JP2004298627A - スノーボード・バインディング - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、スノーボード・バインディングに関する。
【解決手段】スノーボード・バインディングは、スノーボードの表面に固定され得るベース要素２を有する。スノーボード・ブーツ２０の一部を覆って伸びる少なくとも一つの甲要素５は、ベース要素に固定される。甲要素５は、バインディング（図１）のブーツの可動性を向上させるために少なくとも一つの弧状の経路１０，１１に沿って移動可能である。
【選択図】図１

Description

本発明は、請求項１の前段に記載されたスノーボード・バインディングに関する。

この種のバインディングは、特許文献１（＝特許文献２、特許文献３、特許文献４）から公知である。このバインディングは、スノーボードの表面に固定されるベース要素と、この要素に固定し、スノーボード・ブーツの上面を部分的に覆う甲要素と、スノーボード・ブーツの後部を支え、ベース要素上において枢動するようにヒンジ結合されるかかと要素とを備える。甲要素は、大きい表面要素である。この要素は、そのつま先領域及びその足の甲領域においてスノーボード・ブーツを覆う。甲要素は、長さを調節し得るストラップ、すなわち、つま先ストラップ及び足の甲ストラップを経てベース要素に固定される。バインディングの閉位置において、ブーツは、従って、ベース要素、甲要素及びかかと要素の間で保たれる。異なるサイズのブーツに対するバインディングの調整は、甲要素を固定するストラップの長さの調整によって、及び、更に、ピボット可能なかかと要素の可調の位置を経て行われる。このような調整は、ベース要素の前方の領域において固定され、後方においてかかと要素を囲んでいる長さの調節可能なストラップによって行われる。

類似したスノーボード・バインディングは、特許文献５からも公知である。ここで、かかと要素の固定は異なって構成される。

上述したバインディングは、一般にソフト・バインディングとも呼ばれる。その理由は、前方及び側面に、比較的高い運動の柔軟性をスノーボーダーに提供する比較的柔らかくて可撓性のあるブーツ（いわゆるソフトブーツ）と共に使われるからである。柔軟性、すなわち動きの可能な範囲は、スノーボーダーが、所望の様に、バインディングにおいてブーツの大きいか小さい許容度の動きを有するように、足の甲及びかかと要素を調整することによって調整され得る。

しかし、脛骨がブーツの軸とともに横方向に曲げられるときに、つま先及び足の甲の領域においてブーツの外側の上面に比較的堅く位置する甲要素は、特に、上述した従来技術の記載のように、甲要素が大きい表面要素として設計され、足の前方の領域及びブーツの足の甲領域を広範囲にカバーし、その輪郭に適されるときに、この横方向の曲がり運動を制限するという問題が起こる。甲要素が可撓性材料から作られる場合であっても、ブーツの横方向の運動は、この構成において厳しく妨害される。これは、前方及び側面への高い運動の柔軟性がすぐこの種のバインディングにおいて望ましいので、欠点として見られる。
独国特許第４４３５１１３号明細書 米国特許第５９１８８９７号明細書 欧州特許第７０５２６５号明細書 特開平０８−２０６２７５号明細書 米国特許第５５５６１２３号明細書

従って、本発明の課題は、バインディングにおけるブーツの運動、特にバインディングにおけるブーツの横方向の曲がり又は回転のための増加した柔軟性を生成することによって上記言及されたタイプのスノーボード・バインディングを改良することである。

この課題は、請求項１において言及される特徴によって解決される。本発明の有利な実施形態及び変更態様は、従属項から明らかである。

本発明の基本的な原理は、甲要素が少なくとも一つの弧状の経路に沿って移動可能であり、よって、ブーツの横方向の曲がり又は回転運動を追求するということである。

弧状の経路は、少なくとも一つのストラップ、好ましくは、２つのストラップ、すなわち、つま先ストラップ及び足の甲ストラップによって形成される。これらのストラップは、甲要素の一部を外部上において覆って固定する。弧状の経路を制限する協働ガイドは、このストラップ及び甲要素上に提供される。

特定の実施例において、ガイドは、ストラップ内の溝状のガイド開口及び甲要素上のガイド・ピンから成る。上記ガイド・ピンは、ストラップのガイド開口を通過し、その側壁に対して導かれる。

