JP2004295565A - 貿易取引支援装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現する。
【解決手段】輸入地金融機関のコンピュータからLC(信用状)情報を受信すると、ウェブサーバは、受信したLC情報の宛先としての輸出企業を認識し(130)、受信したLC情報からキー情報(例えば輸入企業名、商品名、アテンション)を抽出し、キー情報の内容を、通知先DBに予め登録されている通知先判別のための通知先情報と照合することで、輸出企業のうち、受信したLC情報と関連する部署(通知先部署)を判断する(132〜136)。受信したLC情報を通知先部署が閲覧可能に記憶させた後に(140)、電子メールを送信することでLC情報の到着を通知先部署に通知する(142,144)。
【選択図】 図4
【解決手段】輸入地金融機関のコンピュータからLC(信用状)情報を受信すると、ウェブサーバは、受信したLC情報の宛先としての輸出企業を認識し(130)、受信したLC情報からキー情報(例えば輸入企業名、商品名、アテンション)を抽出し、キー情報の内容を、通知先DBに予め登録されている通知先判別のための通知先情報と照合することで、輸出企業のうち、受信したLC情報と関連する部署(通知先部署)を判断する(132〜136)。受信したLC情報を通知先部署が閲覧可能に記憶させた後に(140)、電子メールを送信することでLC情報の到着を通知先部署に通知する(142,144)。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は貿易取引支援装置及びプログラムに係り、特に、貿易取引の事務処理を支援する貿易取引支援装置、コンピュータを前記貿易取引支援装置として機能させるためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
貿易取引において、特に輸出者は、様々な貿易書類を手配し、手配した貿易書類を取り纏める際に照合を繰り返し行い、取り纏め及び照合が完了した貿易書類を保管しておき、書類の全通が整った段階で輸入者又は金融機関に送付する必要があるので、事務処理が極めて煩雑であり、事務処理に多大な時間及びコストがかかるという問題がある。
【0003】
このため、本願出願人は、貿易取引の関係者、特に輸出者の事務処理を削減することを目的として、貿易取引の関係者が各々所持しているクライアントとインターネットを介して接続されたサーバに、貿易取引に必要な貿易書類を表す複数種の貿易書類情報を記憶するためのHDDを設け、特定の貿易書類情報の登録又は更新が関係者より指示されると、前記関係者が特定の貿易書類情報を登録又は更新する権利を有している場合にのみ特定の貿易書類情報の登録又は更新を許可し、貿易書類情報の閲覧が関係者より指示されると、閲覧が指示された貿易書類情報をHDDから読み出して送信し、貿易書類情報の内容が確定すると貿易書類情報の更新を禁止し、決済時には、複数種の貿易書類情報を、所定の認証機関を経由して、輸入者又は銀行又は輸出者へ貿易書類の原本として送信するシステムを提案している(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−56069号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
貿易取引における決済方法の1つである信用状(以下、LCという)を用いた決済は、輸入者が支払い能力を有していることがLCによって保証されているので、輸出者側は、輸入者から代金を回収できない可能性がある等のリスク(代金回収リスク)から解放され、輸出者から銀行を経由して輸入者に渡される貿易書類の内容が事前に銀行等によって確認されることで、輸入者側は、受け取った貿易書類の内容が整合していないことで輸入物品の受け取りができない可能性がある等のリスク(物品受取リスク)から解放される、という利点があるために多用されている。
【0006】
LCは、輸入地の金融機関から輸出地の金融機関へデータとして送信された後に、輸出地の金融機関が受信データを紙に印刷したものが原本とされ、このLCの原本が輸出者へ送付されることで輸出者によって保管され、後続の事務処理に使用されるが、輸出者が規模の大きな企業である場合には、複数の部署が各々独立に貿易取引を行うので、輸出地の金融機関からLCを受領した際に、まず受領したLCが何れの部署における貿易取引に対応するLCかを判断して該当部署に渡す必要があり、事務処理が煩雑であった。
【0007】
また、LCを用いた輸出者側での決済は、輸出者が振り出した手形(為替手形)及び輸出者が保管しているLCや貿易書類が輸出地の金融機関に持ち込まれて手形の買い取りが依頼されることによって為され、輸出地の金融機関は手形の買い取りにあたり、買取対象の手形の金額がLCの金額(LCが保証している輸入者の支払い可能金額)以下であることを確認する必要があるが、LCの金額は輸入者からの条件変更指示(アメンド)に伴って変更されることがあり、また、輸出地の金融機関が過去に同一のLCに基づく手形の買い取りを行っていた場合には、該LCの金額が実質的に変化しているので、上記の確認のための事務処理が煩雑であった。
【0008】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現できる貿易取引支援装置及びプログラムを得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る貿易取引支援装置は、貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータと通信回線を介して接続されると共に、前記貿易取引における輸出者としての輸出企業の個々の部署に設置されたクライアント・コンピュータと通信回線を介して各々接続されたサーバ・コンピュータによって実現される貿易取引支援装置であって、前記輸入地の金融機関のコンピュータから送信された、前記貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を受信する受信手段と、前記輸出企業の特定部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容を、前記輸出企業の個々の部署について予め各々記憶する第1記憶手段と、前記受信手段によって受信された信用状情報に含まれるキー情報の内容を前記記憶手段に記憶されている情報と照合することで、前記受信された信用状情報に関連する部署を判断する判断手段と、前記判断手段によって前記信用状情報に関連する部署と判断された前記輸出企業の特定部署に前記信用状情報の到着を通知する通知手段と、を含んで構成されている。
【0010】
請求項1記載の発明に係る貿易取引支援装置は、貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータと通信回線(例えばS.W.I.F.T等)を介して接続されると共に、貿易取引における輸出者としての輸出企業の個々の部署に設置されたクライアント・コンピュータと通信回線(例えばインターネット等)を介して各々接続されたサーバ・コンピュータによって実現される。輸入地の金融機関のコンピュータからは貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報が送信され、送信された信用状情報は受信手段によって受信される。
【0011】
また、請求項1記載の発明では、輸出企業の特定部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容が、輸出企業の個々の部署について第1記憶手段に予め各々記憶されている。このキー情報としては、例えば請求項2に記載した輸入企業名情報や商品名情報、アテンション情報の少なくとも1つを適用することができる。なお、個々の部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容は、例えば輸出企業が事前に届け出た情報に基づいて設定することができる。
【0012】
また、請求項1記載の発明では、受信手段によって受信された信用状情報に含まれるキー情報の内容が記憶手段に記憶されている情報と照合されることで、受信された信用状情報に関連する部署が判断手段によって判断され、通知手段により、判断手段によって信用状情報に関連する部署と判断された輸出企業の特定部署に信用状情報の到着が通知される。なお、通知手段による通知には、例えば電子メール等を用いることができる。また、到着した信用状情報は、到着を通知した特定部署のクライアント・コンピュータを介して閲覧可能なように貿易取引支援装置の記憶手段に記憶しておいてもよいし、特定部署のクライアント・コンピュータを介してダウンロード可能としてもよい。
【0013】
これにより、輸出地の金融機関において、輸入地の金融機関のコンピュータから信用状情報を受信する毎に、受信した信用状情報を原本として紙に印刷し輸出企業へ送付する必要がなくなると共に、輸出企業側においても、信用状の原本を受領する毎に、受領した信用状の原本が何れの部署における貿易取引に関連する信用状かを判断して該当部署に渡す必要がなくなる。また、輸入地の金融機関のコンピュータから受信された信用状情報に関連する部署では、信用状情報の到着が直接通知されることで、到着した信用状情報の内容を迅速に確認することができる。従って、請求項1記載の発明によれば、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現することができる。
【0014】
請求項3記載の発明に係る貿易取引支援装置は、貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータ及び前記貿易取引における輸出者のコンピュータと通信回線を介して各々接続されたサーバ・コンピュータによって実現される貿易取引支援装置であって、前記輸入地の金融機関のコンピュータから受信した、前記貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を記憶する第2記憶手段と、前記輸入地の金融機関のコンピュータから、前記第2記憶手段に記憶されている信用状情報に対する条件変更を表す条件変更情報を受信した場合に、受信した条件変更情報に基づいて前記信用状情報の内容を変更する変更手段と、前記第2記憶手段に記憶されている信用状情報に基づく手形の買い取りが行われる毎に、買取金額を含む買取履歴情報が記憶される第3記憶手段と、輸出者のコンピュータを介して特定の信用状情報に基づく手形の買い取りが輸出者から依頼された場合に、前記特定の信用状情報、該特定の信用状情報に対応する買取履歴情報の有無及び該買取履歴情報に含まれる買取金額に基づいて、手形の金額が前記特定の信用状情報についての使用可能金額以下か否かを判断することで手形の買い取りが可能か否かを判定する判定手段と、を含んで構成されている。
【0015】
