JP4286593B2 - ベクトルデータの圧縮方法と装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル地図の道路形状などのベクトルデータを圧縮する圧縮方法と、その方法を実行する装置に関し、特に、ベクトルの形状を少ない量のデータで正確に伝えることを可能にするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、VICS(道路交通情報通信システム)では、デジタル地図データベースを搭載する車両用ナビゲーション装置に対し、FM多重放送やビーコンを通じて、渋滞区間や旅行時間を示す道路交通情報の提供サービスを実施している。車両用ナビゲーション装置は、この道路交通情報を受信して、画面表示する地図に渋滞区間を色付けして表したり、目的地までの所用時間を算出して表示したりしている。
【0003】
このように、道路交通情報を提供する場合には、デジタル地図上の道路の位置情報を伝えることが必要になる。また、現在地及び目的地の情報を受信して最短時間で目的地まで到達できる推奨経路の情報を提供するサービスや、近年、研究が進められている、走行中の車両(プローブカー)から走行軌跡情報と、速度等の計測情報とを収集する道路交通情報収集システム(プローブ情報収集システム)などにおいても、デジタル地図上の推奨経路や走行軌跡を相手方に正しく伝えることが必要である。
【0004】
これまで、デジタル地図上の道路位置を伝える場合には、一般的に、道路に付されたリンク番号や、交差点などのノードに付されたノード番号が使用されている。しかし、道路網に定義したノード番号やリンク番号は、道路の新設や変更に伴って新しい番号に付け替える必要があり、それに伴って、各社で制作されるデジタル地図データも更新しなければならないため、ノード番号やリンク番号を用いる方式は、メンテナンスに多大な社会的コストが掛かることになる。
【0005】
こうした点を改善するため、下記特許文献1では、ノード番号やリンク番号を用いずに、且つ、少ない量のデータでデジタル地図上の道路区間を伝える方法を提案している。
この方法では、伝えようとする道路区間上に一定距離間隔でサンプリング点を再設定し(これを「等距離リサンプル」と言う)、各サンプリング点の位置データを順番に並べたデータ列に対して圧縮符号化の処理を施し、圧縮符号化したデータを送信する。これを受信した受信側は、サンプリング点の位置データを復号化して、自己のデジタル地図上にサンプリング点を繋げたリサンプル形状を表示し、また、伝えられた道路区間を正確に特定するために、サンプリング点の位置データと自己のデジタル地図データとのマップマッチングを実施して自己のデジタル地図データ上で対象道路を特定する。
【0006】
位置データのデータ列に対する圧縮符号化は、次に示すように、▲1▼位置データの単一変数への変換、▲2▼単一変数で表わした値の統計的に偏りを持つ値への変換、▲3▼変換した値の可変長符号化、の順に行われる。
【0007】
▲1▼位置データの単一変数への変換
図15(a)には、等距離リサンプルで設定した道路区間上のサンプリング点をPJ-1、PJで表している。このサンプリング点(PJ)は、隣接するサンプリング点(PJ-1)からの距離(リサンプル長)Lと角度Θとの2つのディメンジョンで一意に特定することができ、リサンプル長Lを一定とすると、サンプリング点(PJ)は、隣接サンプリング点(PJ-1)からの角度成分Θのみの1変数で表現することができる。図15(a)では、この角度Θとして、真北(図の上方)の方位を0度とし、時計回りに0〜360度の範囲で大きさを指定する「絶対方位」による角度Θを示している。この角度Θj-1は、PJ-1、PJのxy座標(緯度・経度)を(xj-1,yj-1)、(xj,yj)とするとき、次式により算出することができる。
Θj-1 = tan-1{(xj − xj-1)/(yj − yj-1)}
従って、道路区間は、サンプリング点間の一定距離L、及び、始端または終端となるサンプリング点(基準点)の緯度・経度を別に示すことにより、各サンプリング点の角度成分のデータ列により表わすことができる。
【0008】
▲2▼単一変数値の統計的に偏りを持つ値への変換
各サンプリング点の単一変数値が、可変長符号化に適した、統計的に偏在する値となるように、図15(b)に示すように、各サンプリング点の角度成分を、隣接するサンプリング点の角度成分との変位差、即ち、「偏角」θjによって表現する。この偏角θjは、
θj = Θj − Θj-1
として算出される。道路が直線的である場合に、各サンプリング点の偏角θは0付近に集中し、統計的に偏りを持つデータとなる。
【0009】
また、サンプリング点の角度成分は、図15(c)に示すように、着目するサンプリング点PJの偏角θjを、それ以前のサンプリング点PJ-1、PJ-2、・・の偏角θj-1、θj-2、・・を用いて予測した当該サンプリング点PJの偏角予測値Sj(統計予測値)との差分値(偏角予測差分値)Δθjで表わすことにより、統計的に偏りを持つデータに変換することができる。統計予測値Sjは、例えば、
Sj = θj-1
と定義したり、
Sj =(θj-1 + θj-2)/2
と定義したりすることができる。また、過去n個のサンプリング点における偏角の加重平均をSjと定義しても良い。偏角予測差分値Δθjは、
Δθj = θj − Sj
として算出される。道路が一定の曲率で湾曲している場合には、各サンプリング点の偏角予測差分値Δθは0付近に集中し、統計的に偏りを持つデータとなる。
【0010】
