JP2004299439A - 車両用空調装置のコントローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】
【解決手段】回転ツマミ4の出力軸13と直交する回転軸16を中心として基盤1に回転自在に装着される2つの回転レバー18、19を備え、回転ツマミ4の出力軸13の歯車13aと2つの回転レバー18、19の歯車18a、19aとをいずれも傘歯車とし、2つの回転レバー18、19の歯車18a、19aを出力軸13の歯車13aを挟んで2段に対向配置することで、2つの回転レバー18、19がぞれぞれ逆回転する構造とし、各回転レバー18、19にアウターケーブル21b、22bおよびインナーケーブル21a、22aからなるコントロールケーブル21、22を介して「被操作部材」としての回転レバー26を連結した。そのため、1つのT字状回転レバーを用いた従来構造に比べ、基盤1上の占有面積を減少できる。つまり、1つの回転ツマミ4に対して2本のコントロールケーブル21、22を用いた構造としつつも装置を小型化できる。
【選択図】 図1
【解決手段】回転ツマミ4の出力軸13と直交する回転軸16を中心として基盤1に回転自在に装着される2つの回転レバー18、19を備え、回転ツマミ4の出力軸13の歯車13aと2つの回転レバー18、19の歯車18a、19aとをいずれも傘歯車とし、2つの回転レバー18、19の歯車18a、19aを出力軸13の歯車13aを挟んで2段に対向配置することで、2つの回転レバー18、19がぞれぞれ逆回転する構造とし、各回転レバー18、19にアウターケーブル21b、22bおよびインナーケーブル21a、22aからなるコントロールケーブル21、22を介して「被操作部材」としての回転レバー26を連結した。そのため、1つのT字状回転レバーを用いた従来構造に比べ、基盤1上の占有面積を減少できる。つまり、1つの回転ツマミ4に対して2本のコントロールケーブル21、22を用いた構造としつつも装置を小型化できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置の例えば各種ドア装置を作動させるためのコントローラに関する
【0002】
【従来の技術】
車両用空調装置は、エバポレータを通過して冷却された空気とヒータコアを通過して加熱された空気とを混合して車室内を所望の温度に設定することができると共に、車室に向けて形成された種々の吹き出し口のうち所定の吹き出し口から温調された空気を吹き出させることができる。エバポレータおよびヒータコアはヒータユニット内に組み込まれており、エバポレータを通過した空気とコータコアを通過した空気の混合割合は、ミックスドアにより制御される。
【0003】
車室内に吹き出される吹き出し口のモードには、乗員の上半身に空気を吹き出させるベントモード、乗員の足元に空気を吹き出させるフットモード、これらの両方に空気を吹き出させるバイレベルモード、およびフロントガラスの内面に向けて空気を吹き出してフロントガラスの曇りを取り除くデフロストモードなどがある。
【0004】
これらのモードのうち任意のモードに設定するために、インストルメントパネルに設けられたコントローラには、モード切換スイッチが設けられており、このモード切換スイッチの操作により、空調ユニット内に設けられたモード切換用のドアが回動するようになっている。また、インストルメントパネルのコントローラには、ミックスドアの開度を調整して車室内の温度を調整するための温度制御スイッチ、車室内へ吹き出される空気の風量を調整するファンスイッチ、冷房サイクルを起動させるためのエアコンスイッチなどがコントローラに設けられている。
【0005】
これらのドアを作動させるためのそれぞれのスイッチは、例えば特許文献1〜3に開示されるようなダイヤル式(=回転ツマミ)のものがあり、この場合には、回転ツマミの出力軸に駆動歯車を設け、この駆動歯車にラック部材などを噛み合わせ、このラック部材にコントロールケーブルのインナーケーブルを接続して、インナーケーブルの他端に被操作部材を連結している。被操作部材はドアの操作レバーまたは複数のドアと連動するリンク機構の入力レバーであり、これにより、コントローラの回転ツマミの回転がコントロールケーブルのインナーケーブルが進退に変換され、回転ツマミに回転量によってドアの開閉度が決まる。
【0006】
【特許文献1】
実開平1−175410号公報
【0007】
【特許文献2】
実開平2−104415号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平10−86635号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このコントロールケーブルは、ワイヤ製のインナーケーブルとこれを移動自在に収容する樹脂製のアウターケーブルとからなり、インストルメントパネルの裏側の限られたスペース内で複数箇所で湾曲された状態で配索される。つまり、コントロールケーブルのアウターケーブルおよびインナーケーブルは屈曲可能に構成される。そのため、回転ツマミの操作により、インナーケーブルを引く場合には前記インナーケーブルの突出部位は屈曲しないが、インナーケーブルを押す場合にはインナーケーブルのアウターケーブルの突出部位が屈曲してしまい、結果、インナーケーブルを押す場合と引く場合との間にヒステリシスが存在する。
【0010】
このような課題を解決する技術として、図5に示すような構造がある。
【0011】
図5中、101はインストルメントパネル、102はフィニッシャ、103は基盤、104は回転ツマミ、105は回転ツマミの出力軸、105aは出力軸105に設けられた駆動歯車、106は駆動歯車105aおよび歯車107aからなる傘歯車、107は回転レバー、107aは回転レバーの歯車、108は回転レバーの回転軸、109はアウターケーブル109bおよびインナーケーブル109aからなるコントロールケーブル、110はアウターケーブル110bおよびインナーケーブル110aからなるコントロールケーブル、111は被操作部材としてのT字状の回転レバー、111cは回転レバー111に設けられたリンク機構の入力レバーである。
【0012】