請求項3記載の発明に係る貿易取引支援装置は、輸入地の金融機関のコンピュータ及び輸出者のコンピュータと通信回線(例えばS.W.I.F.T/インターネット等)を介して各々接続されたサーバ・コンピュータによって実現される。輸入地の金融機関のコンピュータからは貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報が送信され、受信した信用状情報は第2記憶手段に記憶される。また、第2記憶手段に記憶されている信用状情報に対する条件変更を表す条件変更情報が輸入地の金融機関のコンピュータから送信される場合があり、この条件変更情報を受信した場合、変更手段は、受信した条件変更情報に基づいて信用状情報の内容を変更する。これにより、特定の信用状情報が規定する信用状の金額(輸入者の支払い保証額)の変更を表す条件変更情報を受信した場合には、該条件変更情報に基づき変更手段によって特定の信用状情報の金額が変更されることになる。
【0016】
また、請求項3記載の発明において、第2記憶手段に記憶されている信用状情報に基づく手形の買い取りが行われる毎に、買取金額を含む買取履歴情報が第3記憶手段に記憶される。そして、請求項3記載の発明に係る判定手段は、輸出者のコンピュータを介して特定の信用状情報に基づく手形の買い取りが輸出者から依頼された場合に、特定の信用状情報、該特定の信用状情報に対応する買取履歴情報の有無及び該買取履歴情報に含まれる買取金額に基づいて、手形の金額が特定の信用状情報についての使用可能金額以下か否かを判断することで手形の買い取りが可能か否かを判定する。
【0017】
これにより、特定の信用状情報に基づく手形の買い取りが輸出者から依頼された場合に、金融機関において、買取対象の手形の金額が特定の信用状情報についての使用可能金額以下か否かを確認する作業が不要となるので、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現できる。
【0018】
請求項4記載の発明に係るプログラムは、貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータと通信回線を介して接続されると共に、前記貿易取引における輸出者としての輸出企業の個々の部署に設置されたクライアント・コンピュータと通信回線を介して各々接続され、前記輸出企業の特定部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容を、前記輸出企業の個々の部署について予め各々記憶する第1記憶手段を備えたサーバ・コンピュータを、前記輸入地の金融機関のコンピュータから送信された、前記貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を受信する受信手段、前記受信手段によって受信された信用状情報に含まれるキー情報の内容を前記記憶手段に記憶されている情報と照合することで、前記受信された信用状情報に関連する部署を判断する判断手段、及び、前記判断手段によって前記信用状情報に関連する部署と判断された前記輸出企業の特定部署に前記信用状情報の到着を通知する通知手段として機能させる。
【0019】
請求項4記載の発明に係るプログラムは、輸入地の金融機関のコンピュータと通信回線を介して接続されると共に、輸出者としての輸出企業の個々の部署に設置されたクライアント・コンピュータと通信回線を介して各々接続され、輸出企業の特定部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容を、輸出企業の個々の部署について予め各々記憶する第1記憶手段を備えたサーバ・コンピュータを、上記の受信手段、判断手段及び通知手段として機能させるためのプログラムであるので、コンピュータが請求項4記載の発明に係るプログラムを実行することにより、コンピュータが請求項1に記載の貿易取引支援装置として機能することになり、請求項1記載の発明と同様に、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現することができる。
【0020】
請求項5記載の発明に係るプログラムは、貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータ及び前記貿易取引における輸出者のコンピュータと通信回線を介して各々接続され、前記輸入地の金融機関のコンピュータから受信した、前記貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を記憶する第2記憶手段と、前記第2記憶手段に記憶されている信用状情報に基づく手形の買い取りが行われる毎に、買取金額を含む買取履歴情報が記憶される第3記憶手段と、を備えたサーバ・コンピュータを、前記輸入地の金融機関のコンピュータから、前記第2記憶手段に記憶されている信用状情報に対する条件変更を表す条件変更情報を受信した場合に、受信した条件変更情報に基づいて前記信用状情報の内容を変更する変更手段、及び、輸出者のコンピュータを介して特定の信用状情報に基づく手形の買い取りが輸出者から依頼された場合に、前記特定の信用状情報、該特定の信用状情報に対応する買取履歴情報の有無及び該買取履歴情報に含まれる買取金額に基づいて、手形の金額が前記特定の信用状情報についての使用可能金額以下か否かを判断することで手形の買い取りが可能か否かを判定する判定手段として機能させる。
【0021】
請求項5記載の発明に係るプログラムは、輸入地の金融機関のコンピュータ及び輸出者のコンピュータと通信回線を介して各々接続され、輸入地の金融機関のコンピュータから受信した貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を記憶する第2記憶手段と、第2記憶手段に記憶されている信用状情報に基づく手形の買い取りが行われる毎に、買取金額を含む買取履歴情報が記憶される第3記憶手段を備えたサーバ・コンピュータを変更手段及び判定手段として機能させるためのプログラムであるので、前記サーバ・コンピュータが請求項5記載の発明に係るプログラムを実行することにより、コンピュータが請求項3に記載の貿易取引支援装置として機能することになり、請求項3記載の発明と同様に、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係るコンピュータ・システム10が示されている。コンピュータ・システム10は、輸入企業14と貿易取引(輸出入)を行う輸出企業12の個々の部署(貿易取引に携わる部署)に各々設置された複数台のクライアントPC16を含んで構成されている。
【0023】
個々のクライアントPC16はパーソナル・コンピュータ(PC)から成り、CPU16A、ROM16B、RAM16C及び入出力ポート16Dが、データバス、制御バス、アドレスバス等から成るバス16Eを介して互いに接続されて構成されている。また入出力ポート16Eには、各種の入出力機器として、通信制御装置18、CRT又はLCDから成るディスプレイ20、キーボード22、マウス24、ハードディスクドライブ(HDD)26、CD−ROMからの情報の読み出しを行うCD−ROMドライブ28が各々接続されている。
【0024】
また、個々のクライアントPC16の通信制御装置18は、多数台のウェブサーバが通信回線を介して相互に接続されて成るインターネット32に各々接続されている。なお、輸出企業12と輸入企業14との貿易取引に関係する各関係者30(例えば船会社、航空貨物取扱業者、保険会社等)もクライアントPC16を所持しており、各関係者が所持しているクライアントPC16もインターネット32に接続されている。インターネット32には、輸出企業12の所在地(輸出地)の金融機関(輸出地金融機関)46に設置され輸出企業12に対して輸出業務電子化サービス(詳細は後述)を提供するウェブサーバ(本発明に係る貿易取引支援装置として機能するウェブサーバ)34が接続されている。
【0025】
なお、クライアントPC16とウェブサーバ34の通信において、クライアントPC16のなりすましはSSL(Secure Sockets Layer)を利用したクライアント認証(認証局で認証)及びワンタイムパスワード認証によって防止し、ウェブサーバ34のなりすましはSSLを利用したサーバ認証により防止すると共に、情報の漏洩を防止するためにクライアントPC16とウェブサーバ34の間で送受される情報をSSL128bitで暗号化し、情報の改ざんを防止するために電子署名を利用することが好ましい。
【0026】
ウェブサーバ34はワークステーションから成り、CPU34A、ROM34B、RAM34C及び入出力ポート34Dを備え、これらは互いにデータバス、制御バス、アドレスバス等から成るバス34Eを介して互いに接続されている。また入出力ポート34Dには、各種の入出力機器として、通信回線を介してインターネット32に接続された通信制御装置36、CRT又はLCDから成るディスプレイ38、キーボード40、マウス42及びHDD44が各々接続されている。HDD44には、貿易書類データベース(DB)、買取履歴DB及び通知先DB(何れも後述)を記憶するための記憶領域が設けられている。
【0027】
また、ウェブサーバ34には、輸出業務電子化サービスに係る処理を行うための輸出業務電子化プログラムがHDD44に各々インストールされている。輸出業務電子化プログラムは、後述するLC受信時処理を行うためのLC受信時プログラム(請求項4に記載のプログラムに相当)と、後述する手形買取依頼時処理を行うための手形買取依頼時プログラム(請求項5に記載のプログラムに相当)を含んで構成されている。輸出業務電子化プログラムをウェブサーバ34にインストール(移入)するには幾つかの方法があるが、例えば輸出業務電子化プログラムをセットアッププログラムと共にCD−ROMに記録しておき、該CD−ROMを図示しないCD−ROMドライブにセットし、CPU34Aに対して前記セットアッププログラムの実行を指示すれば、CD−ROMから輸出業務電子化プログラムが順に読み出され、読み出された輸出業務電子化プログラムがHDD44に順に書き込まれることで、輸出業務電子化プログラムのインストールが行われる。
【0028】
輸出地金融機関46内には、複数台のコンピュータが通信回線を介して互いに接続されたネットワーク50が設置されており、ウェブサーバ34は通信制御装置36を介してネットワーク50に接続されている。また、輸入企業14の所在地(輸入地)の金融機関(輸入地金融機関)52内にも、複数台のコンピュータが通信回線を介して互いに接続されたネットワーク54が設置されており、輸出地金融機関46内のネットワーク50と輸入地金融機関52のネットワーク54はS.W.I.F.T58(銀行間のメッセージ交換のための国際間ネットワーク)を介して相互に接続されている。
【0029】
次に本実施形態の作用を説明する。本実施形態に係るウェブサーバ34によって運営される輸出業務電子化サービスは、ウェブサーバ34で信用状(LC)の管理を行うことで、輸出企業12と輸出地金融機関46の間(及び輸出企業12と貿易取引の各関係者30の間)の取引の電子化を実現するサービスであり、利用者による輸出業務電子化サービスの利用は、クライアントPC16を操作してブラウザ(閲覧ソフト)を起動し、ウェブサーバ34上のデータを閲覧したり、ウェブサーバ34からのデータのダウンロード、ウェブサーバ34へのデータのアップロード等を行うことで為される。
【0030】
