JP2004299017A - ドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】刃先部の表面に硬質皮膜を被覆して耐摩耗性の向上を図ったドリルであっても、切屑排出抵抗を低減して切屑詰まりの発生を防ぎ、かつ、形成される加工穴の内壁面粗さを小さくする。
【解決手段】刃先部12の表面全体に硬質皮膜を被覆した後に、少なくとも切屑排出溝13の内周面と刃先部12のランド部19におけるマージン部20の表面とに対してポリッシュ加工を施すとともに、刃先部12の先端逃げ面13にはポリッシュ加工を施さない。ポリッシュ加工を施した部分の表面粗さRaを、0.1μm〜0.4μmの範囲に設定する。ポリッシュ加工を施していない部分の表面粗さRaを、0.5μm以上に設定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被削材に対して加工穴を形成するための穴明け加工に用いられるドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このようなドリルの一例としては、軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分である刃先部の外周に後端側に向けて延びる一対の切屑排出溝が軸線回りにねじれて形成され、これら切屑排出溝の内周面に形成されたすくい面と刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されたものがあり、従来より、このようなドリルの刃先部の表面全体(刃先部の先端逃げ面、ランド部、切屑排出溝の内周面などの刃先部の表面全体)に対して硬質皮膜を被覆することにより、その耐摩耗性を向上させる技術が種々研究されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−326107号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなドリルでは、切屑排出溝の内周面におけるドリル回転方向前方側を向く部分の先端側が切刃のすくい面となっており、切刃によって生成された切屑が、このすくい面から切屑排出溝の内周面を摺接しつつ後端側に送り出されて排出されていくのであるが、上記のように、切屑排出溝の内周面まで比較的面粗さの大きい硬質皮膜によって被覆されていると、切屑排出抵抗が増大して切屑詰まりが生じやすくなるという問題があり、ひどい場合には、刃先部の折損に至るおそれまであった。
【0005】
また、刃先部のランド部には、切屑排出溝のドリル回転方向後方側に隣接するマージン部が形成され、このマージン部が、穴明け加工によって形成される加工穴の内壁面と接触することによって、刃先部をガイドする役割を果たしているが、上記のように、形成される加工穴の内壁面に接触することになるマージン部の表面まで比較的面粗さの大きい硬質皮膜によって被覆されていると、加工穴の内壁面粗さの悪化を招くという問題があり、とくに、加工穴の内壁面との摩擦によってマージン部の表面粗さが小さくなるという現象が生じていない切削初期段階での、加工穴の内壁面粗さの悪化が顕著になっていた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、刃先部の表面に硬質皮膜を被覆して耐摩耗性の向上を図ったドリルであっても、切屑排出抵抗を低減して切屑詰まりの発生を防ぐことができ、かつ、形成される加工穴の内壁面粗さを小さくすることができるドリルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、鋭意検討を続けた結果、耐摩耗性の向上を狙って刃先部の表面に硬質皮膜を被覆した後に、少なくとも切屑排出溝の内周面とマージン部の表面とに対してポリッシュ加工を施して、それらの表面粗さを小さく設定することにより、切屑排出抵抗の増大や加工穴の内壁面粗さの悪化という問題を解決できることを見出した。
【0008】
このようなポリッシュ加工は、切屑排出抵抗を低減するとともに加工穴の内壁面粗さを小さくするという目的を考慮すると、少なくとも切屑排出溝の内周面とマージン部の表面とに対して施されていればよい、極端に言えば、硬質皮膜が被覆された刃先部の表面全体に対して施されていればよいことになるが、刃先部の先端逃げ面にまでポリッシュ加工を施して、その面粗さを小さく設定することは好ましくない。
