JP2004296981A - コイル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コイル10は、コイル用線材11を螺旋状に巻回させたコイル本体12と、コイル用線材をコイル本体の内側終端から外側に引き出す曲線状引出部13とを有し、コイル本体と引出部のコイル用線材は複数のクロスポイント14で交差して接触する。引出部は、例えば渦巻線状、円弧状に形成される。また、各クロスポイントにおけるコイル本体のコイル用線材と引出部のコイル用線材との交差角度αは5〜60度の範囲である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランス、ソレノイド、モータ、アンテナなどに使用されるコイルに関し、さらに詳述すると、基板にコイル用線材を螺旋状に巻回させた状態で固定した巻線巻回型コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
基板にコイル用線材を螺旋状に巻回させた状態で固定したコイルの従来例を図2に示す。図2のコイル20は、基板(図示なし)にエナメル線等のコイル用線材を固定したコイルであり、コイル用線材21が螺旋状(渦巻線状)に巻回されたコイル本体22と、コイル本体22の内側終端からコイル用線材21が、コイル本体22の外側に直線状に引き出される外部端子接続用の引出部23とを有する。引出部23の線材は、全てのクロスポイント24でコイル本体22の線材に接触し、両線材はほぼ直角に交差する。コイル本体22の線材および引出部23の線材は、製造時に上下から圧力を受けて基板に固定されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−273967号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のコイル20では、引出部23が直線状に引き出され、各クロスポイント24でコイル本体22の線材と引出部23の線材とがほぼ直角に交差するため、両線材は点接触をする。このため、コイル本体22および引出部23に上下から基板による圧力が加わったり、基板を介して外部の圧力が加わったりした場合、上記点接触部分は接触面積が極めて小さいので、この点接触部分に集中的に大きな応力が加わり、コイル本体22の線材や引出部23の線材の導体が変形したり、絶縁層が押しつぶされたりして、コイル本体22と引出部23の線材間で短絡が発生しやすいという問題があった。
【0005】
このような問題の発生を回避するために、例えば図3に示すように、製造時に受ける圧力を避けるため、コイル本体22および引出部23を固定する基板25に、引出部23を収める溝26を設ける方法が採用されることがある。また、図4に示すように、コイル本体22と引出部23との間に絶縁シート27を挿入する方法が採用されることもある。しかし、これらの方法ではコイル20の製造工程が煩雑になり、コストアップを招くという新たな問題が生じる。
【0006】
また、コイル本体22の線材と引出部23の線材とが接触するクロスポイント24は、コイル20の電気的なウイークポイントであり、かかるウイークポイント同士間の距離は長いことが望ましい。しかし、従来のコイル20では、引出部23が直線状に引き出されているので、クロスポイント24がコイル本体22の線間ピッチをピッチとして直線上に揃ってしまい、クロスポイント24相互間の距離が短い。そのため、この点でもコイル本体22と引出部23の線材間で短絡が発生しやすいという問題があった。
【0007】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、基板にコイル用線材を螺旋状に巻回させた状態で固定したコイルであって、コイル本体の線材と引出部の線材との間での短絡が発生しにくいコイルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、基板にコイル用線材を固定したコイルであって、コイル用線材を螺旋状に巻回させたコイル本体と、コイル用線材を前記コイル本体の内側終端から外側に引き出す引出部とを有し、前記コイル本体のコイル用線材と前記引出部のコイル用線材とが複数のクロスポイントで交差して接触するコイルにおいて、前記引出部が曲線状に形成されていることを特徴とするコイルを提供する。
【0009】
本発明のコイルでは、引出部が曲線状に形成されている。そのため、各クロスポイントでコイル本体の線材と引出部の線材とが斜めに交差し、両線材は線接触をする。そのため、コイル本体および引出部に圧力が加わった場合、上記線接触部分は点接触に比べて接触面積が大きいので、接触部分に加わる力が分散して、単位面積当たりに加わる応力が軽減する。そのため、コイル本体の線材や引出部の線材の導体が変形したり、絶縁層が押しつぶされたりすることが無くなり、あるいは軽減され、コイル本体と引出部の線材間での短絡が発生しにくくなる。
【0010】
また、本発明のコイルでは、引出部が曲線状に引き出されているので、直線状に引き出されている場合に比べてコイルの電気的なウイークポイントであるクロスポイント相互間の距離が長くなる。そのため、この点でもコイル本体と引出部の線材間での短絡が発生しにくくなる。
【0011】
本発明において、引出部の曲線形状に特に限定はないが、渦巻線状または円弧状とすることが適当である。渦巻線とは、ある点のまわりをたえず曲がりながら遠ざかる平面曲線をいう。
【0012】