横方向の回転運動の際、ストラップは、従って、本質的に変更のない位置に相変わらずある一方、甲要素は、ストラップに対して移動可能であり、よって、より幅広い感覚で、足底の領域又はその下に位置するピボット軸の周辺においてピボット運動を実行し得る。

本発明の有利な改良によれば、ダンパーは、対応する限界位置に近い運動を止めるガイド開口の端部に提供される。これらのダンパーは、その幅が弾性材からなるピン又は挿入物の直径より小さいように、ガイド経路を収縮させるのが好ましい。確実な案内のため、甲要素とストラップとの間に確実な接続が常に存在するように、ピンは、ガイド開口を重ねるそれらの自由端上に厚くなったヘッドを有する。

本発明の有利な改良によれば、同様に、甲要素及びストラップ間の相対的な可動性が遮断され得る。このために、かみ合せが、対応するピンのヘッド及びその反対側にあるストラップの外部の間で提供される。ピンを９０°ほど回転させることによって、歯の先端が互いに摺動し得るように、かみ合せは、互いに平行に配置され、よって互いに係合するか垂直になり得る。

以下、本発明は、図面と関連して実施例を通じてより詳細に説明する。個々の図面の同じ参照番号は、同一であるか機能的に対応するパーツを示す。

図１は、スノーボード・バインディング１の概略側面図を示す。スノーボード・バインディング１は、スノーボード（図示せず）の表面に固定されるベース要素２を備え、一般にその長い側面上において垂直に上方へ向かう側壁３を備える。側壁３は、ベース要素の構成要素である。かかと要素４（更に記載されていない）は、バインディングの後方領域の両側壁上において枢動するように配置され、バインディングを開放するように後方へ及びバインディングを閉鎖するように前方に枢動され得る。その場合に、バインディングは、閉位置（特許文献１参照）において周知の方法で固定され得る。

バインディングは、大きい表面要素として造られる甲要素５を備える。甲要素５は、ブーツ２０の足の甲及びつま先領域をカバーし、その内部の柔軟性により、その輪郭に適応され得る。甲要素５は、２つの弧状のストラップ、すなわち、足の甲ストラップ６及びつま先ストラップ７上に固定される。その端部は、ベース要素２に、詳しくその側壁３に、特にピボット・ベアリング８又は９に固定される。２つのストラップ６及び７は、可撓性材料からなるが、縦方向への高張力の強さを有する。ストラップ６及び７は、甲要素５の一部をその外部上において覆う。

甲要素５は、ストラップ６及び７によって形成された弧状の経路と関連して移動可能である。このために、甲要素は、ガイド１０及び１１を経てストラップ６及び７に固定される。ここで示される実際的な実施例において、これらのガイドは、ストラップ６及び７内の溝状のガイド開口１２又は１３、及び甲要素５に固定されるガイド・ピン１６、１７からなる。ガイド・ピン１６及び１７は、前述のガイド開口１２又は１３を通過し、ガイド開口１１又は１２の幅より大きくて、よってそれらを越えて伸びるその自由端上に厚くなったヘッド１６’を有する。

ピン１６、１７は、従って、ガイド開口１１又は１２に沿って移動可能である。その結果、ピン１６、１７に確実に連結する甲要素は、弧状の経路によって形成される動きを示す。

２つのストラップ６及び７の長さ調整のために、従来の歯型ベルト２１，２２が、ストラップ６又は７上に装着されるファスナー２３及び２４と結合して提供される。歯型ベルト２１又は２２は、このファスナー２３又は２４内に導入され、ここにぴったり合って固定される。

図２の甲要素５は、中立の、中間の位置に示される。ガイド・ピン１６及び１７は、ガイド開口１２及び１３の中央に位置する。

図３の甲要素５は、ピボット位置に示される。ピン１６及び１７は、ガイド開口１２又は１３の一端に対して停止される。ここで、対応する限界位置が非対称、即ち一方向への甲要素のピボット移動が他の方向への移動より大きいこともあり得ることを指摘しなければならない。

甲要素５がそれ自体で柔軟であり、よってブーツ２０の変形を許容し、かつ足の甲領域における横方向の変位がつま先領域における変位より大きいので、前方ストラップ７及び後方ストラップ６上のピン１６及び１７の変位は、異なる大きさを有し得ることも指摘される。

