JP2004299576A - 自動車フロアマット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車輌フロア材に対して従来品よりも滑り防止機能に優れ、マットの置敷安定性が良好で、安全運転に支障をきたさないフロアマットを得る。
【解決手段】自動車の室内において車輌フロア材上に設置される自動車フロアマット1を提供する。自動車フロアマット1はゴム成型体3を備え、前記ゴム成型体が発泡体であり、前記発泡体の前記車輌フロア材に接する面に発泡剤により発泡させて形成した微細な凹凸形状3aと、多数の独立した滑り止め突起3bを有する。ゴム発泡成型体3の微細な凹凸形状3aによる車輌フロア材とのなじみ及び摩擦抵抗の向上と、滑り止め突起3b等による車両フロア材に対するアンカー効果との相乗効果によって滑り防止機能が向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】自動車の室内において車輌フロア材上に設置される自動車フロアマット1を提供する。自動車フロアマット1はゴム成型体3を備え、前記ゴム成型体が発泡体であり、前記発泡体の前記車輌フロア材に接する面に発泡剤により発泡させて形成した微細な凹凸形状3aと、多数の独立した滑り止め突起3bを有する。ゴム発泡成型体3の微細な凹凸形状3aによる車輌フロア材とのなじみ及び摩擦抵抗の向上と、滑り止め突起3b等による車両フロア材に対するアンカー効果との相乗効果によって滑り防止機能が向上する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の室内において車輌フロア材の上に設置される自動車フロアマット及びその製造方法に関し、特に、車輌フロア材上の滑り防止効果に優れる自動車フロアマット及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来品(1)
表層カーペットの裏側に、ソリッド状のゴム又は熱可塑性エラストマーからなる裏ゴムシートを、各種の積層法又は積層成形法等によって積層及び成型し、フロアマットとするものがある。
【0003】
従来品(1)のフロアマットは、裏ゴムシートの裏全面に多数の滑り止め突起を有することができ、滑り止め用突起が車輌本体の床面フロア材の表面に立ち込んで、フロアマットの滑りが防止され、置敷安定性がよく、安全運転が確保される。
【0004】
図8は一例の従来品(1)の裏ゴムシートを示す一部拡大断面図である。フロアマット31は、カーペット32と、その裏面に設けられる所定の裏ゴムシート34を備える。カーペット32は起毛32a及び基布32bを有する。裏ゴムシート34は、ソリッド状のゴムからなり、滑り止め突起34aを有している。また、滑り止め突起34aの先には、車輌フロア材に設置した際のアンカー効果が高まるように、円柱状突起34bが備わっている。かかる従来品はプレスによる圧力成型によって成型することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公昭63−47611号公報明細書
【0006】
従来品(2)
カーペット裏面に低密度、多空隙の吸音材が貼着されている自動車用ピースマットが知られている(特許文献2参照)。この発明品は車室内を静粛化するピースマットであり、車室内の静粛化に悪影響を与えるということで、滑り防止用の突起は備わっていない。
【0007】
【特許文献2】
特開2001−47926号公報明細書
【0008】
従来品(3)
カーペットの裏面に機械発泡により泡立てた発泡体からなり、ワッフル状に凹凸を設けた裏面層を備えた自動車フロアマットが知られている(特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献3】
特開2003−40018号公報明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、図8に示すように、従来品(1)のフロアマットには、裏ゴムに多数の滑り止め突起を設けることができるが、ゴムがソリッドゴムであるため滑り止めの機能に対して効果があるのは、車輌フロア材に対する滑り止め突起のアンカー効果だけであり、このアンカー効果だけでは滑り止めの機能が不十分であることを見出した。
【0011】
なお、従来品(2)のフロアマットでは、滑り止め突起が備わっておらず、従来品(3)のフロアマットではワッフル状の凹凸であるため、滑り止め突起のアンカー効果がないか、不十分で、十分な滑り防止機能は期待できない。特に車輌フロア材がカットパイルカーペットの場合は滑り防止が充分でなかった。
【0012】
本発明の課題は、車輌フロア材に対して従来品よりも滑り防止機能に優れ、マットの置敷安定性が良好で、安全運転に支障をきたさないフロアマットを得ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ゴム成型体を備える、自動車の室内において車輌フロア材上に設置される自動車フロアマットであって、前記ゴム成型体が発泡剤により発泡した発泡体であり、前記ゴム成型体の前記車輌フロア材に接する面に、多数の独立した滑り止め突起が配置されている自動車フロアマットに係るものである。
【0014】
また、本発明は、表層材と前記表層材下のゴム成型体とからなり、自動車の室内において車輌フロア材上に設置される自動車フロアマットを得るにあたり、表層材と発泡剤により発泡可能な未加硫ゴムシートとを重ね合わせ、前記表層材の上側及び前記未加硫ゴムシートの下側からそれぞれを20〜120℃の温度の表層側加圧熱盤及び120〜180℃の温度の裏層側加圧熱盤によって、589kPa以下の積層面圧で加圧及び加熱し、前記未加硫ゴムシートを発泡及び加硫させてゴム成型体を成型し、表層材と一体化するとともに、前記未加硫ゴムシートの発泡及び加硫の膨張圧力によって、ゴム成型体の前記車輌フロア材に接する面に、多数の独立した滑り止め突起を成型することを特徴とする自動車フロアマットの製造方法、又は表層材と前記表層材下のゴム成型体とからなり、自動車の室内において車輌フロア材上に設置される自動車フロアマットを得るにあたり、表層材と発泡剤により発泡可能な未加硫ゴムシートとを重ね合わせ、前記表層材の上側及び前記未加硫ゴムシートの下側からそれぞれを20〜120℃の温度の表層側加圧熱盤及び120〜180℃の温度の裏層側加圧熱盤によって、589kPa以下の積層面圧で加圧及び加熱し、前記未加硫ゴムシートを発泡及び加硫させてゴム成型体を成型し、表層材と一体化した後、ゴム成型体の前記車輌フロア材に接する面に、多数の独立した滑り止め突起を成型することを特徴とする自動車フロアマットの製造方法に係るものである。
【0015】
本発明は、フロアマットの裏材で使用されるゴムを、ソリッド状のものから発泡剤により発泡して部分的な連続気泡構造の発泡体に変え、ゴム成型体の表面を微細な凹凸形状にしたことによって、滑り止め突起との相乗効果が生み出され、著しく高い滑り防止効果が得られるという知見に基づく。
【0016】
本発明によれば、所定のゴム発泡成型体の微細な凹凸形状が車輌フロア材に接し、ゴム発泡成型体と車輌フロア材とのなじみが高くなり、さらに滑り止め突起を設けていることにより、フロアマットの浮きやめくれ等の問題が解消され、優れた滑り防止効果を発揮する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施をする形態を説明する。