つまり、図5に示す従来構造においては、回転ツマミ104の出力軸105は、傘歯車106(駆動歯車105aおよび歯車107aよりなる)を介して、出力軸105と交差する回転軸108を中心に回転する対向する一対のアーム107b、107cを備えるT字状の回転レバー107と連結されている。各アーム107b、107cの先端部には、それぞれコントロールケーブル109、110のインナーケーブル109a、110aが連結されており、このコントロールケーブル109、110のインナーケーブル109a、110aの他端は、回転軸112を中心に回転する被操作部材としてのT字状回転レバー111の対向する一対のアーム111a、111bにそれぞれ連結されている。
【0013】
そのため、回転ツマミ104をいずれの方向に回転させても、どちらか一方のコントロールケーブル109、110のインナーケーブル109a、110aで、回転レバー111を引っ張ることとなるため、従来のようなヒステリシスが無くなる。
【0014】
しかしながら、このように2本のコントロールケーブル109、110を利用すべくT字状の回転レバー107を用いた場合、このT字状回転レバー107により基盤103上のスペースが大きく割かれ、装置が大型化してしまう。
【0015】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、1つの回転ツマミに対して2本のコントロールケーブルを用いてヒステリシスを無くした構造としつつも、基盤上の占有スペースを抑えて小型化できる車両用空調装置のコントローラの提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の車両用空調装置のコントローラは、フィニッシャが設けられた基盤と、該フィニッシャに回転自在に装着された回転ツマミと、前記回転ツマミの出力軸とは交差する回転軸を中心として前記基盤に回転自在に装着された2つの回転レバーと、を備え、前記2つの回転レバーはいずれも前記回転ツマミの出力軸に設けられた歯車と噛み合う歯車を有し、前記回転ツマミの出力軸の歯車と前記2つの回転レバーの歯車はいずれも傘歯車であり、前記2つの回転レバーの歯車を前記出力軸の歯車を挟んで2段に対向配置することで、前記2つの回転レバーがぞれぞれ逆回転する構造とし、各回転レバーにアウターケーブルおよびインナーケーブルからなるコントロールケーブルを介して被操作部材を連結したことを特徴とするものである。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、前記基盤に前記回転レバーの回転軸を一体的に設け、前記回転軸に、前記回転ツマミの出力軸を軸支する軸受孔を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、前記回転レバーの回転軸に前記2つの回転レバーを回転自在に装着したのち、これら2つの回転レバーの歯車の間に回転ツマミの出力軸の歯車を挿入しつつ、前記回転ツマミに出力軸を前記回転軸の軸受孔に挿入する構造であって、
前記回転レバーの回転軸に後から装着される回転レバーの軸受部に、回転ツマミの出力軸を貫通させる貫通孔を設けたことを特徴とするものである。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、前記回転ツマミは、車室内への吹き出し口のモードを切り換えるモード切換用回転ツマミであることを特徴とするものである。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、前記回転ツマミは、車室内へ吹き出される空気の温度を調整する温度調整用回転ツマミであることを特徴とするものである。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、前記回転ツマミは、車室内へ吹き出される空気の風量を調整する風量調整用回転ツマミであることを特徴とするものである。
【0022】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、フィニッシャが設けられた基盤と、フィニッシャに回転自在に装着された回転ツマミと、回転ツマミの出力軸とは交差する回転軸を中心として基盤に回転自在に装着された2つの回転レバーと、を備え、この2つの回転レバーはいずれも回転ツマミの出力軸に設けられた歯車と噛み合う歯車を有し、回転ツマミの出力軸の歯車と2つの回転レバーの歯車はいずれも傘歯車であり、2つの回転レバーの歯車を出力軸の歯車を挟んで2段に対向配置することで、2つの回転レバーがぞれぞれ逆回転する構造とし、各回転レバーにアウターケーブルおよびインナーケーブルからなるコントロールケーブルを介して被操作部材を連結したことを特徴とするため、つまり、2つの回転レバーが互いに逆回転するように回転ツマミの出力軸の歯車を挟んで対向配置されているため、従来のような1つのT字状回転レバーを用いた場合に比べ、基盤上の占有面積を減少できる。
【0023】
つまり、この請求項1記載の発明によれば、1つの回転ツマミに対して2本のコントロールケーブルを用いた構造としつつも基盤上の占有スペースを抑えて装置を小型化できる。
【0024】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、基盤に前記回転レバーの回転軸を一体的に設け、この回転軸に回転ツマミの出力軸を軸支する軸受孔を設けたため、別途、回転ツマミの出力軸用の軸受孔を設ける必要がなくなり、構造を簡素化できるとと共に装置をさらに小型化できる。
【0025】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加え、回転レバーの回転軸に後から装着される回転レバーの軸受部に、回転ツマミの出力軸を貫通させる貫通孔を設けたため、後から装着される回転レバーが回転軸から脱落してしまうようなことが無い。しかも、この後から装着される回転レバーを、その貫通孔および回転ツマミの出力軸の係合により所定の装着位置に規制できため、付勢手段などのその他の規制部材が不要となり、さらに装置を簡素化できる。
【0026】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明の効果に加え、回転ツマミは車室内への吹き出し口のモードを切り換えるモード切換用回転ツマミであるため、回転ツマミにより、吹き出し口のモードを切り換えることができる。