図４は、ガイド開口１２及びここに挿入されるガイド・ピン１６を備えるガイド１０の切抜きの平面図を示す。ピボット運動を止め、限界位置に対する強力な衝撃を避けるために、ダンパーが提供される。図４の左側部分のこれらのダンパーは、１つの点に向かって漸減するガイド開口１２の収縮部１５から成る。ここで、収縮部の幅は、端部まで継続的に減少して、ピン１６の直径より小さくなる。ピン１６がこの収縮部１５内に摺動するときに、収縮部１５は広がらなければならない。これにより、引張応力の下のストラップ６に機械的な変形作業が発生し、その結果、エネルギーを消費して収縮部１５に沿うピン１６の移動に対して抵抗を発生させる。これは、収縮部１５の端部に移動するに従って増加する。同時に、ピン１６と収縮部１５の壁との間の摩擦力も増加し、これは運動を止めるようにする。

図４の右側部分において、その端部の領域においてガイド開口１２に挿入される挿入物２５は、運動を止めるために提供される。挿入物２５は、ゴムのような材料から成る。ピン１６が挿入物２５にぶつかって止まるとすぐに、挿入物２５は、ますます変形し、よってピン１６の更なる変位に対する増加した抵抗を形成する。その結果、停止効果も達成される。この様な内容において、２つの上述したダンパー、即ち収縮部１５及び挿入物２５が、結合、即ちガイド開口１２の一方又は両方の端部の領域において同時に適用されることもあることが指摘されなければならない。また、一方又は両方のダンパーをガイド開口の一面にのみ適用し得る。挿入物２５は、置換可能であるように構成され得る。その結果、スノーボーダーは、その代案として、異なるダンピング特徴を有する挿入物を使用し得る。

甲要素５及び対応するストラップ６及び／又は７間の相対的な可動性は、また、遮断されて無力化され得る。このために、ガイド開口１２に加えて、その縦方向に延びるかみ合せ２６及びピン１６の厚くなったヘッド１６’の下部にある対応するかみ合せ２７が提供される。ピンは、ヘッドとともに少なくとも９０°ほど回転され得るように固定される。図４に示される位置において、かみ合せ１６及び２７が直角で配置される。その結果、対応する歯がかみ合うことができないが、それらの先端は、その代わりに互いに摺動し、よって可動性を保証する。これは、ヘッドの上部の矢印２８によってスノーボーダーを覚まし得る。ピン１６がヘッド１６’と共に９０°ほど回転されれば、歯がかみ合って可動性が遮断されるように、かみ合せは、互いに平行して位置する。従って、甲要素５及びストラップ６又は７間の明記された相対的な位置を選んで固定することも可能である。

図５は、図４の線ｘ−ｘの断面図を示す。ここでは、ピン１６がファスナー１８によって甲要素５に固定されることが特に明瞭である。例えば、リベットで留めるかねじくぎで取り付け得る。ストラップ６のガイド開口１２を越えて延長し、よって甲要素５がストラップ６から不注意にゆるむことを予防する拡張型ヘッド１６’をピン１６が有することも直ちに明瞭である。ここで、上述したかみ合せ２６、２７に対して明瞭なことは、ピン１６がヘッド１６’と共に摺動可能であるように再び配置されることである。

最後に、ガイド１０及び１１は、異なって構成され得ることが指摘される。例えば、ダブテール・ガイド、二重のＵプロフィールを有するガイド、又は機械工学において公知の他のガイドが使われ得る。

図１乃至３において、３つの各ガイド１０及び１１は、特に横方向に両側上及び中央においてストラップ６及び７の各集合に適用される。甲要素５の両側にのみ、甲要素５の中央にのみ、又は甲要素５の一方にのみ或は一方及び中央にのみ、ガイドを適用することも自然に可能である。例えば、ただ１つのガイドのみが前方のつま先ストラップ７に適用される一方、２つ又は３つのガイドが後方の足の甲ストラップ６に存在する他の組合せも考えられる。甲要素５が単一のストラップのみによって固定され得ることも指摘される。最後に、２つのストラップ６及び７が使われる場合、甲要素５を２つの要素に分割することも可能である。それらの各々は、ストラップ６又は７のうちの１つに固定される。この場合、後方の足の甲ストラップに固定される要素のみが発明によって移動可能である一方、足の甲領域の運動がつま先領域の運動より重要であるので、前方要素は動けないままであることが充分であることも可能である。

