JP2004296273A - プラズマディスプレイ - Google Patents
プラズマディスプレイ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004296273A JP2004296273A JP2003087225A JP2003087225A JP2004296273A JP 2004296273 A JP2004296273 A JP 2004296273A JP 2003087225 A JP2003087225 A JP 2003087225A JP 2003087225 A JP2003087225 A JP 2003087225A JP 2004296273 A JP2004296273 A JP 2004296273A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phosphor
- phosphor layer
- layer
- paste
- ultraviolet light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Luminescent Compositions (AREA)
- Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
Abstract
【課題】高輝度でパネルの長時間点灯によるパネル発光特性の変化の少ないプラズマディスプレイを提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも前面板と背面板を有し、真空紫外線で励起され可視光を発光する蛍光体を含む第1の蛍光体層と、該真空紫外線で励起され紫外線を発光する蛍光体を含む第2の蛍光体層が形成されたプラズマディスプレイであって、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層が分離して配置されていることを特徴とするプラズマディスプレイ。
【選択図】図3
【解決手段】少なくとも前面板と背面板を有し、真空紫外線で励起され可視光を発光する蛍光体を含む第1の蛍光体層と、該真空紫外線で励起され紫外線を発光する蛍光体を含む第2の蛍光体層が形成されたプラズマディスプレイであって、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層が分離して配置されていることを特徴とするプラズマディスプレイ。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光体層を有するプラズマディスプレイ(以下、PDPと略す)に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄型・大型テレビに使用できるディスプレイとして、PDPが注目されている。PDPの構造例の分解斜視図を図1に、断面図を図2に(背面板は90度回転させて表示してある)示す。PDPには蛍光体層が設けられるが、蛍光体層は紫外線で励起され可視光を発光する蛍光体粉末からなる。PDPは封入されたガスが放電して紫外線を発生し、この紫外線が蛍光体に照射し可視光を放射して表示を行うものである。放電ガスには、主に希ガスを中心とした混合ガスが用いられるが、Xe−Ne混合ガスを用いた場合、中心波長が147nm、172nmの真空紫外線が発生する。
【0003】
PDPをより高い表示品位にするために、蛍光体層の発光強度や発光効率の向上が望まれている。特に2価のユーロピウムを賦活したアルミン酸塩蛍光体を使用した青色蛍光体では、蛍光体層の焼成やパネル化後のエージングや長時間点灯での発光強度の低下ならびに色度ずれが大きく、点灯時間と共にパネル発光輝度が低下してしまう。すなわち、PDPの課題は高輝度化と輝度劣化の抑制である。
【0004】
真空紫外線は非常に高エネルギーであるので、蛍光体の吸収特性から蛍光体の内部までは侵入できない。したがって、蛍光体粉末表層の100nm程度までしか励起されず表層付近しか発光に寄与していない。また、蛍光体の表面は蛍光体粉末作成時はもちろん、PDP作成時の熱や大気に晒されたり、有機バインダーなどと接触しているので、これらの外的要因が発光特性に影響を及ぼしやすい。
【0005】
高輝度化に対しては、隔壁の形状、放電ガス組成などの検討も行われているが、蛍光体としては主に化学組成の改良や新規蛍光体組成系の検討が行われている。例えば、Euを賦活したアルミン酸塩蛍光体において、2価のユーロピウムの賦活量を、置換対象のバリウム元素に対して8at%に限定することで、パネル作成時の焼成による発光強度の低下抑制でき高輝度化できることが示されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、長時間点灯による輝度劣化の抑制を目的として、放電で発生する真空紫外線をより長波長の紫外線に変換して蛍光体の劣化を抑制する技術として次の2つの技術が開示されている。すなわち、真空紫外線をこれよりも長い波長の紫外線に変換する蛍光体と、変換された紫外線を可視光に変換する蛍光体を混合した蛍光体層とする技術(特許文献2参照)や、可視発光蛍光体に真空紫外線励起され紫外線発光する蛍光体を被覆する技術(特許文献3参照)である。しかし、これら技術では、発光強度の経時変化の抑制は可能であるが、発光強度の絶対値としては満足するものではなかった。
【0007】
すなわち、これら技術によっても高輝度化および輝度劣化の抑制の両立と言う点では十分ではなかった。
また、蛍光体粉末に均一に微粒子を被覆する技術は、不均一になりやすく被覆材料を介して蛍光体粉末同士が凝集しやすいという問題、また、コスト高になりやすいという問題もあった。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−246856号公報(第2〜3頁)
【0009】
【特許文献2】
特開平11−67103号公報(第2〜3頁)
【0010】
【特許文献3】
特開2002−80843号公報(第2頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、従来の技術における前述した課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高輝度で輝度劣化の少ない高性能かつ信頼性の高いプラズマディスプレイを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。すなわち、少なくとも前面板と背面板を有し、真空紫外線で励起され可視光を発光する蛍光体を含む第1の蛍光体層と、該真空紫外線で励起され紫外線を発光する蛍光体を含む第2の蛍光体層が形成されたプラズマディスプレイであって、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層が分離して配置されていることを特徴とするプラズマディスプレイである。
【0013】
さらに第1の蛍光体層が背面板側に形成され、かつ第2の蛍光体層が前面板側に形成されていることを特徴とするプラズマディスプレイである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明は、放電で発生した真空紫外線を有効に利用することを鋭意検討した結果、表示に利用する可視光を発光する蛍光体とは別に、紫外線発光する蛍光体層を設けることで達成されることを見出した。
【0015】
すなわち、本発明のPDPは、少なくとも前面板と背面板を有し、真空紫外線で励起され可視光を発光する蛍光体を含む第1の蛍光体層と、該真空紫外線で励起され紫外線を発光する蛍光体を含む第2の蛍光体層が形成されたプラズマディスプレイであって、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層が分離していることが重要である。
【0016】
分離しているとは、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層が空間的に離れており接触していないことを指す、すなわちそれぞれの蛍光体層中の蛍光体粉末が、お互いに接触していないことを意味する。具体的にはそれぞれの蛍光体層の間が0.01μm程度以上離れていればよい。例えば、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層を放電空間において部分的に分けて形成する場合を指す。望ましくは、第1の蛍光体層が背面板側に形成され、かつ第2の蛍光体層が前面板側に形成されていることである(図3(背面板は90度回転させて表示してある))。なぜならば前面板保護膜表面で生じた面放電で発生した紫外線をより有効に利用でき、高輝度化できるからである。図3では、前面板側に一様に第2の蛍光体層を形成した場合を示したが、放電セル毎に異なる紫外線発光蛍光体を含む蛍光体層としたり、非放電セルのみに第2の蛍光体層を形成するなどのパターンニングを行ってもよい。
紫外線発光する蛍光体と可視発光する蛍光体を混合した蛍光体層や、後者の表面に前者を被覆した蛍光体(層)では、お互いの蛍光体粉末が分離していない。
【0017】
第1の蛍光体層と第2の蛍光体層を分離することで、放電により発生した真空紫外線を、効率良く該紫外線より長波長の紫外線に変換できる。したがって、高輝度でしかも可視光発光する蛍光体の劣化を抑制できる。
【0018】
高発光効率化できる機構については、詳細はわかっていないが次のように考えている。本発明のポイントは、(1)従来前面板誘電体などに吸収されていた真空紫外線を該真空紫外線より長波長の紫外線に変換して第1の蛍光体層に照射する(高輝度化)、(2)第1の蛍光体層には従来の真空紫外線に加えて、真空紫外線よりも長波長の紫外線が照射する(輝度劣化の抑制)、である。すなわち、第1の蛍光体層にはこれまでもより多くの紫外線が照射し、しかも真空紫外線よりも長波長の紫外線であるので蛍光体内部まで励起し蛍光体表層の影響を受けにくいことに起因すると推定している。