(1)自動車フロアマット
自動車の室内において、車輌フロア材上に設置されるフロアマットである。自動車フロアマットはゴム成型体からなることができる。また、自動車フロアマットは、表層材とその下のゴム成型体からなる裏材とからなることができる。車輌フロア材としては、特に制限されず、種々のものを用いることができる。
【0018】
(2)ゴム成型体
発泡剤により発泡した発泡体からなる。かかる発泡体は複数層からなることができる。発泡剤により発泡した発泡体であるため車輌フロア材と接する面に、微細な凹凸形状を有する。
【0019】
微細な凹凸形状とは、車輌フロア材と接する場合に、ゴム発泡体と車輌フロア材とのなじみに優れる形状である。また、かかる形状はさらに滑り止め突起等を設けた時に、フロアマットの浮きやめくれ等の問題を解消する形状である。
【0020】
かかる形状は、特に制限されず、平面、曲面、凹部、凸部等からなる群より選ばれる少なくとも1種の形状から形成することができる。代表的には、発泡剤により発泡した発泡体の気泡によって形成される凹部及び凸部からなる。
【0021】
ゴム発泡体は、特に制限されず、それ自体種々の形状を有することができる。代表的には、ゴムシートの形状である。複数層の積層体からなる場合、少なくとも車輌フロア材に接する層の面には、微細な凹凸を有する。
【0022】
発泡体に含まれる気泡の状態は、独立気泡及び連続気泡の少なくとも一方からなることができる。好ましくは、少なくとも一部で、連続気泡を含む。連続気泡によって車輌フロア面からの騒音を吸収することができ、遮音効果を高めることができる。
【0023】
ゴム発泡体は、発泡剤を含む発泡可能なゴム組成物から作製することができる。原料ゴムとしては、天然ゴム、合成ゴム、及び再生ゴムの何れをも用いることができ、ゴム組成物には、前述の原料ゴムに、発泡剤を含み、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、補強剤、充填材、軟化剤、発泡助剤やその他のゴム薬品剤を要求される機能に合わせて調合し混合することができる。
【0024】
(3)滑り止め突起
ゴム発泡体には、車輌フロア材と接する面に、多数の独立した滑り止め突起を配置している。滑り止め突起は、その基部に台座を有することができる。台座は、ゴム発泡化による強度低下を補い、滑り止め突起を支えるよう働く。前記滑り止め突起及び/又は台座は発泡剤により発泡した発泡体からなるのが好ましく、突起、台座ともに発泡剤により発泡した発泡体からなるのがより好ましい。
【0025】
滑り止め突起は、車輌フロア材の表皮に侵入しやすいように、突起の形状を円錐型に成型することができる。また、滑り止め突起にある程度の強度を確保するには、円錐台型が好ましい。滑り止め突起は、太いほど滑り抵抗値が上昇し、更に滑り止め突起自体の強度も向上するため、滑り止め突起の底面を大きくするのが好ましい。具体的には滑り止め突起の底面の長さ(最も長く採ることのできる長さ)を2〜5mmとするのが好ましく、2.5〜4mmとするのがより好ましい。
【0026】
(4)表層材
ゴム成型体上に積層することができるもので、複数層からなることができる。
これによって、フロアマットの外観や吸音性能等を改善することができる。特に制限されることなく、通常のカーペットからなることができる。
【0027】
(4−1)カーペット
カーペットは、天然繊維、及び合成繊維からなる少なくとも1種の繊維による物を用いて作成することができ、特に制限されない。また、種々の織物が用いられるが、合成繊維からなるタフテッドカーペット又はニードルパンチカーペットの裏面に薄く合成ゴムラテックス等によりバッキング処理されたものが、外観、機能、コスト面等より最も広く用いられる。
【0028】
(4−2)吸音材
特に、フロアマットの吸音性能を十分に発揮させるためには、表層材として吸音材を用いることができる。吸音材としては特に制限されるものではなく、不織布、フェルト、ウレタン発泡体等の何れをも用いることができる。尚、カーペットと吸音材とを併用しても良い。併用する場合には、カーペットとゴム成型体との間に吸音材を介在させるのが好ましい。
【0029】
(5)製造方法
フロアマットは、特に制限されることなく、種々の方法によって製造することができる。ゴム成型体のみからなるフロアマットは、発泡剤により発泡可能な未加硫ゴムシートを発泡と同時に成型して得ることができる。なお、滑り止め突起は、ゴムの発泡と同時にゴムを成型する際に同時に成型することができ、発泡体をその後に成型することによって、滑り止め突起を設けることもできる。
【0030】
ゴム発泡体を種々の積層方法によって所定の表層材と積層するか、又は発泡剤を含む発泡可能なゴムと表層材とを積層して、ゴムの発泡及び成型を同時に行い、一体化して、表層材付きのフロアマットとすることができる。この場合であっても、滑り止め突起は、ゴムの発泡と成型を行う際に同時に成型することができるし、ゴムの発泡と成型を行った後に成型することによって、滑り止め突起を設けることもできる。
【0031】
フロアマット成型用金型は、加硫成型用金型等の種々のゴム成型用金型を用いることができる。かかる成型用金型を備えることができれば、種々の成型用プレス機を用いることができる。
【0032】
加硫成型用金型の下金型には、ゴム発泡体の裏面に多数の滑り止め突起、及びその台座を成型させるための凹所を設けることができる。好ましくは、かかる下金型の凹所は、ゴムを加硫・発泡させた際、凹所に空気がたまらないように、また、ゴムの成型ができるように貫通してある。
【0033】
発泡剤を含む発泡可能な未加硫ゴムシートや、それと表層材との積層体の加圧及び加熱は、所定の発泡及び成型されたゴム成型体が得られれば、特に制限されるものではない。
【0034】
加熱によってゴムが加硫、発泡し膨張するが、微弱な加圧によりゴム成型用金型の方向へ膨張させ、この発泡膨張の圧力を利用してフロアマットの裏ゴムの滑り止め突起を同時に成型することができる。
【0035】
好ましくは、ゴム成型用の上金型と下金型との間に隙間調整用スペーサを入れ、この隙間を調整することにより、加圧を微弱な圧力に制御する。かかる場合、発泡剤を含む未加硫ゴムシートの発泡ができ、加圧によってゴム発泡体が成型でき、カーペットや吸音材等の表層材を同時接着一体化でき、そして表層材を圧縮しないようにすることができる。
【0036】
ゴムの発泡による裏ゴムシートの作製、カーペットや吸音材等の表層材と裏ゴムシートとの接着一体化、加硫成形、及び滑り止め突起の成型を同時に一体で行うのが好ましい。この製造方法により、カーペットの起毛や吸音性能等を損なうことなく、フロアマットを製造することができる。かかる方法は、次に詳細に説明するように、特公昭63−47611号明細書等に記載された方法を改良することで行うことができる。
【0037】
