JP2004294704A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】高速機における長期間の使用によっても性能が低下しないトナーを提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂を有するトナー粒子の表面にシリカを付着させ、結着樹脂のガラス転移温度Aを54℃以上とし、シリカの付着量B(wt%)を下記不等式を満足するようにする。
54≦A≦58のとき 1.2≧B≧−0.15×A+9.1 ・・・(1)
58<A のとき 1.2≧B≧0.4 ・・・・・・・・・(2)
ここで、静電潜像現像用トナーは磁性粉を含有した一成分系現像剤であるのが好ましく、またジャンピング現像に用いるのが好ましい。。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも結着樹脂を有するトナー粒子の表面にシリカを付着させ、結着樹脂のガラス転移温度Aを54℃以上とし、シリカの付着量B(wt%)を下記不等式を満足するようにする。
54≦A≦58のとき 1.2≧B≧−0.15×A+9.1 ・・・(1)
58<A のとき 1.2≧B≧0.4 ・・・・・・・・・(2)
ここで、静電潜像現像用トナーは磁性粉を含有した一成分系現像剤であるのが好ましく、またジャンピング現像に用いるのが好ましい。。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」と記すことがある)に関し、より詳細には長期間の使用に対しても優れた性能維持性を示すトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでの画像形成装置では部品交換の簡便性を重視して、感光体及びその周辺に配設された部材を現像ユニットとして一体化し、所定枚数画像を形成した後はこの現像ユニットを丸ごと新しいものと交換していた。しかし、環境に対する近年の意識の高まりと共に、使い捨て部品の低減および各部品の長寿命化が強く望まれるようになってきた。このような要望に対応するため複写機やプリンターなどの画像形成装置においても、現像ユニットを丸ごと交換する代わりに、消費された分のトナーを補給するだけで部品交換も行わずに長期間使用できる機種の検討・開発が種々なされた。この結果、画像形成速度が40枚/分程度以下のいわゆる低・中速機では前記目的の効果が得られるものが既に市販されるようになった。
また、結着樹脂の分子量分布などとともにトナ−粒子に付着させるシリカを2種類用い、それぞれのシリカの粒径比などを規定して、定着性を高め感光体汚染を低減するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−80796
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画像形成速度が40枚/分を超えるいわゆる高速機においては、部品交換を行うことなくトナー補給するだけで長期間(例えば5万枚)使用することは依然として難しかった。
また特許文献1記載のトナ−に関しても最低限必要なシリカの量が検討されておらず、
過剰に添加され気味であった。このように過剰にシリカを添加すると条件によってはカブリが発生することもかった。
【0005】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高速機における長期間の使用によっても性能が低下しないトナーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、少なくとも結着樹脂を有するトナー粒子の表面にシリカを付着させた静電潜像現像用トナーにおいて、前記結着樹脂のガラス転移温度A(以下、「Tg」と記すことがある)が54℃以上で、前記シリカの付着量B(wt%)が下記不等式を満足することを特徴とする静電潜像現像用トナーが提供される。
54≦A≦58℃のとき 1.2≧B≧−0.15×A+9.1・・・(1)
58<A のとき 1.2≧B≧0.4 ・・・・・・・・・(2)
【0007】
ここで、前記静電潜像現像用トナーは磁性粉を含有した一成分系現像剤であるのが好ましく、またジャンピング現像に用いるのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、高速機における長期間の使用によっても画像濃度(ID)やカブリ濃度(FD)などの画像特性が低下しないトナーを得るべく鋭意検討を重ねた結果、結着樹脂のTgとトナー粒子表面に付着するシリカ量とが画像特性の維持に与える影響が大きく、また両者は密接に関連していることを突き止め、本発明をなすに至った。
【0009】
すなわち、本発明のトナーの大きな特徴は、結着樹脂のTgを54℃以上とするとともに、トナー粒子表面のシリカの付着量を前記不等式(1)又は(2)を満足させることにある。まず、使用する結着樹脂のTgを54℃以上としたのは、結着樹脂のTgが54℃未満であると、長期間の使用によってトナーカートリッジや現像装置内でトナーが固まり画像濃度が低下するおそれがあるからである。他方、結着樹脂のTgの上限値については特に限定はないが、Tgが高すぎると紙などの被転写物にトナーが十分に定着しないことがあるから、Tgは90℃以下、特に70℃以下であることが望ましい。
【0010】
結着樹脂のTgを前記範囲にするには、樹脂の種類及び平均分子量や分子量分布などを調整すればよい。使用する樹脂としては特に限定はなく、例えばスチレン−アクリル樹脂やポリエステル樹脂を用いることができる。もちろん必要によりこれらの樹脂にその他の樹脂を併用してもよい。
【0011】
なお、本発明におけるトナー中の結着樹脂のガラス転移点とは、作製したトナー中の結着樹脂のガラス転移点のことである。ガラス転移点の測定方法は次のようである。
本発明においては、示差熱分析装置DSC−3200(MAC SCIENCE社製)を使用して吸熱曲線を求めた。測定試料を10mgとし、これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲25℃〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定した。
この時の結着樹脂のピークが出る前(転移が始まる前)の点における接線と結着樹脂におけるピークの低い方の変曲点における接線との交点をガラス転移点とした。図1にその例を示す。この例ではガラス転移点は60.5℃である。左側のピークが結着樹脂のピークであり、右側のピークは離型剤のピークである。
【0012】
スチレン−アクリル樹脂の基体となる単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロルスチレン、ヒドロキシスチレン等のスチレン誘導体;メタクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。
【0013】
