JP2005003970A - デジタル地図の位置情報圧縮方法と装置 - Google Patents
デジタル地図の位置情報圧縮方法と装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】角度の量子化単位となる角度分解能δを、リサンプルの間隔を規定するリサンプル長Lの長さに応じて設定し、デジタル地図に含まれる道路形状を一または複数の区間に分け、区間内の道路形状を一定のリサンプル長Lでリサンプルして、道路形状の位置を、サンプリング点の位置を示す量子化した角度情報のデータ列で表し、このデータ列のデータを可変長符号化して伝達するようにしている。角度分解能δとリサンプル長Lとを連動させて、リサンプル長が長い場合は、角度分解能を小さくし(b)、リサンプル長が短い場合は、角度分解能を大きくする(a)ことにより、道路などの位置情報を、少ないデータ量で、正確に伝えることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル地図における道路などの位置情報のデータを圧縮する方法と、その方法を実施する装置に関し、特に、少ないデータ量で正確に位置が伝達できるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、VICS(道路交通情報通信システム)では、デジタル地図データベースを搭載する車両用ナビゲーション装置に対して、FM多重放送やビーコンを通じて、渋滞区間や旅行時間を示す道路交通情報の提供サービスを実施している。車両用ナビゲーション装置は、この道路交通情報を受信して、画面表示する地図に渋滞区間を色付けして表したり、目的地までの所用時間を算出して表示したりしている。
【0003】
このように、道路交通情報を提供する場合には、デジタル地図上の道路の位置情報を伝えることが必要になる。また、現在地及び目的地の情報を受信して、最短時間で目的地まで到達できる推奨経路の情報を提供するサービスや、近年、研究が進められている、走行中の車両(プローブカー)から軌跡情報及び速度情報等を収集する道路交通情報収集システム(プローブ情報収集システム)においても、デジタル地図上の推奨経路や走行軌跡を相手方に正しく伝えることが必要である。
【0004】
これまで、デジタル地図上の道路位置を伝える場合には、一般的に、道路に付されたリンク番号や、交差点などのノードを特定するノード番号が使用されている。しかし、道路網に定義したノード番号やリンク番号は、道路の新設や変更に伴って新しい番号に付け替える必要があり、それに応じて、各社で制作されるデジタル地図データも更新しなければならないため、ノード番号やリンク番号を用いる方式は、メンテナンスに多大な社会的コストが掛かることになる。
【0005】
こうした点を改善するため、下記特許文献1では、ノード番号やリンク番号を用いずに、且つ、少ないデータ量でデジタル地図上の道路区間を伝える方法を提案している。
この方法では、伝えようとする道路区間上に一定距離間隔でサンプリング点を再設定し(これを「等距離リサンプル」と言う)、各サンプリング点の位置データを順番に並べたデータ列に対して圧縮符号化の処理を施し、圧縮符号化したデータを送信する。これを受信した受信側は、サンプリング点の位置データのデータ列を復元し、この位置データと自己のデジタル地図データとのマップマッチングを実施して道路区間を特定する。
【0006】
位置データのデータ列に対する圧縮符号化は、次に示すように、▲1▼位置データの単一変数への変換、▲2▼単一変数で表わした値の統計的に偏りを持つ値への変換、▲3▼変換した値の可変長符号化、の順に行われる。
【0007】
▲1▼位置データの単一変数への変換
図20(a)には、等距離リサンプルで設定した道路区間上のサンプリング点をPJ−1、PJで表している。このサンプリング点(PJ)は、隣接するサンプリング点(PJ−1)からの距離(リサンプル長)Lと角度Θとの2つのディメンジョンで一意に特定することができ、距離を一定(L)とすると、サンプリング点(PJ)は、隣接サンプリング点(PJ−1)からの角度成分Θのみの1変数で表現することができる。図20(a)では、この角度Θとして、真北(図の上方)の方位を0度とし、時計回りに0〜360度の範囲で大きさを指定する「絶対方位」による角度Θを示している。この角度Θj−1は、PJ−1、PJのxy座標(緯度・経度)を(xj−1,yj−1)、(xj,yj)とするとき、次式により算出することができる。
Θj−1 = tan−1{(xj − xj−1)/(yj − yj−1)}
従って、道路区間は、サンプリング点間の一定距離L、及び、始端または終端となるサンプリング点(基準点)の緯度・経度を別に示すことにより、各サンプリング点の角度成分のデータ列により表わすことができる。
【0008】
▲2▼単一変数値の統計的に偏りを持つ値への変換
各サンプリング点の単一変数値が、可変長符号化に適した、統計的に偏在する値となるように、図20(b)に示すように、各サンプリング点の角度成分を、隣接するサンプリング点の角度成分との変位差、即ち、「偏角」θjによって表現する。この偏角θjは、
θj = Θj − Θj−1
として算出される。道路が直線的である場合に、各サンプリング点の偏角θは0付近に集中し、統計的に偏りを持つデータとなる。
【0009】
また、サンプリング点の角度成分は、図20(c)に示すように、着目するサンプリング点PJの偏角θjを、それ以前のサンプリング点PJ−1、PJ−2、・・の偏角θj−1、θj−2、・・を用いて予測した当該サンプリング点PJの偏角予測値Sj(統計予測値)との差分値(偏角予測差分値)Δθjで表わすことにより、統計的に偏りを持つデータに変換することができる。統計予測値Sjは、例えば、