好ましくは、カーペットとゴム発泡体が密着されたフロアマットを得るにあたり、カーペットとその裏面に発泡剤を含む発泡可能な未加硫ゴムシートを重ね合わせて、これのカーペット表面側(上側)より20〜120℃の温度の表層側加圧熱盤と、未加硫ゴムシート裏側(下側)より120〜180℃の温度の裏層側加圧熱盤、又はこの加圧熱盤に取り付けた成型用金型により、589kPa以下の積層面圧で所要時間加圧及び加熱し、カーペットとゴム成型体との積層一体化、未加硫ゴムシートの発泡、加硫を同時一体で成型することに加え、未加硫ゴムシートの発泡及び加硫の膨張圧力で裏ゴムの滑り止め突起を同時に成型する。
【0038】
カーペットと未加硫ゴムシートとの積層体の加圧は、発泡剤を含む未加硫ゴムシートが発泡する際の膨張圧力のみでも可能である。なお、かかる方法において、カーペットの代わりに所定の吸音材等の表層材を用いても、或いはカーペットと吸音材との積層物からなる表層材を用いても、積層一体化、発泡、加硫を同時一体で成型することに加え、裏ゴムの滑り止め突起を同時に成型することができる。また、表層材とゴム成型体との積層一体化、未加硫ゴムシートの発泡、加硫を同時一体で成型した後に、別の工程で滑り止め突起を一対の金型等により成型することもできる。なお、カーペットと吸音材との積層物からなる表層材を用いる場合には、吸音材がカーペットと未加硫ゴムシートとの間に介在するように重ね合わせるのが好ましい。
【0039】
図面を参照して、本発明をより一層詳細に説明する。
図1は本発明の一例のフロアマットの一部拡大断面図である。図2は図1のフロアマットを裏側から見た平面図である。図3は図1のフロアマットの一部を拡大し裏側からみた斜視図である。図4は本発明で用いることができる一例の加硫プレス機の断面図である。
【0040】
図1〜3に示すように、本発明の一例のフロアマット1は、カーペット2とその裏面に設けられる所定の裏ゴムシート3とを備えている。カーペット2は起毛2a及び基布2bを有する。裏ゴムシート3は発泡剤により発泡された一部連続気泡発泡であるゴム発泡体からなる。
【0041】
裏ゴムシート3には、その裏面に、微細な凹凸3aが設けられている。凹凸3aは裏ゴムシート3を発泡剤によって形成する際に、同時に一体で作製することができる。微細な凹凸3aによって、裏ゴムシート3は、車輌フロア材とのなじみが増し、位置ずれやめくれが防止され、フロアマットの置敷安定性が良くなる。
【0042】
フロアマット1は、裏ゴムシート3の裏面に多数の独立した発泡剤により発泡した滑り止め突起3bを備える。これによって、裏ゴムシート3は、車輌フロア材に対するアンカー効果が得られ、すべり抵抗を高めることができる。滑り止め突起3bは発泡剤により発泡したゴム発泡体から形成することができ、裏ゴムシート3の形成の際に、同時に一体で形成することができる。
【0043】
ゴムを発泡させると突起強度が低下することがあるため、滑り止め突起3bの物性低下を補うために、滑り止め突起3bの基部に台座3cを設けるのが好ましい。
【0044】
滑り止め突起は、車輌フロア材の表皮に侵入し易く、強度が向上するように、突起の形状は円錐台型に成型されている。また、滑り止め突起の滑り抵抗値が上昇し、さらに滑り止め突起自体の物性も向上するように、円錐状の底面を大きくしている。
【0045】
本発明においては、裏ゴムシートの発泡、カーペット及び/又は吸音材との接着一体化、加硫成形を同時に一体で行うために、図4に示すような形態の加硫成型用プレス機4を用いることができる。図4は加硫成型する直前の材料の仕込み状態を示すものである。
【0046】
加硫成型用プレス機4は所定の加硫成型用金型と熱盤とを備えている。加硫成型用金型は上金型5aと下金型5bとからなる。上金型5a及び下金型5bはそれぞれ上熱盤6a及び下熱盤6bに取り付けられている。上熱盤6a及び下熱盤6bはそれぞれ断熱材6cによって熱が逃げないようにされている。
【0047】
下金型5bには、発泡裏ゴムシート3の裏面に多数の滑り止め突起3b、及びその台座3cを成型させるための凹所がある。また、下金型5bの凹所は、ゴムを加硫・発泡させた際、凹所に空気がたまらないように、また、ゴムの成型ができるように貫通してある。
【0048】
上金型5aと下金型5bとの間には、スペーサ7が設けられている。スペーサ7で隙間を調整することにより、加圧を微弱な圧力に制御することができ、加圧によって表層材をゴムに接着でき、そして表層材を痛めることがない。さらに、加熱によってゴムは発泡し膨張するが、微弱な加圧によりゴムを下金型の方向へ膨張させ、この発泡膨張の圧力を利用して滑り止め突起を成型することができる。
【0049】
【実施例】
本発明を、実施例及び比較例に基づいて、図面を参照して説明する。
図5はフロアマットの滑り抵抗値を示すグラフである。図6はゴム発泡体の微細な凹凸形状と滑り止め突起とによる滑り抵抗値の相乗効果を示すグラフである。図7は滑り止め突起の太さによる滑り抵抗値の変化を示すグラフである。
【0050】
(実施例1)
図1〜3に示すようなフロアマットを、図4に示すような加硫成型用プレス機4を用いて製造した。
前記した原料SBRゴム、発泡剤及びゴム用薬品を要求される機能に合わせて調合したゴム組成物を混練りし、これをカレンダーロールで所要の厚み1mmに圧延して、このシートを表皮材(縦800mm、横600mm)よりも僅かに大きい形状に裁断して、図4に示すような発泡可能な未加硫ゴムシート3dを準備、支度した。
【0051】
図4に示すように、加硫成型用プレス機4では、上金型5aの温度が50〜60℃に保たれるように、上熱盤6aを、断熱材6cと、入口6dから導入し出口6eから排出する冷却水の循環とで、常に50〜60℃に保たれるように調整した。また、下金型5bの温度が150℃に保たれるように、下熱盤6bを、断熱材6cと、入口6fに導入し出口6gから排出する蒸気の温度及び圧力の調整とによって150℃に保った。
【0052】
図4に示すように、前述の準備していた発泡可能な未加硫ゴムシート3dを下金型5b上に載せ、その上に、吸音材の表層材2を重ねて仕込み、加硫成型用プレス機4を閉じて、589kPa以下の圧力で、7分間の加圧・加熱を行い、積層・発泡・加硫成型を同時一体に行うとともに、滑り止め突起を成型した後に、加硫成型用プレス機4を開放して成型品としてのフロアマットを取り出した。なお、この例のフロアマットの滑り止め突起は円錐台型(底部の直径:3.0mm)であり、ピッチ縦 横 10mmの格子状、台座は8.0mm(直径)とした。
【0053】
(実施例2)
実施例1において、滑り止め突起を円錐台型(底部の直径:2.5mm)とする以外は実施例1と同様にして、フロアマットを製造した。
【0054】
(実施例3)
実施例1において、滑り止め突起を円錐台型(底部の直径:2.0mm)とする以外は実施例1と同様にして、フロアマットを製造した。
【0055】
(比較例1)
図8に示す従来品(1)のようなフロアマットを製造した。
この例では、実施例1において、発泡可能な未加硫ゴムシートに代えて発泡剤を含まない未加硫ゴムシートを用い、加熱・加硫後のゴム成型体の車輌フロア材に接する面に微細な凹凸形状及び台座を形成しない(滑り止め突起は成型)以外は実施例1と同様にして、フロアマットを製造した。
【0056】
(比較例2)
従来品(2)のようなフロアマットを製造した(図示せず)。