【0027】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明の効果に加え、回転ツマミは車室内へ吹き出される空気の温度を調整する温度調整用回転ツマミであるため、回転ツマミにより、車室内へ吹き出される空気の温度を調整できる。
【0028】
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明の効果に加え、回転ツマミは車室内へ吹き出される空気の風量を調整する風量調整用回転ツマミであるため、回転ツマミにより車室内へ吹き出される空気の風量を調整できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1は本発明の一実施形態の車両用空調装置のコントローラを示す平面図、図2(a)は図1中のSA−SA断面図、図2(b)はSB−SB断面図、図3は同車両用コントローラの要部の分解図である。
【0031】
図1に示すように、コントローラは、基盤1とこの前面側にほぼ垂直方向に設けられたフィニッシャ2とを備えたコントローラ基体3を有しており、コントローラ基体3は樹脂により成形されている。コントローラ基体3は、フィニッシャ2を車室内に露出させて自動車のインストルメントパネルに組み付けられる。
【0032】
フィニッシャ2の前面には、モード切換用の操作ダイヤルとしての回転ツマミ4と、温度制御用の操作ダイヤルとしての回転ツマミ5と、風量制御用の操作ダイヤルとしての回転ツマミ6が、それぞれ図示せぬ軸受孔に回転自在に装着されている。
【0033】
モード切換用の回転ツマミ4は、乗員の上半身に向けて温調空気を吹き出すベント位置7、乗員の上半身と足元に向けて温調空気を吹き出すバイレベル位置8、乗員の足元に向けて温調空気を吹き出すフット位置9、フロントガラスの内面と乗員の足元とのそれぞれに向けて温調空気を吹き出すフットデフ位置10、およびフロントガラスの内面に向けて温調空気を吹き出すデフロスト位置11に設定することができる。回転ツマミ4を回転させることにより、これらの位置7〜11に設定すると、図示しない空調ユニット内に設けられた種々のドアの開閉が制御されて、回転ツマミ4の位置に応じた所定の空気吹き出し口から車室内に温調空気が吹き出される。
【0034】
温度制御用の回転ツマミ5は、前記ミックスドアを回動させて車室内に吹き出される空気の温度を設定するためのものであり、図1において反時計方向の回転端位置に設定されると、最も温度の低い空気が車室内に吹き出され、時計方向の回転端位置に設定されると、最も高い温度の空気が車室内に吹き出されることになる。この回転ツマミ5をこれらの間の所定の回転位置に設定すると、所望の温度の空気が車室内を吹き出されることになる。
【0035】
風量制御用の回転ツマミ6は、車室内に空気を吹き出すためのファンの回転数を制御するためのものであり、送風を停止する位置と、ファンの回転数を4段階に設定するための4つの位置に設定される。
【0036】
これらモード切換用の回転ツマミ4および温度制御用の回転ツマミ5および風量制御用の回転ツマミ6は、いずれも同等の伝達機構を介して空調ユニット内のドアと連結されている。以下、その伝達機構を、モード切換用の回転ツマミ4で代表して説明する。
【0037】
図2(a)(b)に示すように、モード切換用の回転ツマミ4には、その出力軸13が固定されている。この回転ツマミ4の出力軸13は、ジャーナル13bがフィニッシャ2に形成された軸受孔15に軸支されているとともに、その先端部が後述する回転軸16に形成された軸受孔17に軸支されている。
【0038】
回転ツマミ4の出力軸13には、略円錐形の駆動歯車13aが設けられており、この駆動歯車13aは基盤1の上側に位置する。
【0039】
基盤1には、前記回転ツマミ4の出力軸13と直交する回転軸16が一体形成されている。この回転軸16を中心に2つの回転レバー18、19が回動自在となっている。各回転レバー18、19には、前記回転ツマミ4の出力軸13の駆動歯車13aと噛み合う歯車18a、19aが設けられており、これら回転ツマミ4の出力軸13の駆動歯車13aと各回転レバー18、19の歯車18a、19aは傘歯車として構成されている。そして、回転ツマミ4の出力軸13の歯車13aを挟んで上下2段に2つの回転レバー18、19の歯車18a、19aを対向配置することで、2つの回転レバー18、19がぞれぞれ逆回転する構造となっている。
【0040】
各回転レバー18、19の先端部には、図2に示すようにコントロールケーブル21、22のインナーケーブル21a、22aが連結されている。それぞれのコントロールケーブル21,22はワイヤにより形成されたインナーケーブル21a,22aと、樹脂により形成されインナーケーブル21a,22aを摺動自在に案内するアウターケーブル21b,22bとにより構成され、アウターケーブル21b、22bの一端部が基盤1にクランプ部材23により固定され且つアウターケーブル21b、22bの他端部が空調ユニットのブラケット25にクランプ部材24により固定されている。そのため、各回転レバー18、19の回動すると、インナーケーブル21a、22aの他端部が進退するようになっている。両インナーケーブル21a、22aの他端の進退動作は、上述のように回転レバー18、19が互いに逆方向に回転するため、互いに逆方向に作動する。
【0041】
これらインナーケーブル21a,22aの他端部は、ブラケット25に回転自在に装着された「被操作部材」としてのT字状の回転レバー26に連結されている。より具体的にはインナーケーブル21a、22aの他端部はそれぞれ、回転軸27を中心に回転する回転レバー26の対向する一対のアーム26a、26bの先端部に連結されている。そのため、回転ツマミ4を回転させた際には、回転レバー26のアーム26a、26bのいずれか一方が引っ張られて、回転レバー26が回動するようになっている。
【0042】
T字状回転レバー26には図示せぬリンク機構の入力レバー26cが一体に形成されており、この入力レバー26cの回転により図示せぬリンク機構を介して複数のドアが連動して開閉する。なお、本発明においては、例えば図4に示すようにT字状の回転レバー26の回転軸27が、ドア28(図4中2点鎖線)の回転軸29(図4中2点鎖線)と同軸上に直結するような構造であってもよい。
【0043】
図3は、この実施形態のコントローラの要部の取付工程を説明する分解断面図である。
【0044】