【0019】
従来技術の紫外線発光する蛍光体と可視光発光する蛍光体を混合したり、後者に前者を被覆した場合、真空紫外線から可視光へと変換している過程(1段励起)の一部を、真空紫外線から一度該真空紫外線より長波長の紫外線に変換しさらに可視光に変換(2段励起)を利用している。それぞれの励起過程ではその量子効率は1よりも小さいので、結果として2段励起は1段励起よりも輝度は低下してしまう。つまり、発光に利用している紫外線総量は増えていない。
【0020】
これに対して、本発明の可視発光する蛍光体層と紫外線発光する蛍光体層を分離して形成した場合(例えば図3)、可視発光する蛍光体は従来通り直接真空紫外線で励起され、さらに放電で発生した真空紫外線の内これまで前面板側に輻射して損失していた真空紫外線がこの真空紫外線よりも長波長の紫外線に変換され可視光発光する蛍光体に照射される(紫外線総量は増加)ので、より明るく発光し、しかも蛍光体の内部まで励起できるので輝度劣化を抑制できる。
【0021】
ここで、真空紫外線とは、中心波長が60〜199nmの光を指す。また、真空紫外線よりも長波長の紫外線とは、中心波長が200〜380nmの光を指す。
【0022】
第1の蛍光体層に用いる蛍光体としては、蛍光体粉末は特に限定されないが、発光強度、色度、色バランス、寿命などの観点から、以下の蛍光体が好適である。青色は2価のユーロピウムを賦活したアルミン酸塩蛍光体やCaMgSi2O6:Euである。さらにペースト焼成での劣化抑制からは化学量論組成に対してアルミニウム元素が過剰な組成であることが好ましい。また、アルミニウム元素の過剰量は化学量論組成に対して、10%以下であることが好ましい。過剰量が10%より大きいと、蛍光体粉末合成時に単一相にならず副生成物が発生し、発光強度の低下ならびに色度のy値が大きくなり、青色の色純度が低下しパネルでの色再現性範囲が狭くなる傾向がある。好ましくは化学量論組成に対して0.1〜9.5%の範囲内である。より好ましくは1〜9%の範囲内であり、さらに好ましくは2〜8%の範囲内である。
【0023】
ここで、化学量論組成のアルミン酸塩としては、例えば、MMgAl14O23、MMgAl10O17、MMg2Al16O27、MMg2Al14O24 、M2Mg2Al12O22 、M3Mg4Al8O18 、M3Mg5Al18O25 などが挙げられる。元素MはBa、SrおよびCaの少なくとも1種を含むことが好ましい。なかでも、パネル点灯時の発光強度低下ならび色度ずれが少ないという点から、MMgAl10O17の原子式のアルミン酸塩がより好ましく用いられる。
【0024】
また、MMgAl10O17の原子式のアルミン酸塩蛍光体の場合、ペースト焼成による輝度低下や色度ずれ抑制のためには、マグネシウム元素量が化学量論組成に対して90〜100%であることが好ましい。マグネシウム元素量が化学量論組成に対して90%よりも少ない場合、および100%よりも多い場合、ペースト焼成後の輝度低下や色度ずれが大きくなる傾向にあるからである。
【0025】
また、アルミン酸塩蛍光体の2価のユーロピウムの置換量が元素Mに対して5〜20at%の範囲内であることが好ましい。置換量が5at%より小さいと、パネル化後の長時間点灯により2価のユーロピウムの近傍に深いエネルギー準位をもつ電子トラップが形成されて、発光強度低下および色度ずれが大きくなることがある。置換量が20at%より大きくなるとペースト焼成による発光強度の低下および色度ずれが大きくなることがあり、また、50at%以上では濃度消光により未焼成の蛍光体粉末まで発光強度が低下する傾向にある。
【0026】
緑色では、パネル輝度の点からZn2SiO4:Mn、YBO3:Tb、BaMg2Al14O24:Eu,Mn、BaAl12O19:Mn、BaMgAl14O23:Mnが好適である。さらに好ましくはZn2SiO4:Mnである。
【0027】
赤色では、同様に(Y、Gd)BO3:Eu、Y2O3:Eu、YPVO:Eu、YVO4:Euが好ましい。さらに好ましくは(Y、Gd)BO3:Euである。
【0028】
蛍光体ペースト中には、上記蛍光体粉末以外の蛍光体や他の無機粒子を含んでいてもよいが、上記蛍光体粉末の含有量は70重量%以上が好ましい。より好ましくは85重量%以上である。さらに好ましくは95重量%以上である。具体的には、3Ca3(PO4)2・Ca(F,Cl)2:Sb、Sr10(PO4)6Cl2:Eu、(Sr,Ca)10(PO4)6Cl2:Eu、(Sr、Ca)10(PO4)6Cl2・nB2O3:Eu、(Ba,Ca,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu、Sr2PO7:Sn、Ba2P2O7:Ti、Ca3(PO4)2:Tl、(Ca,Zn)3(PO4)2:Tl、Sr2P2O7:Eu、SrMgP2O7:Eu、Sr3(PO4)2:Eu、(Ba,Sr,Mg)3Si2O7:Pb、(Ba,Mg,Zn)3Si2O7:Pb、BaSi2O5:Pb、Ba3MgSi2O8:Eu、Y2SiO5:Ce、CaWO4:Pbなどの蛍光体を含んでもよい。蛍光体以外には、カーボンブラック、チタンブラックなどの顔料や、水ガラス、低融点ガラスなどの結着材も含んでもよい。
【0029】
蛍光体粉末の粒子径は、レーザー回折散乱法(例えばマイクロトラック製HRA粒度分布計を用いた湿式測定)で測定される累積平均粒子径D50が0.5〜10μmの範囲内、さらには1〜5μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは1〜4μmである。平均粒径を0.5μm以上とすることで粉末の凝集性を抑え、ペーストの塗布性を良好なものとし、塗布膜および焼成後の蛍光体層の緻密性や均質性をより良好なものとすることができる。10μm以下とすることで焼成後の蛍光体層表面の凹凸を抑え、発光の乱反射による輝度の低下や輝度のばらつきをより防ぐことができる。
【0030】
また、蛍光体粉末の最大粒子径は40μm以下、さらには20μm以下とすることが好ましい。最大粒径を40μm以下とすることで焼成後の蛍光体層の凹凸をより抑えることができる。さらに20μm以下にすることは、粉末の充填性にも好ましい。また、最大粒径は、蛍光体ペーストの塗布方法とも関わり、スクリーン印刷法の場合はメッシュの開口率に関係し、ディスペンサー法などのノズル内径と関係してくるので、これらの点を考慮することが肝心である。
【0031】
第2の蛍光体層に用いる蛍光体としては、特に限定されず公知の材料が使用できる。例えば、BaSi2O5:Pb、(Ba,Sr,Mg)3Si2O7:Pb、(Sr,Ba)2MgSi2O7:Pb、SrB4O7:Eu、SrAl12O19:Ce、(Gd,La)B3O6:Bi、(Ca,Zn)3(PO4)2:Tl、YPO4:Ce、LaPO4:Ce、Ce(Mg、Ba)Al11O19、CeMgAl11O18:Ce、Ca3(PO4)2:Tl、Y(P,V)O4、Y2SiO5:Ce、CaWO4、CaWO4:Pbである。前面板側に第2の蛍光体層を形成した場合、第1の蛍光体層からの可視光ができるだけ前面板を透過しやすい方が好ましい。このためには、第1の蛍光体層を放電セル部分ではなく非放電セル部分のみに形成したり、連続状ではなく部分的に可視光が透過できる部位が残ったような網目状、島状などに形成してもよい。高輝度と言う点では、第1の蛍光体層の蛍光体粉末の平均粒子径よりも小さくして可視光の透過性を向上させるのが好ましい。例えば平均粒子径は、2〜300nmが好ましい。より好ましくは、5〜100nm、さらにより好ましくは5〜50nmである。この範囲にない場合、可視光がパネル外に有効に出にくくなり、高輝度化の効果が低くなりやすい傾向にある。
【0032】
このような第2の蛍光体層は蛍光体粉末を用いてペースト化して形成しても良いが、1000nm以下の蛍光体層を形成する場合、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマ蒸着法、CVD法、MOCVD法を用いて薄膜形成した方が有利である。
【0033】
第1および/または第2の蛍光体層の上層には、放電で発生したイオンや電子などの荷電粒子や中性高速粒子からの保護を目的として膜を形成しても良い。放電で発生した真空紫外線の利用効率と言う点では、この保護膜は真空紫外線に対して透明であることが好ましい。透明であるとは、透過率が30%以上あればよい。より好ましくは50%以上である。例えば、シリカ、MgO、LiF、MgF2、CaF2、BaF2、CeF4、ThF4、SrF2、AlF3・3NaF、LiSrAlF6、LiCaAlF6の群から1種以上を好ましく利用できる。保護膜の形成方法も特に限定されないが、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマ蒸着法、CVD法、MOCVD法などを利用することができる。保護膜の厚みは紫外線の透過性と放電からの保護膜としての機能から選定することができるが、例えば100〜3000nmの範囲が好ましい。
【0034】
次に、本発明のPDPの作成方法について、図3に従って説明する。
(背面板)
本発明の背面板に用いる基板としては、ソーダガラスの他にPDP用の耐熱ガラスである旭硝子社製の“PD200”や日本電気硝子社製の“PP8”を用いることができる。
【0035】
ガラス基板上に銀やアルミニウム、クロム、ニッケルなどの金属によりアドレス電極を放電セルのピッチにてストライプ状に形成する。形成する方法としては、これらの金属の粉末と有機バインダーを主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷でパターン印刷する方法や、有機バインダーとして感光性有機成分を用いた感光性金属ペーストを塗布した後に、フォトマスクを用いてパターン露光し、不要な部分を現像工程で溶解除去し、さらに、通常400〜600℃に加熱・焼成して電極パターンを形成する感光性ペースト法を用いることができる。また、ガラス基板上にクロムやアルミニウム等の金属を蒸着した後に、レジストを塗布し、レジストをフォトマスクを用いてパターン露光・現像した後にエッチングにより、不要な部分の金属を取り除くエッチング法を用いることができる。