図15(d)は、直線的な道路区間を偏角θで表示した場合、及び、曲線的な道路区間を偏角予測差分値Δθで表示した場合のデータの発生頻度をグラフ化して示している。θ及びΔθの発生頻度はθ=0°に極大が現れ、統計的に偏りを持っている。
【0011】
▲3▼可変長符号化
次に、統計的に偏りを持つ値に変換したデータ列の値を可変長符号化する。可変長符号化方法には、固定数値圧縮法(0圧縮等)、シャノン・ファノ符号法、ハフマン符号法、算術符号法、辞書法など多種存在し、いずれの方法を用いてもよい。
【0012】
ここでは、最も一般的なハフマン符号法を用いる場合について説明する。
この可変長符号化では、発生頻度が高いデータを少ないビット数で符号化し、発生頻度が低いデータを多いビット数で符号化して、トータルのデータ量を削減する。このデータと符号との関係は、符号表で定義する。
【0013】
いま、1°単位で表わした道路区間のサンプリング点におけるΔθの並びが
“0_0_-2_0_0_+1_0_0_-1_0_+5_0_0_0_+1_0"
であるとする。このデータ列を符号化するために、可変長符号化とランレングス符号化(連長符号化)とを組み合わせた図16に示す符号表を用いる場合について説明する。この符号表では、最小角度分解能(δ)を3°に設定しており、−1°〜+1°の範囲にあるΔθを0°として符号「0」で表し、0°が5個連続するときは符号「100」で表わし、0°が10個連続するときは符号「1101」で表わすことを規定している。また、±2°〜4°の範囲にあるΔθは±3°として、符号「1110」に、+のときは付加ビット「0」を、−のときは付加ビット「1」を加えて表し、±5°〜7°の範囲にあるΔθは±6°として、符号「111100」に正負を示す付加ビットを加えて表し、また、±8°〜10°の範囲にあるΔθは±9°として、符号「111101」に正負を示す付加ビットを加えて表わすことを規定している。
そのため、前記データ列は、次のように符号化される。
“0_0_11101_100_0_0_1111000_100"
→“0011101100001111000100”
【0014】
このデータを受信した受信側は、符号化で使用されたものと同一の符号表を用いてΔθのデータ列を復元し、送信側と逆の処理を行って、サンプリング点の位置データを再現する。
このように、データを符号化することにより、伝送データ量の削減が可能である。
【0015】
また、前記特許文献1では、等距離リサンプルにおける一定距離Lを、道路形状の曲率の大小を目安に設定することを提案している。即ち、曲率が大きい、カーブした道路、あるいは、そうした道路が多い山間部等の道路を対象としてリサンプルする場合には、等距離リサンプルの距離Lを短く設定し、曲率が小さい、直線的な道路、あるいは、そうした道路が多い都市部の道路を対象としてリサンプルする場合には、距離Lを長く設定する。これは、曲率が大きく、カーブがきつい道路を長い距離でリサンプルすると、特徴的な道路形状を示す位置にサンプリング点を配置することができなくなり、受信側で誤マッチングが発生する可能性が高くなるためである。
【0016】
【特許文献1】
特開2003−23357号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のリサンプル方法では、伝達する道路形状(元形状データ)からの距離誤差ができるだけ小さくなるようにサンプリング点を設定しているため、図17(a)(b)に示すように、元形状データ(点線)が右回り、または左回りにカーブしていると、サンプリング点を繋ぐリサンプル形状(実線)が、全体的にカーブの中心側に若干寄った形を取る。このリサンプル形状と元形状との乖離は、リサンプル長が長くなる程、拡大する。そのため、この乖離を小さくしようとすると、リサンプル長を短く設定しなければならないが、そうすると、伝送データ量が増大する。しかも、リサンプル長を幾ら短く設定しても、この乖離を完全に無くすことは原理的に不可能である。
【0018】
本発明は、こうした従来の問題点を解決するものであり、伝送するデータ量が少なくても、受信側でベクトルの元形状を適切に再現できる圧縮データを生成するためのベクトルデータの圧縮方法を提供し、また、その方法を実施する装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明のベクトルデータの圧縮方法では、サンプリング点間を繋ぐ直線とベクトル形状との距離誤差が前記直線の長さ方向の左右の一方に偏らないように、ベクトル形状を一定のリサンプル長でリサンプルしてサンプリング点を設定し、ベクトル形状を、サンプリング点の位置を示す角度情報のデータ列で表し、このデータ列のデータを可変長符号化するようにしている。
この圧縮データが伝えられた受信側では、元のベクトル形状に最も近似した形状を再現することができる。また、あらかじめ決められた許容誤差を超えずに、リサンプル長をより長く取ることができ、伝送データの圧縮率を高めることができる。
【0020】
また、本発明では、情報提供装置に、デジタル地図データベースから対象道路の道路形状データを抽出する形状データ抽出手段と、サンプリング点間を繋ぐ直線と道路形状データとの距離誤差が前記直線の左右の一方に偏らないように、道路形状データを一定のリサンプル長でリサンプルしてサンプリング点を設定し、対象道路を、サンプリング点の位置を示す量子化した角度情報のデータ列で表す形状データリサンプル処理手段と、前記データ列のデータを可変長符号化する可変長符号化手段と、可変長符号化手段が符号化したデータを提供する提供手段とを設けている。
