JP2004207072A - 色選別機構、色選別機構用スプリングホルダ及びスプリングホルダと支持スプリングの溶接方法 - Google Patents

色選別機構、色選別機構用スプリングホルダ及びスプリングホルダと支持スプリングの溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カラー陰極線管におけるビームランディングの温度ドリフトの改善を図り、且つ色選別機構の傾斜した弾性付与部材への支持スプリング取付けの適正化を図る。
【解決手段】本発明の色選別機構は、1対の支持部材と1対の平板材による弾性付与部材からなり、該弾性付与部材が互いに板面を対向させると共に、支持部材に対して板面が所要の傾き傾きとなるように配置された枠状のフレームを有し、1対の支持部材間に色選別用マスクが架張され、平板材から形成されたスプリングホルダー101の斜面部分103が弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した面100に突き合わされて接合され、斜面部分103に連続して設けられた陰極線管の管軸に平行する垂直面106に支持スプリング200が接合されて成る。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばカラーテレビ受像機、コンピュータディスプレイ、その他の表示装置に適用される陰極線管に備えられる色選別機構、その色選別機構用のスプリングホルダー、スプリングホルダーと支持スプリングの溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図19は、従来のカラー陰極線管の概略構成を示す。このカラー陰極線管1は、パネル2とネック部3を有するファンネル4とからなる陰極線管体5を有し、パネル2の内面に赤、緑及び青の各色蛍光体層からなるカラー蛍光面6を形成すると共に、カラー蛍光面6に対向して色選別機構7を配置し、ネック部3内に電子銃8を配置して構成される。カラー蛍光面6は、例えばストライプ状の各色蛍光体層を配列して形成される。管体5の外側には偏向ヨーク9が設けられる。色選別機構7は、図20に示すように、断面L字形状をなす1対の支持部材12及び13と、支持部材12及び13の両端間に接合されたコ字状をなす1対の弾性付与部材14及び15とからなる枠状の金属フレーム16を有し、このフレーム16の1対の支持部材12及び13間に、薄板鋼板に画面水平方向に配列するように多数のスリット(ビーム透過孔)17を形成し、隣り合うスリット17間に微細帯状の所謂グリッド素体18を形成してなる色選別用マスク19が架張されて成る(特許文献1参照)。
【0003】
フレーム16を構成するコ字状の弾性付与部材14及び15は、例えば角材で形成され、その両端が水平部及びこれに連続する垂直部からなる断面略L字形状の支持部材12及び13の該水平部の底面に溶接される。この色選別機構7を組み立てるときは、図21に示すように、1対の支持部材12及び13を外側から加圧し、所謂ターンバックルを掛けてフレーム16を変形させた状態で色選別用マスク19を支持部材12、13の断面略L字形状の各垂直部の端面上に溶接し、その後、加圧を解除する。これによって、色選別用マスク19は所定の張力をもってフレーム上に架張される。従って、色選別機構7の組立後の状態は、フレーム16が図21の太線で示すように、組立前のフレームの状態(細線図示)よりも支持部材12及び13の色選別用マスク溶接面12a,13aが蛍光面側に移動することになる。
この色選別機構7は、パネル2の内側面に固着されたパネルピン(図示せず)に支持されるように、例えば4点支持の場合にはフレーム16の4辺に対応する支持部材12、13及び弾性付与部材14、15にそれぞれスプリングホルダ21を介して端部にピン係合孔22を設けた支持スプリング23が取り付けられている。
【0004】
この陰極線管1では、電子銃8から出射した赤(R)、緑(G)及び青(B)に対応した3つの電子ビームB〔BR ,BG ,BB 〕が色選別機構7のスリット(ビーム透過孔)17を通過して、カラー蛍光面6の各色蛍光体層に照射され、蛍光体層が発光し、該電子ビームBR ,BG ,BB が偏向ヨーク9にて水平、垂直方向に走査されて所要のカラー画像を表示するようになされる。
【0005】
色選別機構としては、上例の他、例えば特許文献2に示すような色選別機構も知られている。この色選別機構231は、シャドウマスク型であり、図24に示すように、相対向する1対の支持部材232及び233と、支持部材232及び233の両端間に接合された平板状の弾性付与部材234及び235とから成る枠状のフレーム236が設けられ、支持部材232及び233間に図示せざるも色選別用マスクが架張されて成る。弾性付与部材234及び235は、平板状の面234a,235aが蛍光面側に向き且つ蛍光面側に凸となるように弾性的に湾曲させて支持部材232及び233に接合される。238は支持スプリングを示す。この色選別機構231は、後述するように、温度ドリフトの改善を図る構成であり、色選別用マスクが熱膨張した時にフレーム236自体を蛍光面側へ移動させて電子ビームのミスランディングを補正している。
【0006】
【特許文献1】
特開平10ー106449号公報
【特許文献2】
特開平8ー273552号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図19及び図20に示すカラー陰極線管1の動作時、上述したように電子銃8からの電子ビーム〔BR ,BG ,BB 〕は、色選別機構7のスリット17を通過して蛍光面6上に照射される。このとき、色選別機構7を通過できなかった電子ビームBのエネルギーは主に熱に変わる。この熱を受けた色選別機構7は、熱膨張し、温度上昇前の位置から動く。これにより電子ビームの通過する位置が変わり、色欠けや色ずれを引き起こす。この温度上昇による電子ビームのずれを「ビームランディングの温度ドリフト」と呼ぶ。特に、色選別機構7の色選別用マスク19は薄板鋼板で作られているので、熱容量が小さく、陰極線管1への映像入力の電流レベルが変わると短時間(数分)で大幅に温度上昇又は降下する。熱膨張による色選別用マスク19の伸びは、主として微細帯状のグリッド素体18の長手方向に大きく伸びる。このため、色選別用マスク19の熱膨張・収縮に伴う温度ドリフトは、短時間に大きな量で発生し、制御が難しい。因みに、フレーム16は数時間かけてゆっくり熱膨張する。
【0008】
この温度ドリフトの現象を詳述する。