【0036】
さらに、放電の安定化のためにアドレス電極層の上に誘電体層を設けても良い。
アドレス電極層を形成したガラス基板上に、電極層と平行に位置した隔壁をサンドブラスト法、型転写法、フォトリソグラフィー法等によって形成する。本発明に使用する隔壁の材料としては特に限定されず、珪素およびホウ素の酸化物を含有するガラス材料が適用される。また、屈折率が1.5〜1.68のガラス材料を70重量%以上含むことがフォトリソグラフィー法によって形成する場合有利である。隔壁形状としては特に限定されないが、ストライプ状、井桁状、六角形状などがよい。
【0037】
電極層および隔壁層を形成したガラス基板上に、蛍光体ペーストを用いて蛍光体層1を形成する。
次に、本発明の蛍光体層1を形成する蛍光体ペーストについて説明する。蛍光体層を形成するときは蛍光体ペーストそのものを塗布して形成する以外にも、蛍光体ペーストを一度シート状にしたものを用いても構わない。
【0038】
蛍光体層1を形成するための蛍光体ペーストは、蛍光体粉末と樹脂成分を含むことができ、これらを有機溶剤等の適当な溶媒に分散および溶解したものである。 蛍光体ペーストの樹脂成分は、蛍光体粉末の発光強度の劣化の少ない通常400〜550℃程度の比較的低温で焼成される熱可塑性樹脂が好ましく、このような低温で焼成できる樹脂成分として、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシルエチルプロピルセルロース等のセルロース系樹脂ならびポリメチルメタクリレート、ポリ−i−プロピルメタクリレート、ポリ−i−ブチルメタクリレートや必要に応じてこれらの塗布性や熱分解性を改善するために、これらにメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のアクリル系モノマーを共重合させたアクリル系樹脂等を用いることができる。
【0039】
蛍光体粉末と樹脂成分の含有量は、乾燥状態の蛍光体ペーストに対して、蛍光体粉末が70〜95重量%と樹脂成分5〜30重量%であることが好ましい。より好ましくは蛍光体粉末が80〜90重量%、樹脂成分が10〜20重量%である。ここで、樹脂成分とは樹脂を溶媒に溶解させる前の固形分を指す。
【0040】
樹脂成分が少なすぎる場合には、ペースト中の蛍光体粉末の分散安定性、ペーストの粘度や流動性、塗布膜の膜厚保持性などを得ることができなくなる傾向にある。また、樹脂成分が多すぎると、焼成による樹脂成分の除去が不完全になり残渣として残り発光強度が低下する傾向にあり、また焼成で有機成分を除去するのに時間を要し、蛍光体粉末自体の焼成劣化が増大する傾向にある。
【0041】
本発明の蛍光体ペーストの溶媒は、樹脂成分と分離しない有機溶媒であればよく、アルコール類、エーテル類、エステル類などおよびその混合系が好ましい。特に、バインダー樹脂をよく溶解すると共に、蛍光体粉末を十分に分散させ、塗布性が優れていることからテルピネール(ターピネオール)を用いることが好ましい。また、蛍光体ペーストの粘度調整をするため、テルピネオールに沸点が同程度の芳香族系アルコール、例えばベンジルアルコールを混合することが好ましい。樹脂成分と溶媒の比率はペーストの粘度、蛍光体ペーストの塗布性などの観点から適宜調節することができる。
【0042】
フォトリソグラフィー法で蛍光体層を形成する場合、感光性を付与させるために、感光性モノマーとして炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物とベンゾフェノンなどの光重合開始剤ならび光散乱を抑えるスダン4等の有機染料を含有してもよい。
【0043】
本発明の蛍光体ペーストは、さらに必要に応じて、アニオン性や非イオン性界面活性剤等の有機化合物分散剤や、高級脂肪族系アルコール、可塑剤(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセル等)等を含有してもよい。また、ペーストの糸引きや蛍光体層塗布形状の観点から、必要に応じチキソトロピー性付与剤を添加してもよい。例えば、シリカ微粒子(例えば、日本アエロジル製“380”、“R974”)である。
【0044】
本発明の蛍光体ペーストは、特に限定されるものではないが撹拌機を用いてバインダー樹脂を溶媒中に加熱溶解(通常80℃程度)して作製したバインダー溶液に対し、蛍光体粉末を例えば3本ロール、ボールミル、ビーズミル等の分散機を用いて混練することで、製造することができる。例えば、あらかじめ所定量に調整しておいた有機バインダーと蛍光体を混合するだけでなく、所定量より溶媒または樹脂成分を少な目にした有機バインダーと蛍光体を混合し、しかる後残りの溶媒または樹脂成分を追加・混合したりすることができる。なかでも、所定量よりも樹脂成分を少な目にし有機バインダーと蛍光体を混合し、あらかじめスラリーを作製しておき、所定量になるように最後に残りの樹脂成分と溶媒を追加・混合することが好ましい。
【0045】
蛍光体ペーストの樹脂成分を除去する焼成工程では、大気中など酸素を含んだ雰囲気で430〜550℃で焼成することができる。樹脂としてアクリル系を用いた場合、窒素などの不活性ガス雰囲気中で焼成することこともできる。
【0046】
蛍光体層は、感光性蛍光体ペーストを用いたフォトリソグラフィー法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法等によって形成できる。蛍光体層の厚みも特に限定されるものではないが3電極面放電方式の反射型プラズマディスプレイでは、10〜30μm、より好ましくは15〜25μmである。樹脂成分除去のための焼成は、使用する樹脂が十分に脱バインダーする温度で行うのがよい。樹脂にエチルセルロースを用いた場合では、470〜550℃である。ポリメチルメタクリレートを用いた場合では、430〜490℃である。焼成温度が低すぎると樹脂成分が残存しやすく、高すぎるとガラス基板に歪みが導入されたり蛍光体粉末が劣化してしまう。
さらに必要に応じ、蛍光体層の上に保護膜を形成してもよい。
このようにして、背面板を作製することができる。
【0047】
(前面板)
前面板に用いるガラス基板については、背面板に述べたものと同様である。
ガラス基板上に、酸化錫、ITOなどの透明電極をリフトオフ法、フォトエッチング法などによって形成する。
【0048】
次に、透明電極を形成したガラス基板上に、銀やアルミ、銅、金、ニッケル等をスクリーン印刷や感光性導電ペーストを用いたフォトリソグラフィー法によって、バス電極層をパターン形成する。
【0049】
透明電極およびバス電極を形成したガラス基板上に、透明誘電体層をスクリーン印刷法などにより形成する。本発明に使用する透明誘電体材料は特に限定されないが、PbO、B2O3、SiO2を含有する鉛系ガラスやZnO−B2O3系ガラスなどの誘電体材料が適用される。
【0050】
次に、本発明の蛍光体層2を形成する。蛍光体層2を形成するための蛍光体ペーストは、蛍光体粉末の化学組成、粒子径以外については、前述の蛍光体層1を形成するための蛍光体ペーストと同様である。蛍光体層2を誘電体層上に一様に形成する場合は、スクリーン印刷法、スリットダイ法、スピンコート法、スプレードライ法などが好適である。一方、蛍光体層2を誘電体層上に部分的にパターンニングする場合は、パターンニングしたスクリーン版を用いたスクリーン印刷法や感光性蛍光体ペーストを用いたフォトリソグラフィー法が好ましい。蛍光体層2の厚みは特に限定されないが、可視光の透過性と真空紫外線の吸収性から適正値を決定できる。使用する蛍光体層2の蛍光体の種類、平均粒子径にもよるが、2〜2000nm程度の範囲が好ましい。より好ましくは、20〜1000nmである。さらにより好ましくは30〜800nmである。
さらに、透明誘電体層や蛍光体層2を保護する目的で、蛍光体層や透明誘電体層を覆う形で保護膜を形成してもよい。
【0051】
(プラズマディスプレイ)
これら背面板と前面板を用いて、背面板と前面板とを封着後、前背面の基板間隔に形成された空間に、ヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される放電ガスを封入後、駆動回路を装着してプラズマディスプレイを作製できる。
【0052】
【実施例】
以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に説明する。但し、本発明はこれに限定されない。
【0053】
(測定方法)
(1)パネルの発光特性および維持率
パネルの輝度、色度は、放電維持電圧180V、周波数30kHz、パルス幅3μmの放電条件で全面白色点灯させ、ミノルタ社製の分光放射輝度計CS−1000を用いて輝度Bおよび色度yを測定し、B/yを算出した。プラズマディスプレイを作製した直後のものをB0/y0(初期発光特性)とし、200時間連続点灯させた後のものをB200/y200とし、次式により維持率を算出した。
【0054】
維持率(%)=100×(B200/y200)/(B0/y0)。
【0055】
実施例1
まず、背面板を作製した。
“PD200”3インチガラス基板上に感光性銀ペースト用いて、幅200μm、厚み3μm、ピッチ360μmのアドレス電極を形成した。
【0056】
次いで誘電体層をスクリーン印刷法により10μm形成した。誘電体ペーストの組成は次のものを用いた。ガラス粉末A80重量部、フィラー(酸化ケイ素:日本アエロジル社の“アエロジル200”)1重量部、酸化チタン7重量部、エチルセルロース樹脂20重量部、分散剤(ノプコスパース092(サンノプコ製)0.3重量部、レベリング剤1重量部。ガラス粉末Aの組成は、酸化ビスマス38重量%、酸化ケイ素6重量%、酸化ホウ素20重量%、酸化亜鉛20重量%、酸化アルミニウム4重量%。特性は、ガラス転移点475℃、軟化点515℃、熱膨張係数75×10−7/℃、密度4.61g/cm3である。