本実施形態では、輸出業務電子化サービスの利用にあたり、利用者(輸出企業12、貿易取引関係者30等)が利用申込書を事前に提出するが、利用申込書を提出した個々の利用者に対してID及びパスワードが付与される。ID及びパスワードは輸出業務電子化サービスを利用する際(ログイン時)の利用者の認証に用いられる。また、輸出企業12が提出する利用申込書には、輸出企業12の各部署宛のLC情報を識別するための通知先情報の記入欄も設けられており、輸出企業12は通知先情報も記入した上で利用申込書を提出する。
【0031】
この通知先情報は、例として次の表1に示すように、輸出企業12の特定の部署に関連するLC情報に含まれるキー情報の内容を、輸出企業12の各部署について各々規定する情報であり、表1の例ではキー情報として「輸入企業名」「商品名」「アテンション」の各情報を用いている。輸出地金融機関46では、輸出企業12から利用申込書が提出されると、提出された利用申込書に記入されている通知先情報を電子化し、ウェブサーバ34のHDD44に記憶されている通知先DBに、輸出企業12に対応する通知先情報として登録する。
【0032】
【表1】
【0033】
LCを用いて決済を行う場合、輸入企業14(発行依頼人)は輸入地金融機関52(発行銀行)に対してLCの発行を依頼する。本実施形態では、LCを用いた決済に関わる関係者(輸入地金融機関52、輸出地金融機関46及び輸出企業12)が、LCの内容を電子化したLC情報をLCの原本として扱うことで合意しており、輸入地金融機関52ではPC等を用いてLC情報を作成し、作成したLC情報をS.W.I.F.T58経由で輸出地金融機関46(通知銀行)へ送信する。なおLC情報には、輸入企業14の支払い保証額等の情報に加え、「輸入企業名」「商品名」「アテンション」の各キー情報等が含まれている。
【0034】
S.W.I.F.T58を経由して輸入地金融機関52からLC情報を受信した輸出地金融機関46では、受信したLC情報をウェブサーバ34へ転送する(図2(A)のステップ70も参照)。ウェブサーバ34ではLC情報を受信するとCPU34AによってLC受信時プログラムが実行されることで、図4に示すLC受信時処理が行われる。
【0035】
LC受信時処理では、まずステップ130において、受信したLC情報の内容を参照し、受信したLC情報の宛先としての輸出企業12を認識する。ステップ132では、通知先DBに登録されている通知先情報のうち、ステップ130で認識した輸出企業12に対応する通知先情報を参照し、LC情報の到着を通知する通知先部署(受信したLC情報に関連する部署)を判別するためのキー情報を認識する。またステップ134では、ステップ132で認識したキー情報を受信したLC情報から抽出する。そしてステップ136では、ステップ134で抽出したキー情報の内容を、ステップ130で認識した輸出企業12に対応する通知先情報と照合することで、通知先部署を判断する(図2(A)のステップ72も参照)。
【0036】
具体的には、例えば受信したLC情報から抽出した「輸入企業名」が「ABC Corporation」、「商品名」が「Automobile」、「アテンション」が「Taro Yamada」であった場合には、表1に示す通知先情報に従い、通知先部署が車両貿易部であると判断されることになる。
【0037】
次のステップ138では、受信したLC情報から、個々のLC情報を識別するためのLC番号を抽出し、ステップ140では、LC番号を付与したLC情報を通知先部署が閲覧可能なように、HDD44に記憶されている貿易書類DBに登録する(図2(A)のステップ74も参照)。またステップ142では、ステップ136で判断した通知先部署に対してLC情報の到着を通知する電子メールを作成する。なお、この電子メールには、LC情報の到着を通知するメッセージと、到着したLC情報を特定するためのLC番号が記載されている。そしてステップ144では、ステップ142で作成した電子メールを送信し(図2(A)のステップ76)、LC受信時処理を終了する。
【0038】
これにより、到着したLC情報に関係する特定部署の担当者がクライアントPC16により電子メールを受信する操作を行うことで、上記の電子メールが特定部署で受信され、受信した電子メールの内容を担当者が参照することで、特定部署に関係するLC情報(特定部署が関係している貿易取引について輸入企業14の支払いを保証するLC情報)が到着したことを認識することができる。そして、LC情報が到着したことを認識すると、特定部署の担当者は、電子メールに記載されているLC番号を指定することで到着したLC情報を閲覧し、内容を確認する(図2(A)のステップ78も参照)。
【0039】
このように、LCをLC情報としてウェブサーバ34に保管することで、輸出地金融機関46は、LC情報を受信する毎に、受信したLC情報を原本として紙に印刷し輸出企業12へ送付する必要がなくなると共に、輸出企業12側でも、LCの原本を受領する毎に、受領したLCが何れの部署に関係するLCかを判断して該当部署に渡す必要がなくなる。また、到着したLC情報に関係する特定部署では、LC情報の到着がウェブサーバ34から直接通知されるので、到着したLC情報の内容を迅速に確認することができる。
【0040】
なお、担当者が到着したLC情報の内容を確認した結果、例えばLCの金額が受注額よりも小さい等のように、LC情報の内容に瑕疵があることが判明した場合には、輸入企業14に対してLC情報の修正が依頼され、輸入企業14では、この修正依頼を受けて、LC情報の修正を輸入地金融機関52に依頼する。これにより、輸入地金融機関52では先に送信したLC情報における金額等の条件の変更を通知するLCアメンド情報を作成し、作成したLCアメンド情報をS.W.I.F.T58経由で輸出地金融機関46へ送信する。
【0041】
S.W.I.F.T58経由で輸入地金融機関52からLCアメンド情報を受信した輸出地金融機関46では、受信したLCアメンド情報をウェブサーバ34へ転送する(図2(B)のステップ80も参照)。ウェブサーバ34では、LCアメンド情報を受信すると、受信したLCアメンド情報に含まれるLC番号に基づいて、アメンド(条件変更)対象のLC情報を特定し(図2(B)のステップ82も参照)、特定したアメンド対象のLC情報の内容を、受信したLCアメンド情報に基づいて変更する(図2(B)のステップ84も参照)。なお、オリジナル(元の)LC情報及びLCアメンド情報の履歴はウェブサーバ34のHDD44に記憶・保管される。
【0042】
また、前述したLC受信時処理と同様にして通知先部署を認識し(図2(B)のステップ86も参照)、LC情報の内容変更を通知するための電子メール(認識した通知先部署を宛先とする電子メール)を作成し、作成した電子メールを送信することで、LC情報の内容変更を通知する(図2(B)のステップ88も参照)。これにより、通知先部署では、ウェブサーバ34から受信した上記電子メールの内容を参照することで、LC情報の内容が変更されたことを認識することができ、変更後のLC情報を閲覧して内容を確認することができる(図2(B)のステップ90も参照)。なお、LCアメンド情報についても、閲覧・内容確認が可能であることは言うまでもない。
【0043】
また、輸出業務電子化サービスには、従前は輸出企業12で作成していた貿易書類を自動的に作成するサービスも含まれている。このサービスを利用する場合、輸出企業12の担当者は「商品名」「単価」「数量」「納期」等の情報から成る受注データをウェブサーバ34へアップロードする(図2(C)のステップ92も参照)。受注データがアップロードされると、ウェブサーバ34は、受注データのアップロード時に輸出企業12の担当者によって指定されたLC番号に基づいて、アップロードされた受注データに対応するLC情報を特定する(図2(C)のステップ94も参照)。
【0044】
そして、ウェブサーバ34は、アップロードされた受注データと、該受注データに対応するLC情報に基づいて、一部の貿易書類(従前は輸出企業12で作成していた貿易書類)を電子化した貿易書類情報を作成すると共に、輸出企業12を振り出し人とする為替手形を電子化した手形情報、該為替手形の買い取りを輸出地金融機関46に依頼するための手形買取依頼書を電子化した手形買取依頼書情報を作成し、作成した各情報を受注データ及びLC情報と対応付けて(例えば同一の識別番号を各々付与する等)、輸出企業12及び関係者30が閲覧可能なように貿易書類DBに記憶させる(図2(C)のステップ96も参照)。
【0045】
なお、ウェブサーバ34が貿易書類情報として作成する貿易書類としては、例えばインボイス(商業送り状)、パッキングリスト(梱包リスト)が挙げられるが、輸出物品を輸送する船又は航空機を予約するためのブッキング依頼書や、船会社又は航空貨物取扱業者に対する指示書(シッピング・インストラクション等)、輸出物品に保険をかけるための保険依頼書等も貿易書類情報として作成するようにしてもよい。
【0046】
貿易書類情報等の作成・貿易書類DBへの記憶が完了すると、ウェブサーバ34は、貿易書類等の作成が完了したことを輸出企業12の関係部署及び関係者30に通知する(図2(C)のステップ98も参照)。なお、この通知にも電子メール等を用いることができる。これにより、輸出企業12の担当者は、ウェブサーバ34によって作成された貿易書類情報や手形情報、手形買取依頼書情報を閲覧し、内容を確認することができる(図2(C)のステップ100も参照)。このように、従前は輸出企業12で作成していた貿易書類を、受注データとLC情報に基づいて自動作成することで、輸出企業12の事務処理を軽減することができる。
【0047】
また、貿易書類等の作成が完了したことが通知されると、輸出企業12以外の関係者30の担当者は、自らが関係する貿易書類を表す貿易書類情報をウェブサーバ34上で作成する(図2(C)のステップ102も参照)。例えば輸出物品の輸送に船を利用する場合は、船荷証券に相当する船荷証券情報が船会社の担当者によってウェブサーバ34上で作成され、輸出物品の輸送に航空機を利用する場合は、エア・ウエイ・ビル(Air Way Bill)に相当するエア・ウエイ・ビル情報が航空貨物取扱業者の担当者によってウェブサーバ34上で作成される。また、保険証券に相当する保険証券情報が保険会社の担当者によってウェブサーバ34上で作成される。
【0048】
関係者30の担当者によって新たな貿易書類情報が作成される毎に、ウェブサーバ34は、作成された新たな貿易書類情報に対し、輸出企業12によって作成された貿易書類情報及びLC情報に基づいて、例えば船積日や船積期限、荷揚地等が整合しているか否かの形式チェックを自動的に行う。そして形式チェックの結果、問題がなければ、形式チェックを経た新たな貿易書類情報を、他の貿易書類情報や手形情報、手形買取依頼書情報、LC情報と対応付けて(例えば同一の識別番号を各々付与する等)、貿易書類DBに記憶させる(図2(C)のステップ104も参照)と共に、新たな貿易書類情報が追加されたことを輸出企業12の関係部署に電子メール等によって通知する(図2(C)のステップ106も参照)。これにより、輸出企業12の担当者は、新たに追加された貿易書類情報を閲覧し、内容を確認することができる(図2(C)のステップ108も参照)。なお、形式チェックの結果、問題があることが判明した場合、関係者30はウェブサーバ34上で貿易書類情報を作成できない状態となる。
【0049】
