JP2004298554A - 呼吸用気体供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い酸素濃度を有する呼吸用気体の使用量を節約して低減するとともに、低酸素濃度の呼吸用気体を比較的大流量で使用者に供給できる呼吸用気体供給装置を提供し、使用者の病態に応じた呼吸用気体の酸素濃度の変更を安全かつ容易に行なうことができる装置を提供する。
【解決手段】高圧の濃縮酸素からなる呼吸用気体を充填した容器(10)と、前記容器(10)から供給される呼吸用気体に対して外部空気を取り入れるための空気取入手段(21)と、取り入れられた外部空気と前記容器(10)から供給される呼吸用気体の混合容積比率を制御する制御手段(24)とを少なくとも備えた呼吸用気体供給装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】高圧の濃縮酸素からなる呼吸用気体を充填した容器(10)と、前記容器(10)から供給される呼吸用気体に対して外部空気を取り入れるための空気取入手段(21)と、取り入れられた外部空気と前記容器(10)から供給される呼吸用気体の混合容積比率を制御する制御手段(24)とを少なくとも備えた呼吸用気体供給装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、濃縮された酸素ガスからなる呼吸用気体を使用者に供給する呼吸用気体供給装置に関し、特に、肺気腫、慢性気管支炎等の呼吸器系疾患の治療などに好適に使用できる呼吸用気体供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
肺気腫、慢性気管支炎等の呼吸器系疾患の治療法として最も効果的なものの1つに酸素吸入療法があり、近年この療法のために酸素ボンベあるいは酸素富化空気供給装置が使用されるようになってきた。また、リラクゼーションを目的としても、このような装置が用いられるようになってきた。このような装置においては、病院や在宅で酸素吸入療法を行う場合には、大容量の固定式酸素ボンベあるいは酸素富化空気供給装置が使用されるが、使用者(患者)が通院や自宅から外出する場合には、携帯型の酸素ボンベが主に用いられている。
【0003】
このような携帯用酸素ボンベでは、体力がない呼吸器系疾患患者が持ち運びできるようにするために小型軽量である必要がある。しかしながら、このような酸素ボンベの小型軽量化に伴って、充填できる酸素の容量も必然的に小さくなるため、高圧酸素ガスを充填せざるを得なくなる。
【0004】
また、酸素の使用量をできるだけ節約するために、患者が酸素を吸引する時にだけ必要な酸素を供給して、酸素が無駄に消費されることがないようにし、患者が使用し得る時間を更に延長することが行われている。すなわち、酸素ボンベに呼吸センサーと自動開閉弁を内蔵し、患者の吸気時間だけに酸素を供給し、呼気時間は酸素の供給を停止する所謂デマンドレギュレータを使用して酸素を節約する手段が用いられている。ただし、患者の病態などの処方に応じた流量に合わせた濃縮酸素を連続的に供給する場合には、患者の呼吸に同調させて濃縮酸素を供給するデマンドレギュレータを使用しないように手動で切り替える方法が一般に用いられている。
【0005】
しかしながら、このような場合には、酸素ボンベから供給される酸素濃度は99.99%といった極めて酸素濃度の高い呼吸用気体であって、このような高酸素濃度を有する呼吸用気体の供給流量を変更して患者に供給するに過ぎなかった。ところが、病態によっては、このような高酸素濃度の呼吸用気体を吸入する必要がないか、あるいは吸引することができない使用者(患者)が存在する。このような要求に対しては、例えば、40%といった低酸素濃度の呼吸用気体を供給するという要求には、従来技術は充分に対応できなかった。
【0006】
例えば、特公昭48−15913号公報には、液体酸素を充填した充填部から濃縮酸素を混合室へ供給して酸素を混合室内に拡散させると共に、使用者が吸引する際に混合室に設けられた空気の取入口から外部空気を取り込むことが提案されている。しかしながら、この従来技術では、取り入れる外部空気の量が使用者の呼吸によって左右されてしまって、呼吸用気体の酸素濃度を調整したり、供給流量を調整することができない。
【0007】
また、特開平8−243167号公報には、圧力変動吸着型の酸素濃縮器を使用し、空気から吸着剤によって取り除く窒素ガスの量を調整することによって、呼吸用気体の酸素濃度と供給流量とを調整する従来技術が提案されている。しかしながら、このような装置は、コンプレッサなどを駆動するための動力源(電源)が必要になるなどの問題があり、しかも、装置も大型化するために、使用者(患者)が外出する時に使用する携帯型の呼吸気用気体供給装置としては好ましいものではなかった。
【0008】
【特許文献1】
