JP2004296672A - 搬送装置およびこれを備えた真空処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送装置を高速で移動させることができ、それによりタクトタイムを短縮することのできる搬送装置を提供することを目的とする。
【解決手段】搬送台車に配設された保持機構20が、被処理基板Kを斜めに支持する複数本の支柱22と、支柱22に設けられ、被処理基板Kの上辺の周縁部が差し込まれる下向き凹部30’を有する上部基板支持爪30、および被処理基板Kを下側から持ち上げるように支持する上向き凹部29’を有する下部基板支持爪29と、上部基板支持爪30および下部基板支持爪29の少なくとも一方を被処理基板Kの周縁部より離隔・開放する方向若しくは被処理基板Kの周縁部へ接近・把持する方向に移動させるリンク機構と、外部駆動手段より駆動力を伝えてリンク機構を操作する操作手段40とを具備する搬送装置10において、下部基板支持爪29は、減衰手段28を介してリンク27に連結されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマCVD、ドライエッチング、スパッタリングなどの真空プラズマ処理を基板に施すための真空プラズマ処理装置に用いられる搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラズマCVD、ドライエッチング、スパッタリングなどの真空プラズマ処理が施される基板(被処理基板)は、その上辺と下辺のそれぞれ一部をコ字状の開口を有する支持爪で保持しながら搬送する搬送装置によって搬送されていた(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−167035号公報(図1ないし図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した特許文献1の発明では、基板の上辺と下辺とがコ字状に開口する上下の支持爪の凹部でしっかりと把持されているため、搬送台車が移動する時の軌道レールと搬送台車に設置されたローラなどによるガイド機構、およびラック&ピニオンなどを用いた台車移動手段からの振動やリンク機構操作時の振動が直接基板に伝わってしまい、基板の周縁部が欠損(破損)してしまうおそれがあり、さらには、基板が主として基板面と垂直方向に振動し、その振幅が搬送台車移動速度の増加とともに増加するために、基板支持爪などに接触する基板の周縁部が欠損(破損)してしまうおそれがあり、搬送装置を高速で移動させることができず、基板処理時間(タクトタイム)を短縮することができなかった。
また、前述した特許文献1の発明では、基板の上辺および下辺のそれぞれ2ヶ所ずつに設けられた支持爪によってのみ支持されていたので、搬送装置に搭載して搬送する際、局所的な応力が発生して、基板の周縁部が欠損(破損)してしまうおそれがあり、搬送装置を高速で移動させることができず、基板処理時間(タクトタイム)を短縮することができなかった。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、搬送装置を高速で移動させることができ、それによりタクトタイムを短縮することのできる搬送装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の搬送装置によれば、被処理基板を処理するための真空処理装置内において前記被処理基板を搬送する搬送装置であって、前記真空処理装置内を走行する搬送台車と、前記被処理基板を保持するため、前記搬送台車に配設された保持機構とを備え、前記保持機構は、前記被処理基板を斜めに支持する複数本の支柱と、前記支柱に設けられ、前記被処理基板の上辺の周縁部が差し込まれる下向き凹部を有する上部基板支持爪、および前記被処理基板を下側から持ち上げるように支持する上向き凹部を有する下部基板支持爪と、前記上部基板支持爪および下部基板支持爪の少なくとも一方を前記被処理基板の周縁部より離隔・開放する方向若しくは前記被処理基板の周縁部へ接近・把持する方向に移動させるリンク機構と、外部駆動手段より駆動力を伝えて前記リンク機構を操作する操作手段と、を具備する搬送装置において、前記下部基板支持爪は、減衰手段を介して前記リンク機構に連結されていることを特徴とする。
【0007】
このような搬送装置によれば、下部基板支持爪とリンク機構との間に減衰手段が設けられており、リンク機構が操作されたときの振動や搬送台車が移動する時の軌道レールと搬送台車に設置されたローラなどによるガイド機構、およびラック&ピニオンなどを用いた台車移動手段からの振動が直接下部基板支持爪に伝達されないようになっている。
【0008】
請求項2記載の搬送装置によれば、被処理基板を処理するための真空処理装置内において前記被処理基板を搬送する搬送装置であって、前記真空処理装置内を走行する搬送台車と、前記被処理基板を保持するため、前記搬送台車に配設された保持機構とを備え、前記保持機構は、前記被処理基板を斜めに支持する複数本の支柱と、前記支柱に設けられ、前記被処理基板の上辺の周縁部が差し込まれる下向き凹部を有する上部基板支持爪、および前記被処理基板を下側から持ち上げるように支持する上向き凹部を有する下部基板支持爪と、前記上部基板支持爪および下部基板支持爪の少なくとも一方を前記被処理基板の周縁部より離隔・開放する方向若しくは前記被処理基板の周縁部へ接近・把持する方向に移動させるリンク機構と、外部駆動手段より駆動力を伝えて前記リンク機構を操作する操作手段と、を具備する搬送装置において、前記支柱に設けられ、前記被処理基板の上辺の周縁部を支持する上部押さえ板バネ、および前記被処理基板の側辺の周縁部を支持する側部押さえ板バネを具備し、前記上部押さえ板バネおよび前記側部押さえ板バネが前記被処理基板を支持する部位には、緩衝部材が設けられていることを特徴とする。