コントローラ基体3に対する回転ツマミ4および回転レバー18、19の組み立て工程は、まず始めに、基盤1に設けられた回転軸16に、第1の回転レバー18を装着し続いて第2の回転レバー19を装着する。
【0045】
この状態で、第1の回転レバー18は、回転軸16の軸受孔17よりも基端側に位置する。また、第2の回転レバー19は、その軸受部31から突設され第1の回転レバー18の上端面と摺動接触するスペーサ部32によって、第1の回転レバー18と所定間隔を空けて回転軸16の先端側に位置する。しかもこの状態で、第2の回転レバー19の軸受部31のスペーサ部32に形成された長孔状の貫通孔33が、回転軸16に形成された軸受孔17と高さが一致し且つこの軸受孔17を露出している。なお、この長孔状の貫通孔33は回転軸16の軸方向に沿う幅(横幅)が、回転ツマミ4の出力軸13の直径と一致していて、また、この長孔状の貫通孔33は回転軸16の周方向に沿う幅(縦幅)が回転レバー19の回動を許容する長さで形成さている。
【0046】
次に、上述のように第1の回転レバー18および第2の回転レバー19を装着した状態で、これら2つの回転レバー18、19の歯車18a、19aの間に回転ツマミ4の出力軸13の歯車13aを挿入しつつ、前記回転ツマミ4に出力軸13をフィニッシャ2の軸受孔15に挿入するとともに回転軸16の軸受孔17に挿入する。このとき同時に、回転ツマミ4の出力軸13は第2の回転レバー19の軸受部31の貫通孔33を貫通する。これにより、コントローラ基体3に対して回転ツマミ4および回転レバー18、19の組み立てが完了する。
【0047】
「効果」
このように構成された車両用空調装置のコントローラによれば、以下のような効果がある。
【0048】
第1に、回転ツマミ4の出力軸13とは交差(この例では直交)する回転軸16を中心として基盤1に回転自在に装着される2つの回転レバー18、19を備え、回転ツマミ4の出力軸13の歯車13aと2つの回転レバー18、19の歯車18a、19aとをいずれも傘歯車とし、2つの回転レバー18、19の歯車18a、19aを出力軸13の歯車13aを挟んで2段に対向配置することで、2つの回転レバー18、19がぞれぞれ逆回転する構造とし、各回転レバー18、19にアウターケーブル21b、22bおよびインナーケーブル21a、22aからなるコントロールケーブル21、22を介して「被操作部材」としての回転レバー26を連結したことを特徴とするため、従来のような1つのT字状回転レバーを用いた場合に比べ、基盤1上の占有面積を減少させるこができる。
【0049】
つまり、この実施形態のコントローラによれば、1つの回転ツマミ4に対して2本のコントロールケーブル21、22を用いてヒステリシスを防止した構造としつつも基盤1上の占有スペースを抑えて装置を小型化できる。
【0050】
第2に、基盤1に回転レバー18、19の回転軸16を一体的に設け、この回転軸16に回転ツマミ4の出力軸13を軸支する軸受孔17を設けたため、別途、回転ツマミ4の出力軸13用の軸受孔を設ける必要がなくなり、構造を簡素化できるとと共に装置をさらに小型化できる。
【0051】
第3に、後から装着される第2の回転レバー19の軸受部31に、回転ツマミ4の出力軸13を貫通させる貫通孔33を設けたため、第2の回転レバー19が回転軸16から脱落してしまうようなことが無い。しかも、第2の回転レバー19の長孔状の貫通孔33および回転ツマミ4の出力軸13の係合により、第2の回転レバー19および第1の回転レバー18を所定の装着位置に規制できため、付勢手段などのその他の規制部材が不要となり、さらに装置を簡素化できる。
【0052】
なお、上記実施形態では、回転ツマミ4、5、6のうち、車室内への吹き出し口のモードを切り換えるモード切換用回転ツマミ4で説明をしたが、その他、車室内へ吹き出される空気の温度を調整する温度調整用回転ツマミ5および車室内へ吹き出される空気の風量を調整する風量調整用回転ツマミ6でも同様の効果を得る。また、この発明を、その他のドアに操作するための回転ツマミに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は本発明の一実施形態の車両用空調装置のコントローラを示す正面図。
【図2】図2(a)は図1中のSA−SA断面図、図2(b)はSB−SB断面図。
【図3】図3は同車両用空調装置のコントローラの要部の分解図。
【図4】図4は被操作部材のその他の例を示す図。
【図5】図5は従来の車両用空調装置のコントローラの構成を示す図。
【符号の説明】
1…基盤
2…フィニッシャ
3…コントローラ基体
4…モード切換用の回転ツマミ(回転ツマミ)
5…温度調整用の回転ツマミ(回転ツマミ)
6…風量調整用の回転ツマミ(回転ツマミ)
13…出力軸
13a…駆動歯車
15…フィニッシャに形成された軸受孔
16…回転軸
17…回転軸に形成された軸受孔
18…第1の回転レバー(回転レバー)
18a…歯車
19…第2の回転レバー(回転レバー)
21…コントロールケーブル
21a…インナーケーブル
21b…アウターケーブル
22…コントロールケーブル
22a…インナーケーブル
22b…アウターケーブル
26…T字状回転レバー(被操作部材)
31…軸受部
33…貫通孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置の例えば各種ドア装置を作動させるためのコントローラに関する
【0002】
【従来の技術】
車両用空調装置は、エバポレータを通過して冷却された空気とヒータコアを通過して加熱された空気とを混合して車室内を所望の温度に設定することができると共に、車室に向けて形成された種々の吹き出し口のうち所定の吹き出し口から温調された空気を吹き出させることができる。エバポレータおよびヒータコアはヒータユニット内に組み込まれており、エバポレータを通過した空気とコータコアを通過した空気の混合割合は、ミックスドアにより制御される。
【0003】
車室内に吹き出される吹き出し口のモードには、乗員の上半身に空気を吹き出させるベントモード、乗員の足元に空気を吹き出させるフットモード、これらの両方に空気を吹き出させるバイレベルモード、およびフロントガラスの内面に向けて空気を吹き出してフロントガラスの曇りを取り除くデフロストモードなどがある。
【0004】
