JPH103856A - シャドウマスク組立支持部材の製造方法 - Google Patents

シャドウマスク組立支持部材の製造方法

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JPH103856A
JPH103856A JP15550696A JP15550696A JPH103856A JP H103856 A JPH103856 A JP H103856A JP 15550696 A JP15550696 A JP 15550696A JP 15550696 A JP15550696 A JP 15550696A JP H103856 A JPH103856 A JP H103856A
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thermal expansion
metal
band
shadow mask
spring
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JP15550696A
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English (en)
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Takemitsu Kunibe
武光 国部
Misao Ikeda
操 池田
Hirotsugu Sakamoto
博次 坂元
Hiroshi Sasaki
博 佐々木
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Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高熱膨張率金属と低熱膨張率金属との構成比
率を極端に異なる値にしなくても、所要のわん曲係数を
有する弾性支持部材5が得られるシャドウマスク組立支
持部材の製造方法を提供する。 【解決手段】 帯状高熱膨張率金属2の両側部に帯状低
熱膨張率金属3(1)、3(2)を接合して並行3層金
属帯1を形成し、並行3層金属帯1から帯状高熱膨張率
金属2と1方または他方の帯状低熱膨張率金属3
(1)、3(2)との接合面4(1)、4(2)を含む
ように打ち抜き、シャドウマスク組立をパネル内面に支
持する対の弾性支持部材5を製造するシャドウマスク組
立支持部材の製造方法において、帯状高熱膨張率金属2
にオーステナイト系のSUS304を、帯状低熱膨張率
金属3(1)、3(2)にマルテンサイト系のSUS4
20J2 をそれぞれ選んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャドウマスク組
立支持部材の製造方法に係わり、特に、シャドウマスク
組立をパネル内部に支持する弾性支持部材を製造する場
合に、特性が均一で、かつ、容易に製造可能なシャドウ
マスク組立支持部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラー陰極線管は、パネル部の
フロント内面に被着形成された螢光膜と、この螢光膜に
対向配置されたシャドウマスク組立と、ネック部に収容
された電子銃と、ファンネル部の内側に配置される磁気
シールド等を具備している。また、シャドウマスク組立
は、多数の電子ビーム通過孔を有するシャドウマスク
と、シャドウマスクを保持するサポートフレームとから
なり、シャドウマスク組立のパネル部の内部への保持
は、一端がサポートフレームの側面に溶接され、他端が
パネル部の内面に植設された保持ピンに嵌挿される弾性
支持部材(スプリング)によって行われる。
【0003】この場合、既知の弾性支持部材(スプリン
グ)は、オーステナイト系のSUS304からなる帯状
高熱膨張率金属(熱膨張係数が14×10~6乃至16×
10~6/℃)の両側部に、Fe−Ni(36%)の鉄ニ
ッケル合金からなる帯状低熱膨張率金属(熱膨張係数が
1.5×10~6/℃)を接合した並行3層金属帯を、所
要の形状に打ち抜いて構成したもので、打ち抜きの際
に、弾性支持部材(スプリング)の帯状高熱膨張率金属