また、各クロスポイントにおけるコイル本体のコイル用線材と引出部のコイル用線材との交差角度は、5〜60度の範囲とすることが好ましい。ここで交差角度とは、コイル本体のコイル用線材がなす曲線のクロスポイントにおける接線と、引出部のコイル用線材がなす曲線のクロスポイントにおける接線との角度の内の小さい方の角度をいう。交差角度が60度より大きいと、クロスポイントにおける線材の接触面積を大きくとれないため、この部分に加わる単位面積当たりの応力が図2の場合と変わらず、線材の導体変形が大きくなったり、絶縁層が押しつぶされたりすることがあるとともに、クロスポイント相互間の距離も短く短絡に対する効果がない。交差角度が5度より小さいと、引出部の長さが長くなりすぎ経済的でない。
【0013】
本発明のコイルにおいて、コイル用線材としてはエナメル線等の任意のものを用いることができ、基板としては合成樹脂製基板等の任意のものを用いることができる。また、基板とコイル用線材との固定方法としては、接着、粘着、熱圧着等の任意の方法を用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。図1は本発明に係るコイルの一例を示す平面図である。本例のコイル10は、基板(図示なし)にコイル用線材を固定したコイルであり、コイル用線材11が螺旋状に巻回されたコイル本体12と、コイル本体12の内側終端からコイル用線材11が、コイル本体12の外側に曲線状(本例では渦巻線状)に引き出される引出部13とを有する。引出部13の線材は、全てのクロスポイント14で、コイル本体12の線材と接触して交差する。また、全てのクロスポイント14で、コイル本体12の線材と引出部13の線材との交差角度αは、5〜60度の範囲である。
【0015】
コイル用線材11は、導体と、この導体の周囲を覆う絶縁層とからなる。コイル本体12および引出部13は、コイル成形および基板への取付時に上下から圧力を受ける。
【0016】
本例のコイル10は、例えば次のように製造する。コイル用線材11として、導体径0.15mmのポリウレタンエナメル線を用い、下部基板上に、内径aが10mm、外径bが30mm、線間ピッチρが1.0mm、ターン数が10のコイル本体12と、コイル本体12の内側終端からコイル本体12の外側まで渦巻状に引き出された引出部13とを布線により形成する(WO 00/69234参照)。続いて、コイル本体12および引出部13が形成された下部基板上に、上部基板を上下押し圧力3.0Kgで固定し、コイル本体12および引出部13を両基板でサンドイッチ状に挟むことにより、コイル10が完成する。
【0017】
本例のコイル10では、各クロスポイント14におけるコイル本体12の線材と引出部13の線材との交差角度αが、いずれも5〜60度内であるため、両線材の接触面積が大きく、接触部分における単位面積当たりに加わる応力が軽減される。また、本例のコイル10では、隣接するクロスポイント14間の距離Cnが大きくなり、この点でも両線材間の短絡を効果的に防止することができる。したがって、本例のコイル10は、クロスポイント14での短絡の発生を効果的に抑制し、信頼性の高いコイルを実現している。
【0018】
さらに、本例のコイル10は、従来のように、引出部を収める溝を形成し、あるいは短絡防止用の絶縁テープを設けるといった、複雑でコストを要する工程を必要とせず、比較的簡易な製造方法により線材間の短絡の発生を抑制することができるため、コストダウンを図ることができる。
【0019】
前述した本例のコイル10と、引出部を従来のように直線状としたこと以外は本例のコイル10と同様のコイル(従来のコイル)をそれぞれ作製し、各コイルにおける線材間の短絡の発生しやすさを調べた。具体的には、各コイルの破壊電圧を測定した。その結果、従来のコイルは、破壊電圧の平均値が4.3kV、標準偏差が0.98kVであったのに対し、本例のコイル10は、破壊電圧の平均値が5.6kV、標準偏差が0.14kVであった。
【0020】
上記のように、本例のコイル10は、従来のコイルと比較して、破壊電圧の平均値が大きく向上した。また、破壊電圧の標準偏差が大きく減少し、破壊電圧のばらつきが大幅に少なくなった。したがって、本例のコイル10は、従来のコイルと比較して、短絡が発生しにくく、かつ信頼性が高くなっているものと評価できる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るコイルは、コイル本体の線材と引出部の線材との間での短絡が発生しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコイルの一例を示す平面図である。
【図2】従来のコイルの一例を示す平面図である。
【図3】引出部を収める溝を備えた従来のコイルを示す斜視図である。
【図4】絶縁テープが設けられた従来のコイルを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 コイル
11 コイル用線材
12 コイル本体
13 引出部
14 クロスポイント
Claims (3)
- 基板にコイル用線材を固定したコイルであって、コイル用線材を螺旋状に巻回させたコイル本体と、コイル用線材を前記コイル本体の内側終端から外側に引き出す引出部とを有し、前記コイル本体のコイル用線材と前記引出部のコイル用線材とが複数のクロスポイントで交差して接触するコイルにおいて、前記引出部が曲線状に形成されていることを特徴とするコイル。
- 前記引出部が渦巻線状または円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコイル。
- 前記クロスポイントにおけるコイル本体のコイル用線材と引出部のコイル用線材との交差角度が5〜60度であることを特徴とする請求項1または2に記載のコイル。
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