【0009】
これは、刃先部の被削材への食い付き時に、最初に被削材に接触する領域が刃先部の先端逃げ面となっているので、この先端逃げ面の面粗さが小さく設定されていると、食い付き時の刃先部がドリル本体の回転にともなって振られてしまうためである。
すなわち、刃先部が振られて安定した食い付きを行うことができなくなっていると、この刃先部を軸線方向の先端側に押し込んでいくときのスラスト力が上昇して、刃先部に対して大きな負荷がかかり、その寿命を低下させてしまうという問題や、マージン部にポリッシュ加工を施すことによって加工穴の内壁面粗さを改善しようとしたのにもかかわらず、この加工穴の入口付近の内壁面粗さを逆に悪化させてしまうという問題があったのである。
【0010】
このようにしてなされた本発明は、軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分である刃先部の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝の内周面に形成されたすくい面と前記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、前記刃先部の表面に硬質皮膜が被覆されているとともに、少なくとも前記切屑排出溝の内周面と前記刃先部のランド部に形成されたマージン部の表面とに対してはポリッシュ加工が施されていて、かつ、少なくとも前記刃先部の先端逃げ面に対してはポリッシュ加工が施されていないことを特徴とするものである。
【0011】
本発明によれば、硬質皮膜を刃先部の表面に被覆することで、その耐摩耗性の向上を図る効果を得ることが可能でありながらも、生成される切屑が摺接する切屑排出溝の内周面をポリッシュ加工によって面粗さの小さい滑らかなものとしたことにより、切屑排出抵抗を減少させて切屑詰まりの発生を防ぎ、かつ、形成される加工穴の内壁面に接触することになるマージン部の表面を同じくポリッシュ加工によって面粗さの小さい滑らかなものとしたことにより、この加工穴の内壁面粗さを小さく良好に保つことができる。
さらに、刃先部の先端逃げ面については、ポリッシュ加工を施さないで、比較的面粗さの大きいままの状態にしておくことにより、被削材へ食い付くときの刃先部の振れを生じさせず、その食い付きを安定させることが可能となるので、刃先部を軸線方向の先端側へ押し込んでいくときのスラスト力を小さく抑制することができるとともに、加工穴の入口付近の内壁面粗さを不用意に悪化させてしまうようなことがない。
【0012】
このとき、ポリッシュ加工が施されている部分の表面粗さRa、つまり、少なくとも切屑排出溝の内周面及びマージン部の表面についての表面粗さRaは、切屑排出抵抗の増大防止効果及び加工穴の内壁面粗さの悪化防止効果や、ポリッシュ加工にかかる手間などを考慮すると、0.1μm〜0.4μmの範囲に設定されていることが好ましい。
また、ポリッシュ加工が施されていない部分の表面粗さRa、つまり、少なくとも刃先部の先端逃げ面についての表面粗さRaは、刃先部が被削材に食い付くときにおける刃先部の振れ防止効果を考慮すると、0.5μm以上に設定されていることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照しながら説明する。
本実施形態によるドリルのドリル本体10は、図1に示すように、超硬合金等の硬質材料により軸線Oを中心とした略円柱状に形成されており、その後端側部分が工作機械の回転軸に把持されるシャンク部11とされるとともに、先端側部分が刃先部12とされている。
【0014】
刃先部12の外周には、この刃先部12の先端に位置する先端逃げ面13から軸線O方向の後端側に向かうにしたがい一定のねじれ角でドリル回転方向T後方側にねじれる一対の切屑排出溝14,14が、軸線Oに対して対称に形成されている。
これら切屑排出溝14,14の内周面15,15におけるドリル回転方向T前方側を向く部分の先端側がすくい面16,16とされていて、すくい面16,16と先端逃げ面13との交差稜線部にそれぞれ切刃17,17が形成されている。
