JP2004296324A - 燃料電池及び燃料電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電効率が高い燃料電池及び該燃料電池の製造方法を提供する。
【解決手段】制御装置56からの信号に基づいて駆動装置58により駆動されるベルトコンベアBC1により搬送された第1の基板に、吐出装置20a、20bにおいて第1の反応ガスを供給するための第1のガス流路を形成する。次に、第1の基板に、吐出装置20eにおいて第1の反応層を形成する。次に、第1の基板に、吐出装置20fにおいて、反応層において用いられる触媒を構成する物質で第1の集電層を形成する。次に、第1の基板に、吐出装置20gにおいて電解質膜を形成する。次に、同様の処理により吐出装置20hにおいて第2の集電層を、吐出装置20iにおいて第2の反応層を形成する。そして、吐出装置20l及び吐出装置20mにおいて第2のガス流路が形成された第2の基板を第2の反応層上に配置して反応層において用いられる触媒を構成する物質で集電層が形成された燃料電池の製造を完了する。
【選択図】 図1
【解決手段】制御装置56からの信号に基づいて駆動装置58により駆動されるベルトコンベアBC1により搬送された第1の基板に、吐出装置20a、20bにおいて第1の反応ガスを供給するための第1のガス流路を形成する。次に、第1の基板に、吐出装置20eにおいて第1の反応層を形成する。次に、第1の基板に、吐出装置20fにおいて、反応層において用いられる触媒を構成する物質で第1の集電層を形成する。次に、第1の基板に、吐出装置20gにおいて電解質膜を形成する。次に、同様の処理により吐出装置20hにおいて第2の集電層を、吐出装置20iにおいて第2の反応層を形成する。そして、吐出装置20l及び吐出装置20mにおいて第2のガス流路が形成された第2の基板を第2の反応層上に配置して反応層において用いられる触媒を構成する物質で集電層が形成された燃料電池の製造を完了する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、異なる種類の反応ガスをそれぞれの電極に供給し、供給された反応ガスに基づく反応により発電を行う燃料電池及びその燃料電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、イオンを通す性質を持つ電解質を、電子を通す性質を持つ多孔質の電極で挟んだ燃料電池が存在する。この燃料電池の中には、水素又はアルコール等を燃料として発電するものが存在する。このような燃料電池のうち、例えば、水素を燃料として用いる燃料電池では、一方の電極に水素を含む第1の反応ガスを供給し、他方の電極に酸素を含む第2の反応ガスを供給し、第1の反応ガスに含まれている水素と第2の反応ガスに含まれている酸素とに基づく反応により発電が行われる。
【0003】
燃料電池においては、反応を促す触媒として白金を用いた反応層を形成している場合が多い。この反応層は、ガス拡散層を構成するカーボン上に塩化白金酸溶液、或いは、白金微粒子を担持した白金担持カーボンを分散させた溶液を吹き付けスプレーを用いて噴霧等することにより形成されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−298860号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、携帯機器等にも用いることができる小型燃料電池の開発が行われている。このような小型の燃料電池においては、小型でありながらも携帯機器を作動させるのに十分な電力を発生することが必要となり、発電効率の向上が望まれている。燃料電池の発電効率を向上させるためには、供給された反応ガスの反応効率を向上させること、及び、反応により発生した電子を集める効率を向上させること又は反応に使われる電子の提供効率を向上させることが必要になる。
【0006】
この発明の課題は、発電効率を向上させた燃料電池及び該燃料電池の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る燃料電池は、第1の反応ガスを供給するための第1のガス流路が形成された第1の基板と、前記第1の基板側に形成された第1のガス拡散層と、前記第1の基板側に形成された第1の反応層と、前記第1の基板側に形成された第1の集電層と、第2の反応ガスを供給するための第2のガス流路が形成された第2の基板と、前記第2の基板側に形成された第2のガス拡散層と、前記第2の基板側に形成された第2の反応層と、前記第2の基板側に形成された第2の集電層と、前記第1の集電層と前記第2の集電層との間に形成された電解質膜とを備える燃料電池であって、前記第1の集電層及び前記第2の集電層の内の少なくとも何れか一方が、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質により形成されていることを特徴とする。
【0008】
この燃料電池によれば、第1の集電層及び第2の集電層の内の少なくとも何れか一方が、第1の反応層及び第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質、例えば、白金微粒子により形成されている。従って、ガス流路を介して供給された反応ガスを効率的に反応させることができると共に、反応により発生した電子を効率的に集めること又は反応に使われる電子を効率的に供給することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0009】
また、この発明に係る燃料電池は、前記第1の集電層が前記第1の反応層と前記電解質膜との間に形成され、前記第2の集電層が前記第2の反応層と前記電解質膜との間に形成されることを特徴とする。この発明に係る燃料電池によれば、反応層に用いられる触媒を構成する物質、例えば、白金微粒子により形成された集電層が反応層と電解質膜との間に形成される。そのため、集電層が反応層としても機能し、反応ガスの反応効率を向上させることができる。
【0010】
また、この発明に係る燃料電池は、前記第1の集電層及び前記第2の集電層が、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質が鎖状に連結した形状に形成されることを特徴とする。この発明に係る燃料電池によれば、例えば、白金微粒子が鎖状に連結した形状に集電層が形成されているため、触媒として機能する白金微粒子の表面積が広く効率的に反応が行われると共に、反応により発生した電子を効率的に集めること又は反応に使われる電子を効率的に供給することができる。
【0011】
また、この発明に係る燃料電池の製造方法は、第1の反応ガスを供給するための第1のガス流路を、第1の基板に形成する第1のガス流路形成工程と、第1のガス拡散層を形成する第1のガス拡散層形成工程と、第1の反応層を形成する第1の反応層形成工程と、第1の集電層を形成する第1の集電層形成工程と、電解質膜を形成する電解質膜形成工程と、第2の反応層を形成する第2の反応層形成工程と、第2の集電層を形成する第2の集電層形成工程と、第2のガス拡散層を形成する第2のガス拡散層形成工程と、第2の反応ガスを供給するための第2のガス流路を、第2の基板に形成する第2のガス流路形成工程とを含む燃料電池の製造方法において、前記第1の集電層形成工程及び前記第2の集電層形成工程の内の少なくとも何れか一方は、吐出装置を用いて、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質により集電層を形成することを特徴とする。
【0012】
この発明に係る燃料電池の製造方法によれば、第1の集電層形成工程及び第2の集電層形成工程の内の少なくとも何れか一方は、吐出装置を用いて、第1の反応層及び第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質により集電層を形成している。従って、吐出装置を用いることにより、反応層に用いられる触媒を構成する物質により所望形状の集電層を容易に形成することができ、発電効率を向上させた燃料電池を容易に製造することができる。
【0013】
また、この発明に係る燃料電池の製造方法は、前記第1の集電層形成工程におて、前記第1の反応層と前記電解質膜との間に前記第1の集電層を形成し、前記第2の集電層形成工程において、前記第2の反応層と前記電解質膜との間に前記第2の集電層を形成することを特徴とする。この発明に係る燃料電池の製造方法によれば、反応層と電解質膜との間に、例えば、白金微粒子からなる集電層が形成されているため、反応効率を向上させた燃料電池を製造することができる。
【0014】