と帯状低熱膨張率金属との構成比率を適宜選択し、弾性
支持部材のわん曲係数が所要の値になるように設定して
いる。
【0004】ここで、図5は、シャドウマスク組立を弾
性支持部材によってパネル部内部に保持する場合の既知
の構成の一例を示す断面図であり、図6は、図5に図示
されたシャドウマスク組立の保持に使用する既知の弾性
支持部材(スプリング)の一例を示す構成図である。
【0005】図5及び図6において、41はパネル部、
42はシャドウマスク組立、43はシャドウマスク、4
4はサポートフレーム、45はスプリング、46は保持
ピン、47は高熱膨張率金属(オーステナイト系のSU
S304)、48は低熱膨張率金属(Fe−Ni(36
%)の鉄ニッケル合金)、49はピン孔である。
【0006】そして、シャドウマスク組立42は、多く
の電子ビーム通過孔(図示なし)を有するシャドウマス
ク43と、シャドウマスク43の周縁部を保持する角枠
形状のサポートフレーム44とからなる。スプリング4
5は、高熱膨張率金属47と低熱膨張率金属48とを接
合し、所要のわん曲係数を有するように構成され、その
一端部がサポートフレーム44の枠体側面に点溶接さ
れ、その他端部にピン孔49が設けられる。シャドウマ
スク組立42をパネル部41の内部に保持する場合は、
スプリング45のピン孔49をパネル部41の内面に植
設した保持ピン46に嵌合し、シャドウマスク組立42
をパネル部41内部に弾性保持させる。
【0007】次いで、図7は、スプリングを打ち抜くの
に用いる既知の並行3層金属帯の構成を示す斜視図であ
り、図8は、図7に示された並行3層金属帯からスプリ
ングを打ち抜き、既知のスプリングを得る場合の状態を
示す説明図である。
【0008】図7及び図8において、50は並行3層金
属帯、51は帯状高熱膨張率金属、52(1)は第1の
帯状低熱膨張率金属、52(2)は第2の帯状低熱膨張
率金属、53(1)は帯状高熱膨張率金属51と第1の
帯状低熱膨張率金属52(1)との第1の接合部、53
(2)は帯状高熱膨張率金属51と第2の帯状低熱膨張
率金属52(2)との第2の接合部であり、その他、図
5及び図6に図示の構成要素と同じ構成要素については
同じ符号を付けている。
【0009】そして、並行3層金属帯50は、図6に示
されるように、帯状高熱膨張率金属51の両側部に第1
及び第2の帯状低熱膨張率金属52(1)、52(2)
を並置した後、帯状高熱膨張率金属51と第1の帯状低
熱膨張率金属52(1)との第1の接合部53(1)及
び帯状高熱膨張率金属51と第2の帯状低熱膨張率金属
52(2)との第2の接合部52(2)をそれぞれ電子
ビームまたは炭酸ガスレーザを用いて接合したものであ
る。
【0010】また、スプリング45は、図8に示される
ように、並行3層金属帯50の打ち抜きによって得られ
るもので、並行3層金属帯50の長さ方向に沿ってスプ
リング45が2つづつ順に打ち抜かれる。この場合、並
行3層金属帯50におけるスプリング45の打ち抜き位
置は、並行3層金属帯50の幅方向中心線がスプリング
45のピン孔49の配置位置に略一致する位置であり、
また、サポートフレーム44の枠体側面への溶接領域を
除いて、スプリング45の大部分が高熱膨張率金属47
によって構成されるような位置が選ばれる。
【0011】前記構成によるスプリング45を用い、シ
ャドウマスク組立42をパネル部41の内部に保持した
カラー陰極線管においては、電子銃から放射される電子
ビームがシャドウマスク43に衝突したとき、その衝突
によりシャドウマスク43の温度が上昇し、シャドウマ
スク43は中央部から周辺部に向かって熱膨張するよう
になる。このとき、シャドウマスク43の熱によりスプ
リング45が変形し、シャドウマスク43の熱膨張に伴
うシャドウマスク43の電子ビーム通過孔と電子ビーム
との相対位置のずれが補正され、シャドウマスク43の
温度上昇時の電子ビーム変動量を最小にすることができ
るものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】既知のカラー陰極線管
においては、オーステナイト系のSUS304からなる
高熱膨張率金属47と、Fe−Ni(36%)の鉄ニッ
