JP2004294332A - 半導体力学量センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】自由度の高い構造を有し、直交する2軸方向への力学量の印加についても、これをより高い精度にて検出することができる半導体力学量センサを提供する。
【解決手段】力学量の印加を検出するための重り部であるマスを301〜303の3つのマスに直列に分割し、これら各マス301〜303を連結梁CB1〜CB4によって連結する。このうち、端部に位置するマス301および303は、それらマスの連結方向と直交する方向への変位が許容されるかたちで半導体基板1にそれぞれ梁B1〜B4を介して支持される。一方、これらマス301および303に各々連結梁CB1〜CB4を介して連結された中央のマス302は、該連結梁CB1〜CB4によって、それらマスの連結方向への変位のみが許容される。
【選択図】 図1
【解決手段】力学量の印加を検出するための重り部であるマスを301〜303の3つのマスに直列に分割し、これら各マス301〜303を連結梁CB1〜CB4によって連結する。このうち、端部に位置するマス301および303は、それらマスの連結方向と直交する方向への変位が許容されるかたちで半導体基板1にそれぞれ梁B1〜B4を介して支持される。一方、これらマス301および303に各々連結梁CB1〜CB4を介して連結された中央のマス302は、該連結梁CB1〜CB4によって、それらマスの連結方向への変位のみが許容される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、梁により支持される構造の可動部を有して例えば加速度や角速度等の力学量を検出する半導体力学量センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の半導体力学量センサとしては、例えば特許文献1に記載されたセンサがある。図5に、この特許文献1に記載されている半導体力学量(加速度)センサの概略構造を模式的に示す。なお、図5において、図5(a)はこのセンサエレメントの平面図、図5(b)は図5(a)のB−B線に沿った断面図である。
【0003】
同図5(a)および(b)に示されるように、このセンサは、大きくは、半導体基板(シリコン基板)1と、絶縁層2、そしてこの絶縁層2上に形成された半導体層(シリコン層)3を有して構成されている。
【0004】
そして、半導体層3は、周知のフォトリソグラフィ技術等によって、基本的には図5(a)に示される態様でパターン形成されるとともに、絶縁層2は、同図5(a)に破線にて示される領域Z2が選択的にエッチング除去されて、溝部を形成している。すなわち、上記半導体層3は、この溝部に対応する領域Z2内では上記基板1から浮いた状態となり、それ以外の領域では絶縁層2を介して同基板1に支持されるかたちとなる。
【0005】
具体的には、上記領域Z2内で、上記半導体層3によるマス(重り部)320、該マス320に一体形成された櫛歯状の可動電極ME11およびME12、これら各可動電極に対向するように片持ち支持された固定電極FE11およびFE12、そして上記マス320を支持する梁B11〜B14が形成されている。また、上記領域Z2外では、同じく半導体層3によるアンカー部321および322、331および332がそれぞれ形成されている。
【0006】
そして、上記梁B11〜B14の各々他端は、上記アンカー部321および322によって支持されており、上記固定電極FE11およびFE12は、上記アンカー部331および332によってそれぞれ支持されている。また、上記アンカー部321には、上記可動電極ME11およびME12の電位を取り出すための例えばアルミニウム等の金属からなる電極パッド410が形成されている。他方、上記アンカー部331および332には、それぞれ上記固定電極FE11およびFE12に給電を行うための同じくアルミニウム等の金属からなる電極パッド411および412が形成されている。
【0007】
ここで、上記マス320は、図5(a)に示されるように、梁B11〜B14により、図中Y軸方向への変位は許容されるが、図中X軸方向への変位は規制される構造となっている。
【0008】
これにより、マス320にY軸方向への加速度が印加されたときには、該マス320のY軸方向への変位に伴って、これに一体形成されている可動電極ME11およびME12も同様にY軸方向に変位することになる。そして、この場合、一方では可動電極ME11と固定電極FE11の間の距離が増加または減少し、他方では可動電極ME12と固定電極FE12の間の距離が減少または増加する。すなわちこのセンサでは、このような電極間の距離の変化を、それぞれ静電容量CS1およびCS2の変化として検出し、これら静電容量CS1およびCS2の変化を、図6に例示するスイッチドキャパシタ回路を通じて電圧値として取り出すようにしている。そして、この取り出した電圧値に基づいて、上記印加された加速度の方向、並びに大きさを検出する。
【0009】
以下、図6および図7を参照して、このスイッチドキャパシタ回路の構成、並びに動作について簡単に説明する。
図6中、回路100は、上記半導体力学量センサの等価回路を示し、また回路200は、上記スイッチドキャパシタ回路を示している。
【0010】
ここで、回路100における端子P0は、上記センサの電極パッド410に相当し、同じく端子P1およびP2はそれぞれ同センサの電極パッド411および412に相当する。そして、上記端子P0(電極パッド410)を介して取り出される電位(電荷)がスイッチドキャパシタ回路200に入力される。
【0011】
また、スイッチドキャパシタ回路200は、演算増幅器OPと、該演算増幅器OPの帰還路に並列接続されたコンデンサCfおよびスイッチSWとを備えて構成されている。なお、上記演算増幅器OPには、その反転入力端子に上記端子P0から出力される信号が入力され、非反転入力端子には、上記回路100(センサ)の端子P1およびP2間に印加される電圧Vccの半分の電圧、すなわち「Vcc/2」の電圧が与えられる。
【0012】
次に、図7に表すタイミングチャートを併せ参照して、これら回路100および200の動作を説明する。
図7(a)および(b)に示されるように、回路100(センサ)の上記端子P1(電極パッド411)および端子P2(電極パッド412)間には、例えば50kHz〜150kHzの周波数で且つ、電圧「0」Vと電圧Vccとの間でお互いに逆の位相にて交番する交番信号(電圧)が定常的に印加されている。また、スイッチドキャパシタ回路200の上記スイッチSWは、図7(c)に示されるように、上記各交番信号(電圧)の交番周期に同期してON(オン)/OFF(オフ)制御される。
【0013】
これにより、例えば図7中のタイミングT1〜T2の期間においては、上記スイッチSWがオンとなっていることから、スイッチドキャパシタ回路200の出力電圧Voは、図7(d)に示されるように、「Vcc/2」の電圧に維持される。
【0014】