Sj = θj−1
と定義したり、
Sj =(θj−1 + θj−2)/2
と定義したりすることができる。また、過去n個のサンプリング点における偏角の加重平均をSjと定義しても良い。偏角予測差分値Δθjは、
Δθj = θj − Sj
として算出される。道路が一定の曲率で湾曲している場合には、各サンプリング点の偏角予測差分値Δθは0付近に集中し、統計的に偏りを持つデータとなる。
図20(d)は、直線的な道路区間を偏角θで表示した場合、及び、曲線的な道路区間を偏角予測差分値Δθで表示した場合のデータの発生頻度をグラフ化して示している。θ及びΔθの発生頻度はθ=0°に極大が現れ、統計的に偏りを持っている。
【0010】
▲3▼可変長符号化
次に、統計的に偏りを持つ値に変換したデータ列の値を可変長符号化する。可変長符号化方法には、固定数値圧縮法(0圧縮等)、シャノン・ファノ符号法、ハフマン符号法、算術符号法、辞書法など多種存在し、いずれの方法を用いてもよい。
【0011】
ここでは、最も一般的なハフマン符号法を用いる場合について説明する。
この可変長符号化では、発生頻度が高いデータを少ないビット数で符号化し、発生頻度が低いデータを多いビット数で符号化して、トータルのデータ量を削減する。このデータと符号との関係は、符号表で定義する。
いま、1°単位で表わした道路区間のサンプリング点におけるΔθの並びが
“0_0_−2_0_0_+1_0_0_−1_0_+5_0_0_0_+1_0”
であるとする。このデータ列を符号化するために、可変長符号化とランレングス符号化(連長符号化)とを組み合わせた図21に示す符号表を用いる場合について説明する。この符号表では、最小角度分解能(δ)を3°に設定しており、−1°〜+1°の範囲にあるΔθを0°として符号「0」で表し、0°が5個連続するときは符号「100」で表わし、0°が10個連続するときは符号「1101」で表わすことを規定している。また、±2°〜4°の範囲にあるΔθは±3°として、符号「1110」に、+のときは付加ビット「0」を、−のときは付加ビット「1」を加えて表し、±5°〜7°の範囲にあるΔθは±6°として、符号「111100」に正負を示す付加ビットを加えて表し、また、±8°〜10°の範囲にあるΔθは±9°として、符号「111101」に正負を示す付加ビットを加えて表わすことを規定している。
【0012】
そのため、前記データ列は、次のように符号化される。
“0_0_11101_100_0_0_1111000_100”
→“0011101100001111000100”
このデータを受信した受信側は、符号化で使用されたものと同一の符号表を用いてΔθのデータ列を復元し、送信側と逆の処理を行って、サンプリング点の位置データを再現する。
このように、データを符号化することにより、伝送データ量の削減が可能である。
【0013】
また、前記特許文献1では、等距離リサンプルにおける一定距離Lを、道路形状の曲率の大小を目安に設定することを提案している。即ち、曲率が大きい、カーブした道路、あるいは、そうした道路が多い山間部等の道路を対象としてリサンプルする場合には、等距離リサンプルの距離Lを短く設定し、曲率が小さい、直線的な道路、あるいは、そうした道路が多い都市部の道路を対象としてリサンプルする場合には、距離Lを長く設定する。これは、曲率が大きく、カーブがきつい道路を長い距離でリサンプルすると、特徴的な道路形状を示す位置にサンプリング点を配置することができなくなり、受信側で誤マッチングが発生する可能性が高くなるためである。
【0014】
【特許文献1】
特開2003−23357号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、デジタル地図上の道路形状を伝えるために、サンプリング点の位置を示す角度成分を角度分解能δで表し(即ち、δ単位で量子化し)、圧縮符号化して伝送する場合には、次のような課題が存在する。
【0016】
▲1▼角度成分のデータ量は、角度分解能δを大きく設定すること(即ち、量子化単位δを大きく設定すること)によって削減できる。前述の説明ではδ=3°の例を示したが、δ=6°とすれば更にデータ量を減らすことができる。しかし、角度分解能δを大きく設定すると、量子化誤差が大きくなり、受信側での誤マッチングの可能性が高くなる。
【0017】
例えば、図22に示すように、点PJ−1から距離Lだけ離れた位置に点PJをリサンプルする場合では、角度分解能をδとすると、点PJの第1の候補点P’Jと、隣接する第2の候補点P”Jとの間の角度がδになる。この内、道路形状に近い方の候補点P’Jがサンプリング点として選択されるので、サンプリング点と道路形状との間の距離(即ち、誤差)Eaは、
誤差Eaの最大値≒L×|sin(δ/2)|
となり、角度分解能δが大きい程、誤差Eaが大きくなり、受信側での誤マッチングの可能性が高くなる。
そのため、データ量が少なく、且つ、道路形状からの誤差も少なくなるようにリサンプルすることが求められる。
【0018】
▲2▼サンプリング点の位置を示す角度成分をδ単位で量子化する場合は、図23に示すように、サンプリング点PJが何らかの事情で直線的な道路上から外れると、次のサンプリング点PJ+1は、道路形状からの「ずれ」をδ単位で補償しようとして、結果的に道路の反対側にずれた状態でリサンプルされ、これが繰り返されて、直線的な道路に対し、リサンプルによってサンプリング点がジグザグに配置される現象が発生する。
こうした「ジグザグ現象」は、受信側に道路形状を正しく伝達する際の妨げとなり、また、データの圧縮率を低下させる。
【0019】