ケル合金からなる低熱膨張率金属48とによって構成さ
れるスプリング45を使用し、シャドウマスク43の温
度上昇時の電子ビーム通過孔と電子ビームとの相対位置
のずれを補正し、電子ビーム変動量を最小するものであ
るが、変動量の補正の割合は、スプリング45のわん曲
係数、即ち、高熱膨張率金属47と低熱膨張率金属48
との構成比率に依存するもので、既知のカラー陰極線管
において、スプリング45に付与される好適なわん曲係
数は、約3.5×10~6/℃である。
【0013】ここで、図9は、既知のスプリング45、
即ち、高熱膨張率金属47にSUS−304を用い、低
熱膨張率金属48にFe−Ni(36%)の鉄ニッケル
合金を用いたスプリング45における低熱膨張率金属4
8の構成比率とそのわん曲係数との関係を示す特性図で
ある。
【0014】図9に示されるように、既知のスプリング
45は、高熱膨張率金属47と低熱膨張率金属48との
構成比率を5対5にしたときに最大のわん曲係数を呈す
るもので、そのわん曲係数の最大値は10.8×10~6
乃至12.4×10~6/℃の範囲内になる。また、既知
のスプリング45において、わん曲係数を変化させたい
場合には、図9に示される特性図から明らかなように、
高熱膨張率金属47と低熱膨張率金属48との構成比率
を変えればよい。
【0015】ところで、既知のカラー陰極線管におい
て、スプリング45に好適なわん曲係数、即ち、3.5
×10~6/℃を得るためには、図9に示されるように、
高熱膨張率金属47と低熱膨張率金属48との構成比率
を極端に異なる値にする、例えば、9対1程度にする必
要があり、このような構成比率のスプリング45を得る
こと、とりわけ、均一な特性を有するスプリング45を
得ることは、非常に困難であるという問題がある。
【0016】本発明は、前記問題点を解決するもので、
その目的は、高熱膨張率金属と低熱膨張率金属との構成
比率を極端に異なる値にしなくても、所要のわん曲係数
を有する弾性支持部材が得られるシャドウマスク組立支
持部材の製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的の達成のため
に、本発明によるシャドウマスク組立支持部材の製造方
法においては、並行3層金属帯を形成する帯状高熱膨張
率金属にオーステナイト系のSUS304を選び、帯状
低熱膨張率金属にマルテンサイト系のSUS420J2
を選ぶようにした手段を備える。
【0018】かかる手段によれば、製造される弾性支持
部材のわん曲係数は、既知の弾性支持部材のわん曲係数
に比べて、最大値が小さくなるとともに、構成比率の変
動に伴うわん曲係数の変化率が小さくなる。
【0019】このため、並行3層金属帯から所望のわん
曲係数を有する弾性支持部材を打ち抜く際に、高熱膨張
率金属と低熱膨張率金属との構成比率の許容範囲が大き
くなることから、高熱膨張率金属と低熱膨張率金属との
構成比率を極端な値に選ぶことなく、弾性支持部材の設
計が容易になり、しかも、均一な特性を有する弾性支持
部材を製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態において、シ
ャドウマスク組立支持部材の製造方法は、帯状高熱膨張
率金属の両側部に帯状低熱膨張率金属を接合して並行3
層金属帯を形成し、この並行3層金属帯から帯状高熱膨
張率金属と1方の帯状低熱膨張率金属との接合面または
帯状高熱膨張率金属と他方の帯状低熱膨張率金属との接
合面を含むように打ち抜き、シャドウマスク組立をパネ
ル内面に支持する対の弾性支持部材を製造するシャドウ
マスク組立支持部材を製造方法するもので、並行3層金
属帯を形成する帯状高熱膨張率金属にオーステナイト系
のSUS304を選び、帯状低熱膨張率金属にマルテン
サイト系のSUS420J2 を選んでいる。
【0021】また、本発明における好適な実施の形態に
おいては、並行3層金属帯における対の弾性支持部材の
打ち抜き位置を、並行3層金属帯の幅方向中心線に対し
て対称の位置で、かつ、ピン孔が1方の接合面または他
方の接合面上にくるような位置に選んでいる。
【0022】このように、本発明の実施の形態によれ
ば、高熱膨張率金属にオーステナイト系のSUS304