前述したように色選別機構7は、色選別用マスク19に張力を与えるために、組立の段階でフレーム16を加圧し変形させた上で色選別用マスク19を溶接する(図21参照)。このため、陰極線管1の動作時に温度が上昇して色選別用マスク19が熱膨張すると、色選別用マスク19の張力が開放され、フレームは組立て前の形に戻ろうとする。この時、図22に示すように、色選別用マスク19は蛍光面6から離れる方向に変位し、パネルと色選別機構の距離、即ち蛍光面6と色選別用マスク19間の距離(いわゆるグリルハイト)GHが変化してしまう(ΔGHだけ蛍光面6から離れる方向に変化する)。グリルハイトGHが変化すると、色選別用マスク19のスリット17の位置が変化するため、スリット17を通過した電子ビームの到達位置も変化し、蛍光面6上の正しい位置に照射しなくなる。図23は、この状態を示す。蛍光面6は、例えば赤(R)、緑(G)及び青(B)の蛍光体ストライプ6R、6G及び6Bの各色間にカーボンストライプ 6BLが形成されている。熱膨張前の色選別機構71 を通過した電子ビームB1 は、例えば緑蛍光体ストライプ6Gに照射されるが、熱膨張後にはグリルハイトGHがΔGHだけ大きくなる方向に変化(GH+ΔGH)するため、熱膨張後の色選別機構72 を通過した電子ビームB2 は、異なる色、例えば青蛍光体ストライプ6Bに照射されミスランディングが生じる。
【0009】
前述の図24の先行技術は、温度ドリフト対策として、例えば熱膨張したときに色選別機構をグリルハイトGHの変化分ΔGHだけ蛍光面側へ移動させて、電子ビーム軌道を補正するようにしており、グリルハイトGHと孔位置の両方のずれを同時に補正のために、弾性付与部材34、35を弓状に加工して熱膨張時に色選別用マスクを蛍光面側へ移動するようにしている。
【0010】
しかし、近年、カラーテレビ受像機は大型化、高精細化が進み、温度ドリフト量をさらに極小にすることが求められている。
【0011】
一方、本発明者は、先に特願2002ー128732号において色選別機構を構成するフレームの弾性付与部材を平板材で形成し、この平板材による弾性付与部材を支持部材に対して傾斜して接合し、ビームランディングの温度ドリフト量をより極小に抑制できるようにした陰極線管及びその色選別機構を提案した。
従来の図20に示す色選別機構7では、弾性付与部材14、15の垂直な面に板状のスプリングホルダー21が取付けられ、このスプリングホルダー21に支持スプリング23が取付けられている。しかし、弾性付与部材が斜めに取付けられた色選別機構に、従来のフレーム用の板状のスプリングホルダー21を取付けると、支持スプリング23の取付け面が斜めになり、支持スプリング23の溶接に不具合を生じる。そこで、弾性付与部材が斜めに取付けられた色選別機構に対しても支持スプリングを適正に取付けることが望まれている。
【0012】
本発明は、上述の点に鑑み、ビームランディングの温度ドリフト量をより極小に抑制できるようにし、且つ弾性付与部材が斜めに取付けられた色選別機構に支持スプリングを適正に取付けた色選別機構を提供するものである。
また本発明は、かかる色選別機構に支持スプリングを適正に取り付けることを可能にしたスプリングホルダー及び、そのスプリングホルダーと支持スプリングの溶接が良好にできる溶接方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る色選別機構は、1対の支持部材と1対の平板材による弾性付与部材からなり、この弾性付与部材が互いに板面を対向させると共に、支持部材に対して板面が所要の傾きとなるように配置された枠状のフレームを有し、1対の支持部材間に色選別用マスクが架張され、平板材から形成されたスプリングホルダーの斜面部分が弾性付与部材の傾斜した面に突き合わされて接合され、斜面部分に連続して設けられた陰極線管の管軸に平行する垂直面に支持スプリングが接合された構成とする。
【0014】
本発明の色選別機構においては、フレームを構成する弾性付与部材を平板材で形成し、且つこの平板材が互いに板面を対向するように配置されるので、色選別用マスクが熱膨張してもフレームの支持部材は管軸方向に変位しにくい。このため、グリルハイトの変化量が可及的に零に近づき、ビームランディングの温度ドリフト量を極小に抑制できる。
そして、スプリングホルダーの斜面部分が弾性付与部材の傾斜した面に突き合わされて接合され、この斜面部分に連続して設けられた陰極線管の管軸に平行する垂直面に支持スプリングが接合されるので、支持スプリングとして従来と同じものが使用でき、弾性付与部材に良好に取付けられる。
【0015】
本発明に係るスプリングホルダーは、平板材により形成され、色選別機構のフレームを構成する平板材による弾性付与部材の傾斜面に沿う斜面を有する第1板部と、この第1板部に連続して設けられ、陰極線管の管軸に平行して支持スプリングが取付けられる垂直面を有する第2板部とを有した構成とする。
【0016】
本発明のスプリングホルダーにおいては、弾性付与部材の傾斜面に沿う斜面を有する第1板部と、この第1板部に連続し陰極線管の管軸に平行した垂直面を有する第2板部とを有して構成されるので、第1板部の板面を弾性付与部材の傾斜面に接合し、第2板部の板面に支持スプリングを接合すれば、支持スプリングを弾性付与部材に対して陰極線管の管軸に平行な面に沿って取付けることができる。スプリングホルダーは平板材により形成されるので、プレス加工により作製が容易になる。
【0017】
本発明に係るスプリングホルダと支持スプリングの溶接方法は、色選別機構のフレームを構成する平板材による弾性付与部材の傾斜した板面にスプリングホルダーが取り付けられ、このスプリングホルダーの陰極線管の管軸に平行する板部に支持スプリングを溶接する際に、スプリングホルダーの板部と弾性付与部材との空間内にスペーサを介挿し、スプリングホルダーの板部と弾性付与部材に溶接電極を押し当てスプリングホルダーの板部と支持スプリングとをを溶接するようになす。
【0018】
本発明の溶接方法においては、スプリングホルダーに支持スプリングを溶接する際に、弾性付与部材に接合されたスプリングホルダーの支持スプリングが取付けられる板部と弾性付与部材との空間内にスペーサを介挿した状態で、溶接するので、溶接電極の押圧力でスプリングホルダーの上記板部が変形せず、また溶接電極を水平方向に押し当ててことができ、溶接電極の加圧が安定し、スプラッシュが発生せず、安定した溶接ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
【0020】
先ず、本発明の基本技術である弾性付与部材を平板材で形成した色選別機構及びこの色選別機構を備えたカラー陰極線管について説明する。
図10は、本発明に係るカラー陰極線管の一実施の形態を示す。本実施の形態に係るカラー陰極線管31は、パネル32とネック部33を有するファンネル34とからなる陰極線管体35を有し、パネル32の内面に赤、緑及び青の各色蛍光体層からなるカラー蛍光面36を形成すると共に、カラー蛍光面36に対向して後述する本発明の色選別機構37を配置し、ネック部33内に電子銃38を配置して構成される。カラー蛍光面36は、例えばストライプ状の各色蛍光体層を配列して形成される。管体35の外側には偏向ヨーク39が配置される。