上記各種単量体の混合物は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等任意の方法で重合し、本発明で使用する結着樹脂とすることができる。かかる重合に際し、使用できる重合開始剤としては過酸化アセチル、過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の公知の重合開始剤を使用することができる。これら重合開始剤は単量体総重量に対して0.1〜15重量%の範囲で使用するのが好ましい。
【0014】
またポリエステル樹脂は、主として多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものであって、多価カルボン酸類としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、1,2,4−ベンゼントリ4ルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、アゼライン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;これらカルボン酸の無水物や低級アルキルエステルが挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用される。
【0015】
ここで3価以上の成分の含有量は架橋度に依存し、所望の架橋度とするためにはその添加量を調整すればよい。一般的には、3価以上の成分の含有量は15mol%以下が好ましい。
【0016】
一方、ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール等のアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のアルキレンエーテルグリコール類;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族多価アルコール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類及びビスフェノール類のアルキレンオキサイドを挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0017】
なお、分子量の調整や反応の制御を目的として、モノカルボン酸、モノアルコールを必要により使用してもよい。モノカルボン酸としては、例えば安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、トルエンカルボン酸、サリチル酸、酢酸、プロピオン酸及びステアリン酸等が挙げられる。モノアルコールとしては、ベンジルアルコール、トルエン−4−メタノール、シクロヘキサンメタノールなどのモノアルコールが挙げられる。
【0018】
次に、本発明では、トナー粒子表面のシリカの付着量を前記不等式(1)又は(2)を満足するようにすることが重要である。結着樹脂のTgが58℃以下の範囲では、長期間の使用によってトナーが凝集し流動性が低下するおそれがある。これによりトナー帯電量が低下して画像濃度の低下し、またトナーの凝集によってトナー粒子表面からシリカが脱離しカブリ濃度の上昇を招く危険がある。そこで本発明のトナーでは、このような不具合を防止するために通常よりも多くのシリカをトナー粒子に付着させるのである。具体的には、結着樹脂のTgが58℃から54℃へ低下するに従ってトナーの凝集性が増すので、不等式(1)に示すように、このTgの範囲ではTgの低下に合わせてシリカの付着量を一定の割合で増加させる。他方、結着樹脂のTgが58℃を超える場合には、トナーの凝集は起こりにくくなるので、トナーの帯電性や流動性を確保するための最小限のシリカをトナー粒子に付着するだけでよい。つまり不等式(2)に示すように少なくとも最小限のシリカ(0.4%)をトナーに付着させる。なお、シリカの付着量が多いほどトナー流動性や帯電量が高くなり、画像特性の維持性が向上するが、シリカをトナー粒子に過剰に付着させてもトナーの流動性や帯電量はあるところで飽和し、シリカ付着量に対応するだけの充分な効果は得られずかぶりがひどくなる場合があるため、シリカ付着量の上限値としては実用上は1.2wt%程度が望ましい。
【0019】
本発明で使用するシリカとしては特に限定はなく、従来公知のものが使用できる。中でも疎水化したシリカが好適である。このような疎水化シリカは、例えば表面のケイ素原子がシラノール基となっている二酸化ケイ素微粉末を、オクチルトリクロルシランやデシルトリクロルシラン、4−イソプロピルフェニルトリクロルシランなどの化合物と反応させて、二酸化ケイ素微粉末の表面ケイ素原子に酸素原子を介して疎水性基を結合させたものである。このような疎水性シリカで市販されているものとしては、例えば「R972」、「R974」、「R202」、「R805」、「R812」(以上、デグサ社製);「M−5」、「MS−7」、「MS−75」、「HS−5」、「EH−5」、「TS−720」(以上、キャボット社製)などが挙げられる。またシリカの粒径としては一次粒子径で50nm以下が好ましく、より好ましくは20nm以下である。シリカとトナー粒子との混合は、例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、ターブラーミキサー、ハイブリダイザー等の従来公知の混合機を用いて行えばよい。
【0020】
その他トナー粒子表面に、トナーの帯電制御性や嵩密度(流動性)等を調整するために、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機微粉末;ポリメチルメタクリレート等の有機微粉末;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を付着させてもよい。これら表面処理剤の付着量は、トナー粒子当たり0.1〜2.0wt%の範囲が好ましい。
【0021】
本発明のトナーは、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレー造粒法、懸濁・乳化重合法等の従来公知の方法で製造し得るが、製造設備や生産性などの点から粉砕分級法が好適に使用できる。かかる粉砕分級法では、結着樹脂、そして必要により着色剤、磁性粉、電荷制御剤、離型剤などのトナー組成物をヘンシェルミキサーやV型混合機などで前混合した後、二軸押出機などの溶融混練装置を用いて溶融混練する。この溶融混練物を冷却した後、粗粉砕・微粉砕し、必要によりその後分級して、所定の粒径分布を有するトナー粒子とする。そして必要によりこのトナー粒子の表面をシリカで処理しトナーとする。
【0022】
トナーの体積平均粒径は6.0〜10.0μmが好ましい。トナーの体積平均粒径が前記範囲を外れると初期から画像濃度不足が生じ、また体積平均粒径が6.0μmより小さいとカブリ濃度が高くなるおそれがあるからである。体積平均粒径のより好ましい範囲は7.0〜8.5μmの範囲である。さらに、トナー粒径5μm以下の割合は6.0〜10.0vol%であることが好ましい。粒径5μm以下の割合が6.0vol%より少ないと初期から画像濃度不足が生じることがあり、他方10.0vol%より多いと画像濃度が不足すると共にカブリ濃度が高くなることがあるからである。より好ましい粒径5μm以下の割合は7.0〜9.0vol%の範囲である。。なお,作製したトナ−の体積平均粒径はコールタマルチサイザ−(コ−ルタ−社製)を用い,100μmのアパチャ−チュ−ブで測定する。