を選び、低熱膨張率金属にマルテンサイト系のSUS4
20J2 を選んでいるので、並行3層金属帯から打ち抜
かれた対の弾性支持部材のわん曲係数を、同様にして打
ち抜かれた既知の対の弾性支持部材のわん曲係数に比
べ、その最大値を小さくすることができるとともに、高
熱膨張率金属と低熱膨張率金属との構成比率の変動に伴
うわん曲係数の変化率を小さくすることができる。そし
て、並行3層金属帯から所望のわん曲係数、例えば、
3.5×10~6/℃を有する弾性支持部材を打ち抜く場
合、高熱膨張率金属と低熱膨張率金属との構成比率の許
容範囲を大きくすることができることから、高熱膨張率
金属と低熱膨張率金属との構成比率を極端な値に選ぶこ
となく、弾性支持部材を設計することが容易になり、均
一な特性を有する弾性支持部材を製造することができ
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0024】図1は、本発明によるシャドウマスク組立
支持部材の製造方法において、弾性支持部材(スプリン
グ)を打ち抜くのに用いる並行3層金属帯の構成を示す
斜視図であり、図2は、図1に図示された並行3層金属
帯から弾性支持部材(スプリング)を打ち抜き、弾性支
持部材(スプリング)を得る場合の状態を示す説明図で
ある。
【0025】図1及び図2において、1は並行3層金属
帯、2はオーステナイト系のSUS304からなる帯状
高熱膨張率金属(熱膨張係数14×10~6乃至16×1
0~6/℃)、3(1)はマルテンサイト系のSUS42
0J2 からなる第1の帯状低熱膨張率金属(熱膨張係数
10.3×10~6乃至10.7×10~6/℃)、3
(2)は同じくマルテンサイト系のSUS420J2
らなる第2の帯状低熱膨張率金属、4(1)は帯状高熱
膨張率金属2と第1の帯状低熱膨張率金属3(1)との
第1の接合部、4(2)は帯状高熱膨張率金属2と第2
の帯状低熱膨張率金属3(2)との第2の接合部、5は
弾性支持部材(スプリング)、5aはマスクフレーム
(図示なし)の側面への溶接部、5bはパネル部内面に
植設された結合ピン(図示なし)への嵌合部、6はピン
孔である。
【0026】そして、並行3層金属帯1は、帯状高熱膨
張率金属2の両側部に第1及び第2の帯状低熱膨張率金
属3(1)、3(2)を並置させ、帯状高熱膨張率金属
2及び第1、第2の帯状低熱膨張率金属3(1)、3
(2)に対してそれぞれ幅方向に張力を加えた状態で、
帯状高熱膨張率金属2と第1の帯状低熱膨張率金属3
(1)との第1の接合部4(1)及び帯状高熱膨張率金
属2と第2の帯状低熱膨張率金属3(2)との第2の接
合部4(2)に2本の電子ビームまたは2本の炭酸ガス
レーザを照射し、第1の接合部4(1)と第2の接合部
4(2)とを同時接合し、構成したものである。また、
スプリング5は、図2に示されるような細長形状のもの
で、その一端にピン孔6を有する溶接部5aが設けら
れ、その他端に嵌合部5bが設けられている。
【0027】並行3層金属帯1から対のスプリング5を
打ち抜く場合には、図2に示されるように、一方のスプ
リング5の溶接部5aと他方のスプリング5の嵌合部5
bとが対向し、同時に、一方のスプリング5の嵌合部5
bと他方の溶接部5aとが対向するように打ち抜きが行
われるもので、並行3層金属帯1の長さ方向に沿って対
のスプリング5が順次打ち抜かれる。この場合、並行3
層金属帯1におけるスプリング5の打ち抜き位置は、並
行3層金属帯1の幅方向中心線に対して対のスプリング
5が対称配置される位置になるとともに、対のスプリン
グ5の中の一方のスプリング5のピン孔6の配置位置に
第1の接合部4(1)に略一致するように、他方のスプ
リング5のピン孔6の配置位置に第2の接合部4(2)
に略一致するような位置になり、しかも、溶接部5aを
除いて、長さ方向のほぼ全域にわたって細長い帯状高熱
膨張率金属2が設けられるような位置になる。
【0028】なお、並行3層金属帯1から対のスプリン
グ5を打ち抜く場合に、対のスプリング5の相互配置間
隔、及び、各スプリング5の溶接部5aの外端面と第1
または第2の帯状低熱膨張率金属3(1)、3(2)の
側端面との間隔は、それぞれ、並行3層金属帯1の板厚
の2.0乃至2.5倍程度に抑えることが望ましい。