また、この発明に係る燃料電池の製造方法は、前記第1の集電層形成工程において、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質が鎖状に連結した形状に第1の集電層を形成し、前記第2の集電層形成工程において、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質が鎖状に連結した形状に第2の集電層を形成することを特徴とする。この発明に係る燃料電池の製造方法によれば、例えば、白金微粒子が鎖状に連結した形状に集電層を形成しているため、反応効率が高い燃料電池を容易に製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態に係る燃料電池の製造方法について説明する。図1は、実施の形態に係る燃料電池の製造工程を実行する燃料電池製造ラインの構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、燃料電池製造ラインは、各工程においてそれぞれ用いられる吐出装置20a〜20m、吐出装置20a〜20kを接続するベルトコンベアBC1、吐出装置20l、20mを接続するベルトコンベアBC2、ベルトコンベアBC1、BC2を駆動させる駆動装置58、燃料電池の組み立てを行う組立装置60及び燃料電池製造ライン全体の制御を行う制御装置56により構成されている。吐出装置20a〜20kは、ベルトコンベアBC1に沿って所定の間隔で一列に配置されており、吐出装置20l、20mはベルトコンベアBC2に沿って所定の間隔で一列に配置されている。
【0017】
制御装置56は、各吐出装置20a〜20m、駆動装置58及び組立装置60に接続されている。制御装置56からの制御信号に基づいてベルトコンベアBC1を駆動させ、燃料電池の基板(以下、単に「基板」とする。)を各吐出装置20a〜20kに搬送して各吐出装置20a〜20kにおける処理を行う。同様に、制御装置56からの制御信号に基づいてベルトコンベアBC2を駆動させ、基板を吐出装置20l、20mに搬送してこの吐出装置20l、20mにおける処理を行う。また、組立装置60においては、制御装置56からの制御信号に基づいてベルトコンベアBC1及びベルトコンベアBC2を介して搬入された基板により燃料電池の組み立てを行う。
【0018】
この燃料電池製造ラインにおいては、吐出装置20aにおいて基板に対してガス流路を形成するためのレジスト溶液を塗布する処理が行われ、吐出装置20bにおいて、ガス流路を形成するためのエッチング処理が行われ、吐出装置20cにおいてガス流路がガス拡散層により塞がれれることを防止するための支持用カーボンを塗布する処理が行われる。また、吐出装置20dにおいて、ガス拡散層を形成する処理が行われ、吐出装置20eにおいて、反応層を形成する処理が行われ、吐出装置20fにおいて、集電層を形成する処理が行われ、吐出装置20gにおいて電解質膜を形成する処理が行われる。更に、吐出装置20hにおいて、集電層を形成する処理が行われ、吐出装置20iにおいて、反応層を形成する処理が行われ、吐出装置20jにおいて、ガス拡散層を形成する処理が行われ、吐出装置20kにおいて、支持用カーボンを塗布する処理が行われる。
【0019】
また、吐出装置20lにおいて、基板に対してガス流路を形成するためのレジスト溶液を塗布する処理が行われ、吐出装置20mにおいて、ガス流路を形成するためのエッチング処理が行われる。なお、吐出装置20a〜20kにおいて第1の基板に対して処理を施す場合には、吐出装置20l、20mにおいては、第2の基板に対してガス流路を形成する処理が施される。
【0020】
図2は、この発明の実施の形態に係る燃料電池を製造する際に用いられるインクジェット式の吐出装置20aの構成の概略を示す図である。この吐出装置20aは、基板上に吐出物を吐出するインクジェットヘッド22を備えている。このインクジェットヘッド22は、ヘッド本体24及び吐出物を吐出する多数のノズルが形成されているノズル形成面26を備えている。このノズル形成面26のノズルから吐出物、即ち、反応ガスを供給するためのガス流路を基板上に形成する際に、基板に塗布されるレジスト溶液が吐出される。また、吐出装置20aは、基板を載置するテーブル28を備えている。このテーブル28は、所定の方向、例えば、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能に設置されている。また、テーブル28は、図中矢印で示すようにX軸に沿った方向に移動することにより、ベルトコンベアBC1により搬送される基板をテーブル28上に載置して吐出装置20a内に取り込む。
【0021】
また、インクジェットヘッド22には、ノズル形成面26に形成されているノズルから吐出される吐出物であるレジスト溶液を収容しているタンク30が接続されている。即ち、タンク30とインクジェットヘッド22とは、吐出物を搬送する吐出物搬送管32によって接続されている。また、この吐出物搬送管32は、吐出物搬送管32の流路内の帯電を防止するための吐出物流路部アース継手32aとヘッド部気泡排除弁32bとを備えている。このヘッド部気泡排除弁32bは、後述する吸引キャップ40により、インクジェットヘッド22内の吐出物を吸引する場合に用いられる。即ち、吸引キャップ40によりインクジェットヘッド22内の吐出物を吸引するときは、このヘッド部気泡排除弁32bを閉状態にし、タンク30側から吐出物が流入しない状態にする。そして、吸引キャップ40で吸引すると、吸引される吐出物の流速が上がり、インクジェットヘッド22内の気泡が速やかに排出されることになる。
【0022】
また、吐出装置20aは、タンク30内に収容されている吐出物の収容量、即ち、タンク30内に収容されているレジスト溶液の液面34aの高さを制御するための液面制御センサ36を備えている。この液面制御センサ36は、インクジェットヘッド22が備えるノズル形成面26の先端部26aとタンク30内の液面34aとの高さの差h(以下、水頭値という)を所定の範囲内に保つ制御を行う。液面34aの高さを制御することで、タンク30内の吐出物34が所定の範囲内の圧力でインクジェットヘッド22に送られることになる。そして、所定の範囲内の圧力で吐出物34を送ることで、インクジェットヘッド22から安定的に吐出物34を吐出することができる。
【0023】
また、インクジェットヘッド22のノズル形成面26に対向して一定の距離を隔てて、インクジェットヘッド22のノズル内の吐出物を吸引する吸引キャップ40が配置されている。この吸引キャップ40は、図2中に矢印で示すZ軸に沿った方向に移動可能に構成されており、ノズル形成面26に形成された複数のノズルを囲むようにノズル形成面26に密着し、ノズル形成面26との間に密閉空間を形成してノズルを外気から遮断できる構成となっている。なお、吸引キャップ40によるインクジェットヘッド22のノズル内の吐出物の吸引は、インクジェットヘッド22が吐出物34を吐出をしていない状態、例えば、インクジェットヘッド22が、退避位置等に退避しており、テーブル28が破線で示す位置に退避しているときに行われる。
【0024】
また、この吸引キャップ40の下方には、流路が設けられており、この流路には、吸引バルブ42、吸引異常を検出する吸引圧検出センサ44及びチューブポンプ等からなる吸引ポンプ46が配置されている。また、この吸引ポンプ46等で吸引され、流路を搬送されてきた吐出物34は、廃液タンク48内に収容される。
【0025】
なお、吐出装置20b〜20mの構成は、吐出装置20aと同様の構成であるため説明を省略するが、以下の説明において、吐出装置20b〜20mの各構成には、吐出装置20aの説明において各構成に用いたのと同一の符号を用いて説明を行う。なお、吐出装置20b〜20mにそれぞれ備えられているタンク30には、各吐出装置20b〜20mにおいて行われる所定の処理に必要な吐出物が収容されている。例えば、吐出装置20b及び吐出装置20mのタンク30には、ガス流路を形成する際に行われるエッチング用の吐出物が、吐出装置20c及び吐出装置20kのタンク30には、支持用カーボンを形成するための吐出物がそれぞれ収容されている。また、吐出装置20d及び吐出装置20jのタンク30には、ガス拡散層を形成するための吐出物がそれぞれ収容されている。また、吐出装置20e及び吐出装置20iのタンク30には、反応層を形成するための吐出物が、吐出装置20f及び吐出装置20hのタンク30には、集電層を形成するための吐出物が、吐出装置20gのタンク30には、電解質膜を形成するための吐出物がそれぞれ収容されている。また、吐出装置20lのタンク30には、吐出装置20aのタンク30に収容されている基板に対してガス流路を形成するための吐出物と同様の吐出物が収容されている。
【0026】
次に、図3のフローチャート及び図面を参照して、実施の形態に係る吐出装置20a〜20mを用いた燃料電池の製造方法について説明する。
【0027】
まず、基板に反応ガスを供給するためのガス流路を形成する(ステップS10)。即ち、まず、図4(a)に示すように矩形平板形状であって、例えば、シリコン素材の基板(第1の基板)2をベルトコンベアBC1により吐出装置20aまで搬送する。ベルトコンベアBC1により搬送された基板2は、吐出装置20aのテーブル28上に載置され、吐出装置20a内に取り込まれる。吐出装置20aにおいては、ノズル形成面26のノズルを介してタンク30内に収容されているレジスト溶液を吐出し、テーブル28上に載置されている基板2の上面の所定の位置に塗布する。ここで、レジスト溶液は、図4(b)に示すように、図中、手前方向から奥に向かって所定の間隔をおいて直線状に塗布される。即ち、基板2において、例えば、水素を含有する第1の反応ガスを供給するためのガス流路(第1のガス流路)を形成する部分を残して、それ以外の部分に対してのみレジスト溶液が塗布される。
【0028】