【0057】
ペーストは、これらの成分からなる混合物を3本ローラー混練機で混練して作製した。
しかる後、感光性隔壁層ペーストを用いたフォトリソグラフィー法により隔壁層パターンを形成した。隔壁ペーストの組成は次のものを用いた。ガラス粉末B60重量部、バインダー(メタクリル酸メチルとメタクリル酸の共重合体(平均分子量25000、酸価102)10重量部、感光性モノマー(テトラプロピレングリコールジアクリレート)10重量部、光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア369)0.5重量部、γ−ブチロラクトン17重量部。
【0058】
ガラス粉末Bの組成は、酸化リチウム9重量%、酸化ケイ素22重量%、酸化アルミニウム23重量%、酸化ホウ素33重量%、酸化バリウム4重量%、酸化亜鉛2重量%、酸化マグネシウム7重量%。特性は、ガラス転移点476℃、軟化点519℃、熱膨張係数75×10−7/℃、密度2.54g/cm3なるものを用いた。ペーストは、これらの成分からなる混合物を3本ローラー混練機で混練して作製した。
【0059】
感光性ペースト塗布膜は乾燥した後、ストライプ状パターンのフォトマスクを介して、50mJ/cm2の露光量を与えた後、0.2%のモノエタノールアミン水溶液で現像し隔壁パターンを形成した。その後、焼成温度570℃で15分間焼成して、良好な形状の隔壁層を得た。
【0060】
次に、以下の要領で蛍光体層を形成した。青色蛍光体は、前述したBa0.9MgAl10O17:Eu0.1を、赤色蛍光体は(Y,Gd)BO3:Euを、緑色蛍光体はZn2SiO4:Mnを用いた。テルピネオール:ベンジルアルコール:エチルセルロース(“エトセル 20cP”)=10:70:18の比率であらかじめ80℃で加熱溶解した樹脂成分溶液を用意し、蛍光体粉末80重量%、樹脂成分(固形分)18重量%となるように蛍光体粉末と樹脂成分溶液を、3本ローラーで混練し、蛍光体ペーストを得た。この蛍光体ペーストを、孔径150μm吐出口ノズルを使用したディスペンサー法で隔壁上に隔壁底部と側部とも約30μmとなるように塗布した。80℃、20分の乾燥後、大気中で500℃、15分の焼成を行い、蛍光体ペースト中の樹脂成分の除去を行った。かくして背面板を作製した。
【0061】
次に、前面板を作製した。
旭硝子社製“PD200”3インチのガラス基板上に、ITOを用いて、ピッチ1080μm、線幅350μmのスキャン電極を形成した。また、その基板上に感光性銀ペースト法で電極幅100μm、厚み3μmのバス電極を形成した。
次に、透明誘電体ガラスペーストをスクリーン印刷により、表示部分のバス電極が覆われるように30μmの厚みで透明誘電体を形成した。
【0062】
紫外線発光蛍光体LaPO4:Ce(平均粒子径5μm)を焼結してスパッタ用ターゲットを作成し、これを用いてスパッタ法により透明誘電体層上に一様にLaPO4:Ceからなる蛍光体層を形成した。蛍光体層の厚みは40nmになるように成膜時間の調整を行った。
さらに蛍光体層の上に電子ビーム蒸着により保護膜として、厚み1.0μmの酸化マグネシウム層を形成して前面板を作製した。
【0063】
前面板と背面板の各電極が垂直に位置するように配置し、PbO、B2O3、セラミックフィラーなどからなるガラスフリットを用いて、前面板と背面板の封着を行った。封着後、封着した前面板と背面板内部を350℃程度に加熱しながら真空排気を行い、室温に冷却後Xe5%−Ne bal.ガスを66.5kPaまで封入した。最後に、駆動回路を実装し、PDPを完成した。
【0064】
実施例2〜4
紫外線発光する蛍光体層の蛍光体材料と平均厚みを表1の通りとした以外は、実施例1と同様にPDPを作成した。
【0065】
実施例5
紫外線発光する蛍光体を平均粒子径50nmのLaPO4:Ceとし、この蛍光体をイソプロピルアルコール中に分散させたスラリーを用いてスピンコータにより紫外線発光する蛍光体層を形成した以外は、実施例1のようにPDPを作成した。
【0066】
実施例6
パターニングしたスクリーン版を用いたスクリーン印刷法で紫外線発光する蛍光体層を非放電セル部分のみに形成した以外は実施例1と同様にPDPを作成した。蛍光体ペーストは、BaSi2O5:Pb(平均粒子径2μm)50重量部、エチルセルロース10重量部、テルピネオール30重量部となるように秤量し、3本ローラで混練して作成した。
【0067】
実施例7
放電ガス組成をXe10%−Ne bal.とした以外は実施例6と同様にPDPを作成した。
【0068】
実施例8
表1の蛍光体材料および平均膜厚とした以外は、実施例6と同様にPDPを作成した。
【0069】
実施例9
紫外線発光する蛍光体層を形成した後に、保護膜としてMgOの代わりにMgF2とした以外は、実施例1と同様にPDPを作成した。
【0070】
比較例1
紫外線発光する蛍光体層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にPDPを作製した。
【0071】
比較例2
赤、青、緑色蛍光体ペーストにおいて、各色の蛍光体粉末の10重量%分をLaPO4:Ce(平均粒子径5μm)に置換したペースト組成とした以外は比較例1と同様にPDPを作成した。
【0072】
実施例1〜9および比較例1、2について、紫外線発光する蛍光体層の蛍光体材料とその平均厚み、および作成したPDPの初期発光特性、維持率を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
実施例1〜9は比較例1、2に対して、初期発光特性および維持率が良好である。特に、実施例1、7、9は初期発光特性に優れ、維持率も高く高信頼性・長寿命なディスプレイである。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、紫外線発光する蛍光体と可視光発光する蛍光体層を分離して形成したので、高輝度で長時間点灯による発光強度の低下を抑制でき、高信頼かつ長寿命なプラズマディスプレイを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプラズマディスプレイの分解斜視図である。
【図2】従来のプラズマディスプレイの赤色セル構造を示す断面図である。
【図3】本発明のプラズマディスプレイの赤色セル構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1:前面板
2:ガラス基板
3:スキャン電極
4:サスティン電極
5:バス電極
6:透明誘電体層
7:MgO保護膜
8:背面板
9:ガラス基板
10:アドレス電極
11:誘電体層
12:隔壁層
13:赤色蛍光体層(第1の蛍光体層)
14:緑色蛍光体層(第1の蛍光体層)
15:青色蛍光体層(第1の蛍光体層)
16:紫外線発光蛍光体層(第2の蛍光体層)
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光体層を有するプラズマディスプレイ(以下、PDPと略す)に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄型・大型テレビに使用できるディスプレイとして、PDPが注目されている。PDPの構造例の分解斜視図を図1に、断面図を図2に(背面板は90度回転させて表示してある)示す。PDPには蛍光体層が設けられるが、蛍光体層は紫外線で励起され可視光を発光する蛍光体粉末からなる。PDPは封入されたガスが放電して紫外線を発生し、この紫外線が蛍光体に照射し可視光を放射して表示を行うものである。放電ガスには、主に希ガスを中心とした混合ガスが用いられるが、Xe−Ne混合ガスを用いた場合、中心波長が147nm、172nmの真空紫外線が発生する。
【0003】
PDPをより高い表示品位にするために、蛍光体層の発光強度や発光効率の向上が望まれている。特に2価のユーロピウムを賦活したアルミン酸塩蛍光体を使用した青色蛍光体では、蛍光体層の焼成やパネル化後のエージングや長時間点灯での発光強度の低下ならびに色度ずれが大きく、点灯時間と共にパネル発光輝度が低下してしまう。すなわち、PDPの課題は高輝度化と輝度劣化の抑制である。
【0004】
真空紫外線は非常に高エネルギーであるので、蛍光体の吸収特性から蛍光体の内部までは侵入できない。したがって、蛍光体粉末表層の100nm程度までしか励起されず表層付近しか発光に寄与していない。また、蛍光体の表面は蛍光体粉末作成時はもちろん、PDP作成時の熱や大気に晒されたり、有機バインダーなどと接触しているので、これらの外的要因が発光特性に影響を及ぼしやすい。
【0005】
高輝度化に対しては、隔壁の形状、放電ガス組成などの検討も行われているが、蛍光体としては主に化学組成の改良や新規蛍光体組成系の検討が行われている。例えば、Euを賦活したアルミン酸塩蛍光体において、2価のユーロピウムの賦活量を、置換対象のバリウム元素に対して8at%に限定することで、パネル作成時の焼成による発光強度の低下抑制でき高輝度化できることが示されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、長時間点灯による輝度劣化の抑制を目的として、放電で発生する真空紫外線をより長波長の紫外線に変換して蛍光体の劣化を抑制する技術として次の2つの技術が開示されている。すなわち、真空紫外線をこれよりも長い波長の紫外線に変換する蛍光体と、変換された紫外線を可視光に変換する蛍光体を混合した蛍光体層とする技術(特許文献2参照)や、可視発光蛍光体に真空紫外線励起され紫外線発光する蛍光体を被覆する技術(特許文献3参照)である。しかし、これら技術では、発光強度の経時変化の抑制は可能であるが、発光強度の絶対値としては満足するものではなかった。
【0007】