この例では、実施例1において、発泡可能な未加硫ゴムシートに代えてフェルトを用い、従って、加熱・加硫後のフロアマットの裏側はゴム成型体からなっておらず、車輌フロア材に接する面がゴム成型体の微細な凹凸形状でなく、滑り止め突起を設けない以外は実施例1と同様にして、フロアマットを製造した。
【0057】
(比較例3)
比較例1において、滑り止め突起を設けない以外は比較例1と同様にして、フロアマットを製造した。
【0058】
(比較例4)
従来品(3)のようなフロアマットを製造した(図示せず)。
つまり、実施例1と同じ吸音材の表層材の片面に、機械発泡により泡立てたスチレン−ブタジエン共重合体のラテックスを、目付(乾燥時)が300g/m2となるように塗布し、乾燥して、表層材と発泡体(連続気泡、発泡倍率:7倍、凸部の厚さ:2.5mm、見掛密度:0.12g/cm3)とを一体化したフロアマットを製造した。なお、乾燥が完了する前に、スチレン−ブタジエン共重合発泡体に対して型押しして、ワッフル状(格子状)の凹凸を設けた。
【0059】
(比較例5)
実施例1において、滑り止め突起を設けない以外は実施例1と同様にして、フロアマットを製造した。
【0060】
(性能評価試験)
実施例1〜3及び比較例1〜5のフロアマットについて、車輌フロア材(カットパイルカーペット)上での滑り抵抗を測定した。結果を図5〜7に示す。なお、滑り抵抗評価試験は、各フロアマットを100×140mmの大きさに裁断した試験片を、1kgf(9.8N)の荷重を負荷した状態で、速度100mm/分で、車輌フロア材表面と平行な方向へ引張って測定した。
【0061】
図5に示すように、実施例1の自動車フロアマットは比較例1、2及び4のものよりも滑り抵抗値が向上している。すなわち、この例の自動車用フロアマットは、従来品よりも滑り防止効果が最も高く、安全運転が可能と事がわかった。
【0062】
特に、実施例1の自動車フロアマットは、比較例1の滑り止め突起が設けられたアンカー効果の高い従来品を上回る滑り抵抗値であることから、発泡剤により発泡した発泡裏ゴムシートであることと滑り止め突起を設けることの間で相乗効果を発揮すると考えられる。なお、比較例2のフロアマットは裏材がフェルトであるため、滑り止め突起は設けられない。また、比較例4との比較から、機械的発泡体と凹凸との組合せよりも、発泡剤による発泡体と多数の独立した滑り止め突起の組合せの方が、滑り防止性に優れていることがわかった。
【0063】
図6は、滑り止め突起と、一部連泡構造を含む発泡剤による発泡によって裏ゴム表面に微細な凹凸形状とを設けたことによる滑り止め抵抗の相乗効果を調べたものである。図6に示すように、比較例5の滑り止め突起がないものは、比較例1の滑り止め突起があるソリッドゴムシートのものに比べて滑り抵抗値が低いが、滑り止め突起と組み合わせた実施例1のフロアマットは、比較例1の滑り止め突起があるフロアマットよりも滑り抵抗値の高く、発泡剤による発泡により形成された微細な凹凸形状と滑り止め突起との組合せによって、著しく滑り防止性が向上することがわかった。
【0064】
図7は滑り止め突起の円錐台型太さ(底部の直径)を変化させた時の滑り止め抵抗を測定したものである。滑り止め突起の太さが太くなるのにつれて、滑り抵抗値も上昇することが分かった。
【0065】
以上のことから、本発明のフロアマットを車輌フロア材に設置したとき、滑り止め突起の車輌フロア材に対するアンカー効果と発泡剤により発泡して形成された裏ゴム発泡体表面の微細な凹凸による摩擦抵抗の上昇との相乗効果によって、従来品よりもフロアマットの置敷安定性が良く、安全に運転できることが分かる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、発泡剤の発泡により形成された微細な凹凸形状が車輌フロア材に接し、ゴム発泡成型体と車輌フロア材とのなじみが高くなり、フロアマットの浮きやめくれ等の問題を発生させることなく、優れた滑り防止効果を発揮する。
【0067】
また、本発明のフロアマットは、滑り止め突起を設けているため、車輌フロア材へのアンカー効果と、一部連続気泡を含む発泡剤の発泡に伴って発生するゴム発泡成型体の微細な凹凸形状による摩擦抵抗の上昇との相乗効果によって、滑り抵抗値が従来品よりも上昇するため、車室内の床面の車輌フロア材上に置敷すると、従来品よりも滑り防止機能が著しく上昇し、安全運転上より一層優れたフロアマットとなる効果がある。
【0068】
本発明によれば、フロアマットは、加硫プレス機によって、カーペットや吸音材等の表層材の表面より、加熱温度を極めて低くし、さらに表層材とゴム成型体との接着や成型も極度に低圧(発泡剤によりゴムが発泡し膨張する圧力)にして製造できるため、表層材を痛めることなく、外観良好なフロアマットを得られる効果がある。
【0069】
特に、表層材と未加硫ゴムシートとを加硫プレス機を用いて、積層一体化、発泡、ゴムの加硫成型を同時一体で行うため、工程が少なく効率良く、外観上及び機能上優れたフロアマットを製造できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例のフロアマットの一部拡大断面図である。
【図2】図1のフロアマットを裏側から見た平面図である。
【図3】図1のフロアマットの一部を拡大し裏側からみた斜視図である。
【図4】一例の加硫プレス機の断面図である。
【図5】フロアマットの滑り抵抗値を示すグラフである。
【図6】発泡剤により形成したゴム発泡体の微細な凹凸形状と滑り止め突起とによる滑り抵抗値の相乗効果を示すグラフである。
【図7】滑り止め突起の太さによる滑り抵抗値の変化を示すグラフである。
【図8】一例の従来品(1)の裏ゴムシートを示す一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1:フロアマット
2:カーペット
2a:カーペット起毛
2b:カーペット基布
3:発泡裏ゴムシート
3a:微細な凹凸
3b:発泡裏ゴム滑り止め用突起
3c:発泡裏ゴム滑り止め突起用台座
3d:発泡可能な未加硫裏ゴムシート
4:加硫成型用プレス機
5a:上金型
5b:下金型
6a:上熱盤
6b:下熱盤
6c:断熱材
6d:冷却水入口
6e:冷却水出口
6f:蒸気入口
6g:蒸気出口
7:スペーサ
34:ソリッド状裏ゴムシート
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の室内において車輌フロア材の上に設置される自動車フロアマット及びその製造方法に関し、特に、車輌フロア材上の滑り防止効果に優れる自動車フロアマット及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来品(1)
表層カーペットの裏側に、ソリッド状のゴム又は熱可塑性エラストマーからなる裏ゴムシートを、各種の積層法又は積層成形法等によって積層及び成型し、フロアマットとするものがある。
【0003】
従来品(1)のフロアマットは、裏ゴムシートの裏全面に多数の滑り止め突起を有することができ、滑り止め用突起が車輌本体の床面フロア材の表面に立ち込んで、フロアマットの滑りが防止され、置敷安定性がよく、安全運転が確保される。
【0004】