▲3▼道路形状をサンプリング点の偏角または偏角予測差分値で表して送信する場合は、道路の線形形状をリサンプルした後、サンプリング点の位置を示す偏角または偏角予測差分値を量子化すると、量子化によって生じる誤差が後の方位に影響を与えるため、受信側で再現する形状が、図8(a)に示すように、元の形状から大幅にずれることがある。
【0020】
本発明は、こうした課題を解決するものであり、デジタル地図上の道路などの位置情報を表すデータであって、少ないデータ量で元の形状を正確に再現できる圧縮データを生成することができるデジタル地図の位置情報圧縮方法を提供し、また、その方法を実施する装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明のデジタル地図の位置情報圧縮方法では、角度の量子化単位となる角度分解能を、リサンプルの間隔を規定するリサンプル長の長さに応じて設定し、デジタル地図に含まれる線形形状を一または複数の区間に分け、区間内の線形形状を一定のリサンプル長でリサンプルして、前記線形形状の位置を、サンプリング点の位置を示す量子化した角度情報のデータ列で表し、前記データ列のデータを可変長符号化するようにしている。
このように、角度分解能とリサンプル長とを連動させて、リサンプル長が長い場合は角度分解能を小さくし、リサンプル長が短い場合は角度分解能を大きくすることにより、道路などの位置情報を、少ないデータ量で、正確に伝えることが可能になる。
【0022】
また、本発明では、角度分解能の大きさを、偏角の絶対値の大きさに応じて変更し、偏角の絶対値が小さいときの角度分解能を小さく設定している。
こうすることで、「ジグザグ現象」を抑えることができる。
【0023】
また、本発明では、線形形状をリサンプルするとき、隣接するサンプリング点から、量子化した角度が取り得る各方向のリサンプル長だけ離れた位置に複数の候補点を設定し、前記候補点の中で線形形状に最も近い候補点をサンプリング点に設定している。
こうすることで、量子化によって生じる誤差が後の方位に影響を与える状態を回避することができ、再現形状が元の形状から大きくずれることを防ぐことができる。
【0024】
また、本発明では、情報提供装置に、角度の量子化単位となる角度分解能を、リサンプルの間隔を規定するリサンプル長の長さに応じて設定する角度分解能決定手段と、デジタル地図に含まれる対象道路の道路形状を一または複数の区間に分け、区間内の道路形状を、一定のリサンプル長と、前記リサンプル長の長さに応じて設定された角度分解能とを用いてリサンプルし、サンプリング点の位置を示す量子化した角度情報のデータ列を生成する形状データリサンプル処理手段と、前記データ列のデータを可変長符号化する可変長符号化手段とを設け、対象道路の位置情報として、可変長符号化手段で符号化したデータを提供するように構成している。
この情報提供装置は、本発明のデジタル地図の位置情報圧縮方法を用いて、交通情報の対象道路や目的地までの経路情報などのデータを圧縮して提供することができる。
【0025】
また、本発明では、プローブカー車載機に、自車位置を検出する自車位置判定手段と、走行軌跡を蓄積する蓄積手段と、走行軌跡の形状または車両に搭載されたセンサー情報に基づいて、リサンプルの間隔を規定するリサンプル長を決定し、角度の量子化単位となる角度分解能をリサンプル長の長さに応じて決定するリサンプル長角度分解能決定手段と、リサンプル長角度分解能決定手段が決定したリサンプル長と角度分解能とを用いて走行軌跡をリサンプルし、サンプリング点の位置を示す量子化した角度情報のデータ列を生成する走行軌跡リサンプル処理手段と、このデータ列のデータを可変長符号化する可変長符号化手段とを設け、走行軌跡の情報として、可変長符号化手段で符号化したデータを提供するように構成している。
このプローブカー車載機は、本発明のデジタル地図の位置情報圧縮方法を用いて、走行軌跡のデータを圧縮し、プローブ情報収集センタに提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態では、角度分解能(即ち、量子化単位)δをリサンプル長Lに応じて変更することにより、リサンプルで設定するサンプリング点の道路位置からのずれを小さくする方法について説明する。
前述するように、道路形状をリサンプル長L、角度成分の量子化単位δでリサンプルする場合には、サンプリング点の位置と道路位置との誤差Eaの最大値が(L×|sin(δ/2)|)に略等しい。
【0027】
この距離誤差Eaの最大値と、リサンプル長L及び量子化単位δとの関係を図5に示している。受信側での誤マッチングの発生は、道路形状とサンプリング点との距離誤差Eaに大きく関係し、距離誤差Eaが大きければ誤マッチングの可能性は高くなり、距離誤差Eaが小さければ誤マッチングの可能性は低くなる。図5から分かるように、δ=3°でリサンプル長Lが1280mの場合には、33.5mの誤差が発生する。これに対して、リサンプル長Lが短い場合には、δ=6°であっても(言い換えれば、多少角度にずれがあっても)、距離誤差Eaは数m以内に収まり、誤マッチングの可能性が低くなる。
【0028】
一方、圧縮符号化して生成したデータのデータサイズは、δが大きいほど減少し、また、リサンプル長Lが長いほど減少する。
従って、リサンプル長Lを長く設定したときは、距離誤差Eaを抑えるためにδを小さく設定しても、データサイズの増大は避けることができ、また、リサンプル長Lを短く設定したときは、δを大きく設定してデータサイズを抑制しても、距離誤差Eaを小さく抑えることができる。
【0029】