特公昭48−15913号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平8−243167号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のような従来の呼吸用気体供給装置が持つ問題点を解決するものであり、高い酸素濃度を有する呼吸用気体の使用量を節約して低減するとともに、低酸素濃度の呼吸用気体を比較的大流量で使用者に供給できる呼吸用気体供給装置を提供することを目的とし、更には、使用者の病態に応じた呼吸用気体の酸素濃度の変更を安全かつ容易に行なうことができる携帯に適した呼吸用気体供給装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を着想するに至った。すなわち、本発明は、請求項1に記載のように、「高圧の濃縮酸素からなる呼吸用気体を充填した容器と、前記容器から供給される呼吸用気体に対して外部空気を取り入れるための空気取入手段と、取り入れられた外部空気と前記容器から供給される呼吸用気体の混合容積比率を制御する制御手段とを備えた呼吸用気体供給装置」を提供するものである。
【0012】
その際、本発明は、請求項2に記載のように、「前記容器に充填された呼吸用気体を一次減圧する減圧手段を有する呼吸用気体供給装置」とすることが好ましく、このように高圧の気体を一次減圧することによって、不意の取り扱いミスが発生しても高圧の気体が噴出して使用者が危険な状態に置かれることがない。
【0013】
また、本発明は、請求項3に記載のように、「前記空気取入手段がエジェクタである請求項1又は2記載の呼吸用気体供給装置」とすることが好ましく、このようにすることによって、簡易に必要とされる呼吸用気体の酸素濃度を調節することができる。
【0014】
また、本発明は、請求項4に記載のように、「前記エジェクタの副気体の導入部に前記外部空気の流量を調整自在の流量調整手段を付設した請求項3記載の呼吸用気体供給装置」とすることが好ましく、このようにすることによって、必要とされる呼吸用気体の酸素濃度をより正確に調節することができる。
【0015】
また、本発明は、請求項5に記載のように、「使用者に最終的に供給する呼吸用気体の酸素濃度を設定するための酸素濃度設定手段と、前記使用者に供給される呼吸用気体の酸素濃度を検出するための酸素濃度検出手段と、前記容器から供給される気体の流量を調整自在の電気式圧力制御手段とを備え、
更に、前記制御手段が、前記酸素濃度検出手段から検出された酸素濃度情報に基いて演算された制御信号を出して前記電気式圧力制御手段をフィードバック制御して前記酸素濃度設定手段によって設定された酸素濃度値に呼吸用気体を制御する手段である請求項1〜4の何れかに記載の呼吸用気体供給装置」とすることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、請求項6に記載のように、「使用者に最終的に供給する呼吸用気体の供給流量を設定するための機械式流量設定手段を有する請求項1〜5の何れかに記載の呼吸用気体供給装置」とすることが好ましい。
【0017】
そして、本発明は、請求項7に記載のように、「使用者の生体情報を検出する生体情報検出手段を備え、前記生体情報検出手段から得られた前記生体情報に基いて使用者に供給する呼吸用気体の少なくとも酸素濃度と供給流量とを制御する請求項1〜6の何れかに記載の呼吸用気体供給装置」とすることが好ましい。
【0018】
その際、本発明は、請求項8に記載のように、「前記生体情報検出手段が前記使用者の血中酸素飽和度及び/又は呼吸数を検出する手段である請求項7に記載の呼吸用気体供給装置」とすることが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の件態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1及び2は、本発明の呼吸用気体供給装置に係る第1実施形態例と第2実施形態例をそれぞれ模式的に例示した概略構成図である。これらの図1及び2に記載の実施形態例において、本発明の呼吸用気体供給装置は、呼吸用気体の供給ユニット1、制御ユニット2、呼吸ユニット3、そして、これらを順に接続する接続手段4(4a、4b)とから構成されている。
【0021】
なお、参照符号5は、以上に述べたような呼吸用気体供給装置から供給される呼吸用気体を吸引する使用者を示し、肺気腫、慢性気管支炎等の呼吸器系疾患を患った患者、あるいは疲労など濃縮酸素の吸引によって回復しようとする人々がその対象となる。
【0022】
したがって、図1及び2に例示した装置構成によって、前記使用者5に対して、前記供給ユニット1から供給された呼吸用気体(高濃度の酸素ガス)は、前記制御ユニットで所定の仕様(酸素濃度や流量なと)に調整された呼吸用気体として、前記呼吸ユニット3を介して供給されることとなる。このとき、前記供給ユニット1は、高圧の濃縮酸素からなる呼吸用気体を充填した容器本体10、前記容器本体10から供給される高圧の呼吸用気体の圧力を減圧する減圧手段11、そして、供給ユニット1から制御ユニット2へ濃縮酸素からなる気体の供給を開始するための元栓(図示せず)などを含んで構成されている。
【0023】
また、前記制御ユニット2は、電気式圧力制御手段20、空気取入手段21、機械式又は電気式流量制御手段22、酸素濃度検出手段23、制御手段24、酸素濃度設定手段25、流量設定手段26、そして、酸素濃度表示手段27などを含んで構成されている。ただし、図1及び2の例では、電気式圧力制御手段20としては電空比例弁(圧力形)、空気取入手段21としてはエジェクタ、機械式流量制御手段22としては機械的にオリフィス位置を変更することにより所定の流量を供給できるオリフィス式流量制御装置、そして、制御手段24としては中央演算処理装置(CPU)と半導体メモリー(ROM、RAMなど)を有するマイクロコンピュータを使用して、前記半導体メモリーに記憶させたプログラムによって所定の制御信号を各制御機器に送信する方式を採用した。なお、本例の流量設定手段26には流量を表示する機能を併せ持たせている。