これらのモードのうち任意のモードに設定するために、インストルメントパネルに設けられたコントローラには、モード切換スイッチが設けられており、このモード切換スイッチの操作により、空調ユニット内に設けられたモード切換用のドアが回動するようになっている。また、インストルメントパネルのコントローラには、ミックスドアの開度を調整して車室内の温度を調整するための温度制御スイッチ、車室内へ吹き出される空気の風量を調整するファンスイッチ、冷房サイクルを起動させるためのエアコンスイッチなどがコントローラに設けられている。
【0005】
これらのドアを作動させるためのそれぞれのスイッチは、例えば特許文献1〜3に開示されるようなダイヤル式(=回転ツマミ)のものがあり、この場合には、回転ツマミの出力軸に駆動歯車を設け、この駆動歯車にラック部材などを噛み合わせ、このラック部材にコントロールケーブルのインナーケーブルを接続して、インナーケーブルの他端に被操作部材を連結している。被操作部材はドアの操作レバーまたは複数のドアと連動するリンク機構の入力レバーであり、これにより、コントローラの回転ツマミの回転がコントロールケーブルのインナーケーブルが進退に変換され、回転ツマミに回転量によってドアの開閉度が決まる。
【0006】
【特許文献1】
実開平1−175410号公報
【0007】
【特許文献2】
実開平2−104415号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平10−86635号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このコントロールケーブルは、ワイヤ製のインナーケーブルとこれを移動自在に収容する樹脂製のアウターケーブルとからなり、インストルメントパネルの裏側の限られたスペース内で複数箇所で湾曲された状態で配索される。つまり、コントロールケーブルのアウターケーブルおよびインナーケーブルは屈曲可能に構成される。そのため、回転ツマミの操作により、インナーケーブルを引く場合には前記インナーケーブルの突出部位は屈曲しないが、インナーケーブルを押す場合にはインナーケーブルのアウターケーブルの突出部位が屈曲してしまい、結果、インナーケーブルを押す場合と引く場合との間にヒステリシスが存在する。
【0010】
このような課題を解決する技術として、図5に示すような構造がある。
【0011】
図5中、101はインストルメントパネル、102はフィニッシャ、103は基盤、104は回転ツマミ、105は回転ツマミの出力軸、105aは出力軸105に設けられた駆動歯車、106は駆動歯車105aおよび歯車107aからなる傘歯車、107は回転レバー、107aは回転レバーの歯車、108は回転レバーの回転軸、109はアウターケーブル109bおよびインナーケーブル109aからなるコントロールケーブル、110はアウターケーブル110bおよびインナーケーブル110aからなるコントロールケーブル、111は被操作部材としてのT字状の回転レバー、111cは回転レバー111に設けられたリンク機構の入力レバーである。
【0012】
つまり、図5に示す従来構造においては、回転ツマミ104の出力軸105は、傘歯車106(駆動歯車105aおよび歯車107aよりなる)を介して、出力軸105と交差する回転軸108を中心に回転する対向する一対のアーム107b、107cを備えるT字状の回転レバー107と連結されている。各アーム107b、107cの先端部には、それぞれコントロールケーブル109、110のインナーケーブル109a、110aが連結されており、このコントロールケーブル109、110のインナーケーブル109a、110aの他端は、回転軸112を中心に回転する被操作部材としてのT字状回転レバー111の対向する一対のアーム111a、111bにそれぞれ連結されている。
【0013】
そのため、回転ツマミ104をいずれの方向に回転させても、どちらか一方のコントロールケーブル109、110のインナーケーブル109a、110aで、回転レバー111を引っ張ることとなるため、従来のようなヒステリシスが無くなる。
【0014】
しかしながら、このように2本のコントロールケーブル109、110を利用すべくT字状の回転レバー107を用いた場合、このT字状回転レバー107により基盤103上のスペースが大きく割かれ、装置が大型化してしまう。
【0015】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、1つの回転ツマミに対して2本のコントロールケーブルを用いてヒステリシスを無くした構造としつつも、基盤上の占有スペースを抑えて小型化できる車両用空調装置のコントローラの提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の車両用空調装置のコントローラは、フィニッシャが設けられた基盤と、該フィニッシャに回転自在に装着された回転ツマミと、前記回転ツマミの出力軸とは交差する回転軸を中心として前記基盤に回転自在に装着された2つの回転レバーと、を備え、前記2つの回転レバーはいずれも前記回転ツマミの出力軸に設けられた歯車と噛み合う歯車を有し、前記回転ツマミの出力軸の歯車と前記2つの回転レバーの歯車はいずれも傘歯車であり、前記2つの回転レバーの歯車を前記出力軸の歯車を挟んで2段に対向配置することで、前記2つの回転レバーがぞれぞれ逆回転する構造とし、各回転レバーにアウターケーブルおよびインナーケーブルからなるコントロールケーブルを介して被操作部材を連結したことを特徴とするものである。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、前記基盤に前記回転レバーの回転軸を一体的に設け、前記回転軸に、前記回転ツマミの出力軸を軸支する軸受孔を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、前記回転レバーの回転軸に前記2つの回転レバーを回転自在に装着したのち、これら2つの回転レバーの歯車の間に回転ツマミの出力軸の歯車を挿入しつつ、前記回転ツマミに出力軸を前記回転軸の軸受孔に挿入する構造であって、
