JP2004296378A - 色選択電極構体用フレーム、色選択電極構体及び色選択電極構体の製造方法 - Google Patents

色選択電極構体用フレーム、色選択電極構体及び色選択電極構体の製造方法 Download PDF

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Riichi Karita
利一 狩田
Keizo Makino
恵三 牧野
Hisakazu Yamane
久和 山根
Yoshimitsu Shiraishi
義光 白石
Kazunari Tsutsui
一就 筒井
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Abstract

【課題】可及的に少ない溶接長で、堅牢なフレームを得ること。
【解決手段】色選択電極本体2を展張状態で支持するためのフレーム3は、水平方向の一対の第1フレーム10と、垂直方向の一対の第2フレーム20とを備えている。第1フレーム10は、板材を断面略三角形状に屈曲することにより形成され、第1支持板部12と第2支持板部14と第3支持板部16とを3つの側面としている。第1支持板部12であってその一方側縁部よりも内側の位置に、剪断加工面を有する突出部30が形成されている。第3支持板部16の他方側縁部16aが第1支持板部12の一主面及び突出部30の剪断面32に接触するように配設されており、第3支持板部16の他方側縁部16aと第1支持板部12との間に作用する剪断力が突出部30で受止められる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、陰極線管(CRT)で色選択に用いられる電極のうち所定方向に沿って張力が負荷されるもの、すなわち、展張型シャドウマスク又はアパーチャグリル等の色選択電極本体を支持固定するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、色選択電極であるグリッド索体を支持する技術として、該グリッド索体を支持する支持板部を断面略L字状に形成すると共に、その支持板部に補強板を溶接して、該支持板部を中空三角形の断面形状に形成したものがある。このような技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
また、マスクを支持する2つの第1の部材を中空三角形の断面形状に形成すると共に、その第1の部材の両端部に中実棒又は中空パイプを連結したものがある。このような技術は、例えば、特許文献2に開示されている。
【0004】
また、比較的高強度な複相ステンレス鋼を用いてフレーム材を形成し、これにより、フレーム材の板厚の薄小化及び軽量化を図ったものがある。このような技術は、例えば、特許文献3に開示されている。
【0005】
また、シャドウマスクをマスクフレームの外側エッジに溶接したものがある。このような技術は、例えば、特許文献4に開示されている。
【0006】
さらに、マスクを支持する三角パイプの側面の所定部分を囲う3方向を、略U字状に切離し、当該所定部分を曲げ起してリップ部を形成し、該リップ部で三角パイプのエッジをクランプする技術がある。このような技術は、例えば、特許文献5に開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特許第3218667号公報
【特許文献2】
特開平9−167578公報
【特許文献3】
特開平9−249942号公報
【特許文献4】
特開2000−67748号公報
【特許文献5】
特表2002−531919号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1や特許文献2のように、色選択電極本体を固定支持するフレームを、中空三角形の断面形状に形成した場合、該色選択電極本体からの張力により、フレーム斜辺部分とフレーム側面との接合部分に、剪断力が作用することとなる。この剪断力に耐えるためには、フレームの長手方向全体に亘って、フレーム斜辺部分とフレーム側面とを、アーク溶接等で隅肉接合する必要があった。
【0009】
ところが、アーク溶接のように高熱で低速度の溶接を行うと、熱歪により、フレームのうち色選択電極本体を支持する部分に歪変形が発生するという問題がある。
【0010】
一方、特許文献5では、三角パイプの側面の所定部分を囲う3方向を、略U字状に切離し、当該所定部分を曲げ起してリップ部を形成しているため、色選択電極本体からの高張力による高剪断力下では、エッジがリップ部に食い込み、当該リップ部が変形を生じ、剪断力による変形を阻止できないという問題があった。
【0011】
そこで、この発明の課題は、可及的に少ない溶接長で、堅牢なフレームを得るための技術に関する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は、色選択電極本体を引張った状態で支持するための色選択電極構体用フレームであって、所定の角度をなして接合される少なくとも2つの支持板部を備え、一方側の前記支持板部に、凸形成面と少なくとも一つの剪断加工面とを有する突出部が少なくとも一つ形成され、他方側の前記支持板部の側縁部が、前記一方側の支持板部の一主面及び前記剪断加工面に接触するように配設されているものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る色選択電極構体1を示す斜視図である。
【0014】
この色選択電極構体1は、陰極線管で色選択機構の一要素を成すものであり、色選択電極構体用フレーム3(以下、単にフレーム3という)と、このフレーム3により面状に広げて引張られた状態(展張状態という)で支持された色選択電極本体2とを備えている。
【0015】
色選択電極本体2は、複数の電子ビーム通過孔2aを有する薄板状に形成されている。図1では、画面の約半分相当部分のみを図示している。かかるかかる色選択電極本体2は、例えば、板厚0.08mm乃至0.15mmの冷間圧延鋼に、化学的エッチングにて電子ビーム通過孔2aを窄孔することにより形成される。
【0016】
色選択電極本体2としては、例えば、図1及び図2(a)に示すように、複数の所定配列方向(ここでは画面の上下配列方向)に沿って形成された複数の電子ビーム通過孔2aが、リアルブリッジ2bにて区画された構成のものが用いられる。
【0017】
また、その他の例としては、図2(b)に示す色選択電極本体2Bのように、複数の所定配列方向に沿って形成された複数の電子ビーム通過孔2aが、リアルブリッジ2b又はダミーブリッジ2cにて連結された構成のもの、図2(c)に示す色選択電極本体2Cのように、複数の所定配列方向に沿って形成された複数の電子ビーム通過孔2aが、ダミーブリッジ2cにて連結された構成のものが挙げられる。ここで、リアルブリッジ2bは、当該電子ビーム通過孔2aをその幅方向に横切るようにして延びて各電子ビーム通過孔2aを完全に分断するように区画する要素であり、ダミーブリッジ2cは、各電子ビーム通過孔2aの幅方向内側に向けて突出状に延設されてその幅方向中間部で非連結状態となっており、各電子ビーム通過孔2aを不完全に分断するように区画する要素である。
【0018】
さらに、その他の例としては、図2(d)に示す色選択電極本体2Dのように、前記所定配列方向における電子ビーム通過孔2aが一端側から他端側までブリッジの無いスリット状に形成されたもの等が挙げられる。色選択電極本体2としては、これらの例に限られず、電子ビーム通過孔2aを有し所定の張力を加えた状態で支持されるもの全てについて適用可能である。
【0019】
図1に戻って、フレーム3は、色選択電極本体2を引張った状態で支持するためのものであり、一対の第1フレーム10と、一対の第2フレーム20とを備えており、これらが略方形枠状に連結されてなる。
【0020】
なお、このフレーム3の各側面部又は四隅部近傍には、陰極線管のパネル内面に位置決め保持するための保持手段(例えば、保持部品及びピン嵌合孔付板)が付設されるが、これらについては図示を省略している。
【0021】
一対の第1フレーム10は、長尺状に形成されており、陰極線管に組込まれた状態では、その画面の上下位置に略水平姿勢で相対向して配設されることとなる。この一対の第1フレーム10に、上記色選択電極本体2が固着される。この第1フレーム10は、一般的に、水平フレームとも呼ばれる。
【0022】
第1フレーム10は、細長略矩形板状に形成された第1支持板部12と、細長略矩形板状に形成された第2支持板部14と、細長略矩形板状に形成された第3支持板部16とを有している。
【0023】
上記第1支持板部12の一方長辺側である一方側縁部12aには、上記色選択電極本体2が固着される。本実施の形態においては、色選択電極本体2を円筒の部分的側面状に展開した状態に支持すべく、一方側縁部12aは、第1支持板部12の面方向において略円弧形状となっている。
【0024】
また、第1支持板部12の他方長辺側である他方側縁部は、第2支持板部14の一方長辺側である一方側縁部に屈曲部13を介して連設されている。この屈曲部13の屈曲角度は、例えば、略90゜である。この第2支持板部14の他方長辺側である他方側縁部は、第3支持板部16の一方長辺側である一方側縁部に、屈曲部15を介して連設されている。この屈曲部15の屈曲角度は、90゜よりも小さい。さらに、第3支持板部16の他方長辺側である他方側縁部16aは、上記第1支持板部12の一主面(内面)であって上記一方側縁部12aの内側に位置に接触するように配設されている。本実施の形態では、第3支持板部16の他方側縁部16aの近傍部分が第1支持板部12の一主面に面接触可能なように、若干屈曲された伸延部16fに形成された構成となっている。
【0025】
第1フレーム10の全体形状は、これら3つの第1〜第3支持板部12,14,16を3つの側壁とする断面略三角形状の中空パイプ形状を呈している。色選択電極構体1の形態に組立てられた状態では、第1支持板部12は、色選択電極本体2に対して略垂直な姿勢に保持され、第2支持板部14は、第1支持板部12の他方側縁部よりフレーム3の内側に向けて色選択電極本体2の面方向に対して略平行姿勢に延びるように保持され、第3支持板部16は、第1支持板部12の一方側縁部と第2支持板部16の他方側縁部とを結ぶようにそれらに対して斜めに延びる姿勢に保持される。
【0026】
このような第1フレーム10は、板金プレス加工に適した板厚の鋼板により構成され、例えば、一枚の板を折り曲げ成形することにより成形される。
【0027】
さらに、上記第1支持板部12であって上記一方側縁部12aよりも内側の位置、より具体的には、第3支持板部16の他方側縁部16aが配設されるラインに沿って、フレーム3の内側に向けて突出する突出部30が複数設けられている。なお、突出部30は、少なくとも一つあればよい。