【0024】
そして、最後に呼吸ユニット3は、フレキシブル導管30、カニューラ31、そして、生体情報検出手段32などを含んで構成されている。このとき、前記カニューラ31は、使用者5の鼻孔及び/又は口腔内へ呼吸気体を供給するための呼吸具であり、前記フレキシブル導管30の末端部に接続されている。さらに、生体情報検出手段32は、使用者5の生体情報(例えば、血中酸素飽和度、呼吸数等)などを検出するためのセンサーであって、図2に示した例においては、導管30に取り付けた例を示しているが、血中酸素飽和度のような生体情報を検出する場合には使用者5の身体に直接装着されることは言うまでもない。
【0025】
ただし、前記接続手段4a、4bはワンタッチで取り付け、取り外しできる形態が好ましい。何故ならば、酸素ボンベなどからなる容器内に充填された酸素ガスが消費されると、濃縮酸素ガスが充填された新たな容器に交換する必要があり、この交換を容易にする必要があるからである。
【0026】
このとき、供給ユニット1側に高圧の濃縮酸素ガスを一次減圧する減圧手段11を設けているのは、このようなワンタッチ式継手を使用した場合に使用者5が元栓(図示せず)を閉めずに誤った操作を実行したと仮定しても、継手から高圧の濃縮酸素が漏れ出すことなく、低圧の濃縮酸素が漏れ出すだけであるため、より安全性が向上するという利点もある。なお、付言しておくと、このようなワンタッチ式継手では、継手が外れると内部気体が漏れ出さないようなロック機能が付いたものが好ましいことは言うまでもない。
【0027】
以上に述べたように構成される実施形態例のような本発明の呼吸用気体供給装置において、本発明は、通常の外部空気の酸素濃度値から前記容器本体10に充填された濃縮酸素の酸素濃度(例えば、99.99%)までの間の酸素濃度を自由に調節して、このように酸素濃度が調節された呼吸用気体を使用者5へ供給することを大きな特徴とする。
【0028】
そして、これを具現化するために、本発明では、前記容器本体10から供給される高濃度の酸素ガスを空気取入手段21によって取り入れた外部空気と混合して、その混合容積比率を調整し、調整した混合容積比率に対応する酸素濃度を得る。このように、本発明では、外部空気の混合を止めれば、従来の装置のように酸素ボンベから供給される濃縮酸素の濃度(例えば、99.99%)を有する呼吸用気体となり、逆に容器10からの濃縮酸素の供給を停止すれば、通常の空気に含まれる酸素濃度にまで容易に呼吸用気体の酸素濃度を調整できる。
【0029】
本発明においては、外部空気を取り込むための空気取入手段として、図1及び2に示すように、エジェクタ21を使用することは、好ましい実施態様である。何故ならば、比較的高圧であって、かつ高酸素濃度を有する呼吸用気体をエジェクタ21に流入させて、エジェクタが有する吸引機能を利用することによって、簡易に外部空気を導入することができるからである。
【0030】
ここで、エジェクタ21は、気体の吸引機能を発現させるための気体導入部を有する本体部21aと、この本体部21aに導入された気体(本例では、“濃縮酸素ガス”である)によって吸引される副気体(本例では、“外部空気”である)の導入部21bなどを含んで構成されている。なお、副気体の導入部21bに流量調節弁、あるいはダーパーなどのような流量調節手段を設けておくことは、取り込む外部空気の流量をこれによって適正に制御できるため好ましい。また、副気体導入部21bにエアフィルターなどを設けて清浄な空気を導入することも好ましい実施態様である。
【0031】
以上に述べたように、空気取入手段としてエジェクタ21を設けることによって、酸素濃度が調節される手順について簡単に説明する。先ず、外部空気と濃縮酸素ガスとが混合された呼吸用気体の酸素濃度情報を知る必要がある。また、呼吸用気体の酸素濃度や供給流量をどのような濃度や流量にするのかを設定する必要があり、この酸素濃度値と流量の設定は、使用者5やその付添人などによって酸素濃度設定手段25と流量設定手段26とをそれぞれ使用して行われる。その際、呼吸系疾患を患うような使用者に対しては、使用者の病態に応じて出された医師からの処方に基いて、呼吸用気体の酸素濃度値や流量値などが決定されることは言うまでもない。
【0032】
以上に述べた設定手順が完了すると、供給される呼吸用気体の酸素濃度情報を検出するために、図1及び2に示した位置にオンラインで連続測定可能な酸素濃度検出手段23を設ける。なお、このような濃度情報及び/又は流量情報は、酸素濃度表示手段27及び/又は表示機能を有する流量設定手段26に逐次表示される。
【0033】
このようにして、前記酸素濃度検出手段23から検出された酸素濃度値は、トランスデューサなどの信号変換手段、あるいは必要に応じてA/D変換器などのインターフェース手段などを介して制御手段24に入力される。そうすると、検出された酸素濃度値に対応して、最初に設定された必要酸素濃度値や流量値などを達成可能な制御変数が制御手段24によって演算され、この演算結果に基いた制御信号が、必要に応じてD/A変換器などを備えたインターフェース手段を介して電空比例弁20に伝達される。