【0023】
本発明のトナーは一成分系・二成分系および磁性・非磁性のいずれであってもよいが、本発明の効果を充分に得る観点からは一成分系磁性トナーが望ましい。本発明のトナーが磁性トナーの場合には、その飽和磁化は16〜27Am2/kgの範囲が望ましい。トナー飽和磁化が16Am2/kgより小さいとカブリ濃度が高くなるおそれがあり、他方27Am2/kgより大きいと初期から画像濃度が不足するおそれがあるからである。より好ましい飽和磁化は20〜24Am2/kgの範囲である。なお、ここでいう飽和磁化は、TOEI社製「VSM−P7」を用いて、磁場79.6kA/m(1kOe)で測定したものである。
【0024】
本発明のトナーが磁性トナーの場合に結着樹脂に添加する磁性粉としては、四三酸化鉄(Fe3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe3O4)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガドリウム(Gd3Fe5O12)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、酸化鉄ネオジウム(NdFeO3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。特に好適な磁性粉は微粒子状四三酸化鉄(マグネタイト)である。好適なマグネタイトは正8面体状で、粒子径が0.05〜1.0μmのものである。このマグネタイト粒子は、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤等で表面処理されていてもよい。磁性粉の含有量は、結着樹脂100重量部当り50〜30重量部の範囲、特に70〜150重量部の範囲が好ましい。
【0025】
着色剤としては、例えば、ブラック用トナー着色剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等が挙げられる。イエロートナー用着色剤としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー4、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー93等のアゾ系顔料;黄色酸化鉄、黄土などの無機系顔料;C.I.アシッドイエロー1等のニトロ系染料;C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21等の油溶性染料などが挙げられる。マゼンタトナー溶着色剤としては、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、C.I.ディスパーズレッド15等が挙げられる。シアントナー用着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、C.I.ダイレクトブルー86等が挙げられる。これら着色剤の1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。着色剤の総含有量は結着樹脂100重量部当たり0.1〜20重量部、特に1〜15重量部の範囲が好ましい。
【0026】
また磁性トナーの場合は磁性粉によりトナー色彩は黒になるので、黒色トナーとして用いる場合には一般に着色剤を用いる必要がないが、着色補強としてカーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等をトナー粒子中に分散混合しても構わない。この場合の着色剤の含有量は結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部程度である。
【0027】
電荷制御剤としては、これまで公知の電荷制御剤を使用でき、例えば正帯電性電荷制御剤としては、ニグロシン染料、脂肪酸変性ニグロシン染料、カルボキシル基含有脂肪酸変性ニグロシン染料、四級アンモニウム塩、アミン系化合物、有機金属化合物等を使用でき、負帯電性電荷制御剤としては、オキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、金属錯塩染料やサリチル酸誘導体等を使用できる。電荷制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部当り0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
【0028】
離型剤としては、各種ワックス類や低分子量オレフィン系樹脂を使用することができる。ワックス類としては、例えば脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸の高級アルコールエステル、アルキレンビス脂肪酸アミド化合物、天然ワックスを使用することができる。低分子量オレフィン系樹脂としては、数平均分子量が1,000〜10,000、特に2,000〜6,000の範囲にあるポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体等を使用することができ、特にポリプロピレンを好適に使用することができる。離型剤の添加量は、結着樹脂100重量部当り0.1〜10重量部が好ましい。
【0029】
本発明のトナーを用いて感光体ドラム上の静電潜像を現像する方法としては、感光体ドラムの非露光部と逆極性の電荷を持ったトナーで静電潜像の現像を行う正現像法、および非露光部と同極性の電荷を持ったトナーで静電潜像の現像を行う反転現像法のいずれでもよく、また現像方式としてはトナー薄層と感光体が接触する接触現像方式および両者が接触しないジャンピング現像方式のいずれでもよいが、高品質の画像を得る観点からは反転現像法およびジャンピング現像方式が好ましく、さらにはこれらの組み合わせがより好ましい。この場合、感光体ドラムはトナーと同極性に帯電され、潜像部分の電荷が露光により除去される。そして現像部において現像スリーブと感光体ドラムとの間に、現像バイアスとして直流に交流を重畳した交互電圧が印加されて、現像スリーブ上のトナーが感光体ドラム上の電荷の除去された静電潜像にジャンピングし付着して、静電潜像がトナー像として可視像化される。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0031】
結着樹脂の製造例1
スチレン80重量部,アクリル酸ブチル20重量部からなるモノマ−溶液を,重合開始剤であるV−65(2,2‘−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル),和光純薬製)6重量部と溶媒としてのトルエン200重量部が入っている溶液中(コンデンサ−を具備し,トルエンを還流)に3時間かけて滴下し,滴下後60℃に保った状態で12時間重合した後,トルエンを減圧蒸留して除去し,表1記載の実施例1、比較例2、比較例7のトナ−用の結着樹脂No.1を得た。
【0032】