次に、所定の位置にレジスト溶液が塗布された基板2(図4(b)参照)は、ベルトコンベアBC1により吐出装置20bまで搬送され、吐出装置20bのテーブル28上に載置されて吐出装置20b内に取り込まれる。吐出装置20bにおいては、タンク30内に収容されているガス流路を形成するために行われるエッチング用の溶液、例えば、フッ酸水溶液をノズル形成面26のノズルを介して吐出し、テーブル28上に載置されている基板2の上面の全体に塗布する。
【0029】
ここで、基板2には、ガス流路を形成する部分以外の部分にレジスト溶液が塗布されているため、レジスト溶液が塗布されていない部分がフッ酸水溶液によりエッチングされ、図5(a)に示すように、ガス流路が形成される。即ち、基板2の一方の側面から他方の側面に延びる断面コ字形状のガス流路が形成される。また、図5(a)に示すようにガス流路が形成された基板2は、図示しない洗浄装置においてレジストの洗浄が行われ、レジストが取り除かれる(図5(b)参照)。そして、ガス流路が形成された基板2は、テーブル28からベルトコンベアBC1へと移され、ベルトコンベアBC1により吐出装置20cへと搬送される。
【0030】
次に、ステップS10において基板2に形成されたガス流路が、ガス拡散層により塞がれるのを防止すべく、ガス拡散層を支持する支持用カーボンをガス流路内に塗布する(ステップS11)。即ち、まず、ベルトコンベアBC1により吐出装置20cまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20c内に取り込む。吐出装置20cにおいては、タンク30内に収容されている支持用カーボン4をノズル形成面26のノズルを介して吐出し、基板2に形成されているガス流路内に塗布する。ここで、支持用カーボン4として、所定の大きさ、例えば、直径1〜5ミクロン程度の粒子径の多孔質カーボンが用いられる。即ち、ガス拡散層によりガス流路が塞がれることを防止すると共に、反応ガスがガス流路内を確実に流れることができるように、支持用カーボン4として所定の大きさの多孔質カーボンが用いられる。
【0031】
図6は、支持用カーボン4が形成された基板2の端面図である。この図6に示すように、支持用カーボン4がガス流路内に形成されることにより、基板2上に形成されるガス拡散層のガス流路内への落下が防止される。なお、支持用カーボン4が形成された基板2は、テーブル28からベルトコンベアBC1へと移され、ベルトコンベアBC1により吐出装置20dへと搬送される。
【0032】
次に、基板2上に、ガス流路を介して供給される反応ガスを拡散させるためのガス拡散層を形成する(ステップS12)。即ち、まず、ベルトコンベアBC1により吐出装置20dまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20d内に取り込む。吐出装置20dにおいては、タンク30内に収容されているガス拡散層6を形成するための材料、例えば、カーボン粒子を基板2上にノズル形成面26のノズルを介して吐出し、ガス流路を介して供給された反応ガス(第1の反応ガス)を拡散させるためのガス拡散層6を形成する。
【0033】
図7は、ガス拡散層6が形成された基板2の端面図である。この図7に示すように、基板2上にカーボン粒子を吐出し、反応ガスを拡散させるためのガス拡散層6が形成される。ここで、ガス拡散層6を構成するカーボン粒子としては、ガス流路を介して供給された反応ガスを十分に拡散させることができる程度の大きさであって、かつ、多孔質のカーボンが用いられる。例えば、支持用カーボン4よりも小さく、直径0.1〜1ミクロン程度の粒子径の多孔質カーボンが用いられる。ここで、基板2に形成されたガス流路内には、支持用カーボン4が形成されているため、ガス拡散層6を形成するカーボン粒子がガス流路内の空間を塞ぐことを防止することができる。なお、ガス拡散層6が形成された基板2は、テーブル28からベルトコンベアBC1へと移され、ベルトコンベアBC1により吐出装置20eへと搬送される。
【0034】
次に、ステップS12において形成されたガス拡散層6の上に、基板2に形成されたガス流路を介して供給される反応ガスが反応する反応層(第1の反応層)を形成する(ステップS13)。即ち、ベルトコンベアBC1により吐出装置20eまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20e内に取り込む。吐出装置20eにおいては、タンク30内に収容されている反応層を形成する材料、例えば、粒子径が数nm〜数十nmの触媒用の白金微粒子を担持したカーボン粒子(白金担持カーボン)をガス拡散層6の上に吐出して反応層8を形成する。ここで、白金微粒子を担持している白金担持カーボンは、ガス拡散層6を構成するカーボン粒子と同様のカーボン粒子、即ち、同様の粒径であって、かつ、多孔質のカーボンが用いられる。なお、溶媒に分散剤を添加することにより白金微粒子を分散させてガス拡散層6上に塗布した後に、例えば、窒素雰囲気中で200℃に基板2を加熱することにより、分散剤を除去し、反応層8を形成するようにしてもよい。この場合には、ガス拡散層6を構成するカーボン粒子の表面上に触媒として白金微粒子を付着させることによって反応層8が形成される。
【0035】
図8は、反応層8が形成された基板2の端面図である。この図8に示すように、触媒としての白金微粒子を担持した白金担持カーボンがガス拡散層6上に塗布されることにより反応層8が形成される。なお、図8において、反応層8とガス拡散層6とを容易に識別することができるように、反応層8としては白金微粒子のみを示している。また、以下の図においても反応層は、図8と同様に示すものとする。反応層8が形成された基板2は、テーブル28からベルトコンベアBC1へと移され、ベルコトンベアBC1により吐出装置20fへと搬送される。
【0036】
次に、ステップS13において形成された反応層8の上に、反応ガスが反応することにより発生した電子を集めるための集電層(第1の集電層)を形成する(ステップS14)。即ち、まず、ベルトコンベアBC1により吐出装置20fまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20f内に取り込む。吐出装置20fにおいては、タンク30内に収容されている集電層10を形成する材料、即ち、反応層において用いられる触媒を構成する白金微粒子を分散させた溶剤をノズル形成面26のノズルを介してテーブル28上に載置されている基板2上に吐出する。なお、白金微粒子を分散させた溶剤には、白金微粒子の凝集等を防ぐために分散剤が付与されている。そのため、集電層10を形成した後に、例えば、窒素雰囲気中で200℃に基板2を加熱することにより、分散剤を除去する。
【0037】
図9は、反応層8上に形成された集電層10を説明するための図である。この図9に示すように、白金担持カーボンにより構成される反応層8の上に、白金微粒子が鎖状に連結している網目形状の集電層10が形成されている。即ち、白金微粒子を分散させた溶剤を所定の間隔を空けて反応層8の上に吐出し、溶剤中に分散されている白金微粒子の各々を鎖状に連結させることによって集電層10を形成する。この集電層10は、白金微粒子により構成されているため、反応ガスと白金微粒子とが接する面積が広くなり、ガス流路を介して供給された反応ガスの反応効率を向上させている。また、各々の白金微粒子が鎖状に連結しているため、発生した電子を効率的に集めることができる。なお、白金微粒子が鎖状に連結することによって形成される集電層10は、図9に示すような菱形の網目形状のものに限らず、網目の形状は三角形、正方形又は六角形等、どのような形状であってもよい。また、図中上から下に向かって、又は、図中右方向から左方向に向かって、直線的に白金微粒子が鎖状に連結した集電層10を形成するようにしてもよい。
【0038】
図10は、集電層10が形成された基板2の端面図である。この図10に示すように、集電層10は、反応層8の上に形成されている。ここで、図10において、集電層10を模式的に示す。また、以下の図においても集電層は、図10と同様に示すものとする。なお、集電層10が形成された基板2は、テーブル28からベルトコンベアBC1へと移され、ベルトコンベアBC1により吐出装置20gへと搬送される。
【0039】
次に、ステップS14で形成された集電層10上にイオン交換膜等の電解質膜を形成する(ステップS15)。即ち、まず、ベルトコンベアBC1により吐出装置20gまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20g内に取り込む。吐出装置20gにおいては、タンク30内に収容されている電解質膜を形成する材料、例えば、タングスト燐酸、モリブド燐酸等のセラミックス系固体電解質を所定の粘度に調整した材料を、ノズル形成面26のノズルを介して集電層10上に吐出して電解質膜12を形成する。
【0040】
図11は、電解質膜12が形成された基板2の端面図である。この図11に示すように、集電層10上に所定の厚さを有する電解質膜12が形成される。なお、電解質膜12が形成された基板2は、テーブル28からベルトコンベアBC1へと移され、ベルトコンベアBC1により吐出装置20hへと搬送される。
【0041】
次に、ステップS15において形成された電解質膜12上に集電層(第2の集電層)を形成する(ステップS16)。即ち、ベルトコンベアBC1により吐出装置20hまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20h内に取り込む。吐出装置20hにおいては、吐出装置20fにおいて行われた処理と同様の処理により反応層において用いられる触媒を構成する物質である白金微粒子を吐出し、集電層10´を形成する。