【0015】
刃先部12の先端逃げ面13は、図2に示すように、すくい面16,16が交差することによって切刃17,17がドリル回転方向T前方側の稜線部に形成された第一逃げ面13A,13Aと、これら第一逃げ面13A,13Aのドリル回転方向T後方側に連なる第二逃げ面13B,13Bとから構成された多段面状をなしていて、切刃17,17には、後述するシンニング面18,18も含めてドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい多段的に大きくなるような逃げが与えられている。
さらに、この先端逃げ面13は、内周側から外周側に向かうにしたがい刃先部12の後端側に向けて傾斜させられており、切刃17,17に所定の先端角が付されるようになっている。
【0016】
なお、先端逃げ面13における第二逃げ面13B,13Bには、ドリル本体10の内部で、シャンク部11から軸線O方向の先端側へ向かって、切屑排出溝14,14と同様に、軸線O回りにねじれつつ延びる一対のクーラント穴10A,10Aがそれぞれ開口させられており、切削加工の際には、このクーラント穴10A,10Aから切削部位にクーラントが供給される。
【0017】
また、切屑排出溝14の内周面15の先端側には、この内周面15におけるドリル回転方向T前方側を向く部分であるすくい面16の内周側領域からドリル回転方向T後方側を向く部分の全領域までの先端逃げ面13(第一逃げ面13A及び第二逃げ面13B)との交差稜線部分を、刃先部12の後端側に向かうにしたがい切屑排出溝14の内側に向けて切り欠くようにして、ランド部19にまで達するようなシンニング面18が形成されている。
これにより、切刃17の内周端側は、このシンニング面18と第一逃げ面13Aとの交差稜線部に形成されて、内周側に向かうにしたがい先端逃げ面13の中心に位置する軸線Oに向けて延びるシンニング切刃部17Aとされている。
【0018】
ここで、刃先部12における一対の切屑排出溝14,14を除く外周面、すなわち刃先部12におけるランド部19は、切屑排出溝14の内周面15におけるドリル回転方向T前方側を向く部分の外周側稜線部に交差して、軸線Oを中心とした断面略円弧状をなすマージン部20と、このマージン部20のドリル回転方向T後方側に連なり、マージン部20の断面がなす円弧よりも一段小さい外径を有する軸線Oを中心とした断面略円弧状をなす二番取り面21とから構成されている。
【0019】
また、これらマージン部20と二番取り面21は、切屑排出溝14と同様に、先端逃げ面13に交差する部分から軸線O方向の後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるようにして、刃先部12の軸線O方向での略全長に亘って形成されている。
なお、マージン部20及び二番取り面21には、バックテーパが与えられていてもよい。
【0020】
そして、本実施形態においては、ドリル本体10における刃先部12の表面全体、すなわち、刃先部12の外周面であるランド部19(マージン部20及び二番取り面21)の表面、切屑排出溝14の内周面15、シンニング面18及び先端逃げ面13などの刃先部12の表面全体に対して、TiC、TiN、TiCN、TiAlN等の1種または複数種の硬質皮膜が被覆されている。
さらに、硬質皮膜が被覆された刃先部12の表面において、ランド部19におけるマージン部20の表面、切屑排出溝14の内周面15及びシンニング面18に対して、例えばダイヤモンド粒子等の硬質粒子を含んだペーストをブラシに塗布して磨いたりすることによって、ポリッシュ加工が施されている(ポリッシュ加工を施した部分は、図中斜線で示してある)。
【0021】
そのため、これらマージン部20の表面、切屑排出溝14の内周面15及びシンニング面18についての表面粗さRaがそれぞれ、Ra=0.1μm〜0.4μmの範囲に設定され(ポリッシュ加工を施す前の状態では、Ra=0.5μm〜1.0μm)ているのであり、これらのポリッシュ加工が施された部分の表面が滑らかになっている。
一方、ポリッシュ加工が施されていない刃先部12の先端逃げ面13及びランド部19における二番取り面21についての表面粗さRaはそれぞれ、Ra=0.5μm〜1.0μmの範囲に設定されている。