【0034】
そうすると、伝達された制御信号によって電空比例弁20がフィードバック制御され、容器10から減圧手段11を介して供給される比較的高圧の濃縮酸素の流量を適正な値に調整する。そして、このようにして、エジェクタ21に供給される濃縮酸素の圧力と流量とが適正に制御されると、エジェクタ21の本体部21aの吸引機能がそれに応じて適正に制御され、これによって、エジェクタ21の導入部21bから取り込まれる外部空気の量を適正に制御することが可能となる。
【0035】
なお、この場合、必要に応じて導入部21bに取り付けられた前述の流量調整手段(図示せず)を制御手段24から出力された制御信号に基いて制御することによって、更にきめ細かく外部空気の取り込量を制御することができる。
【0036】
また、本実施形態例は、空気取入手段21として「エジェクタ」を使用した場合について説明したが、外部空気を吸引して取り込むための軸流ファンなどを使用することもできる。この場合、制御手段24は、軸流ファンの回転数を制御したり、軸流ファンから取り込まれた外部空気の流量を制御する流量制御弁などを制御したりすることによって、呼吸用気体の酸素濃度を適正に制御する。
【0037】
更には、以上の実施形態例において述べたような本発明の呼吸用気体供給装置に対して、機械式又は電気式流量設定手段26によって設定された呼吸用気体の流量を正確にトレースして制御するようにするために、調整された呼吸用気体が使用者5へ最終的に供給される流路の途中に機械式又は電気式流量設定手段26を用いることが好ましい。機械式又は電気式流量設定手段26を使用する際に、機械式流量設定手段(例えば、オリフィス式流量調整手段)を使用すると、その流量調整を狭い範囲できめ細かく設定でき、また、電気式流量設定手段では広い範囲で設定することができる。
【0038】
次に、図2に示した本発明の実施形態例について説明する。図2の例と図1の例とは、使用者5の生体情報(例えば、血中酸素飽和度、呼吸数など)を検出するための生体情報検出手段32を設けることによって検出し、検出した生体情報に基いて、供給する呼吸用気体の酸素濃度と流量とを制御する点において異なっている。そして、本発明では、このように生体情報を活用することによって、使用者5の時々刻々と変化する容態に最も適した呼吸用気体を提供することを可能とする。
【0039】
つまり、例えば、使用者5の血中酸素飽和度を測定するセンサーや使用者の呼吸数を測定するセンサーを生体情報検出手段32として設け、これによって使用者5の容態を監視し、これらの生体情報から制御手段24によって常に最適な呼吸用気体を供給できるようにする。そうすると、使用者5の容態変化に柔軟に追従して、適切な仕様の呼吸用気体が使用者5の容態に応じて自動的に設定されて供給されることとなる。このため、使用者5やその付添人が絶えず使用者の容態に気配りすることなくなり、酸素濃度設定手段25や流量設定手段26を使用して、いちいち手動で必要な呼吸用気体が供給されるように操作したり調整したりする必要がなくなる。
【0040】
したがって、使用者5は、携帯型の呼吸用気体供給装置を身に付けて外出したり、あるいは家庭内で他の用事を行ったりしても、酸素濃度の調整や供給流量の調整に一々気配りすることなく、積極的に活動できるようになる。また、このような活動範囲の拡大ばかりではなく、体力が衰弱したり、消耗したりした使用者5を介助するために付き添う付添人がいなくても、必要な仕様に調整された呼吸用気体が使用者5の容態にあわせて供給されることとなる。したがって、介助人を必要とする使用者5であったとしても、常に介助人が使用者に付き添う必要もなくなる。
【0041】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明は、高い酸素濃度を有する呼吸用気体の使用量を節約して低減するとともに、低酸素濃度の呼吸用気体を比較的大流量で使用者に供給できる呼吸用気体供給装置を提供でき、更には、使用者の病態に応じた呼吸用気体の酸素濃度の変更を安全かつ容易に行なうことができる携帯に適した呼吸用気体供給装置を提供することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例を模式的に例示した概略装置構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態例を模式的に例示した概略装置構成図である。
【符号の説明】
1:供給ユニット
2:制御ユニット
3:呼吸ユニット
4(4a、4b):接続手段
5:使用者(患者)
10:容器本体
11:減圧手段
20;圧力制御手段
21:空気取入手段
22:流量制御手段
23:酸素濃度検出手段3
24:制御手段
25:酸素濃度設定手段
26:流量設定手段 流量設定部(表示部)11
27:酸素濃度表示手段 濃度表示部13
30:フレキシブル導管
31:カニューラ
32:生体情報検出手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、濃縮された酸素ガスからなる呼吸用気体を使用者に供給する呼吸用気体供給装置に関し、特に、肺気腫、慢性気管支炎等の呼吸器系疾患の治療などに好適に使用できる呼吸用気体供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