また、図7中、次のタイミングT2〜T3の期間においては、同スイッチがオフとなる。このため、上述した加速度の印加に応じた静電容量CS1およびCS2の変化差分、正確には上記端子P1およびP2間に印加される電圧の反転に伴う変化差分が端子P0を介してスイッチドキャパシタ回路200の上記コンデンサに充電される。この結果、同スイッチドキャパシタ回路200からの出力電圧Voは、
Vo=(CS1−CS2)・Vcc/Cf
となり、図7(d)に示されるように、上記静電容量CS1およびCS2の容量差(CS1−CS2)に対応した電位を示すようになる。
【0015】
そして、このような動作が繰り返される中で、例えば上記出力電圧Voを適宜にサンプリングしていき、そのサンプリング値から例えば500Hz以下の低周波成分のみを抽出することで、上記センサに印加された加速度に対応した値を得ることができるようになる。
【0016】
ところで近年は、このような1軸方向への力学量(加速度)の印加を検出するセンサに加え、例えば特許文献2に見られるように、直交する2軸方向への力学量(加速度)の印加を検出可能としたセンサも実用化されている。図8に、この特許文献2(特にそのFig4)に記載されている半導体力学量(加速度)センサの概略構造を模式的に示す。なお、図8において、図8(a)はこのセンサエレメントの平面図、図8(b)は図8(a)のB−B線に沿った断面図である。
【0017】
同図8(a)および(b)に示されるように、このセンサも、大きくは、半導体基板(シリコン基板)1と、絶縁層2、そしてこの絶縁層2上に形成された半導体層(シリコン層)3を有して構成されている。
【0018】
そして、半導体層3は、これも周知のフォトリソグラフィ技術等によって、基本的には図8(a)に示される態様でパターン形成されるとともに、絶縁層2は、同図8(a)に破線にて示される領域Z3が選択的にエッチング除去されて、溝部を形成している。すなわちここでも、上記半導体層3は、この溝部に対応する領域Z3内では上記基板1から浮いた状態となり、それ以外の領域では絶縁層2を介して同基板1に支持されるかたちとなる。
【0019】
具体的には、上記領域Z3内で、上記半導体層3によるマス(重り部)340、該マス340に一体形成された櫛歯状の可動電極ME21〜ME24、これら各可動電極に対向するように片持ち支持された固定電極FE21〜FE24、そして上記マス340を支持する梁B21〜B28が形成されている。また、上記領域Z3外では、同じく半導体層3による梁固定部S21〜S24、並びにアンカー部351〜354がそれぞれ形成されている。
【0020】
そして、上記梁B21〜B28の各々他端は、上記梁固定部S21〜S24によって支持されており、上記固定電極FE21〜FE24は、上記アンカー部351〜354によってそれぞれ支持されている。また、上記梁固定部S22には、上記可動電極ME21〜ME24の電位を取り出すための例えばアルミニウム等の金属からなる電極パッド420が形成されている。他方、上記アンカー部351〜354には、それぞれ上記固定電極FE21〜FE24に給電を行うための同じくアルミニウム等の金属からなる電極パッド421〜424が形成されている。
【0021】
ここで、上記マス340は、図8(a)に示されるように、梁B21〜B24により、図中X軸方向への変位が許容され、また梁B25〜B28により、図中Y軸方向への変位が許容される構造となっている。
【0022】
これにより、マス340に例えばX軸方向への加速度が印加されたときには、該マス340のX軸方向への変位に伴って、これに一体形成されている可動電極ME21およびME22も同様にX軸方向に変位することになる。そしてこの場合、一方では可動電極ME21と固定電極FE21の間の距離が増加または減少し、他方では可動電極ME22と固定電極FE22の間の距離が減少または増加する。他方、上記マス340に例えばY軸方向への加速度が印加されたときには、該マス340のY軸方向への変位に伴って、これに一体形成されている可動電極ME23およびME24も同様にY軸方向に変位することになる。そしてこの場合も、一方では可動電極ME23と固定電極FE23の間の距離が増加または減少し、他方では可動電極ME24と固定電極FE24の間の距離が減少または増加する。
【0023】
そして、このセンサでも、このような各電極間の距離の変化をそれぞれ静電容量の変化として検出し、これらX軸方向およびY軸方向の静電容量の変化を、それぞれ先の図6に例示したスイッチドキャパシタ回路を通じて電圧値に変換することとなる。
【0024】
【特許文献1】
特開平11−326365号公報
【特許文献2】
米国特許第5,880,369号(Fig.4)
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
このように、図8に例示したような半導体力学量センサによれば、直交する2軸方向への力学量(加速度)の印加を検出することは確かに可能である。しかし、この従来のセンサは、これら2軸方向への変位を許容するための2種の梁によって1つのマスが共通に支持されるといった自由度の低い構造をとっている。
【0026】
具体的には、先の図8(a)に示されるように、マス340の例えばX軸方向への変位を考えた場合、梁B21〜B24は、該マス340のX軸方向への変位については確かにこれを許容するかたちで配設されている。ところが、他の梁B25〜B28は、マス340のこうしたX軸方向への変位をむしろ規制するかたちで配設されている。また、逆に、マス340の例えばY軸方向への変位を考えた場合には、梁B25〜B28が、マス340のこうしたY軸方向への変位を許容し、梁B21〜B24はむしろ、マス340のこうした変位を規制するかたちとなっている。
【0027】
このように、上記従来の半導体力学量センサの場合、直交する2軸方向への力学量(加速度)の印加を検出することができるとはいえ、梁自体が、マスの互いに他軸側への変位に干渉する構造となっており、いわゆる他軸感度の低下が避けられないものとなっている。
【0028】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、自由度の高い構造を有し、直交する2軸方向への力学量の印加についても、これをより高い精度にて検出することのできる半導体力学量センサを提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、半導体基板に梁を介して支持されるとともに、力学量の印加に応じて変位するマスを有し、該マスに一体形成された可動電極と前記半導体基板に片持ち支持された固定電極との間の電気的特性の変化に応じて前記印加される力学量を検出する半導体力学量センサとして、前記マスを、直列に、複数のマスに分割するとともに、それら分割した各マスを、互いに近接および離間する方向への変位を許容する連結梁によって連結する構造とした。
【0030】