結着樹脂の製造例2
スチレン77.5重量部,アクリル酸ブチル22.5重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の実施例2及び比較例3のトナ−用の結着樹脂No.2を得た。
【0033】
結着樹脂の製造例3
スチレン75重量部,アクリル酸ブチル25重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の実施例3及び比較例5のトナ−用の結着樹脂No.3を得た。
【0034】
結着樹脂の製造例4
スチレン72.5重量部,アクリル酸ブチル27.5重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の実施例4のトナ−用の結着樹脂No.4を得た。
【0035】
結着樹脂の製造例5
スチレン70重量部,アクリル酸ブチル30重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の実施例5、比較例6及び比較例8のトナ−用の結着樹脂No.5を得た。
【0036】
結着樹脂の製造例6
スチレン65重量部,アクリル酸ブチル35重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の実施例6及び実施例7のトナ−用の結着樹脂No.6を得た。
【0037】
結着樹脂の製造例7
スチレン60重量部,アクリル酸ブチル40重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の実施例8及び比較例4のトナ−用の結着樹脂No.7を得た。
【0038】
結着樹脂の製造例8
スチレン82.5重量部,アクリル酸ブチル17.5重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の比較例1のトナ−用の結着樹脂No.8を得た。
【0039】
実験例1
結着樹脂No.1の100重量部と、帯電制御剤としてニグシロン系染料(N−01、オリエント化学製)を5重量部、磁性粉(EPT1000、戸田工業、平均粒径0.25μm、FeO含有量18wt%、八面体形状)、を40重量部、離型剤としてポリエチレンワックス(ユ−メックス100TS,三洋化成製)5重量部をそれぞれヘンシェルミキサーに投入・混合した後、二軸押し出し機で溶融混練してドラムフレーカーで冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した。次に機械式ミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して、体積平均粒径7.2μmのトナー粒子を作製した。そして、このトナー粒子に対して、表1に示す添加量でシリカ(HDK H2050EP、ワッカ−社製、粒径0.012μm)を投入し、ヘンシェルミキサーで高撹拌混合して正帯電性の磁性トナーを作製した。これらの磁性トナーについて下記耐刷試験を行った。結果を表1に合わせて示す。
【0040】
(耐刷試験)
前記作製した磁性トナーを図2に示す50枚/分の高速プリンター(京セラミタ製:LS−9500DN)に投入し、常温常湿(23±3℃/60±10RH)下で10,000(10k)枚の耐刷試験を行い、耐刷試験の前後で画像濃度(ID)およびカブリ濃度(FD)をそれぞれ測定した。なお、耐刷試験では,A4サイズ用紙(64g紙)を用い,用紙の短辺方向を用紙搬送方向として印字率5%の標準原稿を出力した。また,画像濃度とカブリ濃度の測定には耐久試験と同じA4サイズ用紙(64g紙)を用い,用紙の短辺方向を用紙搬送方向とし用い,測定用画像は,用紙に3X3cmのベタ画像部が3個,用紙の搬送方向中央部に用紙の搬送方向に対して10cm間隔で垂直に並んでいるものを用い,1つのベタ画像部に関して5箇所測定し,5枚の平均値を求めた。またカブリは上記の測定用画像が印刷された用紙の非印字部を1枚につき5箇所測定し,5枚の平均値を求めた。画像濃度は複写画像黒べた部の濃度を、カブリ濃度は非画像部の濃度をそれぞれ反射濃度計(東京電色社製の型番TC−6D)で測定した値である。なお、判定基準はIDの場合、1.300以上、FDの場合、0.008以下とした。
【0041】
ここで、図2のプリンターの構成を簡単に説明しておくと、まず帯電手段2により感光体1の表面を正極性に一様に帯電させる。つぎに露光手段3で感光体1の表面に静電潜像(露光部)を形成する。そして、現像装置4を用いて、内部に磁石を内蔵する現像スリーブ上に形成されたトナー薄層によって、前記静電潜像にトナーを付着させ可視像化する。転写手段5において、かかる感光体1上のトナー像を被転写部材7へ転写する。被転写部材7上のトナー像は、その後図示しない定着手段において熱及び圧力が加えられて被転写部材7上に溶融定着する。一方、感光体1上に残存する、転写しなかったトナーは、クリーニング手段6において、クリーニングブラシ61で予め清掃され、つぎにクリーニングブレード62によって完全に清掃される。なお、感光体として非晶質シリコン感光体を用い、バイアス電源として周波数2.5kHz、ピーク・ピーク電圧1.9kVの交流電圧に160Vの直流を重畳させたものを用い、感光ドラム上の潜像の表面電位を明部10V、暗部240Vにし、現像スリーブと感光ドラムの間隔を320μmに設定して非接触現像を行った。
【0042】
上述の結着樹脂No.2〜No.8を用いてトナ−用の結着樹脂No.1を用いた実施例1と同様にしてトナ−を作製してた後,表1に記載の付着量のシリカを付着させて実施例1と同様にして正帯電性の磁性トナーを作製した。実施例1と同様に図2に示す50枚/分の高速プリンター(京セラミタ製:LS−9500DN)に投入し、常温常湿(23±3℃/60±10RH)下で10,000(10k)枚の耐刷試験を行い、耐刷試験の前後で画像濃度(ID)およびカブリ濃度(FD)をそれぞれ測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
表1から明らかなように、実施例1〜8のトナーでは、IDについは初期・1万枚耐刷後ともに1.300以上と良好な結果であった。またFDについても初期・1万枚耐刷後ともに0.006以下と良好な結果であった。これに対して、結着樹脂のTgの低い比較例1のトナーでは耐刷後のIDが低かった。また、シリカの付着量の少ない比較例2〜6のトナーでは、耐刷後のIDが1.300未満と低く、また耐刷後のFDが0.009超と高かった。またシリカ添加量が1.2%より多い比較例7.8では初期からFDが0.009超と高かった。
【0045】
【発明の効果】
本発明のトナーでは、結着樹脂のTgを所定以上とし、且つシリカの付着量を所定の不等式を満足する範囲としたので、低・中速機のみならず高速機における長期間の使用によっても性能が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるガラス転移点を説明するための一例であるDSCによる吸熱曲線である。
【図2】耐刷試験に用いたプリンターの概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
2 帯電手段