【0029】ここで、図3は、本実施例の製造方法によ
り得られるスプリング5、即ち、高熱膨張率金属2にオ
ーステナイト系のSUS304を、第1及び第2の低熱
膨張率金属3(1)、3(2)にそれぞれマルテンサイ
ト系のSUS420J2 SUS−304を用いたスプリ
ング5における第1及び第2の低熱膨張率金属3
(1)、3(2)の構成比率とそのわん曲係数との関係
を示す特性図であり、図4は、本実施例の製造方法によ
り得られるスプリング5を用いたカラー陰極線管におけ
る時間の経過に伴う電子ビーム移動量の変位状態の一例
を、既知のカラー陰極線管とともに示す特性図である。
【0030】図3に示されるように、本実施例の製造方
法により得られるスプリング5は、高熱膨張率金属2と
第1及び第2の低熱膨張率金属3(1)、3(2)との
構成比率を5対5にしたときに最大のわん曲係数を呈す
る点、及び、第1及び第2の低熱膨張率金属3(1)、
3(2)の構成比率を変化させれば、スプリング5のわ
ん曲係数を変化させることができる点は、いずれも、既
知のスプリング45と同じである。
【0031】ところが、スプリング5においては、わん
曲係数の最大値が3.1×10~6乃至3.7×10~6
℃の範囲内であって、既知のスプリング45におけるわ
ん曲係数の最大値が10.8×10~6乃至12.4×1
0~6/℃の範囲内のものに比べ、約1/3程度に小さい
ものになっており、また、スプリング5を製造する場合
に、わん曲係数の最大値が約1/3程度に小さくなった
ことから、所要のわん曲係数、即ち、約3.5×10~6
/℃を有するスプリング5を得るときに、第1及び第2
の低熱膨張率金属3(1)、3(2)の構成比率の許容
範囲が既知のスプリング45における低熱膨張率金属の
構成比率の許容範囲に比べて格段に大きくなる。
【0032】このため、わん曲係数が約3.5×10~6
/℃のスプリング5を製造する場合に、スプリング5の
設計基準を大幅に緩和できて設計が簡単になり、その
上、製造されたスプリング5の特性も略均一化される。
【0033】このようにして製造されたスプリング5を
用い、シャドウマスク組立をパネル部の内部に保持した
カラー陰極線管(以下、これを本実施例のカラー陰極線
管という)においては、電子銃から放射される電子ビー
ムがシャドウマスクに衝突し、その衝突によってシャド
ウマスクの温度が上昇し、シャドウマスクが熱膨張した
際に、シャドウマスクの熱によりスプリング5が変形
し、シャドウマスクの熱膨張に伴うシャドウマスクの電
子ビーム通過孔と電子ビームとの相対位置のずれが補正
され、シャドウマスクの温度上昇時の電子ビーム変動量
を最小にするように働く点は、前述の既知のカラー陰極
線管における機能とほぼ同じである。
【0034】しかるに、図4の特性図の実線で示される
ように、本実施例のカラー陰極線管は、カラー陰極線管
への電力の供給後、約20乃至30分が経過すると、電
子ビーム変動量が安定した値に保持されるのに対し、既
知のカラー陰極線管は、同特性図の点線で示されるよう
に、電力の供給後、電子ビーム変動量が安定せず、時間
の経過とともに僅かづつ低下するものである。
【0035】このように、本実施例によるスプリング5
の製造方法によれば、高熱膨張率金属2及び低熱膨張率
金属3(1)、3(2)を前述のように選択したことに
より、スプリング5の設計が簡単になり、特性の均一な
スプリング5を製造することができる、並行3層金属帯
1から対のスプリング5を対称配置状態で打ち抜くこと
により、打ち抜き加工の速度が速く、材料の歩留まりが
向上し、製造コストが低減するものである。
【0036】また、本実施例による製造方法に得られた
スプリング5を用いたカラー陰極線管は、時間の経過に
よっても安定したビーム移動量にすることが可能にな
り、安定した表示画像が得られるようになる。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、弾性支
持部材を構成する高熱膨張率金属にオーステナイト系の
SUS304を、低熱膨張率金属にマルテンサイト系の
SUS420J2 をそれぞれ選んだので、並行3層金属
帯から打ち抜かれた対の弾性支持部材のわん曲係数を、