図8は一例の従来品(1)の裏ゴムシートを示す一部拡大断面図である。フロアマット31は、カーペット32と、その裏面に設けられる所定の裏ゴムシート34を備える。カーペット32は起毛32a及び基布32bを有する。裏ゴムシート34は、ソリッド状のゴムからなり、滑り止め突起34aを有している。また、滑り止め突起34aの先には、車輌フロア材に設置した際のアンカー効果が高まるように、円柱状突起34bが備わっている。かかる従来品はプレスによる圧力成型によって成型することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公昭63−47611号公報明細書
【0006】
従来品(2)
カーペット裏面に低密度、多空隙の吸音材が貼着されている自動車用ピースマットが知られている(特許文献2参照)。この発明品は車室内を静粛化するピースマットであり、車室内の静粛化に悪影響を与えるということで、滑り防止用の突起は備わっていない。
【0007】
【特許文献2】
特開2001−47926号公報明細書
【0008】
従来品(3)
カーペットの裏面に機械発泡により泡立てた発泡体からなり、ワッフル状に凹凸を設けた裏面層を備えた自動車フロアマットが知られている(特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献3】
特開2003−40018号公報明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、図8に示すように、従来品(1)のフロアマットには、裏ゴムに多数の滑り止め突起を設けることができるが、ゴムがソリッドゴムであるため滑り止めの機能に対して効果があるのは、車輌フロア材に対する滑り止め突起のアンカー効果だけであり、このアンカー効果だけでは滑り止めの機能が不十分であることを見出した。
【0011】
なお、従来品(2)のフロアマットでは、滑り止め突起が備わっておらず、従来品(3)のフロアマットではワッフル状の凹凸であるため、滑り止め突起のアンカー効果がないか、不十分で、十分な滑り防止機能は期待できない。特に車輌フロア材がカットパイルカーペットの場合は滑り防止が充分でなかった。
【0012】
本発明の課題は、車輌フロア材に対して従来品よりも滑り防止機能に優れ、マットの置敷安定性が良好で、安全運転に支障をきたさないフロアマットを得ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ゴム成型体を備える、自動車の室内において車輌フロア材上に設置される自動車フロアマットであって、前記ゴム成型体が発泡剤により発泡した発泡体であり、前記ゴム成型体の前記車輌フロア材に接する面に、多数の独立した滑り止め突起が配置されている自動車フロアマットに係るものである。
【0014】
また、本発明は、表層材と前記表層材下のゴム成型体とからなり、自動車の室内において車輌フロア材上に設置される自動車フロアマットを得るにあたり、表層材と発泡剤により発泡可能な未加硫ゴムシートとを重ね合わせ、前記表層材の上側及び前記未加硫ゴムシートの下側からそれぞれを20〜120℃の温度の表層側加圧熱盤及び120〜180℃の温度の裏層側加圧熱盤によって、589kPa以下の積層面圧で加圧及び加熱し、前記未加硫ゴムシートを発泡及び加硫させてゴム成型体を成型し、表層材と一体化するとともに、前記未加硫ゴムシートの発泡及び加硫の膨張圧力によって、ゴム成型体の前記車輌フロア材に接する面に、多数の独立した滑り止め突起を成型することを特徴とする自動車フロアマットの製造方法、又は表層材と前記表層材下のゴム成型体とからなり、自動車の室内において車輌フロア材上に設置される自動車フロアマットを得るにあたり、表層材と発泡剤により発泡可能な未加硫ゴムシートとを重ね合わせ、前記表層材の上側及び前記未加硫ゴムシートの下側からそれぞれを20〜120℃の温度の表層側加圧熱盤及び120〜180℃の温度の裏層側加圧熱盤によって、589kPa以下の積層面圧で加圧及び加熱し、前記未加硫ゴムシートを発泡及び加硫させてゴム成型体を成型し、表層材と一体化した後、ゴム成型体の前記車輌フロア材に接する面に、多数の独立した滑り止め突起を成型することを特徴とする自動車フロアマットの製造方法に係るものである。
【0015】
本発明は、フロアマットの裏材で使用されるゴムを、ソリッド状のものから発泡剤により発泡して部分的な連続気泡構造の発泡体に変え、ゴム成型体の表面を微細な凹凸形状にしたことによって、滑り止め突起との相乗効果が生み出され、著しく高い滑り防止効果が得られるという知見に基づく。
【0016】
本発明によれば、所定のゴム発泡成型体の微細な凹凸形状が車輌フロア材に接し、ゴム発泡成型体と車輌フロア材とのなじみが高くなり、さらに滑り止め突起を設けていることにより、フロアマットの浮きやめくれ等の問題が解消され、優れた滑り防止効果を発揮する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施をする形態を説明する。
(1)自動車フロアマット
自動車の室内において、車輌フロア材上に設置されるフロアマットである。自動車フロアマットはゴム成型体からなることができる。また、自動車フロアマットは、表層材とその下のゴム成型体からなる裏材とからなることができる。車輌フロア材としては、特に制限されず、種々のものを用いることができる。
【0018】
(2)ゴム成型体
発泡剤により発泡した発泡体からなる。かかる発泡体は複数層からなることができる。発泡剤により発泡した発泡体であるため車輌フロア材と接する面に、微細な凹凸形状を有する。
【0019】
微細な凹凸形状とは、車輌フロア材と接する場合に、ゴム発泡体と車輌フロア材とのなじみに優れる形状である。また、かかる形状はさらに滑り止め突起等を設けた時に、フロアマットの浮きやめくれ等の問題を解消する形状である。
【0020】
かかる形状は、特に制限されず、平面、曲面、凹部、凸部等からなる群より選ばれる少なくとも1種の形状から形成することができる。代表的には、発泡剤により発泡した発泡体の気泡によって形成される凹部及び凸部からなる。
【0021】
ゴム発泡体は、特に制限されず、それ自体種々の形状を有することができる。代表的には、ゴムシートの形状である。複数層の積層体からなる場合、少なくとも車輌フロア材に接する層の面には、微細な凹凸を有する。
【0022】
発泡体に含まれる気泡の状態は、独立気泡及び連続気泡の少なくとも一方からなることができる。好ましくは、少なくとも一部で、連続気泡を含む。連続気泡によって車輌フロア面からの騒音を吸収することができ、遮音効果を高めることができる。
【0023】
ゴム発泡体は、発泡剤を含む発泡可能なゴム組成物から作製することができる。原料ゴムとしては、天然ゴム、合成ゴム、及び再生ゴムの何れをも用いることができ、ゴム組成物には、前述の原料ゴムに、発泡剤を含み、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、補強剤、充填材、軟化剤、発泡助剤やその他のゴム薬品剤を要求される機能に合わせて調合し混合することができる。
【0024】
(3)滑り止め突起
ゴム発泡体には、車輌フロア材と接する面に、多数の独立した滑り止め突起を配置している。滑り止め突起は、その基部に台座を有することができる。台座は、ゴム発泡化による強度低下を補い、滑り止め突起を支えるよう働く。前記滑り止め突起及び/又は台座は発泡剤により発泡した発泡体からなるのが好ましく、突起、台座ともに発泡剤により発泡した発泡体からなるのがより好ましい。