この情報提供装置は、本発明のベクトルデータの圧縮方法を用いて交通情報の対象道路や目的地までの経路情報などを圧縮し、提供することができる。
【0021】
また、本発明では、プローブカー車載機に、自車位置を検出する自車位置検出手段と、自車位置検出手段が検出した自車位置を順次、走行軌跡として蓄積する蓄積手段と、サンプリング点間を繋ぐ直線と走行軌跡との距離誤差が前記直線の左右の一方に偏らないように、走行軌跡を一定のリサンプル長でリサンプルしてサンプリング点を設定し、走行軌跡を、サンプリング点の位置を示す量子化した角度情報のデータ列で表す走行軌跡リサンプル処理手段と、前記データ列のデータを可変長符号化する可変長符号化手段と、可変長符号化手段が符号化したデータを送信する送信手段とを設けている。
このプローブカー車載機は、本発明のベクトルデータの圧縮方法を用いて走行軌跡データを圧縮し、プローブ情報収集センタに提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態では、送信側から受信側にデジタル地図の道路形状を伝える場合について説明する。
本発明の実施形態におけるデータ圧縮方法では、リサンプルにおいて、図1に示すように、二つのサンプリング点(黒丸)の間を繋ぐ直線(リサンプル形状)が、その区間の道路形状(元形状データ)の曲線を最も代表化するようにサンプリング点を設定する。
元形状の曲線を最も代表化する直線とは、元形状との距離誤差がその直線の左右に均等に存在している直線である。こうした直線(リサンプル形状)を得るためのリサンプル方法の幾つかを以下の実施形態で説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態におけるリサンプル方法では、サンプリング点間を結ぶ直線と元形状との間の面積に着目してサンプリング点を設定する。
道路形状のリサンプルは、リサンプル長Lと角度分解能(即ち、サンプリング点の位置情報を角度表現する場合の量子化単位)δとを決めてから、対象道路に対して等距離リサンプルを行う。
【0024】
リサンプル長Lは、曲率が大きい、カーブした道路、あるいは、そうした道路が多い山間部等の道路をリサンプルの対象とするときは短く設定し、曲率が小さい、直線的な道路、あるいは、そうした道路が多い都市部の道路を対象とするときは、長く設定する。例えば、図4に示すように、道路形状の曲率が小さい区間を等距離リサンプルするリサンプル長L1は、曲率が大きい区間を等距離リサンプルするリサンプル長L2より長く設定する。
【0025】
角度分解能δは、リサンプル長に依らず一定に設定し、あるいは、リサンプル長Lに応じて角度分解能δの大きさを変え、リサンプル長Lが長いときに角度分解能δを小さく、リサンプル長Lが短いときに角度分解能δを大きく設定する。このようにリサンプル長Lに応じて角度分解能δを変える場合には、リサンプル長Lが長いときでも、サンプリング点の道路位置からのずれを小さくすることができ、また、リサンプル長Lが短いときでも、データサイズの増大を抑えることができる。
【0026】
図5は、リサンプル長Lに応じて角度分解能(量子化単位)δを変える場合のリサンプル長Lと角度分解能δとの関係を模式的に示している。円の半径はリサンプル長Lを表し、複数に分割された各扇形の中心角がδを表している。図5(b)のリサンプル長Lbは、図5(a)のリサンプル長Laの2倍の長さを有しており、また、図5(b)における角度分解能δbは、図5(b)の各扇形の弧の長さが、図5(a)の各扇形の弧の長さと等しくなるように設定している。この場合、δbは、δaの略1/2である。そのため、180°の範囲の角度が、図5(a)では9個の量子化量で表され、また、図5(b)では、17個の量子化量で表される。
【0027】
また、量子化された範囲の角度は、全てその量子化量を代表する角度(代表化角度)に丸める。代表化角度には、対応する量子化範囲の中央値(または最大値、最小値、若しくは、あらかじめ決めた値)を設定する。図5(a)には、+3で表された量子化範囲の代表化角度を点線の矢印で示している。また、各量子化範囲の代表化角度は、偏角0からの量子化値(0、+1、−1、+2、−2、・・)で表す。従って、図5(a)のLa及びδaでリサンプルする場合は、180°の範囲の角度が0、±1、±2、±3、±4の9個の量子化値で表され、図5(b)のLb及びδbでリサンプルする場合は、180°の範囲の角度が0、±1、±2、±3、±4、±5、±6、±7、±8の17個の量子化値で表される。
【0028】
図6は、決定したリサンプル長L及び角度分解能δを用いて対象道路をリサンプルする様子を示している。サンプリング点PJ-1から次のサンプリング点PJをリサンプルする場合に、サンプリング点PJ-1から各量子化範囲の代表化角度の方向に延びる線上で、サンプリング点PJ-1からリサンプル長Lだけ離れた地点をサンプリング点PJの候補点として仮設定し、この候補点の中からサンプリング点PJを選択する。従来のリサンプル方法では、このとき道路形状に最も近い候補点がサンプリング点PJとして設定される。
【0029】
これに対して、この実施形態のリサンプル方法では、図2に示すように、サンプリング点PJの候補点(候補点A、B)から道路形状(元形状データ)までの距離だけで無く、サンプリング点PJ-1及び候補点A(または候補点B)を結ぶ直線(lA、lB)と元形状データとの間の面積を評価して、候補点の中からサンプリング点PJを選択する。図2(a)は、サンプリング点PJ-1及び候補点Aを結ぶ直線lAと元形状データとの間の面積(直線lAと、元形状と、サンプリング点PJ-1及び候補点Aを通り、直線lAに直交する垂線とで囲まれた面積)を示し、図2(b)は、サンプリング点PJ-1及び候補点Bを結ぶ直線lBと元形状データとの間の面積(直線lBと、元形状と、サンプリング点PJ-1及び候補点Bを通り、直線lBに直交する垂線とで囲まれた面積)を示している。