なお、本実施形態で用いられる表面粗さRa〔μm〕とは、JIS B 0601−1994に規定される算術平均粗さのことを示している。
【0022】
上述のような構成とされた本実施形態のドリルは、刃先部12の表面全体が硬質皮膜で被覆されていることにより、ポリッシュ加工が部分的に施されているとはいえ、この硬質皮膜の存在によって、従来と変わらず耐摩耗性の優れたものとなっている。
【0023】
また、刃先部12の表面全体に対して硬質皮膜が施された後に、この硬質皮膜によって比較的面粗さが大きくなりがちとなる切屑排出溝14の内周面15及びシンニング面18にポリッシュ加工が施されることによって、これら切屑排出溝14の内周面15及びシンニング面18は、表面粗さの小さい(Ra=0.1μm〜0.4μm)滑らかなものとなっているので、シンニング切刃部17Aを含む切刃17によって生成される切屑が、シンニング面18及びすくい面16から切屑排出溝14の内周面15を摺接しつつ後端側に送り出されていくときの摩擦抵抗を小さくすることができている。
このように、切屑排出抵抗を小さくすることができているため、切屑詰まりの発生を防止して、切屑を円滑に加工穴から排出することが可能となり、切屑詰まりに起因する刃先部12の折損などが生じることもなく、確実かつ安定した穴明け加工を継続していくことができる。
【0024】
さらに、同じく硬質皮膜によって比較的面粗さが大きくなりがちとなるランド部19におけるマージン部20の表面にもポリッシュ加工が施されることによって、このマージン部20は、表面粗さの小さい(Ra=0.1μm〜0.4μm)滑らかなものとなり、形成される加工穴の内壁面に接触して刃先部12をガイドするときであっても、加工穴の内壁面を荒らしてしまうようなことがない。
それゆえ、加工穴の内壁面との摩擦によってマージン部20の表面粗さが小さくなるという現象が生じていない切削初期段階においても、加工穴の内壁面粗さを小さく良好に保つことができる。
【0025】
ここで、硬質皮膜が被覆された後にポリッシュ加工が施された部分(少なくとも切屑排出溝14の内周面15及びマージン部20の表面、本実施形態では、切屑排出溝14の内周面15、マージン部20の表面及びシンニング面18)の表面粗さRaを0.1μm〜0.4μmの範囲に設定しているが、これは、表面粗さRaを0.1μmより小さく設定すると、ポリッシュ加工を施すために多大な労力と時間を要するおそれがあり、逆に、表面粗さRaを0.4μmよりも大きく設定すると、切屑排出抵抗を低減したり、加工穴の内壁面粗さを向上させたりすることができなくなるおそれがあるからである。
なお、このようなおそれを確実になくすためには、ポリッシュ加工が施された部分の表面粗さRaは、0.2μm〜0.3μmの範囲に設定されることが好ましい。
【0026】
そして、刃先部12の先端逃げ面13については、ポリッシュ加工を施さず、硬質皮膜が被覆されただけの状態で、比較的面粗さの大きい(Ra=0.5〜1.0μm)ままにしておくことにより、刃先部12が被削材へ食い付くときには、軸線O回りに回転されるドリル本体10の回転にともなう刃先部12の振れを生じさせず、その食い付きを安定させることが可能となっている。
したがって、刃先部12を軸線O方向の先端側へ押し込んでいくときのスラスト力を上昇させず小さく抑制することができるとともに、形成される加工穴の入口付近の内壁面粗さを不要意に悪化させるようなこともない。
【0027】
ここで、硬質皮膜が被覆された後にポリッシュ加工が施されない部分(少なくとも先端逃げ面13、本実施形態では、先端逃げ面13及び二番取り面21)の表面粗さRaを0.5μm以上に設定しているが、これは、表面粗さRaを0.5μmより小さく設定すると、刃先部12が被削材に食い付くときにおける刃先部12の振れを防止する効果を得られなくなってしまうおそれがあるからである。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の一例である実施例(刃先部の表面全体に硬質皮膜を被覆した後に、切屑排出溝の内周面とマージン部の表面に対してポリッシュ加工を施し、かつ、先端逃げ面にはポリッシュ加工を施していないドリル)と、従来例(刃先部の表面全体に硬質皮膜を施しただけのドリル)と、比較例(刃先部の表面全体に硬質皮膜を施した後に、この刃先部の表面全体に対してポリッシュ加工を施したドリル)とを用いて、穴明け加工試験を行い、正味切削動力・トルク・スラストを測定した。その結果を図3に示す。
