JP2004295354A - 交通情報提供方法、交通情報提供システム及び装置 - Google Patents

交通情報提供方法、交通情報提供システム及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】重要度の高い情報を重要度の低い情報に比べて高い精度で伝えることができる交通情報提供方法を提供する。
【解決手段】道路に沿って変化する交通情報の状態量を道路の距離方向に等間隔にサンプリングして(a)、サンプリングデータのデータ列(b)を伝えるための提供データを生成し、この提供データの一部をシフトアップした状態(c)で提供データをビットプレーン分解し、得られたデータを受信側に提供する。データ量を抑えるためにロッシー符号化が行われる場合でも、シフトアップした重要情報については情報劣化を防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交通情報の提供方法と、その方法を実施する交通情報提供システム及び装置に関し、特に、注目すべき区間について、他の区間よりも詳細な交通情報を提供することを可能にするものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、カーナビなどに道路交通情報の提供サービスを実施しているVICS(道路交通情報通信システム)は、道路に設置された車両感知器や画像センサー等から道路交通情報を収集し、これを編集して、FM多重放送やビーコンを通じて、渋滞情報や、所要時間を表す旅行時間情報などの交通混雑情報を提供している。また、近年、走行する車両(プローブカー)から道路交通情報を収集・編集する方法も検討されている。下記特許文献1には、道路交通情報での渋滞度表示のためのデータ処理方法が記載されている。
【0003】
現行のVICS情報では、交通の現在情報を次のように表現している。
交通の混雑状況は、渋滞(一般道:≦10km/h・高速道:≦20km/h)、混雑(一般道:10〜20km/h・高速道:20〜40km/h)、閑散(一般道:≧20km/h・高速道:≧40km/h)の3段階に区分し、また、車両感知機の故障などで情報収集ができない場合には「不明」と表示している。
渋滞状況を表す渋滞情報は、VICSリンク(VICSで用いられている位置情報識別子)全体が同一混雑状況の場合、
「VICSリンク番号+状態(渋滞/混雑/閑散/不明)」
と表示され、また、リンク内の一部だけが渋滞しているときは、
「VICSリンク番号+渋滞先頭距離(リンク始端からの距離)+渋滞末尾距離(リンク始端からの距離)+状態(渋滞)」
と表示される。この場合、渋滞がリンク始端から始まるときは、渋滞先頭距離が0xffと表示される。また、リンク内に異なる混雑状態が共存する場合は、各混雑状況がこの方法でそれぞれ記述される。
また、各リンクの旅行時間を表すリンク旅行時間情報は、
「VICSリンク番号+旅行時間」
と表示される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−194170号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、現在の交通情報は、情報表現の分解能が両極端である。即ち、渋滞情報は、その位置に関して10m単位の細かさで表示できるが、交通情報の表現状態数は、渋滞・混雑・閑散の3状態のみである。また、リンク旅行時間に関する交通情報の表現は、10秒単位の細かい表現が可能であるが、位置分解能は「リンク単位」のみであり、リンク内の細かな速度分布までは表現することができない。
【0006】
図14に示すように、縦軸に、交通情報の表現可能な状態数(交通表現分解能)を取り、横軸に位置(または区間)分解能を取ったグラフ上に現在の交通情報を表わすと、リンク旅行時間は、交通表現分解能が高いものの、位置分解能が低い情報として、また、渋滞情報は、位置分解能が高いものの、交通表現分解能が低い情報として位置付けられる。従って、現在の渋滞情報及びリンク旅行時間情報では、図14に円で示すような中間的な分解能の表現ができない、という問題点がある。
【0007】
この円内の交通情報の収集自体は可能であり、実際の走行車両からデータを収集するプローブカーの場合では、情報収集の目的や送信データ量に応じて、この円内の各レベルにおける情報をセンターで集めることができる。また、既存のセンサーで収集している編集前の元情報も、センサー密度等による程度の差こそあれ、このような中間的なレベルの交通情報である。
提供する交通情報の表現形式は、理想的には、図14のグラフ上の全てが表現でき、ソースデータに合わせて、位置分解能及び交通表現分解能ともに任意に変更できる形式であることが望ましい。
【0008】
また、現在の交通情報の提供方式は、道路上の位置分解能及び交通表現分解能が固定されている。そのため、データ量が多い場合に、図15(a)に示すように、伝送パス容量を超えたデータは欠損し、そのデータの重要度が高くても、受信側には伝わらない、という問題点がある。
提供する交通情報は、理想的には、図15(b)に示すように、データ量が伝送パス容量を超えそうな場合に、データを欠損させるのでは無く、重要度が低い情報から順に分解能を「粗く」して、データ量を削減することが望ましい。
【0009】
本発明は、こうした従来の交通情報の課題を解決するものであり、情報の詳細さ(位置分解能や交通表現分解能)を任意に設定することができ、且つ、重要度の高い情報は、重要度の低い情報に比べて、高い精度で伝えることができる交通情報の提供方法と、その方法を実施する交通情報提供システムと、そのシステムを構成する装置とを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の交通情報提供方法では、道路に沿って変化する交通情報の状態量を道路の距離方向に等間隔にサンプリングして、サンプリングデータのデータ列を伝えるための提供データを生成し、この提供データの一部をシフトアップした状態で提供データをビットプレーン分解し、得られたデータを受信側に提供するようにしている。
【0011】
また、本発明の交通情報提供システムは、道路に沿って変化する交通情報の状態量を道路の距離方向に等間隔にサンプリングして、サンプリングデータのデータ列を伝えるための提供データを生成し、この提供データの一部をシフトアップした状態で提供データをビットプレーン分解し、得られたデータを送信する交通情報送信装置と、受信データの一部のデータをシフトダウンして提供データを復元し、提供データからサンプリングデータのデータ列を再現する交通情報受信装置とから成る。
【0012】
また、本発明の交通情報送信装置には、道路に沿って変化する交通情報の状態量を道路の距離方向に等間隔にサンプリングして、サンプリングデータを生成するサンプリングデータ生成手段と、このサンプリングデータのデータ列を直交変換して周波数成分の係数のデータ列を生成する直交変換手段と、この係数をビットプレーン分解するビットプレーン分解手段と、一部のサンプリングデータの直交逆変換に関わる係数をシフトアップするシフトアップ手段とを設けている。
【0013】
また、本発明の交通情報受信装置には、受信したビット列データの内でシフトアップされているビットデータをシフトダウンして周波数成分の係数のデータ列を復元するシフトダウン手段と、この係数を用いて直交逆変換を行い、交通情報のサンプリングデータのデータ列を再現する直交逆変換手段とを設けている。
【0014】
そのため、センター装置からカーナビ車載機に交通情報を提供したり、プローブカー車載機(FCD車載機)からセンター装置に計測情報を提供したりする場合に、重要性が高い渋滞区間などの情報について、重要性が低い区間の情報よりも高い情報精度で伝えることができ、データ量を抑えるためにロッシー符号化が行われる場合でも、重要情報についての情報劣化を防ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の実施形態における交通情報提供方法では、車両速度や旅行時間、渋滞度などで表される交通状況を道路に沿って変化する関数として捉える。そして、道路交通情報の送信側は、交通状況を道路に沿って等間隔にサンプリングし、そのサンプリングデータのデータ列を符号化してデータ量が少ない送信データを生成する。これを受信した受信側は、符号化データを復号化して交通状況のサンプリングデータを再現する。
【0016】
本発明の第1の実施形態における交通情報提供方法では、送信データを生成するため、交通状況のサンプリングデータを二進数で表し、サンプリングデータのデータ列を「ビットプレーン分解」し、その際に、重要度の高いサンプリングデータについて「シフトアップ」を行う。
【0017】
図1は、これらの処理を模式的に示している。
まず、図1(a)に示すように、距離Xmの対象道路の形状ベクトルを基準ノードから単位区画長の長さ(例:50〜500m)で等間隔に区切って標本化し、各標本化点での交通状況をサンプリングする。図1(b)には、各標本化点での交通状況の状態量(サンプリングデータ)を、標本化によって設定した量子化単位(距離方向量子化単位)を表すコマの中に示している。交通状況の状態量は、例えば、各標本化点を通過する車両の平均速度である。また、この状態量は、標本化点間隔を通過する車両の平均旅行時間や渋滞ランクなどであっても良い。
【0018】
次に、各標本化点のサンプリングデータ(ここでは状態量が「平均速度」を表しているものとする)を「ビットプレーン分解」するために、図1(c)に示すように、サンプリングデータを二進数で表す。サンプリングデータ14は、
14=1110
と、サンプリングデータ15は、
15=1111
と、また、サンプリングデータ13は、
13=1101
と表される。
【0019】
次に、重要度の高いサンプリングデータの「シフトアップ」を行う。ここでは、図1(b)において楕円で囲んだ、平均速度が小さいサンプリングデータをシフトアップの対象とする。これらのサンプリングデータ(6、3、2、4)を表す二進数
6=0110
3=0011
2=0010
4=0100
については、図1(c)に示すように、他のサンプリングデータより、例えば2ビットだけシフトアップする。
【0020】
この状態で、各サンプリングデータのビットプレーン分解を行い、上位ビットから順に横断的にビットデータを取り出してデータ列を生成する。図1(c)の場合、MSBである5ビット目のビットデータから、各サンプリングデータのビットデータを順次取り出し、次に、4ビット目、3ビット目、・・というように、各サンプリングデータから取り出すビットデータのレベルを下げて行く。なお、シフトアップしたデータについては、先頭にシフトアップマーカ(例えば、0×F)を付して識別可能にし、また、シフトアップしたサンプリングデータの空になった1ビット目、LSBには0を挿入する。
【0021】
その結果、図1(b)のデータは、次のデータ列に変換される(シフトアップマーカを*で表す)。
*,0,0,0,0,*,1,0,0,1,1,1,1,1,1,1,1,0,1,1,1,0,1,1,1,1,1,1,1,1,・・
交通情報の送信側は、このデータ列、または、このデータ列をランレングス符号化(連長符号化)したデータを受信側に送信する。
【0022】
いま、図1(c)の2ビット目までのデータが送信完了したとする。この時点で、受信側は、サンプリングデータ14について、3ビット目のビットデータ「1」と、2ビット目のビットデータ「1」とを受信している。このとき受信側は、このサンプリングデータについて、未だ受信していない1ビット目及び0ビット目のビットデータを0と仮定して、その状態量を大まかに、
1100=12
と復元することができる。同様に、サンプリングデータ15について、その状態量を大まかに、
1100=12
と復元することができ、また、サンプリングデータ13について、その状態量を大まかに、
1100=12
と復元することができる。
【0023】
これに対して、シフトアップしたサンプリングデータ(6、3、2、4)については、2ビット目までのデータが受信完了した時点で、全てのレベルのビットデータが既に受信されているため、
0110=6
0011=3
0010=2
0100=4
と、原データを正確に復元することができる。こうして、図1(c)の2ビット目までのデータを受信した時点で、受信側が復元できるサンプリングデータ列を図1(d)に示している。
【0024】
このように、この交通情報提供方法では、伝送パス容量や送信側の送信性能あるいは受信側の受信性能による制限のために、形状ベクトルの各標本化点におけるサンプリングデータのすべてが受信側で受信できない場合でも、サンプリングデータにビットプレーン分解とシフトアップとを施すことにより、重要な区間のデータについては高い精度で、その他の区間のデータについては低い精度で交通情報を伝えることが可能であり、シフトアップされたデータは、ロッシー符号化(不可逆符号化)の場合にも、他の情報より高い精度で復号化される。
【0025】
なお、ロスレス圧縮(可逆符号化)の場合は、サンプリングデータをシフトアップするシフトアップ対象区間には、受信側で詳細な情報を求めている区間を選択することが望ましい。例えば、渋滞箇所及びその近辺や、イベントが発生している区間等である。また、プローブカーが交通情報の送信側となり、走行中の計測情報をセンターシステムにアップロードする場合には、ハンドルを急に切った箇所、急加速した箇所、急減速した箇所など、交通管制に必要な区間もシフトアップの対象区間に含めることが望ましい。
【0026】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、サンプリングデータのデータ列を直交変換して周波数成分の係数のデータ列に変換し、これをビットプレーン分解して受信側に送信する場合に、重要度の高いサンプリングデータに関与する係数をシフトアップする方法について説明する。
【0027】
ここでは、直交変換として離散ウェーブレット変換(DWT)を施す場合について説明する。
ウェーブレット変換の一般式を図3に示している。ウェーブレットとは、基本ウェーブレットと呼ばれる時間的にも周波数的にも限定した範囲だけに存在する関数Ψ(t)に対して、時間軸上でa倍する操作(スケール変換)や、時間的にbだけ横にずらす操作(シフト変換)を行い、こうしてできる(数3)のような関数の集合のことを言う。この関数を用いて、パラメータa、bに対応する信号の周波数や時間成分を抽出することができ、この操作をウェーブレット変換という。
【0028】
ウェーブレット変換には、連続ウェーブレット変換と離散ウェーブレット変換(DWT)とが存在する。連続ウェーブレット変換の順変換を(数1)に、逆変換を(数2)に示している。この実数a、bをa=2j、b=2jk(j>0)と置いて、離散ウェーブレット変換(DWT)の順変換は(数5)のように、また、逆変換(IDWT)は(数6)のように表される。
【0029】
このDWTは再帰的に低域を分割するフィルタ回路によって実現でき、また、IDWTは、分割時と逆の合成を繰り返すフィルタ回路によって実現できる。図4(a)はDWTのフィルタ回路を示している。このDWT回路は、低域通過フィルタ181と、高域通過フィルタ182と、信号を1/2に間引く間引き回路183とを備えた複数の回路191、192,193のカスケード接続により構成され、回路191に入力した信号の高域成分は、高域通過フィルタ182を通過した後、間引き回路183で1/2に間引かれて出力され、低域成分は、低域通過フィルタ181を通過した後、間引き回路183で1/2に間引かれて次の回路192に入力する。回路192でも同様に、高域成分は間引かれて出力され、低域成分は、間引かれた後、次の回路193に入力し、そこで同様に高域成分と低域成分とに分けられる。
【0030】
図5(a)は、DWT回路の各回路191、192、193によって分解される信号を示しており、入力信号f(t)(≡Sk(0);なお、上付き文字は次数を表す)は、回路191で、高域通過フィルタ182を通過した信号Wk(1)と低域通過フィルタ181を通過した信号Sk(1)とに分割され、信号Sk(1)は、次の回路92で、高域通過フィルタ182を通過した信号Wk(2)と低域通過フィルタ181を通過した信号Sk(2)とに分割され、信号Sk(2)は、次の回路193で、高域通過フィルタ82を通過した信号Wk(3)と低域通過フィルタ181を通過した信号Sk(3)とに分割される。このS(t)をスケーリング係数(またはローパスフィルタ)と言い、W(t)をウェーブレット係数(またはハイパスフィルタ)と言う。
【0031】
次の(数8)(数9)は、本発明の実施形態で用いるDWTの変換式を示している。
ステップ1:w(t) = f(2t+1) − [{f(2t)+f(2t+2)}/2] (数8)
ステップ2:s(t) = f(2t) + [{w(t)+w(t−1)+2}/4] (数9)
第1次の順変換では、交通状況のサンプリングデータを離散値f(t)として、(数8)及び(数9)により1次のウェーブレット係数及び1次のスケーリング係数への変換が行われ、それ以降の第n次の順変換では、第(n−1)次のスケーリング係数をf(t)として、(数8)及び(数9)により第n次のウェーブレット係数及びスケーリング係数への変換が行われる。また、この変換を実現するDWT回路の各回路191、192、193の構成を図6(a)に示している。図中の「Round」は、丸め処理を示している。交通状況のサンプリングデータ(状態量)は、(数8)及び(数9)によってスケーリング係数とウェーブレット係数とに変換されて提供される。
【0032】
また、図4(b)はIDWTのフィルタ回路を示している。IDWT回路は、信号を2倍に補間する補間回路186と、低域通過フィルタ184と、高域通過フィルタ185と、低域通過フィルタ184及び高域通過フィルタ185の出力を加算する加算器187とを備えた複数の回路194、195、196のカスケード接続により構成され、回路194に入力した低域成分及び高域成分の信号は、2倍に補間され、加算されて次の回路195に入力し、この回路195で高域成分と加算され、さらに、次の回路195で高域成分と加算されて出力される。
【0033】
図5(b)は、IDWT回路の各回路194、195、196によって再構成される信号を示しており、回路194で、スケーリング係数Sk(3)とウェーブレット係数Wk(3)とが加算されてスケーリング係数Sk(2)が生成され、次の回路195で、このスケーリング係数Sk(2)とウェーブレット係数Wk(2)とが加算されてスケーリング係数Sk(1)が生成され、次の回路196で、スケーリング係数Sk(1)とウェーブレット係数Wk(1)とが加算されてSk(0)(≡f(t))が生成される。
【0034】
次の(数10)(数11)は、本発明の実施形態で用いるIDWTの変換式を示している。
ステップ1:f(2t) = s(t) + [{w(t)+w(t−1)+2}/4] (数10)
ステップ2:f(2t+1) = w(t) − [{f(2t)+f(2t+2)}/2] (数11)
第n次の逆変換では、第(n+1)次のIDWTにより変換された信号f(t)をスケーリング係数として、(数10)及び(数11)のステップによる変換を行う。また、この変換を実現するIDWT回路の各回路194、195、196の構成を図6(b)に示している。
【0035】
このように、交通状況のサンプリングデータは、(数8)及び(数9)により、スケーリング係数及びウェーブレット係数に変換することができ、また、スケーリング係数及びウェーブレット係数を受信した場合には、(数10)及び(数11)により、交通状況のサンプリングデータを復元することができる。
【0036】
また、1次のスケーリング係数は、サンプリングデータ(原データ)により表される形状を平滑化して示し、n次のスケーリング係数は、(n−1)次のスケーリング係数により表される形状を平滑化して示している。図7は、縦軸に速度、横軸に基準点からの距離を取り、プローブカーで計測された速度のサンプリングデータを実線で示し、この原データに1回のDWTを施したときの1次のスケーリング係数を点線で示している。また、図8には、この1次のスケーリング係数(点線)と、さらにDWTを繰り返したときの2次のスケーリング係数(一点鎖線)と、3次のスケーリング係数(線部分が長い点線)とを示している。1次のスケーリング係数間の距離間隔は、原データの距離間隔の2倍であり、このスケーリング係数の値は、その距離間隔内に含まれる原データの値を平均化したものとなっている。また、n次のスケーリング係数間の距離間隔は、(n−1)次のスケーリング係数間の距離間隔の2倍であり、n次のスケーリング係数の値は、その距離間隔に含まれる(n−1)次のスケーリング係数の値を平均化したものとなっている。
【0037】
そのため、交通情報の伝送データ量等が制限される場合には、n次(n=1,2,・・)のスケーリング係数が復元できるデータを送信することにより、大まかな交通状況(精度の粗い交通情報)を受信側に伝えることができる。このスケーリング係数の次数が高くなる程、データ量は減少し、交通情報の精度は粗くなる。
【0038】
さて、こうしてサンプリングデータにDWTを施して得られたスケーリング係数及びウェーブレット係数に対して、ビットプレーン分解とシフトアップとを施して、送信データを生成する。図2は、この模様を模式的に示している。
図2(a)は、交通状況のサンプリングデータのデータ列を示しており、これは図1(b)と同じである。シフトアップ対象のサンプリングデータを色付きで示している。
【0039】
図2(b)は、このサンプリングデータにDWTを施した結果を示している。図2(a)のサンプリングデータをf(t)として、(数8)及び(数9)により求めた1次スケーリング係数をs1、1次ウェーブレット係数をw1で示している。その内、(数10)及び(数11)のIDWTでサンプリングデータを復元するときに、シフトアップ対象のサンプリングデータの復元に関与するスケーリング係数及びウェーブレット係数を色付きで示している。これらのスケーリング係数及びウェーブレット係数はシフトアップ対象の係数である。
また、s1をf(t)として、(数8)及び(数9)により求めた2次スケーリング係数をs2、2次ウェーブレット係数をw2で示し、その内、シフトアップ対象のs1の復元に関与するスケーリング係数及びウェーブレット係数を色付きで示している。
【0040】
同様に、s2をf(t)として、(数8)及び(数9)により求めた3次スケーリング係数をs3、3次ウェーブレット係数をw3で示し、その内、シフトアップ対象のs2の復元に関与するスケーリング係数及びウェーブレット係数を色付きで示している。また、s3をf(t)として、(数8)及び(数9)により求めた4次スケーリング係数をs4、4次ウェーブレット係数をw4で示し、その内、シフトアップ対象のs3の復元に関与するスケーリング係数及びウェーブレット係数を色付きで示している。
4次までのDWTを実施した結果を図2(b)の最下行に示し、そのスケーリング係数及びウェーブレット係数の値を図2(c)に示している。また、その内、シフトアップ対象のスケーリング係数及びウェーブレット係数を色付きで示している。
【0041】
なお、ここでは、サンプリングデータ(図2(a))にDWTを施す際に、サンプリングデータの逆数を取り、サンプリングデータの逆数に対してDWTを施している。これは、ロッシー変換により原データのデータ列をスケーリング係数のデータ列で近似する場合に、前述するように、スケーリング係数は、原データの平均値を表わすことになるが、サンプリングデータの状態量が速度情報であるときは、速度情報の逆数を用いてDWT変換した方が、ロッシー変換で実感に近い平均速度値が得られるためである。
図2(d)は、図2(c)のDWT係数にビットプレーン分解とシフトアップとを実施した状態を示している。
【0042】
また、図2(e)は、図2(d)の2ビット目までのデータを受信した時点で、受信側が復元できるDWT係数を示しており、図2(f)は、図2(e)のDWT係数を用いて(数10)及び(数11)のIDWTを行い、復元したサンプリングデータのデータ列を示している。
このように、交通状況のサンプリングデータを、交通情報を表す関数の周波数成分の係数に変換して送信する場合には、重要度の高いサンプリングデータの復元に関与する係数を対象としてシフトアップを行い、ビットプレーン分解して係数のデータ列を伝送することにより、受信側の受信可能なデータ量が限定される場合でも、重要な区間のデータについては高い精度で、その他の区間のデータについては低い精度で伝えることができる。
【0043】
図9は、走行中のプローブカーによって測定された速度情報と、その速度情報をDWT変換した後、IDWTにより復元化した復元情報とを示している。縦軸は速度、横軸は基準点からの距離を表わしている。図9(a)には、14ビットで表わした速度情報の原データを実線で示し、また、原データの逆数をDWT変換し、DWT係数をビットプレーン分解して、6ビット分のDWT係数を用いてIDWTを行い、復元した復元情報を点線で示している。この場合は、DWT係数のシフトアップを行っていない。一方、図9(b)には、楕円で示した範囲のサンプリングデータを対象として、そのサンプリングデータの復元に関与するDWT係数を4ビットだけシフトアップし、その他の条件は図9(a)の場合と同一にして得た復元情報を点線で示している。
【0044】
図9(b)が示すように、シフトアップの対象区域については、原データと殆ど変わらない復元情報が得られている。
なお、ここでは、直交変換としてDWT(離散ウェーブレット変換)を行う場合について説明したが、DFT(離散フーリエ変換)、DCT(離散コサイン変換)、DHT(離散アダマール変換)等を用いることもできる。
【0045】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態では、交通情報を提供するセンター側と、交通情報の提供を受けるカーナビ等の車載機とから成るシステムについて説明する。
このシステムは、図10に示すように、センサA(超音波車両センサー)21、センサB(AVIセンサー)22及びセンサーC(プローブカー)23を用いて交通情報を計測する交通情報計測装置10と、過去の交通情報を用いてシフトアップ区間を決定するシフトアップ定義部50と、交通情報及びその対象区間の情報を符号化して送信する交通情報送信部30と、送信された交通情報を受信して活用するカーナビ等の交通情報受信部60とから成る。ここでは、交通情報の符号化方式としてDWTを用いる場合について示している。
【0046】
交通情報計測装置10は、各センサー21、22、23からデータを収集するセンサー処理部A(11)、センサー処理部B(12)及びセンサー処理部C(13)と、各センサー処理部11、12、13から送られたデータを処理して、対象区間を示すデータとその交通情報データとを出力する交通情報算出部14とを備えている。
シフトアップ定義部50は、交通情報計測装置10から送られて来る交通情報を蓄積する過去情報蓄積部51と、過去の交通情報とデジタル地図データベースA53とを参照して、渋滞頻発区域など要注意区域をシフトアップ区間として決定するシフトアップ区間定義部52と、決定済みのシフトアップ区間が記述されたシフトアップ区間テーブル54とを備えている。
【0047】
交通情報送信部30は、交通情報計測装置10から交通情報を受信する交通情報収集部31と、交通情報から交通状況を判定し、標本化点間の単位区画長(距離量子化単位)や交通情報の表現分解能を決定する量子化単位決定部32と、デジタル地図データベースA39を参照して交通情報対象区間を示す道路区間参照データを生成し、また、交通情報の生成に用いるサンプリングデータを決定する交通情報変換部33と、交通情報のサンプリングデータのDWT変換を行うDWT符号化処理部34と、DWT係数をビットプレーン分解するビットプレーン分解部35と、シフトアップ区間に対応するDWT係数のシフトアップを行うシフトアップ部36と、ビットプレーン分解したビットデータ列を符号表40を用いてランレングス符号化するビット符号化部37と、符号化された交通情報データ及び道路区間参照データを送信する情報送信38とを備えている。
【0048】
交通情報受信部60は、交通情報送信部30から提供された情報を受信する情報受信部61と、ビットプレーン分解されているDWT係数のビットデータ列を復号化するビット列復号化部62と、シフトアップされているビットデータを元に戻すシフトダウン部63と、DWT係数を用いてIDWTを行い交通情報を復元するDWT復号化処理部64と、道路区間参照データを用いてマップマッチングを行い、デジタル地図データベースB69の地図上での交通情報対象区間を特定するマップマッチング及び区間確定部65と、受信した交通情報をリンクコストテーブル70の対応区間のデータに反映させる交通情報反映部66と、GPSアンテナやジャイロを用いて自車位置を判定する自車位置判定部68と、自車位置から目的地までのルート探索等にリンクコストテーブル70を活用する情報活用部67とを備えている。
【0049】
このシステムの交通情報計測装置10では、プローブカー23が時間単位で計測した車両の位置座標・走行距離・速度などの情報をセンサー処理部C13で収集する。また、交通情報計測装置10のセンサー処理部A11及びセンサ−処理部B12は、道路上の各所に設置されたセンサーの情報を収集する。交通情報算出部14は、収集したデータを交通情報送信部30及びシフトアップ定義部50に出力する。
【0050】
シフトアップ定義部50は、過去の交通情報を基にシフトアップ区間を決定してシフトアップ区間テーブル54を作成する。
交通情報送信部30は、交通情報を収集して、交通情報提供区間を決定する。交通情報提供区間を表す道路区間参照データは、交通情報変換部33が作成する。
量子化単位決定部32は、交通状況を判定し、位置分解能を規定する標本化点間の単位区画長やデータ数、及び、交通情報表現の分解能について決定する。データ数は、2個、または2の整数倍の個数に設定する。距離分解能から、データが2の整数倍にならないときは、「0」値または適当な値(例:有効データの最後の値)をデータ数が2の整数倍になるまで挿入する。
交通情報変換部33は、交通情報を距離の関数で表し、決定された距離分解能に基づいて、これを等間隔にサンプリングして交通情報のサンプリングデータを抽出し、決定された交通情報の表現の粗さに従って丸め処理を行い、2の整数倍のサンプリングデータを生成する。
【0051】
DWT符号化処理部34は、図11に示すように、まず、データの絶対値を小さくするためにサンプリングデータの中間値分だけデータのレベルをシフトし(ステップ271)、次に、DWTの次数Nを決定する。サンプリングデータの個数が2個の場合、次数Nはm以下の値に設定することができる(ステップ272)。次いで、まず0次(n=0)の場合から順に(ステップ273)、データ数/2により入力データ数を決定し(ステップ274)、サンプリングデータに対し、前述する(数8)及び(数9)によるDWTを適用して、入力データをスケーリング係数とウェーブレット係数とに分解する(ステップ275)。このとき、スケーリング係数及びウェーブレット係数のデータ数は、各々、入力データ数の1/2となる。n<Nである場合は(ステップ276)、ステップ274に戻り、次数nを1つ上げて、データ数/2により入力データ数を決定する。このとき、ステップ275で得られたスケーリング係数だけが次の入力データとなる。
ステップ274〜ステップ275の処理をn=Nに達するまで繰り返す(ステップ276)。N=mの場合、m次までDWTを繰り返すと、スケーリング係数は唯1つとなる。得られたスケーリング係数及びウェーブレット係数の小数点以下を四捨五入して整数にする(ステップ277)。なお、サンプリングデータを逆数化する場合は、ステップ271の前の段階で行う。
【0052】
ビットプレーン分解部35は、得られたスケーリング係数及びウェーブレット係数のビットプレーン分解を行い、シフトアップ部36は、シフトアップ区間テーブル54に記述されたシフトアップ区間のサンプリングデータに対応するDWT係数をシフトアップする。ビット符号化部37は、ビットプレーン分解で得られたビットデータ列を、ランレングス符号表40を用いて連長圧縮の符号化を行う。
情報送信部38は、符号化されたDWT係数を道路区間参照データとともに送信する。
【0053】
一方、交通情報受信部60では、情報受信部61がデータを受信すると、ビット列復号化部62が、送信側と同じ符号表を用いて、符号化圧縮されているビットデータ列を復号化し、シフトダウン部63がシフトアップされたビットデータを元の状態に戻してDWT係数を復元する。
DWT復号化処理部64は、図12に示すように、受信した交通情報のデータからDWTの次数Nを読み取り(ステップ461)、nをN−1に設定し(ステップ462)、データ数/2により入力データ数を決定する(ステップ463)。次いで、N次のスケーリング係数とN次のウェーブレット係数とを用いて、(数10)及び(数11)によってN−1次のスケーリング係数を再構成する(ステップ464)。
【0054】
n>0である場合、または制限時間内である場合は、ステップ463に戻り、nを1減算して、ステップ463、ステップ464の手順を繰り返す(ステップ465)。また、n=0となり、IDWTが終了したときは、送信側がレベルシフトした分だけデータを逆シフトする(ステップ468)。
また、制限時間が過ぎたときは、n>0であってもIDWTを終了し、得られたスケーリング係数を用いて解像度を落とした交通情報を再現するため、距離量子化単位の単位長(距離分解能)を2倍に設定し(ステップ467)、さらに、送信側がレベルシフトした分だけデータを逆シフトする(ステップ468)。
こうして交通情報のサンプリングデータが再生される。
【0055】
また、送信側でサンプリングデータの逆数化が行われている場合には、ステップ468で得られたデータの逆数を取ってサンプリングデータを再生する。
マップマッチング及び区間確定部65は、道路区間参照データを用いて自己のデジタル地図データベースB69に対するマップマッチングを行い、交通情報対象道路区間を特定する。
交通情報反映部66は、再現された交通情報を自システムのリンクコストテーブル70に反映させる。情報活用部67は、提供された交通情報を活用して所要時間表示やルートガイダンスを実行する。
【0056】
このように、DWTを施したデータは階層性を有しており、受信側で一部データの欠損した情報しか受信できない場合でも、復元したステーリング係数を基に低分解能の情報を再現することができる。その場合にも、ビットプレーン分解とシフトアップとが行われている場合には、注目すべき区間の情報再現の精度を他の区間より高めることができる。
【0057】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態では、走行時のデータを計測して提供するFCD車載機が交通情報の送信側となり、このデータを収集するFCD収集システムが受信側となるプローブカーシステムについて説明する。
【0058】
図13に示すように、このシステムのFCD車載機90は、送信データの符号化に用いる符号表データ95をFCD収集システム80から受信する符号表受信部94と、速度を検知するセンサーA105や動力出力を検知するセンサーB106、燃料消費を検知するセンサーZ107の検知情報を収集するセンサー情報収集部100と、GPSアンテナ103での受信情報やジャイロ104の情報を用いて自車位置を判定する自車位置判定部102と、自車の走行軌跡やセンサーA、B、Cの計測情報を蓄積する走行軌跡計測情報蓄積部99と、計測情報のサンプリングデータをDWT係数に変換する計測情報DWT変換部78と、DWT係数をビットプレーン分解するビットプレーン分解部97と、シフトアップ区域を抽出するイベント抽出部93と、シフトアップ区間に対応するDWT係数のシフトアップを行うシフトアップ部96と、FCD収集システム80から受信した符号表データ95を用いて、ビットプレーン分解したビットデータ列の符号化や走行軌跡データの符号化を行う符号化処理部92と、符号化された計測情報や走行軌跡のデータを送信する走行軌跡送信部91とを備えている。
【0059】
また、FCD収集システム80は、FCD車載機90からデータを受信する走行軌跡受信部81と、符号化されている受信データを復号化する符号化データ復号部82と、シフトアップされているDWT係数のビットデータを元に戻すシフトダウン部85と、復号化したDWT係数を用いてIDWTを行い、計測情報を復元する計測情報データ逆変換部86と、計測情報を交通情報の生成に活用する走行軌跡計測情報活用部88と、FCD車載機90に符号表データを送信する符号表送信部84と、FCD車載機90にシフトアップ対象区間を指定するイベント指定部83と、デジタル地図データベースB87とを備えており、また、FCD収集システム80に付属するシフトアップ定義部120は、収集した計測情報を蓄積する過去情報蓄積部121と、過去の計測情報とデジタル地図データベースB87とを参照して、シフトアップ区間を決定するシフトアップ区間定義部122と、決定済みのシフトアップ区間が記述されたシフトアップ区間テーブル123とを備えている。
【0060】
FCD収集システム80の符号表送信部84は、FCD車載機90の現在位置の情報を取得して、FCD車載機90が位置するエリアと対応付けた符号表データ95を送信する。また、イベント指定部83は、シフトアップ区間テーブル123を参照して、渋滞などのイベントが発生し易い区間の情報をFCD車載機90に送信する。
FCD車載機90の自車位置判定部102は、GPSアンテナ103での受信情報やジャイロ104の情報を用いて自車位置を検出し、また、センサー情報収集部100は、センサーA105で検知された速度情報やセンサーB106で検知されたエンジン負荷、センサーZ107で検知されたガソリン消費量等の計測値を収集する。センサー情報収集部100で集められた計測情報は、自車位置判定部102が検出した自車位置と対応付けて走行軌跡計測情報蓄積部99に格納される。
【0061】
計測情報DWT変換部98は、走行軌跡計測情報蓄積部99に蓄積された計測情報のサンプリングデータを生成し、これにDWTを施して、計測情報をスケーリング係数とウェーブレット係数とに変換する。ビットプレーン分解部97は、このDWT係数をビットプレーン分解する。シフトアップ部96は、イベント抽出部93がイベントを抽出した区域のサンプリングデータに関係するDWT係数をシフトアップする。符号化処理部92は、ビットプレーン分解で得られたビットデータ列を、符号表データ95を用いて連長圧縮し、また、走行軌跡データを、符号表データ95を用いて符号化する。これらの符号化データは、走行軌跡送信部91からFCD収集システム80に送信される。
【0062】
FCD収集システム80の符号化データ復号部82は、受信した符号化データを復号化する。シフトダウン部85は、シフトアップされたビットデータを元の状態に戻してDWT係数を復元する。計測情報データ逆変換部86は、DWT係数を用いてIDWTを行い、計測情報を復元する。走行軌跡計測情報活用部88は、走行軌跡から求めた道路の交通情報の生成・解析に、復元された計測情報を活用する。
【0063】
このように、ビットプレーン分解とシフトアップとを併用することにより、FCD収集システム80は、渋滞などのイベントが発生している区域の詳細な計測情報をFCD車載機90から収集することが可能になる。また、FCD収集システム80が、イベントとして、ハンドルを急に切った場合、急加速した場合、急減速した場合などを指定することにより、交通管制や経路探索などに有益な詳細な情報を収集することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の交通情報提供方法では、重要性が高い情報を、重要性が低い情報に比べて、高い情報精度で伝えることができ、データ量を抑えるためにロッシー符号化が行われる場合でも、重要情報についての情報劣化を防ぐことができる。
【0065】
また、本発明のシステム及び装置は、この交通情報提供方法を用いて、センター装置からカーナビ車載機などに交通情報を提供したり、FCD車載機からセンター装置に計測情報を提供したりすることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における交通情報提供方法を模式的に示す図
【図2】本発明の第2の実施形態における交通情報提供方法を模式的に示す図
【図3】ウェーブレット変換の一般式を示す図
【図4】DWTを実現するフィルタ回路を示す図
【図5】DWTでの信号の分離(a)と、IDWTでの信号の再構成(b)とを示す図
【図6】本発明の第2の実施形態におけるDWT及びIDWTを実現するフィルタ回路を示す図
【図7】本発明の第2の実施形態における原データと1次スケーリング係数とを示す図
【図8】本発明の第2の実施形態における1次スケーリング係数と2次スケーリング係数と3次スケーリング係数とを示す図
【図9】シフトアップを行わない場合の原データ及び復元データ(a)と、シフトアップを行った本発明の第2の実施形態における原データ及び復元データ(b)とを示す図
【図10】本発明の第3の実施形態における交通情報提供システムの構成を示すブロック図
【図11】本発明の第3の実施形態におけるDWT手順を示すフロー図
【図12】本発明の第3の実施形態におけるIDWT手順を示すフロー図
【図13】本発明の第4の実施形態における交通情報提供システムの構成を示すブロック図
【図14】従来の交通情報の情報表示分解能における課題を説明する説明図
【図15】従来の交通情報の伝送時の課題を説明する説明図
【符号の説明】
10 交通情報計測装置
11 センサー処理部A
12 センサー処理部B
13 センサー処理部C
14 交通情報算出部
21 センサーA(超音波車両センサー)
22 センサーB(AVIセンサー)
23 センサーC(プローブカー)
30 交通情報送信部
31 交通情報収集部
32 量子化単位決定部
33 交通情報変換部
34 DWT符号化処理部
35 ビットプレーン分解部
36 シフトアップ部
37 ビット符号化部
38 情報送信部
39 デジタル地図データベース
40 符号表
50 シフトアップ定義部
51 過去情報蓄積部
52 シフトアップ区間定義部
53 デジタル地図データベース
54 シフトアップ区間テーブル
60 交通情報受信部
61 情報受信部
62 ビット列復号化部
63 シフトダウン部
64 DWT復号化処理部
65 マップマッチング及び区間確定部
66 交通情報反映部
67 情報活用部
68 自車位置判定部
69 デジタル地図データベース
70 リンクコストテーブル
80 FCD収集システム
81 走行軌跡受信部
82 符号化データ復号部
83 イベント指定部
84 符号表送信部
85 シフトダウン部
86 計測情報データ逆変換部
87 デジタル地図データベース
88 走行軌跡計測情報活用部
90 FCD車載機
91 走行軌跡送信部
92 符号化処理部
93 イベント抽出部
94 符号表受信部
95 符号表データ
96 シフトアップ部
97 ビットプレーン分解部
98 計測情報DWT変換部
99 走行軌跡計測情報蓄積部
100 センサー情報収集部
101 デジタル地図データベース
102 自車位置判定部
103 GPSアンテナ
104 ジャイロ
105 センサA
106 センサB
107 センサZ
120 シフトアップ定義部
121 過去情報蓄積部
122 シフトアップ区間定義部
123 シフトアップ区間テーブル
181 低域通過フィルタ
182 高域通過フィルタ
183 間引き回路
184 低域通過フィルタ
185 高域通過フィルタ
186 間引き回路
187 加算回路
191 フィルタ回路
192 フィルタ回路
193 フィルタ回路

Claims (18)

  1. 道路に沿って変化する交通情報の状態量を前記道路の距離方向に等間隔にサンプリングして、サンプリングデータのデータ列を伝えるための提供データを生成し、前記提供データの一部をシフトアップした状態で前記提供データをビットプレーン分解し、得られたデータを受信側に提供することを特徴とする交通情報提供方法。
  2. ビットプレーン分解した前記提供データのビットデータを、下位のビットレベルのビットデータを除いて、前記受信側に提供することを特徴とする請求項1に記載の交通情報提供方法。
  3. 前記提供データの中で、重要性が高い前記サンプリングデータを前記受信側に伝えるデータに対してシフトアップを行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の交通情報提供方法。
  4. 交通情報の変化点からサンプリングされたサンプリングデータを前記重要性が高いサンプリングデータとすることを特徴とする請求項3に記載の交通情報提供方法。
  5. 渋滞発生区間もしくは渋滞発生区間の末尾または先頭区域からサンプリングされたサンプリングデータを前記重要性が高いサンプリングデータとすることを特徴とする請求項3に記載の交通情報提供方法。
  6. プローブカーが急加速若しくは急減速した地点またはその近辺からサンプリングされたサンプリングデータを前記重要性が高いサンプリングデータとすることを特徴とする請求項3に記載の交通情報提供方法。
  7. プローブカーのハンドルが急に切られた地点またはその近辺からサンプリングされたサンプリングデータを前記重要性が高いサンプリングデータとすることを特徴とする請求項3に記載の交通情報提供方法。
  8. 前記サンプリングデータのデータ列を前記提供データとし、前記サンプリングデータのデータ列を、一部のサンプリングデータをシフトアップした状態でビットプレーン分解して提供することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の交通情報提供方法。
  9. 前記サンプリングデータを直交変換して得られた周波数成分の係数のデータ列を前記提供データとし、前記係数のデータ列を、一部のサンプリングデータの直交逆変換に関わる前記係数をシフトアップした状態でビットプレーン分解して提供することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の交通情報提供方法。
  10. 道路に沿って変化する交通情報の状態量を前記道路の距離方向に等間隔にサンプリングして、サンプリングデータのデータ列を伝えるための提供データを生成し、前記提供データの一部をシフトアップした状態で前記提供データをビットプレーン分解し、得られたデータを送信する交通情報送信装置と、
    受信データの一部のデータをシフトダウンして前記提供データを復元し、前記提供データから前記サンプリングデータのデータ列を再現する交通情報受信装置と
    を備えることを特徴とする交通情報提供システム。
  11. 前記交通情報送信装置は、ビットプレーン分解した前記提供データのビットデータを、下位のビットレベルのビットデータを除いて、前記交通情報受信装置に提供することを特徴とする請求項10に記載の交通情報提供システム。
  12. 前記交通情報送信装置は、道路に設置されたセンサー、または道路を走行するプローブカーから収集された前記交通情報の状態量を用いて前記提供データを生成し、前記交通情報受信装置は、前記提供データから再現した前記サンプリングデータのデータ列を表示または経路案内に利用することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の交通情報提供システム。
  13. 前記交通情報送信装置は、走行中に計測した計測情報を用いて前記提供データを生成し、前記交通情報受信装置は、前記提供データから再現した前記サンプリングデータのデータ列を交通情報の生成、解析に活用することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の交通情報提供システム。
  14. 前記交通情報受信装置は、前記交通情報送信装置に対して、シフトアップの対象となるサンプリング区間を指定することを特徴とする請求項13に記載の交通情報提供システム。
  15. 前記交通情報受信装置は、前記交通情報送信装置に対して、シフトアップの対象となるイベントまたはセンサー情報を指定することを特徴とする請求項13に記載の交通情報提供システム。
  16. 道路に沿って変化する交通情報の状態量を前記道路の距離方向に等間隔にサンプリングして、サンプリングデータを生成するサンプリングデータ生成手段と、前記サンプリングデータのデータ列を直交変換して周波数成分の係数のデータ列を生成する直交変換手段と、前記係数をビットプレーン分解するビットプレーン分解手段と、一部のサンプリングデータの直交逆変換に関わる前記係数をシフトアップするシフトアップ手段とを備えることを特徴とする交通情報送信装置。
  17. 前記ビットプレーン分解手段がビットプレーン分解し、前記シフトアップ手段がシフトアップしたビットデータを、下位のビットレベルのビットデータを除いて、受信側に提供する情報送信手段を備えることを特徴とする請求項16に記載の交通情報送信装置。
  18. 受信したビット列データの内でシフトアップされているビットデータをシフトダウンして周波数成分の係数のデータ列を復元するシフトダウン手段と、前記係数を用いて直交逆変換を行い、交通情報のサンプリングデータのデータ列を再現する直交逆変換手段とを備えることを特徴とする交通情報受信装置。
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