【0028】
突出部30は、図3(a)に示すように、凸形成面31と少なくとも一つの剪断面32とを有している。具体的には、突出部30は、第1支持板部12の略矩形状領域を規定する各辺のうち第3支持板部16の他方側縁部16aと略平行な対辺2辺を剪断して、略円筒部分状に打出し成形した突起形状(鎧窓状)となっている。突出部30の幅寸法はBであり、高さ寸法はHであり、突出寸法はDである。
【0029】
その他の例としては、図3(b)に示す突出部30Bのように、第1支持板部12の略半円領域を規定する各辺のうち第3支持板部16の他方側縁部16aに近接する側の一辺のみ剪断して、略半球状に打出した構成のものや、図3(c)に示す突出部30Cのように、第1支持板部12の略三角状領域を規定する各辺のうち第3支持板部16の他方側縁部16aに近接する側の一辺のみ剪断して、三角錐状に打出した構成等を挙げることができる。要するに、突出部30は、剪断と絞りを同時に行ない凸状に成形したものであり、かつ、第3支持板部16の他方側縁部16a側に指向する剪断面が一つ以上ある構成であればよい。
【0030】
そして、第3支持板部16の他方側縁部16aは、上記第1支持板部12の一主面に接触すると共に、上記剪断面32に接触するように配設されている。
【0031】
また、本実施の形態においては、第3支持板部16の他方側縁部16a近傍の伸延部16fが第1支持板部12に面接触しており、その他方側縁部16aの延在方向に沿って間欠的に溶接が施され溶接部5が設けられている。
【0032】
一対の第2フレーム20は、一対の第1フレーム10を、それらの間に所定間隔あけた略並列姿勢に保持する機能を有している。この一対の第2フレーム20は、陰極線管に組込まれた状態で画面の左右両側部に略鉛直姿勢で配設され、垂直フレームと呼ばれる。
【0033】
具体的には、第2フレーム20は、板金プレス加工に適した板厚の鋼板により形成されており、一方側が開口する細長筺状体に形成されたフレーム本体22と、フレーム本体22の開口に取付けられた蓋部24とを備えている。
【0034】
フレーム本体22は、例えば、板材を断面略U字状のパイプ状に折曲げると共に、その両端を閉じ、各側面を構成する板材の重ね部分又はエッジ部を溶接することにより形成されている。
【0035】
蓋部24は、第2フレーム20の曲げ強度を向上させるために取付けられるものであり、フレーム本体22の開口部に、溶接等で固着されている。
【0036】
なお、本実施の形態では、後述するように、第1フレーム10と第2フレーム20との溶接を容易に行うため、蓋部24は、フレーム本体22の開口全体を覆っていず、蓋部24を取付けた状態で、フレーム本体22の両端側には開口が設けられるようになっている。すなわち、フレーム本体22の両端側を除く位置を覆うようにして、蓋部24がフレーム本体22の開口に取付けられている。
【0037】
なお、上述した一対の第1フレーム10及び一対の第2フレーム20を構成する板材の板厚については、軽量化の観点からすると、強度の許す限り、薄い方がよい。ただし、色選択電極本体2を強度的に安定して溶接するためには、下限を0.7mmとするのが好ましい。また、低歪の溶接として例えばレーザ溶接を施す場合には、2枚の板を裏面側まで安定して溶融させ、かつ高生産性(溶接速度、エネルギ)を得るための観点からして、上限を1.8mm(2枚重ね部で3.6mmとなる)とすることが好ましい。
【0038】
また、第1フレーム10における屈曲部13,15の延在方向と、第2フレーム20における屈曲部の延在方向のうち少なくとも一方が、それらの母材となる板材の圧延方向に対して略直交するように設定されていることが好ましい。
【0039】
すなわち、一般的に、硬度が高く、伸びが小さい複相組織ステンレス鋼や析出硬化系ステンレス鋼の板を、プレス成形等で曲げ加工する場合、圧延方向の板目に沿ってクラックが発生し易い。このため、曲げ先端半径を板厚の3倍以上取る等の策を講じる必要がある。この場合、精度よく折り曲げることが出来ない問題が発生し易い。
【0040】
そこで、圧延方向を図1の白抜き矢印のように設定し、第1フレーム10及び第2フレーム20を折り曲げ成形することで、例えば、曲げ先端半径を板厚の1.2倍から2倍程度取るだけでクラック無しに曲げることができ、曲げ角度の精度の高い第1フレーム10及び第2フレーム20を得ることができる。
【0041】
これら一対の第1フレーム10及び一対の第2フレーム20を略方形枠状に組立てるにあたっては、第1フレーム10の端部の第2支持板部14を、対応する第2フレーム20の端部であってその端部側開口とは反対側の部分に重ね合せた状態で、当該端部側開口を通じて重ね合せ溶接を行う。ここでは、略方形状の溶接部5cで溶接を行っている。かかる溶接を4つのコーナー部分で行うことで、略方形枠状のフレーム3が組立てられる。
【0042】
さらに、色選択電極本体2の一対の対辺部分が上記第1支持板部12の一方側縁部12aに、溶接等により固着される。固着を行う際、一対の第1フレーム10に対してそれらを近接方向に向けて弾性変形させる力を加え、固着を行った後、当該力を解除すると、一対の第1フレーム10が原位置に弾性復帰しようとする力により、色選択電極本体2に対して一対の第1フレーム10の長手方向に対して略直交する方向に沿ってフレーム3の外方へ引張る負荷が加えられることとなる。
【0043】
このように構成された色選択電極構体1の作用について説明する。
【0044】
図4は、第1フレーム10の横断面における模式図である。同図では、色選択電極本体2に加えられた張力による反作用力をベクトルTで表している。
【0045】
この場合、第3支持板部16の他方側縁部16aは、上記第1支持板部12の一主面に接触すると共に、その近傍の伸延部16fが第1支持板部12に溶接されている。そして、第3支持板部16には、反作用力Tのうち第3支持板部16の幅方向に対応する斜め方向成分ベクトルPが作用する。
【0046】
一方、第1フレーム10の両端部には、第2フレーム20が固着されており、一対の第1フレーム10に対してそれらの近接方向に向けた力が作用する。そして、負荷の対称条件から第2フレーム20の長手方向中央部を固定端(図4においてハッチング部分)とすると、第1フレーム10の第3支持板部16のうち第2支持板部14との連設部分には、反力Rが生じる。
【0047】
従って、溶接部5には、力Pの垂直成分SPと、力Rの垂直成分SRとによる剪断力が作用することとなる。ところが、第3支持板部16の他方側縁部16aが突出部30の剪断面32に接触し、当該他方側縁部16aの上方への移動が阻止されている。これにより、溶接部5に働く剪断応力を実質的に抑制することができる。
【0048】
以上のように構成された色選択電極構体1によると、第3支持板部16の他方側縁部16aが第1支持板部12の一主面及び突出部30の剪断面32に接触するように配設されているので、上記剪断力が突出部30で受止められることになる。従って、第1フレーム10の長手方向全体に亘って第3支持板部16の他方側縁部16aと第1支持板部12とを溶接することなく、部分的な溶接部5、即ち、可及的に少ない溶接長で、フレーム3の堅牢化を図ることができる。
【0049】
特に、第3支持板部16の他方側縁部16aが突出部30の剪断面32に接触しているため、過大な剪断力によっても、当該他方側縁部16aが突出部30に食い込み難く、十分な堅牢化を図ることができる。
【0050】
なお、本実施の形態では、第1フレーム10において、第3支持板部16の伸延部16fと第1支持板部12とを重ね合せて、重ね溶接を施しているが、図5に示すように、上記伸延部16fを省略し、第3支持板部16の他方側縁部16aと第1支持板部12との接触部のエッジを溶接部5dで溶接するようにしてもよい。
【0051】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係る色選択電極構体101を示す斜視図である。なお、ここでの説明において、上記実施の形態1に係る色選択電極構体1の構成要素と同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0052】
この色選択電極構体101は、色選択電極構体用フレーム103(以下、単にフレーム103という)と、このフレーム103によって面状に広げて引張られた状態で支持された色選択電極本体2とを備えている。
【0053】
フレーム103は、色選択電極本体2を引張った状態で支持するためのものであり、一対の第1フレーム110と、一対の第2フレーム20とを備えており、これらが略方形枠状に連結されてなる。
【0054】
第1フレーム110は、例えば、板金プレス加工に適した板厚の鋼板によって形成されるものであり、断面略L字状のフレーム本体部111と、第3支持板部116とを備えている。
【0055】
フレーム本体部111は、細長略矩形状に形成された第1支持板部112と細長略矩形状に形成された第2支持板部114とを備えている。
【0056】
第1支持板部112の一方長辺側である一方側縁部112aには、色選択電極本体2が固着される。本実施の形態において、一方側縁部112aは、色選択電極本体2を円筒の部分的側面状に展開した状態に支持すべく、第1支持板部112の面方向において円弧形状となっている。
【0057】
また、第1支持板部112の他方長辺側である他方側縁部は、第2支持板部114の一方長辺側である一方側縁部に屈曲部113を介して連設されている。この屈曲部113の屈曲角度は、例えば、略90゜である。
【0058】
このようなフレーム本体部111は、一枚の板を略L字状に折曲げることにより形成される。なお、実施の形態1において述べたのと同様の理由により、このフレーム本体部111における屈曲部113の延在方向を、その母材となる板材の圧延方向(図6中白抜き矢印で示される方向)に対して略直交するように設定するのが好ましい。
【0059】
第3支持板部116は、細長略矩形状に形成されており、上記フレーム本体部111のうち屈曲部113とは反対側の開口を閉塞するように、当該フレーム本体部111に取付けられている。
【0060】
また、上記第1支持板部112であってその一方側縁部112aよりも内側の位置、より具体的には、第3支持板部116の他方側縁部116aが配設されるラインに沿って、第1フレーム110の内側に向けて突出する突出部130aが複数設けられている。
【0061】
さらに、上記第2支持板部114であってその他方側縁部114aよりもよりも内側の位置、より具体的には、第3支持板部116の一方側縁部116bが配設されるラインに沿って、第1フレーム110の内側に向けて突出する突出部130bが複数設けられている。