【0042】
図12は、電解質膜12上に集電層10´が形成された基板2の端面図である。この図12に示すように、電解質膜12上に反応層において用いられる触媒を構成する物質である白金微粒子が塗布されることによって、反応層としての機能も有する集電層10´が形成される。
【0043】
次に、ステップS16において形成された集電層10´上に反応層(第2の反応層)を形成する(ステップS17)。即ち、ベルトコンベアBC1により吐出装置20iまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20i内に取り込む。吐出装置20iにおいては、吐出装置20eにおいて行われた処理と同様の処理により白金担持カーボンを吐出し、反応層8´を形成する。
【0044】
図13は、集電層10´上に反応層8´が形成された基板2の端面図である。この図13に示すように、集電層10´上に触媒としての白金微粒子を担持した白金担持カーボンが塗布されることによって、反応層8´が形成される。ここで、反応層8´は、第2の反応ガス、例えば、酸素を含有する反応ガスに基づいて反応する層である。
【0045】
次に、ステップS17において形成された反応層8´上に反応ガス(第2の反応ガス)を拡散させるためのガス拡散層を形成する(ステップS18)。即ち、反応層8´が形成された基板2は、ベルトコンベアBC1により吐出装置20jまで搬送され、吐出装置20jにおいて、吐出装置20dにおいて行われた処理と同様の処理により所定の粒径の多孔質のカーボンが塗布され、ガス拡散層6´が形成される。
【0046】
図14は、反応層8´上にガス拡散層6´が形成された基板2の端面図である。この図14に示すように、反応層8´上に多孔質のカーボンが塗布されることによって、ガス拡散層6´が形成される。
【0047】
次に、ステップS17において形成されたガス拡散層6´上にこのガス拡散層6´を支持するための支持用カーボンを塗布する(ステップS19)。即ち、ベルトコンベアBC1により吐出装置20kまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20k内に取り込み、吐出装置20cにおいて行われた処理と同様の処理により、支持用カーボン4´が塗布される。
【0048】
図15は、ガス拡散層6´上に支持用カーボン4´が形成された基板2の端面図である。この図15に示すように、上述のステップS19の処理により支持用カーボン4´を形成する材料が塗布され、支持用カーボン4´が形成されている。ここで、支持用カーボン4´は、支持用カーボン4と同様に、即ち、基板2に形成されているガス流路に沿って塗布される。
【0049】
次に、ステップS19において支持用カーボンが塗布された基板(第1の基板)上にガス流路が形成された基板(第2の基板)を配置することによって燃料電池を組み立てる(ステップS20)。即ち、組立装置60において、ベルトコンベアBC1を介して搬入された基板2(第1の基板)上にベルトコンベアBC2を介して搬入された基板2´(第2の基板)を配置することにより、燃料電池の組立を行う。ここで、基板2´には、上述のステップS10〜ステップS19における処理とは別に、第2のガス流路が形成されている。即ち、吐出装置20l及び吐出装置20mにおいて、吐出装置20a及び吐出装置20bにより行われる処理と同様の処理により、第2のガス流路が形成されている。従って、基板2に形成されている一方の側面から他方の側面へと延びる断面コ字形状のガス流路と、基板2´に形成されている断面コ字形状のガス流路とが平行になるように基板2´を配置して燃料電池の組立を行い、燃料電池の製造を完了する。
【0050】
図16は、完成した燃料電池の端面図である。この図16に示すように、第2のガス流路が形成された基板2´を支持用カーボン4´が塗布された基板2の所定の位置に配置することによって燃料電池の製造が完了する。即ち、第1の基板に形成された第1のガス流路を介して第1の反応ガスを供給し、第2の基板に形成された第2のガス流路を介して第2の反応ガスを供給する燃料電池の製造が完了する。
【0051】
この実施の形態に係る燃料電池によれば、反応層の上に形成される集電層が、反応層において用いられる触媒を構成する物質である白金微粒子により形成されている。従って、ガス流路を介して供給された反応ガスが、集電層においても反応して電子を発生させるため、反応ガスの反応が効率的に行われる。また、反応ガスが反応することにより発生した電子は、ガス拡散層を形成するカーボン粒子を通過することなく、直ちに集電層において集められるため、効率的に集電することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0052】
また、白金微粒子により形成される集電層を反応層の上に形成しているため、ガス拡散層において拡散された反応ガスと白金微粒子とが接する面積が広くなっており、反応ガスの反応効率を向上させている。また、白金微粒子が鎖状に連結された網目形状の集電層を形成しているため、反応により発生した電子を効率的に集めること又は反応に使われる電子を効率的に供給することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0053】
また、この実施の形態に係る燃料電池の製造方法によれば、インクジェット式の吐出装置を用いて反応層において用いられる触媒を構成する物質である白金微粒子により集電層を形成している。従って、反応ガスの反応効率を向上させ、かつ、反応ガスの流れを妨げることがない所望形状の集電層を、容易に形成することができる。
【0054】
この発明に係る燃料電池によれば、第1の集電層及び第2の集電層の内の少なくとも何れか一方が、反応層において用いられる触媒を構成する物質により形成されている。従って、ガス流路を介して供給された反応ガスが集電層においても反応しているため、反応ガスが効率的に反応している。また、反応ガスが反応することにより発生した電子を効率的に集めること又は反応に使われる電子を共立的に供給することができるため、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0055】
また、この発明に係る燃料電池の製造方法によれば、第1の集電層形成工程及び第2の集電層形成工程の内の少なくとも何れか一方は、吐出装置を用いて、反応層において用いられる触媒を構成する物質により集電層を形成している。即ち、吐出装置を用いることにより、反応ガスの反応を促す触媒を構成する物質を用いて所望形状の集電層を容易に形成することができる。そのため、発電効率の高い燃料電池を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る燃料電池の製造ラインの一例を示す図である。
【図2】実施の形態に係るインクジェット式吐出装置の概略図である。
【図3】実施の形態に係る燃料電池の製造方法のフローチャートである。
【図4】実施の形態に係るガス流路の形成処理を説明する図である。
【図5】実施の形態に係るガス流路の形成処理を説明する図である。
【図6】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図7】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図8】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図9】実施の形態に係る集電層を説明するための図である。
【図10】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図11】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図12】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図13】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図14】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図15】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図16】実施の形態に係る燃料電池の基板の端面図である。
【符号の説明】
2、2´…基板、4、4´…支持用カーボン、6、6´…ガス拡散層、8、8´…反応層、10、10´…集電層、12…電解質膜、20a〜20m…吐出装置、BC1、BC2…ベルトコンベア。
【発明の属する技術分野】
この発明は、異なる種類の反応ガスをそれぞれの電極に供給し、供給された反応ガスに基づく反応により発電を行う燃料電池及びその燃料電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、イオンを通す性質を持つ電解質を、電子を通す性質を持つ多孔質の電極で挟んだ燃料電池が存在する。この燃料電池の中には、水素又はアルコール等を燃料として発電するものが存在する。このような燃料電池のうち、例えば、水素を燃料として用いる燃料電池では、一方の電極に水素を含む第1の反応ガスを供給し、他方の電極に酸素を含む第2の反応ガスを供給し、第1の反応ガスに含まれている水素と第2の反応ガスに含まれている酸素とに基づく反応により発電が行われる。