【0021】
この陰極線管31では、電子銃38から出射した赤(R)、緑(G)及び青(B)に対応した3つの電子ビームB〔BR ,BG ,BB 〕が色選別機構37の色選別用マスクを通過して、カラー蛍光面36の所要の各色蛍光体層に照射され、蛍光体層が発光し、該電子ビームBR ,BG ,BB が偏向ヨーク39にて水平、垂直方向に走査されて所要のカラー画像を表示するようになされる。
【0022】
図11及び図12は、本発明に適用される色選別機構37の一実施の形態を示す。本実施の形態に係る色選別機構371 は、後述の断面略L字形状をなす1対の支持部材42及び43と、支持部材42及び43の両端間に接合された平板材で形成され且つ互いの板面が対向するように設けられた1対の弾性付与部材44及び45とからなる枠状の金属フレーム46を有し、このフレーム46の1対の支持部材42及び43間に、薄板鋼板に画面水平方向に配列するように多数のスリット(ビーム透過孔)47が形成され、隣り合うスリット47間に微細帯状の所謂グリッド素体48が形成された色選別用マスク49を架張して構成される。
【0023】
本実施の形態に係る色選別機構371 は、特に、フレーム46を構成する1対の弾性付与部材44及び45を、板厚方向に段差61を有する平板材で形成すると共に、平板材の板面と色選別用マスクの中央の法線との成す角度θが所要の角度となるように、傾斜して支持部材42及び43に取り付けて構成される。
角度θとしては、0°<θ<90°の範囲とすることができる。好ましくは、弾性付与部材の強度を確保すうために、角度θを0°<θ<60°の範囲とする。より好ましくは、ビームの入射を妨げないようにするために角度θを0°<θ<45°の範囲とする。更に好ましくは、グリルハイトGH方向の変化をコントロールしやすくするために、角度θを10°<θ<45°の範囲とする。
【0024】
支持部材42及び43は、色選別用マスク49に溶接される垂直部51Vとこれに連続する水平部51Hからなる断面略L字形状をなしている。弾性付与部材44及び45の夫々の端部には、図14に示すように、板面に沿って支持部材42及び43の断面略L字形状の水平部51Hの係合する係合溝52が形成される。なお、本例では係合溝52に支持部材42、43の断面略L字形状の折り曲げ部に対応する部分に折り曲げ部を逃げるための切欠き部54が形成される。
【0025】
各弾性付与部材44及び45は、夫々係合溝52を支持部材42及び43の水平部51Hに係合した状態で支持部材42及び43の垂直部51Vとこれに当接する弾性付与部材44及び45の端辺との境界部分を、及び支持部材42及び43の水平部51Vと弾性付与部材44及び45の係合溝52の縁辺との境界部分を夫々溶接(例えばアーク溶接)して両部材42、43及び44、45を接合する。溶接領域65としては、例えば図14の斜線で示すように、支持部材42及び43の垂直部51V側ではこれに当接する弾性付与部材44及び45の端辺の上部から両側部にかけて逆U字状に溶接し、支持部材42及び43の水平部51H側では水平部51Hに沿うように且つ水平部51Hの色選別用マスク側の内面と反対の外面に少なくとも互いに対角位置(即ち、図14の実線部分又は/及び破線部分)に線状に溶接する。この水平部51Hにおいて一方の対角位置のみに溶接する場合は、後述するように平板材で形成した弾性付与部材44及び45を傾斜して支持部材42及び43に接合する場合に溶接作業をし易くし、且つ接合強度が得られるので好ましい。
【0026】
色選別用マスク49は、相対向する支持部材42及び43の垂直部51Vの上面間に架張され、この垂直部51Vの上端面に溶接により固着される。色選別機構371 の組立ては、通常のように1対の支持部材42及び43を外側から加圧し、所謂フレーム46にターンバックルを掛けて変形させた状態で色選別用マスク49を支持部材42、43のL字状の各垂直部51Vの上端面に溶接し、その後、加圧を解除する。支持部材42、43に対する加圧は、例えば2点イコライズ(片側計4か所の加圧)、或いは3点イコライズ(片側計6か所の加圧)で行うことができる。
【0027】
ここで、平板状の弾性付与部材44及び45を有するフレーム46は、フレーム46にターンバックルを掛けたときの弾性付与部材44及び45が板厚t方向に変形し易く、板幅w方向に変形しにくい構造となる。色選別用マスク49は所定の張力をもってフレーム上に架張される。色選別用マスク49の架張後の状態を見ると、図13に示すように、弾性付与部材44、45の重心軸(幅方向の中心にある)Oと色選別用マスク49の重心軸O′がずれた位置にあるので、色選別用マスク49を架張したときに平板状の弾性付与部材44、45には色選別用マスク49側へ向くモーメントMが働き、板幅w方向に極微小量のたわみ変形が生じる。しかし、従来の色選別機構と比べればそのたわみ変形量mは極めて小さい。
【0028】
一例では弾性付与部材44及び45を、同様に平板材よりなり、夫々対称的に中央部において弾性付与部材44及び45の相対向する側に所要の幅で凸状に突出する折曲部60Bによる段差61を有して形成し、この弾性付与部材44及び45を角度θが30°となるように傾斜させて支持部材42及び43に溶接してフレーム46が構成される。このフレーム46にターンバックルを掛けて色選別用マスク49が架張される。弾性付与部材44及び45を、板厚方向に段差61を有する平板材で形成するときは、段差61により力のモーメントが加わり、フレーム46にターンバックルを掛けたときの弾性付与部材44及び45の板厚方向への変形をさらに助長させることができる。従って、後述の段差を有しない場合に比べて、フレーム46の弾性付与部材44及び45をしなやかに変形させることが可能になる。
【0029】
色選別機構371 は、パネル32の内側面に固着されたパネルピン(図示せず)に支持されるように、複数点支持、例えば4点支持の場合には枠状のフレーム46を構成する4辺に対応する支持部材42、43及び弾性付与部材44、45に、後述するように夫々これらに溶接されたスプリングホルダと、各スプリングホルダに溶接された端部にピン係合孔を有する支持スプリングとからなる支持手段が取り付けられる。3点支持の場合は、例えば1つの支持部材42と1対の弾性付与部材44、45に支持手段が取付けられる。色選別用マスク49上には、これに接触するように振動防止用のダンパー線が架張される。
【0030】