図1は、この実施形態の位置情報圧縮方法で設定するリサンプル長Lと量子化単位δとの関係を模式的に示している。円の半径はリサンプル長Lを表し、複数に分割された各扇形の中心角がδを表している。図1(b)のリサンプル長Lbは、図1(a)のリサンプル長Laの2倍の長さを有しており、また、図1(b)における量子化単位δbは、図1(b)の各扇形の弧の長さが、図1(a)の各扇形の弧の長さと等しくなるように設定している。この場合、δbは、略δaの1/2である。そのため、180°の範囲の角度が、図1(a)では9個の量子化量で表され、また、図1(b)では、17個の量子化量で表される。
【0030】
このように、各扇形の弧の長さが一定となるようにリサンプル長Lと量子化単位δとの関係を設定すれば、距離誤差Eaの最大値は、リサンプル長Lに関わらず一定になる。従って、量子化単位δをリサンプル長Lに応じて変更するリサンプル方法により、距離誤差Eaを許容誤差以内に抑えることができる。
【0031】
また、量子化された範囲の角度は、全てその量子化量を代表する角度(代表化角度)に丸める。代表化角度には、対応する量子化範囲の中央値(または最大値、最小値、若しくは、あらかじめ決めた値)を設定する。図1(a)には、+3で表された量子化範囲の代表化角度を点線の矢印で示している。また、各量子化範囲の代表化角度は、偏角0からの量子化値(0、+1、−1、+2、−2、・・)で表す。従って、図1(a)のリサンプル長及び量子化単位でリサンプルする場合は、180°の範囲の角度が0、±1、±2、±3、±4の9個の量子化値で表され、図1(b)のリサンプル長及び量子化単位でリサンプルする場合は、180°の範囲の角度が0、±1、±2、±3、±4、±5、±6、±7、±8の17個の量子化値で表される。
【0032】
図4は、この実施形態の位置情報圧縮方法を実施する送信側のリサンプル手順を示し、また、図2は、この方法で交通情報を提供する交通情報提供システムの構成を示している。
【0033】
このシステムは、交通情報を提供する情報送信装置20と、提供された交通情報を活用する、車載用ナビゲーション装置やパーソナルコンピュータなどの情報活用装置40とから成り、情報送信装置20は、渋滞情報や交通事故情報などが入力される事象情報入力部21と、デジタル地図データベースA22から交通情報の対象道路区間の形状データを抽出する形状データ抽出部23と、サンプリング点と道路位置との間の許容誤差を決定する許容誤差決定部24と、許容誤差に基づいてリサンプル長Lと角度分解能δとの関係を決定するリサンプル長角度分解能決定部25と、形状データ抽出部23で抽出された形状データをリサンプルしてδで量子化したサンプリング点の位置データ列を生成する形状データリサンプル処理部26と、形状データリサンプル処理部26が生成したデータを圧縮符号化する可変長符号化処理部28と、圧縮符号化された道路形状データを蓄積して外部メディアに蓄積データを提供する圧縮データ蓄積部27と、圧縮符号化された道路形状データを送信する形状データ送信部29とを備えている。
【0034】
一方、情報活用装置40は、提供された道路形状データを受信する形状データ受信部41と、圧縮符号化されているデータを復号する符号化データ復号部42と、サンプリング点の位置データを復元する形状データ復元部43と、デジタル地図データベースB46のデータを用いてマップマッチングを行い、サンプリング点で表された道路区間をデジタル地図上で特定するマップマチング部45と、得られた交通情報を活用する情報活用部44とを備えている。
【0035】
情報送信装置20では、図4のフロー図に示すように、リサンプル長角度分解能決定部25が、許容誤差決定部24で決定された許容誤差に基づいて、各リサンプル長での角度分解能δを決定する(ステップ1)。この決定に従って、例えば、図3に示すように、リサンプル長に応じた角度分解能の定義表が設定される。この定義表のデータは、情報活用装置40との間で予め取り決めておいても良いし、交通情報を提供する際に情報活用装置40に送信するようにしても良い。
【0036】
形状データリサンプル処理部26は、形状データ抽出部23で抽出された対象道路の形状データを曲率関数に変換し(ステップ2)、偏角から各区間のリサンプル長Lを決定する(ステップ3)。こうして、図6に示すように、道路形状の曲率が小さい(=偏角が小さい)区間を等距離リサンプルするためのリサンプル長L1が、その偏角に応じて決定され、曲率が大きい(=偏角が大きい)区間を等距離リサンプルするためのリサンプル長L2(<L1)が、その偏角に応じて決定される。
【0037】
対象道路の各区間のリサンプル長Lを決定した形状データリサンプル処理部26は、リサンプル長Lに応じた角度分解能δを定義表(図3)から読み出し、角度分解能δの代表化角度によって各区間をリサンプルする(ステップ4)。
代表化角度によるリサンプルでは、図7に示すように、サンプリング点PJをリサンプルする場合に、その前のサンプリング点PJ−1から各量子化範囲の代表化角度の方向に延びる線上で、サンプリング点PJ−1からリサンプル長Lだけ離れた地点をサンプリング点PJの候補点として仮設定し、この候補点の中で、道路形状に最も近い候補点をサンプリング点PJとして設定する。
【0038】
形状データリサンプル処理部26は、サンプリング点の偏角を量子化値で表し、リサンプル長Lの変更位置及びLの長さを示すリサンプル区間長変更コードと、各サンプリング点の量子化値(偏角量子化値)とを羅列したデータ列を対象道路の形状データとして生成する(ステップ5)。可変長符号化処理部28は、この形状データを可変長符号化する(ステップ6)。
情報送信装置20が、こうしたリサンプルを行うことにより、送信データ量が小さく、且つ、対象道路からの距離誤差が少ないサンプリング点の位置情報を提供することができる。
【0039】