【0009】
このような搬送装置によれば、上部基板支持爪、下部基板支持爪、上部押さえ板バネ、および側部押さえ板バネにより被処理基板の周縁部が支持(あるいは保持)されるとともに、上部押さえ板バネおよび側部押さえ板バネが被処理基板を支持する部位には、緩衝部材が設けられている。
すなわち、被処理基板の上下左右に位置する周縁部が緩衝部材を介して板バネで押さえ付けられるに弾性支持されるとともに、搬送台車からの振動は、緩衝部材により吸収されるようになっている。
【0010】
請求項3記載の搬送装置によれば、被処理基板を処理するための真空処理装置内において前記被処理基板を搬送する搬送装置であって、前記真空処理装置内を走行する搬送台車と、前記被処理基板を保持するため、前記搬送台車に配設された保持機構とを備え、前記保持機構は、前記被処理基板を斜めに支持する複数本の支柱と、前記支柱に設けられ、前記被処理基板の上辺の周縁部が差し込まれる下向き凹部を有する上部基板支持爪、前記被処理基板を下側から持ち上げるように支持する上向き凹部を有する下部基板支持爪、および前記被処理基板の両側辺の周縁部がそれぞれ差し込まれる横向き凹部を有する側部基板支持爪と、前記上部基板支持爪、下部基板支持爪、および側部基板支持爪を前記被処理基板の周縁部より離隔・開放する方向若しくは前記被処理基板の周縁部へ接近・把持する方向に移動させるリンク機構と、外部駆動手段より駆動力を伝えて前記リンク機構を操作する操作手段と、を具備することを特徴とする。
【0011】
このような搬送装置によれば、上部基板支持爪、下部基板支持爪、および側部基板支持爪により被処理基板の周縁部が支持(あるいは保持)されるようになっている。
【0012】
請求項4記載の搬送装置によれば、前記下部基板支持爪は、減衰手段を介して前記リンク機構に連結されていることを特徴とする。
【0013】
このような搬送装置によれば、下部基板支持爪とリンク機構との間に減衰手段が設けられており、リンク機構が操作されたときの振動や搬送台車からの振動が直接下部基板支持爪に伝達されないようになっている。
【0014】
請求項5記載の搬送装置によれば、前記減衰手段はスプリングからなるとともに、リニアガイド機能を具備していることを特徴とする。
【0015】
このような搬送装置によれば、減衰手段には振動を吸収するスプリングと、下部基板支持爪の動きを直線的な動きに規制するリニアガイド機構とが備わっている。
【0016】
請求項6記載の搬送装置によれば、前記減衰手段は、多孔体金属からなることを特徴とする。
【0017】
このような搬送装置によれば、減衰手段が比較的安価な多孔体金属で構成されている。
【0018】
請求項7記載の搬送装置によれば、前記減衰手段と当該減衰手段の上方に位置する支柱との間、または前記リンク機構のうち、前記下部基板支持爪に連結されたリンクと当該リンクの上方に位置する支柱との間に、引張コイルバネが設けられていることを特徴とする。
【0019】
このような搬送装置によれば、下部基板支持爪を開くことにより伸ばされた引張コイルバネの復元力が、下部基板支持爪が閉じる(上方に移動させる)際の力として利用されることとなる。
【0020】
請求項8記載の搬送装置によれば、前記支柱に設けられ、前記被処理基板の上辺の周縁部を支持する上部押さえ板バネ、および前記被処理基板の側辺の周縁部を支持する側部押さえ板バネを具備し、前記上部押さえ板バネおよび前記側部押さえ板バネが前記被処理基板を支持する部位には、緩衝部材が設けられていることを特徴とする。
【0021】
このような搬送装置によれば、上部基板支持爪、下部基板支持爪、上部押さえ板バネ、および側部押さえ板バネにより被処理基板の周縁部が支持(あるいは保持)されるとともに、上部押さえ板バネおよび側部押さえ板バネが被処理基板を支持する部位には、緩衝部材が設けられている。
すなわち、被処理基板の上下左右に位置する周縁部が支持されるとともに、搬送台車からの振動は、緩衝部材により吸収されるようになっている。
【0022】
請求項9記載の真空処理装置によれば、被処理基板を真空雰囲気下でそれぞれ処理する複数の真空処理室と、これら複数の真空処理室の相互間で前記被処理基板を搬送するための、請求項1から8のいずれか一項に記載の搬送装置と、を具備してなることを特徴とする。
【0023】
このような真空処理装置によれば、被処理基板を損傷することなく搬送速度を上げることのできる搬送装置が採用されることとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による搬送装置の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明による搬送装置は、たとえば図1に示すようなクラスタ型真空処理装置に用いられるものである。
図1に示すように、クラスタ型真空処理システム(真空処理装置)901は中央に台車回転室としての共通搬送室930を備え、その周囲を取り囲むようにロード室910、アンロード室920、5つの製膜室(真空処理室)970A〜970E、予備室980が配置されている。これら各室910,920,970A〜970E,980はゲート弁(図示せず)を介して台車移動接続室940A〜940Hにそれぞれ連通し、さらに各台車移動接続室940A〜940Hは共通搬送室930にそれぞれ連通している。
【0025】
ロード室910には2台の搬送装置906A,906Bが、アンロード室920にも2台の搬送装置906C,906Dが、共通搬送室930には2台の搬送装置906E,906Fがそれぞれ設けられ、システム全体では合計少なくとも6台の搬送装置906A〜906Fが各所に配置されている。
