JP2004296990A - 電磁波遮蔽シート、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明な基材層と、この基材層上に所定のパターンで形成される電磁波遮蔽層と、からなる電磁波遮蔽シートであって、前記電磁波遮蔽層は、基材層側から、導電性金属層と、カーボンが分散された紫外線硬化型インキ層とをこの順で積層することによって形成されており、かつ、当該紫外線硬化型インキ層は、単位長さ毎に切れ目のない連続したパターンが形成されたフレキソ版を用いたフレキソ印刷法により形成されたことを特徴とする電磁波遮蔽シートを提供する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透視性を有する電磁波遮蔽シートに関する。さらに具体的には、建物の窓等、面積の大きい部分に貼付する場合にも好適に用いることができる電磁波遮蔽シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気機器から放出される電磁波が人体に与える影響について種々の報告がなされており、これに伴い、様々な電磁波遮蔽シートが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電磁波遮蔽層のパターンを細く形成することができ、また生産性も良好な方法として、フレキソ印刷法によってパターンを形成する技術が開示されている。
【特許文献1】
特開2002−223095
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図5は、従来から行われているフレキソ印刷法により電磁波遮蔽シートの紫外線硬化型インキ層を形成するためのフレキソ印刷装置50の概略図である。そして、図6は、図5に示すフレキソ印刷法により製造した電磁波遮蔽シートの正面図である。
【0005】
図5に示すように、先ず紫外線硬化型インキ層を形成するために用いられる紫外線硬化型インキがアニロックスロール51上にのせられる。この際、過剰なインキはドクター52によりかき取られる。アニロックスロール51上にのせられたインキは、所望のパターンが象られたフレキソ版53に転写され、さらに当該フレキソ版53と圧銅54とによって、基材シート55に所望のパターンが転写される。
【0006】
電磁波遮蔽シートを、このようなフレキソ印刷法を用いて製造した場合、微細なパターンを再現性良く製造することができる点、および生産効率が高い点においては優れているが、図6に示すように、従来のフレキソ印刷法を用いて製造した電磁波遮蔽シートは、単位長さL(つまり、フレキソ版53に象られたパターンの長さ)毎にパターンに切れ目61が生じてしまっていた。この切れ目61は、使用するフレキソ版53にパターンの切れ目が存在することに帰因している。
【0007】
そして、図6に示すように、単位長さ毎にパターンに切れ目を有する電磁波遮蔽シートを使用する場合、例えばビルの窓などのように大きな部分で使用する場合においては、各パターンの間の切れ目を埋めるために別途に導電性テープを貼る必要があり、施行時の手間およびコストにおいてかなりの問題となっていた。
【0008】
また、導電性テープによる目張りに不備があった場合には、その部分で導電性が絶たれてしまうこととなり、電磁波遮蔽シート全体の性能を格段に低下させることとなり、さらには、当該導電性テープの部分から電磁波が漏洩する可能性もあり、これも問題の一つとなっていた。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、微細なパターンを製造することができ、また生産効率のよいフレキソ印刷法を用いて、さらに単位長さ毎にパターンの切れ目がない連続したパターンが形成された電磁波遮蔽シートを提供することを主たる目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の1つの観点では、透明な基材層と、この基材層上に所定のパターンで形成される電磁波遮蔽層と、からなる電磁波遮蔽シートは、前記電磁波遮蔽層は、基材層側から、導電性金属層と、カーボンが分散された紫外線硬化型インキ層とをこの順で積層することによって形成されており、かつ、当該紫外線硬化型インキ層は、単位長さ毎に切れ目のない連続したパターンが形成されたフレキソ版を用いたフレキソ印刷法により形成されている。
【0011】
この電磁波遮蔽シートは、単位長さ毎に切れ目のない連続したパターンが形成されたフレキソ版を用いたフレキソ印刷法により形成されているため、従来からのフレキソ印刷法の利点、つまり微細なパターンを形成することができるとともに生産効率が高いという利点を残しつつ、さらに従来のフレキソ印刷法により形成された電磁波遮蔽シートとは異なり、形成されたパターンには切れ目が存在することない。従って、窓のような大きな部分に貼って使用する場合であっても、導電性テープ等を用いて目張りをする必要がない。
【0012】
上記の電磁波遮蔽シートにおいては、前記電磁波遮蔽層により被覆されることなく残存している基材層の表面積をSbとし、前記電磁波遮蔽層の表面積をSaとした場合に、Sb/Saが1以上9以下であることが好ましい。
【0013】
また、上記の電磁波遮蔽シートにおいて、パターンで形成される電磁波遮蔽層の線幅は1〜150μmであり、電磁波遮蔽層の厚さは0.5〜50μmであってもよい。
【0014】
電磁波遮蔽シートをこのように形成することにより、好ましい透光性を得ることができる。
【0015】