【0062】
なお、これら突出部130a,130bは、それぞれ少なくとも一つあればよい。
【0063】
各突出部130a,130bは、それぞれ上記実施の形態1において説明した突出部30又はその変形例と同様構成とされている。
【0064】
そして、第3支持板部116の他方側縁部116aが、第1支持板部112の一主面(内面)に接触すると共に、各突出部130aの剪断面に接触するように配設されている。また、第3支持板部116の一方側縁部116bが第2支持板部114の一主面(内面)に接触すると共に、各突出部130bの剪断面に接触するように配設されている。
【0065】
また、本実施の形態においては、第3支持板部116の他方側縁部116a近傍の伸延部116afが第1支持板部112に面接触しており、その長尺状の重ね合せ部分において、他方側縁部116aの延在方向に沿って間欠的に溶接が施され溶接部115aが形成されている。同様に、第3支持板部116の一方側縁部116b近傍の伸延部116bfが第2支持板部114に面接触しており、その長尺状の重ね合せ部分において、一方側縁部116bの延在方向に沿って間欠的に溶接が施され溶接部115bが形成されている。
【0066】
第1フレーム110の全体形状は、これら3つの第1〜第3支持板部112,114,116を3つの側壁とする断面略三角形状の中空パイプ形状を呈している。色選択電極構体101の形態に組立てられた状態では、第1支持板部112は、色選択電極本体2に対して略垂直な姿勢に保持され、第2支持板部114は、第1支持板部112の他方側縁部よりフレーム103の内側に向けて色選択電極本体2の面方向に対して略平行姿勢に延びるように保持され、第3支持板部116は、第1支持板部112の一方側縁部112aと第2支持板部116の他方側縁部116aとを結ぶようにそれらに対して斜めに延びる姿勢に保持される。
【0067】
この一対の第1フレーム110と一対の第2フレーム20とは、上記実施の形態1と同様に接合されて、枠状のフレーム103に組立てられている。また、上記実施の形態1と同様にして、色選択電極本体2がフレーム103に固着される。
【0068】
このように構成された色選択電極構体101の作用について説明する。
【0069】
図7は、第1フレーム110の横断面における模式図である。同図では、色選択電極本体2に加えられた張力による反作用力をベクトルTで表している。
【0070】
この場合、上記実施の形態1と同様に、第3支持板部116の他方側縁部116aと第1支持板部112との溶接部115aには、力Pの垂直成分SPと、力Rの垂直成分SRによる剪断力が作用することとなる。ところが、第3支持板部116の他方側縁部116aが突出部130aの剪断面に接触し、当該他方側縁部116aの上方への移動が阻止されている。このため、溶接部115aに作用する剪断応力を実質的に抑制することができる。
【0071】
同様に、第3支持板部116の一方側縁部116bと第2支持板部114との溶接部115bにも剪断力が作用する。ところが、第3支持板部116の一方側縁部116bが突出部130bの剪断面に接触し、当該一方側縁部116bがフレーム103の内側へ移動することが阻止され、前記剪断応力を実質的に抑制することができる。
【0072】
以上のように構成された色選択電極構体101によると、第3支持板部116の他方側縁部116aが第1支持板部112の一主面及び突出部130aの剪断面に接触するように配設するように配設されているので、上記剪断力が突出部130aで受止められることになる。従って、第1フレーム110の長手方向全体に亘って第3支持板部116の他方側縁部116aと第1支持板部112とを溶接することなく、部分的な溶接部115a、即ち、可及的に少ない溶接長で、第1フレーム110の堅牢化を図ることができる。
【0073】
また、同様に、第3支持板部116の一方側縁部116bが第2支持板部114の一主面及び突出部130bの剪断面に接触するように配設するように配設されているので、当該剪断力が突出部130bで受止められることになる。従って、第1フレーム110の長手方向全体に亘って第3支持板部116の一方側縁部116bと第2支持板部114とを溶接することなく、部分的な溶接部115b、即ち、可及的に少ない溶接長で、第1フレーム110の堅牢化を図ることができる。
【0074】
特に、本実施の形態では、板材を比較的小さい角度で曲げる必要がないため、第3支持板部116を別部材とすることによる多少の部品点数増と、溶接部5b分による溶接増によって、クラックやスプリングバック管理の問題を回避し、第1フレーム110を安定した品質で製造できるという利点がある。
【0075】
すなわち、実施の形態1では、第2支持板部14と第3支持板部16とを鋭角で屈曲した場合(特に、曲げ半径が板厚よりも小さい場合)には、クラックを発生するという問題を生じる。また、実施の形態1では、伸延部16fを第1支持板部12により確実に面接触させて溶接部5での溶接安定化を図るためには、プレス成形におけるスプリングバックの管理を行う必要がある。
【0076】
これに対して、本実施の形態では、板材を比較的小さい角度、即ち、鋭角で曲げる必要がないため、そのような問題は解消される。
【0077】
なお、本実施の形態では、第3支持板部116の伸延部116afと第1支持板部112、伸延部116bfと第2支持板部114とをそれぞれ重ね合せて溶接を施しているが、図8に示すように、伸延部116af,116bfを省略し、第3支持板部116の他方側縁部116aと第1支持板部112との接触部のエッジ、第3支持板部116の一方側縁部116bと第2支持板部114との接触部のエッジを溶接部115cで溶接するようにしてもよい。
【0078】
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3に係る色選択電極構体のフレーム103Bを示す斜視図である。なお、ここでの説明において、上記実施の形態2に係る色選択電極構体101の構成要素と同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0079】
このフレーム103Bでは、上記第3支持板部116に対応する第3支持板部116Bの少なくとも一部が、第1支持板部112及び第2支持板部114よりも機械的強度に優れた構成となっている。なお、ここでの機械的強度は、図7に示したように、荷重Pと反力Rによる圧縮荷重に耐え得る変形し難さを意味し、例えば、剛性率等で評価される。
【0080】
このように第3支持板部116Bの少なくとも一部を機械的強度に優れた構成とするためには、厚さ寸法を厚くすること、或は、それ自体を機械的強度に優れた板材によって構成することにより実現される。
【0081】
本実施の形態では、第3支持板部116Bは、中間支持板部116Bmと、その両端側の一対の端部支持板部116Beとに分割された構成となっている。そして、一対の端部支持板部116Beの厚み寸法が、中間支持板部116Bmの厚み寸法よりも大きくなっており、厚み寸法の差異に起因して、当該端部支持板部116Beが中間支持板部116Bmよりも強度的に優れた構成となっている。なお、端部支持板部116Beと中間支持板部116Bmとを異なる材質の鋼材により形成し、前者が後者よりも優れた機械的強度を持つ構成としてもよい。なお、中間支持板部116Bmは、フレーム本体部111を形成した板材と同じ材質及び板厚のものを用いて形成されており、従って、端部支持板部116Beは、フレーム本体部111よりも機械的強度に優れている。
【0082】
なお、当該端部支持板部116Beと中間支持板部116Bmとの境界は、接合されていてもよいし、接合されていなくともよい。
【0083】
このように、端部支持板部116Beを中間支持板部116Bmよりも優れた機械的強度としている理由は、色選択電極本体2を第1フレーム110B間で引張った状態で支持した場合、一般的には、その色選択電極本体2による張力が第1フレーム110Bの端部で最も大きくなるからである。
【0084】
もっとも、第1フレーム110Bのどの部分の機械的強度を最も大きくするかは、色選択電極本体2の張力分布に応じて決定される。
【0085】
また、勿論、第3支持板部116Bの長手方向全体に亘って、フレーム本体部111よりも強度的に優れた構成としてもよい。
【0086】
この実施の形態3に係る色選択電極構体によると、第3支持板部116Bの少なくとも一部が第1支持板部112及び第2支持板部114よりも強度的に優れているから、第1フレーム110Bがより堅牢になる。また、第1支持板部112及び第2支持板部114については、比較的変形容易な鋼材を用いることができるから、屈曲加工性に優れる。また、第1支持板部112及び第2支持板部114を比較的薄手の板材により形成することができるため、軽量化にも資する。
【0087】
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4に係る色選択電極構体のフレーム103Cを示す斜視図である。なお、ここでの説明において、上記実施の形態2に係る色選択電極構体101の構成要素と同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0088】
このフレーム103Cでは、上記第2支持板部114に対応する第2支持板部114Cにおいて、その長手方向中央部における幅寸法Wcよりも、その各端部における幅寸法Weの方が大きくなっている。特に、本実施の形態では、第2支持板部114Cの他方側縁部114Cb側を外方に張出すように突出させることで、幅広になっている。
【0089】
また、これに合わせて、上記第3支持板部116に対応する第3支持板部116Cの一方側縁部116Cb近傍の伸延部116Cfも、その長手方向中間部よりもその各端部で幅広になっている。このため、第1フレーム110Cの長手方向中間部よりも、その長手方向両端部で、伸延部116Cfと第2支持板部114Cとの接触面積が大きくなっており、従って、より多数の溶接が施されている。
【0090】
この実施の形態4の色選択電極構体によると、第1フレーム110Cの両端部で、第2支持板部114Cが幅広となっているため、当該第2支持板部114Cと第2フレーム20との接触面積を大きくすることができる。これにより、第1フレーム110Cと第2フレーム20との接合強度を大きくすることができる。特に、色選択電極本体2による張力が、第1フレーム110Cの長手方向中間部よりもその各端部で大きくなる場合において、当該張力に対して有効に耐え得る構造を得ることができる。
【0091】
実施の形態5.