【0003】
燃料電池においては、反応を促す触媒として白金を用いた反応層を形成している場合が多い。この反応層は、ガス拡散層を構成するカーボン上に塩化白金酸溶液、或いは、白金微粒子を担持した白金担持カーボンを分散させた溶液を吹き付けスプレーを用いて噴霧等することにより形成されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−298860号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、携帯機器等にも用いることができる小型燃料電池の開発が行われている。このような小型の燃料電池においては、小型でありながらも携帯機器を作動させるのに十分な電力を発生することが必要となり、発電効率の向上が望まれている。燃料電池の発電効率を向上させるためには、供給された反応ガスの反応効率を向上させること、及び、反応により発生した電子を集める効率を向上させること又は反応に使われる電子の提供効率を向上させることが必要になる。
【0006】
この発明の課題は、発電効率を向上させた燃料電池及び該燃料電池の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る燃料電池は、第1の反応ガスを供給するための第1のガス流路が形成された第1の基板と、前記第1の基板側に形成された第1のガス拡散層と、前記第1の基板側に形成された第1の反応層と、前記第1の基板側に形成された第1の集電層と、第2の反応ガスを供給するための第2のガス流路が形成された第2の基板と、前記第2の基板側に形成された第2のガス拡散層と、前記第2の基板側に形成された第2の反応層と、前記第2の基板側に形成された第2の集電層と、前記第1の集電層と前記第2の集電層との間に形成された電解質膜とを備える燃料電池であって、前記第1の集電層及び前記第2の集電層の内の少なくとも何れか一方が、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質により形成されていることを特徴とする。
【0008】
この燃料電池によれば、第1の集電層及び第2の集電層の内の少なくとも何れか一方が、第1の反応層及び第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質、例えば、白金微粒子により形成されている。従って、ガス流路を介して供給された反応ガスを効率的に反応させることができると共に、反応により発生した電子を効率的に集めること又は反応に使われる電子を効率的に供給することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0009】
また、この発明に係る燃料電池は、前記第1の集電層が前記第1の反応層と前記電解質膜との間に形成され、前記第2の集電層が前記第2の反応層と前記電解質膜との間に形成されることを特徴とする。この発明に係る燃料電池によれば、反応層に用いられる触媒を構成する物質、例えば、白金微粒子により形成された集電層が反応層と電解質膜との間に形成される。そのため、集電層が反応層としても機能し、反応ガスの反応効率を向上させることができる。
【0010】
また、この発明に係る燃料電池は、前記第1の集電層及び前記第2の集電層が、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質が鎖状に連結した形状に形成されることを特徴とする。この発明に係る燃料電池によれば、例えば、白金微粒子が鎖状に連結した形状に集電層が形成されているため、触媒として機能する白金微粒子の表面積が広く効率的に反応が行われると共に、反応により発生した電子を効率的に集めること又は反応に使われる電子を効率的に供給することができる。
【0011】
また、この発明に係る燃料電池の製造方法は、第1の反応ガスを供給するための第1のガス流路を、第1の基板に形成する第1のガス流路形成工程と、第1のガス拡散層を形成する第1のガス拡散層形成工程と、第1の反応層を形成する第1の反応層形成工程と、第1の集電層を形成する第1の集電層形成工程と、電解質膜を形成する電解質膜形成工程と、第2の反応層を形成する第2の反応層形成工程と、第2の集電層を形成する第2の集電層形成工程と、第2のガス拡散層を形成する第2のガス拡散層形成工程と、第2の反応ガスを供給するための第2のガス流路を、第2の基板に形成する第2のガス流路形成工程とを含む燃料電池の製造方法において、前記第1の集電層形成工程及び前記第2の集電層形成工程の内の少なくとも何れか一方は、吐出装置を用いて、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質により集電層を形成することを特徴とする。
【0012】
この発明に係る燃料電池の製造方法によれば、第1の集電層形成工程及び第2の集電層形成工程の内の少なくとも何れか一方は、吐出装置を用いて、第1の反応層及び第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質により集電層を形成している。従って、吐出装置を用いることにより、反応層に用いられる触媒を構成する物質により所望形状の集電層を容易に形成することができ、発電効率を向上させた燃料電池を容易に製造することができる。
【0013】
また、この発明に係る燃料電池の製造方法は、前記第1の集電層形成工程におて、前記第1の反応層と前記電解質膜との間に前記第1の集電層を形成し、前記第2の集電層形成工程において、前記第2の反応層と前記電解質膜との間に前記第2の集電層を形成することを特徴とする。この発明に係る燃料電池の製造方法によれば、反応層と電解質膜との間に、例えば、白金微粒子からなる集電層が形成されているため、反応効率を向上させた燃料電池を製造することができる。
【0014】
また、この発明に係る燃料電池の製造方法は、前記第1の集電層形成工程において、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質が鎖状に連結した形状に第1の集電層を形成し、前記第2の集電層形成工程において、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質が鎖状に連結した形状に第2の集電層を形成することを特徴とする。この発明に係る燃料電池の製造方法によれば、例えば、白金微粒子が鎖状に連結した形状に集電層を形成しているため、反応効率が高い燃料電池を容易に製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態に係る燃料電池の製造方法について説明する。図1は、実施の形態に係る燃料電池の製造工程を実行する燃料電池製造ラインの構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、燃料電池製造ラインは、各工程においてそれぞれ用いられる吐出装置20a〜20m、吐出装置20a〜20kを接続するベルトコンベアBC1、吐出装置20l、20mを接続するベルトコンベアBC2、ベルトコンベアBC1、BC2を駆動させる駆動装置58、燃料電池の組み立てを行う組立装置60及び燃料電池製造ライン全体の制御を行う制御装置56により構成されている。吐出装置20a〜20kは、ベルトコンベアBC1に沿って所定の間隔で一列に配置されており、吐出装置20l、20mはベルトコンベアBC2に沿って所定の間隔で一列に配置されている。
【0017】
制御装置56は、各吐出装置20a〜20m、駆動装置58及び組立装置60に接続されている。制御装置56からの制御信号に基づいてベルトコンベアBC1を駆動させ、燃料電池の基板(以下、単に「基板」とする。)を各吐出装置20a〜20kに搬送して各吐出装置20a〜20kにおける処理を行う。同様に、制御装置56からの制御信号に基づいてベルトコンベアBC2を駆動させ、基板を吐出装置20l、20mに搬送してこの吐出装置20l、20mにおける処理を行う。また、組立装置60においては、制御装置56からの制御信号に基づいてベルトコンベアBC1及びベルトコンベアBC2を介して搬入された基板により燃料電池の組み立てを行う。
【0018】
この燃料電池製造ラインにおいては、吐出装置20aにおいて基板に対してガス流路を形成するためのレジスト溶液を塗布する処理が行われ、吐出装置20bにおいて、ガス流路を形成するためのエッチング処理が行われ、吐出装置20cにおいてガス流路がガス拡散層により塞がれれることを防止するための支持用カーボンを塗布する処理が行われる。また、吐出装置20dにおいて、ガス拡散層を形成する処理が行われ、吐出装置20eにおいて、反応層を形成する処理が行われ、吐出装置20fにおいて、集電層を形成する処理が行われ、吐出装置20gにおいて電解質膜を形成する処理が行われる。更に、吐出装置20hにおいて、集電層を形成する処理が行われ、吐出装置20iにおいて、反応層を形成する処理が行われ、吐出装置20jにおいて、ガス拡散層を形成する処理が行われ、吐出装置20kにおいて、支持用カーボンを塗布する処理が行われる。
【0019】