【0026】
図2は本実施形態に係る搬送装置10を示す要部斜視図である。この搬送装置10は、被処理基板Kを処理するための真空処理装置内において被処理基板Kを搬送する装置であって、真空処理装置内を走行する搬送台車(図示せず)と、被処理基板Kを保持するため、搬送台車に配設された保持機構20とを主たる要素として構成されたものである。
【0027】
図示していない搬送台車は、たとえば搬送台車に取り付けたラックを真空容器底面の外側から、例えば磁性流体シールなどを用いて真空を保持しながら回転導入されたピニオンにより移動させる進退機構(図示せず)を使用して、軌道レール(図示せず)上を、搬送台車に設置されたローラなどによるガイド機構を用いて、進退可能であって、真空処理装置内の基板受け渡し位置と真空処理装置外の基板受け渡しステージ間を往復できるようになっている。
【0028】
同搬送台車はベース21上に一対のアーム(支柱)22を備え、これらアーム22は被処理基板Kを安定角度で保持するよう、たとえば7゜から12゜、好ましくは9°、垂直からやや傾いて起立している(本実施形態の場合、上部支持爪30と下部支持爪29により、アーム22と反対側に被処理基板Kが基板自重で立てかけられるように傾いている。すなわち、図2の左下側から見て、被処理基板Kの左側の面が左下に向くように傾けられている)。これらアーム22の下端部間には軸受23に軸支された基板支持爪駆動シャフト24が動力伝達部材として回動可能に配置されている。また、これらアーム22の上端部間には上部補強リブ25が設けられている。基板支持爪駆動シャフト24の両端にはそれぞれカム26が同軸に固定され、基板支持爪駆動シャフト24の回動に伴って揺動するようになっている。
【0029】
カム26の揺動は下部支持爪駆動リンク27に伝えられる。この下部支持爪駆動リンク27の先端部(上方端部)には、後述するダンパユニット(減衰手段)28を介して、上方に開口する側面視略コ字状の凹部29’を有する下部基板支持爪29が取り付けられており、カム26が揺動することにより下部基板支持爪29が上方又は下方へと開閉(移動)するようになっている。
【0030】
また、各アーム22の上端近傍には、下方に開口する側面視略コ字状の凹部30’を有する上部基板支持爪30が固定されており、これら上部基板支持爪30により被処理基板Kの上辺の周縁部が保持されるようになっている。
これにより、下部基板支持爪29が開くとき被処理基板Kを開放・真空処理室の基板の所定セット位置へ受け渡し、下部基板支持爪29が閉じるとき被処理基板Kを把持・受け取るよう構成されていることになる。
【0031】
ここで、基板支持爪駆動シャフト24の回動は、操作手段40によってなされる。操作手段40は、ベース21上に設けられた軸受台座41と、この軸受台座41の両側面(図2において左下側と右上側に位置する面)にそれぞれ設けられた軸受42と、これら軸受42間に位置するとともに基板支持爪駆動シャフト24に固定された2つの回動突起43,44と、これら回動突起43,44を回動させるとともに基板支持爪駆動シャフト24を回動させる2本の台車内部に鉛直方向に可動できるように設置した台車内ロッド41a,41bとを具備するものである。
ロッド45,46はそれぞれ、軸受台座41を鉛直方向に貫通する台車内ロッド41a,41bを通して鉛直方向にT型突起43a,44aを移動可能に設けられているとともに、図示しない駆動源(外部駆動手段)から駆動力が印加されるものである。
また、回動突起43,44にはそれぞれ、これらロッド45,46の上端部に対向する位置に、基板支持爪駆動シャフト24に対して直交するとともに互いに反対方向に突出するT型突起43a,44aが設けられている。
【0032】
さて、図2においてロッド45,46をそれぞれ実線矢印の方に移動させると、台車内ロッド41aの上端部によりT型突起43aの先端部(頭の部分)が突き上げられて、回動突起43が図2の左下側から見て反時計方向に回動する。回動突起43が回動するとそれとともに基板支持爪駆動シャフト24が同じ方向に回動して、カム26および下部支持爪駆動リンク27を介して下部基板支持爪29を下方へ移動させる。
一方、図2においてロッド45,46をそれぞれ破線矢印の方に移動させると、台車内ロッド41bの上端部によりT型突起44aの先端部(頭の部分)が突き上げられて、回動突起44が図2の左下側から見て時計方向に回動する。回動突起44が回動するとそれとともに基板支持爪駆動シャフト24が同じ方向に回動して、カム26および下部支持爪駆動リンク27を介して下部基板支持爪29を上方へ移動させる。
【0033】
アーム22の略中央部にはそれぞれ、側部押さえ板バネ50が設けられているとともに、上部補強リブ25の両端部近傍にはそれぞれ、台座51を介して上部押さえ板バネ52が設けられている。
これら押さえ板バネ50,52は、いずれも薄い板で、好ましくは厚さ0.5mmの、たとえばSUS304−CSPなどのバネ用ステンレス鋼からなり、実質的に同じ形状をなしている。
【0034】
側部押さえ板バネ50は、被処理基板Kの左右両辺(両側辺)をそれぞれ拘束するものであり、これにより搬送中、被処理基板Kの進行方向(被処理基板Kの両側辺方向)へ位置ずれが防止されるとともに、被処理基板Kの面と主として垂直方向へ振動時の振動幅をある程度抑制するようになっている。
また、上部押さえ板バネ52は、被処理基板Kの上辺の両端部近傍を上側から押さえ付けるようにして被処理基板Kを弾性的に拘束するものである。
【0035】
以下、ダンパユニット28について図2および図3を用いて説明する。各ダンパユニット28は、その下端が下部支持爪駆動リンク27の上端に固定されているとともに、その上端がスプリング(引張コイルバネ)53の一端に取り付けられている。また、スプリング53の他端はダンパユニット28の上方でかつ側部押さえ板バネ50の下方に位置するアーム22に取り付けられている。