【0030】
各候補点に対する評価は、例えば次式(1)の評価式で行い、最も評価値が小さい候補点をサンプリング点PJとして採用する。
候補点nの評価値=αDn+β(|Snr−Snl|) (1)
ただし、
Dn:候補点nから元形状までの距離(候補点nを通り、サンプリング点PJ-1と候補点nとを結ぶ直線に直交する垂線の候補点nから元形状までの距離)Snr:サンプリング点PJ-1と候補点nとを結ぶ直線の右側に位置する、前記直線と元形状データとの間の面積
Snr:サンプリング点PJ-1と候補点nとを結ぶ直線の左側に位置する、前記直線と元形状データとの間の面積
α、β:設定定数
である。
ここで、|Snr−Snl|は、サンプリング点PJ-1と候補点nとを結ぶ直線lnの右側の面積を正、左側の面積を負として、直線lnと元形状との間の面積を合計した合計値の絶対値である。この値は、直線lnを座標軸と見て元形状データのグラフの積分を取ることにより算出できる。
【0031】
図3のフロー図は、このリサンプルの手順を示している。
対象道路をリサンプルするためのリサンプル長L、角度分解能δ及び代表化角度を決定する(ステップ1)。次いで、対象道路の始端をサンプリング点に設定して、順次、隣接サンプリング点PJ-1から各量子化範囲の代表化角度の方向に延びる直線上で、隣接サンプリング点PJ-1からの距離がLである地点をサンプリング点PJの候補点として設定する(ステップ2)。次に、各候補点と元形状データとの距離Dnを算出し(ステップ3)、隣接サンプリング点から候補点のそれぞれに至る直線と元形状データとの間にできる左右面積差の絶対値Snを算出し(ステップ4)、得られたDnとSnとを用いて、評価式(1)により評価値を算出し(ステップ5)、最も評価値が良い(評価式(1)を用いる場合は、評価値が最も小さい)候補点をサンプリング点PJと決定する(ステップ6)。図2の場合では、候補点Aの方が候補点Bより元形状から離れているが、評価式(1)で算出した評価値は、候補点Aの方が候補点Bより小さいため、候補点Aがサンプリング点PJとして採用される。
この手順を対象道路の終端に達するまで繰り返す(ステップ7)。
【0032】
こうしたリサンプルを行うと、元形状がカーブしている場合に、リサンプル形状のノード点となるサンプリング点は、元形状から多少外れた位置に設定されるが、サンプリング点間を繋ぐリサンプル形状の直線は、図1に示すように、元形状の曲線を最も代表化した直線となる。
そのため、このリサンプル形状のデータが伝えられた受信側では、元形状に最も近似した形状を再現することができる。
【0033】
また、このリサンプル方法では、図2(a)に示すように、リサンプル形状と元形状データとの誤差を、リサンプル形状の左右に均等に割り振ることができる(言い換えると、元形状の中心を通るようにリサンプル形状を選ぶことができる)ため、図2(b)のように、誤差がリサンプル形状の片側に寄っている場合に比べて、誤差の最大値を小さく抑えることができる。そのため、リサンプル長を長く取った場合でも、この誤差を、あらかじめ決められた許容誤差以内に収めることが可能である。つまり、あらかじめ決められた許容誤差を超えずに、リサンプル長をより長く取ることができ、伝送データの圧縮率を高めることができる。
【0034】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態におけるリサンプル方法では、サンプリング点の設定に当たって、面積の代わりに、リサンプル形状の左右に位置する元形状の線分の長さを考慮する。
このリサンプル方法において、サンプリング点の候補点を設定するまでの手順は、第1の実施形態と変わりが無い。複数の候補点の設定が終了すると、その中から、図7に示すように、候補点から道路形状(元形状データ)までの距離DA、DBと、直線lA、lBにより左右に分断される元形状の線分の長さとを考慮して、候補点の中からサンプリング点を選択する。
【0035】
この場合、評価式として次式(2)を用い、最も評価値が小さい候補点をサンプリング点PJとして採用する。
候補点nの評価値=αDn+β(|Lnr−Lnl|) (2)
ただし、
Dn:候補点nから元形状までの距離
Lnr:サンプリング点PJ-1と候補点nとを結ぶ直線の右側に位置する元形状の線分長さ(図7では太実線で表示)
Lnl:サンプリング点PJ-1と候補点nとを結ぶ直線の左側に位置する元形状の線分長さ(図7では太点線で表示)
α、β:設定定数
である。
ここで、|Lnr−Lnl|は、サンプリング点PJ-1と候補点nとを結ぶ直線lnの右側に位置する元形状の線分長さを正、左側に位置する元形状の線分長さを負として、元形状の線分の長さを合計した合計値の絶対値である。
【0036】
図8のフロー図は、このリサンプルの手順を示している。ステップ1からステップ3までの手順は、第1の実施形態(図3)と同じである。即ち、対象道路をリサンプルするためのリサンプル長L、角度分解能δ及び代表化角度を決定し(ステップ1)、隣接サンプリング点PJ-1から各量子化範囲の代表化角度の方向に延びる直線上で、隣接サンプリング点PJ-1からの距離がLである地点にサンプリング点PJの候補点を設定し(ステップ2)、各候補点と元形状データとの距離Dnを算出する(ステップ3)。