肺気腫、慢性気管支炎等の呼吸器系疾患の治療法として最も効果的なものの1つに酸素吸入療法があり、近年この療法のために酸素ボンベあるいは酸素富化空気供給装置が使用されるようになってきた。また、リラクゼーションを目的としても、このような装置が用いられるようになってきた。このような装置においては、病院や在宅で酸素吸入療法を行う場合には、大容量の固定式酸素ボンベあるいは酸素富化空気供給装置が使用されるが、使用者(患者)が通院や自宅から外出する場合には、携帯型の酸素ボンベが主に用いられている。
【0003】
このような携帯用酸素ボンベでは、体力がない呼吸器系疾患患者が持ち運びできるようにするために小型軽量である必要がある。しかしながら、このような酸素ボンベの小型軽量化に伴って、充填できる酸素の容量も必然的に小さくなるため、高圧酸素ガスを充填せざるを得なくなる。
【0004】
また、酸素の使用量をできるだけ節約するために、患者が酸素を吸引する時にだけ必要な酸素を供給して、酸素が無駄に消費されることがないようにし、患者が使用し得る時間を更に延長することが行われている。すなわち、酸素ボンベに呼吸センサーと自動開閉弁を内蔵し、患者の吸気時間だけに酸素を供給し、呼気時間は酸素の供給を停止する所謂デマンドレギュレータを使用して酸素を節約する手段が用いられている。ただし、患者の病態などの処方に応じた流量に合わせた濃縮酸素を連続的に供給する場合には、患者の呼吸に同調させて濃縮酸素を供給するデマンドレギュレータを使用しないように手動で切り替える方法が一般に用いられている。
【0005】
しかしながら、このような場合には、酸素ボンベから供給される酸素濃度は99.99%といった極めて酸素濃度の高い呼吸用気体であって、このような高酸素濃度を有する呼吸用気体の供給流量を変更して患者に供給するに過ぎなかった。ところが、病態によっては、このような高酸素濃度の呼吸用気体を吸入する必要がないか、あるいは吸引することができない使用者(患者)が存在する。このような要求に対しては、例えば、40%といった低酸素濃度の呼吸用気体を供給するという要求には、従来技術は充分に対応できなかった。
【0006】
例えば、特公昭48−15913号公報には、液体酸素を充填した充填部から濃縮酸素を混合室へ供給して酸素を混合室内に拡散させると共に、使用者が吸引する際に混合室に設けられた空気の取入口から外部空気を取り込むことが提案されている。しかしながら、この従来技術では、取り入れる外部空気の量が使用者の呼吸によって左右されてしまって、呼吸用気体の酸素濃度を調整したり、供給流量を調整することができない。
【0007】
また、特開平8−243167号公報には、圧力変動吸着型の酸素濃縮器を使用し、空気から吸着剤によって取り除く窒素ガスの量を調整することによって、呼吸用気体の酸素濃度と供給流量とを調整する従来技術が提案されている。しかしながら、このような装置は、コンプレッサなどを駆動するための動力源(電源)が必要になるなどの問題があり、しかも、装置も大型化するために、使用者(患者)が外出する時に使用する携帯型の呼吸気用気体供給装置としては好ましいものではなかった。
【0008】
【特許文献1】
特公昭48−15913号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平8−243167号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のような従来の呼吸用気体供給装置が持つ問題点を解決するものであり、高い酸素濃度を有する呼吸用気体の使用量を節約して低減するとともに、低酸素濃度の呼吸用気体を比較的大流量で使用者に供給できる呼吸用気体供給装置を提供することを目的とし、更には、使用者の病態に応じた呼吸用気体の酸素濃度の変更を安全かつ容易に行なうことができる携帯に適した呼吸用気体供給装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を着想するに至った。すなわち、本発明は、請求項1に記載のように、「高圧の濃縮酸素からなる呼吸用気体を充填した容器と、前記容器から供給される呼吸用気体に対して外部空気を取り入れるための空気取入手段と、取り入れられた外部空気と前記容器から供給される呼吸用気体の混合容積比率を制御する制御手段とを備えた呼吸用気体供給装置」を提供するものである。
【0012】
その際、本発明は、請求項2に記載のように、「前記容器に充填された呼吸用気体を一次減圧する減圧手段を有する呼吸用気体供給装置」とすることが好ましく、このように高圧の気体を一次減圧することによって、不意の取り扱いミスが発生しても高圧の気体が噴出して使用者が危険な状態に置かれることがない。
【0013】
また、本発明は、請求項3に記載のように、「前記空気取入手段がエジェクタである請求項1又は2記載の呼吸用気体供給装置」とすることが好ましく、このようにすることによって、簡易に必要とされる呼吸用気体の酸素濃度を調節することができる。
【0014】
また、本発明は、請求項4に記載のように、「前記エジェクタの副気体の導入部に前記外部空気の流量を調整自在の流量調整手段を付設した請求項3記載の呼吸用気体供給装置」とすることが好ましく、このようにすることによって、必要とされる呼吸用気体の酸素濃度をより正確に調節することができる。