また、吐出装置20lにおいて、基板に対してガス流路を形成するためのレジスト溶液を塗布する処理が行われ、吐出装置20mにおいて、ガス流路を形成するためのエッチング処理が行われる。なお、吐出装置20a〜20kにおいて第1の基板に対して処理を施す場合には、吐出装置20l、20mにおいては、第2の基板に対してガス流路を形成する処理が施される。
【0020】
図2は、この発明の実施の形態に係る燃料電池を製造する際に用いられるインクジェット式の吐出装置20aの構成の概略を示す図である。この吐出装置20aは、基板上に吐出物を吐出するインクジェットヘッド22を備えている。このインクジェットヘッド22は、ヘッド本体24及び吐出物を吐出する多数のノズルが形成されているノズル形成面26を備えている。このノズル形成面26のノズルから吐出物、即ち、反応ガスを供給するためのガス流路を基板上に形成する際に、基板に塗布されるレジスト溶液が吐出される。また、吐出装置20aは、基板を載置するテーブル28を備えている。このテーブル28は、所定の方向、例えば、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能に設置されている。また、テーブル28は、図中矢印で示すようにX軸に沿った方向に移動することにより、ベルトコンベアBC1により搬送される基板をテーブル28上に載置して吐出装置20a内に取り込む。
【0021】
また、インクジェットヘッド22には、ノズル形成面26に形成されているノズルから吐出される吐出物であるレジスト溶液を収容しているタンク30が接続されている。即ち、タンク30とインクジェットヘッド22とは、吐出物を搬送する吐出物搬送管32によって接続されている。また、この吐出物搬送管32は、吐出物搬送管32の流路内の帯電を防止するための吐出物流路部アース継手32aとヘッド部気泡排除弁32bとを備えている。このヘッド部気泡排除弁32bは、後述する吸引キャップ40により、インクジェットヘッド22内の吐出物を吸引する場合に用いられる。即ち、吸引キャップ40によりインクジェットヘッド22内の吐出物を吸引するときは、このヘッド部気泡排除弁32bを閉状態にし、タンク30側から吐出物が流入しない状態にする。そして、吸引キャップ40で吸引すると、吸引される吐出物の流速が上がり、インクジェットヘッド22内の気泡が速やかに排出されることになる。
【0022】
また、吐出装置20aは、タンク30内に収容されている吐出物の収容量、即ち、タンク30内に収容されているレジスト溶液の液面34aの高さを制御するための液面制御センサ36を備えている。この液面制御センサ36は、インクジェットヘッド22が備えるノズル形成面26の先端部26aとタンク30内の液面34aとの高さの差h(以下、水頭値という)を所定の範囲内に保つ制御を行う。液面34aの高さを制御することで、タンク30内の吐出物34が所定の範囲内の圧力でインクジェットヘッド22に送られることになる。そして、所定の範囲内の圧力で吐出物34を送ることで、インクジェットヘッド22から安定的に吐出物34を吐出することができる。
【0023】
また、インクジェットヘッド22のノズル形成面26に対向して一定の距離を隔てて、インクジェットヘッド22のノズル内の吐出物を吸引する吸引キャップ40が配置されている。この吸引キャップ40は、図2中に矢印で示すZ軸に沿った方向に移動可能に構成されており、ノズル形成面26に形成された複数のノズルを囲むようにノズル形成面26に密着し、ノズル形成面26との間に密閉空間を形成してノズルを外気から遮断できる構成となっている。なお、吸引キャップ40によるインクジェットヘッド22のノズル内の吐出物の吸引は、インクジェットヘッド22が吐出物34を吐出をしていない状態、例えば、インクジェットヘッド22が、退避位置等に退避しており、テーブル28が破線で示す位置に退避しているときに行われる。
【0024】
また、この吸引キャップ40の下方には、流路が設けられており、この流路には、吸引バルブ42、吸引異常を検出する吸引圧検出センサ44及びチューブポンプ等からなる吸引ポンプ46が配置されている。また、この吸引ポンプ46等で吸引され、流路を搬送されてきた吐出物34は、廃液タンク48内に収容される。
【0025】
なお、吐出装置20b〜20mの構成は、吐出装置20aと同様の構成であるため説明を省略するが、以下の説明において、吐出装置20b〜20mの各構成には、吐出装置20aの説明において各構成に用いたのと同一の符号を用いて説明を行う。なお、吐出装置20b〜20mにそれぞれ備えられているタンク30には、各吐出装置20b〜20mにおいて行われる所定の処理に必要な吐出物が収容されている。例えば、吐出装置20b及び吐出装置20mのタンク30には、ガス流路を形成する際に行われるエッチング用の吐出物が、吐出装置20c及び吐出装置20kのタンク30には、支持用カーボンを形成するための吐出物がそれぞれ収容されている。また、吐出装置20d及び吐出装置20jのタンク30には、ガス拡散層を形成するための吐出物がそれぞれ収容されている。また、吐出装置20e及び吐出装置20iのタンク30には、反応層を形成するための吐出物が、吐出装置20f及び吐出装置20hのタンク30には、集電層を形成するための吐出物が、吐出装置20gのタンク30には、電解質膜を形成するための吐出物がそれぞれ収容されている。また、吐出装置20lのタンク30には、吐出装置20aのタンク30に収容されている基板に対してガス流路を形成するための吐出物と同様の吐出物が収容されている。
【0026】
次に、図3のフローチャート及び図面を参照して、実施の形態に係る吐出装置20a〜20mを用いた燃料電池の製造方法について説明する。
【0027】
まず、基板に反応ガスを供給するためのガス流路を形成する(ステップS10)。即ち、まず、図4(a)に示すように矩形平板形状であって、例えば、シリコン素材の基板(第1の基板)2をベルトコンベアBC1により吐出装置20aまで搬送する。ベルトコンベアBC1により搬送された基板2は、吐出装置20aのテーブル28上に載置され、吐出装置20a内に取り込まれる。吐出装置20aにおいては、ノズル形成面26のノズルを介してタンク30内に収容されているレジスト溶液を吐出し、テーブル28上に載置されている基板2の上面の所定の位置に塗布する。ここで、レジスト溶液は、図4(b)に示すように、図中、手前方向から奥に向かって所定の間隔をおいて直線状に塗布される。即ち、基板2において、例えば、水素を含有する第1の反応ガスを供給するためのガス流路(第1のガス流路)を形成する部分を残して、それ以外の部分に対してのみレジスト溶液が塗布される。
【0028】
次に、所定の位置にレジスト溶液が塗布された基板2(図4(b)参照)は、ベルトコンベアBC1により吐出装置20bまで搬送され、吐出装置20bのテーブル28上に載置されて吐出装置20b内に取り込まれる。吐出装置20bにおいては、タンク30内に収容されているガス流路を形成するために行われるエッチング用の溶液、例えば、フッ酸水溶液をノズル形成面26のノズルを介して吐出し、テーブル28上に載置されている基板2の上面の全体に塗布する。
【0029】
ここで、基板2には、ガス流路を形成する部分以外の部分にレジスト溶液が塗布されているため、レジスト溶液が塗布されていない部分がフッ酸水溶液によりエッチングされ、図5(a)に示すように、ガス流路が形成される。即ち、基板2の一方の側面から他方の側面に延びる断面コ字形状のガス流路が形成される。また、図5(a)に示すようにガス流路が形成された基板2は、図示しない洗浄装置においてレジストの洗浄が行われ、レジストが取り除かれる(図5(b)参照)。そして、ガス流路が形成された基板2は、テーブル28からベルトコンベアBC1へと移され、ベルトコンベアBC1により吐出装置20cへと搬送される。
【0030】
次に、ステップS10において基板2に形成されたガス流路が、ガス拡散層により塞がれるのを防止すべく、ガス拡散層を支持する支持用カーボンをガス流路内に塗布する(ステップS11)。即ち、まず、ベルトコンベアBC1により吐出装置20cまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20c内に取り込む。吐出装置20cにおいては、タンク30内に収容されている支持用カーボン4をノズル形成面26のノズルを介して吐出し、基板2に形成されているガス流路内に塗布する。ここで、支持用カーボン4として、所定の大きさ、例えば、直径1〜5ミクロン程度の粒子径の多孔質カーボンが用いられる。即ち、ガス拡散層によりガス流路が塞がれることを防止すると共に、反応ガスがガス流路内を確実に流れることができるように、支持用カーボン4として所定の大きさの多孔質カーボンが用いられる。
【0031】
図6は、支持用カーボン4が形成された基板2の端面図である。この図6に示すように、支持用カーボン4がガス流路内に形成されることにより、基板2上に形成されるガス拡散層のガス流路内への落下が防止される。なお、支持用カーボン4が形成された基板2は、テーブル28からベルトコンベアBC1へと移され、ベルトコンベアBC1により吐出装置20dへと搬送される。
【0032】
次に、基板2上に、ガス流路を介して供給される反応ガスを拡散させるためのガス拡散層を形成する(ステップS12)。即ち、まず、ベルトコンベアBC1により吐出装置20dまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20d内に取り込む。吐出装置20dにおいては、タンク30内に収容されているガス拡散層6を形成するための材料、例えば、カーボン粒子を基板2上にノズル形成面26のノズルを介して吐出し、ガス流路を介して供給された反応ガス(第1の反応ガス)を拡散させるためのガス拡散層6を形成する。