なお、ここで留意すべきは、ステップ4において、角度分解能δの代表化角度上に設定した候補点と道路形状との距離を直接調べて、リサンプルを実施している点である。こうした方法を採らずに、道路形状の上にサンプリング点をリサンプルして、その位置情報を細かい角度(例えば、1°単位)で表し、次いで、この角度をδで量子化する場合には、リサンプル点を繋いだリサンプル形状が、元の道路形状から大きくずれる現象が発生する。図8(a)は、1°単位でサンプリング点をリサンプルした後、この角度データを角度分解能3°で量子化した場合のリサンプル形状を地図上に重ねて示している。この場合、▲1▼の地点において量子化過程での偏角のずれが発生し、それ以降、その方位ずれが影響して、道路形状からのずれが拡大している。
【0040】
一方、図8(b)は、ステップ4の方法で、当初から角度分解能3°単位でリサンプルを行ったときのリサンプル形状を示している。この場合には、道路形状とのずれが発生していない。これは、この方法の場合、ある箇所で量子化過程での偏角のずれが発生しても、次のリサンプル点で、その誤差がキャンセルされ、それ以降に誤差を引きずらないためである。
【0041】
また、量子化単位δをリサンプル長Lに応じて切り換えるリサンプル方法を採る場合は、可変長符号化すべきデータの統計的な偏りを助長することができ、符号化によるデータ圧縮率を高めることができる。この点を、図9を用いて説明する。
【0042】
道路形状が直線的であり、リサンプル長が長い場合には、図9(c)に示すように、道路形状データに占める偏角0°のデータの割合は極めて高い。しかし、道路形状が曲線的であり、リサンプル長が短い場合には、図9(a)に示すように、道路形状データに占める偏角0°のデータの割合は、それ程高くない。道路形状データを偏角で表現する場合は、図9(a)及び図9(c)の状態が混在するため、図9(b)に示すように、道路形状データの偏角0°への集中度は、それ程高くない。
【0043】
一方、本発明のリサンプル方法を適用して、道路形状データを量子化表現するときは、リサンプル長が短い場合に、量子化単位δを大きく取るので、図9(d)に示すように、量子化値0への集中度が増加する。また、リサンプル長が長い場合は、元々偏角0°への集中度が高いため、図9(e)に示すように、量子化表現によっても、量子化値0への集中度は低下しない。その結果、道路形状データを量子化表現する場合は、図9(f)に示すように、多くのデータが量子化値0周辺に集中する。
そのため、可変長符号化によるデータ圧縮率が向上する。
【0044】
次に、本発明のリサンプル方法を用いた場合に、道路形状との距離誤差が少ないリサンプル形状が得られることを、実際のリサンプル結果を用いて説明する。図10(a)は、曲線的な山岳道路をδ=2°でリサンプルしたときのリサンプル形状を地図上に重ねて示している。リサンプル長Lは、
L=Kr・ρ
(但し、ρ:道路形状の曲率半径、Kr:係数)
により設定し、Kr=0.4としている。山岳道路ではρが小さいため、リサンプル長Lは短い。
【0045】
また、図10(b)は、同一の山岳道路について、δだけをδ=6°に変更し、その他の条件は図10(a)の場合と全て同じに設定してリサンプルした場合のリサンプル形状を示している。
図10(a)及び図10(b)のいずれにおいても、リサンプル形状と道路形状との距離誤差は小さい。この結果、リサンプル長Lが短い場合には、δを大きく設定しても、距離誤差の小さいリサンプル形状が得られることが明らかである。
【0046】
また、図11(a)は、緩やかにカーブする高速道路を図10(a)の場合と同じ条件でリサンプルした場合のリサンプル形状を示している。この道路ではρが大きいため、リサンプル長Lは長い。なお、地図の縮尺は図10(a)と同じである。
また、図11(b)は、同一の高速道路について、δだけをδ=6°に変更し、その他の条件は図11(a)の場合と全て同じに設定してリサンプルした場合のリサンプル形状を示している。
【0047】
図11(a)では、リサンプル形状と道路形状との距離誤差は小さい。しかし、図11(b)では、この距離誤差が大きい。この結果から、リサンプル長Lが長い場合には、リサンプル形状と道路形状との距離誤差を小さくするために、角度分解能δを小さく設定する必要があることが明らかである。
また、図12には、図10(a)、図10(b)、図11(a)及び図11(b)のそれぞれに示すリサンプル形状のデータを圧縮符号化した状態でのデータサイズを示している。
【0048】
これらのことから、リサンプル長が短い場合は、角度分解能δを大きく設定することにより、リサンプル形状と道路形状との距離誤差を小さく保ったまま、データ量を少なくできること、また、リサンプル長が長い場合は、角度分解能δを小さく設定することにより、データ量の増加を抑えつつ、距離誤差を小さくできることが明らかである。
【0049】
なお、ここでは、交通情報の対象道路に関する道路形状データを受信した情報活用装置40が、マップマッチングを行って、デジタル地図上で対象道路を特定する例を示したが、情報送信装置20が、図8(b)や図10(b)、図11(a)に示すように、道路形状との誤差が小さいリサンプル形状の形状データを送信する場合には、受信側でのマップマッチングは、必ずしも必要としない。
【0050】
また、ここではデジタル地図の道路形状を伝達する場合について説明したが、本発明の位置情報圧縮方法は、道路に限らず、河川や鉄道線路、行政境界線、等高線など、デジタル地図における各種の線形形状の位置情報を圧縮して伝達する場合に適用できる。
【0051】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、直線道路のリサンプル形状に現れる「ジグザグ現象」を緩和する方法について説明する。