前記回転レバーの回転軸に後から装着される回転レバーの軸受部に、回転ツマミの出力軸を貫通させる貫通孔を設けたことを特徴とするものである。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、前記回転ツマミは、車室内への吹き出し口のモードを切り換えるモード切換用回転ツマミであることを特徴とするものである。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、前記回転ツマミは、車室内へ吹き出される空気の温度を調整する温度調整用回転ツマミであることを特徴とするものである。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、前記回転ツマミは、車室内へ吹き出される空気の風量を調整する風量調整用回転ツマミであることを特徴とするものである。
【0022】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、フィニッシャが設けられた基盤と、フィニッシャに回転自在に装着された回転ツマミと、回転ツマミの出力軸とは交差する回転軸を中心として基盤に回転自在に装着された2つの回転レバーと、を備え、この2つの回転レバーはいずれも回転ツマミの出力軸に設けられた歯車と噛み合う歯車を有し、回転ツマミの出力軸の歯車と2つの回転レバーの歯車はいずれも傘歯車であり、2つの回転レバーの歯車を出力軸の歯車を挟んで2段に対向配置することで、2つの回転レバーがぞれぞれ逆回転する構造とし、各回転レバーにアウターケーブルおよびインナーケーブルからなるコントロールケーブルを介して被操作部材を連結したことを特徴とするため、つまり、2つの回転レバーが互いに逆回転するように回転ツマミの出力軸の歯車を挟んで対向配置されているため、従来のような1つのT字状回転レバーを用いた場合に比べ、基盤上の占有面積を減少できる。
【0023】
つまり、この請求項1記載の発明によれば、1つの回転ツマミに対して2本のコントロールケーブルを用いた構造としつつも基盤上の占有スペースを抑えて装置を小型化できる。
【0024】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、基盤に前記回転レバーの回転軸を一体的に設け、この回転軸に回転ツマミの出力軸を軸支する軸受孔を設けたため、別途、回転ツマミの出力軸用の軸受孔を設ける必要がなくなり、構造を簡素化できるとと共に装置をさらに小型化できる。
【0025】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加え、回転レバーの回転軸に後から装着される回転レバーの軸受部に、回転ツマミの出力軸を貫通させる貫通孔を設けたため、後から装着される回転レバーが回転軸から脱落してしまうようなことが無い。しかも、この後から装着される回転レバーを、その貫通孔および回転ツマミの出力軸の係合により所定の装着位置に規制できため、付勢手段などのその他の規制部材が不要となり、さらに装置を簡素化できる。
【0026】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明の効果に加え、回転ツマミは車室内への吹き出し口のモードを切り換えるモード切換用回転ツマミであるため、回転ツマミにより、吹き出し口のモードを切り換えることができる。
【0027】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明の効果に加え、回転ツマミは車室内へ吹き出される空気の温度を調整する温度調整用回転ツマミであるため、回転ツマミにより、車室内へ吹き出される空気の温度を調整できる。
【0028】
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明の効果に加え、回転ツマミは車室内へ吹き出される空気の風量を調整する風量調整用回転ツマミであるため、回転ツマミにより車室内へ吹き出される空気の風量を調整できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1は本発明の一実施形態の車両用空調装置のコントローラを示す平面図、図2(a)は図1中のSA−SA断面図、図2(b)はSB−SB断面図、図3は同車両用コントローラの要部の分解図である。
【0031】
図1に示すように、コントローラは、基盤1とこの前面側にほぼ垂直方向に設けられたフィニッシャ2とを備えたコントローラ基体3を有しており、コントローラ基体3は樹脂により成形されている。コントローラ基体3は、フィニッシャ2を車室内に露出させて自動車のインストルメントパネルに組み付けられる。
【0032】
フィニッシャ2の前面には、モード切換用の操作ダイヤルとしての回転ツマミ4と、温度制御用の操作ダイヤルとしての回転ツマミ5と、風量制御用の操作ダイヤルとしての回転ツマミ6が、それぞれ図示せぬ軸受孔に回転自在に装着されている。
【0033】
モード切換用の回転ツマミ4は、乗員の上半身に向けて温調空気を吹き出すベント位置7、乗員の上半身と足元に向けて温調空気を吹き出すバイレベル位置8、乗員の足元に向けて温調空気を吹き出すフット位置9、フロントガラスの内面と乗員の足元とのそれぞれに向けて温調空気を吹き出すフットデフ位置10、およびフロントガラスの内面に向けて温調空気を吹き出すデフロスト位置11に設定することができる。回転ツマミ4を回転させることにより、これらの位置7〜11に設定すると、図示しない空調ユニット内に設けられた種々のドアの開閉が制御されて、回転ツマミ4の位置に応じた所定の空気吹き出し口から車室内に温調空気が吹き出される。
【0034】
温度制御用の回転ツマミ5は、前記ミックスドアを回動させて車室内に吹き出される空気の温度を設定するためのものであり、図1において反時計方向の回転端位置に設定されると、最も温度の低い空気が車室内に吹き出され、時計方向の回転端位置に設定されると、最も高い温度の空気が車室内に吹き出されることになる。この回転ツマミ5をこれらの間の所定の回転位置に設定すると、所望の温度の空気が車室内を吹き出されることになる。
【0035】
風量制御用の回転ツマミ6は、車室内に空気を吹き出すためのファンの回転数を制御するためのものであり、送風を停止する位置と、ファンの回転数を4段階に設定するための4つの位置に設定される。
【0036】
これらモード切換用の回転ツマミ4および温度制御用の回転ツマミ5および風量制御用の回転ツマミ6は、いずれも同等の伝達機構を介して空調ユニット内のドアと連結されている。以下、その伝達機構を、モード切換用の回転ツマミ4で代表して説明する。
【0037】