【0033】
図7は、ガス拡散層6が形成された基板2の端面図である。この図7に示すように、基板2上にカーボン粒子を吐出し、反応ガスを拡散させるためのガス拡散層6が形成される。ここで、ガス拡散層6を構成するカーボン粒子としては、ガス流路を介して供給された反応ガスを十分に拡散させることができる程度の大きさであって、かつ、多孔質のカーボンが用いられる。例えば、支持用カーボン4よりも小さく、直径0.1〜1ミクロン程度の粒子径の多孔質カーボンが用いられる。ここで、基板2に形成されたガス流路内には、支持用カーボン4が形成されているため、ガス拡散層6を形成するカーボン粒子がガス流路内の空間を塞ぐことを防止することができる。なお、ガス拡散層6が形成された基板2は、テーブル28からベルトコンベアBC1へと移され、ベルトコンベアBC1により吐出装置20eへと搬送される。
【0034】
次に、ステップS12において形成されたガス拡散層6の上に、基板2に形成されたガス流路を介して供給される反応ガスが反応する反応層(第1の反応層)を形成する(ステップS13)。即ち、ベルトコンベアBC1により吐出装置20eまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20e内に取り込む。吐出装置20eにおいては、タンク30内に収容されている反応層を形成する材料、例えば、粒子径が数nm〜数十nmの触媒用の白金微粒子を担持したカーボン粒子(白金担持カーボン)をガス拡散層6の上に吐出して反応層8を形成する。ここで、白金微粒子を担持している白金担持カーボンは、ガス拡散層6を構成するカーボン粒子と同様のカーボン粒子、即ち、同様の粒径であって、かつ、多孔質のカーボンが用いられる。なお、溶媒に分散剤を添加することにより白金微粒子を分散させてガス拡散層6上に塗布した後に、例えば、窒素雰囲気中で200℃に基板2を加熱することにより、分散剤を除去し、反応層8を形成するようにしてもよい。この場合には、ガス拡散層6を構成するカーボン粒子の表面上に触媒として白金微粒子を付着させることによって反応層8が形成される。
【0035】
図8は、反応層8が形成された基板2の端面図である。この図8に示すように、触媒としての白金微粒子を担持した白金担持カーボンがガス拡散層6上に塗布されることにより反応層8が形成される。なお、図8において、反応層8とガス拡散層6とを容易に識別することができるように、反応層8としては白金微粒子のみを示している。また、以下の図においても反応層は、図8と同様に示すものとする。反応層8が形成された基板2は、テーブル28からベルトコンベアBC1へと移され、ベルコトンベアBC1により吐出装置20fへと搬送される。
【0036】
次に、ステップS13において形成された反応層8の上に、反応ガスが反応することにより発生した電子を集めるための集電層(第1の集電層)を形成する(ステップS14)。即ち、まず、ベルトコンベアBC1により吐出装置20fまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20f内に取り込む。吐出装置20fにおいては、タンク30内に収容されている集電層10を形成する材料、即ち、反応層において用いられる触媒を構成する白金微粒子を分散させた溶剤をノズル形成面26のノズルを介してテーブル28上に載置されている基板2上に吐出する。なお、白金微粒子を分散させた溶剤には、白金微粒子の凝集等を防ぐために分散剤が付与されている。そのため、集電層10を形成した後に、例えば、窒素雰囲気中で200℃に基板2を加熱することにより、分散剤を除去する。
【0037】
図9は、反応層8上に形成された集電層10を説明するための図である。この図9に示すように、白金担持カーボンにより構成される反応層8の上に、白金微粒子が鎖状に連結している網目形状の集電層10が形成されている。即ち、白金微粒子を分散させた溶剤を所定の間隔を空けて反応層8の上に吐出し、溶剤中に分散されている白金微粒子の各々を鎖状に連結させることによって集電層10を形成する。この集電層10は、白金微粒子により構成されているため、反応ガスと白金微粒子とが接する面積が広くなり、ガス流路を介して供給された反応ガスの反応効率を向上させている。また、各々の白金微粒子が鎖状に連結しているため、発生した電子を効率的に集めることができる。なお、白金微粒子が鎖状に連結することによって形成される集電層10は、図9に示すような菱形の網目形状のものに限らず、網目の形状は三角形、正方形又は六角形等、どのような形状であってもよい。また、図中上から下に向かって、又は、図中右方向から左方向に向かって、直線的に白金微粒子が鎖状に連結した集電層10を形成するようにしてもよい。
【0038】
図10は、集電層10が形成された基板2の端面図である。この図10に示すように、集電層10は、反応層8の上に形成されている。ここで、図10において、集電層10を模式的に示す。また、以下の図においても集電層は、図10と同様に示すものとする。なお、集電層10が形成された基板2は、テーブル28からベルトコンベアBC1へと移され、ベルトコンベアBC1により吐出装置20gへと搬送される。
【0039】
次に、ステップS14で形成された集電層10上にイオン交換膜等の電解質膜を形成する(ステップS15)。即ち、まず、ベルトコンベアBC1により吐出装置20gまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20g内に取り込む。吐出装置20gにおいては、タンク30内に収容されている電解質膜を形成する材料、例えば、タングスト燐酸、モリブド燐酸等のセラミックス系固体電解質を所定の粘度に調整した材料を、ノズル形成面26のノズルを介して集電層10上に吐出して電解質膜12を形成する。
【0040】
図11は、電解質膜12が形成された基板2の端面図である。この図11に示すように、集電層10上に所定の厚さを有する電解質膜12が形成される。なお、電解質膜12が形成された基板2は、テーブル28からベルトコンベアBC1へと移され、ベルトコンベアBC1により吐出装置20hへと搬送される。
【0041】
次に、ステップS15において形成された電解質膜12上に集電層(第2の集電層)を形成する(ステップS16)。即ち、ベルトコンベアBC1により吐出装置20hまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20h内に取り込む。吐出装置20hにおいては、吐出装置20fにおいて行われた処理と同様の処理により反応層において用いられる触媒を構成する物質である白金微粒子を吐出し、集電層10´を形成する。
【0042】
図12は、電解質膜12上に集電層10´が形成された基板2の端面図である。この図12に示すように、電解質膜12上に反応層において用いられる触媒を構成する物質である白金微粒子が塗布されることによって、反応層としての機能も有する集電層10´が形成される。
【0043】
次に、ステップS16において形成された集電層10´上に反応層(第2の反応層)を形成する(ステップS17)。即ち、ベルトコンベアBC1により吐出装置20iまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20i内に取り込む。吐出装置20iにおいては、吐出装置20eにおいて行われた処理と同様の処理により白金担持カーボンを吐出し、反応層8´を形成する。
【0044】
図13は、集電層10´上に反応層8´が形成された基板2の端面図である。この図13に示すように、集電層10´上に触媒としての白金微粒子を担持した白金担持カーボンが塗布されることによって、反応層8´が形成される。ここで、反応層8´は、第2の反応ガス、例えば、酸素を含有する反応ガスに基づいて反応する層である。
【0045】
次に、ステップS17において形成された反応層8´上に反応ガス(第2の反応ガス)を拡散させるためのガス拡散層を形成する(ステップS18)。即ち、反応層8´が形成された基板2は、ベルトコンベアBC1により吐出装置20jまで搬送され、吐出装置20jにおいて、吐出装置20dにおいて行われた処理と同様の処理により所定の粒径の多孔質のカーボンが塗布され、ガス拡散層6´が形成される。
【0046】
図14は、反応層8´上にガス拡散層6´が形成された基板2の端面図である。この図14に示すように、反応層8´上に多孔質のカーボンが塗布されることによって、ガス拡散層6´が形成される。
【0047】
次に、ステップS17において形成されたガス拡散層6´上にこのガス拡散層6´を支持するための支持用カーボンを塗布する(ステップS19)。即ち、ベルトコンベアBC1により吐出装置20kまで搬送された基板2を、テーブル28上に載置して吐出装置20k内に取り込み、吐出装置20cにおいて行われた処理と同様の処理により、支持用カーボン4´が塗布される。
【0048】
図15は、ガス拡散層6´上に支持用カーボン4´が形成された基板2の端面図である。この図15に示すように、上述のステップS19の処理により支持用カーボン4´を形成する材料が塗布され、支持用カーボン4´が形成されている。ここで、支持用カーボン4´は、支持用カーボン4と同様に、即ち、基板2に形成されているガス流路に沿って塗布される。