本実施の形態の色選別機構371 においては、フレーム46の加圧変形後、即ち、色選別用マスク49の架張後のフレーム46の状態を見ると、図12Aの破線で示するように(実線は加圧前のフレーム形状)、例えば、弾性付与部材44及び45の中央は板厚方向に弾性付与部材44及び45の相対向する側に凸となるように撓み変形する。両端部は支持部材42及び43の変形に応じて板厚方向に中央と同じ側又は逆側に凸となるように撓み変形する。これを図12Aの矢印B方向から見ると、図12Bに示すように、弾性付与部材44及び45の中央部の折曲部60Bは色選別用マスク49に近づく方向に変形する。一方、前述したように、弾性付与部材44及び45の重心軸Oと色選別用マスク49の重心軸O′がずれた位置にあることから色選別用マスク49を架張したときに、弾性付与部材44及び45にモーメントが働き、弾性付与部材44及び45の全体が板幅方向に且つ色選別用マスク49と反対側に凸となるたわみ変形が生じる。従って、弾性付与部材44及び45では、ターンバックルをかけたときの撓み変形量と、色選別用マスク49を架張したときの逆対方向への撓み変形量とが相殺され、変形量が零の位置が存在する。この変形量が零の位置は、中央の折曲した領域60B或いは両端領域60Cに存在する。主として中央の折曲した領域60Bに存在する。
【0031】
本実施の形態では、色選別機構371 のフレームにパネルに対する支持手段、例えばスプリングホルダを介して支持スプリングを溶接するが、弾性付与部材に対しては支持手段、本例ではスプリングホルダを、上記の変形量が零の位置に溶接するようになす。但し、支持スプリングは、従来と同様に支持スプリングの板面が管軸に沿うように取り付けられる。
【0032】
本実施の形態に係る色選別機構371 を備えたカラー陰極線管31によれば、動作時に電子ビームによって色選別用マスク49が熱膨張した場合、フレーム46の弾性付与部材44及び45の応力が開放されるが、弾性付与部材44及び45のスプリングホルダは弾性付与部材44及び45の変形零の位置に取り付けられているので、熱膨張前後で色選別用マスクの管軸方向の位置が変わらず、グリルハイトGHの変化を零にすることができる。従って、温度ドリフト特性をさらに改善することができる。
【0033】
弾性付与部材44及び45が平板材で形成され且つ板面を互いに対向するように配され、つまり弾性付与部材44及び45が色選別用マスク49に近い位置に設けられるので、弾性付与部材44及び45が色選別用マスク49付近に対して磁気遮蔽効果をもたらす。この為、地磁気の変化に伴う電子ビームの軌道の変化による色ずれ(いわゆる地磁気ドリフト)を小さくすることができる。この効果は弾性付与部材44及び45の材料磁気特性を適切に選択することで、より大きな効果が得られる。
温度ドリフト、地磁気ドリフトが改善されることにより、ビームランディングの電磁補正回路を廃止できる可能性がある。その結果、陰極線管を備えたテレビセット、コンピュータディスプレイ等の表示装置を安価に提供することができる。
【0034】
弾性付与部材44及び45に平板材を用いているため、角材を使用した従来のフレームと比較して、材料費を大幅に削減することができる。弾性付与部材44及び45に平板材を用いているので、角材と比較して溶接性に優れている。スプリングホルダ55等を溶接する際、小電流で安定した溶接ができ、溶接電極の消耗も押えられる。
弾性付与部材44及び45に用いる平板材は、角材と比較して体積に対する表面積の割合が大きく、放熱性に優れている。この為、陰極線管製造工程における色選別機構の温度コントロールが容易となる。例えば、スプリングホルダの溶接後、溶接部は室温まで冷却されるが、この時間を短縮できる。或いは色選別機構は黒化処理を高温の炉で行われ、その後室温まで冷却されるが、この時間を短縮できる。
【0035】
上述した実施の形態において、弾性付与部材44及び45の条件、即ち主たる設計パラメータは、次の6つがある。この設計パラメータは、図15A,Bに示す弾性付与部材44及び45を形成する平板材の板厚t、板幅w、段差の折り曲げ量d、段差の折り曲げ位置色選別用マスク中央の法線と弾性付与部材の板面との成す角度θ、弾性付与部材の支持部材への取り付け高さhである。
これらの設計パラメータを適宜選択することにより、フレーム加圧時の支持部材42及び43のパネル方向に近づく変形量mをコントロールでき、最適の温度ドリフト特性を有する色選別機構の設計が可能になる。
【0036】
図16は、本発明に適用される色選別機構37の更に他の実施の形態を示す。本実施の形態に係る色選別機構372 は、前述の図11に示す色選別機構371 において、その平板材による弾性付与部材44及び45に段差61を形成せず、平板状に形成して、この弾性付与部材44及び45を支持部材42及び43に対して所要の角度θに傾けて接合して構成される。その他の構成は、図11と同様であるので重複説明を省略する。
本実施の形態の色選別機構372 においても、上述の実施の形態と同様に、熱膨張前後のグリルハイトGHの変化量を可及的に零に近づけることができ、温度ドリフト特性を改善することができる。
【0037】
上述の各実施の形態に係るフレーム46を用いると、ターンバックル工程の加圧時、支持部材42及び43のパネル方向に近づく変形量mを自由に設計できる。理論的にはこの変形量を0にすることができる。この為、カラー陰極線管内で色選別用マスク46が熱膨張しても、グリルハイトGHが変化することなく、変化しても極微小量であり、グリルハイトGHの変化に伴う温度ドリフトを可及的に零に近づけることができる。
本発明の色選別機構は、大型化、高精細化のカラー陰極線管に適用して好適である。
【0038】
図17は、本発明に係るカラー陰極線管を複数電子銃型カラー陰極線管に適用した場合の他の実施の形態を示す。本例では2つの電子銃を有したカラー陰極線管である。
本実施の形態に係るカラー陰極線管71は、複数、本例では2つのネック部74〔741 、742 〕を有して夫々電子銃76〔761 、762 〕を備えて成る。即ち、大画面領域を形成するパネル72と、このパネル72に接合されたファンネル73と、このファンネル73に接合された2つのネック部74〔741 、742 〕とからなる管体75が設けられる。各ネック部741 及び742 内に夫々電子銃761 及び762 が配置される共に、パネル72の内面のカラー蛍光面77に対向して色選別機構78、例えばアパーチャグリル、シャドウーマスク(スロットマスク)等が配置される。この陰極線管71は、複数、本例では2つの小画像領域を合成した大画面領域に全体画像を表示できるように構成される。管体75の外側には、各ネック部741 、742 からファンネル73にかけて夫々偏向ヨーク80〔801 、802 〕が配置される。
【0039】