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段
6 クリーニング手段
7 被転写部材
61 クリーニングブラシ
62 クリーニングブレード
【発明の属する技術分野】
本発明は静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」と記すことがある)に関し、より詳細には長期間の使用に対しても優れた性能維持性を示すトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでの画像形成装置では部品交換の簡便性を重視して、感光体及びその周辺に配設された部材を現像ユニットとして一体化し、所定枚数画像を形成した後はこの現像ユニットを丸ごと新しいものと交換していた。しかし、環境に対する近年の意識の高まりと共に、使い捨て部品の低減および各部品の長寿命化が強く望まれるようになってきた。このような要望に対応するため複写機やプリンターなどの画像形成装置においても、現像ユニットを丸ごと交換する代わりに、消費された分のトナーを補給するだけで部品交換も行わずに長期間使用できる機種の検討・開発が種々なされた。この結果、画像形成速度が40枚/分程度以下のいわゆる低・中速機では前記目的の効果が得られるものが既に市販されるようになった。
また、結着樹脂の分子量分布などとともにトナ−粒子に付着させるシリカを2種類用い、それぞれのシリカの粒径比などを規定して、定着性を高め感光体汚染を低減するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−80796
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画像形成速度が40枚/分を超えるいわゆる高速機においては、部品交換を行うことなくトナー補給するだけで長期間(例えば5万枚)使用することは依然として難しかった。
また特許文献1記載のトナ−に関しても最低限必要なシリカの量が検討されておらず、
過剰に添加され気味であった。このように過剰にシリカを添加すると条件によってはカブリが発生することもかった。
【0005】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高速機における長期間の使用によっても性能が低下しないトナーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、少なくとも結着樹脂を有するトナー粒子の表面にシリカを付着させた静電潜像現像用トナーにおいて、前記結着樹脂のガラス転移温度A(以下、「Tg」と記すことがある)が54℃以上で、前記シリカの付着量B(wt%)が下記不等式を満足することを特徴とする静電潜像現像用トナーが提供される。
54≦A≦58℃のとき 1.2≧B≧−0.15×A+9.1・・・(1)
58<A のとき 1.2≧B≧0.4 ・・・・・・・・・(2)
【0007】
ここで、前記静電潜像現像用トナーは磁性粉を含有した一成分系現像剤であるのが好ましく、またジャンピング現像に用いるのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、高速機における長期間の使用によっても画像濃度(ID)やカブリ濃度(FD)などの画像特性が低下しないトナーを得るべく鋭意検討を重ねた結果、結着樹脂のTgとトナー粒子表面に付着するシリカ量とが画像特性の維持に与える影響が大きく、また両者は密接に関連していることを突き止め、本発明をなすに至った。
【0009】
すなわち、本発明のトナーの大きな特徴は、結着樹脂のTgを54℃以上とするとともに、トナー粒子表面のシリカの付着量を前記不等式(1)又は(2)を満足させることにある。まず、使用する結着樹脂のTgを54℃以上としたのは、結着樹脂のTgが54℃未満であると、長期間の使用によってトナーカートリッジや現像装置内でトナーが固まり画像濃度が低下するおそれがあるからである。他方、結着樹脂のTgの上限値については特に限定はないが、Tgが高すぎると紙などの被転写物にトナーが十分に定着しないことがあるから、Tgは90℃以下、特に70℃以下であることが望ましい。
【0010】
結着樹脂のTgを前記範囲にするには、樹脂の種類及び平均分子量や分子量分布などを調整すればよい。使用する樹脂としては特に限定はなく、例えばスチレン−アクリル樹脂やポリエステル樹脂を用いることができる。もちろん必要によりこれらの樹脂にその他の樹脂を併用してもよい。
【0011】
なお、本発明におけるトナー中の結着樹脂のガラス転移点とは、作製したトナー中の結着樹脂のガラス転移点のことである。ガラス転移点の測定方法は次のようである。
本発明においては、示差熱分析装置DSC−3200(MAC SCIENCE社製)を使用して吸熱曲線を求めた。測定試料を10mgとし、これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲25℃〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定した。
この時の結着樹脂のピークが出る前(転移が始まる前)の点における接線と結着樹脂におけるピークの低い方の変曲点における接線との交点をガラス転移点とした。図1にその例を示す。この例ではガラス転移点は60.5℃である。左側のピークが結着樹脂のピークであり、右側のピークは離型剤のピークである。
【0012】
スチレン−アクリル樹脂の基体となる単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロルスチレン、ヒドロキシスチレン等のスチレン誘導体;メタクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。
【0013】
上記各種単量体の混合物は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等任意の方法で重合し、本発明で使用する結着樹脂とすることができる。かかる重合に際し、使用できる重合開始剤としては過酸化アセチル、過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の公知の重合開始剤を使用することができる。これら重合開始剤は単量体総重量に対して0.1〜15重量%の範囲で使用するのが好ましい。
【0014】
またポリエステル樹脂は、主として多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものであって、多価カルボン酸類としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、1,2,4−ベンゼントリ4ルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、アゼライン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;これらカルボン酸の無水物や低級アルキルエステルが挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用される。