半導体力学量センサとして、このようなマス構造を採用することにより、上記分割されたマスのうち、少なくとも上記連結梁によって両端が連結されるマスは、その連結方向への変位が干渉されることはなくなる。しかも、これら各マスの連結方向の選択は任意であり、またこれら連結されたマスをその連結方向と直交する方向に変位可能な構造とすることも容易である。このため、同構造を有する半導体力学量センサによれば、その設計の自由度が大きく高められるとともに、直交する2軸方向への力学量の印加についても、これをより高い精度にて検出することが可能となる。なお、上記マスの分割態様は基本的に任意であるが、当該センサとしての性格上、個々のマスは、上記連結梁に比べてより高い剛性が維持される態様で分割される必要がある。
【0031】
そして具体的には、請求項2に記載のように、
(イ)マスは、第1および第2および第3の3つのマスに直列に分割される。
(ロ)それらマスの端部に位置する第1および第3のマスは、マスの連結方向と直交する方向への変位が許容されるかたちでそれぞれ半導体基板に梁を介して支持されるとともに、該変位が許容される方向への力学量の印加を検出する態様で一体形成された可動電極をそれぞれ有する。
(ハ)これら第1および第3のマスに各々連結梁を介して連結された中央に位置する第2のマスは、その変位が許容される方向であるマスの連結方向への力学量の印加を検出する態様で一体形成された可動電極を有する。
といった構造とすることで、上記直交する2軸方向への力学量の印加について、互いに他軸感度を低下させることなくこれを高い精度にて検出することができるようになる。
【0032】
一方、こうした半導体力学量センサとしても、請求項3に記載のように、前記半導体基板として、シリコン基板等の適宜の基板上に絶縁膜およびシリコン膜が形成されたSOI基板を用い、前記各マスおよびそれら各マスに一体形成される可動電極および前記固定電極を前記シリコン膜によって形成する構造とすることで、安定した高い検出精度を有する力学量センサを、周知の半導体製造プロセスを用いて容易に製造することができる。
【0033】
またこの場合には、請求項4に記載のように、前記半導体基板上の前記各マスおよび可動電極および固定電極の周囲に、これらを囲繞するかたちで、前記シリコン膜を残存させる構造とすることで、当該センサの取り付け作業等に際して、その取り扱いを容易なものとすることができるようになる。
【0034】
さらにこの場合、請求項5に記載のように、前記各マスおよび可動電極および固定電極の周囲を囲繞するかたちで残存させたシリコン膜に、その電位を一定の電位に固定するための電極を設ける構造とすれば、これら各マスおよび可動電極および固定電極を該シリコン膜によって電気的にシールドすることも可能となる。すなわち、マスの変位に伴う可動電極と固定電極との間の電気的特性の変化をノイズ等の外乱から保護することができるようにもなる。
【0035】
他方、請求項6に記載のように、半導体基板上の少なくとも各マスおよび可動電極および固定電極の形成部に、その上方を覆うキャップを設ける構造も有効である。このようなキャップを設けることにより、微細な構造を有するそれら各マスおよび可動電極および固定電極を機械的に保護することが可能となる。
【0036】
またこの場合には、請求項7に記載のように、上記キャップを、半導体基板上に絶縁性接着剤にてその当接辺が接着固定される導体もしくは半導体材料にて形成するものとすれば、上記各マスおよび可動電極および固定電極をこのキャップによって電気的にシールドすることも可能となる。すなわち、この場合も、マスの変位に伴う可動電極と固定電極との間の電気的特性の変化をノイズ等の外乱から保護することができるようになる。
【0037】
さらに、請求項8に記載のように、上記キャップにも、その電位を一定の電位に固定するための電極を設ける構造とすれば、上記シールド効果のさらなる向上を図ることができるようになる。
【0038】
なおこれらの構造は、上記請求項5に記載の構造と併用することによって、上記シールド効果もさらに高められるようになる。
そして、特に請求項9に記載のように、同半導体力学量センサを加速度センサとして用いれば、上記直交する2軸方向への加速度の印加について、互いに他軸感度を低下させることなく、これをより高い精度にて検出することができるようになる。
【0039】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1に、本発明にかかる半導体力学量センサについてその第1の実施の形態を示す。
【0040】
この実施の形態にかかる半導体力学量センサも、先の図8に例示したセンサと同様、直交する2軸方向への力学量(加速度)を検出するものである。ただし、この実施の形態のセンサでは、図1(a)〜(c)に示すマス構造、並びに梁構造を採用することによって、前述したような他軸感度の低下を抑えるようにしている。
【0041】
以下、同図1を参照して、この実施の形態にかかるセンサのこうしたマス構造、並びに梁構造について詳述する。なお、図1において、図1(a)はこのセンサエレメントの平面図、図1(b)は図1(a)のB−B線に沿った断面図、図1(c)は図1(a)のC−C線に沿った断面図である。
【0042】
同図1(a)〜(c)に示されるように、このセンサも、大きくは、半導体基板(シリコン基板)1と、絶縁層2、そしてこの絶縁層2上に形成された半導体層(シリコン層)3を有して構成されている。すなわち、先の従来のセンサにおいても同様であるが、通常のSOI基板を利用しての加工が可能な構造となっている。
【0043】
そして、この実施の形態において、上記半導体層3は、周知のフォトリソグラフィ技術等によって、基本的には図1(a)に示される態様でパターン形成されるとともに、絶縁層2は、同図1(a)に破線にて示される領域Z1が選択的にエッチング除去されて、溝部を形成している。これにより、上記半導体層3は、この溝部に対応する領域Z1内では上記基板1から浮いた状態となり、それ以外の領域では絶縁層2を介して同基板1に支持されるかたちとなる。
【0044】
具体的には、上記領域Z1内で、上記半導体層3によるマス(重り部)301〜303、各マスに一体形成された櫛歯状の可動電極ME1〜ME4、これら各可動電極に対向するように片持ち支持された固定電極FE1〜FE4、そして梁B1〜B4、並びに連結梁CB1〜CB4が形成されている。すなわち、この実施の形態にあって、上記各マス301〜303は、直列に分割されて、上記連結梁CB1〜CB4により連結されている。またこのうち、マス301(第1のマス)および303(第3のマス)は上記梁B1〜B4によって支持されている。なお、これらマス301および303は、少なくとも上記連結梁CB1〜CB4よりも高い剛性が維持される態様をもって分割形成されている。他方、上記領域Z1外では、同じく半導体層3による梁固定部S1〜S4、並びにアンカー部311〜314がそれぞれ形成されている。
【0045】
そして、上記梁B1〜B4の各々他端は、上記梁固定部S1〜S4によって支持されており、上記固定電極FE1〜FE4は、上記アンカー部311〜314によってそれぞれ支持されている。また、上記梁固定部S2には、上記可動電極ME1〜ME4の電位を取り出すための例えばアルミニウム等の金属からなる電極パッド400が形成されている。他方、上記アンカー部311〜314には、それぞれ上記固定電極FE1〜FE4に給電を行うための同じくアルミニウム等の金属からなる電極パッド401〜404が形成されている。