パネル72は、一体成形され、画面水平方向を長軸とし、画面垂直方向を短軸とする横長形状に形成される。パネル72内面では、各電子銃76から出射した電子ビームによって走査される小画像領域81が電子銃76の数に対応して複数形成される。本例では2つの小画像領域811 、812 が形成され、この2つの小画像領域811 、812 の合成で大画像領域82が形成される。本例では、各電子銃761 、762 からの電子ビーム791 、792 が隣り合う小画像領域との近傍、即ち2つの小画像領域811 、812 との境界付近で夫々隣の小画像811 、812 に一部重複して走査するように構成される。色選別機構78は、パネル72の大画像領域82に対して共通に形成される。この場合、蛍光面77は、大画像領域82の水平方向に長いストライプ状の各色蛍光体層を垂直方向に沿って配列して構成される。色選別機構78の色選別用マスクは後述するように、大画像領域82の水平方向に長いスリット又は長孔(いずれもビーム透過孔)を有して構成される。
【0040】
このような2つの電子銃を有したカラー陰極線管71では、夫々電子銃761 、762 の夫々から電子ビーム791 、792 が概ね画面の半分の画像を表示するように出射される。電子ビーム791 、792 は、夫々垂直方向にライン走査されながら画面水平方向に夫々画面の端部から中央に向かってフィールド走査され、中央付近で互いに重複するようになされる。この陰極線管71では、電子ビーム791 、792 の垂直偏向がいわゆるライン偏向に相当し、水平偏向がいわゆるフィールド偏向に相当する。
【0041】
ここで、2つの電子銃を有したカラー陰極線管71では、色選別機構(本例ではアパーチャグリル)の色選別用マスクの各グリッド素体の長さが通常の2倍であり、しかも動作時には2つの電子銃からの電子ビームにより、色選別用マスクに与えられる熱量も通常の2倍になるため、色選別用マスクの熱膨張は通常のアパーチャグリルに比べて単純にみて4倍になり、温度ドリフト対策は通常よりも非常に厳しくなる。
【0042】
本実施の形態においては、この2つの電子銃を有したカラー陰極線管71の色選別機構78を上述の本発明に係る色選別機構で構成する。即ち、この色選別機構78、本例ではアパーチャグリルは、図18に示すように、相対向する1対の支持部材85及び86とその両端間に接合された平板材で形成された弾性付与部材87及び88とからなる金属フレーム89上に色選別用マスク90が架張されて成る。色選別用マスク40は、画面水平方向に長い微細帯状のグリッド素体91が画面垂直方向に沿って多数配列され、この各隣り合うグリッド素体91間に画面水平方向に長いスリット(ビーム透過孔)92が形成される。本例のフレーム89は、前述の図12で説明したと同様の構成を有してなる。即ち、断面略L字形状の支持部材85及び86に対して、平板材からなり且つ平面部のうち最も端部に近い部位94Aを基準として弾性付与部材88及び89の相対向する側に突出する折曲部94Bを有してなる、いわゆる段差を有してなる弾性付与部材88及び89を、例えば角度θが30°となるように傾斜して接合して構成される。
【0043】
かかる色選別機構78を備えた2つの電子銃を有するカラー陰極線管71によれば、動作時に色選別用マスク90が熱膨張しても、前述したようにグリルハイトGHが熱膨張前と変わらないので、温度ドリフト特性を改善することができる。その他、地磁気ドリフトの改善等、前述と同様の効果を奏する。
【0044】
本発明の色選別機構は、アパーチャグリル以外にも、シャドウマスク(スロットマスク)にも適用できる。
【0045】
以上は、本発明に係るカラー陰極線管及び色選別機構の基本技術である。
次に、図1〜図6を用いて上述した色選別機構の平板材による弾性付与部材への支持スプリングの取付けを図った本発明の実施の形態を説明する。なお、各図は色選別機構における支持スプリングを取り付けた弾性付与部材の要部のみを示す。
【0046】
図1及び図2は、本発明に係る色選別機構、即ち前述した図11、図16、図18の色選別機構371 、372 、78に適用されるスプリングホルダー、及び弾性付与部材44、45(87、88)に対してこのスプリングホルダーを介して支持スプリングを取付けた構成の実施の形態を示す。
本実施の形態に係る色選別機構は、そのフレーム46(89)を構成する平板材による弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した面100に、スプリングホルダー101を介して板面がカラー陰極線管の管軸に平行となるように支持スプリング200を取付けて構成される。支持スプリング200は、一端がスプリングホルダー101への溶接部とされ、他端側に陰極線管パネルのパネルピンに係合する係合孔201を有して形成される。弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した面100は、前述したように色選別用マスク49の中央の法線とのなす角度が所要の角度θとなるように傾斜される。スプリングホルダー101は、図1に示すように、幅W1 の金属板材から形成され、弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した面100に沿う斜面102を有する第1板部103と、この第1板部103から直角に折曲された折曲板部104と、この折曲板部104から折曲されカラー陰極線管の管軸に平行する垂直面106を有する第2板部105とから成る。第1板部103の斜面102の延長線と第2板部105の垂直面106の延長線とのなる角度αは、弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜面の角度θに設定される(即ち、α=θ:図2A参照)。
【0047】
第1板部103は、その斜面102が弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した面100に当接して弾性付与部材に溶接される溶接板部となり、中央に切り溝108が形成されてなる。第2板部105は、その垂直面106が支持スプリング200の一端の面に当接して支持スプリング200を溶接する支持スプリング取付け板部となる。このスプリングホルダー101は、図2A,Bに示すように、第1板部103の斜面102を弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した板面100に当接して切り溝108を挟む2ヵ所109で溶接され、弾性付与部材44、45(87、88)に接合される。次いで、支持スプリング200がその一端の面をスプリングホルダー101の第2板部105の垂直面106に当接されて例えば2ヶ所110で溶接され、スプリングホルダー101に接合される。
【0048】