これらスプリング53は、被処理基板Kがこの搬送装置10に受け渡され、下部基板支持爪29と被処理基板Kとを上方に移動させて、この被処理基板Kを上部基板支持爪30と下部基板支持爪29との間に挟み込む際に、これら下部基板支持爪29および被処理基板Kの上方への移動を助ける(補助する)ための引張コイルバネである。
【0036】
図3に示すように、ダンパユニット28は、側面視コ字状の本体60と、この本体60の壁面61に設けられた、たとえばクロスローラガイドなどのリニアガイド62と、本体60の上側舌片部63の下面64から下方に向かって取り付けられた2本の上側スプリング65と、本体60の下側舌片部66の上面67から上方に向かって取り付けられた2本の下側スプリング68とを主たる要素として構成されたものである。
前述した下部基板支持爪29の凹部29’と反対の側に位置する側面(端面)29aは、リニアガイド62の可動部62aに固定されているとともに、下部基板支持爪29の上面29bおよび下面29cはそれぞれ、上側スプリング65および下側スプリング68の一端側に取り付けられている。
【0037】
上側スプリング65内には、カラー69a付き予圧用ボルト69と一体に形成され、この予圧用ボルト69により進退可能とされた上部ストッパ70が設けられており、下部基板支持爪29上に被処理基板Kが載置されていない状態で、上部ストッパ70の下端面70aと下部基板支持爪29の上面29bとの間に所定の間隙が形成されるようになっている。
また、本体60の下側舌片部66には進退可能に構成された下部ストッパ71が設けられており、下部基板支持爪29の凹部29’上に被処理基板Kが載置された状態で、可動部62aの下端面62a’と下部ストッパ71の上端面71aとの間に所定の間隙が形成されるようになっている。
一方、下側スプリング68に対してもカラー72a付き予圧用ボルト72が設けられている。
【0038】
これら予圧用ボルト69,72は、ねじ込まれる(進入する)ことによってカラー69a,72aにより上側スプリング65および下側スプリング68を圧縮するものであり、これにより、これら上側スプリング65および下側スプリング68の弾性エネルギーが高められ、バネ定数が高められるようになっている。
上部ストッパ70と下部ストッパ71により、違う質量の基板を搬送するなどで、下部基板支持爪29にかかる荷重が大きく変動した場合でも、その変位範囲を規制して、真空処理室内での基板を所定セット位置への受け渡し精度を確保できるようになっている。
また、上述した上部ストッパ70の下端面70aと下部基板支持爪29の上面29bとの間の間隙、および可動部62aの下端面62a’と下部ストッパ71の上端面71aとの間の間隙は、これら予圧用ボルト69,72のねじ込み量および下部ストッパ71の進入量によって調整可能である。
【0039】
この構成により、下部基板支持爪29が上下に移動すると、一緒に可動部62aが上下方向に移動する。この上下移動は、リニアガイド62で搬送台車本体21やアーム22からの振動伝播の大部分を遮断するとともに、上下2本ずつ計4本のスプリングによりその上下運動が減衰されるようになっている。
すなわち、搬送台車からの振動やリンク機構操作時の振動がリニアガイド部分で大部分を遮断されるとともに、4本のスプリングによって吸収(あるいは減衰)され、これら振動が直接下部基板支持爪29および被処理基板Kに伝達されないようになっている。
【0040】
また、下部基板支持爪29はリニアガイド62の可動部62aに固定され、上下二方向のみに移動可能とされている。
すなわち、リニアガイド62により下部基板支持爪29の進行方向(被処理基板Kの両側辺方向)への移動が規制されているので、凹部29’と被処理基板Kの下辺の周縁部との間に滑りが生じないようになっている。
【0041】
これにより、被処理基板Kの(特に周縁部の)欠損を防止することができるとともに、搬送台車の搬送速度(移動速度)を増加させることで、被処理基板Kの振動や振幅が大きくなることを抑制され、被処理基板Kが基板支持爪29などと接触する付近で破損することが、大幅に抑制することができて、タクトタイムを大幅に短縮させることができる。
なお、本実施形態では、搬送台車の搬送速度を従来の約2.5倍にまで増加させることに成功した。
【0042】
つぎに、図4を用いて本発明による搬送装置の第2実施形態を説明する。本実施形態は、前述した第1実施形態とダンパユニットの構成が異なるだけで、他の構成要素については前述した第1実施形態と同じである。したがって、ここではそれら構成要素についての説明は省略し、ダンパユニットについてのみ説明することにする。
なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
【0043】
図4に示すように、ダンパユニット128は、側面視コ字状の本体60と、吸振体130とを主たる要素として構成されたものである。
吸振体130は、たとえばニッケル焼結体やステンレス焼結体などの多孔体材料からなり、下部基板支持爪29の上側に位置する上側吸振体165と、下部基板支持爪29の下側に位置する下側吸振体168とからなる。
これら上側吸振体165および下側吸振体168はそれぞれ、下部基板支持爪29と当接して設けられている。すなわち、下部基板支持爪29は、上側吸振体165と下側吸振体168との間に挟み込まれるようにして配置されている。
【0044】
上側吸振体165の上面165a側には予圧用プレート169aおよび予圧用ボルト169が設けられているとともに、下側吸振体168の下面168a側には、予圧用プレート172aおよび予圧用ボルト172が設けられている。