すなわち、これら技術によっても高輝度化および輝度劣化の抑制の両立と言う点では十分ではなかった。
また、蛍光体粉末に均一に微粒子を被覆する技術は、不均一になりやすく被覆材料を介して蛍光体粉末同士が凝集しやすいという問題、また、コスト高になりやすいという問題もあった。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−246856号公報(第2〜3頁)
【0009】
【特許文献2】
特開平11−67103号公報(第2〜3頁)
【0010】
【特許文献3】
特開2002−80843号公報(第2頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、従来の技術における前述した課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高輝度で輝度劣化の少ない高性能かつ信頼性の高いプラズマディスプレイを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。すなわち、少なくとも前面板と背面板を有し、真空紫外線で励起され可視光を発光する蛍光体を含む第1の蛍光体層と、該真空紫外線で励起され紫外線を発光する蛍光体を含む第2の蛍光体層が形成されたプラズマディスプレイであって、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層が分離して配置されていることを特徴とするプラズマディスプレイである。
【0013】
さらに第1の蛍光体層が背面板側に形成され、かつ第2の蛍光体層が前面板側に形成されていることを特徴とするプラズマディスプレイである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明は、放電で発生した真空紫外線を有効に利用することを鋭意検討した結果、表示に利用する可視光を発光する蛍光体とは別に、紫外線発光する蛍光体層を設けることで達成されることを見出した。
【0015】
すなわち、本発明のPDPは、少なくとも前面板と背面板を有し、真空紫外線で励起され可視光を発光する蛍光体を含む第1の蛍光体層と、該真空紫外線で励起され紫外線を発光する蛍光体を含む第2の蛍光体層が形成されたプラズマディスプレイであって、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層が分離していることが重要である。
【0016】
分離しているとは、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層が空間的に離れており接触していないことを指す、すなわちそれぞれの蛍光体層中の蛍光体粉末が、お互いに接触していないことを意味する。具体的にはそれぞれの蛍光体層の間が0.01μm程度以上離れていればよい。例えば、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層を放電空間において部分的に分けて形成する場合を指す。望ましくは、第1の蛍光体層が背面板側に形成され、かつ第2の蛍光体層が前面板側に形成されていることである(図3(背面板は90度回転させて表示してある))。なぜならば前面板保護膜表面で生じた面放電で発生した紫外線をより有効に利用でき、高輝度化できるからである。図3では、前面板側に一様に第2の蛍光体層を形成した場合を示したが、放電セル毎に異なる紫外線発光蛍光体を含む蛍光体層としたり、非放電セルのみに第2の蛍光体層を形成するなどのパターンニングを行ってもよい。
紫外線発光する蛍光体と可視発光する蛍光体を混合した蛍光体層や、後者の表面に前者を被覆した蛍光体(層)では、お互いの蛍光体粉末が分離していない。
【0017】
第1の蛍光体層と第2の蛍光体層を分離することで、放電により発生した真空紫外線を、効率良く該紫外線より長波長の紫外線に変換できる。したがって、高輝度でしかも可視光発光する蛍光体の劣化を抑制できる。
【0018】
高発光効率化できる機構については、詳細はわかっていないが次のように考えている。本発明のポイントは、(1)従来前面板誘電体などに吸収されていた真空紫外線を該真空紫外線より長波長の紫外線に変換して第1の蛍光体層に照射する(高輝度化)、(2)第1の蛍光体層には従来の真空紫外線に加えて、真空紫外線よりも長波長の紫外線が照射する(輝度劣化の抑制)、である。すなわち、第1の蛍光体層にはこれまでもより多くの紫外線が照射し、しかも真空紫外線よりも長波長の紫外線であるので蛍光体内部まで励起し蛍光体表層の影響を受けにくいことに起因すると推定している。
【0019】
従来技術の紫外線発光する蛍光体と可視光発光する蛍光体を混合したり、後者に前者を被覆した場合、真空紫外線から可視光へと変換している過程(1段励起)の一部を、真空紫外線から一度該真空紫外線より長波長の紫外線に変換しさらに可視光に変換(2段励起)を利用している。それぞれの励起過程ではその量子効率は1よりも小さいので、結果として2段励起は1段励起よりも輝度は低下してしまう。つまり、発光に利用している紫外線総量は増えていない。
【0020】
これに対して、本発明の可視発光する蛍光体層と紫外線発光する蛍光体層を分離して形成した場合(例えば図3)、可視発光する蛍光体は従来通り直接真空紫外線で励起され、さらに放電で発生した真空紫外線の内これまで前面板側に輻射して損失していた真空紫外線がこの真空紫外線よりも長波長の紫外線に変換され可視光発光する蛍光体に照射される(紫外線総量は増加)ので、より明るく発光し、しかも蛍光体の内部まで励起できるので輝度劣化を抑制できる。
【0021】
ここで、真空紫外線とは、中心波長が60〜199nmの光を指す。また、真空紫外線よりも長波長の紫外線とは、中心波長が200〜380nmの光を指す。
【0022】
第1の蛍光体層に用いる蛍光体としては、蛍光体粉末は特に限定されないが、発光強度、色度、色バランス、寿命などの観点から、以下の蛍光体が好適である。青色は2価のユーロピウムを賦活したアルミン酸塩蛍光体やCaMgSi2O6:Euである。さらにペースト焼成での劣化抑制からは化学量論組成に対してアルミニウム元素が過剰な組成であることが好ましい。また、アルミニウム元素の過剰量は化学量論組成に対して、10%以下であることが好ましい。過剰量が10%より大きいと、蛍光体粉末合成時に単一相にならず副生成物が発生し、発光強度の低下ならびに色度のy値が大きくなり、青色の色純度が低下しパネルでの色再現性範囲が狭くなる傾向がある。好ましくは化学量論組成に対して0.1〜9.5%の範囲内である。より好ましくは1〜9%の範囲内であり、さらに好ましくは2〜8%の範囲内である。
【0023】
ここで、化学量論組成のアルミン酸塩としては、例えば、MMgAl14O23、MMgAl10O17、MMg2Al16O27、MMg2Al14O24 、M2Mg2Al12O22 、M3Mg4Al8O18 、M3Mg5Al18O25 などが挙げられる。元素MはBa、SrおよびCaの少なくとも1種を含むことが好ましい。なかでも、パネル点灯時の発光強度低下ならび色度ずれが少ないという点から、MMgAl10O17の原子式のアルミン酸塩がより好ましく用いられる。
【0024】
また、MMgAl10O17の原子式のアルミン酸塩蛍光体の場合、ペースト焼成による輝度低下や色度ずれ抑制のためには、マグネシウム元素量が化学量論組成に対して90〜100%であることが好ましい。マグネシウム元素量が化学量論組成に対して90%よりも少ない場合、および100%よりも多い場合、ペースト焼成後の輝度低下や色度ずれが大きくなる傾向にあるからである。
【0025】
また、アルミン酸塩蛍光体の2価のユーロピウムの置換量が元素Mに対して5〜20at%の範囲内であることが好ましい。置換量が5at%より小さいと、パネル化後の長時間点灯により2価のユーロピウムの近傍に深いエネルギー準位をもつ電子トラップが形成されて、発光強度低下および色度ずれが大きくなることがある。置換量が20at%より大きくなるとペースト焼成による発光強度の低下および色度ずれが大きくなることがあり、また、50at%以上では濃度消光により未焼成の蛍光体粉末まで発光強度が低下する傾向にある。
【0026】
緑色では、パネル輝度の点からZn2SiO4:Mn、YBO3:Tb、BaMg2Al14O24:Eu,Mn、BaAl12O19:Mn、BaMgAl14O23:Mnが好適である。さらに好ましくはZn2SiO4:Mnである。
【0027】
赤色では、同様に(Y、Gd)BO3:Eu、Y2O3:Eu、YPVO:Eu、YVO4:Euが好ましい。さらに好ましくは(Y、Gd)BO3:Euである。
【0028】
蛍光体ペースト中には、上記蛍光体粉末以外の蛍光体や他の無機粒子を含んでいてもよいが、上記蛍光体粉末の含有量は70重量%以上が好ましい。より好ましくは85重量%以上である。さらに好ましくは95重量%以上である。具体的には、3Ca3(PO4)2・Ca(F,Cl)2:Sb、Sr10(PO4)6Cl2:Eu、(Sr,Ca)10(PO4)6Cl2:Eu、(Sr、Ca)10(PO4)6Cl2・nB2O3:Eu、(Ba,Ca,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu、Sr2PO7:Sn、Ba2P2O7:Ti、Ca3(PO4)2:Tl、(Ca,Zn)3(PO4)2:Tl、Sr2P2O7:Eu、SrMgP2O7:Eu、Sr3(PO4)2:Eu、(Ba,Sr,Mg)3Si2O7:Pb、(Ba,Mg,Zn)3Si2O7:Pb、BaSi2O5:Pb、Ba3MgSi2O8:Eu、Y2SiO5:Ce、CaWO4:Pbなどの蛍光体を含んでもよい。蛍光体以外には、カーボンブラック、チタンブラックなどの顔料や、水ガラス、低融点ガラスなどの結着材も含んでもよい。
【0029】