既知の対の弾性支持部材のわん曲係数に比べ、その最大
値を小さくすることができるとともに、高熱膨張率金属
と低熱膨張率金属との構成比率の変動に伴うわん曲係数
の変化率を小さくすることができる。そして、並行3層
金属帯から所望のわん曲係数を有する弾性支持部材を打
ち抜く場合、高熱膨張率金属と低熱膨張率金属との構成
比率の許容範囲を大きくすることができることから、高
熱膨張率金属と低熱膨張率金属との構成比率を極端な値
に選ぶことなしに、弾性支持部材を設計することが容易
になり、均一な特性を有する弾性支持部材を製造できる
という効果がある。
【0038】また、本発明によれば、製造された弾性支
持部材を用いたカラー陰極線管は、電源供給後の電子ビ
ーム移動量を安定した値に維持できるので、安定した表
示画像が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシャドウマスク組立支持部材の製
造方法において、スプリングを打ち抜くのに用いる並行
3層金属帯の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に図示された並行3層金属帯からスプリン
グを打ち抜き、スプリングを得る場合の状態を示す説明
図である。
【図3】本実施例の製造方法により得られるスプリング
における第1及び第2の低熱膨張率金属の構成比率とそ
のわん曲係数との関係を示す特性図である。
【図4】本実施例の製造方法で得られたスプリングを用
いたカラー陰極線管における時間の経過に伴う電子ビー
ム移動量の変位状態の一例を示す特性図である。
【図5】シャドウマスク組立を弾性支持部材によってパ
ネル部内部に保持する場合の既知の構成の一例を示す断
面図である。
【図6】図5に図示されたシャドウマスク組立の保持に
使用する既知のスプリングの一例を示す構成図である。
【図7】スプリングを打ち抜くのに用いる既知の並行3
層金属帯の構成を示す斜視図である。
【図8】図7に示された並行3層金属帯からスプリング
を打ち抜き、既知のスプリングを得る場合の状態を示す
説明図である。
【図9】既知のスプリングにおける低熱膨張率金属の構
成比率とそのわん曲係数との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 並行3層金属帯 2 帯状高熱膨張率金属 3(1) 第1の帯状低熱膨張率金属 3(2) 第2の帯状低熱膨張率金属 4(1) 第1の接合部 4(2) 第2の接合部 5 弾性支持部材(スプリング) 5a 溶接部 5b 嵌合部 6 ピン孔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂元 博次 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 佐々木 博 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状高熱膨張率金属の両側部に帯状低熱
    膨張率金属を接合して並行3層金属帯を形成し、前記並
    行3層金属帯から前記帯状高熱膨張率金属と前記1方ま
    たは他方の帯状低熱膨張率金属との接合面を含むように
    打ち抜き、シャドウマスク組立をパネル内面に支持する
    対の弾性支持部材を製造するシャドウマスク組立支持部
    材の製造方法において、前記帯状高熱膨張率金属にオー
    ステナイト系のSUS304を、前記帯状低熱膨張率金
    属にマルテンサイト系のSUS420J2 をそれぞれ選
    んだことを特徴とするシャドウマスク組立支持部材の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記並行3層金属帯における前記対の弾
    性支持部材の打ち抜き位置は、前記並行3層金属帯の幅
    方向中心線に対して対称の位置で、かつ、ピン孔が前記
    1方または他方の接合面上にくるような位置に選ばれる
    ことを特徴とする請求項1に記載のシャドウマスク組立
    支持部材の製造方法。
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