【0015】
ここで3価以上の成分の含有量は架橋度に依存し、所望の架橋度とするためにはその添加量を調整すればよい。一般的には、3価以上の成分の含有量は15mol%以下が好ましい。
【0016】
一方、ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール等のアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のアルキレンエーテルグリコール類;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族多価アルコール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類及びビスフェノール類のアルキレンオキサイドを挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0017】
なお、分子量の調整や反応の制御を目的として、モノカルボン酸、モノアルコールを必要により使用してもよい。モノカルボン酸としては、例えば安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、トルエンカルボン酸、サリチル酸、酢酸、プロピオン酸及びステアリン酸等が挙げられる。モノアルコールとしては、ベンジルアルコール、トルエン−4−メタノール、シクロヘキサンメタノールなどのモノアルコールが挙げられる。
【0018】
次に、本発明では、トナー粒子表面のシリカの付着量を前記不等式(1)又は(2)を満足するようにすることが重要である。結着樹脂のTgが58℃以下の範囲では、長期間の使用によってトナーが凝集し流動性が低下するおそれがある。これによりトナー帯電量が低下して画像濃度の低下し、またトナーの凝集によってトナー粒子表面からシリカが脱離しカブリ濃度の上昇を招く危険がある。そこで本発明のトナーでは、このような不具合を防止するために通常よりも多くのシリカをトナー粒子に付着させるのである。具体的には、結着樹脂のTgが58℃から54℃へ低下するに従ってトナーの凝集性が増すので、不等式(1)に示すように、このTgの範囲ではTgの低下に合わせてシリカの付着量を一定の割合で増加させる。他方、結着樹脂のTgが58℃を超える場合には、トナーの凝集は起こりにくくなるので、トナーの帯電性や流動性を確保するための最小限のシリカをトナー粒子に付着するだけでよい。つまり不等式(2)に示すように少なくとも最小限のシリカ(0.4%)をトナーに付着させる。なお、シリカの付着量が多いほどトナー流動性や帯電量が高くなり、画像特性の維持性が向上するが、シリカをトナー粒子に過剰に付着させてもトナーの流動性や帯電量はあるところで飽和し、シリカ付着量に対応するだけの充分な効果は得られずかぶりがひどくなる場合があるため、シリカ付着量の上限値としては実用上は1.2wt%程度が望ましい。
【0019】
本発明で使用するシリカとしては特に限定はなく、従来公知のものが使用できる。中でも疎水化したシリカが好適である。このような疎水化シリカは、例えば表面のケイ素原子がシラノール基となっている二酸化ケイ素微粉末を、オクチルトリクロルシランやデシルトリクロルシラン、4−イソプロピルフェニルトリクロルシランなどの化合物と反応させて、二酸化ケイ素微粉末の表面ケイ素原子に酸素原子を介して疎水性基を結合させたものである。このような疎水性シリカで市販されているものとしては、例えば「R972」、「R974」、「R202」、「R805」、「R812」(以上、デグサ社製);「M−5」、「MS−7」、「MS−75」、「HS−5」、「EH−5」、「TS−720」(以上、キャボット社製)などが挙げられる。またシリカの粒径としては一次粒子径で50nm以下が好ましく、より好ましくは20nm以下である。シリカとトナー粒子との混合は、例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、ターブラーミキサー、ハイブリダイザー等の従来公知の混合機を用いて行えばよい。
【0020】
その他トナー粒子表面に、トナーの帯電制御性や嵩密度(流動性)等を調整するために、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機微粉末;ポリメチルメタクリレート等の有機微粉末;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を付着させてもよい。これら表面処理剤の付着量は、トナー粒子当たり0.1〜2.0wt%の範囲が好ましい。
【0021】
本発明のトナーは、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレー造粒法、懸濁・乳化重合法等の従来公知の方法で製造し得るが、製造設備や生産性などの点から粉砕分級法が好適に使用できる。かかる粉砕分級法では、結着樹脂、そして必要により着色剤、磁性粉、電荷制御剤、離型剤などのトナー組成物をヘンシェルミキサーやV型混合機などで前混合した後、二軸押出機などの溶融混練装置を用いて溶融混練する。この溶融混練物を冷却した後、粗粉砕・微粉砕し、必要によりその後分級して、所定の粒径分布を有するトナー粒子とする。そして必要によりこのトナー粒子の表面をシリカで処理しトナーとする。
【0022】
トナーの体積平均粒径は6.0〜10.0μmが好ましい。トナーの体積平均粒径が前記範囲を外れると初期から画像濃度不足が生じ、また体積平均粒径が6.0μmより小さいとカブリ濃度が高くなるおそれがあるからである。体積平均粒径のより好ましい範囲は7.0〜8.5μmの範囲である。さらに、トナー粒径5μm以下の割合は6.0〜10.0vol%であることが好ましい。粒径5μm以下の割合が6.0vol%より少ないと初期から画像濃度不足が生じることがあり、他方10.0vol%より多いと画像濃度が不足すると共にカブリ濃度が高くなることがあるからである。より好ましい粒径5μm以下の割合は7.0〜9.0vol%の範囲である。。なお,作製したトナ−の体積平均粒径はコールタマルチサイザ−(コ−ルタ−社製)を用い,100μmのアパチャ−チュ−ブで測定する。
【0023】
本発明のトナーは一成分系・二成分系および磁性・非磁性のいずれであってもよいが、本発明の効果を充分に得る観点からは一成分系磁性トナーが望ましい。本発明のトナーが磁性トナーの場合には、その飽和磁化は16〜27Am2/kgの範囲が望ましい。トナー飽和磁化が16Am2/kgより小さいとカブリ濃度が高くなるおそれがあり、他方27Am2/kgより大きいと初期から画像濃度が不足するおそれがあるからである。より好ましい飽和磁化は20〜24Am2/kgの範囲である。なお、ここでいう飽和磁化は、TOEI社製「VSM−P7」を用いて、磁場79.6kA/m(1kOe)で測定したものである。
【0024】