また、本体60の下側舌片部66には進退可能に構成された下部ストッパ171が設けられており、下部基板支持爪29の凹部29’上に被処理基板Kが載置された状態で、下部基板支持爪29の下面29cと下部ストッパ171の上端面171aとの間に所定の間隙が形成されるようになっている。
【0045】
これら予圧用ボルト169,172は、ねじ込まれる(進入する)ことによって予圧用プレート169a,172aにより上側吸振体165および下側吸振体168を圧縮するものであり、これにより、これら上側吸振体165および下側吸振体168の弾性エネルギーが高められ、その剛性が高められるようになっている。
また、下部基板支持爪29の下面29cと下部ストッパ171の上端面171aとの間の間隙は、これら予圧用ボルト169,172のねじ込み量および下部ストッパ171の進入量によって調整可能である。
【0046】
このような構成によっても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
図5を用いて本発明による搬送装置の第3実施形態を説明する。本実施形態による搬送装置11は、図2に示した第1実施形態の保持機構20からダンパユニット28を排除し、その代わりに上部押さえ板バネ52および側部押さえ板バネ50にクッション材(緩衝部材)200を設けるようにした保持機構20aを有している点で第1実施形態と異なる。その他の構成要素については前述した第1実施形態と同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
【0048】
クッション材200は、たとえばSUSフェルトやポリイミド樹脂のような軟質の緩衝材である。このようなクッション材は、図5(b)に示すように、上部押さえ板バネ52および側部押さえ板バネ50(図示せず)の、被処理基板Kを弾性的に支持する部位に設けられている。
【0049】
このように、被処理基板Kを支持する部位にクッション材200をそれぞれ設けることにより、搬送台車からの振動やリンク機構操作時の振動がこれらクッション材200によって吸収(あるいは減衰)され、これら振動が直接被処理基板Kに伝達されないようになっている。
これにより、被処理基板Kの欠損を防止することができるとともに、搬送台車の搬送速度(移動速度)を増加させることで、被処理基板Kの振動や振幅が大きくなることを抑制され、被処理基板Kが基板支持爪29などと接触する付近で破損することが、大幅に抑制することができて、タクトタイムを大幅に短縮させることができる。
【0050】
図6を用いて本発明による搬送装置の第4実施形態を説明する。本実施形態による搬送装置12は、図5に示した第3実施形態の保持機構20aからクッション材200を排除し、その代わりに基板拘束機構13を設けるようにした保持機構20bを有している点で第3実施形態と異なる。その他の構成要素については前述した第3実施形態と同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、第3実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
【0051】
基板拘束機構13は、上部基板保持部14と、下部基板保持部15と、第1の側部基板保持部16と、第2の側部基板保持部17と、駆動部18とを主たる要素として構成されたものである。
【0052】
上部基板保持部14は、上部補強リブ25の略中央部に固定された台座14aと、この台座14aの一側面に取り付けられた側板14bに回動可能に取り付けられた上部基板支持爪14cとを有するものである。上部基板支持爪14cの下面には、被処理基板Kの上辺の周縁部と当接する押さえ面(凹部)14c’が形成されている。上部基板支持爪14cは側板14bに設けられた支点まわりに回動可能、すなわち上部基板支持爪14cが上下方向に移動可能となるよう構成されている。
【0053】
第1の側部基板保持部16は、側部押さえ板バネ50よりも上方に位置するアーム22から外側に向かって突出するリブ16aと、このリブ16aの外側端部に回動自在に取り付けられた第1の側部基板支持爪16bとを有するものである。第1の側部基板支持爪16bの内側面には、被処理基板Kの一側辺の周縁部が差し込まれる凹部16b’が設けられている。第1の側部基板支持爪16bはリブ16aに設けられた支点まわりに回動可能、すなわち第1の側部基板支持爪16bが左右方向に移動可能となるよう構成されている。
【0054】
一方、第2の側部基板保持部17は、側部押さえ板バネ50よりも上方に位置するアーム22から外側に向かって突出する外リブ17aと、このリブ17aと反対の側(すなわち内側)に向かって突出する内リブ17bと、外リブ17aの自由端部に回動自在に取り付けられた第2の側部基板支持爪17cと、内リブ17bの自由端部に回動自在に取り付けられたT型部材17bとを有するものである。第2の側部基板支持爪17cの内側面には、被処理基板Kの他側辺の周縁部が差し込まれる凹部17c’が設けられている。第2の側部基板支持爪17cは外リブ17aに設けられた支点まわりに回動可能、すなわち第2の側部基板支持爪17cが左右方向に移動可能となるよう構成されている。また、T型部材17bは、内リブ17bに設けられた支点まわりに回動可能、すなわち支点を中心に反時計方向あるいは時計方向に回転可能となるよう構成されている。
【0055】