本発明によるスノーボード・バインディングの概略側面図を示す。 中立位置のスノーボード・バインディングの概略正面図を示す。 ピボット位置のスノーボード・バインディングの概略正面図を示す。 ガイドの平面図を示す。 図４の線ｘ−ｘの断面図を示す。

符号の説明

１：スノーボード・バインディング
２：ベース要素
３：側壁
５：甲要素
６：足の甲ストラップ
７：つま先ストラップ
８，９：ピボット・ベアリング
１２，１３：ガイド開口
１６，１７：ガイド・ピン
２０：ブーツ
２１，２２：歯型ベルト
２６、２７：かみ合せ

Claims (14)

1. スノーボードの上面に固定され得るベース要素（２）と、スノーボード・ブーツの一部を覆って伸びるとともにベース要素（２）に貼り付けられる甲要素（５）とを備えるスノーボード・バインディングであって、前記甲要素（５）は、少なくとも一つの弧状の経路（１０， １１）に沿って移動可能であることを特徴とするスノーボード・バインディング。
2. 前記弧状の経路は、本質的にバインディングの縦軸に対して直角に伸びることを特徴とする請求項１に記載のスノーボード・バインディング。
3. 前記少なくとも一つの弧状の経路は、前記ベース要素（２）の両側に固定され、前記甲要素（５）を通じて伸びるストラップ（６， ７）によって形成されることを特徴とする請求項１又は２に記載のスノーボード・バインディング。
4. 前記弧状の経路を制限する協働ガイド（１０， １１， １２， １３）が、前記ストラップ（６， ７）及び前記甲要素（５）に提供されることを特徴とする請求項３に記載のスノーボード・バインディング。
5. 前記ガイドは、ストラップ（６， ７）中の溝および前記甲要素（１６）上のガイド・ピン（１６）の形で少なくとも一つのガイド開口（１２， １３）によって形成され、前記ガイド・ピン（１６）は、前記ガイド開口（１２， １３）を通過し、前記ガイド開口（１２， １３）の側壁に導かれていることを特徴とする請求項４に記載のスノーボード・バインディング。
6. 前記ガイド開口（１２， １３）の縦方向へのピンの移動を止めるダンパー（１５， ２５）が、前記ガイド開口（１２， １３）の端部に存在することを特徴とする請求項５に記載のスノーボード・バインディング。
7. 前記ダンパーは、前記ガイド開口（１２， １３）の収縮部（１５）によって形成され、その幅は、ピン（１６）の直径より小さいることを特徴とする請求項６に記載のスノーボード・バインディング。
8. 前記ダンパーは、弾性材からなる挿入物（５）によって形成されることを特徴とする請求項６に記載のスノーボード・バインディング。
9. 前記ピン（１６）は、前記ガイド開口（１２， １３）を通じて伸びる厚くなったヘッド（１６’）をその自由端上に有することを特徴とする請求項４から８のいずれかに記載のスノーボード・バインディング。
10. 前記甲要素は、少なくとも２つのガイド経路上（１０， １１）において導かれ、その１つはつま先領域に、及び別の１つは足の甲領域に配置されることを特徴とする請求項１から９のいずれかに記載のスノーボード・バインディング。
11. 少なくとも２つのガイド（１０， １１， １２， １３）が、少なくとも１つのストラップ（６， ７）に提供されることを特徴とする請求項３から１０のいずれかに記載のスノーボード・バインディング。
12. 前記ストラップ（６， ７）は、その長さが調節可能であることを特徴とする請求項３から１１のいずれかに記載のスノーボード・バインディング。
13. 前記弧状の経路（１０， １１）に沿う前記甲要素（５）の移動を遮断するために、チェック（２６， ２７）が提供されることを特徴とする請求項１１から１２のいずれかに記載のスノーボード・バインディング。
14. 前記甲要素の移動を遮断するための手段は、前記ガイド開口（１２， １３）の側面上のかみ合せ（２６）と、前記ガイド開口（１２， １３）を通じて伸びる厚くなったヘッド（１６）上の対応かみ合せ（２７）とを備え、前記ヘッド（１６’）は、少なくとも９０°回転するように取り付けられていることを特徴とする請求項１３に記載のスノーボード・バインディング。

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