蛍光体粉末の粒子径は、レーザー回折散乱法(例えばマイクロトラック製HRA粒度分布計を用いた湿式測定)で測定される累積平均粒子径D50が0.5〜10μmの範囲内、さらには1〜5μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは1〜4μmである。平均粒径を0.5μm以上とすることで粉末の凝集性を抑え、ペーストの塗布性を良好なものとし、塗布膜および焼成後の蛍光体層の緻密性や均質性をより良好なものとすることができる。10μm以下とすることで焼成後の蛍光体層表面の凹凸を抑え、発光の乱反射による輝度の低下や輝度のばらつきをより防ぐことができる。
【0030】
また、蛍光体粉末の最大粒子径は40μm以下、さらには20μm以下とすることが好ましい。最大粒径を40μm以下とすることで焼成後の蛍光体層の凹凸をより抑えることができる。さらに20μm以下にすることは、粉末の充填性にも好ましい。また、最大粒径は、蛍光体ペーストの塗布方法とも関わり、スクリーン印刷法の場合はメッシュの開口率に関係し、ディスペンサー法などのノズル内径と関係してくるので、これらの点を考慮することが肝心である。
【0031】
第2の蛍光体層に用いる蛍光体としては、特に限定されず公知の材料が使用できる。例えば、BaSi2O5:Pb、(Ba,Sr,Mg)3Si2O7:Pb、(Sr,Ba)2MgSi2O7:Pb、SrB4O7:Eu、SrAl12O19:Ce、(Gd,La)B3O6:Bi、(Ca,Zn)3(PO4)2:Tl、YPO4:Ce、LaPO4:Ce、Ce(Mg、Ba)Al11O19、CeMgAl11O18:Ce、Ca3(PO4)2:Tl、Y(P,V)O4、Y2SiO5:Ce、CaWO4、CaWO4:Pbである。前面板側に第2の蛍光体層を形成した場合、第1の蛍光体層からの可視光ができるだけ前面板を透過しやすい方が好ましい。このためには、第1の蛍光体層を放電セル部分ではなく非放電セル部分のみに形成したり、連続状ではなく部分的に可視光が透過できる部位が残ったような網目状、島状などに形成してもよい。高輝度と言う点では、第1の蛍光体層の蛍光体粉末の平均粒子径よりも小さくして可視光の透過性を向上させるのが好ましい。例えば平均粒子径は、2〜300nmが好ましい。より好ましくは、5〜100nm、さらにより好ましくは5〜50nmである。この範囲にない場合、可視光がパネル外に有効に出にくくなり、高輝度化の効果が低くなりやすい傾向にある。
【0032】
このような第2の蛍光体層は蛍光体粉末を用いてペースト化して形成しても良いが、1000nm以下の蛍光体層を形成する場合、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマ蒸着法、CVD法、MOCVD法を用いて薄膜形成した方が有利である。
【0033】
第1および/または第2の蛍光体層の上層には、放電で発生したイオンや電子などの荷電粒子や中性高速粒子からの保護を目的として膜を形成しても良い。放電で発生した真空紫外線の利用効率と言う点では、この保護膜は真空紫外線に対して透明であることが好ましい。透明であるとは、透過率が30%以上あればよい。より好ましくは50%以上である。例えば、シリカ、MgO、LiF、MgF2、CaF2、BaF2、CeF4、ThF4、SrF2、AlF3・3NaF、LiSrAlF6、LiCaAlF6の群から1種以上を好ましく利用できる。保護膜の形成方法も特に限定されないが、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマ蒸着法、CVD法、MOCVD法などを利用することができる。保護膜の厚みは紫外線の透過性と放電からの保護膜としての機能から選定することができるが、例えば100〜3000nmの範囲が好ましい。
【0034】
次に、本発明のPDPの作成方法について、図3に従って説明する。
(背面板)
本発明の背面板に用いる基板としては、ソーダガラスの他にPDP用の耐熱ガラスである旭硝子社製の“PD200”や日本電気硝子社製の“PP8”を用いることができる。
【0035】
ガラス基板上に銀やアルミニウム、クロム、ニッケルなどの金属によりアドレス電極を放電セルのピッチにてストライプ状に形成する。形成する方法としては、これらの金属の粉末と有機バインダーを主成分とする金属ペーストをスクリーン印刷でパターン印刷する方法や、有機バインダーとして感光性有機成分を用いた感光性金属ペーストを塗布した後に、フォトマスクを用いてパターン露光し、不要な部分を現像工程で溶解除去し、さらに、通常400〜600℃に加熱・焼成して電極パターンを形成する感光性ペースト法を用いることができる。また、ガラス基板上にクロムやアルミニウム等の金属を蒸着した後に、レジストを塗布し、レジストをフォトマスクを用いてパターン露光・現像した後にエッチングにより、不要な部分の金属を取り除くエッチング法を用いることができる。
【0036】
さらに、放電の安定化のためにアドレス電極層の上に誘電体層を設けても良い。
アドレス電極層を形成したガラス基板上に、電極層と平行に位置した隔壁をサンドブラスト法、型転写法、フォトリソグラフィー法等によって形成する。本発明に使用する隔壁の材料としては特に限定されず、珪素およびホウ素の酸化物を含有するガラス材料が適用される。また、屈折率が1.5〜1.68のガラス材料を70重量%以上含むことがフォトリソグラフィー法によって形成する場合有利である。隔壁形状としては特に限定されないが、ストライプ状、井桁状、六角形状などがよい。
【0037】
電極層および隔壁層を形成したガラス基板上に、蛍光体ペーストを用いて蛍光体層1を形成する。
次に、本発明の蛍光体層1を形成する蛍光体ペーストについて説明する。蛍光体層を形成するときは蛍光体ペーストそのものを塗布して形成する以外にも、蛍光体ペーストを一度シート状にしたものを用いても構わない。
【0038】
蛍光体層1を形成するための蛍光体ペーストは、蛍光体粉末と樹脂成分を含むことができ、これらを有機溶剤等の適当な溶媒に分散および溶解したものである。 蛍光体ペーストの樹脂成分は、蛍光体粉末の発光強度の劣化の少ない通常400〜550℃程度の比較的低温で焼成される熱可塑性樹脂が好ましく、このような低温で焼成できる樹脂成分として、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシルエチルプロピルセルロース等のセルロース系樹脂ならびポリメチルメタクリレート、ポリ−i−プロピルメタクリレート、ポリ−i−ブチルメタクリレートや必要に応じてこれらの塗布性や熱分解性を改善するために、これらにメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のアクリル系モノマーを共重合させたアクリル系樹脂等を用いることができる。
【0039】
蛍光体粉末と樹脂成分の含有量は、乾燥状態の蛍光体ペーストに対して、蛍光体粉末が70〜95重量%と樹脂成分5〜30重量%であることが好ましい。より好ましくは蛍光体粉末が80〜90重量%、樹脂成分が10〜20重量%である。ここで、樹脂成分とは樹脂を溶媒に溶解させる前の固形分を指す。
【0040】
樹脂成分が少なすぎる場合には、ペースト中の蛍光体粉末の分散安定性、ペーストの粘度や流動性、塗布膜の膜厚保持性などを得ることができなくなる傾向にある。また、樹脂成分が多すぎると、焼成による樹脂成分の除去が不完全になり残渣として残り発光強度が低下する傾向にあり、また焼成で有機成分を除去するのに時間を要し、蛍光体粉末自体の焼成劣化が増大する傾向にある。
【0041】
本発明の蛍光体ペーストの溶媒は、樹脂成分と分離しない有機溶媒であればよく、アルコール類、エーテル類、エステル類などおよびその混合系が好ましい。特に、バインダー樹脂をよく溶解すると共に、蛍光体粉末を十分に分散させ、塗布性が優れていることからテルピネール(ターピネオール)を用いることが好ましい。また、蛍光体ペーストの粘度調整をするため、テルピネオールに沸点が同程度の芳香族系アルコール、例えばベンジルアルコールを混合することが好ましい。樹脂成分と溶媒の比率はペーストの粘度、蛍光体ペーストの塗布性などの観点から適宜調節することができる。
【0042】
フォトリソグラフィー法で蛍光体層を形成する場合、感光性を付与させるために、感光性モノマーとして炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物とベンゾフェノンなどの光重合開始剤ならび光散乱を抑えるスダン4等の有機染料を含有してもよい。
【0043】
本発明の蛍光体ペーストは、さらに必要に応じて、アニオン性や非イオン性界面活性剤等の有機化合物分散剤や、高級脂肪族系アルコール、可塑剤(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセル等)等を含有してもよい。また、ペーストの糸引きや蛍光体層塗布形状の観点から、必要に応じチキソトロピー性付与剤を添加してもよい。例えば、シリカ微粒子(例えば、日本アエロジル製“380”、“R974”)である。
【0044】
本発明の蛍光体ペーストは、特に限定されるものではないが撹拌機を用いてバインダー樹脂を溶媒中に加熱溶解(通常80℃程度)して作製したバインダー溶液に対し、蛍光体粉末を例えば3本ロール、ボールミル、ビーズミル等の分散機を用いて混練することで、製造することができる。例えば、あらかじめ所定量に調整しておいた有機バインダーと蛍光体を混合するだけでなく、所定量より溶媒または樹脂成分を少な目にした有機バインダーと蛍光体を混合し、しかる後残りの溶媒または樹脂成分を追加・混合したりすることができる。なかでも、所定量よりも樹脂成分を少な目にし有機バインダーと蛍光体を混合し、あらかじめスラリーを作製しておき、所定量になるように最後に残りの樹脂成分と溶媒を追加・混合することが好ましい。
【0045】
蛍光体ペーストの樹脂成分を除去する焼成工程では、大気中など酸素を含んだ雰囲気で430〜550℃で焼成することができる。樹脂としてアクリル系を用いた場合、窒素などの不活性ガス雰囲気中で焼成することこともできる。
【0046】