必要な全ての書類(情報)が揃い、全ての書類(情報)の内容に問題がないことを確認すると、輸出企業12の担当者は、クライアントPC16を介して「承認」を意味する操作を行う(図3のステップ110も参照)。この操作が行われると、ウェブサーバ34は各書類情報の改ざんを防止するために各書類情報に電子署名を付加する。また、上記の「承認」操作は、同時に輸出地金融機関46に対する手形の買い取り依頼も意味しており、上記の「承認」操作が行われると、ウェブサーバ34では、CPU34Aによって手形買取依頼時プログラムが実行されることで、図5に示す手形買取依頼時処理が行われる。
【0050】
この手形買取依頼時処理では、まずステップ150において、買取対象の手形に対応するLC情報のLC番号が認識される。ステップ152では、ステップ150で認識したLC番号が付与されているLC情報を読み出し、「買取可能金額」として読み出したLC情報の金額を設定する。また、ステップ154ではステップ150で認識したLC番号をキーにして買取履歴DBを検索し、次のステップ156において、対応する買取履歴情報が買取履歴DBに記憶されているか否か判定する。
【0051】
買取履歴情報は、LC情報に基づく手形の買い取りを受け付ける毎に、輸出地金融機関46のネットワーク50内の特定コンピュータによって生成される情報であり、手形の買取金額を表す情報と、手形買い取りの根拠となったLC情報のLC番号を表す情報が含まれている。そして、特定コンピュータは買取履歴情報を生成する毎に、生成した買取履歴情報をウェブサーバ34へ転送し、ウェブサーバ34は転送された買取履歴情報を買取履歴DBに記憶させるようになっている。従ってステップ156は、今回依頼された手形買い取りの根拠となっているLC情報に基づき、過去に手形の買い取りを受け付けていないか否かを判定している。
【0052】
ステップ156の判定が否定された場合には、同一のLC情報に基づく手形の買い取りを過去に受け付けておらず、今回依頼された手形買い取りの根拠となっているLC情報についての現在の買取可能金額はLCの金額と同額(=現在の「買取可能金額」)と判断できるので、何ら処理を行うことなくステップ162へ移行するが、ステップ156の判定が肯定された場合(同一のLC情報に基づく手形の買い取りを過去に受け付けたことを表す買取履歴情報が存在していた場合)にはステップ158へ移行し、対応する買取履歴情報を買取履歴DBから抽出する。そしてステップ160では、「買取可能金額」から買取履歴DBから抽出した買取履歴情報に含まれる買取金額を減額した金額を「買取可能金額」に代入した後にステップ154に戻る。
【0053】
これにより、同一のLC情報に基づく手形の買い取りを過去に複数回受け付けていた場合には、ステップ156の判定が複数回肯定されることでステップ160の処理も複数回行われ、今回依頼された手形買い取りの根拠となっているLC情報についての現在の買取可能金額が「買取可能金額」として算出されることになる。
【0054】
LC情報についての現在の買取可能金額が「買取可能金額」として算出されるとステップ162へ移行し、買取対象の手形の金額が算出した「買取可能金額」以下か否か判定することで、買取対象の手形を買い取り可能か否かを判定する(図3のステップ114も参照)。判定が否定された場合はステップ174へ移行し、LCの金額不足のために手形を買い取れないことを電子メール等により輸出企業12に通知し、手形買取依頼時処理を終了する。
【0055】
一方、ステップ162の判定が肯定された場合はステップ164へ移行し、輸出地金融機関46が個々の取引先企業について各々設定している与信供与枠のうち、輸出企業12についての与信供与枠を表す与信供与枠情報をネットワーク50経由で他のコンピュータ(与信供与枠情報を保管しているコンピュータ)から取り込む。そしてステップ166では、買取対象の手形の金額が、取り込んだ与信供与枠情報が表す輸出企業12についての与信供与枠の範囲内か否か判定する(図3のステップ116も参照)。
【0056】
上記判定が否定された場合はステップ174へ移行し、買取対象の手形が高額過ぎるために手形を買い取れないことを電子メール等により輸出企業12に通知し、手形買取依頼時処理を終了する。また、上記判定が肯定された場合はステップ168へ移行し、買取対象の手形(情報)に対応するLC情報の内容をチェックすると共に、買取対象の手形(情報)に対応する貿易書類情報の種類が揃っているか否かをチェックする。なお、ウェブサーバ34が作成した貿易書類情報は、LC情報(及び受注情報)に基づいて作成したものであり、LC情報の内容との不整合が生ずることはないので、内容をチェックする必要はなく、上記のように種類が揃っているか否かをチェックするのみで済む。
【0057】
ステップ170では、ステップ168のチェックによって問題が発見されなかったか否か判定する(図3のステップ120も参照)。貿易書類情報の種類が揃っていない等の不備が有った場合には、上記判定が否定されてステップ174へ移行し、貿易書類情報の不備のために手形を買い取れないことを電子メール等により輸出企業12に通知し、手形買取依頼時処理を終了する。また、ステップ170の判定が肯定された場合にはステップ172へ移行し、買取対象の手形(情報)に対応する買取依頼書情報及びチェック済み貿易書類情報を、ネットワーク50を介して輸出地金融機関46の記帳系システムへ送信する(図3のステップ122も参照)。これにより、手形を買い取るための処理が記帳系システムによって行われ、輸出企業12の口座に手形買取金額が入金されることになる。また、手形の買い取りが行われると、特定コンピュータによって生成された買取履歴情報がウェブサーバ34へ転送され、ウェブサーバ34は転送された買取履歴情報を買取履歴DBに記憶させる(図3のステップ124も参照)。
【0058】
上記処理により、手形の買い取りを輸出地金融機関46へ依頼するにあたり、輸出企業12の担当者が、LCの原本を含む書類一式を持参して輸出地金融機関46の営業店へ出向いたりする必要がなくなると共に、輸出地金融機関46でも、買い取りが依頼された手形が買い取り可能か否かがウェブサーバ34によって自動的に判断されるので、輸出企業12及び輸出地金融機関46における事務処理を軽減できる。また、輸出企業12にとっては資金化が早まるというメリットも有する。
【0059】
なお、輸出地金融機関46によって買い取られた手形を含む書類一式は、物流会社によって輸入地金融機関52へ郵送される。ウェブサーバ34は、物流会社のシステムが提供している書類の配送状況を表す配送状況情報を取り込み、取り込んだ配送状況情報を輸出企業12の閲覧に供する機能も有している。これにより、輸出地金融機関46によって買い取られた手形を含む書類一式の配送状況を輸出企業12が把握することも可能となる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、輸出企業の特定部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容を、輸出企業の個々の部署について予め各々記憶しておき、受信された信用状情報に含まれるキー情報の内容を前記記憶した情報と照合することで、受信された信用状情報に関連する部署を判断し、信用状情報に関連する部署と判断した輸出企業の特定部署に信用状情報の到着を通知するので、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現できる、という優れた効果を有する。
【0061】
また本発明は、輸入地の金融機関のコンピュータから受信した信用状情報を記憶すると共に、信用状情報に対する条件変更を表す条件変更情報を受信した場合に、受信した条件変更情報に基づいて信用状情報の内容を変更し、特定の信用状情報に基づく手形の買い取りが輸出者から依頼された場合に、特定の信用状情報、特定の信用状情報に対応する買取履歴情報の有無及び買取履歴情報に含まれる買取金額に基づいて、手形の金額が特定の信用状情報についての使用可能金額以下か否かを判断することで手形の買い取りが可能か否かを判定するので、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るコンピュータ・システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】(A)はLC情報受信時、(B)はLCアメンド情報受信時、(C)は受注データアップロード時における処理の概略を各々示すシーケンス図である。
【図3】手形買取依頼時における処理の概略を示すシーケンス図である。
【図4】LC受信時処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】手形買取依頼時処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 コンピュータ・システム
16 クライアントPC
32 インターネット
34 ウェブサーバ
44 HDD
46 輸出地金融機関
50 ネットワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は貿易取引支援装置及びプログラムに係り、特に、貿易取引の事務処理を支援する貿易取引支援装置、コンピュータを前記貿易取引支援装置として機能させるためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
貿易取引において、特に輸出者は、様々な貿易書類を手配し、手配した貿易書類を取り纏める際に照合を繰り返し行い、取り纏め及び照合が完了した貿易書類を保管しておき、書類の全通が整った段階で輸入者又は金融機関に送付する必要があるので、事務処理が極めて煩雑であり、事務処理に多大な時間及びコストがかかるという問題がある。
【0003】
このため、本願出願人は、貿易取引の関係者、特に輸出者の事務処理を削減することを目的として、貿易取引の関係者が各々所持しているクライアントとインターネットを介して接続されたサーバに、貿易取引に必要な貿易書類を表す複数種の貿易書類情報を記憶するためのHDDを設け、特定の貿易書類情報の登録又は更新が関係者より指示されると、前記関係者が特定の貿易書類情報を登録又は更新する権利を有している場合にのみ特定の貿易書類情報の登録又は更新を許可し、貿易書類情報の閲覧が関係者より指示されると、閲覧が指示された貿易書類情報をHDDから読み出して送信し、貿易書類情報の内容が確定すると貿易書類情報の更新を禁止し、決済時には、複数種の貿易書類情報を、所定の認証機関を経由して、輸入者又は銀行又は輸出者へ貿易書類の原本として送信するシステムを提案している(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−56069号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
貿易取引における決済方法の1つである信用状(以下、LCという)を用いた決済は、輸入者が支払い能力を有していることがLCによって保証されているので、輸出者側は、輸入者から代金を回収できない可能性がある等のリスク(代金回収リスク)から解放され、輸出者から銀行を経由して輸入者に渡される貿易書類の内容が事前に銀行等によって確認されることで、輸入者側は、受け取った貿易書類の内容が整合していないことで輸入物品の受け取りができない可能性がある等のリスク(物品受取リスク)から解放される、という利点があるために多用されている。
【0006】