【0046】
ここで、上記梁B1〜B4は、図1(a)から明らかなように、上記連結梁CB1〜CB4によって連結されている各マス301〜303の図中X軸方向への変位は許容するものの、これに接続されている両端のマス301および303の図中Y軸方向への変位についてはこれを規制する構造となっている。また一方、上記連結梁CB1〜CB4は、これも図1(a)から明らかなように、中央のマス302(第2のマス)について、その図中X軸方向への変位についてはこれを規制し、その図中Y軸方向への変位のみを許容する構造となっている。ただし、これら連結梁CB1〜CB4は半導体基板1に支持されていないため、このセンサに図中X軸方向への加速度が印加されたときには、同連結梁CB1〜CB4および各マス301〜303は一体となって図中X軸方向に変位するようになる。したがって結局のところ、これら連結梁CB1〜CB4が各マス301〜303のX軸方向への変位に干渉することはない。しかも、これらマス301〜303のうち、特に図中Y軸方向への変位が許容されている中央のマス302は、半導体基板1に支持されている上記梁B1〜B4とは力学的に独立するかたちで配設されているため、これら梁B1〜B4が該中央のマス302のY軸方向への変位に干渉することはない。
【0047】
このように、この実施の形態にかかる半導体力学量センサでは、直交する2軸方向(X軸方向およびY軸方向)のいずれの方向に加速度が印加される場合であれ、上記梁B1〜B4や連結梁CB1〜CB4がマス301〜303の他軸側への変位に干渉することはなく、高い他軸感度が維持されるようになる。
【0048】
そして、この実施の形態のセンサにあっては、このようなマス構造、並びに梁構造を通じて、以下の態様で、図中X軸方向あるいはY軸方向に印加される加速度の検出が実行される。
【0049】
すなわち、上記各マス301〜303に図中X軸方向への加速度が印加されたときには、連結梁CB1〜CB4を含むそれらマス全体のX軸方向への変位に伴って、マス301および303に一体形成されている可動電極ME1およびME2も同様にX軸方向に変位する。そしてこの場合、一方では可動電極ME1と固定電極FE1の間の距離が増加または減少し、他方では可動電極ME2と固定電極FE2の間の距離が減少または増加する。
【0050】
また、上記各マス301〜303に図中Y軸方向への加速度が印加されたときには、それらマスのうち、中央のマス302のY軸方向への変位に伴って、これに一体形成されている可動電極ME3およびME4も同様にY軸方向に変位する。そしてこの場合、一方では可動電極ME3と固定電極FE3の間の距離が増加または減少し、他方では可動電極ME4と固定電極FE4の間の距離が減少または増加する。
【0051】
この実施の形態のセンサでは、図中X軸方向あるいはY軸方向への加速度の印加に伴うこうした電極間の距離の変化がそれぞれ静電容量の変化として検出される。そして、これら静電容量の変化が、それぞれ先の図6に例示したスイッチドキャパシタ回路等を通じて電圧値に変換されるようになる。
【0052】
図2は、上述したこの実施の形態にかかる半導体力学量センサと先の図8に例示した従来の半導体力学量センサとについて、これらをそれぞれ等価的にモデル化するとともに、そのモーダル解析を行った結果を示したものである。
【0053】
なお、この図2の図表において、「共振モード」の欄の「Z方向」とは、Z軸方向への共振モードであり、「マス回転」とは、このZ軸を回転軸とした各マスの回転に関する共振モードであり、そして、「梁のうねり」とは、X軸あるいはY軸を回転軸とした梁の振動(うねり)に関する共振モードである。また、「共振モード」の欄のこれら各項目に対応する数値は、検出方向(X軸方向およびY軸方向)の共振周波数を「1」と基準化したときの相対値であり、またそれぞれ括弧内の数値は、それら各項目に対応する実際の共振周波数である。これら相対値あるいは共振周波数が上記検出方向の値「1」あるいは共振周波数に比べて高いほど、それら共振モードが検出方向の変位に干渉し難いことになる。
【0054】
さて、この図2のモーダル解析結果によれば、上記各共振モードのいずれにおいても、この実施の形態にかかるセンサの方が、従来のセンサよりも上記相対値あるいは共振周波数が高くなっている。特に、「Z方向」および「梁のうねり」に関するそれらの値は、従来のセンサに比べて大幅に高い値を示している。すなわち、上記マス構造、並びに梁構造を有するこの実施の形態にかかるセンサによれば、上述したX軸方向とY軸方向との間の他軸感度のみならず、Z軸方向についても高い他軸感度が維持されることがわかる。また、上記検出方向に対して「梁のうねり」も生じ難いことから、それら検出方向に対するより安定した高い精度での加速度検出が可能でもある。
【0055】
以上説明したように、この実施の形態にかかる半導体力学量センサによれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)重り部となるマスを、マス301〜303に直列に分割するとともに、それら分割した各マス301〜303をそれぞれ連結梁CB1〜CB4によって連結する構造とした。そしてこれらマスのうち、端部に位置するマス301および303についてはこれを、マス301〜303の連結方向と直交する方向への変位が許容されるかたちで半導体基板1にそれぞれ梁B1〜B4を介して支持されるようにした。また、これらマス301〜303のうち、中央に位置するマス302は、上記連結梁CB1〜CB4によって、それらマスの連結方向への変位のみが許容される。このようなマス構造、並びに梁構造を採用したことで、直交する2軸方向への力学量(加速度)の印加についても、互いに他軸感度を低下させることなく、これをより高い精度にて検出することができるようになる。
【0056】
(2)また、その製造には、半導体基板1、絶縁層2、シリコン層3が形成された通常のSOI基板を利用することができ、上記マス構造や梁構造についてもこれを、周知の半導体プロセスを用いて容易に実現することができるようになる。
【0057】
(3)図2のモーダル解析結果からも明らかなように、検出方向であるX軸およびY軸方向のそれらの間の他軸感度のみならず、Z軸方向等についても高い他軸感度を維持することができる。また、検出方向に対して「梁のうねり」も生じ難いことから、それら検出方向に対するより安定した高い精度での加速度検出が可能でもある。
【0058】
(第2の実施の形態)
図3に、本発明にかかる半導体力学量センサについてその第2の実施の形態を示す。
【0059】
この実施の形態にかかる半導体力学量センサも、先の第1の実施の形態のセンサと同様、直交する2軸方向への力学量(加速度)を検出するものであり、上記マス構造や梁構造を採用することによって、他軸感度の低下を抑えるようにしている。しかも、この実施の形態のセンサでは、図3に示すように、各マスおよび可動電極および固定電極、そしてアンカー部の周囲を囲繞するかたちで半導体層3を残存させ、該半導体層3にその電位を一定の電位に固定するための電極を設けることにより、基板強度および電気的特性の向上を図るようにしている。