【0037】
次いで、隣接サンプリング点から候補点のそれぞれに至る直線が分断する元形状の線分長さに着目し、その直線の右側の線分長さと左側の線分長さとの差分の絶対値Lnを算出し(ステップ4)、DnとLnとを用いて、評価式(2)により評価値を算出し(ステップ5)、最も評価値が良い(評価式(2)を用いる場合は、評価値が最も小さい)候補点をサンプリング点PJと決定する(ステップ6)。図7の場合では、候補点Aの方が候補点Bより元形状から離れているが、評価式(2)で算出した評価値は、候補点Aの方が候補点Bより小さいため、候補点Aがサンプリング点PJとして採用される。
この手順を対象道路の終端に達するまで繰り返す(ステップ7)。
【0038】
このリサンプル方法を採る場合も、第1の実施形態と同様に、サンプリング点間を繋ぐリサンプル形状の直線は、図1に示すように、元形状の曲線を最も代表化した直線となる。
そのため、このリサンプル形状のデータが伝えられた受信側では、元形状に最も近似した形状を再現することができる。また、あらかじめ決められた許容誤差を超えずに、リサンプル長をより長く取ることができ、伝送データの圧縮率を高めることができる。
【0039】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態におけるリサンプル方法では、リサンプル形状と元形状との最大誤差を考慮してサンプリング点を設定する。
このリサンプル方法において、サンプリング点の候補点を設定するまでの手順は、第1の実施形態と変わりが無い。複数の候補点の設定が終了すると、その中から、図9に示すように、候補点から道路形状(元形状データ)までの距離DA、DBと、直線lA、lBの左右における最大誤差(即ち、直線lA、lBから形状データまでの最大距離)のバランスとを考慮して、候補点の中からサンプリング点を選択する。
【0040】
この場合、評価式として次式(3)を用い、最も評価値が小さい候補点をサンプリング点PJとして採用する。
候補点nの評価値=αDn+β(|Enr−Enl|) (3)
ただし、
Dn:候補点nから元形状までの距離
Enr:サンプリング点PJ-1と候補点nとを結ぶ直線の右側に位置する元形状までの最大誤差(図9ではEar、Ebrと表示)
Enl:サンプリング点PJ-1と候補点nとを結ぶ直線の左側に位置する元形状までの最大誤差(図9ではEal、Eblと表示)
α、β:設定定数
である。
ここで、|Enr−Enl|は、サンプリング点PJ-1と候補点nとを結ぶ直線lnの右側に位置する元形状までの最大誤差を正、左側に位置する元形状までの最大誤差を負として、これらの最大誤差を合計した合計値の絶対値である。
【0041】
図10のフロー図は、このリサンプルの手順を示している。ステップ1からステップ3までの手順は、第1の実施形態(図3)と同じである。即ち、対象道路をリサンプルするためのリサンプル長L、角度分解能δ及び代表化角度を決定し(ステップ1)、隣接サンプリング点PJ-1から各量子化範囲の代表化角度の方向に延びる直線上で、隣接サンプリング点PJ-1からの距離がLである地点にサンプリング点PJの候補点を設定し(ステップ2)、各候補点と元形状データとの距離Dnを算出する(ステップ3)。
【0042】
次いで、隣接サンプリング点から候補点のそれぞれに至る直線の右側での元形状との間の最大誤差Enrと、前記直線の左側での元形状との間の最大誤差Enlとを算出し(ステップ4)、DnとEnr、Enlとを用いて、評価式(3)により評価値を算出し(ステップ5)、最も評価値が良い(評価式(3)を用いる場合は、評価値が最も小さい)候補点をサンプリング点PJと決定する(ステップ6)。図9の場合では、候補点Aの方が候補点Bより元形状から離れているが、評価式(3)で算出した評価値は、候補点Aの方が候補点Bより小さいため、候補点Aがサンプリング点PJとして採用される。
この手順を対象道路の終端に達するまで繰り返す(ステップ7)。
【0043】
このリサンプル方法を採る場合も、第1の実施形態と同様に、サンプリング点間を繋ぐリサンプル形状の直線は、図1に示すように、元形状の曲線を最も代表化した直線となる。
そのため、このリサンプル形状のデータが伝えられた受信側では、元形状に最も近似した形状を再現することができる。また、あらかじめ決められた許容誤差を超えずに、リサンプル長をより長く取ることができ、伝送データの圧縮率を高めることができる。
【0044】
なお、評価式として、次式(4)を用い、最も評価値が小さい候補点をサンプリング点PJとして採用するようにしても良い。
候補点nの評価値=αDn+β Max(Enr,Enl) (4)
ここで、Max(Enr,Enl)は、サンプリング点PJ-1と候補点nとを結ぶ直線lnの左右に位置する最大誤差の大きい方の値である。この場合には、直線lnの左右における最大誤差のバランスでは無く、最大誤差の大きさそのものに着目して候補点を評価することになる。
【0045】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態では、候補点の選択を簡便な手法で行うリサンプル方法について説明する。
このリサンプル方法において、サンプリング点の候補点を設定するまでの手順は第1の実施形態と変わりが無い。この候補点を設定する際のリサンプル長Lは、元形状データの曲率に応じて、元形状のカーブがほぼトレースできる長さに選ばれる。そのため、元形状の中心を通るようなリサンプル形状(元形状データとの誤差が左右に均等に存在するようなリサンプル形状)を規定するサンプリング点は、元形状が右曲がりの場合、元形状の左側に存在し、元形状が左曲がりの場合、元形状の右側に存在することになる。