図11はこの発明の実施の形態5に係る色選択電極構体のフレーム103Dを、色選択電極本体2の展張面側から見た説明図である。なお、ここでの説明において、上記実施の形態2に係る色選択電極構体101の構成要素と同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0092】
このフレーム103Dでは、上記第1支持板部112に対応する第1支持板部112Dが、色選択電極本体2による張力無負荷状態において、色選択電極本体2による張力の作用方向とは逆方向、即ち、画面の中央から外側に向う方向へ、膨出し曲率半径Ryで弧状に湾曲した構成となっている。また、第2支持板部114Dの第1支持板部112D側の側縁部も、当該弧状に倣って湾曲した構成となっている。
【0093】
このように第1フレーム110Dに曲率半径Ryの湾曲を設ける方法としては、例えば、溶接歪みを利用する方法がある。
【0094】
すなわち、フレーム本体部111Dに第3支持板部116Dを溶接する際に、当該溶接を第3支持板部116D側から行うと、図12に示すように、破線で示すように略直線形状であった第1フレーム110Dが、実線で示す第1フレーム110Dのように、曲率半径Ryで湾曲するようになる。これは、溶接部の金属組織が溶融した後、冷却により縮む現象を利用したものであり、第3支持板部116D側から溶接を行うことで、外側へ膨出するように反る。特に、第1フレーム110Dの長手方向に沿って部分的に行う溶接部の総延長を長くするか、または、溶接を略平行して2重に行う等、溶接負荷を増やすことで、曲率半径Ryを小さくするように調整することができる。逆に曲率半径を大きくしたい場合は、溶接の負荷を減らすか、第3支持板部116Dとは反対側から同等の熱負荷の溶接をすればよい。
【0095】
そして、一対の第1フレーム110Dに対して、それらの近接方向に向けて加圧した状態で、当該一対の第1フレーム110Dに色選択電極本体2を固着する。これにより、一対の第1フレーム110D間に、色選択電極本体2に対して所定の張力が加えられた状態で支持されることとなる。
【0096】
このとき、一対の第1フレーム110Dは、色選択電極本体2により近接方向に向けて引張られ、従って、図11に破線で示すように、略直線状に延びた状態となる。
【0097】
このため、色選択電極本体2を引張って支持した状態において、第1支持板部112Dの内側への湾曲度合を少なくすることができ、電子ビームと第1フレーム110Dとが干渉し難く、製造裕度の向上を図ることができる。
【0098】
より具体的に説明すると以下の通りである。
【0099】
図11では、本色選択電極構体を陰極線管に組込んだ状態において、電子ビームの外周軌道150を一点鎖線にて示している。なお、電子ビームの軌道150は、第1フレーム110Dの第2支持板部112Dの面方向におけるものを示している。
【0100】
一方、図13では、比較例として、実施の形態1における色選択電極構体を陰極線管に組込んだ状態において、電子ビームの外周軌道50を一点鎖線にて示している。
【0101】
図11及び図13の場合共に、色選択電極本体2を展張支持した状態では、第1フレーム10,110Dには、色選択電極本体2からの張力により、各図の白抜き矢印に示す力が加わり、それぞれ各図の破線に示す形状に変形する。すなわち、本実施の形態に係る図11では、第1フレーム110Dは略直線状となり、実施の形態2に係る図13では第1フレーム110は内側に膨出する弧状に変形する。
【0102】
これらの図から明らかなように、本実施の形態に係る図11の方が、実施の形態2に係る図13よりも、電子ビームの軌道150と第1フレーム110Dとの間隔で規定される裕度ΔYが大きいことがわかる。従って、本実施の形態に係る色選択電極構体の方が、第1フレーム110Dによって生じる電子ビームの影等を防止する観点からの製造裕度が大きくなり有利となる。
【0103】
なお、本実施の形態で述べた事項は、実施の形態1等、他の実施の形態についても適用できる。
【0104】
実施の形態6.
図14はこの発明の実施の形態6に係る色選択電極構体のフレーム3Eを示す斜視図である。なお、ここでの説明において、上記実施の形態1に係る色選択電極構体1の構成要素と同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0105】
このフレーム3Eでは、第1フレーム10の両端部に、保持部材55Eが取付けられている。
【0106】
保持部材55Eは、第1フレーム10の略三角形断面形状のうち底部外周形状に沿う屈曲形状を有している。すなわち、保持部材55Eは、所定幅の帯状板材を屈曲することにより形成されており、第1支持板部12と第2支持板部14との間の屈曲部13外形状に沿う屈曲保持部56Eと、第2支持板部14と第3支持板部16との間の屈曲部15外形状に沿う屈曲保持部57Eとを有する構成とされている。
【0107】
そして、保持部材55Eは、第1フレーム10の各端部に外嵌めされた状態で、第1フレーム10の各端部に、溶接部5Edにて接合されている。
【0108】
この色選択電極構体によると、保持部材55Eが第1支持板部12と第2支持板部14との屈曲形態を保持すると共に、第2支持板部14と第3支持板部16との屈曲形態を保持する。このため、図4に示すように、張力Tによる荷重Pと反力Rによる圧縮荷重が第3支持板部16に作用した際に、第1フレーム10の端部における応力を低減させることができる。これにより、第1フレーム10の堅牢化を図ることができる。
【0109】
なお、本実施の形態で述べた事項は、実施の形態2等、他の実施の形態についても適用できる。例えば、実施の形態2に適用する場合には、保持部材55Eに、第2保持板部114と第2保持板部116との接合部形状に倣う保持部形状を持たせればよい。
【0110】
実施の形態7.
図15はこの発明の実施の形態7に係る色選択電極構体のフレーム3Fを示す斜視図である。なお、ここでの説明において、上記実施の形態1に係る色選択電極構体1の構成要素と同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0111】
このフレーム3Fでは、上記第1フレーム10に対応する一対の第1フレーム10Fの端部が、その中央部よりも機械的強度に優れている。ここでの機械的強度は、色選択電極本体2による張力に耐え得る変形し難さを意味している。
【0112】
本実施の形態では、第1フレーム10Fの両端部分10Feの板厚が、その中間部分10Fmの板厚よりも大きくなっている。このような第1フレーム10Fは、異なる板厚の板材(鋼、合金鋼)をレーザ溶接等で並接接合した板材を形成し、これをプレス成形することによって形成されている。この種の構造は、テーラードブランクと呼ばれ、自動車車体板金でも一般に用いられている。
【0113】
なお、異なる板厚の板材を並接接合する代りに、機械的強度の異なる板材(鋼、合金鋼)を並接接合してもよい。
【0114】
この色選択電極構体によると、色選択電極本体2によって比較的大きな張力が加わる部分を機械的強度に優れた部分としているため、フレーム3Fの堅牢化を図ることができる。
【0115】
特に、厚板化により第1フレーム10Fの両端部分10Feの機械的強度の向上を図った構成においては、当該両端部分10Feに対応する部分を厚板化すればよく、全体を厚板化する必要がないので、軽量化と堅牢化の両立を図ることができるという利点がある。
【0116】
なお、本実施の形態で述べた事項は、実施の形態2等、他の実施の形態についても適用できる。例えば、実施の形態2に適用する場合には、第1フレーム110のフレーム本体部111の両端部を、その中央部よりも機械的強度に優れた構成とすればよい。
【0117】
実施の形態8.