LCは、輸入地の金融機関から輸出地の金融機関へデータとして送信された後に、輸出地の金融機関が受信データを紙に印刷したものが原本とされ、このLCの原本が輸出者へ送付されることで輸出者によって保管され、後続の事務処理に使用されるが、輸出者が規模の大きな企業である場合には、複数の部署が各々独立に貿易取引を行うので、輸出地の金融機関からLCを受領した際に、まず受領したLCが何れの部署における貿易取引に対応するLCかを判断して該当部署に渡す必要があり、事務処理が煩雑であった。
【0007】
また、LCを用いた輸出者側での決済は、輸出者が振り出した手形(為替手形)及び輸出者が保管しているLCや貿易書類が輸出地の金融機関に持ち込まれて手形の買い取りが依頼されることによって為され、輸出地の金融機関は手形の買い取りにあたり、買取対象の手形の金額がLCの金額(LCが保証している輸入者の支払い可能金額)以下であることを確認する必要があるが、LCの金額は輸入者からの条件変更指示(アメンド)に伴って変更されることがあり、また、輸出地の金融機関が過去に同一のLCに基づく手形の買い取りを行っていた場合には、該LCの金額が実質的に変化しているので、上記の確認のための事務処理が煩雑であった。
【0008】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現できる貿易取引支援装置及びプログラムを得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る貿易取引支援装置は、貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータと通信回線を介して接続されると共に、前記貿易取引における輸出者としての輸出企業の個々の部署に設置されたクライアント・コンピュータと通信回線を介して各々接続されたサーバ・コンピュータによって実現される貿易取引支援装置であって、前記輸入地の金融機関のコンピュータから送信された、前記貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を受信する受信手段と、前記輸出企業の特定部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容を、前記輸出企業の個々の部署について予め各々記憶する第1記憶手段と、前記受信手段によって受信された信用状情報に含まれるキー情報の内容を前記記憶手段に記憶されている情報と照合することで、前記受信された信用状情報に関連する部署を判断する判断手段と、前記判断手段によって前記信用状情報に関連する部署と判断された前記輸出企業の特定部署に前記信用状情報の到着を通知する通知手段と、を含んで構成されている。
【0010】
請求項1記載の発明に係る貿易取引支援装置は、貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータと通信回線(例えばS.W.I.F.T等)を介して接続されると共に、貿易取引における輸出者としての輸出企業の個々の部署に設置されたクライアント・コンピュータと通信回線(例えばインターネット等)を介して各々接続されたサーバ・コンピュータによって実現される。輸入地の金融機関のコンピュータからは貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報が送信され、送信された信用状情報は受信手段によって受信される。
【0011】
また、請求項1記載の発明では、輸出企業の特定部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容が、輸出企業の個々の部署について第1記憶手段に予め各々記憶されている。このキー情報としては、例えば請求項2に記載した輸入企業名情報や商品名情報、アテンション情報の少なくとも1つを適用することができる。なお、個々の部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容は、例えば輸出企業が事前に届け出た情報に基づいて設定することができる。
【0012】
また、請求項1記載の発明では、受信手段によって受信された信用状情報に含まれるキー情報の内容が記憶手段に記憶されている情報と照合されることで、受信された信用状情報に関連する部署が判断手段によって判断され、通知手段により、判断手段によって信用状情報に関連する部署と判断された輸出企業の特定部署に信用状情報の到着が通知される。なお、通知手段による通知には、例えば電子メール等を用いることができる。また、到着した信用状情報は、到着を通知した特定部署のクライアント・コンピュータを介して閲覧可能なように貿易取引支援装置の記憶手段に記憶しておいてもよいし、特定部署のクライアント・コンピュータを介してダウンロード可能としてもよい。
【0013】
これにより、輸出地の金融機関において、輸入地の金融機関のコンピュータから信用状情報を受信する毎に、受信した信用状情報を原本として紙に印刷し輸出企業へ送付する必要がなくなると共に、輸出企業側においても、信用状の原本を受領する毎に、受領した信用状の原本が何れの部署における貿易取引に関連する信用状かを判断して該当部署に渡す必要がなくなる。また、輸入地の金融機関のコンピュータから受信された信用状情報に関連する部署では、信用状情報の到着が直接通知されることで、到着した信用状情報の内容を迅速に確認することができる。従って、請求項1記載の発明によれば、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現することができる。
【0014】
請求項3記載の発明に係る貿易取引支援装置は、貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータ及び前記貿易取引における輸出者のコンピュータと通信回線を介して各々接続されたサーバ・コンピュータによって実現される貿易取引支援装置であって、前記輸入地の金融機関のコンピュータから受信した、前記貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を記憶する第2記憶手段と、前記輸入地の金融機関のコンピュータから、前記第2記憶手段に記憶されている信用状情報に対する条件変更を表す条件変更情報を受信した場合に、受信した条件変更情報に基づいて前記信用状情報の内容を変更する変更手段と、前記第2記憶手段に記憶されている信用状情報に基づく手形の買い取りが行われる毎に、買取金額を含む買取履歴情報が記憶される第3記憶手段と、輸出者のコンピュータを介して特定の信用状情報に基づく手形の買い取りが輸出者から依頼された場合に、前記特定の信用状情報、該特定の信用状情報に対応する買取履歴情報の有無及び該買取履歴情報に含まれる買取金額に基づいて、手形の金額が前記特定の信用状情報についての使用可能金額以下か否かを判断することで手形の買い取りが可能か否かを判定する判定手段と、を含んで構成されている。
【0015】
請求項3記載の発明に係る貿易取引支援装置は、輸入地の金融機関のコンピュータ及び輸出者のコンピュータと通信回線(例えばS.W.I.F.T/インターネット等)を介して各々接続されたサーバ・コンピュータによって実現される。輸入地の金融機関のコンピュータからは貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報が送信され、受信した信用状情報は第2記憶手段に記憶される。また、第2記憶手段に記憶されている信用状情報に対する条件変更を表す条件変更情報が輸入地の金融機関のコンピュータから送信される場合があり、この条件変更情報を受信した場合、変更手段は、受信した条件変更情報に基づいて信用状情報の内容を変更する。これにより、特定の信用状情報が規定する信用状の金額(輸入者の支払い保証額)の変更を表す条件変更情報を受信した場合には、該条件変更情報に基づき変更手段によって特定の信用状情報の金額が変更されることになる。
【0016】
また、請求項3記載の発明において、第2記憶手段に記憶されている信用状情報に基づく手形の買い取りが行われる毎に、買取金額を含む買取履歴情報が第3記憶手段に記憶される。そして、請求項3記載の発明に係る判定手段は、輸出者のコンピュータを介して特定の信用状情報に基づく手形の買い取りが輸出者から依頼された場合に、特定の信用状情報、該特定の信用状情報に対応する買取履歴情報の有無及び該買取履歴情報に含まれる買取金額に基づいて、手形の金額が特定の信用状情報についての使用可能金額以下か否かを判断することで手形の買い取りが可能か否かを判定する。
【0017】
これにより、特定の信用状情報に基づく手形の買い取りが輸出者から依頼された場合に、金融機関において、買取対象の手形の金額が特定の信用状情報についての使用可能金額以下か否かを確認する作業が不要となるので、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現できる。
【0018】
請求項4記載の発明に係るプログラムは、貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータと通信回線を介して接続されると共に、前記貿易取引における輸出者としての輸出企業の個々の部署に設置されたクライアント・コンピュータと通信回線を介して各々接続され、前記輸出企業の特定部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容を、前記輸出企業の個々の部署について予め各々記憶する第1記憶手段を備えたサーバ・コンピュータを、前記輸入地の金融機関のコンピュータから送信された、前記貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を受信する受信手段、前記受信手段によって受信された信用状情報に含まれるキー情報の内容を前記記憶手段に記憶されている情報と照合することで、前記受信された信用状情報に関連する部署を判断する判断手段、及び、前記判断手段によって前記信用状情報に関連する部署と判断された前記輸出企業の特定部署に前記信用状情報の到着を通知する通知手段として機能させる。
【0019】
請求項4記載の発明に係るプログラムは、輸入地の金融機関のコンピュータと通信回線を介して接続されると共に、輸出者としての輸出企業の個々の部署に設置されたクライアント・コンピュータと通信回線を介して各々接続され、輸出企業の特定部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容を、輸出企業の個々の部署について予め各々記憶する第1記憶手段を備えたサーバ・コンピュータを、上記の受信手段、判断手段及び通知手段として機能させるためのプログラムであるので、コンピュータが請求項4記載の発明に係るプログラムを実行することにより、コンピュータが請求項1に記載の貿易取引支援装置として機能することになり、請求項1記載の発明と同様に、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現することができる。
【0020】