上記課題を解決するための本発明の他の観点では、電磁波遮蔽シートの製造方法は、透明な基材の表面に導電性金属層を形成し、この導電性金属層の表面に、紫外線硬化型インキを用い、かつ、単位長さ毎に切れ目のない連続したパターンが形成されたフレキソ版を用いたフレキソ印刷法によって紫外線硬化型インキ層を形成し、しかる後に、エッチング処理により前記紫外線硬化型インキ層が印刷されていない部分の導電性金属層を除去する。
【0016】
この方法によれば、前述の本発明の電磁波遮蔽シートを容易に形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の電磁波遮蔽シート、およびその製造方法について、図面を用いて具体的に説明する。
【0018】
図1は、本発明の電磁波遮蔽シート1の構成を示す斜視図である。また、図2は、本発明の電磁波遮蔽シート1の正面図である。
【0019】
図1に示すように、本発明の電磁波遮蔽シート1は、透明な基材層2と、この基材層上に所定のパターンで形成される電磁波遮蔽層3と、からなり、前記電磁波遮蔽層3は、基材層1側から、導電性金属層4と、カーボンが分散された紫外線硬化型インキ層5とをこの順で積層することによって形成されている。そして、本発明の電磁波遮蔽シート1においては、図2に示すように、電磁波遮蔽層3によって形成されるパターンPに切れ目がない(つまり、エンドレスなパターンとなっている)ことに大きな特徴を有している。ここで本発明の電磁波遮蔽シート1においては、電磁波遮断層3を形成する紫外線硬化型インキ層5を、単位長さ毎に切れ目のない連続したパターンが形成されたフレキソ版を用いたフレキソ印刷法により形成することにより、電磁波遮断層3をエンドレスなパターンとしている。以下に、本発明の電磁波遮蔽シート1の製造方法を説明しつつ、電磁波遮蔽シート1自体についても詳しく説明する。
【0020】
図3は、このような電磁波遮蔽シート1の製造方法を示す工程図である。
【0021】
まず、図3(a)に示すように、透明な基材層2の表面に導電性金属層4を形成する。
【0022】
ここで用いる基材層2については、特に限定することはなく、本発明の技術分野で従来から使用されている基材層を任意に選択して用いることができる。例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の樹脂材料、或いはガラス等の無機材料などを挙げることができる。また、当該基材層2の層厚についても、限定することはないが、例えば50μm〜500μm程度であることが好ましい。
【0023】
また、当該基材層2に導電性金属層4を形成する方法については、特に制限されることはない。例えば、使用する金属としては、銀、金、銅、アルミニウム等を挙げることができ、これらの金属を用いて導電性金属層4を形成する方法についても、例えば、前記の金属を蒸着せしめる方法や、金属箔を接着剤を介して接着せしめる方法などを用いることができる。
【0024】
次に、図3(b)に示すように、前記で形成した導電性金属層4の表面に、紫外線硬化型インキを用い、かつ単位長さ毎に切れ目のない連続したパターンが形成されたフレキソ版を用いたフレキソ印刷法によって紫外線硬化型インキ層5を形成する。
【0025】
当該工程について、図4を用いて説明する。
【0026】
図4は、本発明の紫外線硬化型インキ層5を形成するためのフレキソ印刷装置40の概略図である。図4に示すように、先ずパターンを形成するために用いられる紫外線硬化型インキがアニロックスロール41上にのせられる。この際、過剰なインキはドクター42によりかき取られる。アニロックスロール41上にのせられたインキは、所望のパターンが象られたフレキソ版43に転写され、さらに当該フレキソ版43と圧銅44とによって、基材層2上の導電性金属層4の表面に所望のパターンPを転写することができる。ここで、本発明の電磁波遮蔽シート1を製造する場合においては、エンドレスタイプのフレキソ版43(つまり、象られているパターンPに切れ目がないフレキソ版)を用いていることに特徴を有しており、当該特徴により、切れ目のない連続したパターンをエンドレスに形成することができる(図2参照)。
【0027】
なお、本発明で使用可能な紫外線硬化型インキとしては、エポキシアクリレート系やウレタンアクリレート系などの一般的な紫外線硬化型インキを用いることができ、より具体的には、「インクテック株式会社製のエポキシアクリレート系カーボン含有インキ UFL墨、P/V比:約25%」などを用いることができる。
【0028】
次に、図3(c)に示すように、紫外線硬化型インキ層5を硬化せしめるために、紫外線を照射する。照射する紫外線の強度は、例えば100W/cm2で、その時間は5〜60秒程度である。
【0029】
次に、図3(d)に示すように、エッチング液を用いて、不要な導電性金属層4を溶解除去する。この際に用いられるエッチング液としては、例えば、塩化鉄溶液や塩化第2銅溶液を挙げることができる。
【0030】
本発明の電磁波遮蔽シート1における電磁波遮蔽層3のパターンの形状については、特に限定されない。
【0031】
例えば、前記電磁波遮蔽層3により被覆されることなく残存している基材層の表面積をSb(図1参照)とし、前記電磁波遮蔽層3の表面積をSa(図1参照)とした場合に、Sb/Saが1以上9以下であるようにすることが好ましく、また、電磁波遮蔽層3の線幅(図1の符号w参照)は1〜150μmであり、電磁波遮蔽層の厚さ(図1の符号d参照)は0.5〜50μmであるようにすることが好ましい。
【0032】