【0060】
以下、同図3を参照して、この実施の形態にかかるセンサの構造について詳述する。なお、図3において、図3(a)はこのセンサエレメントの平面図、図3(b)は図3(a)のB−B線に沿った断面図、図3(c)は図3(a)のC−C線に沿った断面図である。また、この図3において、先の図1に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
【0061】
この実施の形態にかかる半導体力学量センサも、その基本構造は、先の第1の実施の形態と略同様である。
すなわち、図3(a)〜(c)に示されるように、このセンサも、大きくは、半導体基板(シリコン基板)1と、絶縁層2、そしてこの絶縁層2上に形成された半導体層(シリコン層)3を有して構成されている。そして、半導体層3は、周知のフォトリソグラフィ技術等によって、基本的には図3(a)に示される態様でパターン形成されるとともに、絶縁層2は、同図3(a)に破線にて示される領域Z1が選択的にエッチング除去されて、溝部を形成している。すなわち、上記半導体層3は、この溝部に対応する領域Z1内では上記基板1から浮いた状態となり、それ以外の領域では絶縁層2を介して同基板1に支持されるかたちとなる。この領域Z1の内外でのマス構造や梁構造、さらには各電極構造等も、図1に例示した先の第1の実施の形態のセンサと同様である。
【0062】
ただし、この実施の形態においては、図3(a)〜(c)に示されるように、各マス301〜303および可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4、さらにはアンカー部311〜314の周囲を囲繞するかたちで半導体層3を残存させている。そして、この残存させた該半導体層3には、その電位を一定の電位に固定するための例えばアルミニウム等からなる電極パッド405を形成している。
【0063】
半導体力学量センサとしてこのような構造を採用することで、前記各マス301〜303および可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4、そしてアンカー部311〜314を、上記残存させた半導体層3によって電気的にシールドすることが可能となる。すなわち、マス301〜303の変位に伴う可動電極ME1〜ME4と固定電極FE1〜FE4との間の静電容量の変化をノイズ等の外乱から保護することができるようになる。また、上記残存させた半導体層3によって、このセンサ自体の剛性も増し、取り付け作業等に際して、その取り扱いをより容易なものとすることができるようにもなる。
【0064】
以上に説明したように、この第2の実施の形態にかかる半導体力学量センサによっても、先の第1の実施の形態による上記(1)〜(3)の効果と同様の効果を得ることができるとともに、これに加えて、新たに次のような効果を得ることもできる。
【0065】
(4)残存させた半導体層3によってセンサ自体の剛性が高められ、センサの取り付け作業等に際しても、その取り扱いをより容易なものとすることができるようになる。
【0066】
(5)上記残存させた半導体層3を通じて、各マスおよび可動電極および固定電極、そしてアンカー部を電気的にシールドすることが可能となる。すなわち、マスの変位に伴う可動電極と固定電極との間の静電気量の変化をノイズ等から保護することができるようになり、印加される力学量(加速度)についての安定した高い精度での検出が可能となる。
【0067】
(第3の実施の形態)
図4に、本発明にかかる半導体力学量センサについてその第3の実施の形態を示す。
【0068】
この実施の形態にかかる半導体力学量センサも、先の第1あるいは第2の実施の形態のセンサと同様、直交する2軸方向への力学量(加速度)を検出するものであり、上記マス構造や梁構造を採用することによって、他軸感度の低下を抑えるようにしている。また、この実施の形態のセンサにおいても、先の第2の実施の形態のセンサと同様、各マスおよび可動電極および固定電極、そしてアンカー部の周囲を囲繞するかたちで半導体層3を残存させ、該半導体層3にその電位を一定の電位に固定するための電極を設けている。これにより、基板強度および電気的特性の向上が図られることは前述の通りである。さらにこの実施の形態のセンサでは、上記各マスや可動電極、固定電極、そしてアンカー部の形成部に、その上方を覆うキャップを設けることによって、微細な構造を有するそれら各マスや可動電極、固定電極等を機械的に保護するようにもしている。
【0069】
以下、図4を参照して、この実施の形態にかかるセンサの構造について詳述する。なお、図4において、図4(a)はこのセンサエレメントの平面図、図4(b)は図4(a)のB−B線に沿った断面図、図4(c)は図4(a)のC−C線に沿った断面図である。またこの図4においても、先の図1あるいは図3に示した要素と同一もしくは対応する要素には各々同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する詳細は割愛する。
【0070】
この実施の形態にかかる半導体力学量センサも、上記キャップの内部の基本構造は先の第2の実施の形態と略同様である。
すなわち、図4(a)〜(c)に示されるように、このセンサも、大きくは、半導体基板(シリコン基板)1と、絶縁層2、そしてこの絶縁層2上に形成された半導体層(シリコン層)3を有して構成されている。そして、半導体層3は、周知のフォトリソグラフィ技術等によって、基本的には、図4(a)に示される態様でパターン形成されるとともに、絶縁層2は、同図4(a)に破線にて示される領域Z1が選択的にエッチング除去されて、溝部を形成している。すなわち、上記半導体層3は、この溝部に対応する領域Z1内では上記基板1から浮いた状態となり、それ以外の領域では絶縁層2を残して同基板1に支持されるかたちとなる。この領域Z1の内外でのマス構造や梁構造、さらには各電極構造等も、図1や図3に例示した第1あるいは第2の実施の形態のセンサと同様である。ただし、この実施の形態では、以下に説明するキャップ5を設ける都合上、前記電極パッド400〜404は、図4(a)に示される態様で、半導体層3を通じて一方向に引き出されている。また、残存された半導体層3の電位固定用の電極パッド405も同様に、キャップ5の外側に配設される構造となっている。
【0071】
次に、この実施の形態において、各マス301〜303および可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4、そしてアンカー部311〜314が形成された部分の上方を覆うように配設されているキャップ5について詳述する。
【0072】
この実施の形態において、キャップ5は、例えば上記半導体層3と同様、シリコン等の半導体材料にて形成されている。そして、その半導体基板1(正確にはその上の半導体層3)との当接辺は、絶縁性の接着剤等にて接着固定されている。また、このキャップ5にも、その電位を一定の電位に固定するための電極パッド500が形成されている。