請求項5記載の発明に係るプログラムは、貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータ及び前記貿易取引における輸出者のコンピュータと通信回線を介して各々接続され、前記輸入地の金融機関のコンピュータから受信した、前記貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を記憶する第2記憶手段と、前記第2記憶手段に記憶されている信用状情報に基づく手形の買い取りが行われる毎に、買取金額を含む買取履歴情報が記憶される第3記憶手段と、を備えたサーバ・コンピュータを、前記輸入地の金融機関のコンピュータから、前記第2記憶手段に記憶されている信用状情報に対する条件変更を表す条件変更情報を受信した場合に、受信した条件変更情報に基づいて前記信用状情報の内容を変更する変更手段、及び、輸出者のコンピュータを介して特定の信用状情報に基づく手形の買い取りが輸出者から依頼された場合に、前記特定の信用状情報、該特定の信用状情報に対応する買取履歴情報の有無及び該買取履歴情報に含まれる買取金額に基づいて、手形の金額が前記特定の信用状情報についての使用可能金額以下か否かを判断することで手形の買い取りが可能か否かを判定する判定手段として機能させる。
【0021】
請求項5記載の発明に係るプログラムは、輸入地の金融機関のコンピュータ及び輸出者のコンピュータと通信回線を介して各々接続され、輸入地の金融機関のコンピュータから受信した貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を記憶する第2記憶手段と、第2記憶手段に記憶されている信用状情報に基づく手形の買い取りが行われる毎に、買取金額を含む買取履歴情報が記憶される第3記憶手段を備えたサーバ・コンピュータを変更手段及び判定手段として機能させるためのプログラムであるので、前記サーバ・コンピュータが請求項5記載の発明に係るプログラムを実行することにより、コンピュータが請求項3に記載の貿易取引支援装置として機能することになり、請求項3記載の発明と同様に、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係るコンピュータ・システム10が示されている。コンピュータ・システム10は、輸入企業14と貿易取引(輸出入)を行う輸出企業12の個々の部署(貿易取引に携わる部署)に各々設置された複数台のクライアントPC16を含んで構成されている。
【0023】
個々のクライアントPC16はパーソナル・コンピュータ(PC)から成り、CPU16A、ROM16B、RAM16C及び入出力ポート16Dが、データバス、制御バス、アドレスバス等から成るバス16Eを介して互いに接続されて構成されている。また入出力ポート16Eには、各種の入出力機器として、通信制御装置18、CRT又はLCDから成るディスプレイ20、キーボード22、マウス24、ハードディスクドライブ(HDD)26、CD−ROMからの情報の読み出しを行うCD−ROMドライブ28が各々接続されている。
【0024】
また、個々のクライアントPC16の通信制御装置18は、多数台のウェブサーバが通信回線を介して相互に接続されて成るインターネット32に各々接続されている。なお、輸出企業12と輸入企業14との貿易取引に関係する各関係者30(例えば船会社、航空貨物取扱業者、保険会社等)もクライアントPC16を所持しており、各関係者が所持しているクライアントPC16もインターネット32に接続されている。インターネット32には、輸出企業12の所在地(輸出地)の金融機関(輸出地金融機関)46に設置され輸出企業12に対して輸出業務電子化サービス(詳細は後述)を提供するウェブサーバ(本発明に係る貿易取引支援装置として機能するウェブサーバ)34が接続されている。
【0025】
なお、クライアントPC16とウェブサーバ34の通信において、クライアントPC16のなりすましはSSL(Secure Sockets Layer)を利用したクライアント認証(認証局で認証)及びワンタイムパスワード認証によって防止し、ウェブサーバ34のなりすましはSSLを利用したサーバ認証により防止すると共に、情報の漏洩を防止するためにクライアントPC16とウェブサーバ34の間で送受される情報をSSL128bitで暗号化し、情報の改ざんを防止するために電子署名を利用することが好ましい。
【0026】
ウェブサーバ34はワークステーションから成り、CPU34A、ROM34B、RAM34C及び入出力ポート34Dを備え、これらは互いにデータバス、制御バス、アドレスバス等から成るバス34Eを介して互いに接続されている。また入出力ポート34Dには、各種の入出力機器として、通信回線を介してインターネット32に接続された通信制御装置36、CRT又はLCDから成るディスプレイ38、キーボード40、マウス42及びHDD44が各々接続されている。HDD44には、貿易書類データベース(DB)、買取履歴DB及び通知先DB(何れも後述)を記憶するための記憶領域が設けられている。
【0027】
また、ウェブサーバ34には、輸出業務電子化サービスに係る処理を行うための輸出業務電子化プログラムがHDD44に各々インストールされている。輸出業務電子化プログラムは、後述するLC受信時処理を行うためのLC受信時プログラム(請求項4に記載のプログラムに相当)と、後述する手形買取依頼時処理を行うための手形買取依頼時プログラム(請求項5に記載のプログラムに相当)を含んで構成されている。輸出業務電子化プログラムをウェブサーバ34にインストール(移入)するには幾つかの方法があるが、例えば輸出業務電子化プログラムをセットアッププログラムと共にCD−ROMに記録しておき、該CD−ROMを図示しないCD−ROMドライブにセットし、CPU34Aに対して前記セットアッププログラムの実行を指示すれば、CD−ROMから輸出業務電子化プログラムが順に読み出され、読み出された輸出業務電子化プログラムがHDD44に順に書き込まれることで、輸出業務電子化プログラムのインストールが行われる。
【0028】
輸出地金融機関46内には、複数台のコンピュータが通信回線を介して互いに接続されたネットワーク50が設置されており、ウェブサーバ34は通信制御装置36を介してネットワーク50に接続されている。また、輸入企業14の所在地(輸入地)の金融機関(輸入地金融機関)52内にも、複数台のコンピュータが通信回線を介して互いに接続されたネットワーク54が設置されており、輸出地金融機関46内のネットワーク50と輸入地金融機関52のネットワーク54はS.W.I.F.T58(銀行間のメッセージ交換のための国際間ネットワーク)を介して相互に接続されている。
【0029】
次に本実施形態の作用を説明する。本実施形態に係るウェブサーバ34によって運営される輸出業務電子化サービスは、ウェブサーバ34で信用状(LC)の管理を行うことで、輸出企業12と輸出地金融機関46の間(及び輸出企業12と貿易取引の各関係者30の間)の取引の電子化を実現するサービスであり、利用者による輸出業務電子化サービスの利用は、クライアントPC16を操作してブラウザ(閲覧ソフト)を起動し、ウェブサーバ34上のデータを閲覧したり、ウェブサーバ34からのデータのダウンロード、ウェブサーバ34へのデータのアップロード等を行うことで為される。
【0030】
本実施形態では、輸出業務電子化サービスの利用にあたり、利用者(輸出企業12、貿易取引関係者30等)が利用申込書を事前に提出するが、利用申込書を提出した個々の利用者に対してID及びパスワードが付与される。ID及びパスワードは輸出業務電子化サービスを利用する際(ログイン時)の利用者の認証に用いられる。また、輸出企業12が提出する利用申込書には、輸出企業12の各部署宛のLC情報を識別するための通知先情報の記入欄も設けられており、輸出企業12は通知先情報も記入した上で利用申込書を提出する。
【0031】
この通知先情報は、例として次の表1に示すように、輸出企業12の特定の部署に関連するLC情報に含まれるキー情報の内容を、輸出企業12の各部署について各々規定する情報であり、表1の例ではキー情報として「輸入企業名」「商品名」「アテンション」の各情報を用いている。輸出地金融機関46では、輸出企業12から利用申込書が提出されると、提出された利用申込書に記入されている通知先情報を電子化し、ウェブサーバ34のHDD44に記憶されている通知先DBに、輸出企業12に対応する通知先情報として登録する。
【0032】
【表1】
【0033】
LCを用いて決済を行う場合、輸入企業14(発行依頼人)は輸入地金融機関52(発行銀行)に対してLCの発行を依頼する。本実施形態では、LCを用いた決済に関わる関係者(輸入地金融機関52、輸出地金融機関46及び輸出企業12)が、LCの内容を電子化したLC情報をLCの原本として扱うことで合意しており、輸入地金融機関52ではPC等を用いてLC情報を作成し、作成したLC情報をS.W.I.F.T58経由で輸出地金融機関46(通知銀行)へ送信する。なおLC情報には、輸入企業14の支払い保証額等の情報に加え、「輸入企業名」「商品名」「アテンション」の各キー情報等が含まれている。
【0034】
S.W.I.F.T58を経由して輸入地金融機関52からLC情報を受信した輸出地金融機関46では、受信したLC情報をウェブサーバ34へ転送する(図2(A)のステップ70も参照)。ウェブサーバ34ではLC情報を受信するとCPU34AによってLC受信時プログラムが実行されることで、図4に示すLC受信時処理が行われる。
【0035】
LC受信時処理では、まずステップ130において、受信したLC情報の内容を参照し、受信したLC情報の宛先としての輸出企業12を認識する。ステップ132では、通知先DBに登録されている通知先情報のうち、ステップ130で認識した輸出企業12に対応する通知先情報を参照し、LC情報の到着を通知する通知先部署(受信したLC情報に関連する部署)を判別するためのキー情報を認識する。またステップ134では、ステップ132で認識したキー情報を受信したLC情報から抽出する。そしてステップ136では、ステップ134で抽出したキー情報の内容を、ステップ130で認識した輸出企業12に対応する通知先情報と照合することで、通知先部署を判断する(図2(A)のステップ72も参照)。
【0036】
具体的には、例えば受信したLC情報から抽出した「輸入企業名」が「ABC Corporation」、「商品名」が「Automobile」、「アテンション」が「Taro Yamada」であった場合には、表1に示す通知先情報に従い、通知先部署が車両貿易部であると判断されることになる。
【0037】
次のステップ138では、受信したLC情報から、個々のLC情報を識別するためのLC番号を抽出し、ステップ140では、LC番号を付与したLC情報を通知先部署が閲覧可能なように、HDD44に記憶されている貿易書類DBに登録する(図2(A)のステップ74も参照)。またステップ142では、ステップ136で判断した通知先部署に対してLC情報の到着を通知する電子メールを作成する。なお、この電子メールには、LC情報の到着を通知するメッセージと、到着したLC情報を特定するためのLC番号が記載されている。そしてステップ144では、ステップ142で作成した電子メールを送信し(図2(A)のステップ76)、LC受信時処理を終了する。
【0038】