蛍光体層は、感光性蛍光体ペーストを用いたフォトリソグラフィー法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法等によって形成できる。蛍光体層の厚みも特に限定されるものではないが3電極面放電方式の反射型プラズマディスプレイでは、10〜30μm、より好ましくは15〜25μmである。樹脂成分除去のための焼成は、使用する樹脂が十分に脱バインダーする温度で行うのがよい。樹脂にエチルセルロースを用いた場合では、470〜550℃である。ポリメチルメタクリレートを用いた場合では、430〜490℃である。焼成温度が低すぎると樹脂成分が残存しやすく、高すぎるとガラス基板に歪みが導入されたり蛍光体粉末が劣化してしまう。
さらに必要に応じ、蛍光体層の上に保護膜を形成してもよい。
このようにして、背面板を作製することができる。
【0047】
(前面板)
前面板に用いるガラス基板については、背面板に述べたものと同様である。
ガラス基板上に、酸化錫、ITOなどの透明電極をリフトオフ法、フォトエッチング法などによって形成する。
【0048】
次に、透明電極を形成したガラス基板上に、銀やアルミ、銅、金、ニッケル等をスクリーン印刷や感光性導電ペーストを用いたフォトリソグラフィー法によって、バス電極層をパターン形成する。
【0049】
透明電極およびバス電極を形成したガラス基板上に、透明誘電体層をスクリーン印刷法などにより形成する。本発明に使用する透明誘電体材料は特に限定されないが、PbO、B2O3、SiO2を含有する鉛系ガラスやZnO−B2O3系ガラスなどの誘電体材料が適用される。
【0050】
次に、本発明の蛍光体層2を形成する。蛍光体層2を形成するための蛍光体ペーストは、蛍光体粉末の化学組成、粒子径以外については、前述の蛍光体層1を形成するための蛍光体ペーストと同様である。蛍光体層2を誘電体層上に一様に形成する場合は、スクリーン印刷法、スリットダイ法、スピンコート法、スプレードライ法などが好適である。一方、蛍光体層2を誘電体層上に部分的にパターンニングする場合は、パターンニングしたスクリーン版を用いたスクリーン印刷法や感光性蛍光体ペーストを用いたフォトリソグラフィー法が好ましい。蛍光体層2の厚みは特に限定されないが、可視光の透過性と真空紫外線の吸収性から適正値を決定できる。使用する蛍光体層2の蛍光体の種類、平均粒子径にもよるが、2〜2000nm程度の範囲が好ましい。より好ましくは、20〜1000nmである。さらにより好ましくは30〜800nmである。
さらに、透明誘電体層や蛍光体層2を保護する目的で、蛍光体層や透明誘電体層を覆う形で保護膜を形成してもよい。
【0051】
(プラズマディスプレイ)
これら背面板と前面板を用いて、背面板と前面板とを封着後、前背面の基板間隔に形成された空間に、ヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される放電ガスを封入後、駆動回路を装着してプラズマディスプレイを作製できる。
【0052】
【実施例】
以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に説明する。但し、本発明はこれに限定されない。
【0053】
(測定方法)
(1)パネルの発光特性および維持率
パネルの輝度、色度は、放電維持電圧180V、周波数30kHz、パルス幅3μmの放電条件で全面白色点灯させ、ミノルタ社製の分光放射輝度計CS−1000を用いて輝度Bおよび色度yを測定し、B/yを算出した。プラズマディスプレイを作製した直後のものをB0/y0(初期発光特性)とし、200時間連続点灯させた後のものをB200/y200とし、次式により維持率を算出した。
【0054】
維持率(%)=100×(B200/y200)/(B0/y0)。
【0055】
実施例1
まず、背面板を作製した。
“PD200”3インチガラス基板上に感光性銀ペースト用いて、幅200μm、厚み3μm、ピッチ360μmのアドレス電極を形成した。
【0056】
次いで誘電体層をスクリーン印刷法により10μm形成した。誘電体ペーストの組成は次のものを用いた。ガラス粉末A80重量部、フィラー(酸化ケイ素:日本アエロジル社の“アエロジル200”)1重量部、酸化チタン7重量部、エチルセルロース樹脂20重量部、分散剤(ノプコスパース092(サンノプコ製)0.3重量部、レベリング剤1重量部。ガラス粉末Aの組成は、酸化ビスマス38重量%、酸化ケイ素6重量%、酸化ホウ素20重量%、酸化亜鉛20重量%、酸化アルミニウム4重量%。特性は、ガラス転移点475℃、軟化点515℃、熱膨張係数75×10−7/℃、密度4.61g/cm3である。
【0057】
ペーストは、これらの成分からなる混合物を3本ローラー混練機で混練して作製した。
しかる後、感光性隔壁層ペーストを用いたフォトリソグラフィー法により隔壁層パターンを形成した。隔壁ペーストの組成は次のものを用いた。ガラス粉末B60重量部、バインダー(メタクリル酸メチルとメタクリル酸の共重合体(平均分子量25000、酸価102)10重量部、感光性モノマー(テトラプロピレングリコールジアクリレート)10重量部、光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア369)0.5重量部、γ−ブチロラクトン17重量部。
【0058】
ガラス粉末Bの組成は、酸化リチウム9重量%、酸化ケイ素22重量%、酸化アルミニウム23重量%、酸化ホウ素33重量%、酸化バリウム4重量%、酸化亜鉛2重量%、酸化マグネシウム7重量%。特性は、ガラス転移点476℃、軟化点519℃、熱膨張係数75×10−7/℃、密度2.54g/cm3なるものを用いた。ペーストは、これらの成分からなる混合物を3本ローラー混練機で混練して作製した。
【0059】
感光性ペースト塗布膜は乾燥した後、ストライプ状パターンのフォトマスクを介して、50mJ/cm2の露光量を与えた後、0.2%のモノエタノールアミン水溶液で現像し隔壁パターンを形成した。その後、焼成温度570℃で15分間焼成して、良好な形状の隔壁層を得た。
【0060】
次に、以下の要領で蛍光体層を形成した。青色蛍光体は、前述したBa0.9MgAl10O17:Eu0.1を、赤色蛍光体は(Y,Gd)BO3:Euを、緑色蛍光体はZn2SiO4:Mnを用いた。テルピネオール:ベンジルアルコール:エチルセルロース(“エトセル 20cP”)=10:70:18の比率であらかじめ80℃で加熱溶解した樹脂成分溶液を用意し、蛍光体粉末80重量%、樹脂成分(固形分)18重量%となるように蛍光体粉末と樹脂成分溶液を、3本ローラーで混練し、蛍光体ペーストを得た。この蛍光体ペーストを、孔径150μm吐出口ノズルを使用したディスペンサー法で隔壁上に隔壁底部と側部とも約30μmとなるように塗布した。80℃、20分の乾燥後、大気中で500℃、15分の焼成を行い、蛍光体ペースト中の樹脂成分の除去を行った。かくして背面板を作製した。
【0061】
次に、前面板を作製した。
旭硝子社製“PD200”3インチのガラス基板上に、ITOを用いて、ピッチ1080μm、線幅350μmのスキャン電極を形成した。また、その基板上に感光性銀ペースト法で電極幅100μm、厚み3μmのバス電極を形成した。
次に、透明誘電体ガラスペーストをスクリーン印刷により、表示部分のバス電極が覆われるように30μmの厚みで透明誘電体を形成した。
【0062】
紫外線発光蛍光体LaPO4:Ce(平均粒子径5μm)を焼結してスパッタ用ターゲットを作成し、これを用いてスパッタ法により透明誘電体層上に一様にLaPO4:Ceからなる蛍光体層を形成した。蛍光体層の厚みは40nmになるように成膜時間の調整を行った。
さらに蛍光体層の上に電子ビーム蒸着により保護膜として、厚み1.0μmの酸化マグネシウム層を形成して前面板を作製した。
【0063】
前面板と背面板の各電極が垂直に位置するように配置し、PbO、B2O3、セラミックフィラーなどからなるガラスフリットを用いて、前面板と背面板の封着を行った。封着後、封着した前面板と背面板内部を350℃程度に加熱しながら真空排気を行い、室温に冷却後Xe5%−Ne bal.ガスを66.5kPaまで封入した。最後に、駆動回路を実装し、PDPを完成した。
【0064】
実施例2〜4
紫外線発光する蛍光体層の蛍光体材料と平均厚みを表1の通りとした以外は、実施例1と同様にPDPを作成した。
【0065】
実施例5
紫外線発光する蛍光体を平均粒子径50nmのLaPO4:Ceとし、この蛍光体をイソプロピルアルコール中に分散させたスラリーを用いてスピンコータにより紫外線発光する蛍光体層を形成した以外は、実施例1のようにPDPを作成した。
【0066】
実施例6
パターニングしたスクリーン版を用いたスクリーン印刷法で紫外線発光する蛍光体層を非放電セル部分のみに形成した以外は実施例1と同様にPDPを作成した。蛍光体ペーストは、BaSi2O5:Pb(平均粒子径2μm)50重量部、エチルセルロース10重量部、テルピネオール30重量部となるように秤量し、3本ローラで混練して作成した。
【0067】
実施例7
放電ガス組成をXe10%−Ne bal.とした以外は実施例6と同様にPDPを作成した。
【0068】
実施例8
表1の蛍光体材料および平均膜厚とした以外は、実施例6と同様にPDPを作成した。
【0069】
実施例9
紫外線発光する蛍光体層を形成した後に、保護膜としてMgOの代わりにMgF2とした以外は、実施例1と同様にPDPを作成した。
【0070】
比較例1
紫外線発光する蛍光体層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にPDPを作製した。
【0071】
比較例2
赤、青、緑色蛍光体ペーストにおいて、各色の蛍光体粉末の10重量%分をLaPO4:Ce(平均粒子径5μm)に置換したペースト組成とした以外は比較例1と同様にPDPを作成した。
【0072】
実施例1〜9および比較例1、2について、紫外線発光する蛍光体層の蛍光体材料とその平均厚み、および作成したPDPの初期発光特性、維持率を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