図16(a)はこの発明の実施の形態8に係る色選択電極構体のフレーム103Gを示す斜視図であり、図16(b)は図16(a)のA−A線断面図である。なお、ここでの説明において、上記実施の形態2に係る色選択電極構体101の構成要素と同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0118】
このフレーム103Gでは、第3支持板部116に対応する第3支持板部116Gに、その幅方向に沿って延びるビード160Gが形成されている。
【0119】
ビード160Gは、第3支持板部116Gの一主面側(外面側)又は他方主面側(内面側)に突出する細長突状に形成されており、板材をプレス成形すること等により形成される。本実施の形態では、色選択電極本体2による張力が特に大きくなり易い第3支持板部116Gの長手方向両端部それぞれに、ビード160Gが適宜間隔をあけて3列形成されている。これにより第3支持板部116Gの幅方向の座屈変形に抗する構成が実現される。
【0120】
勿論、第3支持板部116Gの長手方向中間部に、ビード160Gが設けられていてもよい。色選択電極本体2による張力の分布に応じて、ビード160Gを設ける位置、個数等は適宜調整される。
【0121】
このように構成された色選択電極構体によると、第3支持板部116Gの幅方向の座屈変形に対する強度が強くなる。このため、色選択電極本体2の張力に起因する荷重Pと反力Rによる圧縮荷重が第3支持板部116Gに加わっても、第3支持板部116Gが座屈変形し難くなり、第1フレーム110Gの堅牢化が図られる。
【0122】
なお、本実施の形態で述べた事項は、実施の形態1等、他の実施の形態についても適用できる。例えば、実施の形態1に適用する場合には、第1フレーム10の第3支持板部12の適宜位置に、ビードを設ければよい。
【0123】
実施の形態9.
図17はこの発明の実施の形態9に係る色選択電極構体のフレーム103Hを示す斜視図である。なお、ここでの説明において、上記実施の形態2に係る色選択電極構体101の構成要素と同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0124】
このフレーム103Hでは、上記第3支持板部116に対応する第3支持板部116Hに、板状の補強部材165Hが設けられている。
【0125】
補強部材165Hは、第3支持板部116Hの面方向に対して略直交し、かつ、第3支持板部116Hの幅方向に沿って延びる板状に形成されている。
【0126】
本実施の形態では、第3支持板部116Hの両端部に補強部材165Hが設けられている。このような補強部材165Hは、第3支持板部116Hの両端部に、外方に延出する部分を形成し、当該延出部分を略直角に折曲げることにより形成される。
【0127】
この補強部材165Hにより、第3支持板部116Hの幅方向の座屈変形に対する強度が強くなる。このため、色選択電極本体2の張力に起因する荷重Pと反力Rによる圧縮荷重が第3支持板部116Hに加わっても、第3支持板部116Hが座屈変形し難くなり、第1フレーム110Hの堅牢化が図られる。
【0128】
なお、図18(a)に示す変形例のフレーム103Iのように、第3支持板部116に対応する第3支持板部116Iを、その長手方向において3分割した構成とし、その両端側の第3支持板部分116Ie及び中間部の第3支持板部分116Imの各両端部に、上記補強部材165Hと同様の補強部材165Iを屈曲形成した構成としてもよい。なお、両端側の第3支持板部116Ie及び中間部の第3支持板部116Imとの境界部分は、相互に溶接されていてもされていなくともよい。
【0129】
また、上述のように第3支持板部116Hや第3支持板部116Ie、中間部の第3支持板部116Imの端部を折曲げる代りに、図18(b)に示すように、補強部材165Jを、第3支持板部116に固着するようにしてもよい。
【0130】
図18(b)では、補強部材165Jとして、一枚の板材を略L字状に屈曲することにより形成された部材、即ち、一対の略方形状板片165Ja,165Jbが断面略L字状に連設された部材が示されている。このような補強部材165Jの一方側の板片165Jaを第3支持板部116に重ね合せて溶接等することによっても、当該第3支持板部116の補強が図られる。
【0131】
なお、本実施の形態で述べた事項は、実施の形態2以外の他の実施の形態についても適用できる。
【0132】
実施の形態10.
図19はこの発明の実施の形態10に係る色選択電極構体のフレーム103Kを示す斜視図である。なお、ここでの説明において、上記実施の形態2に係る色選択電極構体101の構成要素と同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0133】
この色選択電極構体では、前記各第1フレーム110と前記各第2フレーム20との各連結部分に、それらの接合状態を保持するための連結部材170Kが設けられている。
【0134】
連結部材170Kは、第1フレーム110に接合される第1接合部172Kと第2フレーム20に接合される第2接合部174Kとを有している。
【0135】
本実施の形態では、連結部材170Kは、略方形板状の第1接合部172Kと略方形板状の第2接合部174Kとが略L字状に連設された構成とされている。このような連結部材170Kは、一枚の板材を略L字状に屈曲することにより形成される。
【0136】
この各連結部材170Kは、各第1フレーム110と各第2フレーム20との各連結部分であってそれらの外面が略直交する部分に設けられている。すなわち、各第1接合部172Kは、各第2支持板部114の端部近傍の外面に溶接部を介して接合され、各第2接合部174Kは、各第2フレーム20の端部近傍の一側壁外面に、溶接部173Kを介して接合されている。
【0137】
この色選択電極構体によると、連結部材170Kにより各第1フレーム110と各第2フレーム20との接合状態がより確実に保持される。従って、フレーム103Kの剛性が向上し、色選択電極本体2からの張力によりフレーム103Kに高い応力が作用しても、当該応力に対して十分に耐えることができる。特に、第1フレーム110や第2フレーム20を構成する板材の板厚を全体的に大きくせずに、重量増を招くことなく、フレーム103Kの高剛性化を図ることができるという利点がある。
【0138】
なお、上記各連結部材170Kは、第1フレーム110や第2フレーム20とは別体とされているが、それら第1フレーム110又は第2フレーム20に対して一体成形された部材であってもよい。
【0139】
例えば、図20に示す変形例のフレーム103Lでは、各第2フレーム20Lの各端部壁を第1フレーム110の側面に向けて延設することにより、連結部材170Lを形成している。この各連結部材170Lは、第1フレーム110の側面に例えば溶接部171Lを介して接合されている。
【0140】
なお、本実施の形態で述べた事項は、実施の形態2以外の他の実施の形態についても適用できる。
【0141】
実施の形態11.
図21(a)は、実施の形態11に係る色選択電極本体2と第1フレーム110との固着部分を示す説明図であり、図21(b)は図21(a)の部分拡大図である。図21(a)において、破線で示す第1フレーム110は色選択電極本体2を展張する前の形態であり、実線で示す第1フレーム110は色選択電極本体2を展張した後の形態である。なお、ここでの説明において、上記実施の形態2に係る色選択電極構体101の構成要素と同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0142】
この実施の形態11に係る色選択電極構体101は、色選択電極本体2と第1フレーム110との固着構成に関するものである。
【0143】
色選択電極本体2を第1フレーム110に固着する基本的工程は次のようになる。すなわち、当該色選択電極本体2の外枠部分を掴んで、当該色選択電極本体2を第1支持板部112の一方側縁部112aに押付けるようにする。また同時に、一対の第1フレーム110をそれらの近接方向に加圧する。この状態で、溶接用の電極175を色選択電極本体2側から色選択電極本体2と一方側縁部112aとの接触部分に押し当て、色選択電極本体2を第1支持板部112の一方側縁部112aにシーム溶接等で固着する。この後、色選択電極本体2の外枠部分を取除くと、色選択電極本体2の固着が終了する。
【0144】
ここで、第1フレーム110の原形となる所定形状の板材は、母材となる板材を所定形状にプレス剪断加工することにより形成される。このため、第1支持板部112の一方側縁部112aは、プレス剪断加工によるだれ面及び剪断面を含む第1端面領域Sと、破断面を含む第2端面領域Bとを有している。なお、だれ面は、剪断用の切れ刃が材料に剪断現象が発生する寸前まで食い込むことによって圧下した自由表面であり、剪断面は剪断現象によって形成された面であり、破断面はき裂によってできる粗い面を指す。
【0145】
本実施の形態では、第1端面領域Sを、第2端面領域Bよりもフレーム103の外側に配設している。そして、第1端面領域S、より具体的には第1端面領域Sの頂点に、色選択電極本体2が固着されている(図21(b)の×印参照)。
【0146】
このように凹凸が少ない第1端面領域Sに色選択電極本体2を固着することで、機械仕上げ無しで十分な位置精度で色選択電極本体2を固着することができる。これにより、精度的に十分でかつ安価な色選択電極構体101を得ることができる。
【0147】
より詳細に説明すると、板材をプレス剪断した場合、その端面には凹凸な破断面が生じるため、プレス剪断加工面の剪断面と破断面を機械加工で数mm程度研磨して平滑な面に仕上げ、そこに色選択電極本体2を溶接する必要がある。
【0148】
ところが、本実施の形態のように、色選択電極本体2を、凹凸のある破断面のある第2端面領域Bを避けて、比較的平坦なだれ面及び剪断面を含む第1端面領域Sに溶接等で固着するようにすれば、機械仕上無しで、色選択電極本体2を十分な位置精度で固着保持することができる。
【0149】
なお、第1支持板部112を含む部材を構成するための板材としては、例えば、複相組織ステンレス鋼や析出硬化系ステンレス鋼を用いることが好ましい。これらの板材を剪断加工すると、剪断面として、へき壊に近い比較的平坦な面が得られるからである。
【0150】
また、破断面を含む第2端面領域Bを避けて溶接する方法としては、剪断面及びだれ面がフレーム3の外側になるように剪断加工しておき、一対の第1フレーム10をそれらの近接方向に加圧する際に、第1支持板部112の一方側縁部112aがフレーム3の内側に指向するように傾けた状態で、色選択電極本体2の外枠を掴んで第2支持板部114側へ引張ると、色選択電極本体2が第1端面領域Sに押付けられる。この状態で、平断面円筒形状である溶接用の電極175を色選択電極本体2側から色選択電極本体2と第1端面領域Sとの接触部分に接触させると、第2端面領域Bを避けて色選択電極本体2と第1端面領域Sとを安定して溶接することができる。
【0151】
さらに、本実施の形態において、第1フレーム110と第2フレーム20とを枠状に組んで、それらの各端部を接合した際、溶接歪みが少なく、展張面のネジレ量が許容される所定範囲内にあることが好ましい。ここでネジレ量は、色選択電極本体2の4隅のうち任意の3隅で生成される基準面に対する残り1隅の差で規定される。これは、例えば、各部材及びフレーム103の枠組の溶接に後述するレーザ溶接を適用することで実現される。
【0152】
なお、本実施の形態で述べた事項は、実施の形態2以外の他の実施の形態についても適用できる。
【0153】
実施の形態12.