なお、切り溝108は、2ヶ所109に溶接する際に溶接電力の低減に寄与する。即ち、一方の溶接箇所109を溶接した後に他方の溶接箇所109を溶接するとき、溶接電流は、スプリングホルダー101の他方の溶接箇所109と弾性付与部材間を流れる実質的な溶接電流I1 と、他方の溶接箇所109から溶接済みの一方の溶接箇所を通って弾性付与部材に流れる分流I2 との合計の電流となる。分流は切り溝108の周囲を通って一方の溶接箇所へ流れるので、切り溝108が無い場合より分流路長が長くなり、その分、抵抗が高くなり分流が減り、結果として溶接電力が低減する。
【0049】
本実施の形態によれば、図1に示す構造のスプリングホルダー101を弾性付与部材44、45(87、88)に接合することにより、スプリングホルダー101の支持スプリング200を取付ける第2板部105の面106を垂直、即ち陰極線管の管軸に平行にすることができる。従って、支持スプリング200の形状は、弾性付与部材44、45が傾斜しない図9の色選別機構371 の用いられる支持スプリングと全く同じものを使用することができる。スプリングホルダー101は、幅W1 の金属板材を2回折り返すようなプレス加工等により材料の無駄泣く作製することができる。
このような色選別機構を備えたカラー陰極線管においては、色選別機構のパネルピンへの支持が良好に行われ、信頼性の高いカラー陰極線管を提供できる。
【0050】
図3及び図4は、本発明に係る色選別機構、即ち前述した図11、図16、図18の色選別機構371 、372 、78に適用されるスプリングホルダー、及び弾性付与部材に対してこのスプリングホルダーを介して支持スプリングを取付けた構成の他の実施の形態を示す。
本実施の形態に係る色選別機構は、そのフレーム46(89)を構成する平板材による弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した面100に、スプリングホルダー121を介して板面がカラー陰極線管の管軸に平行となるように支持スプリング200を取り付けて構成される。スプリングホルダー121は、図3に示すように、金属板材からT字型に形成され、弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した面100に沿う斜面122を有する幅W2 の第1板部123と、この第1板部123の中央から湾曲されてカラー陰極線管の管軸に平行する垂直面124を有し、幅W2 より狭い幅W3 の第2板部125とから成る。第1板部123の斜面122の延長線と第2板部125の垂直面124の延長線とのなす角度αは、上述した弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜面の角度θに設定される(α=θ:図4A参照)。
【0051】
第1板部123は、その斜面122が弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した面100に当接して弾性付与部材に溶接される溶接板部となる。実質的な溶接箇所は、第1板部123の第2板部125の幅W3 より左右に延長した両端部分となる。第2板部125は、その垂直面124が支持スプリング200の一端の面に当接して支持スプリング125を溶接する支持スプリング取付け板部となる。このスプリングホルダー121は、図4A,Bに示すように、第1板部123の斜面122を弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した板面100に当接して第1板部123の両端の箇所127で溶接され、弾性付与部材44、45(87、88)に接合される。次いで、支持スプリング200の一端の面がスプリングホルダー121の第2板部125の垂直面124に当接され例えば2ヵ所110で溶接されて、スプリングホルダー121に接合される。
【0052】
本実施の形態によれば、図3に示す構造のスプリングホルダー121を弾性付与部材44、45(87、88)に接合することにより、スプリングホルダー121の支持スプリング200を取付ける第2板部125の面124を垂直、即ち陰極線管の管軸に平行にすることができる。従って、支持スプリング200の形状は、弾性付与部材44、45が傾斜しない図9の色選別機構371 の用いられる支持スプリングと全く同じものを使用することができる。
このような色選別機構を備えたカラー陰極線管においては、色選別機構のパネルピンへの支持が良好に行われ、信頼性の高いカラー陰極線管を提供できる。
【0053】
図5及び図6は、本発明に係る色選別機構、即ち前述した図11、図16、図18の色選別機構371 、372 、78に適用されるスプリングホルダー、及び弾性付与部材に対してこのスプリングホルダーを介して支持スプリングを取付けた構成の他の実施の形態を示す。
本実施の形態に係る色選別機構は、そのフレーム46(89)を構成する平板材による弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した面100に、スプリングホルダー131を介して板面がカラー陰極線管の管軸に平行となるように支持スプリング200を取り付けて構成される。スプリングホルダー131は、図5Aに示すように、幅W4 の例えば金属板材から形成され、弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した面100に沿う斜面132を有する第1板部133と、この第1板部133から斜めの線141(図5B参照)で直角に折曲された折曲板部134と、この折曲板部134から垂直線142(図5B参照)で直角に折曲されカラー陰極線管の管軸に平行する垂直面135を有する第2板部136とから成る。第1板部133の斜面132の延長線と第2板部136の垂直面135の延長線とのなる角度αは、弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜面の角度θに設定される(即ち、α=θ:図6A参照)。
【0054】
第1板部133は、その斜面132が弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した面100に当接して弾性付与部材に溶接される溶接板部となり、中央に切り溝138が形成されてなる。第2板部136は、その垂直面135が支持スプリング200の一端の面に当接して支持スプリング200を溶接する支持スプリング取付け板部となる。
このスプリングホルダー131の展開図を図5Bに示す。例えばプレス加工により、一端の一辺側を斜めにすると共に切り溝138を設けた幅W4 の短冊状の金属板材143を形成する。この金属板材143を、辺143aに垂直な線142で直角に折り曲げ、さらに辺143aに対して所要の角度をなす斜め線141で直角に折り返すことにより、スプリングホルダー131が作製される。ここで、切り溝138は斜め線141に対して直角に形成される。