【0073】
半導体力学量センサとしてこのような構造を採用することで、前記各マス301〜303および可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4、そしてアンカー部311〜314を、このキャップ5によっても電気的にシールドすることが可能となる。すなわち、先の残存させた半導体層3によるシールド効果とも併せ、各マス301〜303の変位に伴う可動電極ME1〜ME4と固定電極FE1〜FE4との間の静電容量の変化をノイズ等の外乱からより的確に保護することができるようになる。また、少なくとも各マス301〜303および可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4が形成された部分の上方がこのキャップ5により覆われることで、それら微細な構造を有する各部が機械的に保護されることともなる。
【0074】
以上説明したように、この第3の実施の形態にかかる半導体力学量センサによれば、先の第1あるいは第2の実施の形態による前記(1)〜(5)の効果と同様の効果を得ることができるとともに、新たに次のような効果を得ることもできる。
【0075】
(6)各マスや可動電極、固定電極、アンカー部等を覆うキャップ5をシリコン等の半導体材料にて形成するとともに、このキャップ5についても、電極パッド500を通じてその電位を一定の電位に固定することとした。これにより、前述した電気的なシールド効果のさらなる向上を図ることができるようになる。
【0076】
(7)少なくとも各マスおよび可動電極および固定電極が形成された部分の上方をキャップ5で覆う構造としたことで、それら微細な構造を有する各部を機械的に保護することができるようにもなる。
(他の実施の形態)
・上記第2の実施の形態では、各マスおよび可動電極および固定電極、そしてアンカー部の周囲を囲繞するかたちで残存させた半導体層3に電極パッド405を形成しているが、前記残存させた半導体層3に電極パッド405を設けない構造とすることも可能である。そしてこのような構造としても、残存させた半導体層3によってセンサ自体の剛性が高められ、センサの取り付け作業等に際しても、その取り扱いをより容易なものとすることができるようになる。また、同電極パッド405を設ける場合ほどではないにしろ、電気的特性の向上を図ることもできる。
【0077】
・上記第3の実施の形態では、キャップ5をシリコン等の半導体材料にて形成することとしたが、このキャップ5についてはこれを、例えば銅やアルミニウム等の導体材料で形成することもできる。そしてこのような導体材料にて形成されたキャップ5によっても、上記第3の実施の形態と同様に、各マスや可動電極、固定電極、アンカー部等を機械的に保護するとともに、ノイズ等の外乱から保護することができる。
【0078】
・上記第3の実施の形態では、キャップ5にその電位を一定の電位に固定するための電極パッド500を設けることとした。しかし、この電極パッド500を形成せずに、各マスや可動電極、固定電極、アンカー部等の上方を前記キャップ5で覆うことのみによっても、同電極パッド500を設ける場合ほどではないにしろ、それら覆われた各部を電気的にシールドして、ノイズ等の外乱から保護することはできる。
【0079】
・また、上記キャップ5についてはこれを、例えば樹脂等の絶縁材料で形成することもできる。そして、この絶縁材料にて形成されたキャップ5によっても、各マスや可動電極、固定電極等を機械的に保護することはできる。しかも、この場合においては、半導体基板1(正確にはその上の半導体層3)との接着方法は任意である。
【0080】
・上記第3の実施の形態では、半導体基板1の略全体を覆うようなかたちでキャップ5を設け、電極パッド400〜404についてはこれを、半導体層3を通じて一方向に引き出す構造とした。しかし、このキャップ5は、各マスや可動電極、固定電極、アンカー部等の上方のみを選択的に覆う態様で設けることもできる。このような構造によれば、前記電極パッド400〜404の引き出しが容易になるとともに、半導体層3による配線構造についても、これをより簡素にすることができるようになる。
【0081】
・上記第3の実施の形態では、第2の実施の形態のセンサ構造に対して前記キャップ5を設ける場合について例示したが、このキャップ5は、先の第1の実施の形態のセンサ構造についても同様に適用することができる。
【0082】
・上記各実施の形態においては、各マス301〜303が連結梁CB1〜CB4によって連結されている方向をY軸方向とし、これと直交する方向をX軸方向としているが、それら軸方向の設定はZ軸方向も含めて任意である。
【0083】
・上記各実施の形態においては、検出回路として先の図6に例示するスイッチドキャパシタ回路を用いているが、基本的に検出方法および検出回路は任意である。また、静電容量の変化以外の電気的特性、例えば電界や抵抗値等の変化を利用して加速度を検出するようにしてもよい。
【0084】
・上記各実施の形態においては、重り部となるマスを、3つのマス301〜303に直列に分割するとともに、それら分割したマスをそれぞれ連結梁CB1〜CB4によって連結する構造とした。しかし、前記マスは、連結梁に比べてより高い剛性が維持される態様で、複数のマスに直列に分割されるとともに、互いに近接および離間する方向へ変位を許容する上記連結梁によって連結されていれば、前述と同様の効果が得られる。すなわち、連結梁の構造およびマスの分割態様(例えばマスの分割数)等は上記条件を満たす範囲で任意であり、その設計の自由度も高く維持される。
【0085】
・上記各実施の形態においては、SOI基板を利用する場合について言及したが、上記マス構造や梁構造は、必ずしもこうしたSOI基板を用いずとも実現可能である。また、基板1に関しても、絶縁基板等も含めて、半導体基板に限らない任意の基板を採用することができる。
【0086】
・上記各実施の形態においては、加速度検出用の2軸半導体力学量センサについて言及したが、他の力学量、例えば角速度等を検出する力学量センサとしても本発明は同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる半導体力学量センサの第1の実施の形態について、(a)はそのセンサ構造の概要を示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図、(c)は(a)のC−C線に沿った断面図。
【図2】上記第1の実施の形態の半導体力学量センサと従来の半導体力学量センサとのモーダル解析結果を対比して示す図表。
【図3】この発明にかかる半導体力学量センサの第2の実施の形態について、(a)はそのセンサ構造の概要を示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図、(c)は(a)のC−C線に沿った断面図。