下部基板保持部15は、軸受42の上端部に回動自在に取り付けられた下部基板支持爪15aと、軸受42の上部から一方(図6において左方)のアーム22の側に延びるリブ15bと、リブ15bの自由端部に回動自在に取り付けられたT型部材15cとを有するものである。下部基板支持爪15aの上面には、被処理基板Kの下辺の周縁部と当接する押さえ面(凹部)15a’が形成されている。下部基板支持爪15aは軸受42に設けられた支点まわりに回動可能、すなわち下部基板支持爪15aが上下方向に移動可能となるよう構成されている。また、T型部材15cは、リブ15bに設けられた支点まわりに回動可能、すなわち支点を中心に反時計方向あるいは時計方向に回転可能となるよう構成されている。
【0056】
駆動部18は、前述した軸受23を支持する支持台23aの上面23a’から鉛直上方に延びるリブ18aと、リブ18aの自由端部に回動自在に取り付けられたT型部材18bと、T型部材18bと他方(図6において右方)のアーム22との間に位置する基板支持爪駆動シャフト24に設けられた拡径部18cとを有するものである。T型部材18bは、リブ18aに設けられた支点まわりに回動可能、すなわち支点を中心に反時計方向あるいは時計方向に回転可能となるよう構成されている。また、拡径部18cは基板支持爪駆動シャフト24とともに回動するものである。
【0057】
拡径部18cとT型部材18bとの間、下部基板支持爪15aとT型部材15cとの間、T型部材15cとT型部材18bとの間、T型部材18bとT型部材17dとの間、T型部材17dと第2の側部基板支持爪17cとの間、T型部材17dと第1の側部基板支持爪16bとの間、およびT型部材15cと上部基板支持爪14cとの間はそれぞれ、第1リンクL1、第2リンクL2、第3リンクL3、第4リンクL4、第5リンクL5、第6リンクL6、および第7リンクL7で連結されている。これらリンクL1〜L7はいずれも剛性を有したプッシュ−プルリンクである。
【0058】
ここで、図6において真空容器底面から真空を保ちながら直進導入されたロッド45,46をそれぞれ実線矢印の方に移動させると、台車内ロッド41a,41bの上端部によりT型突起43aの先端部(頭の部分)が突き上げられて、回動突起43が図6の左下側から見て反時計方向に回動する。回動突起43が回動するとそれとともに基板支持爪駆動シャフト24が同じ方向に回動して、カム26および下部支持爪駆動リンク27を介して下部基板支持爪29を下方へ移動させる。
一方、基板支持爪駆動シャフト24とともに拡径部18cが回動することにより第1リンクL1が(図6の右下側から見て)左下奥側に斜めに移動して、T型部材18bが(図6の右下側から見て)時計方向に回動する。T型部材18bが時計方向に回動することにより第3リンクL3が他方(図6において右方)のアーム22側に移動するとともに、第4リンクL4が上方に移動する。第3リンクL3が他方のアーム22側に移動することによりT型部材15cが(図6の右下側から見て)反時計方向に回動するとともに、第2リンクL2を下方に移動させる。第2リンクL2が下方に移動することにより、下部基板支持爪15aは下部基板支持爪29と同様、下方に移動する。また、T型部材15cが反時計方向に回動することにより第7リンクL7が上方に移動するとともに上部基板支持爪14cが上方に移動する。
第4リンクL4が上方に移動することによりT型部材17dが(図6の右下側から見て)時計方向に回動し、第5リンクL5が他方(図6において右方)のアーム22側に移動するとともに、第6リンクL6が一方(図6において左方)のアーム22側に移動する。第5リンクL5が他方のアーム22側に移動することにより第2の側部基板支持爪17cの先端が外方に移動する。そして、第6リンクL6が一方のアーム22側に移動することにより第1の側部基板支持爪16bの先端が外方に移動する。
【0059】
このように、ロッド45,46を実線矢印の方向に移動させることにより、すべての支持爪を開方向に移動させることができる。また逆に、ロッド45,46を実線矢印の方向と反対の方向に移動させることにより、すべての支持爪を閉方向に移動させることができる。
【0060】
このように、被処理基板Kの上下左右に配置された上部基板支持爪14c、第1の側部基板支持爪16b、第2の側部基板支持爪17c、および下部基板支持爪15a,29により被処理基板Kの上下左右の周縁部端面が各爪で押し付けられて支持(あるいは保持)されることとなるので、被処理基板Kを上下方向および左右方向に規制(あるいは拘束)することができ、被処理基板K自体の振動と振幅を低減させることができ、被処理基板K周縁部の損傷(あるいは欠損)を防止することができるとともに、搬送台車の搬送速度(移動速度)を増加させることで、被処理基板Kの振動や振幅が大きくなることを抑制され、被処理基板Kが基板支持爪29などと接触する付近で破損することが、大幅に抑制することができて、タクトタイムを大幅に短縮させることができる。
【0061】
なお、本発明は上述した実施形態のものに限定されるものではなく、上述した実施形態のものを必要に応じて適宜組み合わせることもできる。
たとえば、第1実施形態の上部押さえ板バネ52および側部押さえ板バネ50や、第4実施形態の側部押さえ板バネ50に、第3実施形態のところで説明したクッション材200を設けるようにすることもできる。
【0062】
また、上部押さえ板バネ52および側部押さえ板バネ50に設けたクッション材200を、第1実施形態ないし第4実施形態の下部基板支持爪15a,29、上部基板支持爪14c,30、および側部基板支持爪16b,17cの凹部15a’,29’,14c’,30’,16b’,17c’内に適宜必要に応じて設けるようにすることもできる。
【0063】
さらに、第1実施形態および第2実施形態のところで述べたダンパユニット28,128を、第3実施形態および第4実施形態に適用することもできる。
【0064】
さらにまた、上述した実施形態において、上部基板支持爪30が固定されたものについて説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば本出願人が先に出願した「特開2002−167035号公報」に記載しているような、上部基板支持爪30が可動するものにも適用することができる。