【0055】
このスプリングホルダー131は、図6A,Bに示すように、第1板部133の斜面132を弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜した板面100に当接して切り溝138を挟む2ヵ所139で溶接され、弾性付与部材44、45(87、88)に接合される。次いで、支持スプリング200がその一端の面をスプリングホルダー131の第2板部136の垂直面135に当接されて例えば2ヵ所110で溶接され、スプリングホルダー131に接合される。
【0056】
本実施の形態によれば、図5Aに示す構造のスプリングホルダー131を弾性付与部材44、45(87、88)に接合することにより、スプリングホルダー131の支持スプリング200を取付ける第2板部136の面124を垂直、即ち陰極線管の管軸に平行にすることができる。従って、支持スプリング200の形状は、弾性付与部材44、45が傾斜しない色選別機構(図示せず)に用いられる支持スプリングと全く同じものを使用することができる。
このような色選別機構を備えたカラー陰極線管においては、色選別機構のパネルピンへの支持が良好に行われ、信頼性の高いカラー陰極線管を提供できる。
【0057】
ところで、斜めに設けられた弾性付与部材44、45(87、88)に上述のスプリングホルダー101、121又は131、本例ではスプリングホルダー101を溶接する際、図7Aの参考例に示すように、スプリングホルダー101の第2板部105の垂直面106に支持スプリング200を突き合わせて支持スプリング200と第2板部105に1対の溶接電極146〔146A,146B〕を当接させて行う。溶接電流I0 は両溶接電極146A及び146B間の最短距離を流れる。しかし、溶接電極146A,146Bは、斜めに当接するために、加圧が不安定になり、スプラッシュ(火花)が発生し易く、溶接が不安定になる。また、図7Bの参考例に示すように、スプリングホルダー101の第2板部105の垂直面106に支持スプリング200を突き合わせて、第2板部105の垂直面106と弾性付与部材44、45(87、88)の傾斜する面に溶接電極146A,146Bを水平となるように押し当てて行うことも考えられる。この場合は、溶接電極146〔146A,146B〕の加圧力でスプリングホルダー101の第2板部105が鎖線のように変形し、スプリング取付け位置精度が悪くなる。
【0058】
このため、本実施の形態では、図8に示すように、スプリングホルダーと支持スプリング200との溶接を行うようにする。即ち、例えば図1のスプリングホルダー101を弾性付与部材44、45(87、88)に溶接した場合には、スプリングホルダー101の第2板部105と弾性付与部材44、45(87、88)間の空間147内に空間147を埋めるように、少なくとも互いに対向する第2板部105の内面と弾性付与部材44、45(87、88)の内面に密接するようなスペーサ148を配置する。そして、スプリングホルダー101の第2板部105に支持スプリング200を突き合わせ、フレーム46(89)を跨ぐように第2板部105と弾性付与部材44、45(87、88)に溶接電極146〔146A,146B〕を水平に押し当てて溶接する。溶接電流I0 は溶接電極146Aー支持スプリング200ー第2板部105ー第1板部103ー例えば弾性付与部材44ー溶接電極146Bを通って流れる。
【0059】
本実施の形態に係る溶接方法によれば、スプリングホルダー101の第2板部105と弾性付与部材44、45(87、88)間の空間147内にスペーサ148を介挿した状態で溶接するので、溶接電極146A,146Bを水平に当接することができ、スプラッシュ(火花)が発生せず、溶接が安定に行える。また、溶接機として、溶接電極146A,146Bを斜めに配置する構成の場合は大掛かりな改造を必要とするが、本実施の形態では溶接電極146A,146Bを水平に配置するので、従来の溶接機からの改造が少なくて済む。
【0060】
スプリングホルダー121、131を使用する場合も同様に、図8に示すスペーサ148を介挿して溶接することにより、スプリングホルダーと支持スプリングとの溶接を安定して行うことができる。
図9は、本実施の形態に係る溶接方法の他の実施の形態を示す。本実施の形態では、図8と同様にスプリングホルダー101の第2板部105と弾性付与部材44、45(87、88)間の空間147内にスペーサ148を介挿するが、さらに弾性付与部材44、45(87、88)の溶接電極146Bが押し当てられる部分に垂直面を有する突起あるいはスペーサ等による電極押し当て部149を設ける。溶接に際しては、一方の溶接電極146Aをスプリングホルダー101の第2板部105の垂直面106に押し当て、他方の溶接電極146Bを電極押し当て部149の垂直面に押し当て溶接を行う。このときは、溶接電極146Bも弾性付与部材44、45(87、88)に安定して押し当てることができるので、スプリングホルダー101と支持スプリング200との溶接を、より安定して行うことができる。
【0061】
【発明の効果】
本発明の色選別機構によれば、フレームを構成する弾性付与部材を平板材で形成し、且つこの平板材が互いの板面を対向且つ傾けて配置されるので、色選別用マスクが熱膨張してもフレームの支持部材は管軸方向に変位しにくい。このため、グリルハイトの変化量が可及的に零に近づき、ビームランディングの温度ドリフト量を極小に抑制することができる。そして、傾斜面とこれに連続する垂直面を有したスプリングホルダーを設け、スプリングホルダーの斜面部分が弾性付与部材の傾斜した面に接合され、スプリングホルダーの垂直面に支持スプリングが溶接された構成であるので、支持スプリングを従来と同じものを使用することができ、傾斜した弾性付与部材に対して支持スプリングを陰極線管に管軸に平行な面に取付けることができる。従って、色選別機構を陰極線管パネルに適正に支持することができる。
【0062】
本発明に係るスプリングホルダーによれば、弾性付与部材の傾斜面に沿う斜面を有する第1板部と、第1の板部に連続し陰極線管の管軸に平行した垂直面を有する第2板部とを有して構成するので、このスプリングホルダーを介して支持スプリングを弾性付与部材に接合すれば、支持スプリングはスプリングホルダーへの取付け面が傾くことなく、陰極線管に管軸に平行な面に取付けることができる。従って、支持スプリングの形状は、弾性付与部材が斜めでない色選別機構と、全く同じ支持スプリングを使用することができる。スプリングホルダーは、平板材により形成するのでプレス加工により容易に作製することができる。
【0063】