また、上記の説明おいては、電磁波遮蔽層3のパターン形状が格子状である場合を例に挙げているが(図面は、全て格子状のパターンが記載されている。)、このような形状に限定されることはなく、帯形状、円形状、幾何学模様形状、ハニカム形状など、いかなる形状をも採用することが可能である。
【0033】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0034】
従って、例えば、本発明においては、基材層2と導電性金属層4との間にベースコート層(図示せず)を設けるなど、必要に応じてその他の層を形成することが可能である。
【0035】
【発明の効果】
上述のように、本発明の電磁波遮蔽シートは、単位長さ毎に切れ目のない連続したパターンが形成されたフレキソ版を用いたフレキソ印刷法により形成されているため、従来からのフレキソ印刷法の利点、つまり微細なパターンを形成することができるとともに生産効率が高いという利点を残しつつ、さらに従来のフレキソ印刷法により形成された電磁波遮蔽シートとは異なり、形成されたパターンには切れ目が存在することない。従って、窓のような大きな部分に貼って使用する場合であっても、導電性テープ等を用いて目張りをする必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁波遮蔽シートの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の電磁波遮蔽シートの正面図である。
【図3】本発明の電磁波遮蔽シートの製造方法を示す工程図である。
【図4】紫外線硬化型インキ層を形成するためのフレキソ印刷装置の概略図である。
【図5】電磁波遮蔽シートの紫外線硬化型インキ層を形成するためのフレキソ印刷装置50の概略図である。
【図6】従来の電磁波遮蔽シートの正面図である。
【符号の説明】
1…電磁波遮蔽シート
2…基材層
3…電磁波遮蔽層
4…導電性金属層
5…紫外線硬化型インキ層
Claims (4)
- 透明な基材層と、この基材層上に所定のパターンで形成される電磁波遮蔽層と、からなる電磁波遮蔽シートであって、
前記電磁波遮蔽層は、基材層側から、導電性金属層と、カーボンが分散された紫外線硬化型インキ層とをこの順で積層することによって形成されており、かつ、当該紫外線硬化型インキ層は、単位長さ毎に切れ目のない連続したパターンが形成されたフレキソ版を用いたフレキソ印刷法により形成されたことを特徴とする電磁波遮蔽シート。 - 前記電磁波遮蔽層により被覆されることなく残存している基材層の表面積をSbとし、前記電磁波遮蔽層の表面積をSaとした場合に、Sb/Saが1以上9以下であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波遮蔽シート。
- 請求項1または請求項2に記載の電磁波遮蔽シートであって、パターンで形成される電磁波遮蔽層の線幅は1〜150μmであり、電磁波遮蔽層の厚さは0.5〜50μmであることを特徴とする電磁波遮蔽シート。
- 透明な基材の表面に導電性金属層を形成し、
この導電性金属層の表面に、紫外線硬化型インキを用い、かつ、単位長さ毎に切れ目のない連続したパターンが形成されたフレキソ版を用いたフレキソ印刷法によって紫外線硬化型インキ層を形成し、
しかる後に、エッチング処理により前記紫外線硬化型インキ層が印刷されていない部分の導電性金属層を除去する、
ことを特徴とする電磁波遮蔽シートの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003090404A JP2004296990A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 電磁波遮蔽シート、およびその製造方法 |
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JP2003090404A Pending JP2004296990A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 電磁波遮蔽シート、およびその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007088896A1 (ja) * | 2006-01-31 | 2007-08-09 | Fujifilm Corporation | 導電性膜の製造方法、並びに、透光性電磁波シールド膜、光学フィルターおよびプラズマディスプレイパネル |
WO2015047444A1 (en) * | 2013-09-25 | 2015-04-02 | Uni-Pixel Displays, Inc. | Method of manufacturing a flexographic printing plate with support structures |
-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003090404A patent/JP2004296990A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015047444A1 (en) * | 2013-09-25 | 2015-04-02 | Uni-Pixel Displays, Inc. | Method of manufacturing a flexographic printing plate with support structures |
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