これにより、到着したLC情報に関係する特定部署の担当者がクライアントPC16により電子メールを受信する操作を行うことで、上記の電子メールが特定部署で受信され、受信した電子メールの内容を担当者が参照することで、特定部署に関係するLC情報(特定部署が関係している貿易取引について輸入企業14の支払いを保証するLC情報)が到着したことを認識することができる。そして、LC情報が到着したことを認識すると、特定部署の担当者は、電子メールに記載されているLC番号を指定することで到着したLC情報を閲覧し、内容を確認する(図2(A)のステップ78も参照)。
【0039】
このように、LCをLC情報としてウェブサーバ34に保管することで、輸出地金融機関46は、LC情報を受信する毎に、受信したLC情報を原本として紙に印刷し輸出企業12へ送付する必要がなくなると共に、輸出企業12側でも、LCの原本を受領する毎に、受領したLCが何れの部署に関係するLCかを判断して該当部署に渡す必要がなくなる。また、到着したLC情報に関係する特定部署では、LC情報の到着がウェブサーバ34から直接通知されるので、到着したLC情報の内容を迅速に確認することができる。
【0040】
なお、担当者が到着したLC情報の内容を確認した結果、例えばLCの金額が受注額よりも小さい等のように、LC情報の内容に瑕疵があることが判明した場合には、輸入企業14に対してLC情報の修正が依頼され、輸入企業14では、この修正依頼を受けて、LC情報の修正を輸入地金融機関52に依頼する。これにより、輸入地金融機関52では先に送信したLC情報における金額等の条件の変更を通知するLCアメンド情報を作成し、作成したLCアメンド情報をS.W.I.F.T58経由で輸出地金融機関46へ送信する。
【0041】
S.W.I.F.T58経由で輸入地金融機関52からLCアメンド情報を受信した輸出地金融機関46では、受信したLCアメンド情報をウェブサーバ34へ転送する(図2(B)のステップ80も参照)。ウェブサーバ34では、LCアメンド情報を受信すると、受信したLCアメンド情報に含まれるLC番号に基づいて、アメンド(条件変更)対象のLC情報を特定し(図2(B)のステップ82も参照)、特定したアメンド対象のLC情報の内容を、受信したLCアメンド情報に基づいて変更する(図2(B)のステップ84も参照)。なお、オリジナル(元の)LC情報及びLCアメンド情報の履歴はウェブサーバ34のHDD44に記憶・保管される。
【0042】
また、前述したLC受信時処理と同様にして通知先部署を認識し(図2(B)のステップ86も参照)、LC情報の内容変更を通知するための電子メール(認識した通知先部署を宛先とする電子メール)を作成し、作成した電子メールを送信することで、LC情報の内容変更を通知する(図2(B)のステップ88も参照)。これにより、通知先部署では、ウェブサーバ34から受信した上記電子メールの内容を参照することで、LC情報の内容が変更されたことを認識することができ、変更後のLC情報を閲覧して内容を確認することができる(図2(B)のステップ90も参照)。なお、LCアメンド情報についても、閲覧・内容確認が可能であることは言うまでもない。
【0043】
また、輸出業務電子化サービスには、従前は輸出企業12で作成していた貿易書類を自動的に作成するサービスも含まれている。このサービスを利用する場合、輸出企業12の担当者は「商品名」「単価」「数量」「納期」等の情報から成る受注データをウェブサーバ34へアップロードする(図2(C)のステップ92も参照)。受注データがアップロードされると、ウェブサーバ34は、受注データのアップロード時に輸出企業12の担当者によって指定されたLC番号に基づいて、アップロードされた受注データに対応するLC情報を特定する(図2(C)のステップ94も参照)。
【0044】
そして、ウェブサーバ34は、アップロードされた受注データと、該受注データに対応するLC情報に基づいて、一部の貿易書類(従前は輸出企業12で作成していた貿易書類)を電子化した貿易書類情報を作成すると共に、輸出企業12を振り出し人とする為替手形を電子化した手形情報、該為替手形の買い取りを輸出地金融機関46に依頼するための手形買取依頼書を電子化した手形買取依頼書情報を作成し、作成した各情報を受注データ及びLC情報と対応付けて(例えば同一の識別番号を各々付与する等)、輸出企業12及び関係者30が閲覧可能なように貿易書類DBに記憶させる(図2(C)のステップ96も参照)。
【0045】
なお、ウェブサーバ34が貿易書類情報として作成する貿易書類としては、例えばインボイス(商業送り状)、パッキングリスト(梱包リスト)が挙げられるが、輸出物品を輸送する船又は航空機を予約するためのブッキング依頼書や、船会社又は航空貨物取扱業者に対する指示書(シッピング・インストラクション等)、輸出物品に保険をかけるための保険依頼書等も貿易書類情報として作成するようにしてもよい。
【0046】
貿易書類情報等の作成・貿易書類DBへの記憶が完了すると、ウェブサーバ34は、貿易書類等の作成が完了したことを輸出企業12の関係部署及び関係者30に通知する(図2(C)のステップ98も参照)。なお、この通知にも電子メール等を用いることができる。これにより、輸出企業12の担当者は、ウェブサーバ34によって作成された貿易書類情報や手形情報、手形買取依頼書情報を閲覧し、内容を確認することができる(図2(C)のステップ100も参照)。このように、従前は輸出企業12で作成していた貿易書類を、受注データとLC情報に基づいて自動作成することで、輸出企業12の事務処理を軽減することができる。
【0047】
また、貿易書類等の作成が完了したことが通知されると、輸出企業12以外の関係者30の担当者は、自らが関係する貿易書類を表す貿易書類情報をウェブサーバ34上で作成する(図2(C)のステップ102も参照)。例えば輸出物品の輸送に船を利用する場合は、船荷証券に相当する船荷証券情報が船会社の担当者によってウェブサーバ34上で作成され、輸出物品の輸送に航空機を利用する場合は、エア・ウエイ・ビル(Air Way Bill)に相当するエア・ウエイ・ビル情報が航空貨物取扱業者の担当者によってウェブサーバ34上で作成される。また、保険証券に相当する保険証券情報が保険会社の担当者によってウェブサーバ34上で作成される。
【0048】
関係者30の担当者によって新たな貿易書類情報が作成される毎に、ウェブサーバ34は、作成された新たな貿易書類情報に対し、輸出企業12によって作成された貿易書類情報及びLC情報に基づいて、例えば船積日や船積期限、荷揚地等が整合しているか否かの形式チェックを自動的に行う。そして形式チェックの結果、問題がなければ、形式チェックを経た新たな貿易書類情報を、他の貿易書類情報や手形情報、手形買取依頼書情報、LC情報と対応付けて(例えば同一の識別番号を各々付与する等)、貿易書類DBに記憶させる(図2(C)のステップ104も参照)と共に、新たな貿易書類情報が追加されたことを輸出企業12の関係部署に電子メール等によって通知する(図2(C)のステップ106も参照)。これにより、輸出企業12の担当者は、新たに追加された貿易書類情報を閲覧し、内容を確認することができる(図2(C)のステップ108も参照)。なお、形式チェックの結果、問題があることが判明した場合、関係者30はウェブサーバ34上で貿易書類情報を作成できない状態となる。
【0049】
必要な全ての書類(情報)が揃い、全ての書類(情報)の内容に問題がないことを確認すると、輸出企業12の担当者は、クライアントPC16を介して「承認」を意味する操作を行う(図3のステップ110も参照)。この操作が行われると、ウェブサーバ34は各書類情報の改ざんを防止するために各書類情報に電子署名を付加する。また、上記の「承認」操作は、同時に輸出地金融機関46に対する手形の買い取り依頼も意味しており、上記の「承認」操作が行われると、ウェブサーバ34では、CPU34Aによって手形買取依頼時プログラムが実行されることで、図5に示す手形買取依頼時処理が行われる。
【0050】
この手形買取依頼時処理では、まずステップ150において、買取対象の手形に対応するLC情報のLC番号が認識される。ステップ152では、ステップ150で認識したLC番号が付与されているLC情報を読み出し、「買取可能金額」として読み出したLC情報の金額を設定する。また、ステップ154ではステップ150で認識したLC番号をキーにして買取履歴DBを検索し、次のステップ156において、対応する買取履歴情報が買取履歴DBに記憶されているか否か判定する。
【0051】
買取履歴情報は、LC情報に基づく手形の買い取りを受け付ける毎に、輸出地金融機関46のネットワーク50内の特定コンピュータによって生成される情報であり、手形の買取金額を表す情報と、手形買い取りの根拠となったLC情報のLC番号を表す情報が含まれている。そして、特定コンピュータは買取履歴情報を生成する毎に、生成した買取履歴情報をウェブサーバ34へ転送し、ウェブサーバ34は転送された買取履歴情報を買取履歴DBに記憶させるようになっている。従ってステップ156は、今回依頼された手形買い取りの根拠となっているLC情報に基づき、過去に手形の買い取りを受け付けていないか否かを判定している。
【0052】
ステップ156の判定が否定された場合には、同一のLC情報に基づく手形の買い取りを過去に受け付けておらず、今回依頼された手形買い取りの根拠となっているLC情報についての現在の買取可能金額はLCの金額と同額(=現在の「買取可能金額」)と判断できるので、何ら処理を行うことなくステップ162へ移行するが、ステップ156の判定が肯定された場合(同一のLC情報に基づく手形の買い取りを過去に受け付けたことを表す買取履歴情報が存在していた場合)にはステップ158へ移行し、対応する買取履歴情報を買取履歴DBから抽出する。そしてステップ160では、「買取可能金額」から買取履歴DBから抽出した買取履歴情報に含まれる買取金額を減額した金額を「買取可能金額」に代入した後にステップ154に戻る。
【0053】
これにより、同一のLC情報に基づく手形の買い取りを過去に複数回受け付けていた場合には、ステップ156の判定が複数回肯定されることでステップ160の処理も複数回行われ、今回依頼された手形買い取りの根拠となっているLC情報についての現在の買取可能金額が「買取可能金額」として算出されることになる。
【0054】
LC情報についての現在の買取可能金額が「買取可能金額」として算出されるとステップ162へ移行し、買取対象の手形の金額が算出した「買取可能金額」以下か否か判定することで、買取対象の手形を買い取り可能か否かを判定する(図3のステップ114も参照)。判定が否定された場合はステップ174へ移行し、LCの金額不足のために手形を買い取れないことを電子メール等により輸出企業12に通知し、手形買取依頼時処理を終了する。
【0055】
一方、ステップ162の判定が肯定された場合はステップ164へ移行し、輸出地金融機関46が個々の取引先企業について各々設定している与信供与枠のうち、輸出企業12についての与信供与枠を表す与信供与枠情報をネットワーク50経由で他のコンピュータ(与信供与枠情報を保管しているコンピュータ)から取り込む。そしてステップ166では、買取対象の手形の金額が、取り込んだ与信供与枠情報が表す輸出企業12についての与信供与枠の範囲内か否か判定する(図3のステップ116も参照)。
【0056】
