs Annalen der Chemie),1979.1370.およびケミシェ・ベリヒテ(Chemische Berichte),1964,97,1414.などに報告されている方法によって合成することができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例1)
化合物(II−1)3g(16.2mmol)、硫酸アンモニウム21.4g(0.162mol)にギ酸30mlを加え、内温100℃で4時間加熱した。反応溶液を放冷後、反応溶液を濃縮し、水30mlを添加し水酸化ナトリウム水溶液でpHを5.9に調整して結晶を析出させた。結晶を濾集して、目的の化合物(I−1)を1.70g(9.13mmol、収率56.4%)得た。H NMR(300MHz、DMSO)δ3.80(6H、s)、7.88(1H、s)、13,55(1H、bs)。m/Z(POSI)=185。
(実施例2)
化合物(II−1)5g(27.0mmol)、塩化アンモニウム21.7g(0.406mol)にギ酸70mlを加え、内温100℃で5時間加熱した。この時、化合物(I−1)の生成率は55%であった。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、医農薬、写真用カプラーなどの機能性化合物の中間体、原料として有用である、4,5−ジアルコキシカルボニルイミダゾールを安全かつ安価に製造できる方法を提供できる。

Claims (1)

  1. 一般式(II)で表される4,5−ジ置換カルボニルオキサゾールを、ギ酸とアンモニウム塩と反応させることを特徴とする一般式(I)で表される4,5−ジ置換カルボニルイミダゾールの製造方法。
    Figure 2004300118
    一般式(I)中、R及びRは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表す。R及びRは、それぞれ同じでも、異なっていてもよい。
    Figure 2004300118
    一般式(II)中、R及びRは一般式(I)中のR及びRと同義である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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