【図4】この発明にかかる半導体力学量センサの第3の実施の形態について、(a)はそのセンサ構造の概要を示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図、(c)は(a)のC−C線に沿った断面図。
【図5】従来の1軸タイプの半導体力学量センサの一例について、(a)はそのセンサ構造の概要を示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図。
【図6】スイッチドキャパシタ回路の構成例を示す回路図。
【図7】(a)〜(d)は上記スイッチドキャパシタ回路の動作例を示すタイミングチャート。
【図8】従来の2軸タイプの半導体力学量センサの一例について、(a)はそのセンサ構造の概要を示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図。
【符号の説明】
1…半導体基板(シリコン基板)、2…絶縁層、3…半導体層(シリコン層)、5…キャップ、301〜303、320、340…マス、311〜314、321、322、331、332、351〜354…アンカー部、400〜405、410〜412、420〜424、500…電極パッド、B1〜B4、B11〜B14、B21〜B28…梁、S1〜S4、S21〜S24…梁固定部、CB1〜CB4…連結梁、FE1〜FE4、FE11、FE12、FE21〜FE24…固定電極、ME1〜ME4、ME11、ME12、ME21〜ME24…可動電極。
【発明の属する技術分野】
この発明は、梁により支持される構造の可動部を有して例えば加速度や角速度等の力学量を検出する半導体力学量センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の半導体力学量センサとしては、例えば特許文献1に記載されたセンサがある。図5に、この特許文献1に記載されている半導体力学量(加速度)センサの概略構造を模式的に示す。なお、図5において、図5(a)はこのセンサエレメントの平面図、図5(b)は図5(a)のB−B線に沿った断面図である。
【0003】
同図5(a)および(b)に示されるように、このセンサは、大きくは、半導体基板(シリコン基板)1と、絶縁層2、そしてこの絶縁層2上に形成された半導体層(シリコン層)3を有して構成されている。
【0004】
そして、半導体層3は、周知のフォトリソグラフィ技術等によって、基本的には図5(a)に示される態様でパターン形成されるとともに、絶縁層2は、同図5(a)に破線にて示される領域Z2が選択的にエッチング除去されて、溝部を形成している。すなわち、上記半導体層3は、この溝部に対応する領域Z2内では上記基板1から浮いた状態となり、それ以外の領域では絶縁層2を介して同基板1に支持されるかたちとなる。
【0005】
具体的には、上記領域Z2内で、上記半導体層3によるマス(重り部)320、該マス320に一体形成された櫛歯状の可動電極ME11およびME12、これら各可動電極に対向するように片持ち支持された固定電極FE11およびFE12、そして上記マス320を支持する梁B11〜B14が形成されている。また、上記領域Z2外では、同じく半導体層3によるアンカー部321および322、331および332がそれぞれ形成されている。
【0006】
そして、上記梁B11〜B14の各々他端は、上記アンカー部321および322によって支持されており、上記固定電極FE11およびFE12は、上記アンカー部331および332によってそれぞれ支持されている。また、上記アンカー部321には、上記可動電極ME11およびME12の電位を取り出すための例えばアルミニウム等の金属からなる電極パッド410が形成されている。他方、上記アンカー部331および332には、それぞれ上記固定電極FE11およびFE12に給電を行うための同じくアルミニウム等の金属からなる電極パッド411および412が形成されている。
【0007】
ここで、上記マス320は、図5(a)に示されるように、梁B11〜B14により、図中Y軸方向への変位は許容されるが、図中X軸方向への変位は規制される構造となっている。
【0008】
これにより、マス320にY軸方向への加速度が印加されたときには、該マス320のY軸方向への変位に伴って、これに一体形成されている可動電極ME11およびME12も同様にY軸方向に変位することになる。そして、この場合、一方では可動電極ME11と固定電極FE11の間の距離が増加または減少し、他方では可動電極ME12と固定電極FE12の間の距離が減少または増加する。すなわちこのセンサでは、このような電極間の距離の変化を、それぞれ静電容量CS1およびCS2の変化として検出し、これら静電容量CS1およびCS2の変化を、図6に例示するスイッチドキャパシタ回路を通じて電圧値として取り出すようにしている。そして、この取り出した電圧値に基づいて、上記印加された加速度の方向、並びに大きさを検出する。
【0009】
以下、図6および図7を参照して、このスイッチドキャパシタ回路の構成、並びに動作について簡単に説明する。
図6中、回路100は、上記半導体力学量センサの等価回路を示し、また回路200は、上記スイッチドキャパシタ回路を示している。
【0010】
ここで、回路100における端子P0は、上記センサの電極パッド410に相当し、同じく端子P1およびP2はそれぞれ同センサの電極パッド411および412に相当する。そして、上記端子P0(電極パッド410)を介して取り出される電位(電荷)がスイッチドキャパシタ回路200に入力される。
【0011】
また、スイッチドキャパシタ回路200は、演算増幅器OPと、該演算増幅器OPの帰還路に並列接続されたコンデンサCfおよびスイッチSWとを備えて構成されている。なお、上記演算増幅器OPには、その反転入力端子に上記端子P0から出力される信号が入力され、非反転入力端子には、上記回路100(センサ)の端子P1およびP2間に印加される電圧Vccの半分の電圧、すなわち「Vcc/2」の電圧が与えられる。
【0012】
次に、図7に表すタイミングチャートを併せ参照して、これら回路100および200の動作を説明する。
図7(a)および(b)に示されるように、回路100(センサ)の上記端子P1(電極パッド411)および端子P2(電極パッド412)間には、例えば50kHz〜150kHzの周波数で且つ、電圧「0」Vと電圧Vccとの間でお互いに逆の位相にて交番する交番信号(電圧)が定常的に印加されている。また、スイッチドキャパシタ回路200の上記スイッチSWは、図7(c)に示されるように、上記各交番信号(電圧)の交番周期に同期してON(オン)/OFF(オフ)制御される。
【0013】
これにより、例えば図7中のタイミングT1〜T2の期間においては、上記スイッチSWがオンとなっていることから、スイッチドキャパシタ回路200の出力電圧Voは、図7(d)に示されるように、「Vcc/2」の電圧に維持される。
【0014】