【0049】
次に、ステップS19において支持用カーボンが塗布された基板(第1の基板)上にガス流路が形成された基板(第2の基板)を配置することによって燃料電池を組み立てる(ステップS20)。即ち、組立装置60において、ベルトコンベアBC1を介して搬入された基板2(第1の基板)上にベルトコンベアBC2を介して搬入された基板2´(第2の基板)を配置することにより、燃料電池の組立を行う。ここで、基板2´には、上述のステップS10〜ステップS19における処理とは別に、第2のガス流路が形成されている。即ち、吐出装置20l及び吐出装置20mにおいて、吐出装置20a及び吐出装置20bにより行われる処理と同様の処理により、第2のガス流路が形成されている。従って、基板2に形成されている一方の側面から他方の側面へと延びる断面コ字形状のガス流路と、基板2´に形成されている断面コ字形状のガス流路とが平行になるように基板2´を配置して燃料電池の組立を行い、燃料電池の製造を完了する。
【0050】
図16は、完成した燃料電池の端面図である。この図16に示すように、第2のガス流路が形成された基板2´を支持用カーボン4´が塗布された基板2の所定の位置に配置することによって燃料電池の製造が完了する。即ち、第1の基板に形成された第1のガス流路を介して第1の反応ガスを供給し、第2の基板に形成された第2のガス流路を介して第2の反応ガスを供給する燃料電池の製造が完了する。
【0051】
この実施の形態に係る燃料電池によれば、反応層の上に形成される集電層が、反応層において用いられる触媒を構成する物質である白金微粒子により形成されている。従って、ガス流路を介して供給された反応ガスが、集電層においても反応して電子を発生させるため、反応ガスの反応が効率的に行われる。また、反応ガスが反応することにより発生した電子は、ガス拡散層を形成するカーボン粒子を通過することなく、直ちに集電層において集められるため、効率的に集電することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0052】
また、白金微粒子により形成される集電層を反応層の上に形成しているため、ガス拡散層において拡散された反応ガスと白金微粒子とが接する面積が広くなっており、反応ガスの反応効率を向上させている。また、白金微粒子が鎖状に連結された網目形状の集電層を形成しているため、反応により発生した電子を効率的に集めること又は反応に使われる電子を効率的に供給することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0053】
また、この実施の形態に係る燃料電池の製造方法によれば、インクジェット式の吐出装置を用いて反応層において用いられる触媒を構成する物質である白金微粒子により集電層を形成している。従って、反応ガスの反応効率を向上させ、かつ、反応ガスの流れを妨げることがない所望形状の集電層を、容易に形成することができる。
【0054】
この発明に係る燃料電池によれば、第1の集電層及び第2の集電層の内の少なくとも何れか一方が、反応層において用いられる触媒を構成する物質により形成されている。従って、ガス流路を介して供給された反応ガスが集電層においても反応しているため、反応ガスが効率的に反応している。また、反応ガスが反応することにより発生した電子を効率的に集めること又は反応に使われる電子を共立的に供給することができるため、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0055】
また、この発明に係る燃料電池の製造方法によれば、第1の集電層形成工程及び第2の集電層形成工程の内の少なくとも何れか一方は、吐出装置を用いて、反応層において用いられる触媒を構成する物質により集電層を形成している。即ち、吐出装置を用いることにより、反応ガスの反応を促す触媒を構成する物質を用いて所望形状の集電層を容易に形成することができる。そのため、発電効率の高い燃料電池を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る燃料電池の製造ラインの一例を示す図である。
【図2】実施の形態に係るインクジェット式吐出装置の概略図である。
【図3】実施の形態に係る燃料電池の製造方法のフローチャートである。
【図4】実施の形態に係るガス流路の形成処理を説明する図である。
【図5】実施の形態に係るガス流路の形成処理を説明する図である。
【図6】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図7】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図8】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図9】実施の形態に係る集電層を説明するための図である。
【図10】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図11】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図12】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図13】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図14】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図15】実施の形態に係る燃料電池の製造過程の基板の端面図である。
【図16】実施の形態に係る燃料電池の基板の端面図である。
【符号の説明】
2、2´…基板、4、4´…支持用カーボン、6、6´…ガス拡散層、8、8´…反応層、10、10´…集電層、12…電解質膜、20a〜20m…吐出装置、BC1、BC2…ベルトコンベア。
Claims (6)
- 第1の反応ガスを供給するための第1のガス流路が形成された第1の基板と、
前記第1の基板側に形成された第1のガス拡散層と、
前記第1の基板側に形成された第1の反応層と、
前記第1の基板側に形成された第1の集電層と、
第2の反応ガスを供給するための第2のガス流路が形成された第2の基板と、
前記第2の基板側に形成された第2のガス拡散層と、
前記第2の基板側に形成された第2の反応層と、
前記第2の基板側に形成された第2の集電層と、
前記第1の集電層と前記第2の集電層との間に形成された電解質膜とを備える燃料電池であって、
前記第1の集電層及び前記第2の集電層の内の少なくとも何れか一方が、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質により形成されていることを特徴とする燃料電池。 - 前記第1の集電層は、前記第1の反応層と前記電解質膜との間に形成され、前記第2の集電層は、前記第2の反応層と前記電解質膜との間に形成されることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記第1の集電層及び前記第2の集電層は、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質が鎖状に連結した形状に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料電池。
- 第1の反応ガスを供給するための第1のガス流路を、第1の基板に形成する第1のガス流路形成工程と、
第1のガス拡散層を形成する第1のガス拡散層形成工程と、
第1の反応層を形成する第1の反応層形成工程と、
第1の集電層を形成する第1の集電層形成工程と、
電解質膜を形成する電解質膜形成工程と、
第2の反応層を形成する第2の反応層形成工程と、
第2の集電層を形成する第2の集電層形成工程と、
第2のガス拡散層を形成する第2のガス拡散層形成工程と、
第2の反応ガスを供給するための第2のガス流路を、第2の基板に形成する第2のガス流路形成工程と
を含む燃料電池の製造方法において、
前記第1の集電層形成工程及び前記第2の集電層形成工程の内の少なくとも何れか一方は、吐出装置を用いて、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質により集電層を形成することを特徴とする燃料電池の製造方法。 - 前記第1の集電層形成工程は、前記第1の反応層と前記電解質膜との間に前記第1の集電層を形成し、前記第2の集電層形成工程は、前記第2の反応層と前記電解質膜との間に前記第2の集電層を形成することを特徴とする請求項4記載の燃料電池の製造方法。
- 前記第1の集電層形成工程は、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質が鎖状に連結した形状に第1の集電層を形成し、
前記第2の集電層形成工程は、前記第1の反応層及び前記第2の反応層に用いられる触媒を構成する物質が鎖状に連結した形状に第2の集電層を形成することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の燃料電池の製造方法。
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