つまり、図11に示すように、元形状を挟む二つの候補点p、qのうち、より偏角絶対値θp、θqが小さい候補点が、「元形状データの中心」に近いリサンプル形状を規定できることになる。
【0046】
こうした考え方に基づいて、次のような判定基準で、サンプリング点に採用する候補点を決定する。
元形状データに最も近い候補点をp、2番目に近い候補点をqとし、候補点pから元形状までの距離をDp、候補点qから元形状までの距離をDq、候補点pと候補点qとの間の距離をDpqとすると、
・候補点pの偏角絶対値θpが候補点qの偏角絶対値θqより小さい場合は、候補点pを採用する。
・候補点pの偏角絶対値θpが候補点qの偏角絶対値θqより大きい場合は、
(1)Dp/Dpq≦γ(γは0.1程度のあらかじめ決めた定数) のときは、候補点pを採用する。
(2)それ以外のときは、候補点qを採用する。
【0047】
図12のフロー図は、このリサンプルの手順を示している。ステップ1からステップ3までの手順は、第1の実施形態(図3)と同じである。即ち、対象道路をリサンプルするためのリサンプル長L、角度分解能δ及び代表化角度を決定し(ステップ1)、隣接サンプリング点PJ-1から各量子化範囲の代表化角度の方向に延びる直線上で、隣接サンプリング点PJ-1からの距離がLである地点にサンプリング点PJの候補点を設定し(ステップ2)、各候補点と元形状データとの距離Dnを算出する(ステップ3)。
次いで、偏角絶対値及びDnを用いて、判定基準に則り、サンプリング点に採用する候補点を決定する(ステップ4)。
図11の場合では、候補点qの方が候補点pより元形状から離れているが、候補点qの偏角絶対値θqの方が候補点pの偏角絶対値θpより小さいため、判定基準に従って、候補点qがサンプリング点PJとして採用される。
この手順を対象道路の終端に達するまで繰り返す(ステップ7)。
【0048】
このリサンプル方法では、元形状の曲線を代表化する直線が簡便な方法で得られる。このリサンプル形状のデータが伝えられた受信側では、元形状に最も近似した形状を再現することができる。また、あらかじめ決められた許容誤差を超えずに、リサンプル長をより長く取ることができ、伝送データの圧縮率を高めることができる。
【0049】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態では、本発明の圧縮方法を適用して交通情報を提供する交通情報提供システムについて説明する。
このシステムは、図13に示すように、交通情報を提供する情報送信装置20と、提供された交通情報を活用する、車載用ナビゲーション装置やパーソナルコンピュータなどの情報活用装置40とから成り、情報送信装置20は、渋滞情報や交通事故情報などが入力される事象情報入力部21と、デジタル地図データベースA22から交通情報の対象道路区間の道路形状データを抽出する形状データ抽出部23と、リサンプル形状と元形状データとの間の許容誤差を決定する許容誤差決定部24と、許容誤差に基づいてリサンプル長Lと角度分解能δとを決定するリサンプル長角度分解能決定部25と、形状データ抽出部23で抽出された道路形状データをリサンプルしてサンプリング点の位置データ列を生成する形状データリサンプル処理部26と、形状データリサンプル処理部26が生成したデータを圧縮符号化する可変長符号化処理部28と、圧縮符号化された道路形状データを蓄積して外部メディアに蓄積データを提供する圧縮データ蓄積部27と、圧縮符号化された道路形状データを送信する形状データ送信部29とを備えている。
【0050】
一方、情報活用装置40は、提供された道路形状データを受信する形状データ受信部41と、圧縮符号化されているデータを復号する符号化データ復号部42と、リサンプル形状を復元する形状データ復元部43と、デジタル地図データベースB46のデータを用いてマップマッチングを行い、サンプリング点で表された道路区間をデジタル地図上で特定するマップマチング部45と、得られた交通情報を活用する情報活用部44とを備えている。
【0051】
情報送信装置20では、リサンプル長角度分解能決定部25が、許容誤差決定部24で決定された許容誤差に基づいて、リサンプルにおけるリサンプル長L、角度分解能δ及び代表化角度を決定する。形状データリサンプル処理部26は、決定されたリサンプル長L、角度分解能δ及び代表化角度を用いて、形状データ抽出部23が抽出した対象道路の道路形状データをリサンプルする。
【0052】
このとき、形状データリサンプル処理部26は、第1〜第4の実施形態のいずれかのリサンプル方法で道路形状データのリサンプルを行い、サンプリング点を設定する。そして、サンプリング点の位置情報を偏角量子化値で表し、対象道路の道路形状データとして、リサンプル長Lの変更位置及びLの長さを示すリサンプル区間長変更コードと、各サンプリング点の偏角量子化値とを羅列したデータ列を生成する。
可変長符号化処理部28は、この道路形状データを可変長符号化する。可変長符号化によりデータ圧縮された道路形状データは、外部メディアに記録されて提供され、あるいは、形状データ送信部29から送信される。
【0053】
この道路形状データを受信した情報活用装置40では、符号化データ復号部42が、圧縮符号化されているデータを復号化し、形状データ復元部43が、サンプリング点の位置情報を復元して、サンプリング点を繋いだリサンプル形状を再現する。このリサンプル形状は、情報活用装置40の表示画面上にデジタル地図と重ねて表示される。