図13(a)は、道路形状(点線)の折り曲がり箇所で、道路上から外れたリサンプル形状(実線)が、その後、ジグザグ状に道路形状をトレースする様子を示している。このジグザグ現象は、角度分解能δが設定され、道路形状をトレースする際に、利用できる角度に限りがあるために必然的に発生する。また、この現象は、δの値を大きくするほど、利用できる角度が一層限定されるので、発生頻度が高くなり、また、道路形状からの距離誤差の最大値が大きくなる。そのため、格子状道路が高い密度で存在する東京や京都等の都市部では、隣接道路に誤マッチングする可能性も出てくる。また、この現象が発生すると、直線道路でありながらデータの圧縮率が落ちることになる。
【0052】
こうしたジグザグ現象を緩和するため、図14に示すように、偏角0周辺での角度分解能δの値を小さく設定し、偏角が大きなところではδの値を大きく設定する。このようにすると、図13(b)に示すように、偏角が増大する道路形状の折れ曲がり箇所では、角度分解能δが大きいため、ジグザグ現象は発生するが、偏角が0に近い道路形状の直線部分では、角度分解能δが小さいため、ジグザグ現象の発生頻度が低下して、ジグザグ現象の発生が抑えられ、あるいは、ジグザグ現象が発生したとしても、道路形状との誤差は減少する。
【0053】
そのため、道路のカーブの前後では一瞬距離誤差が大きくなるものの、その後の直線部分では精度良く道路形状をトレースすることができ、リサンプル形状全体の質を上げることができる。
なお、角度分解能δを細かく設定する偏角範囲は、対象道路の形状等を考慮して適宜決定する。
【0054】
図15は、リサンプル長Lと偏角範囲とに応じて角度分解能δを定義した定義表の一例を示している。この定義表のデータは、符号化した道路形状データを送信する送信側(エンコーダ)と、それを復号する受信側(デコーダ)との間で予め取り決めておいても良いし、また、データとしてエンコーダからデコーダに送信するようにしても良い。
【0055】
また、角度分解能の定義を式で表して、そのパラメータをあらかじめエンコーダとデコーダとの間で取り決めておくようにしても良い。あるいは、角度分解能の定義式をエンコーダとデコーダとの間であらかじめ決めておき、パラメータのみをエンコーダからデコーダに送信するようにしても良い。
【0056】
例えば、基準リサンプル長(Lo)及び基準偏角に対応する角度分解能をδo°として、リサンプル長がLの時の角度分解能δを次のように定義する。
・|θ|≦10のとき
δ=Min(Round(1.0×δo×(Lo/L)),δ1)
(なお、「Round」は、端数を四捨五入することを表す。δは、(1.0×δo×(Lo/L))を四捨五入した値、またはδ1のいずれか小さい方となる)
・10<|θ|≦30のとき
δ=Min(Round(1.3×δo×(Lo/L)),δ2)
・30<|θ|のとき
δ=Min(Round(2.5×δo×(Lo/L)),δ3)
【0057】
そして、エンコーダからデコーダにLo,δo,δ1,δ2,δ3の値を送信する。
この定義式によれば、δは、|θ|≦10のとき、δ1を超えず、10<|θ|≦30のとき、δ2を超えず、また、30<|θ|のとき、δ3を超えない。即ち、δ1,δ2,δ3の値は、各偏角範囲における角度分解能δの最大値を示している。
【0058】
図16のフロー図は、この場合のリサンプル処理の手順を示している。
各リサンプル長の各偏角における角度分解能δを決定し(ステップ10)、対象道路の形状データを曲率関数に変換し(ステップ2)、偏角から各区間のリサンプル長Lを決定する(ステップ3)。次いで、リサンプル長L及び偏角に応じた角度分解能δの代表化角度によって各区間をリサンプルする(ステップ40)。その後の処理は、図4のステップ5及びステップ6と変わりがない。
【0059】
このように、角度分解能の大きさを、偏角の絶対値の大きさに応じて変更し、偏角の絶対値が小さいときの角度分解能を小さく設定することにより、ジグザグ現象が抑制できる。
【0060】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態では、予め与えられた許容誤差に基づいて角度分解能δを決定するリサンプル処理について説明する。
道路形状とリサンプル形状との許容誤差Eoが、あらかじめ与えられた場合には、
Eaの最大値=L×|sin(δ/2)|
の式から、
δ≦2・sin−1(Eo/L)
を満たすことが必要になる。そのため、δの最大値δaを決めて、次式(1)によりδを決定する。
δ=Min(Round(2・sin−1(Eo/L)),δa) (1)
ここでは、最大値δaを設定しているため、リサンプル長が短くてEoに達しない場合でも、適切な角度分解能を設定することができる。
【0061】
図17は、この場合のリサンプル処理の手順を示している。許容誤差Eoを決定し(ステップ20)、式(1)により各リサンプル長における角度分解能δを決定し、代表化角度を算出する(ステップ21)。それ以降の手順は、図16のステップ2〜6と変わりがない。
【0062】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態では、予め与えられた許容誤差に基づいてリサンプル長を制限するリサンプル処理について説明する。
道路形状とリサンプル形状との許容誤差Eoが、あらかじめ与えられた場合には、
Eaの最大値=L×|sin(δ/2)|
の式から、Lは、次式(2)の関係を満たすことが必要になる。
L≦Eo/|sin(δ/2)| (2)
Lとδとの関係が図3や図15に示す定義表で規定されている場合に、式(2)の条件を満たすリサンプル長Lのみを使用してリサンプル処理を行う。
【0063】