【0015】
また、本発明は、請求項5に記載のように、「使用者に最終的に供給する呼吸用気体の酸素濃度を設定するための酸素濃度設定手段と、前記使用者に供給される呼吸用気体の酸素濃度を検出するための酸素濃度検出手段と、前記容器から供給される気体の流量を調整自在の電気式圧力制御手段とを備え、
更に、前記制御手段が、前記酸素濃度検出手段から検出された酸素濃度情報に基いて演算された制御信号を出して前記電気式圧力制御手段をフィードバック制御して前記酸素濃度設定手段によって設定された酸素濃度値に呼吸用気体を制御する手段である請求項1〜4の何れかに記載の呼吸用気体供給装置」とすることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、請求項6に記載のように、「使用者に最終的に供給する呼吸用気体の供給流量を設定するための機械式流量設定手段を有する請求項1〜5の何れかに記載の呼吸用気体供給装置」とすることが好ましい。
【0017】
そして、本発明は、請求項7に記載のように、「使用者の生体情報を検出する生体情報検出手段を備え、前記生体情報検出手段から得られた前記生体情報に基いて使用者に供給する呼吸用気体の少なくとも酸素濃度と供給流量とを制御する請求項1〜6の何れかに記載の呼吸用気体供給装置」とすることが好ましい。
【0018】
その際、本発明は、請求項8に記載のように、「前記生体情報検出手段が前記使用者の血中酸素飽和度及び/又は呼吸数を検出する手段である請求項7に記載の呼吸用気体供給装置」とすることが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の件態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1及び2は、本発明の呼吸用気体供給装置に係る第1実施形態例と第2実施形態例をそれぞれ模式的に例示した概略構成図である。これらの図1及び2に記載の実施形態例において、本発明の呼吸用気体供給装置は、呼吸用気体の供給ユニット1、制御ユニット2、呼吸ユニット3、そして、これらを順に接続する接続手段4(4a、4b)とから構成されている。
【0021】
なお、参照符号5は、以上に述べたような呼吸用気体供給装置から供給される呼吸用気体を吸引する使用者を示し、肺気腫、慢性気管支炎等の呼吸器系疾患を患った患者、あるいは疲労など濃縮酸素の吸引によって回復しようとする人々がその対象となる。
【0022】
したがって、図1及び2に例示した装置構成によって、前記使用者5に対して、前記供給ユニット1から供給された呼吸用気体(高濃度の酸素ガス)は、前記制御ユニットで所定の仕様(酸素濃度や流量なと)に調整された呼吸用気体として、前記呼吸ユニット3を介して供給されることとなる。このとき、前記供給ユニット1は、高圧の濃縮酸素からなる呼吸用気体を充填した容器本体10、前記容器本体10から供給される高圧の呼吸用気体の圧力を減圧する減圧手段11、そして、供給ユニット1から制御ユニット2へ濃縮酸素からなる気体の供給を開始するための元栓(図示せず)などを含んで構成されている。
【0023】
また、前記制御ユニット2は、電気式圧力制御手段20、空気取入手段21、機械式又は電気式流量制御手段22、酸素濃度検出手段23、制御手段24、酸素濃度設定手段25、流量設定手段26、そして、酸素濃度表示手段27などを含んで構成されている。ただし、図1及び2の例では、電気式圧力制御手段20としては電空比例弁(圧力形)、空気取入手段21としてはエジェクタ、機械式流量制御手段22としては機械的にオリフィス位置を変更することにより所定の流量を供給できるオリフィス式流量制御装置、そして、制御手段24としては中央演算処理装置(CPU)と半導体メモリー(ROM、RAMなど)を有するマイクロコンピュータを使用して、前記半導体メモリーに記憶させたプログラムによって所定の制御信号を各制御機器に送信する方式を採用した。なお、本例の流量設定手段26には流量を表示する機能を併せ持たせている。
【0024】
そして、最後に呼吸ユニット3は、フレキシブル導管30、カニューラ31、そして、生体情報検出手段32などを含んで構成されている。このとき、前記カニューラ31は、使用者5の鼻孔及び/又は口腔内へ呼吸気体を供給するための呼吸具であり、前記フレキシブル導管30の末端部に接続されている。さらに、生体情報検出手段32は、使用者5の生体情報(例えば、血中酸素飽和度、呼吸数等)などを検出するためのセンサーであって、図2に示した例においては、導管30に取り付けた例を示しているが、血中酸素飽和度のような生体情報を検出する場合には使用者5の身体に直接装着されることは言うまでもない。
【0025】
ただし、前記接続手段4a、4bはワンタッチで取り付け、取り外しできる形態が好ましい。何故ならば、酸素ボンベなどからなる容器内に充填された酸素ガスが消費されると、濃縮酸素ガスが充填された新たな容器に交換する必要があり、この交換を容易にする必要があるからである。
【0026】