図2(a)(b)に示すように、モード切換用の回転ツマミ4には、その出力軸13が固定されている。この回転ツマミ4の出力軸13は、ジャーナル13bがフィニッシャ2に形成された軸受孔15に軸支されているとともに、その先端部が後述する回転軸16に形成された軸受孔17に軸支されている。
【0038】
回転ツマミ4の出力軸13には、略円錐形の駆動歯車13aが設けられており、この駆動歯車13aは基盤1の上側に位置する。
【0039】
基盤1には、前記回転ツマミ4の出力軸13と直交する回転軸16が一体形成されている。この回転軸16を中心に2つの回転レバー18、19が回動自在となっている。各回転レバー18、19には、前記回転ツマミ4の出力軸13の駆動歯車13aと噛み合う歯車18a、19aが設けられており、これら回転ツマミ4の出力軸13の駆動歯車13aと各回転レバー18、19の歯車18a、19aは傘歯車として構成されている。そして、回転ツマミ4の出力軸13の歯車13aを挟んで上下2段に2つの回転レバー18、19の歯車18a、19aを対向配置することで、2つの回転レバー18、19がぞれぞれ逆回転する構造となっている。
【0040】
各回転レバー18、19の先端部には、図2に示すようにコントロールケーブル21、22のインナーケーブル21a、22aが連結されている。それぞれのコントロールケーブル21,22はワイヤにより形成されたインナーケーブル21a,22aと、樹脂により形成されインナーケーブル21a,22aを摺動自在に案内するアウターケーブル21b,22bとにより構成され、アウターケーブル21b、22bの一端部が基盤1にクランプ部材23により固定され且つアウターケーブル21b、22bの他端部が空調ユニットのブラケット25にクランプ部材24により固定されている。そのため、各回転レバー18、19の回動すると、インナーケーブル21a、22aの他端部が進退するようになっている。両インナーケーブル21a、22aの他端の進退動作は、上述のように回転レバー18、19が互いに逆方向に回転するため、互いに逆方向に作動する。
【0041】
これらインナーケーブル21a,22aの他端部は、ブラケット25に回転自在に装着された「被操作部材」としてのT字状の回転レバー26に連結されている。より具体的にはインナーケーブル21a、22aの他端部はそれぞれ、回転軸27を中心に回転する回転レバー26の対向する一対のアーム26a、26bの先端部に連結されている。そのため、回転ツマミ4を回転させた際には、回転レバー26のアーム26a、26bのいずれか一方が引っ張られて、回転レバー26が回動するようになっている。
【0042】
T字状回転レバー26には図示せぬリンク機構の入力レバー26cが一体に形成されており、この入力レバー26cの回転により図示せぬリンク機構を介して複数のドアが連動して開閉する。なお、本発明においては、例えば図4に示すようにT字状の回転レバー26の回転軸27が、ドア28(図4中2点鎖線)の回転軸29(図4中2点鎖線)と同軸上に直結するような構造であってもよい。
【0043】
図3は、この実施形態のコントローラの要部の取付工程を説明する分解断面図である。
【0044】
コントローラ基体3に対する回転ツマミ4および回転レバー18、19の組み立て工程は、まず始めに、基盤1に設けられた回転軸16に、第1の回転レバー18を装着し続いて第2の回転レバー19を装着する。
【0045】
この状態で、第1の回転レバー18は、回転軸16の軸受孔17よりも基端側に位置する。また、第2の回転レバー19は、その軸受部31から突設され第1の回転レバー18の上端面と摺動接触するスペーサ部32によって、第1の回転レバー18と所定間隔を空けて回転軸16の先端側に位置する。しかもこの状態で、第2の回転レバー19の軸受部31のスペーサ部32に形成された長孔状の貫通孔33が、回転軸16に形成された軸受孔17と高さが一致し且つこの軸受孔17を露出している。なお、この長孔状の貫通孔33は回転軸16の軸方向に沿う幅(横幅)が、回転ツマミ4の出力軸13の直径と一致していて、また、この長孔状の貫通孔33は回転軸16の周方向に沿う幅(縦幅)が回転レバー19の回動を許容する長さで形成さている。
【0046】
次に、上述のように第1の回転レバー18および第2の回転レバー19を装着した状態で、これら2つの回転レバー18、19の歯車18a、19aの間に回転ツマミ4の出力軸13の歯車13aを挿入しつつ、前記回転ツマミ4に出力軸13をフィニッシャ2の軸受孔15に挿入するとともに回転軸16の軸受孔17に挿入する。このとき同時に、回転ツマミ4の出力軸13は第2の回転レバー19の軸受部31の貫通孔33を貫通する。これにより、コントローラ基体3に対して回転ツマミ4および回転レバー18、19の組み立てが完了する。
【0047】
「効果」
このように構成された車両用空調装置のコントローラによれば、以下のような効果がある。
【0048】
第1に、回転ツマミ4の出力軸13とは交差(この例では直交)する回転軸16を中心として基盤1に回転自在に装着される2つの回転レバー18、19を備え、回転ツマミ4の出力軸13の歯車13aと2つの回転レバー18、19の歯車18a、19aとをいずれも傘歯車とし、2つの回転レバー18、19の歯車18a、19aを出力軸13の歯車13aを挟んで2段に対向配置することで、2つの回転レバー18、19がぞれぞれ逆回転する構造とし、各回転レバー18、19にアウターケーブル21b、22bおよびインナーケーブル21a、22aからなるコントロールケーブル21、22を介して「被操作部材」としての回転レバー26を連結したことを特徴とするため、従来のような1つのT字状回転レバーを用いた場合に比べ、基盤1上の占有面積を減少させるこができる。
【0049】
つまり、この実施形態のコントローラによれば、1つの回転ツマミ4に対して2本のコントロールケーブル21、22を用いてヒステリシスを防止した構造としつつも基盤1上の占有スペースを抑えて装置を小型化できる。
【0050】
第2に、基盤1に回転レバー18、19の回転軸16を一体的に設け、この回転軸16に回転ツマミ4の出力軸13を軸支する軸受孔17を設けたため、別途、回転ツマミ4の出力軸13用の軸受孔を設ける必要がなくなり、構造を簡素化できるとと共に装置をさらに小型化できる。
【0051】