図18は、この場合のリサンプル処理手順を示している。許容誤差Eoを決定し(ステップ20)、各リサンプル長の各偏角における角度分解能δを決定し(ステップ10)、Eoと定義表で規定されているδとから、式(2)により、使用可能なリサンプル長を決定する(ステップ30)。それ以降の手順は、図16のステップ2〜6と変わりがない。
【0064】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態では、本発明の位置情報圧縮方法を用いて圧縮されたプローブ情報を収集するプローブ情報収集システムについて説明する。
このシステムは、図19に示すように、プローブ情報を提供するプローブカー車載機60と、プローブ情報を収集するプローブ情報収集センタ50とから成り、プローブカー車載機60は、GPSアンテナ73から受信する情報やジャイロ74の検知情報を基に自車位置を判定する自車位置判定部61と、速度を検出するセンサ70と、ハンドル舵角を検出するセンサ71と、横方向の加速度(横G)を検出するセンサ72と、デジタル地図のデータベース69と、リサンプル形状と道路位置との間の許容誤差を決定する許容誤差決定部67と、リサンプルに用いるリサンプル長L及び角度分解能δを決定するリサンプル長角度分解能決定部68と、自車の走行軌跡を蓄積する走行軌跡蓄積部62と、走行軌跡をリサンプルしてリサンプル形状のデータを生成する走行軌跡形状リサンプル処理部63と、走行軌跡形状リサンプル処理部63が生成したデータを圧縮符号化する可変長符号化処理部64と、圧縮符号化された走行軌跡形状データを蓄積する圧縮データ蓄積部65と、圧縮符号化された走行軌跡形状データを送信する走行軌跡送信部66とを備えている。
【0065】
一方、プローブ情報収集センタ50は、プローブカー車載機60から提供された走行軌跡形状データを受信する走行軌跡受信部51と、圧縮符号化されている受信データを復号化する符号化データ復号部52と、復号化されたデータから走行軌跡形状を復元する走行軌跡形状復元部53と、プローブカー車載機60から収集した走行軌跡や計測情報を交通情報の生成に活用する走行軌跡計測情報活用部54とを備えている。
【0066】
プローブカー車載機60の走行軌跡蓄積部62には、自車位置判定部61で検出された自車位置が走行軌跡として順次蓄積される。リサンプル長角度分解能決定部68は、センサ70、71、72で検知された速度、ハンドル舵角、横Gの情報や、デジタル地図データベース69から取得した道路形状から、走行軌跡の曲率の大小を判定し、その曲率の大きさや、許容誤差決定部67で決定された許容誤差に基づいて、リサンプルに使用するリサンプル長及び角度分解能δを決定する。
【0067】
走行軌跡形状リサンプル処理部63は、プローブ情報の送信時期に、走行軌跡蓄積部62に蓄積された走行軌跡データを読み出し、リサンプル長角度分解能決定部68が決定したリサンプル長及び角度分解能δを用いて走行軌跡形状をリサンプルし、偏角量子化値が羅列された走行軌跡形状データを生成する。
可変長符号化処理部64は、このデータを可変長符号化して圧縮する。圧縮符号化されたデータは、プローブ情報収集センタ50に送信される。また、このデータは、外部メディアに格納してプローブ情報収集センタ50に提供される場合もある。
プローブ情報収集センタ50は、プローブカー車載機60から収集したデータを復号化した後、走行軌跡形状を復元し、プローブカー車載機60で計測された速度等の計測情報と併せて交通情報の生成に活用する。
【0068】
このプローブカー車載機60のリサンプル長角度分解能決定部68及び走行軌跡形状リサンプル処理部63は、第1の実施形態〜第4の実施形態で説明したリサンプル方法を用いて、リサンプル長及び角度分解能δを決定し、走行軌跡のリサンプルを実行する。
そのため、プローブカー車載機60は、少ないデータ量で、正確に走行軌跡を伝えることができる。
【0069】
なお、本発明の位置情報圧縮方法は、道路だけでなく、デジタル地図の他の地図データを圧縮する場合にも適用できる。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の位置情報圧縮方法では、デジタル地図における道路などの線形形状の位置情報を、少ないデータ量で元の形状を正確に再現できる圧縮データに変えることができる。
そのため、データの伝送コストや伝送負担を軽減することができ、また、データを蓄積媒体に記録して伝える場合は、蓄積媒体の蓄積効率を高めることができる。また、元の線形形状との誤差が小さいので、伝達された情報からデジタル地図上の線形形状の位置を特定することが容易であり、マップマッチングを行って線形形状の位置を特定する場合には、誤マッチングの発生が回避できる。
【0071】
また、本発明の装置は、この位置情報圧縮方法を実行して少ないデータ量の圧縮データを生成し、伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるリサンプル方法で用いるリサンプル長と角度分解能δとの関係を示す図
【図2】本発明の第1の実施形態における交通情報提供システムの構成を示すブロック図
【図3】本発明の第1の実施形態におけるリサンプル方法で用いる角度分解能の定義表を示す図
【図4】本発明の第1の実施形態におけるリサンプル方法の手順を示すフロー図
【図5】リサンプル長及び角度分解能δと距離誤差との関係を示す図
【図6】本発明の第1の実施形態におけるリサンプル方法でリサンプル長の切り替えが行われる道路形状を示す図
【図7】本発明の第1の実施形態においてリサンプル点を設定する手順を説明する図
【図8】従来の方法で得られるリサンプル形状(a)と、本発明の第1の実施形態における方法で得られるリサンプル形状(b)とを示す図