【0065】
さらにまた、基板支持爪駆動シャフト24を回動させてリンク機構を操作する操作手段40は、上述したものに限定されるものではなく、たとえば本出願人が先に出願した「特開2002−167035号公報」の図1ないし図4に示しているようなものを適用することもできる。
【0066】
【発明の効果】
本発明の搬送装置およびこれを備えた真空処理装置によれば、以下の効果を奏する。
請求項1記載の搬送装置によれば、搬送台車からの振動やリンク機構操作時の振動と振幅が減衰手段によって吸収(あるいは減衰)され、これら振動が直接下部基板支持爪および被処理基板に伝達されないようになっているので、被処理基板の(特に周縁部の)欠損を防止することができるとともに、搬送台車の搬送速度(移動速度)を増加させることで、被処理基板Kの振動や振幅が大きくなることを抑制され、被処理基板Kが基板支持爪29などと接触する付近で破損することが、大幅に抑制することができて、タクトタイムを大幅に短縮させることができる。
【0067】
請求項2記載の搬送装置によれば、被処理基板の上下左右に位置する周縁部が支持されるとともに、搬送装置からの振動が緩衝部材により吸収されることとなるので、支持爪の凹部と被処理基板の周縁部とのすべりをなくすことができ、搬送装置からの振動と振幅を低減させることができて、被処理基板の(特に周縁部の)欠損を防止することができるとともに、搬送台車の搬送速度(移動速度)を増加させることができて、タクトタイムを大幅に短縮させることができる。
【0068】
請求項3記載の搬送装置によれば、上部基板支持爪、下部基板支持爪、および側部基板支持爪により被処理基板の周縁部が支持(あるいは保持)されるようになっているので、支持爪の凹部と被処理基板の周縁部とのすべりをなくすことができるとともに、被処理基板Kの面と主として垂直方向へ振動時の振動幅を抑制することができ、被処理基板の(特に周縁部の)欠損を防止することができるとともに、搬送台車の搬送速度(移動速度)を増加させることができて、タクトタイムを大幅に短縮させることができる。
【0069】
請求項4記載の搬送装置によれば、下部基板支持爪とリンク機構との間に減衰手段が設けられており、リンク機構が操作されたときの振動や搬送台車からの振動が直接下部基板支持爪に伝達されないようになっているので、被処理基板の(特に周縁部の)欠損をより一層防止することができるとともに、搬送台車の搬送速度(移動速度)をより一層増加させることができて、タクトタイムを大幅に短縮させることができる。
【0070】
請求項5記載の搬送装置によれば、減衰手段には下部基板支持爪の動きを直線的な動きに規制するリニアガイド機構が設けられており、下部基板支持爪の凹部と被処理基板の周縁部とのすべりをなくすことができるので、被処理基板の左右方向の移動を規制する部材を不要とすることができ、製造コストおよびメンテナンスコストを低減させることができる。
【0071】
請求項6記載の搬送装置によれば、減衰手段が比較的安価な多孔体材料で構成されているので、製造コストを低減させることができる。
【0072】
請求項7記載の搬送装置によれば、下部基板支持爪を開くことにより伸ばされた引張コイルバネの復元力が、下部基板支持爪が閉じる(上方に移動させる)際の力として利用されることとなるので、たとえば下部基板支持爪に被処理基板が載置された状態で下部基板支持爪を閉じようとする場合、操作手段からの力(すなわち駆動源からの駆動力)を減少させることができ、駆動源自体を小型のものにすることができるとともに、下部基板支持爪に被処理基板が載置されていない状態で下部基板支持爪を閉じようとする場合、下部基板支持爪を即座に閉位置に移動させることができ、タクトタイムを短縮させることができる。
【0073】
請求項8記載の搬送装置によれば、被処理基板の上下左右に位置する周縁部が支持されるとともに、搬送装置からの振動が緩衝部材により吸収されることとなるので、支持爪の凹部と被処理基板の周縁部とのすべりをなくすことができるとともに、被処理基板Kの面と主として垂直方向へ振動時の振動幅を抑制することができ、搬送装置からの振動を低減させることができて、被処理基板の(特に周縁部の)欠損を防止することができるとともに、搬送台車の搬送速度(移動速度)を増加させることができて、タクトタイムを大幅に短縮させることができる。
【0074】
請求項9記載の真空処理装置によれば、被処理基板を損傷することなく搬送速度を上げることのできる搬送装置が採用されることとなるので、装置全体のタクトタイムを大幅に短縮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るクラスタ型真空処理装置の全体斜視図である。
【図2】本発明による搬送装置の第1実施形態を示す要部斜視図である。
【図3】図2に示す搬送装置のダンパユニットを詳細に示す図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図4】本発明による搬送装置の第2実施形態のダンパユニットを詳細に示す図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図5】本発明による搬送装置の第3実施形態を示す図であって、(a)は要部斜視図、(b)は上部押さえ板バネの一部拡大図である。
【図6】本発明による搬送装置の第4実施形態を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
10 搬送装置
11 搬送装置
12 搬送装置
14c 上部基板支持爪
14c’凹部
15a 下部基板支持爪