なお、切削条件等は、被削材:炭素鋼テストピース(S50C)、切削速度:120mm/min、送り:0.25mm/rev、クーラント:エマルジョン(濃度10%)である。
【0029】
図3に示すように、従来例においては、刃先部が被削材に食い付くときに、刃先部の振れが生じることなく、スラスト力を小さくすることができた(図3における符合A)ものの、切屑排出抵抗が増大して、切屑詰まりを生じさせてしまった(図3における符合B,C)。
また、比較例においては、切屑排出抵抗を低減できて、切屑詰まりの発生はなかった(図3における符合D,E)ものの、刃先部が被削材に食い付くときに、刃先部の振れが生じて、スラスト力を増大させてしまった(図3における符合F)。
これら従来例及び比較例に対して、本発明の一例である実施例は、切屑排出抵抗を低減できて、切屑詰まりを発生させることがなく(図3における符合G,H)、かつ、刃先部が被削材に食い付くときにも、刃先部の振れを生じさせず、スラスト力を小さくすることができている(図3における符合I)のが分かる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、硬質皮膜を刃先部の表面に被覆することで、その耐摩耗性の向上を図る効果を得つつも、生成される切屑が摺接する切屑排出溝の内周面をポリッシュ加工によって面粗さの小さい滑らかなものとしたことにより、切屑排出抵抗を減少させて切屑詰まりの発生を防ぎ、かつ、形成される加工穴の内壁面に接触することになるマージン部の表面を同じくポリッシュ加工によって面粗さの小さい滑らかなものとしたことにより、この加工穴の内壁面粗さを小さく良好に保つことができる。
しかも、刃先部の先端逃げ面については、ポリッシュ加工を施さず、比較的面粗さの大きいままの状態にしておくことにより、被削材へ食い付くときの刃先部の振れを生じさせず、その食い付きを安定させることが可能となるので、刃先部を軸線方向の先端側へ押し込んでいくときのスラスト力を小さく抑制することができるとともに、加工穴の入口付近の内壁面粗さを不用意に悪化させてしまうようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるドリルを示す側面図である。
【図2】本発明の実施形態によるドリルを示す先端面図である。
【図3】本発明のドリルの効果を実証するための穴明け加工試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ドリル本体
12 刃先部
13 先端逃げ面
14 切屑排出溝
15 内周面
16 すくい面
17 切刃
18 シンニング面
19 ランド部
20 マージン部
21 二番取り面

Claims (3)

  1. 軸線回りに回転されるドリル本体の先端側部分である刃先部の外周に後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、この切屑排出溝の内周面に形成されたすくい面と前記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されたドリルにおいて、
    前記刃先部の表面に硬質皮膜が被覆されているとともに、
    少なくとも前記切屑排出溝の内周面と前記刃先部のランド部に形成されたマージン部の表面とに対してはポリッシュ加工が施されていて、かつ、少なくとも前記刃先部の先端逃げ面に対してはポリッシュ加工が施されていないことを特徴とするドリル。
  2. 請求項1に記載のドリルにおいて、
    前記ポリッシュ加工が施されている部分の表面粗さRaが、0.1μm〜0.4μmの範囲に設定されていることを特徴とするドリル。
  3. 請求項1または請求項2に記載のドリルにおいて、
    前記ポリッシュ加工が施されていない部分の表面粗さRaが、0.5μm以上に設定されていることを特徴とするドリル。
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