第3に、後から装着される第2の回転レバー19の軸受部31に、回転ツマミ4の出力軸13を貫通させる貫通孔33を設けたため、第2の回転レバー19が回転軸16から脱落してしまうようなことが無い。しかも、第2の回転レバー19の長孔状の貫通孔33および回転ツマミ4の出力軸13の係合により、第2の回転レバー19および第1の回転レバー18を所定の装着位置に規制できため、付勢手段などのその他の規制部材が不要となり、さらに装置を簡素化できる。
【0052】
なお、上記実施形態では、回転ツマミ4、5、6のうち、車室内への吹き出し口のモードを切り換えるモード切換用回転ツマミ4で説明をしたが、その他、車室内へ吹き出される空気の温度を調整する温度調整用回転ツマミ5および車室内へ吹き出される空気の風量を調整する風量調整用回転ツマミ6でも同様の効果を得る。また、この発明を、その他のドアに操作するための回転ツマミに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は本発明の一実施形態の車両用空調装置のコントローラを示す正面図。
【図2】図2(a)は図1中のSA−SA断面図、図2(b)はSB−SB断面図。
【図3】図3は同車両用空調装置のコントローラの要部の分解図。
【図4】図4は被操作部材のその他の例を示す図。
【図5】図5は従来の車両用空調装置のコントローラの構成を示す図。
【符号の説明】
1…基盤
2…フィニッシャ
3…コントローラ基体
4…モード切換用の回転ツマミ(回転ツマミ)
5…温度調整用の回転ツマミ(回転ツマミ)
6…風量調整用の回転ツマミ(回転ツマミ)
13…出力軸
13a…駆動歯車
15…フィニッシャに形成された軸受孔
16…回転軸
17…回転軸に形成された軸受孔
18…第1の回転レバー(回転レバー)
18a…歯車
19…第2の回転レバー(回転レバー)
21…コントロールケーブル
21a…インナーケーブル
21b…アウターケーブル
22…コントロールケーブル
22a…インナーケーブル
22b…アウターケーブル
26…T字状回転レバー(被操作部材)
31…軸受部
33…貫通孔
Claims (6)
- フィニッシャ(2)が設けられた基盤(1)と、該フィニッシャ(2)に回転自在に装着された回転ツマミ(4、5、6)と、前記回転ツマミ(4、5、6)の出力軸(13)とは交差する回転軸(16)を中心として前記基盤(1)に回転自在に装着された2つの回転レバー(18,19)と、を備え、
前記2つの回転レバー(18,19)はいずれも前記回転ツマミ(4、5、6)の出力軸(13)に設けられた歯車(13a)と噛み合う歯車(18a,19a)を有し、
前記回転ツマミ(4、5、6)の出力軸(13)の歯車(13a)と前記2つの回転レバー(18,19)の歯車(18a,19a)はいずれも傘歯車であり、
前記2つの回転レバー(18,19)の歯車(18a,19a)を前記出力軸(13)の歯車(13a)を挟んで2段に対向配置することで、前記2つの回転レバー(18,19)がぞれぞれ逆回転する構造とし、
各回転レバー(18,19)にアウターケーブル(21b,22b)およびインナーケーブル(21a,22a)からなるコントロールケーブル(21,22)を介して被操作部材(26)を連結したことを特徴とする車両用空調装置のコントローラ。 - 請求項1記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、
前記基盤(1)に前記回転レバー(18,19)の回転軸(16)を設け、前記回転軸(16)に、前記回転ツマミ(4、5、6)の出力軸(13)を軸支する軸受孔(17)を設けたことを特徴とする車両用空調装置のコントローラ。 - 請求項2記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、
前記回転軸(16)に、前記2つの回転レバー(18,19)を回転自在に装着したのち、これら2つの回転レバー(18,19)の歯車(18a,19a)の間に回転ツマミ(4、5、6)の出力軸(13)の歯車(13a)を挿入しつつ、前記回転ツマミ(4、5、6)に出力軸(13)を前記回転軸(16)の軸受孔(17)に挿入する構造であって、
前記回転軸(16)に後から装着される回転レバー(19)に、前記回転軸(16)に先に装着される回転レバー(18)と摺動接触するスペーサ部を設け、前記スペーサ部(32)に、回転ツマミ(4、5、6)の出力軸(13)を貫通させる貫通孔(33)を設けたことを特徴とする車両用空調装置のコントローラ。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、
前記回転ツマミ(4、5、6)は、車室内への吹き出し口のモードを切り換えるモード切換用回転ツマミ(4)であることを特徴とする車両用空調装置のコントローラ。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、
前記回転ツマミ(4、5、6)は、車室内へ吹き出される空気の温度を調整する温度調整用回転ツマミ(5)であることを特徴とする車両用空調装置のコントローラ。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用空調装置のコントローラにおいて、
前記回転ツマミ(4、5、6)は、車室内へ吹き出される空気の風量を調整する風量調整用回転ツマミ(6)であることを特徴とする車両用空調装置のコントローラ。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011088481A (ja) * | 2009-10-20 | 2011-05-06 | Yuhshin Co Ltd | 遠隔操作装置 |
JP2019162993A (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | 株式会社ケーヒン | ドア駆動装置 |
-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003091820A patent/JP2004299439A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019162993A (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | 株式会社ケーヒン | ドア駆動装置 |
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