本発明に係るスプリングホルダーと支持スプリングの溶接方法によれば、スプリングホルダーの板部と弾性付与部材との空間内にスペーサを介挿してスプリングホルダーと支持スプリングとを溶接するので、溶接が安定して行うことができる。また、溶接電極は斜めにせず、水平に押し当てることができるので、従来の溶接機からの改造が少なくて済む。即ち、溶接機として溶接電極を斜めにするような大掛かりな改造が必要なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスプリングホルダーの一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】A 図1のスプリングホルダーを介して色選別機構の弾性付与部材に支持スプリングを取付けた状態の側面図である。
B 図1のスプリングホルダーを介して色選別機構の弾性付与部材に支持スプリングを取付けた状態の正面図である。
【図3】本発明に係るスプリングホルダーの他の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】A 図3のスプリングホルダーを介して色選別機構の弾性付与部材に支持スプリングを取付けた状態の側面図である。
B 図3のスプリングホルダーを介して色選別機構の弾性付与部材に支持スプリングを取付けた状態の正面図である。
【図5】A 本発明に係るスプリングホルダーの他の実施の形態を示す斜視図である。
B 図5のスプリングホルダーの展開図である。
【図6】A 図5のスプリングホルダーを介して色選別機構の弾性付与部材に支持スプリングを取付けた状態の側面図である。
B 図5のスプリングホルダーを介して色選別機構の弾性付与部材に支持スプリングを取付けた状態の正面図である。
【図7】A スプリングホルダーに支持スプリングを溶接する溶接方法の参考例を示す側面図である。
B スプリングホルダーに支持スプリングを溶接する溶接方法の他の参考例を示す側面図である。
【図8】本発明に係るスプリングホルダーと支持スプリングの溶接方法に一実施の形態を示す構成図である。
【図9】本発明に係るスプリングホルダーと支持スプリングの溶接方法に他の実施の形態を示す構成図である。
【図10】本発明に係る陰極線管の一実施の形態を示す構成図である。
【図11】本発明に係る色選別機構の一実施の形態を示す斜視図である。
【図12】A 図11の色選別機構を構成するフレームの加圧前後の形状を示す平面図である。
B 図11Aの矢印B方向から見た側面図である。
C 図11Aの矢印C方向から見た側面図である。
【図13】図11の説明に供する拡大側面図である。
【図14】A 支持部材と弾性付与部材の接合部を示す要部の側面図である。
B 図14Aの90°方向から見た側面図である。
【図15】A,B 本発明に係る色選別機構の設計パラメータの説明に領する説明図である。
【図16】本発明に係る色選別機構の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図17】本発明に係る陰極線管の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図18】図19の陰極線管に用いられる色選別機構の斜視図である。
【図19】従来の陰極線管の例を示す構成図である。
【図20】従来の色選別機構を示す斜視図である。
【図21】従来の色選別機構の組立て前後のフレーム形状を示す側面図である。
【図22】従来の色選別機構の色選別用マスクの熱膨張前後のグリルハイトの変化を示す陰極線管の要部の断面図である。
【図23】ビームランディングの温度ドリフトの説明に供する説明図である。
【図24】従来の色選別機構の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
31・・・カラー陰極線管、32・・・パネル、33・・・ネック部、34・・・ファンネル、35・・・管体、36・・・蛍光面、37〔371 、372 〕・・・色選別機構、38・・・電子銃、39・・・偏向ヨーク、42、43・・・支持部材、44、45・・・弾性付与部材、46・・・フレーム、47・・・スリット(ビーム透過孔)、48・・・グリッド素体、49・・・色選別用マスク、52・・・係合溝、60A・・・基準の部位、60B、60C・・・折曲部、61・・・段差、65・・・溶接領域、71・・・ダブルネック型陰極線管、72・・・パネル、73・・・ファンネル、741 、742 ・・・ネック部、75・・・管体、761 、762 ・・・電子銃、77・・・蛍光面、78・・・色選別機構、85、86・・・支持部材、87、88・・・弾性付与部材、89・・・フレーム、90・・・色選別用マスク、91・・・スリット(ビーム透過孔)、92・・・グリッド素体、100・・・弾性付与部材の傾斜した面、101、121、131・・・スプリングホルダー、102、122、132・・・斜面、103、123、133・・・第1板部、104、134・・・折曲板部、105、125、136・・・第2板部、106、124、135・・・垂直面、108・・・切り溝、109、110・・・溶接ヶ所、146〔146A,146B〕・・・溶接電極、147・・・空間、148・・・スペーサ、149・・・電極押し当て部、200・・・支持スプリング、201・・・係合孔

Claims (3)

  1. 1対の支持部材と1対の平板材による弾性付与部材からなり、該弾性付与部材が互いに板面を対向させると共に、前記支持部材に対して板面が所要の傾きとなるように配置された枠状のフレームを有し、前記1対の支持部材間に色選別用マスクが架張され、
    平板材から形成されたスプリングホルダーの斜面部分が前記弾性付与部材の傾斜した面に突き合わされて接合され、前記斜面部分に連続して設けられた陰極線管の管軸に平行する垂直面に支持スプリングが接合されて成る。
    ことを特徴とする色選別機構。
  2. 平板材により形成され、
    色選別機構のフレームを構成する平板材による弾性付与部材の傾斜面に沿う斜面を有する第1板部と、
    該第1板部に連続して設けられ、陰極線管の管軸に平行して支持スプリングが取付けられる垂直面を有する第2板部とを有して成る
    ことを特徴とする色選別機構用スプリングホルダー。
  3. 色選別機構のフレームを構成する平板材による弾性付与部材の傾斜した板面にスプリングホルダーが取り付けられ、該スプリングホルダーの陰極線管の管軸に平行する板部に支持スプリングを溶接する際に、
    前記スプリングホルダーの板部と前記弾性付与部材との空間内にスペーサを介挿し、
    前記スプリングホルダーの板部と前記弾性付与部材に溶接電極を押し当て前記スプリングホルダーの板部と前記弾性付与部材とを溶接する
    ことを特徴とするスプリングホルダと支持スプリングの溶接方法。
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