【0054】
また、伝えられた道路区間を正確に特定するために、マップマッチング部45は、サンプリング点の位置データとデジタル地図データベースB46の地図データとのマップマッチングを行い、デジタル地図データベースB46の地図データ上で対象道路を特定する。
情報活用部44は、得られた交通情報を、画面に表示したり、経路探索に利用したりして活用する。
【0055】
このように、この交通情報提供システムでは、情報送信装置20が、第1〜第4の実施形態のリサンプル方法で対象道路の道路形状データをリサンプルしているため、情報提供を受けた情報活用装置40は、対象道路の道路形状に最も近似したリサンプル形状を再現することができる。また、第1〜第4の実施形態のリサンプル方法が用いられているため、情報送信装置20から提供される道路形状データのデータ量は少ない。
【0056】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態では、収集するプローブ情報の圧縮に本発明の圧縮方法を適用したプローブ情報収集システムについて説明する。
このシステムは、図14に示すように、プローブ情報を提供するプローブカー車載機60と、プローブ情報を収集するプローブ情報収集センタ50とから成り、プローブカー車載機60は、GPSアンテナ73から受信する情報やジャイロ74の検知情報を基に自車位置を判定する自車位置判定部61と、速度を検出するセンサ70と、ハンドル舵角を検出するセンサ71と、横方向の加速度(横G)を検出するセンサ72と、デジタル地図のデータベース69と、リサンプル形状と道路形状との間の許容誤差を決定する許容誤差決定部67と、リサンプルに用いるリサンプル長L及び角度分解能δを決定するリサンプル長角度分解能決定部68と、自車の走行軌跡を蓄積する走行軌跡蓄積部62と、走行軌跡をリサンプルしてサンプリング点の位置データ列を生成する走行軌跡形状リサンプル処理部63と、走行軌跡形状リサンプル処理部63が生成したデータを圧縮符号化する可変長符号化処理部64と、圧縮符号化された走行軌跡形状データを蓄積する圧縮データ蓄積部65と、圧縮符号化された走行軌跡形状データを送信する走行軌跡送信部66とを備えている。
【0057】
一方、プローブ情報収集センタ50は、プローブカー車載機60から提供された走行軌跡形状データを受信する走行軌跡受信部51と、圧縮符号化されている受信データを復号化する符号化データ復号部52と、復号化されたデータから走行軌跡形状を復元する走行軌跡形状復元部53と、プローブカー車載機60から収集した走行軌跡や計測情報を交通情報の生成に活用する走行軌跡計測情報活用部54とを備えている。
【0058】
プローブカー車載機60の走行軌跡蓄積部62には、自車位置判定部61で検出された自車位置が走行軌跡として順次蓄積される。リサンプル長角度分解能決定部68は、センサ70、71、72で検知された速度、ハンドル舵角、横Gの情報や、デジタル地図データベース69から取得した道路形状から、走行軌跡の曲率の大小を判定し、その曲率の大きさや、許容誤差決定部67で決定された許容誤差に基づいて、リサンプルに使用するリサンプル長L及び角度分解能δを決定する。
【0059】
走行軌跡形状リサンプル処理部63は、プローブ情報の送信時期に、走行軌跡蓄積部62に蓄積された走行軌跡データを読み出し、リサンプル長角度分解能決定部68が決定したリサンプル長、角度分解能δ及び代表化角度を用いて走行軌跡形状をリサンプルする。
このとき、走行軌跡形状リサンプル処理部63は、第1〜第4の実施形態のいずれかのリサンプル方法で走行軌跡データのリサンプルを行い、サンプリング点を設定する。そして、サンプリング点の位置情報を偏角量子化値で表し、走行軌跡データとして、各サンプリング点の偏角量子化値を羅列したデータ列を生成する。
【0060】
可変長符号化処理部64は、このデータを可変長符号化して圧縮する。圧縮符号化されたデータは、プローブ情報収集センタ50に送信される。また、このデータは、外部メディアに格納してプローブ情報収集センタ50に提供される場合もある。
プローブ情報収集センタ50では、符号化データ復号部52が、プローブカー車載機60から収集したデータを復号化し、走行軌跡形状復元部53が、サンプリング点の位置情報を復元して、走行軌跡のリサンプル形状を再現する。この走行軌跡の情報は、プローブカー車載機60で計測された速度等の計測情報と併せて交通情報の生成に活用される。
【0061】
このように、このプローブ情報収集システムでは、プローブカー車載機60が、第1〜第4の実施形態のリサンプル方法で走行軌跡をリサンプルしているため、プローブ情報収集センタ50は、走行軌跡に最も近似したリサンプル形状を再現することができる。また、プローブカー車載機60から提供する走行軌跡データのデータ量は少ない。
【0062】
なお、各実施形態では、デジタル地図の道路形状をリサンプルして伝達する場合について説明したが、本発明は、道路に限らず、デジタル地図上の河川や鉄道線路、行政境界線、等高線などのベクトル形状を伝達する場合にも適用することができ、また、デジタル地図以外にも、各種の図形や指紋などの形状を伝達する場合に適用することができる。
また、本発明のベクトルデータの圧縮方法は、データを伝達する場合のみならず、前述する地図・図形・指紋などの形状を圧縮して蓄積・保存する場合にも適用することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のベクトルデータの圧縮方法では、少ない量のデータで、元形状に最も近似した形状を伝えることができるデータの生成が可能であり、このデータを受信した受信側では、元形状を正しく再現することができる。