15a’凹部
16b 第1の側部基板支持爪
17c 第2の側部基板支持爪
20 保持機構
20a 保持機構
20b 保持機構
22 アーム(支柱)
28 ダンパユニット(減衰手段)
29 下部基板支持爪
29’ 凹部
30 上部基板支持爪
30’ 凹部
40 操作手段
50 側部押さえ板バネ
52 上部押さえ板バネ
53 スプリング(引張コイルバネ)
62 リニアガイド
65 上側スプリング
68 下側スプリング
128 ダンパユニット(減衰手段)
130 吸振体(多孔体材料)
200 クッション材(緩衝部材)
901 クラスタ型真空処理システム(真空処理装置)
906A 搬送装置
906B 搬送装置
906C 搬送装置
906D 搬送装置
906E 搬送装置
906F 搬送装置
970A 製膜室(真空処理室)
970B 製膜室(真空処理室)
970C 製膜室(真空処理室)
970D 製膜室(真空処理室)
970E 製膜室(真空処理室)
K 被処理基板

Claims (9)

  1. 被処理基板を処理するための真空処理装置内において前記被処理基板を搬送する搬送装置であって、前記真空処理装置内を走行する搬送台車と、前記被処理基板を保持するため、前記搬送台車に配設された保持機構とを備え、
    前記保持機構は、前記被処理基板を斜めに支持する複数本の支柱と、
    前記支柱に設けられ、前記被処理基板の上辺の周縁部が差し込まれる下向き凹部を有する上部基板支持爪、および前記被処理基板を下側から持ち上げるように支持する上向き凹部を有する下部基板支持爪と、
    前記上部基板支持爪および下部基板支持爪の少なくとも一方を前記被処理基板の周縁部より離隔・開放する方向若しくは前記被処理基板の周縁部へ接近・把持する方向に移動させるリンク機構と、
    外部駆動手段より駆動力を伝えて前記リンク機構を操作する操作手段と、を具備する搬送装置において、
    前記下部基板支持爪は、減衰手段を介して前記リンク機構に連結されていることを特徴とする搬送装置。
  2. 被処理基板を処理するための真空処理装置内において前記被処理基板を搬送する搬送装置であって、前記真空処理装置内を走行する搬送台車と、前記被処理基板を保持するため、前記搬送台車に配設された保持機構とを備え、
    前記保持機構は、前記被処理基板を斜めに支持する複数本の支柱と、
    前記支柱に設けられ、前記被処理基板の上辺の周縁部が差し込まれる下向き凹部を有する上部基板支持爪、および前記被処理基板を下側から持ち上げるように支持する上向き凹部を有する下部基板支持爪と、
    前記上部基板支持爪および下部基板支持爪の少なくとも一方を前記被処理基板の周縁部より離隔・開放する方向若しくは前記被処理基板の周縁部へ接近・把持する方向に移動させるリンク機構と、
    外部駆動手段より駆動力を伝えて前記リンク機構を操作する操作手段と、を具備する搬送装置において、
    前記支柱に設けられ、前記被処理基板の上辺の周縁部を支持する上部押さえ板バネ、および前記被処理基板の側辺の周縁部を支持する側部押さえ板バネを具備し、
    前記上部押さえ板バネおよび前記側部押さえ板バネが前記被処理基板を支持する部位には、緩衝部材が設けられていることを特徴とする搬送装置。
  3. 被処理基板を処理するための真空処理装置内において前記被処理基板を搬送する搬送装置であって、前記真空処理装置内を走行する搬送台車と、前記被処理基板を保持するため、前記搬送台車に配設された保持機構とを備え、
    前記保持機構は、前記被処理基板を斜めに支持する複数本の支柱と、
    前記支柱に設けられ、前記被処理基板の上辺の周縁部が差し込まれる下向き凹部を有する上部基板支持爪、前記被処理基板を下側から持ち上げるように支持する上向き凹部を有する下部基板支持爪、および前記被処理基板の両側辺の周縁部がそれぞれ差し込まれる横向き凹部を有する側部基板支持爪と、
    前記上部基板支持爪、下部基板支持爪、および側部基板支持爪を前記被処理基板の周縁部より離隔・開放する方向若しくは前記被処理基板の周縁部へ接近・把持する方向に移動させるリンク機構と、
    外部駆動手段より駆動力を伝えて前記リンク機構を操作する操作手段と、を具備することを特徴とする搬送装置。
  4. 前記下部基板支持爪は、減衰手段を介して前記リンク機構に連結されていることを特徴とする請求項2または3に記載の搬送装置。
  5. 前記減衰手段はスプリングからなるとともに、リニアガイド機能を具備していることを特徴とする請求項1または4に記載の搬送装置。
  6. 前記減衰手段は、多孔体金属からなることを特徴とする請求項1または4に記載の搬送装置。
  7. 前記減衰手段と当該減衰手段の上方に位置する支柱との間、または前記リンク機構のうち、前記下部基板支持爪に連結されたリンクと当該リンクの上方に位置する支柱との間に、引張コイルバネが設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の搬送装置。
  8. 前記支柱に設けられ、前記被処理基板の上辺の周縁部を支持する上部押さえ板バネ、および前記被処理基板の側辺の周縁部を支持する側部押さえ板バネを具備し、
    前記上部押さえ板バネおよび前記側部押さえ板バネが前記被処理基板を支持する部位には、緩衝部材が設けられていることを特徴とする請求項1または3に記載の搬送装置。
  9. 被処理基板を真空雰囲気下でそれぞれ処理する複数の真空処理室と、
    これら複数の真空処理室の相互間で前記被処理基板を搬送するための、請求項1から8のいずれか一項に記載の搬送装置と、を具備してなることを特徴とする真空処理装置。
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