このとき、供給ユニット1側に高圧の濃縮酸素ガスを一次減圧する減圧手段11を設けているのは、このようなワンタッチ式継手を使用した場合に使用者5が元栓(図示せず)を閉めずに誤った操作を実行したと仮定しても、継手から高圧の濃縮酸素が漏れ出すことなく、低圧の濃縮酸素が漏れ出すだけであるため、より安全性が向上するという利点もある。なお、付言しておくと、このようなワンタッチ式継手では、継手が外れると内部気体が漏れ出さないようなロック機能が付いたものが好ましいことは言うまでもない。
【0027】
以上に述べたように構成される実施形態例のような本発明の呼吸用気体供給装置において、本発明は、通常の外部空気の酸素濃度値から前記容器本体10に充填された濃縮酸素の酸素濃度(例えば、99.99%)までの間の酸素濃度を自由に調節して、このように酸素濃度が調節された呼吸用気体を使用者5へ供給することを大きな特徴とする。
【0028】
そして、これを具現化するために、本発明では、前記容器本体10から供給される高濃度の酸素ガスを空気取入手段21によって取り入れた外部空気と混合して、その混合容積比率を調整し、調整した混合容積比率に対応する酸素濃度を得る。このように、本発明では、外部空気の混合を止めれば、従来の装置のように酸素ボンベから供給される濃縮酸素の濃度(例えば、99.99%)を有する呼吸用気体となり、逆に容器10からの濃縮酸素の供給を停止すれば、通常の空気に含まれる酸素濃度にまで容易に呼吸用気体の酸素濃度を調整できる。
【0029】
本発明においては、外部空気を取り込むための空気取入手段として、図1及び2に示すように、エジェクタ21を使用することは、好ましい実施態様である。何故ならば、比較的高圧であって、かつ高酸素濃度を有する呼吸用気体をエジェクタ21に流入させて、エジェクタが有する吸引機能を利用することによって、簡易に外部空気を導入することができるからである。
【0030】
ここで、エジェクタ21は、気体の吸引機能を発現させるための気体導入部を有する本体部21aと、この本体部21aに導入された気体(本例では、“濃縮酸素ガス”である)によって吸引される副気体(本例では、“外部空気”である)の導入部21bなどを含んで構成されている。なお、副気体の導入部21bに流量調節弁、あるいはダーパーなどのような流量調節手段を設けておくことは、取り込む外部空気の流量をこれによって適正に制御できるため好ましい。また、副気体導入部21bにエアフィルターなどを設けて清浄な空気を導入することも好ましい実施態様である。
【0031】
以上に述べたように、空気取入手段としてエジェクタ21を設けることによって、酸素濃度が調節される手順について簡単に説明する。先ず、外部空気と濃縮酸素ガスとが混合された呼吸用気体の酸素濃度情報を知る必要がある。また、呼吸用気体の酸素濃度や供給流量をどのような濃度や流量にするのかを設定する必要があり、この酸素濃度値と流量の設定は、使用者5やその付添人などによって酸素濃度設定手段25と流量設定手段26とをそれぞれ使用して行われる。その際、呼吸系疾患を患うような使用者に対しては、使用者の病態に応じて出された医師からの処方に基いて、呼吸用気体の酸素濃度値や流量値などが決定されることは言うまでもない。
【0032】
以上に述べた設定手順が完了すると、供給される呼吸用気体の酸素濃度情報を検出するために、図1及び2に示した位置にオンラインで連続測定可能な酸素濃度検出手段23を設ける。なお、このような濃度情報及び/又は流量情報は、酸素濃度表示手段27及び/又は表示機能を有する流量設定手段26に逐次表示される。
【0033】
このようにして、前記酸素濃度検出手段23から検出された酸素濃度値は、トランスデューサなどの信号変換手段、あるいは必要に応じてA/D変換器などのインターフェース手段などを介して制御手段24に入力される。そうすると、検出された酸素濃度値に対応して、最初に設定された必要酸素濃度値や流量値などを達成可能な制御変数が制御手段24によって演算され、この演算結果に基いた制御信号が、必要に応じてD/A変換器などを備えたインターフェース手段を介して電空比例弁20に伝達される。
【0034】
そうすると、伝達された制御信号によって電空比例弁20がフィードバック制御され、容器10から減圧手段11を介して供給される比較的高圧の濃縮酸素の流量を適正な値に調整する。そして、このようにして、エジェクタ21に供給される濃縮酸素の圧力と流量とが適正に制御されると、エジェクタ21の本体部21aの吸引機能がそれに応じて適正に制御され、これによって、エジェクタ21の導入部21bから取り込まれる外部空気の量を適正に制御することが可能となる。
【0035】
なお、この場合、必要に応じて導入部21bに取り付けられた前述の流量調整手段(図示せず)を制御手段24から出力された制御信号に基いて制御することによって、更にきめ細かく外部空気の取り込量を制御することができる。
【0036】
また、本実施形態例は、空気取入手段21として「エジェクタ」を使用した場合について説明したが、外部空気を吸引して取り込むための軸流ファンなどを使用することもできる。この場合、制御手段24は、軸流ファンの回転数を制御したり、軸流ファンから取り込まれた外部空気の流量を制御する流量制御弁などを制御したりすることによって、呼吸用気体の酸素濃度を適正に制御する。
【0037】