また、本発明の装置は、このベクトルデータの圧縮方法を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるリサンプル方法で生成されるリサンプル形状を示す図
【図2】本発明の第1の実施形態におけるリサンプル方法を説明する図
【図3】本発明の第1の実施形態におけるリサンプル方法の手順を示すフロー図
【図4】道路形状の曲率と等距離リサンプルのリサンプル長との関係を示す図
【図5】本発明の第1の実施形態におけるリサンプル方法で用いるリサンプル長と角度分解能δとの関係を示す図
【図6】本発明の第1の実施形態におけるリサンプル方法で設定する候補点を説明する図
【図7】本発明の第2の実施形態におけるリサンプル方法を説明する図
【図8】本発明の第2の実施形態におけるリサンプル方法の手順を示すフロー図
【図9】本発明の第3の実施形態におけるリサンプル方法を説明する図
【図10】本発明の第3の実施形態におけるリサンプル方法の手順を示すフロー図
【図11】本発明の第4の実施形態におけるリサンプル方法を説明する図
【図12】本発明の第4の実施形態におけるリサンプル方法の手順を示すフロー図
【図13】本発明の第5の実施形態における交通情報提供システムの構成を示すブロック図
【図14】本発明の第6の実施形態におけるプローブ情報収集システムの構成を示すブロック図
【図15】サンプリング点の位置情報を角度成分で表す方法を説明する図
【図16】形状データの可変長符号化に用いる符号表を示す図
【図17】従来のリサンプル方法の問題点を説明する図
【符号の説明】
20 情報送信装置
21 事象情報入力部
22 デジタル地図データベースA
23 形状データ抽出部
24 許容誤差決定部
25 リサンプル長角度分解能決定部
26 形状データリサンプル処理部
27 圧縮データ蓄積部
28 可変長符号化処理部
29 形状データ送信部
40 情報活用装置
41 形状データ受信部
42 符号化データ復号部
43 形状データ復元部
44 情報活用部
45 マップマチング部
46 デジタル地図データベースB
50 プローブ情報収集センタ
51 走行軌跡受信部
52 符号化データ復号部
53 走行軌跡形状復元部
54 走行軌跡計測情報活用部
60 プローブカー車載機
61 自車位置判定部
62 走行軌跡蓄積部
63 走行軌跡形状リサンプル処理部
64 可変長符号化処理部
65 圧縮データ蓄積部
66 走行軌跡送信部
67 許容誤差決定部
68 リサンプル長角度分解能決定部
69 デジタル地図データベース
70 速度検出センサ
71 ハンドル舵角検出センサ
72 横Gセンサ
73 GPSアンテナ
74 ジャイロ

Claims (2)

  1. コンピュータが、形状データを等間隔にサンプリングし、各サンプリング点がサンプリング区間長と角度で表わされたサンプリング点列を圧縮して符号化する形状データ符号化方法であって、
    前記形状データを等間隔にサンプリングするサンプリング区間長及び前記サンプリング区間長に応じた角度分解能を決定し、
    前記形状データの始端を第1のサンプリング点に設定し、
    前記第1のサンプリング点から前記サンプリング区間長及び前記角度分解能によって設定される第2のサンプリング点の複数の候補点の中から、前記各候補点について、候補点から前記形状データへの垂線の距離、および前記形状データが前記第1のサンプリング点から前記候補点を結ぶ線分で分断される、前記第1のサンプリング点から前記形状データと前記線分との交点までの長さと前記交点から前記垂線と前記形状データとの交点までの長さの差の絶対値を算出し、
    得られた前記垂線の距離と前記長さの差の絶対値とを用いて前記各候補点の評価値を算出し、
    前記評価値に基づいて前記各候補点の中から第2のサンプリング点を決定し、
    以降、順次前記サンプリング区間長でサンプリング点の列を生成し、
    前記サンプリング点の列を圧縮して符号化する形状データ符号化方法。
  2. コンピュータが、形状データを等間隔にサンプリングし、各サンプリング点がサンプリング区間長と角度で表わされたサンプリング点列を圧縮して符号化する形状データ符号化方法であって、
    前記形状データを等間隔にサンプリングする前記サンプリング区間長及び前記サンプリング区間長に応じた角度分解能を決定し、
    前記形状データの始端を第1のサンプリング点に設定し、
    前記第1のサンプリング点から前記サンプリング区間長及び前記角度分解能によって設定される第2のサンプリング点の複数の候補点の中から、前記各候補点について、候補点から前記形状データへの垂線の距離、および前記第1のサンプリング点から前記候補点を結ぶ線分を中心として前記線分から左右の前記形状データまでの最大垂線距離の差の絶対値を算出し、
    得られた前記垂線距離と前記左右の前記形状データまでの最大垂線距離の差の絶対値とを用いて前記各候補点の評価値を算出し、
    前記評価値に基づいて前記各候補点から第2のサンプリング点を決定し、
    以降、順次前記サンプリング区間長でサンプリング点の列を生成し、
    前記サンプリング点の列を圧縮して符号化する形状データ符号化方法。
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