上記判定が否定された場合はステップ174へ移行し、買取対象の手形が高額過ぎるために手形を買い取れないことを電子メール等により輸出企業12に通知し、手形買取依頼時処理を終了する。また、上記判定が肯定された場合はステップ168へ移行し、買取対象の手形(情報)に対応するLC情報の内容をチェックすると共に、買取対象の手形(情報)に対応する貿易書類情報の種類が揃っているか否かをチェックする。なお、ウェブサーバ34が作成した貿易書類情報は、LC情報(及び受注情報)に基づいて作成したものであり、LC情報の内容との不整合が生ずることはないので、内容をチェックする必要はなく、上記のように種類が揃っているか否かをチェックするのみで済む。
【0057】
ステップ170では、ステップ168のチェックによって問題が発見されなかったか否か判定する(図3のステップ120も参照)。貿易書類情報の種類が揃っていない等の不備が有った場合には、上記判定が否定されてステップ174へ移行し、貿易書類情報の不備のために手形を買い取れないことを電子メール等により輸出企業12に通知し、手形買取依頼時処理を終了する。また、ステップ170の判定が肯定された場合にはステップ172へ移行し、買取対象の手形(情報)に対応する買取依頼書情報及びチェック済み貿易書類情報を、ネットワーク50を介して輸出地金融機関46の記帳系システムへ送信する(図3のステップ122も参照)。これにより、手形を買い取るための処理が記帳系システムによって行われ、輸出企業12の口座に手形買取金額が入金されることになる。また、手形の買い取りが行われると、特定コンピュータによって生成された買取履歴情報がウェブサーバ34へ転送され、ウェブサーバ34は転送された買取履歴情報を買取履歴DBに記憶させる(図3のステップ124も参照)。
【0058】
上記処理により、手形の買い取りを輸出地金融機関46へ依頼するにあたり、輸出企業12の担当者が、LCの原本を含む書類一式を持参して輸出地金融機関46の営業店へ出向いたりする必要がなくなると共に、輸出地金融機関46でも、買い取りが依頼された手形が買い取り可能か否かがウェブサーバ34によって自動的に判断されるので、輸出企業12及び輸出地金融機関46における事務処理を軽減できる。また、輸出企業12にとっては資金化が早まるというメリットも有する。
【0059】
なお、輸出地金融機関46によって買い取られた手形を含む書類一式は、物流会社によって輸入地金融機関52へ郵送される。ウェブサーバ34は、物流会社のシステムが提供している書類の配送状況を表す配送状況情報を取り込み、取り込んだ配送状況情報を輸出企業12の閲覧に供する機能も有している。これにより、輸出地金融機関46によって買い取られた手形を含む書類一式の配送状況を輸出企業12が把握することも可能となる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、輸出企業の特定部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容を、輸出企業の個々の部署について予め各々記憶しておき、受信された信用状情報に含まれるキー情報の内容を前記記憶した情報と照合することで、受信された信用状情報に関連する部署を判断し、信用状情報に関連する部署と判断した輸出企業の特定部署に信用状情報の到着を通知するので、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現できる、という優れた効果を有する。
【0061】
また本発明は、輸入地の金融機関のコンピュータから受信した信用状情報を記憶すると共に、信用状情報に対する条件変更を表す条件変更情報を受信した場合に、受信した条件変更情報に基づいて信用状情報の内容を変更し、特定の信用状情報に基づく手形の買い取りが輸出者から依頼された場合に、特定の信用状情報、特定の信用状情報に対応する買取履歴情報の有無及び買取履歴情報に含まれる買取金額に基づいて、手形の金額が特定の信用状情報についての使用可能金額以下か否かを判断することで手形の買い取りが可能か否かを判定するので、貿易取引の決済に関連する事務処理の効率化・省力化を実現できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るコンピュータ・システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】(A)はLC情報受信時、(B)はLCアメンド情報受信時、(C)は受注データアップロード時における処理の概略を各々示すシーケンス図である。
【図3】手形買取依頼時における処理の概略を示すシーケンス図である。
【図4】LC受信時処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】手形買取依頼時処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 コンピュータ・システム
16 クライアントPC
32 インターネット
34 ウェブサーバ
44 HDD
46 輸出地金融機関
50 ネットワーク
Claims (5)
- 貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータと通信回線を介して接続されると共に、前記貿易取引における輸出者としての輸出企業の個々の部署に設置されたクライアント・コンピュータと通信回線を介して各々接続されたサーバ・コンピュータによって実現される貿易取引支援装置であって、
前記輸入地の金融機関のコンピュータから送信された、前記貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を受信する受信手段と、
前記輸出企業の特定部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容を、前記輸出企業の個々の部署について予め各々記憶する第1記憶手段と、
前記受信手段によって受信された信用状情報に含まれるキー情報の内容を前記記憶手段に記憶されている情報と照合することで、前記受信された信用状情報に関連する部署を判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記信用状情報に関連する部署と判断された前記輸出企業の特定部署に前記信用状情報の到着を通知する通知手段と、
を含む貿易取引支援装置。 - 前記キー情報は信用状情報に含まれる輸入企業名情報、商品名情報及びアテンション情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載の貿易取引支援装置。
- 貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータ及び前記貿易取引における輸出者のコンピュータと通信回線を介して各々接続されたサーバ・コンピュータによって実現される貿易取引支援装置であって、
前記輸入地の金融機関のコンピュータから受信した、前記貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を記憶する第2記憶手段と、
前記輸入地の金融機関のコンピュータから、前記第2記憶手段に記憶されている信用状情報に対する条件変更を表す条件変更情報を受信した場合に、受信した条件変更情報に基づいて前記信用状情報の内容を変更する変更手段と、
前記第2記憶手段に記憶されている信用状情報に基づく手形の買い取りが行われる毎に、買取金額を含む買取履歴情報が記憶される第3記憶手段と、
輸出者のコンピュータを介して特定の信用状情報に基づく手形の買い取りが輸出者から依頼された場合に、前記特定の信用状情報、該特定の信用状情報に対応する買取履歴情報の有無及び該買取履歴情報に含まれる買取金額に基づいて、手形の金額が前記特定の信用状情報についての使用可能金額以下か否かを判断することで手形の買い取りが可能か否かを判定する判定手段と、
を含む貿易取引支援装置。 - 貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータと通信回線を介して接続されると共に、前記貿易取引における輸出者としての輸出企業の個々の部署に設置されたクライアント・コンピュータと通信回線を介して各々接続され、前記輸出企業の特定部署に関連する信用状情報に含まれているキー情報の内容を、前記輸出企業の個々の部署について予め各々記憶する第1記憶手段を備えたサーバ・コンピュータを、
前記輸入地の金融機関のコンピュータから送信された、前記貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を受信する受信手段、
前記受信手段によって受信された信用状情報に含まれるキー情報の内容を前記記憶手段に記憶されている情報と照合することで、前記受信された信用状情報に関連する部署を判断する判断手段、
及び、前記判断手段によって前記信用状情報に関連する部署と判断された前記輸出企業の特定部署に前記信用状情報の到着を通知する通知手段
として機能させるためのプログラム。 - 貿易取引における輸入地の金融機関のコンピュータ及び前記貿易取引における輸出者のコンピュータと通信回線を介して各々接続され、前記輸入地の金融機関のコンピュータから受信した、前記貿易取引における輸入者の支払いを保証する信用状を表す信用状情報を記憶する第2記憶手段と、前記第2記憶手段に記憶されている信用状情報に基づく手形の買い取りが行われる毎に、買取金額を含む買取履歴情報が記憶される第3記憶手段と、を備えたサーバ・コンピュータを、
前記輸入地の金融機関のコンピュータから、前記第2記憶手段に記憶されている信用状情報に対する条件変更を表す条件変更情報を受信した場合に、受信した条件変更情報に基づいて前記信用状情報の内容を変更する変更手段、
及び、輸出者のコンピュータを介して特定の信用状情報に基づく手形の買い取りが輸出者から依頼された場合に、前記特定の信用状情報、該特定の信用状情報に対応する買取履歴情報の有無及び該買取履歴情報に含まれる買取金額に基づいて、手形の金額が前記特定の信用状情報についての使用可能金額以下か否かを判断することで手形の買い取りが可能か否かを判定する判定手段
として機能させるためのプログラム。
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JP2003087991A JP2004295565A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 貿易取引支援装置及びプログラム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011096060A (ja) * | 2009-10-30 | 2011-05-12 | Japan Research Institute Ltd | 貿易決済関連データ管理システムおよびその方法 |
-
2003
- 2003-03-27 JP JP2003087991A patent/JP2004295565A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011096060A (ja) * | 2009-10-30 | 2011-05-12 | Japan Research Institute Ltd | 貿易決済関連データ管理システムおよびその方法 |
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