更には、以上の実施形態例において述べたような本発明の呼吸用気体供給装置に対して、機械式又は電気式流量設定手段26によって設定された呼吸用気体の流量を正確にトレースして制御するようにするために、調整された呼吸用気体が使用者5へ最終的に供給される流路の途中に機械式又は電気式流量設定手段26を用いることが好ましい。機械式又は電気式流量設定手段26を使用する際に、機械式流量設定手段(例えば、オリフィス式流量調整手段)を使用すると、その流量調整を狭い範囲できめ細かく設定でき、また、電気式流量設定手段では広い範囲で設定することができる。
【0038】
次に、図2に示した本発明の実施形態例について説明する。図2の例と図1の例とは、使用者5の生体情報(例えば、血中酸素飽和度、呼吸数など)を検出するための生体情報検出手段32を設けることによって検出し、検出した生体情報に基いて、供給する呼吸用気体の酸素濃度と流量とを制御する点において異なっている。そして、本発明では、このように生体情報を活用することによって、使用者5の時々刻々と変化する容態に最も適した呼吸用気体を提供することを可能とする。
【0039】
つまり、例えば、使用者5の血中酸素飽和度を測定するセンサーや使用者の呼吸数を測定するセンサーを生体情報検出手段32として設け、これによって使用者5の容態を監視し、これらの生体情報から制御手段24によって常に最適な呼吸用気体を供給できるようにする。そうすると、使用者5の容態変化に柔軟に追従して、適切な仕様の呼吸用気体が使用者5の容態に応じて自動的に設定されて供給されることとなる。このため、使用者5やその付添人が絶えず使用者の容態に気配りすることなくなり、酸素濃度設定手段25や流量設定手段26を使用して、いちいち手動で必要な呼吸用気体が供給されるように操作したり調整したりする必要がなくなる。
【0040】
したがって、使用者5は、携帯型の呼吸用気体供給装置を身に付けて外出したり、あるいは家庭内で他の用事を行ったりしても、酸素濃度の調整や供給流量の調整に一々気配りすることなく、積極的に活動できるようになる。また、このような活動範囲の拡大ばかりではなく、体力が衰弱したり、消耗したりした使用者5を介助するために付き添う付添人がいなくても、必要な仕様に調整された呼吸用気体が使用者5の容態にあわせて供給されることとなる。したがって、介助人を必要とする使用者5であったとしても、常に介助人が使用者に付き添う必要もなくなる。
【0041】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明は、高い酸素濃度を有する呼吸用気体の使用量を節約して低減するとともに、低酸素濃度の呼吸用気体を比較的大流量で使用者に供給できる呼吸用気体供給装置を提供でき、更には、使用者の病態に応じた呼吸用気体の酸素濃度の変更を安全かつ容易に行なうことができる携帯に適した呼吸用気体供給装置を提供することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例を模式的に例示した概略装置構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態例を模式的に例示した概略装置構成図である。
【符号の説明】
1:供給ユニット
2:制御ユニット
3:呼吸ユニット
4(4a、4b):接続手段
5:使用者(患者)
10:容器本体
11:減圧手段
20;圧力制御手段
21:空気取入手段
22:流量制御手段
23:酸素濃度検出手段3
24:制御手段
25:酸素濃度設定手段
26:流量設定手段 流量設定部(表示部)11
27:酸素濃度表示手段 濃度表示部13
30:フレキシブル導管
31:カニューラ
32:生体情報検出手段
Claims (8)
- 高圧の濃縮酸素からなる呼吸用気体を充填した容器と、前記容器から供給される呼吸用気体に対して外部空気を取り入れるための空気取入手段と、取り入れられた外部空気と前記容器から供給される呼吸用気体の混合容積比率を制御する制御手段とを備えた呼吸用気体供給装置。
- 前記容器に充填された呼吸用気体を一次減圧する減圧手段を有する呼吸用気体供給装置。
- 前記空気取入手段がエジェクタである請求項1又は2記載の呼吸用気体供給装置。
- 前記外部空気の流量を調整自在の流量調整手段を前記エジェクタの副気体の導入部に付設した請求項3記載の呼吸用気体供給装置。
- 使用者に最終的に供給する呼吸用気体の酸素濃度を設定するための酸素濃度設定手段と、前記使用者に供給される呼吸用気体の酸素濃度を検出するための酸素濃度検出手段と、前記容器から供給される気体の流量を調整自在の電気式圧力制御手段とを備え、
更に、前記制御手段が、前記酸素濃度検出手段から検出された酸素濃度情報に基いて演算された制御信号を出して前記電気式圧力制御手段をフィードバック制御して前記酸素濃度設定手段によって設定された酸素濃度値に呼吸用気体を制御する手段である請求項1〜4の何れかに記載の呼吸用気体供給装置。 - 使用者に最終的に供給する呼吸用気体の供給流量を設定するための機械式流量設定手段を有する請求項1〜5の何れかに記載の呼吸用気体供給装置。
- 使用者の生体情報を検出する生体情報検出手段を備え、前記生体情報検出手段から得られた前記生体情報に基いて使用者に供給する呼吸用気体の少なくとも酸素濃度と供給流量とを制御する請求項1〜6の何れかに記載の呼吸用気体供給装置。
- 前記生体情報検出手段が前記使用者の血中酸素飽和度及び/又は呼吸数を検出する手段である請求項7に記載の呼吸用気体供給装置。
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