実施例1〜9は比較例1、2に対して、初期発光特性および維持率が良好である。特に、実施例1、7、9は初期発光特性に優れ、維持率も高く高信頼性・長寿命なディスプレイである。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、紫外線発光する蛍光体と可視光発光する蛍光体層を分離して形成したので、高輝度で長時間点灯による発光強度の低下を抑制でき、高信頼かつ長寿命なプラズマディスプレイを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプラズマディスプレイの分解斜視図である。
【図2】従来のプラズマディスプレイの赤色セル構造を示す断面図である。
【図3】本発明のプラズマディスプレイの赤色セル構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1:前面板
2:ガラス基板
3:スキャン電極
4:サスティン電極
5:バス電極
6:透明誘電体層
7:MgO保護膜
8:背面板
9:ガラス基板
10:アドレス電極
11:誘電体層
12:隔壁層
13:赤色蛍光体層(第1の蛍光体層)
14:緑色蛍光体層(第1の蛍光体層)
15:青色蛍光体層(第1の蛍光体層)
16:紫外線発光蛍光体層(第2の蛍光体層)
Claims (4)
- 少なくとも前面板と背面板を有し、真空紫外線で励起され可視光を発光する蛍光体を含む第1の蛍光体層と、該真空紫外線で励起され紫外線を発光する蛍光体を含む第2の蛍光体層が形成されたプラズマディスプレイであって、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層が分離して配置されていることを特徴とするプラズマディスプレイ。
- 第1の蛍光体層が背面板側に形成され、かつ第2の蛍光体層が前面板側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ。
- 第2の蛍光体層の平均厚みが2〜2000nmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイ。
- 第1および/または第2の蛍光体層の上層に保護膜が形成されており、該保護膜が真空紫外線に対して透明であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプラズマディスプレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003087225A JP2004296273A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | プラズマディスプレイ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003087225A JP2004296273A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | プラズマディスプレイ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004296273A true JP2004296273A (ja) | 2004-10-21 |
Family
ID=33401650
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003087225A Pending JP2004296273A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | プラズマディスプレイ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004296273A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7443098B2 (en) | 2005-02-21 | 2008-10-28 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Plasma display panel with first and second phosphor layers respectively on first and second substrate surfaces |
WO2022257072A1 (zh) * | 2021-06-10 | 2022-12-15 | 深圳市豪恩智能物联股份有限公司 | 面板灯 |
-
2003
- 2003-03-27 JP JP2003087225A patent/JP2004296273A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7443098B2 (en) | 2005-02-21 | 2008-10-28 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Plasma display panel with first and second phosphor layers respectively on first and second substrate surfaces |
WO2022257072A1 (zh) * | 2021-06-10 | 2022-12-15 | 深圳市豪恩智能物联股份有限公司 | 面板灯 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004241379A (ja) | プラズマディスプレイ部材およびプラズマディスプレイ、並びにプラズマディスプレイ部材の製造方法 | |
US7677942B2 (en) | Method of making a plasma display panel and green sheet for forming dielectric layers of the plasma display panel | |
US7056193B2 (en) | Method of forming fine partition walls, method of producing planar display device, and abrasive for jet processing | |
JP2001316664A (ja) | ディスプレイ用蛍光体ペースト、ディスプレイ用部材およびディスプレイ | |
JP4248721B2 (ja) | 紫外線変換材料とこの紫外線変換材料を用いた表示装置 | |
US7767290B2 (en) | Slurry composition, green sheet, and method for manufacturing barrier ribs of plasma display panel | |
JP2004119118A (ja) | プラズマ表示装置およびその製造方法 | |
JP4519629B2 (ja) | プラズマディスプレイ部材およびプラズマディスプレイ | |
JP2003272530A (ja) | プラズマディスプレイ部材およびプラズマディスプレイならびに無機材料ペースト | |
JP2003292946A (ja) | 蛍光体ペーストならびにプラズマディスプレイ部材およびプラズマディスプレイ | |
JP4763685B2 (ja) | 表示装置及び緑色蛍光体 | |
JP2004296273A (ja) | プラズマディスプレイ | |
JP2002235074A (ja) | ディスプレイ用蛍光体ペーストおよびディスプレイ用部材ならびにディスプレイ | |
KR100421214B1 (ko) | 플라즈마디스플레이패널의형광체페이스트및그제조방법 | |
JPH08287835A (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
KR20010004289A (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널의 형광체 형성방법 | |
JP2000294130A (ja) | 蛍光体層の形成方法及びプラズマディスプレイパネル | |
JP2004071379A (ja) | プラズマディスプレイ部材ならびにプラズマディスプレイ、およびその製造方法 | |
JP3202964B2 (ja) | 蛍光体材料、蛍光体膜およびプラズマディスプレイパネル | |
JP4061752B2 (ja) | プラズマディスプレイパネル用部材およびプラズマディスプレイパネル | |
JP2002042663A (ja) | 交流駆動型プラズマ表示装置及びその製造方法 | |
WO2006008974A1 (ja) | 蛍光体と蛍光体の製造方法および発光装置 | |
JP2003132799A (ja) | 交流駆動型プラズマ表示装置 | |
JPH10130638A (ja) | 蛍光体ペーストおよびそれを用いたプラズマディスプレイパネルの製造方法 | |
JPH0528925A (ja) | プラズマデイスプレイ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060315 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071005 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20071023 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20080311 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |