JP4212536B2 - 道路情報提供システム及び装置と道路情報生成方法 - Google Patents

道路情報提供システム及び装置と道路情報生成方法 Download PDF

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本発明は、渋滞状況や旅行時間などを表す交通情報の生成方法と、その交通情報を提供するシステムと、そのシステムを構成する装置に関し、特に、渋滞状況や旅行時間などの交通情報を新たな形態でデータ化し、豊富な情報内容の道路情報を効率的に提供できるようにするものである。
<現在のVICS交通情報>
現在、カーナビなどに道路交通情報提供サービスを実施しているVICS(道路交通情報通信システム)は、道路交通情報を収集・編集し、FM多重放送やビーコンを通じて、渋滞情報や、所要時間を表す旅行時間情報などの交通混雑情報を伝送している。
現行のVICS情報では、交通の現在情報を次のように表現している。
交通の混雑状況は、渋滞(一般道:≦10km/h・高速道:≦20km/h)、混雑(一般道:10〜20km/h・高速道:20〜40km/h)、閑散(一般道:≧20km/h・高速道:≧40km/h)の3段階に区分して表示している。
渋滞状況を表す渋滞情報は、VICSリンク(VICSで用いられている位置情報識別子)全体が同一混雑状況の場合、
「VICSリンク番号+状態(渋滞/混雑/閑散/不明)」
と表示され、また、リンク内の一部だけが渋滞しているときは、
「VICSリンク番号+渋滞先頭距離(リンク始端からの距離)+渋滞末尾距離(リンク始端からの距離)+状態(渋滞)」
と表示される。この場合、渋滞がリンク始端から始まるときには、渋滞先頭距離が0xffと表示される。リンク内に異なる混雑状態が共存する場合は、各混雑状況がこの方法でそれぞれ記述される。
また、各リンクの旅行時間を表すリンク旅行時間情報は、
「VICSリンク番号+旅行時間」
と表示される。
また、交通状況の今後の変化傾向を表す予測情報として、「増加傾向/低減傾向/変化なし/不明」の4状態を表す増減傾向フラグが、現在情報に付して表示される。
<VICSリンク番号に依存しない道路位置の伝達>
VICS交通情報は、リンク番号で道路を特定して交通情報を表示しており、この交通情報の受信側は、リンク番号に基づいて自己の地図における該当する道路の交通状況を把握している。しかし、送信側・受信側がリンク番号やノード番号を共有して地図上の位置を特定する方式は、道路の新設や変更がある度にリンク番号やノード番号を新設したり、修正したりする必要があり、それに伴い、各社のデジタル地図のデータも更新しなければならないため、そのメンテナンスに多大な社会的コストが掛かることになる。
こうした点を改善するため、本発明の発明者等は、下記特許文献1等において、送信側が、道路形状の上に複数のノードを任意に設定して、このノードの位置をデータ列で表した「形状ベクトルデータ列」を伝送し、受信側が、その形状ベクトルデータ列を用いてマップマッチングを行い、デジタル地図上の道路を特定する方式を提案している。また、この形状ベクトルデータ列のデータ量を削減するため、データをフーリエ係数近似により圧縮する方式を下記特許文献2で、また、このデータに統計的処理を施して±0付近に集中するデータに変換した後、可変長符号化してデータを圧縮する方式を特願2001−134318号で提案している。
また、相対位置で表示する形状ベクトルの補正手法として、次のような手法が可能である。形状ベクトルに含まれるノードの位置を相対的に表示して符号化する場合には、累積誤差が蓄積する。この累積誤差は、形状ベクトルが長い距離を有し、かつ、国道246号や国道1号のように「なだらかな形状」の場合に蓄積し易い。それを防ぐため、形状ベクトルとして、図40に太線で示すように、交差する道路等で一旦曲げ、また本線に戻すように形状を抽出し、前記交差点部分や曲率の大きなカーブ等「形状を特徴付けるポイント」を基準ノードに設定して、累積誤差をキャンセルする。また、受信側では、受信データを復号化して得た点線で示す形状ベクトルの基準ノード間の距離と、太線で示す形状ベクトルの基準ノード間の距離とを比較することにより、相対位置を補正する。このように累積誤差が補正できるような位置を選んで設置した基準ノードを、以下、「相対位置補正用基準ノード」と呼ぶことにする。
こうした方式により、リンク番号やノード番号を用いずに道路位置を伝達することが可能になる。
特開2001−41757号公報
特開2002−228467号公報
しかし、現在提供されている交通情報は、次のような課題を有しており、道路情報、つまり、交通情報、沿線の情報、該当道路に沿った交通情報に対する多様な要求に柔軟に対応することができない。
<現在の交通情報の課題1>
現在の交通情報は、情報表現の分解能が両極端なものとなっている。渋滞情報は、その位置に関して10m単位の細かさで表示できるが、交通情報の表現状態数は、渋滞・混雑・閑散の3状態のみである。
また、リンク旅行時間に関する交通情報の表現は、10秒単位の細かい表現が可能であるが、位置分解能は「リンク単位」のみであり、リンク内の細かな速度分布までは表現することができない。
こうしたことから、次のような問題が生じ得る。
図41に示すように、ある人が、交通情報提供路線のリンクAにおける渋滞区間(10km/h以下の区間)の表示を見て、渋滞は500mしかないので時間は掛からないと思い、その渋滞区間を通ったが、車がぎっしり詰まって全く動かず、この500mの渋滞を通り抜けるのに25分も掛かってしまった、と言う事態が発生する。
また、ある人が、「リンクA旅行時間=30分」の表示を見て、リンクAは時間が掛かると思い、これを避けて交通情報提供路線の迂回路を23分かけて廻ったが、リンクAで実際に時間が掛かるのは、交差点直近の渋滞部のみ(25分)であり、渋滞部以外は5分で通過でき、また、ナビに表示されている交通情報非提供路線の点線の道路を使えば、7分程度で通り抜けることができた、と言う事態が発生する。
図42に示すように、縦軸に、交通情報の表現可能な状態数(交通表現分解能)を取り、横軸に位置(または区間)分解能を取ったグラフで交通情報を位置付けた場合、リンク旅行時間は、交通表現分解能が高いものの、位置分解能が低く、渋滞情報は、位置分解能が高いものの、交通表現分解能が低いと言う状況にある。
現在の渋滞情報及びリンク旅行時間情報では、図42に円で示すような中間的な分解能の表現ができない。
一方、交通情報の収集は、この円内の情報を集めることが可能であり、実際の走行車両からデータを収集するプローブカーの場合では、情報収集の目的や送信データ量に応じて、この円の各レベルにおける情報をセンターで集めることができる(例えば、300m毎に3km/h単位に120km/hまで速度を計測すれば、位置分解能は300m、状態数分解能は40となる)。また、既存センサーで収集している編集前の元情報も、センサー密度等による程度の差こそあれ、このような中間的なレベルの交通情報である。
理想的には、図42のグラフ上の全てが表現でき、ソースデータに合わせて、位置分解能及び交通表現分解能ともに任意に変更できる交通情報の表現方法が望ましい。
<現在の交通情報の課題2>
現在の交通情報の提供方式では、位置分解能及び交通表現分解能が固定されているため、データ量が多い場合には、図43(a)に示すように、伝送パス容量を超えてしまう。この場合、伝送パス容量を超えたデータは欠損し、このデータの重要度が高くても、受信側には伝わらない。
理想的には、図43(b)に示すように、データ量が伝送パス容量を超えそうな場合に、データを欠損させるのでは無く、重要度が低い情報から順に分解能を「粗く」して、データ量を削減することが望ましい。
即ち、図44(a)に示すように、伝送パスに余裕があるときは、高い位置分解能及び交通表現分解能で交通情報を表現し、情報量が伝送パス容量近くに増えたときは、図44(b)に示すように、重要度が低い路線の情報に関する位置分解能を低減したり、情報提供地点から遠い路線の情報に関する交通表現分解能を低減したり、さらに、遠い未来の予測情報に関する位置分解能及び交通表現分解能を低減して情報量を削減し、直近の重要路線の情報については、高い分解能で表示し続けることが望ましい。
<現在の交通情報の課題3>
現在の交通情報の表現形式は、交通予測情報の表現に適さない。
交通予測の手法は、シミュレーション法など、種々開発されている。また、今後の交通情報提供事業者の進展に伴って、交通予測情報のサービス提供は盛んになるものと予想される。
しかし、現在の交通情報は、予測情報として「増減傾向」を示すデータしか提供していない。現在の交通情報の表現形式で、渋滞情報の予測情報を送ろうとすると、予測時間帯数の分だけデータ量が比例して増えることになる。一方、渋滞の状況を観察すると、ある時間帯が渋滞であれば、次の時間帯も渋滞であるケースが多く、そのため、データを重複して送ることになり、非効率である。
<本発明の目的>
本発明は、こうした従来の交通情報における課題を解決するものであり、位置分解能及び交通表現分解能を任意に設定することができ、情報の重要度に応じて位置分解能や交通表現分解能を随時変えることができ、また、今後発生が予想される「予測サービス」にも柔軟に対応することができる交通情報の生成方法を提供し、また、その交通情報を提供するシステムと、そのシステムを構成する装置とを提供することを目的としている。
本発明の道路情報提供装置は、道路形状データを圧縮する道路形状データ圧縮部と、 道路に沿って変化する交通情報の状態量を圧縮する交通情報圧縮部と、前記道路形状データ圧縮部および前記交通情報圧縮部においてそれぞれ別個に異なる圧縮がされた道路形状データ及び交通情報の状態量を送信する送信部と、を備え、前記交通情報の状態量は、前記道路形状データで示された道路区間におけるものである
また、本発明の交通情報提供装置において、前記交通情報圧縮部は、前記道路区間中の基準点から道路に沿って等間隔に標本化点を設定する標本化点設定部を有し、当該交通情報圧縮部は、前記道路区間中の道路に沿って変化する交通情報の状態量を、計測点で計測された交通情報の状態量に基づいて、前記標本化点ごとに算出し、算出された各標本化点での交通情報の状態量を圧縮する。
また、本発明の交通情報提供装置において、前記交通情報圧縮部は、前記道路区間を道路に沿って等間隔に分割して標本化点を設定する標本化点設定部を有し、当該交通情報圧縮部は、前記道路区間中の道路に沿って変化する交通情報の状態量を、計測点で計測された交通情報の状態量に基づいて、前記標本化点ごとに算出し、算出された各標本化点での交通情報の状態量を圧縮する。
前記道路に沿って変化する交通情報の状態量は、車両の走行速度、旅行時間、渋滞情報のいずれか一つを含む。
前記交通情報提供装置は、走行中に計測した計測情報を提供するプローブカー車載端末装置または車両に搭載されるナビゲーション端末装置に適用され得る。
また、前記交通情報提供装置は、交通情報を提供するセンター側装置にも適用され得る。
本発明の道路情報提供システムでは、位置分解能及び交通表現分解能を任意に設定することができ、道路情報の重要度に応じて情報表現の分解能を随時変えることができる。また、道路情報の「予測サービス」にも柔軟に対応することができる。
本発明では、「交通混雑指標」である「旅行時間情報」及び「渋滞情報」について、表現形式(即ち、位置分解能と状態数分解能との数)は異なるが、車両走行速度が基礎になる交通情報であり、道路に沿って連続的に変化する交通情報である点で違いはなく、両者は本質的に同じものと見る。
そして、本発明では、道路(対象道路)に沿って連続的に変化する交通情報を、対象道路の始端、または、対象道路区間中に定義した基準ノードからの距離(長さ)の関数として捉える。交通情報を提供する側は、この関数または関数の係数と、対象道路を特定する道路区間参照データとを受信側に伝え、受信側は、受信情報から関数を再現し、道路区間参照データから対象道路を特定して、対象道路に沿って連続的に変化する交通情報を再生する。
こうすることにより、「旅行時間情報」及び「渋滞情報」は、同一思想・同一ルールで統一的に表現し、伝送することが可能になる。
交通情報を関数化するため、本発明の実施形態では、交通情報を提供する対象道路(形状ベクトル)の基準ノード間を等間隔にリサンプルして距離方向に標本化し、各標本化点での走行速度(あるいは旅行時間、渋滞情報)の値を求め、交通情報を、この値のデータ列により表現する。
なお、道路区間参照データとしては、後述するように、種々のものを用いることができるが、以下の実施形態では、道路形状を示す形状ベクトルを用いて対象道路を特定する場合について説明する。
(第1の実施形態)
<交通情報生成方法>
本発明の第1の実施形態では、各標本化点での交通情報(渋滞情報及び旅行時間情報)の状態量を量子化した後、可変長符号化して、提供情報を生成する場合について説明する。
図2では、交通情報(渋滞情報及び旅行時間情報)を、横軸に形状ベクトル上の距離を取り、縦軸に時間軸を取ったグラフで模式的に表している。横軸の1マスは標本化によって設定した量子化単位(距離方向量子化単位)の単位区画長を示し、縦軸の1マスは一定の時間間隔で区切っている。このグラフの各コマには、基準ノード(開始点)からの距離と現在時刻からの経過時間とに対応する走行速度情報が記録される。なお、横軸上の基準ノードには、相対位置補正用基準ノードを設定する。
図2では、便宜上、このグラフを、(a)走行速度が渋滞にランクされる領域(一般道:≦10km/h・高速道:≦20km/h)と、(b)混雑にランクされる領域(一般道:10〜20km/h・高速道:20〜40km/h)と、(c)閑散にランクされる領域(一般道:≧20km/h・高速道:≧40km/h)と、(d)不明の領域とに区分している。
交通情報を図2のように表示した場合、交通状況の過去の観測から得られている交通実態は、コマ同士の相関を示す次のような相関法則として表すことができる。
相関法則A:距離方向に隣り合うコマ同士の相関は高い(ある地点が渋滞であれば、その隣接地点も渋滞)(図2の(1))
相関法則B:時間方向に隣り合うコマ同士の相関は高い(ある時刻に渋滞であれば、その前後の時刻も渋滞)(図2の(2))
相関法則C:時間方向の変更に対しての相関は高い(混み始めるときは、どの道路もほぼ同時に全体的に混んでいく)(図2の(3))
相関法則D:ボトルネック交差点(渋滞の起点になる交差点、「綾瀬バス停」等)を先頭にした渋滞の伸び速度、及び、高速道路での渋滞の逆伝播速度はほぼ一定(図2の4))
交通情報を可変長符号化する場合には、こうした相関法則を利用することにより、データ量を削減することができる。
図1は、現在時刻の交通情報を可変長符号化する場合に、交通情報のデータ(状態量)に統計的処理を施し、このデータを±0付近に集中するデータに変換する処理を示している。
まず、図1(a)に示すように、距離Xmの形状ベクトルを基準ノードから単位区画長の長さ(例:50〜500m)で等間隔に区切って標本化し、図1(b)に示すように、各標本化点を通過する車両の平均速度を求める。図1(b)では、標本化によって設定した量子化単位を表すコマの中に、求めた速度の値を示している。なお、この場合、平均速度の代わりに、標本化点間隔を通過する車両の平均旅行時間や渋滞ランクを求めても良い。
次に、この速度の値を、図3の交通情報量子化テーブルを用いて量子化量に変換する。この交通情報量子化テーブルでは、ユーザが渋滞時の詳しい情報を求めていることから、速度が10km/h未満の場合、1km/hの刻みで量子化量が増加し、速度が10〜19km/hの範囲では2km/hの刻みで量子化量が増加し、速度が20〜49km/hの範囲では5km/hの刻みで量子化量が増加し、速度が50km/h以上の範囲では10km/hの刻みで量子化量が増加するように設定している。この交通情報量子化テーブルを用いて量子化した値を図1(c)に示している。
次に、量子化した値を統計予測値からの差分で表現する。ここでは、着目する量子化単位の量子化した速度Vnに対し、上流側の量子化単位の量子化した速度Vn-1を統計予測値Sとして、(Vn − Vn-1)により差分を算出する。算出結果を図1(d)に示している。
このように、量子化した速度を統計予測値からの差分で表現した場合には、相関法則A(隣り合う量子化単位の交通状況は似通っている)により、±0周辺の値の発生頻度が高くなる。
こうした処理を施したデータに対して可変長符号化を実施する。この可変長符号化の処理は特願2001−134318号で示したものと同様である。
即ち、過去の交通情報を分析して、図4に示すような、交通情報の統計予測値差分を符号化するための符号表を作成し、この符号表を用いて図1(d)の値を符号化する。例えば、+2は"1111000"と符号化され、−2は"1111001"と符号化される。また、00000のように0が連続する場合は"100"と符号化される。
また、符号表には、単位区画長の長さをある地点から切り換えた場合に、その地点からの単位区画長の変更を示すための区画長変更コードや、ある地点から交通情報量子化テーブル(図3)を切り換えた場合に、その地点からの交通情報量子化テーブルの変更を示すための交通情報量子化テーブル変更コードや、基準ノードを示すための基準ノード対応地点識別コードが、特殊コードとして設定されている。
このように、交通情報を量子化し、統計予測差分値に変換して、±0周辺の値の発生頻度を高めることにより、可変長符号化(ハフマン/算術符号/シャノン・ファノ等)や連長圧縮(ランレングス符号化)によるデータ圧縮の効果が向上する。特に、渋滞情報を、従来のように4段階のランクで表示する場合には、多くの量子化単位における統計予測値差分が0になるため、連長圧縮による効果が極めて高くなる。
また、旅行時間情報に関しても、交通情報量子化テーブル(図3)において、法定速度以上の速度を全て一定の量子化量に設定する等の処理により、連長圧縮効果が高まる。
また、形状ベクトルを標本化する単位区画長の長さを変更したり、交通情報量子化テーブルを切り換えたりすることにより、交通情報の位置分解能や交通表現分解能を変更することが可能であり、交通情報の量や、情報提供メディアの伝送パス容量、要求される精度などに応じて、交通情報の交通表現分解能及び位置分解能を適切に制御することが容易に実行できる。
なお、ここでは、統計予測値として、上流側の量子化単位の速度Vn-1を用いているが、統計予測値は、別のものでも構わない。例えば、上流側の3つ前までの量子化単位における速度の加重平均を統計予測値Sとして用いる場合には、統計予測値S=aVn-1+bVn-2+cVn-3 (但しa+b+c=1)の式により統計予測値Sを算出する。
<システム構成>
図5は、交通情報を生成して提供する放送型の交通情報提供システムを示している。このシステムは、センサーA(超音波車両センサー)21、センサーB(AVIセンサー)22及びセンサーC(プローブカー)23を用いて交通情報を計測する交通情報計測装置10と、交通情報を符号化するための符号表を作成する符号表作成部50と、交通情報及びその対象区間の情報を符号化して送信する交通情報送信部30と、送信された情報を受信するカーナビ等の受信側装置60とから成る。
交通情報計測装置10は、各センサー21、22、23から取得したデータを処理するセンサー処理部A(11)、センサー処理部B(12)及びセンサー処理部C(13)と、各センサー処理部11、12、13で処理されたデータを用いて交通情報を生成し、その交通情報データと対象区間を示すデータとを出力する交通情報算出部14とを備えている。
符号表作成部50は、交通情報の量子化に用いる複数種類の交通情報量子化テーブル53と、複数種類の標本化点間隔(単位区画長)を規定する距離量子化単位パラメータテーブル54とを備えており、符号表を作成する符号表算出部51は、交通情報計測装置10から取得した過去の交通状況をパターン分けし、全てのパターンについて、交通情報量子化テーブル53及び標本化点間隔の全ての組み合わせに対応する各種の符号表52を作成する。
交通情報送信部30は、交通情報計測装置10から交通情報を収集する交通情報収集部31と、収集された交通情報を基に交通状況を判定し、標本化点間隔(距離方向量子化単位の単位区画長)を決定し、使用すべき量子化テーブルや符号表を決定する量子化単位決定部32と、量子化単位決定部32が決定した標本化点間隔や交通情報量子化テーブル53を用いて交通情報の量子化や統計予測差分値への変換処理を行い、また、対象区間の形状ベクトルデータの統計予測差分値への変換を行う交通情報変換部33と、量子化単位決定部32が決定した符号表52を用いて交通情報の符号化処理を行い、また、対象区間の形状ベクトルの符号化処理を行う符号化処理部34と、符号化された交通情報データ及び形状ベクトルデータを送信する情報送信部35と、交通情報変換部33が参照するデジタル地図データベース36とを備えている。
受信側装置60は、交通情報送信部30から提供された情報を受信する情報受信部61と、受信情報を復号化して交通情報及び形状ベクトルを再生する復号化処理部62と、デジタル地図データベース65のデータを用いて形状ベクトルのマップマッチングを行い、交通情報の対象区間を決定するマップマッチング及び区間確定部63と、受信した交通情報をリンクコストテーブル66の対象区間のデータに反映させる交通情報反映部64と、GPSアンテナ69やジャイロ70を用いて自車位置を判定する自車位置判定部68と、自車位置から目的地までのルート探索等にリンクコストテーブル66を活用する情報活用部67と、ルート探索結果に基づいて音声での案内を行うガイダンス装置71とを備えている。
なお、符号表作成部50の符号表算出部51、並びに、交通情報送信部30の量子化単位決定部32、交通情報変換部33、符号化処理部34及び情報送信部35などの機能は、交通情報提供側の装置に内蔵されたコンピュータにプログラムで規定した処理を行わせて実現することができ、また、受信側装置60の復号化処理部62、マップマッチング及び区間確定部63、交通情報反映部64、自車位置判定部68及び情報活用部67などの機能は、受信側装置60に内蔵されたコンピュータ(CPU)にプログラムで規定した処理を行わせて実現することができる。
図7は、交通情報計測装置10が出力する交通情報の対象区間を示す地図データ(a)と、交通情報データ(b)とのデータ構造を示している。
図6のフロー図は、このシステムの各部の動作を示している。
符号表作成部50の符号表算出部51は、交通情報計測装置10から送られて来た過去の交通情報を解析してパターンLの交通状況における交通情報を集計し(ステップ1)、距離方向量子化単位(標本化点間隔)Mを設定し(ステップ2)、交通情報量子化テーブルNを設定する(ステップ3)。次に、統計予測値算出式に従い、この交通情報の統計予測差分値を算出する(ステップ4)。次に、統計予測差分値の分布を計算し(ステップ5)、ランレングスの分布(同一値の連続分布)を計算する(ステップ6)。統計予測差分値及びランレングスの分布を基に符号表を作成し(ステップ7)、ケースL−M−Nの符号表を完成する(ステップ8)。この処理を全てのL、M、Nのケースが終了するまで繰り返す(ステップ9)。
こうして、各種の交通状況パターン及び情報表現の分解能に対応可能な多数の符号表があらかじめ作成され、保持される。
次に、交通情報送信部30は、交通情報を収集し、交通情報提供区間を決定する(ステップ10)。1つの交通情報提供区間Vを対象として(ステップ11)、その交通情報提供区間Vの周辺の形状ベクトルを生成し、基準ノードを設定した後(ステップ12)、形状ベクトルの可逆または不可逆符号化圧縮を行う(ステップ13)。この符号化圧縮の方法は特願2001−134318号に詳述している。
量子化単位決定部32は、交通状況を判定し、標本化点間隔(距離方向量子化単位の単位区画長)及び量子化のレベルを決定する(ステップ14)。この処理については、後に詳述する。
交通情報変換部33は、決定された単位区画長で形状ベクトルの基準ノードから距離方向の標本化を行い、交通情報提供区間を分割して(ステップ15)、各距離方向量子化単位の交通情報を算出する(ステップ16)。次いで、符号化の圧縮効果を高めるための前加工処理を行う(ステップ17)。この前加工処理については後に詳述する。
交通情報変換部33は、量子化単位決定部32が量子化レベルを基に決定した交通情報量子化テーブル53を用いて交通情報の量子化を行い(ステップ18)、量子化した交通情報を統計予測差分値に変換する(ステップ19)。
次に、符号化処理部34は、量子化単位決定部32が決定した符号表52を用いて、量子化された交通情報の可変長符号化圧縮を実施する(ステップ20)。また、相対位置補正用基準ノードを用いて単位区画長を補正する(ステップ21)。
この処理を交通情報提供区間の全てについて実行する(ステップ23)。情報送信部35は、符号化されたデータを送信データに変換し(ステップ24)、符号表とともにデータ送信する(ステップ25)。
図8には、交通情報送信部30から送信される形状ベクトルデータ列情報(a)と交通情報(b)とのデータ構造の一例を示している。交通情報送信部30からは、これらの情報の他に、形状ベクトルの符号表や、交通情報量子化テーブル(図3)、交通情報の統計予測差分値の符号表(図4)などが同時に(あるいは別ルートで)送信される。
なお、交通情報(図8(b))には、「量子化された単位区間の数」のデータ項目を設けているが、このデータの代わりに、符号表でデータの終わりを示すEOD(End of Data)コードを特殊符号として設定し、符号化した交通情報のデータ列の中で距離方向量子化単位の終わりを示すようにしても良い。
一方、受信側装置60は、図6のフロー図に示すように、情報受信部61がデータを受信すると(ステップ30)、各交通情報提供区間Vについて(ステップ31)、復号化処理部62が、形状ベクトルを復号化し、マップマッチング及び区間確定部63が、自己のデジタル地図データベース65に対するマップマッチングを行い、対象道路区間を特定する(ステップ32)。また、相対位置補正用基準ノードを用いて単位区画長を補正する(ステップ33)。
また、復号化処理部62は、符号表を参照して交通情報を復号化する(ステップ34)。交通情報反映部64は、復号化された旅行時間を自システムのリンクコスト等に反映させる(ステップ35)。こうした処理が全ての交通情報提供区間について実行される(ステップ36、37)。情報活用部67は、提供された旅行時間を活用して所要時間表示やルートガイダンスを実行する(ステップ38)。
<量子化単位の決定方法>
交通情報送信部30の量子化単位決定部32が、図6の処理において、交通状況を判定して標本化点間隔(距離方向量子化単位の単位区画長)及び量子化レベルを決定する手順(ステップ14)について説明する。
量子化単位決定部32は、交通状況を判定し、交通情報の送信データ量が交通情報送信部30の伝送パス容量を超えないように、情報表現の分解能を決定する。情報表現の分解能は、図44に示すように、位置分解能と交通表現分解能とを要素としており、位置分解能は標本化したときの標本化点の間隔(距離方向量子化単位の単位区画長)によって決まり、交通表現分解能は、量子化の粗さを示す量子化レベルで決まり、これは選択した量子化テーブルによって決まる。量子化単位決定部32は、情報表現の分解能を決定する一環として標本化点間隔及び量子化テーブルを決定する。
標本化点間隔が小さければ、交通情報は詳細になるがデータ量は多くなる。逆に、標本化点間隔が大きければ、交通情報は粗くなるがデータ量は少なくて済む。同様に、細かく区分された量子化テーブルを使用して交通情報の状態量を量子化すれば交通情報は詳細に表現できるがデータ量は多くなる。逆に、粗い量子化テーブルを使用すれば交通情報は大まかになるがデータ量は少なくて済む。
量子化単位決定部32は、現在の交通状況から交通情報の送信データ量を予測して、送信データ量が伝送パス容量を超えないように、情報表現の分解能を調整する。このとき、量子化単位決定部32は、各路線の交通情報の重要度を考慮して、それぞれの路線の交通情報を表現する標本化点間隔及び量子化テーブルを決定し、また、符号化に使用する符号表として、その標本化点間隔及び量子化テーブルと交通状況パターンとに対応する符号表を決定する。
図9のフロー図は、量子化単位決定部32の処理の一例を示している。
量子化単位決定部32は、送信データ量が交通情報送信部30の伝送パス容量を超えないように、この伝送パス容量を基に目標データサイズを決定する(ステップ40)。次に、前の周期に交通情報計測装置10から送られて来た元情報(図7(a)及び(b))のデータサイズと、それを符号化して送信した送信データ(図8(a)及び(b))のデータサイズとの比から、今周期に交通情報計測装置10から送られて来た元情報(図7(a)及び(b))のデータサイズが、符号化によりどの程度のデータサイズになるかを算出し、それを基に目標データの拡張率(または削減率)を決定する(ステップ41)。
また、現在の交通状況から交通状況パターンLを決定する(ステップ42)。
また、交通情報送信部30が交通情報を送信している送信地点の周辺の交通情報提供区間Wを1つ抽出し(ステップ43、44)、交通情報提供区間Wを構成する地図データリンクの属性(道路種別/道路番号/単位長当たりの交差点数など)、道路幅員などの道路構造、交通量、交通状況(渋滞発生状況等)、及び、交通情報提供区間Wの重心位置と送信地点との距離から、交通情報提供区間Wの情報重要度を決定する(ステップ45)。
図10(a)のテーブルから、ステップ45で求めた情報重要度とステップ41で求めた目標データの拡張率(または削減率)とが交わる欄の増減値を求め、その情報重要度に対応する情報表現ランク(量子化単位ランク)のデフォルト値に増減値を加算して量子化単位ランクを算出する。次いで、図10(b)のテーブルから、その量子化単位ランクに対応する標本化点間隔(距離方向量子化単位)MWと交通情報量子化テーブルNWとを決定する(ステップ46)。また、この交通情報提供区間Wの交通情報の符号化には、L−MW−NWの符号表を使用する。この処理を送信地点周辺の交通情報提供区間の全てについて行う(ステップ47、48)。
こうした処理により、送信データ量や交通情報提供区間の情報重要度などに応じて動的に標本化点間隔や量子化レベルを変更することができる。また、FM多重放送等の場合では、例えば東京放送局から放送するときは、東京都内の情報は細かく、隣接県の情報は粗くなるように情報提供し、また、ビーコンでの情報提供では、ビーコンの設置地点周辺の情報は細かく、その地点から遠方になるほど粗くするなど、情報提供地点、あるいは情報提供エリアからの距離に応じて標本化点間隔や量子化レベルを変更することができる。
また、図11のフロー図は、センター側で推奨経路を計算し、その推奨経路とその周辺の交通情報とを提供する場合に、推奨経路上の交通情報の分解能は細かくし、推奨経路から外れた周辺部の交通情報の分解能は、推奨経路からの距離に応じて粗くする方法を示している。
量子化単位決定部32は、推奨経路情報を収集し(ステップ50)、現在の交通状況から交通状況パターンLを決定し(ステップ51)、図10(b)のテーブルからランク1に相当する推奨経路の距離方向量子化単位M0と交通情報量子化テーブルN0とを決定する(ステップ52)。
推奨経路周辺の交通情報提供区間Wを1つ抽出し(ステップ53、54)、交通情報提供区間Wの重心を算出し、重心から推奨経路までの垂線距離を算出する(ステップ55)。この垂線距離から交通情報提供区間Wの距離方向量子化単位MWと交通情報量子化テーブルNWとを決定する(ステップ56)。
この処理を推奨経路周辺の交通情報提供区間の全てについて行う(ステップ57、58)。
こうして、量子化単位決定部32は、提供する交通情報の重要度に応じて情報表現の分解能を決定する。
<前加工処理>
交通情報変換部33は、交通情報の量子化の前に、圧縮効果が高まるように、交通情報の量子化前のデータを均す(ならす)加工処理を行う。
図12のフロー図は、隣接N区間のデータの加重平均を取ることにより、データを均す前加工処理の手順を示している。
距離方向量子化単位の始めの区間から順に、区間pに着目して(ステップ60、61)、区間pと、pを中心とする前後の区間とを合わせた合計N区間について、各区間の交通情報Tpを収集する(ステップ62)。次いで、区間pの交通情報Tpを、次式で算出したN区間の交通情報の加重平均に置き換える(ステップ63)。
Tp = (Σai×Ti)/N 但し、Σai = 1
これを全ての距離方向量子化単位について実施する(ステップ64)。
こうした前加工処理により、微視的に変化する交通状況の全体的な傾向が表される。この前加工処理を施すことにより、量子化した後の統計予測差分値は0の付近に集中し、符号化における圧縮効果が高まる。
また、渋滞情報を表示する場合には、一部の区間の微視的な交通情報の変化を無視しても、情報の利用者には支障がない。
図13(a)に示すように、一部の区間のデータが、その前後の区間のデータより大きく、その差が規定値以上である場合に、これをピークと言い、また、図13(b)に示すように、一部の区間のデータが、その前後の区間のデータより小さく、その差が規定値以上である場合に、これをディップと言うが、渋滞情報の表示では、このピーク及びディップの区間が短ければ、その情報を無視することができる。
図14のフロー図は、この場合の前加工処理方法を示している。
距離方向量子化単位の始めの区間から順に、区間pに着目して(ステップ70、71)、区間pからN区間の各区間における交通情報Tpを収集する(ステップ71)。次いで、区間p〜p+N間でのピーク及びディップを検索する(ステップ72)。ピーク及びディップ部分の幅が規定値未満のとき、このピーク及びディップ部分を、その前後の区間における交通情報の平均値に置き換える(ステップ73)。
なお、ピークやディップの検索は、例えば、次の手順で行うことができる。
1.区間p〜p+Nの交通情報の平均値及び標準偏差を算出する。
2.各区間の交通情報Tp+iについて、偏差値を算出する。
3.偏差値が規定値以上、または規定値以下の場合、Tp+iをピークまたはディップと判定する。
こうした前加工処理を施すことにより、交通情報を符号化した際の圧縮効果を高めることができ、伝送データ量を削減することができる。
<変形例>
これまで、交通情報を量子化するための標本化点間隔(距離方向量子化単位の単位区画長)に固定値(例えば、100m単位)を設定し、形状ベクトルの基準ノードから距離方向に等間隔(固定値の間隔)に標本化する場合について説明したが、形状ベクトルの始端と終端との間の分割数を規定し、始端〜終端の間を分割数で等間隔に分割して、距離方向量子化単位を設定するようにしても良い。この場合、交通情報のデータ(図8(b))には、終端側の基準ノード番号と、始端側の基準ノード番号と、始端〜終端の分割数とのデータを含ませる。これを受信した受信側は、(始・終端基準ノード間距離÷分割数)により距離方向量子化単位の単位区間長を算出する。
また、形状ベクトルに含まれるノードや補間点等の構成要素点間の区間を、交通情報の距離方向量子化単位とすることも可能である。この場合、形状ベクトルの圧縮符号化後における各構成要素点の位置間を距離方向量子化単位の区間とする。この距離方向量子化単位は等間隔では無いが、隣接する距離方向量子化単位の交通情報との差分で旅行時間(あるいは旅行速度)などを表現することにより可変長符号化が可能である。
なお、本発明の実施形態の方法で交通情報を生成する場合、速度を基に旅行時間情報を生成するときは、量子化の際に、図3の量子化テーブルに示すように、遅い速度ほど細かく、速い速度ほど粗くなるように量子化を行う方が良い。旅行時間は速度に反比例するため、特に速度域が小さいところでは、小さな変化でも大きく影響する。旅行時間に変換した後の誤差を均質化するためには、等比級数的な離散値で速度量子化テーブルを表現することが好ましい。
<道路区間参照データの種類>
これまで、対象道路区間を知らせるために、形状ベクトルデータ列を受信側に伝え、受信側が、この形状ベクトルデータ列を参照して交通情報の対象道路区間を識別する場合について説明したが、道路区間を識別するためのデータ(道路区間参照データ)には、形状ベクトルデータ列以外の使用も可能である。例えば、図45(a)に示すように、統一的に定めた道路区間識別子(リンク番号)や交差点識別子(ノード番号)を用いても良い。
また、提供側及び受信側の双方が同一地図を参照する場合には、提供側が緯度・経度データを受信側に伝え、受信側が、このデータによって道路区間を特定することができる。
また、図45(b)に示すように、交差点部やリンク途中の道路から抜き出した間欠的なノードP1・P2・P3・P4の位置参照用の緯度・経度データ(名称、道路種別等の属性情報も保有するもの)を受信側に送信して対象道路を伝えるようにしてもよい。ここで、P1=リンク中点、P2=交差点部、P3=リンク中点、P4=リンク中点である。この場合、受信側は、図45(c)に示すように、まず、P1、P2、P3、P4の各々の位置を特定し、次に各々の区間を経路探索で繋いで、対象道路区間を特定する。
また、対象道路を特定する道路区間参照データとして、前述する形状ベクトルデータ列や道路区間識別子、交差点識別子だけでなく、道路地図をタイル状に区分してその各々に付した識別子や、道路に設けたキロポスト、道路名、住所、郵便番号等を用い、これらの道路区間参照データによって、交通情報の対象道路区間を特定してもよい。
(第2の実施形態)
<予測情報の差分表現>
本発明の第2の実施形態では、交通情報の予測情報の生成について説明する。予測情報を差分で表現するには、図15に模式的に示すように、二通りの方法が考えられる。
第1の方法は、時間帯N+1の交通情報(a)における距離方向の差分を算出し(d)、この差分(変化点)の情報を符号化する方式である。これは、第1の実施形態で説明した現在情報の符号化方式と同じである。
第2の方法は、時間帯N+1の交通情報(a)と、それ以前の時間帯Nの交通情報(b)との差分を抽出し(c)、さらに、この差分の距離方向の差分を算出して符号化する方式である(e)。
データ量を削減する上で第1の方法と第2の方法とのいずれが有利であるかは一概に言えない。
普通渋滞は、「ボトルネック交差点(原宿交差点や東名高速の秦野バス停)を先頭に、末尾が伸び縮みする」点や、また、「時間帯N〜N+1の時間差が小さい場合には特に、渋滞の末尾も移動しない個所が多い」ため、総合的には第2の方法の方が有利となる。しかし、「前後の渋滞が繋がった場合」または「渋滞の先頭も末尾も変化する場合」には、変化点の総数は第2の方法(e)の方が多くなり、第1の方法(d)が有利となる。つまり、ケースバイケースと考えられ、予測時間帯までの時間差や交通の変化状況によって、交通情報提供区間ごとに、第1の方法と第2の方法とを切り換えるのが、最も効果的と考えられる。
第1の方法については、第1の実施形態で述べたので、第2の実施形態では、第2の方法での交通情報の生成について説明する。
<予測情報の符号化>
図16(a)は、各距離方向量子化単位での現在情報及び次時間帯の予測情報における交通情報を示している。
まず、この現在情報及び予測情報における交通情報を量子化テーブルを用いて量子化する(図16(b))。
次に、予測情報を現在情報との差分で表現する(図16(c))。このとき、相関法則Bにより、予測情報の値は±0周辺に集中するデータが増える。なお、図16(c)では、現在情報の値は、隣接する距離方向量子化単位の値を統計予測値として、統計予測値との差分で表現している。
次に、予測情報についても統計予測値との差分で表現する(図16(d))。このとき、相関法則Cにより、予測情報の統計予測差分値の多くが±0周辺に集中する。
なお、図16(c)の処理は、現在情報から予測情報を減算して差分を求めても同じ結果が得られる。時間的に逆方向の表現も可能である。
こうして得られた現在情報及び予測情報の統計予測差分値を、符号表を用いて符号化する。図17(a)に示すように、現在情報の統計予測差分値を符号化する符号表は、第1の実施形態の場合(図4)と同じである。予測情報の統計予測差分値を符号化する符号表は、図17(b)に示すように、特殊コードが無い点を除けば、現在情報の符号表と同じである。
<システム構成>
図18は、予測情報を含む交通情報を生成して提供する放送型の交通情報提供システムを示している。このシステムの交通情報計測装置10は、各センサー処理部11、12、13で処理されたデータを用いて交通情報の現在情報を生成し、また、統計情報16を用いて予測情報を生成し、それらの交通情報データと対象区間を示すデータとを出力する交通情報・予測情報算出部15を備えている。その他の構成は第1の実施形態(図5)と変わりがない。
また、図19のフロー図は、このシステムの各部の動作を示している。第1の実施形態での処理(図6)に比べて、符号表作成部の処理では、予測情報の符号化に使用する符号表の作成過程(ステップ104〜ステップ08)が加わっている点が相違し、また、交通情報送信部の処理では、ステップ116〜ステップ120の処理において、現在情報とともに予測情報のデータを符号化している点が相違している。その他は同じである。
また、図20には、交通情報送信部30から送信される形状ベクトルデータ列情報(a)と交通情報(b)とのデータ構造の一例を示している。形状ベクトルデータ列情報(a)は、第1の実施形態(図8(a))と同じである。交通情報(b)に関しては、星印で示すデータが第1の実施形態(図8(b))と変わっており、予測情報の符号表を規定する識別コードや、予測情報の有効時間帯を示す情報、予測情報の符号化されたデータ等が加わっている。予測情報に関しては、有効時間帯を異にする複数のデータが含まれる。交通情報送信部30からは、この形状ベクトルデータ列情報(a)及び交通情報(b)の他に、形状ベクトルの符号表や、交通情報量子化テーブル、交通情報の統計予測差分値の符号表(図17(a))、予測情報の符号表(図17(b))などが同時に(あるいは別ルートで)送信される。
<予測情報の分解能の変更>
予測情報については、遠い将来を予測する程、予測精度が低下するため、未来時間になるほど分解能を下げて情報を提供するようにしても良い。
図21(b)は、オリジナルの情報(図21(a))から、未来時間に従って、位置分解能を低下させ、且つ、交通表現分解能を低下させる様子を模式的に示している。位置分解能を下げる場合は、複数の距離方向量子化単位を1つの距離方向量子化単位に纏め、各距離方向量子化単位のデータの平均値を、纏めた距離方向量子化単位のデータとする。
また、交通表現分解能を下げる場合は、粗い量子化テーブルを用いてデータの量子化を行う。
図22は、オリジナルの予測情報(a)から、位置分解能を落とし、また、図23に示す複数のレベルで粗さが設定されている量子化テーブルを用いて交通表現分解能を落として、予測情報の統計予測差分値を求める事例を示している。図22(b)では、位置分解能を半分に落としている。交通情報の値は、平均を求め、端数を切り上げている。
図22(c)では、図23の「量子化量(現在)」の量子化テーブルを用いて、予測情報及び現在情報を量子化している。図22(d)では、図23の「量子化量(予測1)」の量子化テーブルを用いて、予測情報をさらに量子化し、予測情報の交通表現分解能を落としている。図22(e)では、「量子化量(予測1)」の量子化テーブルを用いて量子化した現在情報と図22(d)の予測情報との時間方向の差分を抽出している。
図22(f)では、図22(e)で求めた予測情報、及び、図22(c)で求めた現在情報(「量子化量(現在)」の量子化テーブルで量子化した現在情報)に関し、隣接する量子化単位の値を統計予測値として、統計予測差分値を算出している。
ここでは、位置分解能及び交通表現分解能の両方を変える場合について示したが、いずれか一方だけの分解能を落とすようにしても良い。
また、この例では、予測情報の位置分解能を半分に落とした(即ち、単位区画長を2倍にした)が、単位区画長を1.0倍以上の任意の値に設定することが可能である。(ただし、計算が面倒になるので、1.5倍や1.25倍に設定するのが実用上は妥当である)
また、この例では、予測情報の交通表現分解能も半分に落としたが、粗くなる方向であれば任意に設定することが可能である(ただし、計算は面倒になる)。距離方向の末尾の端数については、計算が面倒なので、あらかじめ「一番粗くした状態の単位区間長」を算出しておき、その区間長をベースに2N分割していくのが現実的と考えられる。
なお、復号化(デコード)の手順を図22の右側に(1)〜(8)で示している。
また、図24は、予測情報の分解能を変更する場合の交通情報のデータ構造を示している。各有効時間帯の予測情報について、位置分解能識別コード(「単位区間長がp倍に長くなる」ことを示すコード)と量子化テーブル番号とが追加されている。
このように、予測情報に対しては、予測を行う未来時間に応じて、情報表現の分解能を変更し、送信データ量を削減することができる。
<変形例>
ここでは、統計予測差分値を算出する場合に、隣接する距離方向量子化単位の値を統計予測値として用いる場合を示したが、図25に示すように、空間・時間の両方を考慮して、黒丸の量子化単位における統計予測値を、
統計予測値 =a(1)+b(2)+c(3) (ただし、a+b+c=1)
または =((1)+(3))÷2
と設定しても良い。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態では、基準ノードからの距離の関数で表された交通情報に直交変換を施して周波数成分に分解し、交通情報を各周波数成分の係数で表現する方法について説明する。
なお、時系列データに直交変換を施し、周波数成分の係数に変換する手法としてFFT(高速フーリエ変換)、DCT(離散コサイン変換)、ウエーブレット変換等が知られている。ここでは、最も一般的なFFT(高速フーリエ変換)について説明する。
フーリエ変換は、有限個の離散値(サンプル値)を用いてフーリエ係数を得る変換であり、複素関数fで表した離散値に対して、複素関数Cを、
C(k)=(1/n)Σf(j)・ω-jk (k=0,1,2,‥,n−1)
(Σはj=0からn−1まで加算) (数1)
と対応させることを「フーリエ変換する」と云う。なお、ω=exp(2πi)である。また、C(k)をフーリエ係数と云う。nは次数と云う。
逆に、
f(j)=ΣC(k)・ωjk (j=0,1,2,‥,n−1)
(Σはk=0からn−1まで加算) (数2)
と対応させることを逆フーリエ変換という。
フーリエ変換を行う際に、f(j)の取り得る離散値について、
・サンプリング間隔δ=一定
・n=2N
となるときは、FFT(高速フーリエ変換)が可能である。FFTアルゴリズムについては種々のものが提案されている。
図26は、交通情報を実際にフーリエ係数で表現した実験例を示している。この実験例を通じて、フーリエ係数で表した交通情報の生成方法について説明する。
ここで、
(1)「元の交通情報データ」は、各標本化点における交通情報の状態量(図1(b)のデータに相当)を示している。データ数は、FFTが可能になるように、25(=32)個に設定している。FFTの場合、複素関数の実数部と虚数部とを用いて2つの情報を同時に送ることができるため、ここでは、実数部に「速度情報」を設定し、虚数部に「渋滞情報」を設定している。なお、FFTの場合、値が同程度の方が相対的な誤差が少なくなるため、渋滞情報は、速度情報の数値レベルにあわせて「渋滞=10、混雑=20、閑散=40」と表現している。
(2)FFT変換処理では、(1)のデータを虚数表現(末尾に「i」が付いている数値は、虚数係数を表す)し、FFT変換処理を行い、得られたFFT係数を示している。
(3)量子化テーブルは、符号化圧縮時の「交通情報量子化テーブル」に相当し、(2)のFFT係数を量子化テーブルの値で除算して(即ち、量子化して)、「(4)送信データ」を得る。FFT係数は、本表では、「行の上部に記述されているものほど低周波の係数であり、下部に記述されているものは高周波の係数」となるため、影響の大きい低周波の係数は、詳細に表現できるように「(3)量子化テーブル」の値を小さく設定し、高周波に行く程、粗くなるように「(3)量子化テーブル」の値を設定している。
(4)送信データは、(2)のFFT係数を(3)量子化テーブルで量子化して求めている。(量子化テーブルの値が64であれば、FFT係数の実数部・虚数部を64で除算し、小数点以下を四捨五入する)。(4)送信データは、高周波成分ほど、粗く量子化しているため、上から6行目以降は、相対的に値が小さくなり、「0」周辺に値が集中して来る。この(4)送信データは、後述するように、可変長符号化圧縮されて送信されるが(なお、FFT係数の場合、規則性がないため、特に統計差分等の処理は行わない)、「0」周辺に値が集中することにより、可変長符号化の圧縮効果が出ることになる。なお、受信側には、復号化に必要なテーブル情報として、(3)量子化テーブルが併せて送信される。
(5)逆FFT変換処理は、受信したフーリエ係数(4)を、逆FFT変換する処理である。まず、受信したデータの実数部整数・虚数部整数の各係数を「量子化テーブル」の値をもとに復元する(量子化テーブルの値が64であれば、受信データの実数部・虚数部に64を乗算し、小数点以下を四捨五入する)。その値を逆FFT変換処理する。
(6)復元交通情報データは、逆FFT変換で得られた逆FFT係数の実数部・虚数部の係数値を四捨五入し、実数部を速度情報に、虚数部を渋滞情報に復元したものである。
(7)元−復元データ間差異は、参考までに「復元データ」と「計測データ」との差を記述している。最大で±4程度の誤差は発生しているものの、元の「計測データ」と比較し、ほぼ同じ値が得られている。特に渋滞情報については、このレベルの誤差であれば、「渋滞=0〜15、混雑=16〜25、閑散=26以上」と事前に取り決めておくことにより、正確に再現できる。
なお、図27は、図26と同じ計測データについて、(3)量子化テーブルを細かく設定し、生データに近い形で詳細にデータを送信する場合を示している。
このときの(7)元−復元データ間差異は、図26に比べて遥かに小さく、精密に情報が再現されている。但し、(4)送信データは、図26に比べて、高周波成分のレンジが拡がっており(±0を中心としたバラツキが大きい)、こちらの方が送信する情報量が多く、可変長符号化圧縮の効果が出なくなる。
このように、交通情報をFFT係数に変換して送信する場合には、量子化テーブルの値を調整することにより、「情報量は多いが、交通情報を正確に再現できる送信データ」から「情報量は少ないが、交通情報の再現精度は低いデータ」まで得ることができ、第1の実施形態で説明した位置分解能も考慮して、情報量を調整することができる。
交通情報をFFT係数に変換して提供するシステムの構成は図5と同じである。
図28のフロー図は、このシステムでの処理手順を示している。符号表作成部は、FFTを実施してFFT係数を求め(ステップ204)、FFT係数を量子化して量子化係数を算出し(ステップ205)、量子化係数の分布を計算し(ステップ207)、ランレングスの分布を計算し(ステップ207)、それらを基に符号表を作成する(ステップ208)。
また、交通情報送信部は、実数部及び虚数部に設定した交通情報のレベル合わせを行い(ステップ218)、FFTを実施してフーリエ係数に変換し(ステップ219)、このフーリエ係数を符号表を参照して可変長符号化圧縮する(ステップ220)。
また、受信側装置は、符号表を参照し、逆フーリエ変換を実施して交通情報を復号化する(ステップ234)。
その他の手順は、図6の場合と変わりがない。
図30は、符号化に用いる符号表を示し、図29は、交通情報送信部から送信される交通情報のデータ構成例を示している。ここで、交通量子化テーブル識別コードは、図26の(3)量子化テーブルの識別番号に相当する。符号表識別コードは、図30の符号表の識別コードを表している。
FFTの場合、送信されるデータの数(図27の表の行数×2に相当)は、通常は、基準ノード間の区間分割数2Nの2倍になる。ただ、高周波成分をカットして送信する場合には、その数が違ってくる。これは、符号表のEODコードで識別する。このとき、受信側は、高周波成分のフーリエ係数を0と見做して復号化処理を行う。
このように、交通情報を、道路を示す形状ベクトルの距離方向に標本化し、各標本化点の状態量で表される交通情報の関数を周波数成分に分解し、各周波数の係数値を符号化して提供することにより、受信側装置では、交通情報を復元することができる。
この方法は、交通情報の予測情報に対しても同様に適用することができる。また、予測情報の場合には、時間帯Nの交通情報の状態量と、時間的に隣接する時間帯N+1の交通情報(予測情報)の状態量との差分を取り、各標本化点での差分状態量に直交変換を施して各周波数成分の係数値に変換し、得られた係数値を符号化するようにしても良い。
また、周波数成分への変換で得られた各周波数の係数値のうち、高周波成分の係数値を統計的発生頻度に偏りを持つように量子化し、量子化後の各周波数の係数値を符号化することにより、データ量を大幅に削減できる。
また、周波数成分への変換で得られた各周波数の係数値のうち、高周波成分の係数値を削除して符号化を行うようにしても良い。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態では、フーリエ係数などで表現した交通情報の特殊なデータ送信方法について説明する。
<周波数の階層別に低周波から高周波の順に送信する方法>
この送信方法では、画像情報のプログレッシブ伝送方式に準じた方法で交通情報を送信する。
画像情報のプログレッシブ伝送方式では、送信側が、
(1)まずは低周波成分を全画素分一気に送り
(2)次に、より高周波成分の係数を送り
(3)また次に、さらに高周波成分の係数を送り

これを繰り返す。画像を見る受信側では、
(1)まずは、ボヤけた画像が出てくる
(2)段々と、細密化されてくる
となる。この場合、通信速度が遅くても、受信側は、全データを受信する前に、どんな画像であるかが、ほぼ判別できるので、早い段階で「必要か否か」が判断できる。
周波数成分への変換を実施して各周波数の係数値で表現した交通情報に対しても、このデータ送信方法を適用することが可能である。
このデータ送信方法は、交通情報を表す各周波数の係数値を周波数によって階層化し、階層別に分割して送信することにより、実現可能である。
図31は、交通情報を分割する場合のデータ構成を示している。図31(a)は、初期に送信される、基本的な情報及び低周波成分のFFT係数情報を示している。ここには、低周波成分〜高周波成分を何分割したかを表す「交通情報の分割数」が含まれ、また、本情報がその中の何番目かを示す「本情報の番号」が含まれる。図31(b)は、分割された交通情報の一つである高周波成分のFFT係数情報を示している。ここにも「交通情報の分割数」及び「本情報の番号」は含まれるが、図31(a)と重複するデータ項目は省略されている。
この交通情報の送信方法をインターネット等からの交通情報の提供に適用する場合には、ユーザは、インターネット等で、あちこちの交通情報を見たい場合に、概要情報を見て、読み飛ばせそうであれば、次を見ることができる。また、インターネット等で交通情報を高速道路沿いにスクロールしながら参照する場合に、概要情報を見て読み飛ばせそうであれば、スクロールを次々に進めることができる。
また、時系列に蓄積した過去の交通情報を、順次アニメーションのように見ていく場合には、注目している個所が渋滞していなさそうな場合に、次々とコマを進めて行くことができる。
また、情報提供を行う複数の道路における前記周波数の係数値を、図32(b)の矢印で示す順序で、低周波から高周波の順に送信するようにしても良い。図32(a)は、対比のために通常の送信順序を示している。
<複数の送信メディアによる補完>
交通情報を表す各周波数の係数値を周波数によって階層化し、図31のように、低周波成分と高周波成分とに分割した場合は、交通情報を階層別に複数のメディアから分けて送ることが可能になる。
例えば、地上波デジタル放送は、広域の全対象道路の形状ベクトルデータ(位置情報)と、粗い交通情報(FFT係数の低周波成分)とを提供し、道路脇に設置されているビーコンは、設置場所周辺について、地上波デジタル放送が提供する交通情報を詳細化する情報(FFT係数の高周波成分)を提供する。
このように広域放送型メディアは、公共的な概要情報を提供し、地域の詳細な情報の提供をビーコンなどに任せることができる。
図33は、この場合のシステムの構成図を示している。交通情報送信部30は、広域メディアAを通じて交通情報を提供する情報送信部A(135)と、ビーコン(メディアB)を通じて交通情報を提供する情報送信部B(235)とを備え、受信側装置60は、広域メディアAの提供情報を受信する情報受信部A(161)と、ビーコンからの提供情報を受信する情報受信部B(261)とを備えている。
受信側装置60は、情報受信部A(161)で受信した交通情報と、情報受信部B(261)で受信した交通情報とを用いて、交通情報を再現する。
このように広域メディアとビーコンとが補完して交通情報を提供するシステムでは、広域メディアは、細かい情報を送る必要がない分、より広範囲な交通情報を送信することが可能になる。また、受信側装置は、広域メディアから得た情報と、走行中の現地のビーコンから得た詳細情報とを基に、必要な交通情報を再現することができる。
また、ビーコンを通じてプローブ情報を提供した車載機に対して、ビーコンから詳しい情報を見返り情報として提供し、プローブ情報提供の促進を図ることなども可能である。
なお、ここでは、広域メディアとビーコンとの関係について説明したが、補完関係を築くメディアは、他の組み合わせでも良く、ビーコンに代えて、携帯電話等他のメディアでも良い。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態では、最新の交通情報を、前回の交通情報との差分情報によって提供する方法について説明する。
この方法では、未来時間の時間軸上に時系列的に並ぶ予測情報を算出するために用いた手法(即ち、前時間帯との差分を取り、且つ、隣接地点との差分を取り、その差分値を符号化する手法)を、実時間軸上に時系列的に並ぶ各時間帯の最新情報を算出するために適用し、現時間帯の最新情報を算出する場合に、前の時間帯の最新情報との差分を取り、且つ、隣接地点との差分を取り、その差分値を符号化する。
ただ、予測情報の場合には、図20(b)の交通情報のデータフォーマットに各時間帯の予測情報を表示して送信することができたが、実時間軸上の最新情報は、当然、その時間が来なければデータを送ることができない。
そこで、ここでは、図20(b)の交通情報のデータフォーマットを、図34に示すように、基となる交通情報(図34(a))と、各時間帯の予測情報を表す交通情報(図34(b))とのデータフォーマットに分割し、実時間が到来した時点で、その時点の最新情報を図34(b)の交通情報のデータフォーマットで送信する。
これらの交通情報には、分割した数を表す「交通情報分割数」と、本情報がその中の何番目かを示す「本情報の番号」とが記述される。この分割数がN−1の場合、 1サイクル目には、次回からN−1サイクルまでの基となる交通情報を図34(a)のデータフォーマットで、形状ベクトルデータ列情報とともに送信する。
2サイクル目には、図34(b)のデータフォーマットで、1サイクル目の情報からの差分値で表した最新交通情報を送信する。
3サイクル目には、図34(b)のデータフォーマットで、2サイクル目の情報からの差分値で表した最新交通情報を送信する。

Nサイクル目には、次回以降の基となる交通情報を図34(a)のデータフォーマットで、形状ベクトルデータ列情報とともに送信する。
こうすることにより、トータルの情報量は小さくて済む。また、受信側は、マップマッチングの回数が少なくて済み、システム全体のトータルの性能が向上する。
過去に提供した交通情報の履歴データを保存しておく場合にも、データ量が少なくて済む。
また、インターネット等でリアルタイムの交通情報を提供したり、過去の交通情報を時系列で次々とアニメーション的に見せるサービスを提供したりする場合に、利用者の通信料金負担が軽減できる。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態では、本方式の蓄積媒体への適用について説明する。
これまで、本発明により生成した交通情報を通信で情報伝達する場合を主眼に説明して来たが、この交通情報は、ハードディスクやCD、DVD等の蓄積メディアに保存したり、蓄積メディアを通じて他の端末に移したりすることも可能である。
図35は、この場合のシステム構成図を示している。交通情報変換・記録装置330は、符号化された交通情報を蓄積する情報蓄積部335を備えており、情報蓄積部335は、符号化処理部34が符号化した交通情報を内部記録メディア331や外部記録メディア332に蓄積する。また、交通情報参照・活用装置360は、符号化データを復号化する復号化処理部362を備えており、復号化処理部362は、外部記録メディア332や内部記録メディア361に格納されている交通情報を読み出して復号化する。復号化された交通情報の活用の仕方は、図5の場合と同じである。
このように、本発明の方法で生成した交通情報は、蓄積メディアに蓄積して活用することができる。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態では、対話型による交通情報の提供について説明する。
このシステムでは、図36に示すように、クライアントが、交通情報の範囲やデータ量(これを超えるデータは要らない)を指定して、交通情報を要求するリクエスト情報を送り、サーバが、リクエストに応じた交通情報を提供する。クライアント側装置には、カーナビやパソコン、携帯型端末等が成り得る。
図39は、このシステムの構成をブロック図で示している。クライアント装置460は、ユーザが要求を入力する入力操作部463と、入力操作に基づいて、要求する表示範囲やデータサイズを決定する表示範囲・データサイズ決定部462と、リクエストを送信するリクエスト情報送信部461と、レスポンス情報を受信するレスポンス情報受信部464と、符号化データの復号化処理を行う復号化処理部465と、再生された交通情報を活用する交通情報活用部466と、交通情報活用部466が参照するデジタル地図データベース467とを備えている。
一方、サーバ装置430は、リクエスト情報を受信するリクエスト情報受信部431と、送信する交通情報のエリアや詳細度を判定する送信交通情報エリア・詳細度判定部432と、符号表データ434を用いて交通情報データ433を符号化する交通情報量子化・符号化部435と、符号化した交通情報を送信するレスポンス情報送信部436とを備えている。
図38のフロー図は、このシステムの動作手順を示している。
クライアント装置460は、表示や経路探索等の処理で必要な交通情報の範囲及び希望するデータサイズを決定し(ステップ310)、サーバ430に対してリクエスト情報を送信する(ステップ311)。
クライアントからの要求を待っていたサーバ装置430は(ステップ300)、クライアントからのリクエスト情報を受信すると(ステップ301)、リクエスト情報からクライアントに対して送信する交通情報の詳細度を決定し(ステップ302)、交通情報の量子化及び符号化を実施し(ステップ303)、符号化した交通情報及び符号表をクライアントに送信する(ステップ304)。このとき、サーバ装置430は、図8や図20に示すデータをクライアントに送信する。
クライアント装置460は、サーバ430からレスポンス情報を受信すると(ステップ312)、符号表を参照して、符号表現された交通情報を復号化し(ステップ313)、位置情報(形状ベクトル等)を基にマップマッチングを行い、受信した交通情報の位置を特定し(ステップ314)、交通情報を活用する。
図37は、このリクエスト情報の一例を示している。
「希望する最大データサイズ」は、パケット料金制度の場合の通信料金や通信時間等でも構わない。リクエストの範囲は、「矩形の左下/右上の緯度経度」「中心点」「都道府県/市町村コード」「道路指定」「経路探索要求用始終端緯度経度」「現在地緯度経度+進行方向」のいずれを用いて指定しても良く、また、それらを組み合わせて指定しても良い。
送信交通情報エリア・詳細度判定部432は、交通情報が「経路探索要求用始終端緯度経度」によりリクエストされた場合には、推奨経路上の交通情報については詳しく、推奨経路からの距離が長くなる程、粗くなるように交通情報の詳細度を決定する。
また、交通情報が「現在地緯度経度+進行方向」によりリクエストされた場合には、現在地の周辺で進行方向及び進行道路上の交通情報は詳細に、遠方程粗くなるように、交通情報の詳細度を決定する。
このように対話型情報提供では、交通情報における情報表現の分解能を、リクエストに応じてきめ細かく調整することができる。
この他、各リンクへの到着予想旅行時間に従って、到着予測時刻周辺の予測情報は細かく、到着予想時刻から外れるほど予測情報を粗くして情報を提供する等の調整も可能である。
(第8の実施形態)
これまでの実施形態では、センターである交通情報提供装置(交通情報送信部)が、カーナビ車載機などの交通情報利用装置に交通情報を提供する場合について説明したが、走行データを提供するプローブカーの車載機が交通情報提供装置となり、プローブカー車載機から情報を収集するセンターが交通情報利用装置となり、プローブカー車載機が、交通情報として、走行速度や燃料消費量など、各種の計測情報をセンターに提供するシステムにおいても、本発明の交通情報生成方法の適用が可能である。本発明の第8の実施形態では、こうしたプローブカーシステムについて説明する。
このシステムは、図46に示すように、走行時のデータを計測して提供するプローブカー車載機90と、このデータを収集するプローブカー収集システム80とから成り、プローブカー車載機90は、送信データの符号化に用いる符号表をプローブカー収集システム80から受信する符号表受信部94と、速度を検知するセンサA106や動力出力を検知するセンサB107、燃料消費を検知するセンサ108の検知情報を収集するセンサ情報収集部98と、GPSアンテナ101での受信情報やジャイロ102の情報を用いて自車位置を判定する自車位置判定部93と、自車の走行軌跡やセンサA、B、Cの計測情報を蓄積する走行軌跡計測情報蓄積部96と、計測情報のサンプリングデータを生成する計測情報データ変換部97と、受信した符号表データ95を用いて計測情報のサンプリングデータや走行軌跡データを符号化する符号化処理部92と、符号化されたデータをプローブカー収集システム80に送信する走行軌跡送信部91とを備えている。
一方、プローブカー収集システム80は、プローブカー車載機90から走行データを受信する走行軌跡受信部83と、符号表データ86を用いて受信データの復号化を行う符号化データ復号部82と、復号化されたデータを用いて計測情報を復元する計測情報データ逆変換部87と、復元された計測情報や走行軌跡のデータを活用する走行軌跡計測情報活用部81と、プローブカーの現在位置に応じてプローブカー車載機90に与える符号表を選出する符号表選出部85と、選出された符号表をプローブカーに送信する符号表送信部84とを備えている。
ここでは、第3の実施形態で示した圧縮符号化方法、即ち、交通情報に直交変換を施し、各周波数成分の係数に表して送信する場合について説明する。
プローブカー車載機90の自車位置判定部93は、GPSアンテナ101での受信情報やジャイロ102の情報を用いて自車位置を識別する。また、センサ情報収集部98は、センサA106で検知された速度情報やセンサB107で検知されたエンジン負荷、センサC108で検知されたガソリン消費量等の計測値を収集する。センサ情報収集部98で集められた計測情報は、自車位置判定部93が識別した自車位置と対応付けて走行軌跡計測情報蓄積部96に格納される。
計測情報データ変換部97は、走行軌跡計測情報蓄積部96に蓄積された計測情報を走行道路の計測開始地点(基準位置)からの距離の関数で表し、計測情報のサンプリングデータを生成する。符号化処理部92は、このサンプリングデータに直交変換を施して、計測情報を周波数成分の係数値に変換し、走行軌跡データや変換した係数値を、受信した符号表データ95を用いて符号化する。符号化された走行軌跡データ及び計測情報は、走行軌跡送信部91を通じてプローブカー収集システム80に送られる。
データを受信したプローブカー収集システム80では、符号化データ復号部82が、符号化されている走行軌跡データ及び計測情報を、符号表データ86を用いて復号化する。計測情報データ逆変換部87は、復号化された係数値を用いて直交逆変換を施して計測情報を復元する。走行軌跡計測情報活用部81は、復元された計測情報を、プローブカーが走行した道路の交通情報の作成に利用する。このように、本発明の交通情報生成方法は、プローブカー車載機からアップロードする情報の生成にも用いることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明の交通情報提供システムでは、位置分解能及び交通表現分解能を任意に設定することができ、交通情報の重要度に応じて情報表現の分解能を随時変えることができる。また、交通情報の「予測サービス」にも柔軟に対応することができる。
本発明の第1の実施形態における交通情報の統計予測差分値の算出方法を示す図 本発明の第1の実施形態における交通情報の生成で利用する相関関係を示す図 本発明の第1の実施形態における交通情報量子化テーブルを示す図 本発明の第1の実施形態における統計予測差分値の符号表を示す図 本発明の第1の実施形態におけるシステム構成図 本発明の第1の実施形態におけるシステムの動作を示すフロー図 本発明の第1の実施形態における元情報のデータ構成図 本発明の第1の実施形態における形状ベクトルデータ及び交通情報のデータ構成図 本発明の第1の実施形態における量子化単位決定手順を示すフロー図 本発明の第1の実施形態における量子化単位決定テーブルを示す図 本発明の第1の実施形態における推奨経路からの距離に基づく量子化単位決定手順を示すフロー図 本発明の第1の実施形態における前加工処理手順を示すフロー図 本発明の第1の実施形態におけるピーク及びディップを示す図 本発明の第1の実施形態におけるピーク及びディップ削除の処理手順を示すフロー図 本発明の第2の実施形態における予測情報の差分表現を説明する図 本発明の第2の実施形態における予測情報の統計予測差分値の算出方法を示す図 本発明の第2の実施形態における統計予測差分値及び予測情報の符号表を示す図 本発明の第2の実施形態におけるシステム構成図 本発明の第2の実施形態におけるシステムの動作を示すフロー図 本発明の第2の実施形態における形状ベクトルデータ及び交通情報のデータ構成図 本発明の第2の実施形態における予測情報の情報表現分解能の変更を説明する図 本発明の第2の実施形態における予測情報の情報表現分解能の変更過程を示す図 本発明の第2の実施形態における予測情報の量子化テーブルを示す図 本発明の第2の実施形態における予測情報の情報表現分解能を変更した交通情報のデータ構成図 本発明の第2の実施形態における他の統計予測値の例を示す図 本発明の第3の実施形態におけるFFT利用の量子化手順を示す図 本発明の第3の実施形態での量子化テーブルを変えたときのFFT利用の量子化手順を示す図 本発明の第3の実施形態におけるシステムの動作を示すフロー図 本発明の第3の実施形態におけるFFT表現した交通情報のデータ構成図 本発明の第3の実施形態におけるFFT係数の符号表を示す図 本発明の第4の実施形態における交通情報のデータ構成図 本発明の第4の実施形態における交通情報の送信手順を示す図 本発明の第4の実施形態におけるシステム構成図 本発明の第5の実施形態における交通情報のデータ構成図 本発明の第6の実施形態におけるシステム構成図 本発明の第7の実施形態における対話型システムの説明図 本発明の第7の実施形態におけるリクエスト情報のデータ構成図 本発明の第7の実施形態におけるシステムの動作を示すフロー図 本発明の第7の実施形態におけるシステム構成図 従来の基準ノードを利用する相対位置補正方法の説明図 従来の交通情報の課題を説明する説明図 従来の交通情報の情報表示分解能における課題を説明する説明図 従来の交通情報の伝送時の課題を説明する説明図 情報表示分解能の有り方を説明する図 道路区間参照データを示す図 本発明の第8の実施形態におけるプローブカー情報収集システムの構成を示すブロック図
符号の説明
10 交通情報計測装置
11 センサー処理部A
12 センサー処理部B
13 センサー処理部C
14 交通情報算出部
15 交通情報・予測情報算出部
16 統計情報
21 センサーA(超音波車両センサー)
22 センサーB(AVIセンサー)
23 センサーC(プローブカー)
30 交通情報送信部
31 交通情報収集部
32 量子化単位決定部
33 交通情報変換部
34 符号化処理部
35 情報送信部
36 デジタル地図データベース
50 符号表作成部
51 符号表算出部
52 符号表
53 交通情報量子化テーブル
54 距離量子化単位パラメータテーブル
60 受信側装置
61 情報受信部
62 復号化処理部
63 マップマッチング及び区間確定部
64 交通情報反映部
66 リンクコストテーブル
67 情報活用部
68 自車位置判定部
69 GPSアンテナ
70 ジャイロ
71 ガイダンス装置
80 プローブカー収集システム
81 走行軌跡計測情報活用部
82 符号化データ復号部
83 走行軌跡受信部
84 符号表送信部
85 符号表選出部
86 符号表データ
87 計測情報データ逆変換部
90 プローブカー車載機
91 走行軌跡送信部
92 符号化処理部
93 自車位置判定部
94 符号表受信部
95 符号表データ
96 走行軌跡計測情報蓄積部
97 計測情報データ変換部
98 センサ情報収集部
101 GPSアンテナ
102 ジャイロ
106 センサA
107 センサB
108 センサC
135 情報送信部A
161 情報受信部A
235 情報送信部B
261 情報受信部B
330 交通情報変換・記録装置
331 内部記録メディア
332 外部記憶メディア
335 情報蓄積部
360 交通情報参照・活用装置
361 内部記憶メディア
362 復号化処理部
430 サーバ装置
431 リクエスト情報受信部
432 送信交通情報エリア・詳細度判定部
433 交通情報データ
434 符号表データ
435 交通情報量子化・符号化部
436 レスポンス情報送信部
460 クライアント装置
461 リクエスト情報送信部
462 表示範囲・データサイズ決定部
463 入力操作部
464 レスポンス情報受信部
465 復号化処理部
466 交通情報活用部
467 デジタル地図データベース

Claims (9)

  1. 道路情報を提供する道路情報提供装置であって、
    道路形状データを圧縮する道路形状データ圧縮部と、
    道路に沿って変化する交通情報の状態量を圧縮する交通情報圧縮部と、
    前記道路形状データ圧縮部および前記交通情報圧縮部においてそれぞれ別個に異なる圧縮がされた道路形状データ及び交通情報の状態量を送信する送信部と、を備え、
    前記交通情報の状態量は、前記道路形状データで示された道路区間におけるものである道路情報提供装置。
  2. 請求項1記載の道路情報提供装置であって、
    前記交通情報圧縮部は、
    前記道路区間中の基準点から道路に沿って等間隔に標本化点を設定する標本化点設定部を有し、当該交通情報圧縮部は、
    前記道路区間中の道路に沿って変化する交通情報の状態量を、計測点で計測された交通情報の状態量に基づいて、前記標本化点ごとに算出し、算出された各標本化点での交通情報の状態量を圧縮する道路情報提供装置。
  3. 請求項1記載の道路情報提供装置であって、
    前記交通情報圧縮部は、
    前記道路区間を道路に沿って等間隔に分割して標本化点を設定する標本化点設定部を有し、当該交通情報圧縮部は、
    前記道路区間中の道路に沿って変化する交通情報の状態量を、計測点で計測された交通情報の状態量に基づいて、前記標本化点ごとに算出し、算出された各標本化点での交通情報の状態量を圧縮する道路情報提供装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の道路情報提供装置であって、
    前記道路に沿って変化する交通情報の状態量は、車両の走行速度、旅行時間、渋滞情報のいずれか一つを含む道路情報提供装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の道路情報提供装置であって、
    前記道路情報提供装置が、走行中に計測した計測情報を提供するプローブカー車載端末装置または車両に搭載されるナビゲーション端末装置である道路情報提供装置。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項記載の道路情報提供装置であって、
    前記道路情報提供装置が、交通情報を提供するセンター側装置である道路情報提供装置。
  7. 道路情報を提供する道路情報提供方法であって、
    道路形状データを圧縮するステップと、
    道路に沿って変化する交通情報の状態量を圧縮するステップと、
    前記各ステップにおいてそれぞれ別個に異なる圧縮がされた道路形状データ及び交通情報の状態量を送信するステップとを有し、
    前記交通情報の状態量は、前記道路形状データで示された道路区間におけるものである道路情報提供方法。
  8. 請求項7記載の道路情報提供方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
  9. 請求項1ないし6のいずれか1項記載の道路情報提供装置から送信される交通情報の状態量をデジタル地図上に再現する道路情報利用装置。
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