図22はこの発明の実施の形態12に係る色選択電極構体101Mを示す要部断面図である。図22において、破線で示される第1フレーム110Mは色選択電極本体2を固着する前の状態であり、実線で示される第1フレーム110は色選択電極本体2を固着した後の状態を示している。なお、ここでの説明において、上記実施の形態2に係る色選択電極構体101の構成要素と同様構成要素については、同一符号を付してその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0154】
この実施の形態12に係る色選択電極構体101Mでは、第1フレーム110に対応する第1フレーム110Mにおける第1支持板部112Mと第2支持板部114Mとのなす角度αが、90゜よりも大きくなっている。
【0155】
この第1フレーム110Mの第1支持板部112Mの一方側縁部112Maに色選択電極本体2を固着した状態では、色選択電極本体2からの張力(図中白抜き矢印で示す)を受けて、第1フレーム110Mはフレーム103Mの内方に向うように変位する。
【0156】
図23は、本実施の形態に係る比較例として第1フレーム110の第1支持板部112と第2支持板部114とのなす角を略直角とした場合の例を示している。
【0157】
これら図22及び図23において、色選択電極構体101,101Mが陰極線管パネル180Mに装着された状態では、蛍光面182Mの画面端を走査する電子ビームの軌道184Mは図22及び図23に示すようになる。この電子ビームの軌道184Mが色選択電極本体2を通過する位置Pと第1フレーム110,110Mの第1支持板部112,112Mの一方側縁部112a,112Maとの間隔がδYで定義されるとする。
【0158】
比較例に係る図23では色選択電極本体2の張力により第1支持板部112の一方側縁部112aがフレーム103の内側へ指向するように傾き、従って、上記δYは比較的小さくなる。
【0159】
一方、本実施の形態に係る図22では、第1支持板部112Mと第2支持板部114Mとのなす角度αが、90゜よりも大きくなっているので、色選択電極本体2の張力によってフレーム103Mの内方へ変位したとしても、上記間隔δYは比較的大きくなる。これにより、色選択電極本体2と第1支持板部112Mとの溶接箇所からの熱歪みが色選択電極本体2の外周部に生じたとしても、その熱歪みによるシワが色選択電極本体2のうち陰極線管の表示に寄与する領域には発生し難い。このため、前記溶接箇所からの熱歪みによるシワ発生等の影響を受け難く、製造裕度が大きくなる。また、異なる観点で捉えれば、色選択電極本体2の電子ビーム通過孔の形成領域を広げることもできるので、蛍光面の画面の大きさをより大きく取ることができ、陰極線管の設計裕度的に有利である。
【0160】
なお、本実施の形態で述べた事項は、実施の形態2以外の他の実施の形態についても適用できる。
【0161】
実施の形態13.
この実施の形態13では、上記各実施の形態に適用可能な技術として、板材の接合技術について説明する。この技術は、例えば、実施の形態における第1フレーム10や第2フレーム20における接合部分(例えば、伸延部16fと第1支持板部12との溶接部分)、第1フレーム10と第2フレーム20との接合部分等に適用される。
【0162】
図24(a)は、鋼板材202,204を重ね合せ、白抜き矢印方向からレーザビームを照射した後において、溶融部206の断面構造を示す図である。
【0163】
図24(b)は、重ね合せた鋼板材212,214の隅部に、白抜き矢印方向からレーザビームを照射した後において、溶融部216の断面構造を示す図である。各図において、寸法Wはレーザビームの照射側から見た溶融部206の幅であり、寸法Cは鋼板材202,204又は212,214間の隙間寸法を示している。
【0164】
そして、板厚が0.7mm乃至1.8mmの試片において、隙間Cを板厚の1/10以下となるようした条件で、溶接長を10、20、30mmと変化させ、レーザ溶接した。すると、溶融部206,216の幅Wを2mm以下にすれば、溶接後も平坦で反りの無い2枚の重ね板を得られることを確認した。
【0165】
また、この反りの発生の無い溶接幅の溶接条件にて、図1に示す色選択電極構体1の溶接部5等の各溶接部における溶接直線の長さが30mm以内となるようにして、第1フレーム10及び第2フレーム20の溶接及びこれらを矩形枠状に組む溶接を実施した。なお、鋼板材としては、板厚1.2mmの複相組織ステンレス鋼を用いた。また、色選択電極構体1の大きさは、34インチ型陰極線管用フレーム(対角寸約80cm)とした。
【0166】
すると、色選択電極本体2の展張面4隅におけるネジレ量(該4隅のうち任意の3隅で生成される基準面に対する残り1隅の差)は、0.15mm以下と良好であった。
【0167】
また、図2に示す色選択電極構体101についても同様の溶接を実施し、同様の結果を得ることができた。
【0168】
このため、色選択電極構体101を製造する際における板材と板材との接合部において、溶融幅が2mm以下となる線溶接部にすることで、板材の反り量を少なくして、色選択電極構体のネジレ量を少なくすることができることがわかる。
【0169】
なお、ここでは、レーザ溶接を用いた例について説明したが、入熱が過大とならないように注意すれば他の溶接法を用いることもできる。
【0170】
実施の形態14.
この実施の形態14では、上記各実施の形態に適用可能な技術として、第1フレーム10,110・・・や第2フレーム20・・・を構成する板材の材料及び加工例について説明する。
【0171】
これらの各フレームを構成する板材としては、複相組織ステンレス鋼NSS431―DP2(日新製鋼株式会社の商品名、16.5%Cr−2%Niのフェライト及びマルテンサイトの2相組織からなるステンレス鋼)又は析出硬化系ステンレス鋼SUS631(17%Cr−7%Ni−1%Al鋼)を用いることができる。
【0172】
これらの鋼板材は、450℃乃至500℃の熱処理により機械的特性が向上する。
【0173】
ここでは、上述の各鋼材を470℃で15分保持の熱処理を行ない、熱処理前と熱処理後における特性比較を行なった。ここでの熱処理には、450℃〜500℃の温度による黒化、時効硬化処理及び析出硬化熱処理を含む。その結果を表1に示す。
【0174】
【表1】
Figure 2004296378
【0175】
なお、0.2%耐力は、0.2%の永久伸びを生じさせる単位断面積あたりの荷重として定義される。また、高温クリープ伸びは、引張り試験片を500℃雰囲気で350MPaの応力で1時間引張った後、除荷し、常温に戻したときの永久伸びをもって定義される。
【0176】
この表に示すように、上記鋼材にたいして上記熱処理を行うことで、0.2%耐力及びビッカース硬度が増加し、また、高温クリープ伸びが減少し、硬度が増す上、機械的強度が向上することがわかる。
【0177】
このため、第1フレーム10,110・・・や第2フレーム20・・・が、実質的にフェライト相とマルテンサイト相からなる複相組織ステンレス鋼と析出硬化型ステンレス鋼のうちいずれか一方により構成され、450℃〜500℃の温度にて黒化、時効硬化処理及び析出硬化熱処理のうち少なくとも1つの処理を経ていることで、次のような効果を得ることができる。
【0178】
すなわち、0.2%耐力及びビッカース硬度の向上は、より薄板化してフレームを製造した場合において、フレームとして展張時の加圧力(材料力学のヘルツの公式で示されるような接触圧力)及び展張による張力による応力に抗するという点で利点がある。
【0179】
また、高温クリープ伸びの減少は、色選択電極構体及び陰極線管の製造における300℃乃至500℃の熱処理工程における色選択電極構体のクリープ変形による色選択電極本体の張力低下を抑制するという点で利点がある。
【0180】
実施の形態15.
この実施の形態15では、上記各実施の形態に適用可能な技術として、色選択電極本体2と第1フレーム10,110・・・との熱膨張係数の関係について説明する。
【0181】
すなわち、色選択電極本体2と第1フレーム10,110・・・との、常温〜500℃における熱膨張係数の差は、10%以内とすることが好ましい。ここで、常温とは15℃〜20℃である。
【0182】
熱膨張係数は、色選択電極本体2や第1フレーム10,110・・・の形状変更、材質の選択を適宜行うことで、調整される。
【0183】
このように熱膨張係数の差を10%以内にすることで、陰極線管の製造工程の熱工程において、第1フレーム10,110・・・の第1支持板部12,112・・・の一方側縁部12a,112a・・・と、その延在方向に沿って連続的に接合された色選択電極本体2との間で生ずる熱膨張(または収縮)量の違いにより、色選択電極本体2に発生するシワを回避することができる。
【0184】
実施の形態16.
この実施の形態では、色選択電極構体の製造方法に関して説明する。
【0185】
図25は色選択電極構体の製造工程を示す工程図である。なお、この工程図は、実施の形態2に係る色選択電極構体101を前提とする工程を示しているが、その他の実施の形態に係る色選択電極構体101についても、基本的には同様工程を経ることで製造される。
【0186】
この色選択電極構体の製造工程は、基本的に、(a)板材をプレス加工して、一対の第1フレーム110及び一対の第2フレーム20を形成する工程と、(b)前記一対の第1フレーム110及び前記一対の第2フレーム20とを矩形枠状に接合する工程と、(c)前記一対の第1フレーム110の側面をそれらの近接方向に向けて加圧した状態で、前記一対の第1フレーム110に色選択電極本体2を固着し、この後、前記一対の第1フレーム110に加えられた加圧を解除する工程と、を含んでいる。
【0187】
前記工程(a)は、第1フレーム110を形成する工程と第2フレーム20を形成する工程とを含んでいる。
【0188】
第1フレーム110を形成する工程では、まず、板状の母材からプレス加工にて所定の外周形状を打抜き、突出部の突起加工を行う。次に、板材を略L字状に屈曲させる等所要のプレス加工を行ってフレーム本体部111を形成し、各部材の脱脂洗浄を行う。また、これとは別に、板状の母材からプレス加工にて所定の外周形状を打抜き、これに所要の曲げプレス加工を行って、第3支持板部116を形成し、脱脂洗浄を行う。そして、第3支持板部116をフレーム本体部111にレーザ溶接等して接合する。これにより、第1フレーム110が形成される。
【0189】
一方、第2フレーム20を形成する工程では、まず、板状の母材からプレス加工にて所定の外周形状を打抜き、これに所要の折曲げプレス加工を行ってフレーム本体22を形成し、脱脂洗浄を行う。また、これとは別に板状の母材からプレス加工にて所定の外周形状を打抜いて蓋部24を形成し、これを脱脂洗浄する。そして、蓋部24をフレーム本体22にレーザ溶接等で接合する。これにより、第2フレーム20が形成される。
【0190】
工程(b)では、第1フレーム120と第2フレーム20とを方形枠状に組んで、各コーナー部をレーザ溶接等で接合する。この後、必要に応じ、連結部材170Kや保持部材55Eを、レーザ溶接等で接合する。
【0191】
工程(c)では、一対の第1フレーム110の側面をそれらの近接方向に向けて加圧した状態で、色選択電極本体2を一対の第1フレーム110にシーム溶接等で固着する。この後、一対の第1フレーム110に加えられた加圧を解除すると、色選択電極本体2が一対の第1フレーム110間で引張られた状態(展張状態)で固着支持される。
【0192】
この後、色選択電極本体2の外周の外枠が除去される。このようにして、色選択電極構体101が製造される。
【0193】
この色選択電極構体101に対して、450℃乃至500℃での黒化処理、陰極線管パネル内に設けられたピンに嵌合位置決めする為のピン嵌合孔付板を保持部材等に溶接する処理が行われる。この色選択電極構体101が陰極線管に組込まれ、陰極線管が製造される。
【0194】
色選択電極を製造する基本的な製造工程は、上述した通りである。
【0195】
好ましくは、上記工程(a)における板材のプレス加工後であって、工程(c)の前に、第1フレーム110と第2フレーム10とを、450℃〜500℃で加熱する熱処理工程を含むことが好ましい。
【0196】
すなわち、各板材のプレス加工終了後から、色選択電極本体2を固着するために第1フレーム110に圧力を加える前に、450℃〜500℃で加熱する熱処理工程を一回含むことが好ましい。
【0197】
図25においては、一点鎖線で囲まれる各工程のいずれかにおいて、上記熱処理工程を行うことが好ましい。
【0198】
また、母材となる板材については、実施の形態14において述べたように、複相組織ステンレス鋼または析出硬化系ステンレス鋼よりなるものを用いることが好ましい。
【0199】
すなわち、複相組織ステンレス鋼または析出硬化系ステンレス鋼よりなる鋼材は、450℃〜500℃で加熱する熱処理工程を経ることで、機械的強度が向上する。そこで、所定形状の打抜きや屈曲加工或は突出部の形成のような絞り加工等のプレス加工については、熱処理前に行うことで、プレス生産性が向上する。そして、プレス加工後に、上記熱処理を行うことでフレームの堅牢化を図ることができる。
【0200】
なお、色選択電極本体2をフレームに溶接する際の溶接性を向上する為には、熱処理の雰囲気を、真空または窒素ガス等の無酸化雰囲気とする方が望ましいい。
【0201】
<実施例>
以下に、実施の形態1において説明した色選択電極構体1を、34インチ型陰極線管用の色選択電極構体に適用した例を記載する。
【0202】
第1フレーム10及び第2フレーム20を構成するフレーム材として、板厚1.2mmの複相ステンレス鋼NSS431―DP2(日新製鋼株式会社の商品名、16.5%Cr−2%Niのフェライト及びマルテンサイトの2相組織からなるステンレス鋼)を用いた。
【0203】
突出部30として、図3(a)に示す形状のものを形成した。この突出部30の幅寸法Wは6mm、高さ寸法Hは3mm、突出寸法Dは1.2mmとした。また、突出部30を、図1に示すように、第1支持板部12の長手方向に沿って適宜間隔をあけて9個配列した。そして、第3支持板部16の伸延部16fと、第1支持板部12のうち各突出部30の下方部分との重ね領域を、炭酸ガスレーザー溶接を用いて溶接した。溶接部5は、前記重ね領域の延在方向に沿って、断続的に形成した。各溶接部5は、それぞれ溶接線長さ5mm、溶接ピッチ10mmである。但し、重ね領域の両端部の溶接部5については、溶接線長さを20mmとした。
【0204】
レーザの照射は第3支持板部16の伸延部16f側より行った。溶接条件は、出力2500W、溶接速度2m/分のパルス波で実施した。この場合、溶融幅は1〜1.5mmとなり、溶融深さは照射反対側の第1支持板部12の外側表面にまで達する程度であり、十分溶融していることが確認された。
【0205】
また、第1フレーム10と第2フレーム20との接合も炭酸ガスレーザー溶接を用いて行った。溶接箇所は、第1フレーム10と第2フレーム20との重ね合せ部分に対して行った矩形状の連続溶接箇所と、第1フレーム10と第2フレーム20との隅肉部分に対して行った溶接箇所とである。
【0206】
レーザの照射は、第2フレーム20の両端部の裏面側開口から行った。このため、第2フレーム20の裏面側の両端部に開口が形成されるように、蓋部24の接合を行っている。
【0207】
ここでの溶接は、出力2500W、溶接速度1m/分の連続波で実施した。この場合、溶融幅は1.5〜2mmであり第1フレーム10の底面側である第2支持板部14から第2フレーム20の内面に至るまで溶融していた。
【0208】
このように構成されたフレーム3に、板厚が0.13mmの低炭素冷間圧延鋼からなる色選択電極本体2を展張支持した。この色選択電極本体2としては、図2(c)に示す態様にて電子ビーム通過孔2aが形成されているものを用いた。また、展張状態において、色選択電極本体2に対して、第1フレーム20の長手方向に沿って10〜40N/mmの張力分布(総荷重12000N)にて張力が加えられるようにした。
【0209】
そして、所定の保持部材55Eをフレーム3の3隅に付設し、色選択電極構体1を陰極線に組み込んで、テレビセットに実装した。
【0210】
すると、特にスピーカー音振動による画面揺れ(色選択電極本体2の振動)に関し、問題のない良好な陰極線管が得られた。このときのフレーム3の質量は約2kgであった。
【0211】
ちなみに、従来構造と比較のため、実施の形態1に示した構造において、第1フレーム10に突出部30を設けない従来に準じた構造のものを製造してみた。この場合、上記と同じ張力の負荷に耐えるためには、第1フレーム10の長手方向全体に亘り溶接を行うことが必要であり、また、第1フレーム10等の板厚も1.8mmに必要にする必要がある。このため、フレーム3の重量は約3kgなった。
【0212】
この実施例及び比較例から、フレーム3の質量を、従来構造の約3kgから約2kgに減少させることができ、大幅に軽量化することができることがわかった。
【0213】
なお、析出効果系ステンレスのSUS631鋼(17%Cr−7%Ni−1%Al鋼)を用い上述と同様にフレーム3を構成した色選択電極構体1においても所期の性能を得ることを確認している。
【0214】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように一方側の支持板部に、凸形成面と少なくとも一つの剪断加工面とを有する突出部が少なくとも一つ形成され、他方側の支持板部の側縁部が、一方側の支持板部の一主面及び剪断加工面に接触するように配設されているため、一方側の支持板部に作用する力が前記突出部で受止められる。このため、可及的に少ない溶接長で、フレームの堅牢化を図ることができる。
【0215】
特に、側縁部が突出部の剪断面に接触しているため、側縁部が突出部に食い込み難く、十分な堅牢化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る色選択電極構体を示す斜視図である。
【図2】色選択電極本体の各例を示す図である。
【図3】突出部の各例を示す図である。
【図4】第1フレームの横断面を示す模式図である。
【図5】第1フレームの変形例を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る色選択電極構体を示す斜視図である。
【図7】第1フレームの横断面を示す模式図である。
【図8】第1フレームの変形例を示す断面図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係る色選択電極構体を示す斜視図である。