【0025】
滑り止め突起は、車輌フロア材の表皮に侵入しやすいように、突起の形状を円錐型に成型することができる。また、滑り止め突起にある程度の強度を確保するには、円錐台型が好ましい。滑り止め突起は、太いほど滑り抵抗値が上昇し、更に滑り止め突起自体の強度も向上するため、滑り止め突起の底面を大きくするのが好ましい。具体的には滑り止め突起の底面の長さ(最も長く採ることのできる長さ)を2〜5mmとするのが好ましく、2.5〜4mmとするのがより好ましい。
【0026】
(4)表層材
ゴム成型体上に積層することができるもので、複数層からなることができる。
これによって、フロアマットの外観や吸音性能等を改善することができる。特に制限されることなく、通常のカーペットからなることができる。
【0027】
(4−1)カーペット
カーペットは、天然繊維、及び合成繊維からなる少なくとも1種の繊維による物を用いて作成することができ、特に制限されない。また、種々の織物が用いられるが、合成繊維からなるタフテッドカーペット又はニードルパンチカーペットの裏面に薄く合成ゴムラテックス等によりバッキング処理されたものが、外観、機能、コスト面等より最も広く用いられる。
【0028】
(4−2)吸音材
特に、フロアマットの吸音性能を十分に発揮させるためには、表層材として吸音材を用いることができる。吸音材としては特に制限されるものではなく、不織布、フェルト、ウレタン発泡体等の何れをも用いることができる。尚、カーペットと吸音材とを併用しても良い。併用する場合には、カーペットとゴム成型体との間に吸音材を介在させるのが好ましい。
【0029】
(5)製造方法
フロアマットは、特に制限されることなく、種々の方法によって製造することができる。ゴム成型体のみからなるフロアマットは、発泡剤により発泡可能な未加硫ゴムシートを発泡と同時に成型して得ることができる。なお、滑り止め突起は、ゴムの発泡と同時にゴムを成型する際に同時に成型することができ、発泡体をその後に成型することによって、滑り止め突起を設けることもできる。
【0030】
ゴム発泡体を種々の積層方法によって所定の表層材と積層するか、又は発泡剤を含む発泡可能なゴムと表層材とを積層して、ゴムの発泡及び成型を同時に行い、一体化して、表層材付きのフロアマットとすることができる。この場合であっても、滑り止め突起は、ゴムの発泡と成型を行う際に同時に成型することができるし、ゴムの発泡と成型を行った後に成型することによって、滑り止め突起を設けることもできる。
【0031】
フロアマット成型用金型は、加硫成型用金型等の種々のゴム成型用金型を用いることができる。かかる成型用金型を備えることができれば、種々の成型用プレス機を用いることができる。
【0032】
加硫成型用金型の下金型には、ゴム発泡体の裏面に多数の滑り止め突起、及びその台座を成型させるための凹所を設けることができる。好ましくは、かかる下金型の凹所は、ゴムを加硫・発泡させた際、凹所に空気がたまらないように、また、ゴムの成型ができるように貫通してある。
【0033】
発泡剤を含む発泡可能な未加硫ゴムシートや、それと表層材との積層体の加圧及び加熱は、所定の発泡及び成型されたゴム成型体が得られれば、特に制限されるものではない。
【0034】
加熱によってゴムが加硫、発泡し膨張するが、微弱な加圧によりゴム成型用金型の方向へ膨張させ、この発泡膨張の圧力を利用してフロアマットの裏ゴムの滑り止め突起を同時に成型することができる。
【0035】
好ましくは、ゴム成型用の上金型と下金型との間に隙間調整用スペーサを入れ、この隙間を調整することにより、加圧を微弱な圧力に制御する。かかる場合、発泡剤を含む未加硫ゴムシートの発泡ができ、加圧によってゴム発泡体が成型でき、カーペットや吸音材等の表層材を同時接着一体化でき、そして表層材を圧縮しないようにすることができる。
【0036】
ゴムの発泡による裏ゴムシートの作製、カーペットや吸音材等の表層材と裏ゴムシートとの接着一体化、加硫成形、及び滑り止め突起の成型を同時に一体で行うのが好ましい。この製造方法により、カーペットの起毛や吸音性能等を損なうことなく、フロアマットを製造することができる。かかる方法は、次に詳細に説明するように、特公昭63−47611号明細書等に記載された方法を改良することで行うことができる。
【0037】
好ましくは、カーペットとゴム発泡体が密着されたフロアマットを得るにあたり、カーペットとその裏面に発泡剤を含む発泡可能な未加硫ゴムシートを重ね合わせて、これのカーペット表面側(上側)より20〜120℃の温度の表層側加圧熱盤と、未加硫ゴムシート裏側(下側)より120〜180℃の温度の裏層側加圧熱盤、又はこの加圧熱盤に取り付けた成型用金型により、589kPa以下の積層面圧で所要時間加圧及び加熱し、カーペットとゴム成型体との積層一体化、未加硫ゴムシートの発泡、加硫を同時一体で成型することに加え、未加硫ゴムシートの発泡及び加硫の膨張圧力で裏ゴムの滑り止め突起を同時に成型する。
【0038】
カーペットと未加硫ゴムシートとの積層体の加圧は、発泡剤を含む未加硫ゴムシートが発泡する際の膨張圧力のみでも可能である。なお、かかる方法において、カーペットの代わりに所定の吸音材等の表層材を用いても、或いはカーペットと吸音材との積層物からなる表層材を用いても、積層一体化、発泡、加硫を同時一体で成型することに加え、裏ゴムの滑り止め突起を同時に成型することができる。また、表層材とゴム成型体との積層一体化、未加硫ゴムシートの発泡、加硫を同時一体で成型した後に、別の工程で滑り止め突起を一対の金型等により成型することもできる。なお、カーペットと吸音材との積層物からなる表層材を用いる場合には、吸音材がカーペットと未加硫ゴムシートとの間に介在するように重ね合わせるのが好ましい。
【0039】
図面を参照して、本発明をより一層詳細に説明する。
図1は本発明の一例のフロアマットの一部拡大断面図である。図2は図1のフロアマットを裏側から見た平面図である。図3は図1のフロアマットの一部を拡大し裏側からみた斜視図である。図4は本発明で用いることができる一例の加硫プレス機の断面図である。
【0040】
図1〜3に示すように、本発明の一例のフロアマット1は、カーペット2とその裏面に設けられる所定の裏ゴムシート3とを備えている。カーペット2は起毛2a及び基布2bを有する。裏ゴムシート3は発泡剤により発泡された一部連続気泡発泡であるゴム発泡体からなる。
【0041】
裏ゴムシート3には、その裏面に、微細な凹凸3aが設けられている。凹凸3aは裏ゴムシート3を発泡剤によって形成する際に、同時に一体で作製することができる。微細な凹凸3aによって、裏ゴムシート3は、車輌フロア材とのなじみが増し、位置ずれやめくれが防止され、フロアマットの置敷安定性が良くなる。
【0042】
フロアマット1は、裏ゴムシート3の裏面に多数の独立した発泡剤により発泡した滑り止め突起3bを備える。これによって、裏ゴムシート3は、車輌フロア材に対するアンカー効果が得られ、すべり抵抗を高めることができる。滑り止め突起3bは発泡剤により発泡したゴム発泡体から形成することができ、裏ゴムシート3の形成の際に、同時に一体で形成することができる。