本発明のトナーが磁性トナーの場合に結着樹脂に添加する磁性粉としては、四三酸化鉄(Fe3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe3O4)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガドリウム(Gd3Fe5O12)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、酸化鉄ネオジウム(NdFeO3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。特に好適な磁性粉は微粒子状四三酸化鉄(マグネタイト)である。好適なマグネタイトは正8面体状で、粒子径が0.05〜1.0μmのものである。このマグネタイト粒子は、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤等で表面処理されていてもよい。磁性粉の含有量は、結着樹脂100重量部当り50〜30重量部の範囲、特に70〜150重量部の範囲が好ましい。
【0025】
着色剤としては、例えば、ブラック用トナー着色剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等が挙げられる。イエロートナー用着色剤としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー4、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー93等のアゾ系顔料;黄色酸化鉄、黄土などの無機系顔料;C.I.アシッドイエロー1等のニトロ系染料;C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21等の油溶性染料などが挙げられる。マゼンタトナー溶着色剤としては、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、C.I.ディスパーズレッド15等が挙げられる。シアントナー用着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、C.I.ダイレクトブルー86等が挙げられる。これら着色剤の1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。着色剤の総含有量は結着樹脂100重量部当たり0.1〜20重量部、特に1〜15重量部の範囲が好ましい。
【0026】
また磁性トナーの場合は磁性粉によりトナー色彩は黒になるので、黒色トナーとして用いる場合には一般に着色剤を用いる必要がないが、着色補強としてカーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等をトナー粒子中に分散混合しても構わない。この場合の着色剤の含有量は結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部程度である。
【0027】
電荷制御剤としては、これまで公知の電荷制御剤を使用でき、例えば正帯電性電荷制御剤としては、ニグロシン染料、脂肪酸変性ニグロシン染料、カルボキシル基含有脂肪酸変性ニグロシン染料、四級アンモニウム塩、アミン系化合物、有機金属化合物等を使用でき、負帯電性電荷制御剤としては、オキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、金属錯塩染料やサリチル酸誘導体等を使用できる。電荷制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部当り0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
【0028】
離型剤としては、各種ワックス類や低分子量オレフィン系樹脂を使用することができる。ワックス類としては、例えば脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸の高級アルコールエステル、アルキレンビス脂肪酸アミド化合物、天然ワックスを使用することができる。低分子量オレフィン系樹脂としては、数平均分子量が1,000〜10,000、特に2,000〜6,000の範囲にあるポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体等を使用することができ、特にポリプロピレンを好適に使用することができる。離型剤の添加量は、結着樹脂100重量部当り0.1〜10重量部が好ましい。
【0029】
本発明のトナーを用いて感光体ドラム上の静電潜像を現像する方法としては、感光体ドラムの非露光部と逆極性の電荷を持ったトナーで静電潜像の現像を行う正現像法、および非露光部と同極性の電荷を持ったトナーで静電潜像の現像を行う反転現像法のいずれでもよく、また現像方式としてはトナー薄層と感光体が接触する接触現像方式および両者が接触しないジャンピング現像方式のいずれでもよいが、高品質の画像を得る観点からは反転現像法およびジャンピング現像方式が好ましく、さらにはこれらの組み合わせがより好ましい。この場合、感光体ドラムはトナーと同極性に帯電され、潜像部分の電荷が露光により除去される。そして現像部において現像スリーブと感光体ドラムとの間に、現像バイアスとして直流に交流を重畳した交互電圧が印加されて、現像スリーブ上のトナーが感光体ドラム上の電荷の除去された静電潜像にジャンピングし付着して、静電潜像がトナー像として可視像化される。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0031】
結着樹脂の製造例1
スチレン80重量部,アクリル酸ブチル20重量部からなるモノマ−溶液を,重合開始剤であるV−65(2,2‘−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル),和光純薬製)6重量部と溶媒としてのトルエン200重量部が入っている溶液中(コンデンサ−を具備し,トルエンを還流)に3時間かけて滴下し,滴下後60℃に保った状態で12時間重合した後,トルエンを減圧蒸留して除去し,表1記載の実施例1、比較例2、比較例7のトナ−用の結着樹脂No.1を得た。
【0032】
結着樹脂の製造例2
スチレン77.5重量部,アクリル酸ブチル22.5重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の実施例2及び比較例3のトナ−用の結着樹脂No.2を得た。
【0033】
結着樹脂の製造例3
スチレン75重量部,アクリル酸ブチル25重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の実施例3及び比較例5のトナ−用の結着樹脂No.3を得た。
【0034】
結着樹脂の製造例4
スチレン72.5重量部,アクリル酸ブチル27.5重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の実施例4のトナ−用の結着樹脂No.4を得た。
【0035】
結着樹脂の製造例5
スチレン70重量部,アクリル酸ブチル30重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の実施例5、比較例6及び比較例8のトナ−用の結着樹脂No.5を得た。
【0036】
結着樹脂の製造例6