【図10】この発明の実施の形態4に係る色選択電極構体を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態5に係る色選択電極構体のフレームを示す概略平面説明図である。
【図12】第1フレームの湾曲形状を示す図である。
【図13】比較例に係るフレームを示す概略平面説明図である。
【図14】この発明の実施の形態6に係る色選択電極構体を示す斜視図である。
【図15】この発明の実施の形態7に係る色選択電極構体を示す斜視図である。
【図16】図16(a)はこの発明の実施の形態8に係る色選択電極構体を示す斜視図であり、図16(b)は図16(a)のA−A線断面図である。
【図17】この発明の実施の形態9に係る色選択電極構体を示す斜視図である。
【図18】変形例に係る色選択電極構体を示す斜視図である。
【図19】この発明の実施の形態10に係る色選択電極構体を示す斜視図である。
【図20】変形例に係る色選択電極構体を示す斜視図である。
【図21】図21(a)は、この発明の実施の形態11に係る色選択電極本体と第1フレームとの固着部分を示す説明図であり、図21(b)は図21(a)の部分拡大図である。
【図22】この発明の実施の形態12に係る色選択電極構体を示す要部断面図である。
【図23】比較例に係る色選択電極構体を示す要部断面図である。
【図24】図24(a)及び図24(b)は実施の形態13に係る溶接部の断面構造を示す図である。
【図25】色選択電極構体の製造工程を示す工程図である。
【符号の説明】
1,101 色選択電極構体、2 色選択電極構体、3,103 色選択電極構体用フレーム、10,110 第1フレーム、12,112 第1支持板部、12a,112a 第1支持板部の一方側縁部、14,114 第2支持板部、111フレーム本体部、16,116 第3支持板部、16a,116a 第3支持板部の他方側縁部、20 第2フレーム、30,130a,130b 突出部、31 凸形成面、32 剪断面、55E 保持部材、160G ビード、165H 補強部材、170K 連結部材。

Claims (18)

  1. 色選択電極本体を引張った状態で支持するための色選択電極構体用フレームであって、
    所定の角度をなして接合される少なくとも2つの支持板部を備え、
    一方側の前記支持板部に、凸形成面と少なくとも一つの剪断加工面とを有する突出部が少なくとも一つ形成され、
    他方側の前記支持板部の側縁部が、前記一方側の支持板部の一主面及び前記剪断加工面に接触するように配設されている、色選択電極構体用フレーム。
  2. 色選択電極本体を引張った状態で支持するための色選択電極構体用フレームであって、
    一対の第1フレームと、
    前記一対の第1フレームを、それらの間に所定間隔あけた略並列姿勢に保持する一対の第2フレームと、
    を備え、
    前記第1フレームは、
    色選択電極本体が固着される一方側縁部を有する第1支持板部と、屈曲部を介して前記第1支持板部の他方側縁部に連設された一方側縁部を有する第2支持板部と、屈曲部を介して前記第2支持板部の他方側縁部に連設された一方側縁部を有する第3支持板部とを備えた断面略三角形状に形成され、
    前記第1支持板部であってその一方側縁部よりも内側の位置に、凸形成面と少なくとも一つの剪断加工面とを有する突出部が少なくとも一つ形成され、前記第3支持板部の他方側縁部が前記第1支持板部の一主面及び前記剪断加工面に接触するように配設されている、色選択電極構体用フレーム。
  3. 色選択電極本体を引張った状態で支持するための色選択電極構体用フレームであって、
    一対の第1フレームと、
    前記一対の第1フレームを、それらの間に所定間隔あけた略並列姿勢に保持する一対の第2フレームと、
    を備え、
    前記第1フレームは、
    色選択電極本体が固着される一方側縁部を有する第1支持板部と、屈曲部を介して前記第1支持板部の他方側縁部に連設された一方側縁部を有する第2支持板部とを有する断面略L字状のフレーム本体部と、前記フレーム本体部のうち前記屈曲部とは反対側の開口を閉塞する第3支持板部と、を備えた断面略三角形状に形成され、
    前記第1支持板部であってその一方側縁部よりも内側の位置に、凸形成面と少なくとも一つの剪断加工面とを有する第1突出部が少なくとも一つ形成されると共に、
    前記第2支持板部であってその他方側縁部よりも内側の位置に、凸形成面と少なくとも1つの剪断加工面とを有する第2突出部が少なくとも一つ形成され、
    前記第3支持板部の一方側縁部が前記第2支持板部の一主面及び前記第2突出部の剪断加工面に接触するように配設されると共に、
    前記第3支持板部の他方側縁部が前記第1支持板部の一主面及び前記第1突出部の剪断加工面に接触するように配設された、色選択電極構体用フレーム。
  4. 請求項3記載の色選択電極構体用フレームであって、
    前記第3支持板部の少なくとも一部が、
    前記第1支持板部及び第2支持板部よりも機械的強度に優れている、色選択電極構体用フレーム。
  5. 請求項3又は請求項4記載の色選択電極構体用フレームであって、
    前記第2支持板部の板幅が、中央部よりも端部で広くなっている、色選択電極構体用フレーム。
  6. 請求項2〜請求項5のいずれかに記載の色選択電極構体用フレームであって、
    前記第1支持板部は、色選択電極本体による張力無負荷状態において、前記色選択電極本体による張力の作用方向とは逆方向に膨出するように弧状に湾曲している、色選択電極構体用フレーム。
  7. 請求項2〜請求項6のいずれかに記載の色選択電極構体用フレームであって、
    前記一対の第1フレームに、前記第1支持板部と前記第2支持板部との間の屈曲部外形状に沿う屈曲保持部と、前記第2支持板部と前記第3支持板部との屈曲部外形状及び接合部分外形状のうちの一方の形状に沿う保持部とを有する保持部材が取付けられた、色選択電極構体用フレーム。
  8. 請求項2〜請求項6のいずれかに記載の色選択電極構体用フレームであって、
    少なくとも、前記第1支持板部及び前記第2支持板部の端部が、その中央部よりも機械的強度に優れている、色選択電極構体用フレーム。
  9. 請求項2〜請求項8のいずれかに記載の色選択電極構体用フレームであって、
    前記第3支持板部に、その幅方向に沿って延びるビードが形成された、色選択電極構体用フレーム。
  10. 請求項2〜請求項9のいずれかに記載の色選択電極構体用フレームであって、
    前記第3支持板部に、その第3支持板部の面方向に対して略直交し、かつ、前記第3支持板部の幅方向に沿って延びる板状の補強部材が設けられた、色選択電極構体用フレーム。
  11. 請求項2〜請求項10のいずれかに記載の色選択電極構体用フレームであって、
    前記第1フレームと前記第2フレームとの連結部分に、それらの接合状態を保持するための連結部材が設けられた、色選択電極構体用フレーム。
  12. 請求項2〜請求項11のいずれかに記載の色選択電極構体用フレームであって、
    前記第1支持板部と前記第2支持板部とのなす角度が90゜よりも大きい、色選択電極構体用フレーム。
  13. 請求項2〜請求項12のいずれかに記載の色選択電極構体用フレームであって、
    前記第1フレームにおける屈曲部の延在方向と、前記第2フレームを屈曲形成した場合における前記第2フレームにおける屈曲部の延在方向のうち少なくとも一方は、それらの母材となる板材の圧延方向に対して略直交する、色選択電極構体用フレーム。
  14. 請求項2〜請求項13のいずれかに記載の色選択電極構体用フレームであって、
    板材と板材との接合部は、溶融幅が2mm以下の線溶接部を有している、色選択電極構体用フレーム。
  15. 請求項2〜請求項14のいずれかに記載の色選択電極構体用フレームであって、
    前記第1フレーム及び前記第2フレームのうち少なくとも一方が、
    実質的にフェライト相とマルテンサイト相からなる複相組織ステンレス鋼と析出硬化型ステンレス鋼のうちいずれか一方により構成され、
    450℃〜500℃の温度にて黒化、時効硬化処理及び析出硬化熱処理のうち少なくとも1つの処理を経ている、色選択電極構体用フレーム。
  16. 請求項2〜請求項15のいずれかに記載の色選択電極構体用フレームと、
    色選択電極本体と、
    を備え、
    前記第1支持板部の一方側縁部は、プレス剪断加工によるだれ面と剪断面と破断面とを有し、前記だれ面と剪断面とは、前記破断面よりも前記色選択電極構体用フレームの外側に配設され、
    前記色選択電極本体は、前記だれ面と前記剪断面に固着支持されている、色選択電極構体。
  17. 請求項2〜請求項15のいずれかに記載の色選択電極構体用フレームと、
    色選択電極本体と、
    を備え、
    前記色選択電極本体と前記第1フレームとの常温〜500℃における熱膨張係数の差が10パーセント以内である、色選択電極構体。
  18. 色選択電極構体の製造方法であって、
    (a)板材をプレス加工して、一対の第1フレーム及び一対の第2フレームを形成する工程と、
    (b)前記一対の第1フレーム及び前記一対の第2フレームとを矩形枠状に接合する工程と、
    (c)前記一対の第1フレームの側面をそれらの近接方向に向けて加圧した状態で、前記一対の第1フレームに色選択電極本体を固着した後、前記一対の第1フレームに加えられた加圧を解除する工程と、
    を含み、
    前記工程(a)における板材のプレス加工後、前記工程(c)の前に、前記第1フレームと前記第2フレームとを、450℃〜500℃で加熱する熱処理工程を含む、色選択電極構体の製造方法。
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