【図9】本発明の第1の実施形態におけるリサンプル方法で得られるデータの統計的偏りを示す図
【図10】リサンプル長が短い場合に、角度分解能δを変えたときのリサンプル形状の変化を示す図
【図11】リサンプル長が長い場合に、角度分解能δを変えたときのリサンプル形状の変化を示す図
【図12】山岳道路及び高速道路をリサンプルしたときの角度分解能δに応じたデータサイズを示す図
【図13】ジグザグ形状を示すリサンプル形状(a)と、本発明の第2の実施形態におけるリサンプル方法で得られるリサンプル形状(b)とを示す図
【図14】本発明の第2の実施形態におけるリサンプル方法で用いるリサンプル長と角度分解能δとの関係を示す図
【図15】本発明の第2の実施形態におけるリサンプル方法で用いる角度分解能の定義表を示す図
【図16】本発明の第2の実施形態におけるリサンプル方法の手順を示すフロー図
【図17】本発明の第3の実施形態におけるリサンプル方法の手順を示すフロー図
【図18】本発明の第4の実施形態におけるリサンプル方法の手順を示すフロー図
【図19】本発明の第5の実施形態におけるプローブ情報収集システムの構成を示すブロック図
【図20】サンプリング点を角度成分で表す方法を説明する図
【図21】形状データの可変長符号化に用いる符号表を示す図
【図22】サンプリング点と道路形状との距離誤差の大きさを説明する図
【図23】リサンプル形状のジグザグ状態を説明する図
【符号の説明】
20 情報送信装置
21 事象情報入力部
22 デジタル地図データベースA
23 形状データ抽出部
24 許容誤差決定部
25 リサンプル長角度分解能決定部
26 形状データリサンプル処理部
27 圧縮データ蓄積部
28 可変長符号化処理部
29 形状データ送信部
40 情報活用装置
41 形状データ受信部
42 符号化データ復号部
43 形状データ復元部
44 情報活用部
45 マップマチング部
46 デジタル地図データベースB
50 プローブ情報収集センタ
51 走行軌跡受信部
52 符号化データ復号部
53 走行軌跡形状復元部
54 走行軌跡計測情報活用部
60 プローブカー車載機
61 自車位置判定部
62 走行軌跡蓄積部
63 走行軌跡形状リサンプル処理部
64 可変長符号化処理部
65 圧縮データ蓄積部
66 走行軌跡送信部
67 許容誤差決定部
68 リサンプル長角度分解能決定部
69 デジタル地図データベース
70 速度検出センサ
71 ハンドル舵角検出センサ
72 横Gセンサ
73 GPSアンテナ
74 ジャイロ
Claims (8)
- 角度の量子化単位となる角度分解能を、リサンプルの間隔を規定するリサンプル長の長さに応じて設定し、デジタル地図に含まれる線形形状を一または複数の区間に分け、区間内の線形形状を一定のリサンプル長でリサンプルして、前記線形形状の位置を、サンプリング点の位置を示す量子化した角度情報のデータ列で表し、前記データ列のデータを可変長符号化することを特徴とするデジタル地図の位置情報圧縮方法。
- 前記角度分解能の大きさを、前記リサンプル長が短いときに大きく設定することを特徴とする請求項1に記載の位置情報圧縮方法。
- 前記リサンプル長と前記角度分解能とによって決定される、線形形状とリサンプル形状との距離誤差が、あらかじめ規定した許容誤差を超えないように前記リサンプル長または角度分解能を設定することを特徴とする請求項1に記載の位置情報圧縮方法。
- 前記角度分解能の上限を設定することを特徴とする請求項2または3に記載の位置情報圧縮方法。
- 前記角度分解能の大きさを、偏角の絶対値の大きさに応じて変更し、偏角の絶対値が小さいときの前記角度分解能を小さく設定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の位置情報圧縮方法。
- 前記線形形状をリサンプルするとき、隣接するサンプリング点から、量子化した角度が取り得る各方向のリサンプル長だけ離れた位置に複数の候補点を設定し、前記候補点の中で前記線形形状に最も近い候補点をサンプリング点に設定することを特徴とする請求項1に記載の位置情報圧縮方法。
- 角度の量子化単位となる角度分解能を、リサンプルの間隔を規定するリサンプル長の長さに応じて設定する角度分解能決定手段と、
デジタル地図に含まれる対象道路の道路形状を一または複数の区間に分け、区間内の道路形状を、一定のリサンプル長と、前記リサンプル長の長さに応じて設定された角度分解能とを用いてリサンプルし、サンプリング点の位置を示す量子化した角度情報のデータ列を生成する形状データリサンプル処理手段と、
前記データ列のデータを可変長符号化する可変長符号化手段と
を備え、前記対象道路の位置情報として、前記可変長符号化手段が符号化したデータを提供することを特徴とする情報提供装置。 - 自車位置を検出する自車位置判定手段と、
走行軌跡を蓄積する蓄積手段と、
前記走行軌跡の形状または車両に搭載されたセンサー情報に基づいて、リサンプルの間隔を規定するリサンプル長を決定し、角度の量子化単位となる角度分解能を前記リサンプル長の長さに応じて決定するリサンプル長角度分解能決定手段と、
前記リサンプル長角度分解能決定手段が決定した前記リサンプル長と前記角度分解能とを用いて前記走行軌跡をリサンプルし、サンプリング点の位置を示す量子化した角度情報のデータ列を生成する走行軌跡リサンプル処理手段と、
前記データ列のデータを可変長符号化する可変長符号化手段と
を備え、前記走行軌跡の情報として、前記可変長符号化手段が符号化したデータを提供することを特徴とするプローブカー車載機。
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