スチレン65重量部,アクリル酸ブチル35重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の実施例6及び実施例7のトナ−用の結着樹脂No.6を得た。
【0037】
結着樹脂の製造例7
スチレン60重量部,アクリル酸ブチル40重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の実施例8及び比較例4のトナ−用の結着樹脂No.7を得た。
【0038】
結着樹脂の製造例8
スチレン82.5重量部,アクリル酸ブチル17.5重量部とした以外は製造例1と同様にして表1記載の比較例1のトナ−用の結着樹脂No.8を得た。
【0039】
実験例1
結着樹脂No.1の100重量部と、帯電制御剤としてニグシロン系染料(N−01、オリエント化学製)を5重量部、磁性粉(EPT1000、戸田工業、平均粒径0.25μm、FeO含有量18wt%、八面体形状)、を40重量部、離型剤としてポリエチレンワックス(ユ−メックス100TS,三洋化成製)5重量部をそれぞれヘンシェルミキサーに投入・混合した後、二軸押し出し機で溶融混練してドラムフレーカーで冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した。次に機械式ミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して、体積平均粒径7.2μmのトナー粒子を作製した。そして、このトナー粒子に対して、表1に示す添加量でシリカ(HDK H2050EP、ワッカ−社製、粒径0.012μm)を投入し、ヘンシェルミキサーで高撹拌混合して正帯電性の磁性トナーを作製した。これらの磁性トナーについて下記耐刷試験を行った。結果を表1に合わせて示す。
【0040】
(耐刷試験)
前記作製した磁性トナーを図2に示す50枚/分の高速プリンター(京セラミタ製:LS−9500DN)に投入し、常温常湿(23±3℃/60±10RH)下で10,000(10k)枚の耐刷試験を行い、耐刷試験の前後で画像濃度(ID)およびカブリ濃度(FD)をそれぞれ測定した。なお、耐刷試験では,A4サイズ用紙(64g紙)を用い,用紙の短辺方向を用紙搬送方向として印字率5%の標準原稿を出力した。また,画像濃度とカブリ濃度の測定には耐久試験と同じA4サイズ用紙(64g紙)を用い,用紙の短辺方向を用紙搬送方向とし用い,測定用画像は,用紙に3X3cmのベタ画像部が3個,用紙の搬送方向中央部に用紙の搬送方向に対して10cm間隔で垂直に並んでいるものを用い,1つのベタ画像部に関して5箇所測定し,5枚の平均値を求めた。またカブリは上記の測定用画像が印刷された用紙の非印字部を1枚につき5箇所測定し,5枚の平均値を求めた。画像濃度は複写画像黒べた部の濃度を、カブリ濃度は非画像部の濃度をそれぞれ反射濃度計(東京電色社製の型番TC−6D)で測定した値である。なお、判定基準はIDの場合、1.300以上、FDの場合、0.008以下とした。
【0041】
ここで、図2のプリンターの構成を簡単に説明しておくと、まず帯電手段2により感光体1の表面を正極性に一様に帯電させる。つぎに露光手段3で感光体1の表面に静電潜像(露光部)を形成する。そして、現像装置4を用いて、内部に磁石を内蔵する現像スリーブ上に形成されたトナー薄層によって、前記静電潜像にトナーを付着させ可視像化する。転写手段5において、かかる感光体1上のトナー像を被転写部材7へ転写する。被転写部材7上のトナー像は、その後図示しない定着手段において熱及び圧力が加えられて被転写部材7上に溶融定着する。一方、感光体1上に残存する、転写しなかったトナーは、クリーニング手段6において、クリーニングブラシ61で予め清掃され、つぎにクリーニングブレード62によって完全に清掃される。なお、感光体として非晶質シリコン感光体を用い、バイアス電源として周波数2.5kHz、ピーク・ピーク電圧1.9kVの交流電圧に160Vの直流を重畳させたものを用い、感光ドラム上の潜像の表面電位を明部10V、暗部240Vにし、現像スリーブと感光ドラムの間隔を320μmに設定して非接触現像を行った。
【0042】
上述の結着樹脂No.2〜No.8を用いてトナ−用の結着樹脂No.1を用いた実施例1と同様にしてトナ−を作製してた後,表1に記載の付着量のシリカを付着させて実施例1と同様にして正帯電性の磁性トナーを作製した。実施例1と同様に図2に示す50枚/分の高速プリンター(京セラミタ製:LS−9500DN)に投入し、常温常湿(23±3℃/60±10RH)下で10,000(10k)枚の耐刷試験を行い、耐刷試験の前後で画像濃度(ID)およびカブリ濃度(FD)をそれぞれ測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
表1から明らかなように、実施例1〜8のトナーでは、IDについは初期・1万枚耐刷後ともに1.300以上と良好な結果であった。またFDについても初期・1万枚耐刷後ともに0.006以下と良好な結果であった。これに対して、結着樹脂のTgの低い比較例1のトナーでは耐刷後のIDが低かった。また、シリカの付着量の少ない比較例2〜6のトナーでは、耐刷後のIDが1.300未満と低く、また耐刷後のFDが0.009超と高かった。またシリカ添加量が1.2%より多い比較例7.8では初期からFDが0.009超と高かった。
【0045】
【発明の効果】
本発明のトナーでは、結着樹脂のTgを所定以上とし、且つシリカの付着量を所定の不等式を満足する範囲としたので、低・中速機のみならず高速機における長期間の使用によっても性能が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるガラス転移点を説明するための一例であるDSCによる吸熱曲線である。
【図2】耐刷試験に用いたプリンターの概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
2 帯電手段
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段
6 クリーニング手段
7 被転写部材
61 クリーニングブラシ
62 クリーニングブレード
Claims (3)
- 少なくとも結着樹脂を有するトナー粒子の表面にシリカを付着させた静電潜像現像用トナーにおいて、
前記結着樹脂のガラス転移温度A(℃)が54℃以上で、
前記トナー粒子に対する前記シリカの付着量B(wt%)が下記不等式を満足することを特徴とする静電潜像現像用トナー。
54≦A≦58℃のとき 1.2≧B≧−0.15×A+9.1・・・(1)
58<A のとき 1.2≧B≧0.4 ・・・・・・・・・(2) - 磁性粉を含有した一成分系現像剤である請求項1記載の静電潜像現像用トナー。
- ジャンピング現像に用いる請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
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-
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