【0043】
ゴムを発泡させると突起強度が低下することがあるため、滑り止め突起3bの物性低下を補うために、滑り止め突起3bの基部に台座3cを設けるのが好ましい。
【0044】
滑り止め突起は、車輌フロア材の表皮に侵入し易く、強度が向上するように、突起の形状は円錐台型に成型されている。また、滑り止め突起の滑り抵抗値が上昇し、さらに滑り止め突起自体の物性も向上するように、円錐状の底面を大きくしている。
【0045】
本発明においては、裏ゴムシートの発泡、カーペット及び/又は吸音材との接着一体化、加硫成形を同時に一体で行うために、図4に示すような形態の加硫成型用プレス機4を用いることができる。図4は加硫成型する直前の材料の仕込み状態を示すものである。
【0046】
加硫成型用プレス機4は所定の加硫成型用金型と熱盤とを備えている。加硫成型用金型は上金型5aと下金型5bとからなる。上金型5a及び下金型5bはそれぞれ上熱盤6a及び下熱盤6bに取り付けられている。上熱盤6a及び下熱盤6bはそれぞれ断熱材6cによって熱が逃げないようにされている。
【0047】
下金型5bには、発泡裏ゴムシート3の裏面に多数の滑り止め突起3b、及びその台座3cを成型させるための凹所がある。また、下金型5bの凹所は、ゴムを加硫・発泡させた際、凹所に空気がたまらないように、また、ゴムの成型ができるように貫通してある。
【0048】
上金型5aと下金型5bとの間には、スペーサ7が設けられている。スペーサ7で隙間を調整することにより、加圧を微弱な圧力に制御することができ、加圧によって表層材をゴムに接着でき、そして表層材を痛めることがない。さらに、加熱によってゴムは発泡し膨張するが、微弱な加圧によりゴムを下金型の方向へ膨張させ、この発泡膨張の圧力を利用して滑り止め突起を成型することができる。
【0049】
【実施例】
本発明を、実施例及び比較例に基づいて、図面を参照して説明する。
図5はフロアマットの滑り抵抗値を示すグラフである。図6はゴム発泡体の微細な凹凸形状と滑り止め突起とによる滑り抵抗値の相乗効果を示すグラフである。図7は滑り止め突起の太さによる滑り抵抗値の変化を示すグラフである。
【0050】
(実施例1)
図1〜3に示すようなフロアマットを、図4に示すような加硫成型用プレス機4を用いて製造した。
前記した原料SBRゴム、発泡剤及びゴム用薬品を要求される機能に合わせて調合したゴム組成物を混練りし、これをカレンダーロールで所要の厚み1mmに圧延して、このシートを表皮材(縦800mm、横600mm)よりも僅かに大きい形状に裁断して、図4に示すような発泡可能な未加硫ゴムシート3dを準備、支度した。
【0051】
図4に示すように、加硫成型用プレス機4では、上金型5aの温度が50〜60℃に保たれるように、上熱盤6aを、断熱材6cと、入口6dから導入し出口6eから排出する冷却水の循環とで、常に50〜60℃に保たれるように調整した。また、下金型5bの温度が150℃に保たれるように、下熱盤6bを、断熱材6cと、入口6fに導入し出口6gから排出する蒸気の温度及び圧力の調整とによって150℃に保った。
【0052】
図4に示すように、前述の準備していた発泡可能な未加硫ゴムシート3dを下金型5b上に載せ、その上に、吸音材の表層材2を重ねて仕込み、加硫成型用プレス機4を閉じて、589kPa以下の圧力で、7分間の加圧・加熱を行い、積層・発泡・加硫成型を同時一体に行うとともに、滑り止め突起を成型した後に、加硫成型用プレス機4を開放して成型品としてのフロアマットを取り出した。なお、この例のフロアマットの滑り止め突起は円錐台型(底部の直径:3.0mm)であり、ピッチ縦 横 10mmの格子状、台座は8.0mm(直径)とした。
【0053】
(実施例2)
実施例1において、滑り止め突起を円錐台型(底部の直径:2.5mm)とする以外は実施例1と同様にして、フロアマットを製造した。
【0054】
(実施例3)
実施例1において、滑り止め突起を円錐台型(底部の直径:2.0mm)とする以外は実施例1と同様にして、フロアマットを製造した。
【0055】
(比較例1)
図8に示す従来品(1)のようなフロアマットを製造した。
この例では、実施例1において、発泡可能な未加硫ゴムシートに代えて発泡剤を含まない未加硫ゴムシートを用い、加熱・加硫後のゴム成型体の車輌フロア材に接する面に微細な凹凸形状及び台座を形成しない(滑り止め突起は成型)以外は実施例1と同様にして、フロアマットを製造した。
【0056】
(比較例2)
従来品(2)のようなフロアマットを製造した(図示せず)。
この例では、実施例1において、発泡可能な未加硫ゴムシートに代えてフェルトを用い、従って、加熱・加硫後のフロアマットの裏側はゴム成型体からなっておらず、車輌フロア材に接する面がゴム成型体の微細な凹凸形状でなく、滑り止め突起を設けない以外は実施例1と同様にして、フロアマットを製造した。
【0057】
(比較例3)
比較例1において、滑り止め突起を設けない以外は比較例1と同様にして、フロアマットを製造した。
【0058】
(比較例4)
従来品(3)のようなフロアマットを製造した(図示せず)。
つまり、実施例1と同じ吸音材の表層材の片面に、機械発泡により泡立てたスチレン−ブタジエン共重合体のラテックスを、目付(乾燥時)が300g/m2となるように塗布し、乾燥して、表層材と発泡体(連続気泡、発泡倍率:7倍、凸部の厚さ:2.5mm、見掛密度:0.12g/cm3)とを一体化したフロアマットを製造した。なお、乾燥が完了する前に、スチレン−ブタジエン共重合発泡体に対して型押しして、ワッフル状(格子状)の凹凸を設けた。
【0059】
(比較例5)
実施例1において、滑り止め突起を設けない以外は実施例1と同様にして、フロアマットを製造した。
【0060】
(性能評価試験)
実施例1〜3及び比較例1〜5のフロアマットについて、車輌フロア材(カットパイルカーペット)上での滑り抵抗を測定した。結果を図5〜7に示す。なお、滑り抵抗評価試験は、各フロアマットを100×140mmの大きさに裁断した試験片を、1kgf(9.8N)の荷重を負荷した状態で、速度100mm/分で、車輌フロア材表面と平行な方向へ引張って測定した。
【0061】
図5に示すように、実施例1の自動車フロアマットは比較例1、2及び4のものよりも滑り抵抗値が向上している。すなわち、この例の自動車用フロアマットは、従来品よりも滑り防止効果が最も高く、安全運転が可能と事がわかった。
【0062】
特に、実施例1の自動車フロアマットは、比較例1の滑り止め突起が設けられたアンカー効果の高い従来品を上回る滑り抵抗値であることから、発泡剤により発泡した発泡裏ゴムシートであることと滑り止め突起を設けることの間で相乗効果を発揮すると考えられる。なお、比較例2のフロアマットは裏材がフェルトであるため、滑り止め突起は設けられない。また、比較例4との比較から、機械的発泡体と凹凸との組合せよりも、発泡剤による発泡体と多数の独立した滑り止め突起の組合せの方が、滑り防止性に優れていることがわかった。
【0063】
図6は、滑り止め突起と、一部連泡構造を含む発泡剤による発泡によって裏ゴム表面に微細な凹凸形状とを設けたことによる滑り止め抵抗の相乗効果を調べたものである。図6に示すように、比較例5の滑り止め突起がないものは、比較例1の滑り止め突起があるソリッドゴムシートのものに比べて滑り抵抗値が低いが、滑り止め突起と組み合わせた実施例1のフロアマットは、比較例1の滑り止め突起があるフロアマットよりも滑り抵抗値の高く、発泡剤による発泡により形成された微細な凹凸形状と滑り止め突起との組合せによって、著しく滑り防止性が向上することがわかった。
【0064】
図7は滑り止め突起の円錐台型太さ(底部の直径)を変化させた時の滑り止め抵抗を測定したものである。滑り止め突起の太さが太くなるのにつれて、滑り抵抗値も上昇することが分かった。
【0065】
以上のことから、本発明のフロアマットを車輌フロア材に設置したとき、滑り止め突起の車輌フロア材に対するアンカー効果と発泡剤により発泡して形成された裏ゴム発泡体表面の微細な凹凸による摩擦抵抗の上昇との相乗効果によって、従来品よりもフロアマットの置敷安定性が良く、安全に運転できることが分かる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、発泡剤の発泡により形成された微細な凹凸形状が車輌フロア材に接し、ゴム発泡成型体と車輌フロア材とのなじみが高くなり、フロアマットの浮きやめくれ等の問題を発生させることなく、優れた滑り防止効果を発揮する。
【0067】
また、本発明のフロアマットは、滑り止め突起を設けているため、車輌フロア材へのアンカー効果と、一部連続気泡を含む発泡剤の発泡に伴って発生するゴム発泡成型体の微細な凹凸形状による摩擦抵抗の上昇との相乗効果によって、滑り抵抗値が従来品よりも上昇するため、車室内の床面の車輌フロア材上に置敷すると、従来品よりも滑り防止機能が著しく上昇し、安全運転上より一層優れたフロアマットとなる効果がある。
【0068】
本発明によれば、フロアマットは、加硫プレス機によって、カーペットや吸音材等の表層材の表面より、加熱温度を極めて低くし、さらに表層材とゴム成型体との接着や成型も極度に低圧(発泡剤によりゴムが発泡し膨張する圧力)にして製造できるため、表層材を痛めることなく、外観良好なフロアマットを得られる効果がある。
【0069】
特に、表層材と未加硫ゴムシートとを加硫プレス機を用いて、積層一体化、発泡、ゴムの加硫成型を同時一体で行うため、工程が少なく効率良く、外観上及び機能上優れたフロアマットを製造できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例のフロアマットの一部拡大断面図である。
【図2】図1のフロアマットを裏側から見た平面図である。
【図3】図1のフロアマットの一部を拡大し裏側からみた斜視図である。
【図4】一例の加硫プレス機の断面図である。
【図5】フロアマットの滑り抵抗値を示すグラフである。
【図6】発泡剤により形成したゴム発泡体の微細な凹凸形状と滑り止め突起とによる滑り抵抗値の相乗効果を示すグラフである。
【図7】滑り止め突起の太さによる滑り抵抗値の変化を示すグラフである。
【図8】一例の従来品(1)の裏ゴムシートを示す一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1:フロアマット
2:カーペット
2a:カーペット起毛
2b:カーペット基布
3:発泡裏ゴムシート
3a:微細な凹凸
3b:発泡裏ゴム滑り止め用突起
3c:発泡裏ゴム滑り止め突起用台座
3d:発泡可能な未加硫裏ゴムシート
4:加硫成型用プレス機
5a:上金型
5b:下金型
6a:上熱盤
6b:下熱盤
6c:断熱材
6d:冷却水入口
6e:冷却水出口
6f:蒸気入口
6g:蒸気出口
7:スペーサ
34:ソリッド状裏ゴムシート
Claims (4)
- ゴム成型体を備える、自動車の室内において車輌フロア材上に設置される自動車フロアマットであって、前記ゴム成型体が発泡剤により発泡した発泡体であり、前記ゴム成型体の前記車輌フロア材に接する面に、多数の独立した滑り止め突起が配置されている自動車フロアマット。
- 表層材と前記表層材下のゴム成型体とからなり、自動車の室内において車輌フロア材上に設置される自動車フロアマットを得るにあたり、表層材と発泡剤により発泡可能な未加硫ゴムシートとを重ね合わせ、前記表層材の上側及び前記未加硫ゴムシートの下側からそれぞれを20〜120℃の温度の表層側加圧熱盤及び120〜180℃の温度の裏層側加圧熱盤によって、589kPa以下の積層面圧で加圧及び加熱し、前記未加硫ゴムシートを発泡及び加硫させてゴム成型体を成型し、表層材と一体化するとともに、前記未加硫ゴムシートの発泡及び加硫の膨張圧力によって、ゴム成型体の前記車輌フロア材に接する面に、多数の独立した滑り止め突起を成型することを特徴とする自動車フロアマットの製造方法。
- 表層材と前記表層材下のゴム成型体とからなり、自動車の室内において車輌フロア材上に設置される自動車フロアマットを得るにあたり、表層材と発泡剤により発泡可能な未加硫ゴムシートとを重ね合わせ、前記表層材の上側及び前記未加硫ゴムシートの下側からそれぞれを20〜120℃の温度の表層側加圧熱盤及び120〜180℃の温度の裏層側加圧熱盤によって、589kPa以下の積層面圧で加圧及び加熱し、前記未加硫ゴムシートを発泡及び加硫させてゴム成型体を成型し、表層材と一体化した後、ゴム成型体の前記車輌フロア材に接する面に、多数の独立した滑り止め突起を成型することを特徴とする自動車フロアマットの製造方法。
- 表層材としてカーペットと吸音材との積層物を使用し、吸音材が発泡可能な未加硫ゴムシートとカーペットとの間に介在するように重ね合わせることを特徴とする、請求項2又は請求項3記載の自動車フロアマットの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003095629A JP2004299576A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 自動車フロアマット及びその製造方法 |
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Cited By (1)
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JP2007185913A (ja) * | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Hayakawa Rubber Co Ltd | 突起付き基材の製造方法、及び突起付き基材の製造装置 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003095629A patent/JP2004299576A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007185913A (ja) * | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Hayakawa Rubber Co Ltd | 突起付き基材の製造方法、及び突起付き基材の製造装置 |
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