また、図7中、次のタイミングT2〜T3の期間においては、同スイッチがオフとなる。このため、上述した加速度の印加に応じた静電容量CS1およびCS2の変化差分、正確には上記端子P1およびP2間に印加される電圧の反転に伴う変化差分が端子P0を介してスイッチドキャパシタ回路200の上記コンデンサに充電される。この結果、同スイッチドキャパシタ回路200からの出力電圧Voは、
Vo=(CS1−CS2)・Vcc/Cf
となり、図7(d)に示されるように、上記静電容量CS1およびCS2の容量差(CS1−CS2)に対応した電位を示すようになる。
【0015】
そして、このような動作が繰り返される中で、例えば上記出力電圧Voを適宜にサンプリングしていき、そのサンプリング値から例えば500Hz以下の低周波成分のみを抽出することで、上記センサに印加された加速度に対応した値を得ることができるようになる。
【0016】
ところで近年は、このような1軸方向への力学量(加速度)の印加を検出するセンサに加え、例えば特許文献2に見られるように、直交する2軸方向への力学量(加速度)の印加を検出可能としたセンサも実用化されている。図8に、この特許文献2(特にそのFig4)に記載されている半導体力学量(加速度)センサの概略構造を模式的に示す。なお、図8において、図8(a)はこのセンサエレメントの平面図、図8(b)は図8(a)のB−B線に沿った断面図である。
【0017】
同図8(a)および(b)に示されるように、このセンサも、大きくは、半導体基板(シリコン基板)1と、絶縁層2、そしてこの絶縁層2上に形成された半導体層(シリコン層)3を有して構成されている。
【0018】
そして、半導体層3は、これも周知のフォトリソグラフィ技術等によって、基本的には図8(a)に示される態様でパターン形成されるとともに、絶縁層2は、同図8(a)に破線にて示される領域Z3が選択的にエッチング除去されて、溝部を形成している。すなわちここでも、上記半導体層3は、この溝部に対応する領域Z3内では上記基板1から浮いた状態となり、それ以外の領域では絶縁層2を介して同基板1に支持されるかたちとなる。
【0019】
具体的には、上記領域Z3内で、上記半導体層3によるマス(重り部)340、該マス340に一体形成された櫛歯状の可動電極ME21〜ME24、これら各可動電極に対向するように片持ち支持された固定電極FE21〜FE24、そして上記マス340を支持する梁B21〜B28が形成されている。また、上記領域Z3外では、同じく半導体層3による梁固定部S21〜S24、並びにアンカー部351〜354がそれぞれ形成されている。
【0020】
そして、上記梁B21〜B28の各々他端は、上記梁固定部S21〜S24によって支持されており、上記固定電極FE21〜FE24は、上記アンカー部351〜354によってそれぞれ支持されている。また、上記梁固定部S22には、上記可動電極ME21〜ME24の電位を取り出すための例えばアルミニウム等の金属からなる電極パッド420が形成されている。他方、上記アンカー部351〜354には、それぞれ上記固定電極FE21〜FE24に給電を行うための同じくアルミニウム等の金属からなる電極パッド421〜424が形成されている。
【0021】
ここで、上記マス340は、図8(a)に示されるように、梁B21〜B24により、図中X軸方向への変位が許容され、また梁B25〜B28により、図中Y軸方向への変位が許容される構造となっている。
【0022】
これにより、マス340に例えばX軸方向への加速度が印加されたときには、該マス340のX軸方向への変位に伴って、これに一体形成されている可動電極ME21およびME22も同様にX軸方向に変位することになる。そしてこの場合、一方では可動電極ME21と固定電極FE21の間の距離が増加または減少し、他方では可動電極ME22と固定電極FE22の間の距離が減少または増加する。他方、上記マス340に例えばY軸方向への加速度が印加されたときには、該マス340のY軸方向への変位に伴って、これに一体形成されている可動電極ME23およびME24も同様にY軸方向に変位することになる。そしてこの場合も、一方では可動電極ME23と固定電極FE23の間の距離が増加または減少し、他方では可動電極ME24と固定電極FE24の間の距離が減少または増加する。
【0023】
そして、このセンサでも、このような各電極間の距離の変化をそれぞれ静電容量の変化として検出し、これらX軸方向およびY軸方向の静電容量の変化を、それぞれ先の図6に例示したスイッチドキャパシタ回路を通じて電圧値に変換することとなる。
【0024】
【特許文献1】
特開平11−326365号公報
【特許文献2】
米国特許第5,880,369号(Fig.4)
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
このように、図8に例示したような半導体力学量センサによれば、直交する2軸方向への力学量(加速度)の印加を検出することは確かに可能である。しかし、この従来のセンサは、これら2軸方向への変位を許容するための2種の梁によって1つのマスが共通に支持されるといった自由度の低い構造をとっている。
【0026】
具体的には、先の図8(a)に示されるように、マス340の例えばX軸方向への変位を考えた場合、梁B21〜B24は、該マス340のX軸方向への変位については確かにこれを許容するかたちで配設されている。ところが、他の梁B25〜B28は、マス340のこうしたX軸方向への変位をむしろ規制するかたちで配設されている。また、逆に、マス340の例えばY軸方向への変位を考えた場合には、梁B25〜B28が、マス340のこうしたY軸方向への変位を許容し、梁B21〜B24はむしろ、マス340のこうした変位を規制するかたちとなっている。
【0027】
このように、上記従来の半導体力学量センサの場合、直交する2軸方向への力学量(加速度)の印加を検出することができるとはいえ、梁自体が、マスの互いに他軸側への変位に干渉する構造となっており、いわゆる他軸感度の低下が避けられないものとなっている。
【0028】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、自由度の高い構造を有し、直交する2軸方向への力学量の印加についても、これをより高い精度にて検出することのできる半導体力学量センサを提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、半導体基板に梁を介して支持されるとともに、力学量の印加に応じて変位するマスを有し、該マスに一体形成された可動電極と前記半導体基板に片持ち支持された固定電極との間の電気的特性の変化に応じて前記印加される力学量を検出する半導体力学量センサとして、前記マスを、直列に、複数のマスに分割するとともに、それら分割した各マスを、互いに近接および離間する方向への変位を許容する連結梁によって連結する構造とした。
【0030】
半導体力学量センサとして、このようなマス構造を採用することにより、上記分割されたマスのうち、少なくとも上記連結梁によって両端が連結されるマスは、その連結方向への変位が干渉されることはなくなる。しかも、これら各マスの連結方向の選択は任意であり、またこれら連結されたマスをその連結方向と直交する方向に変位可能な構造とすることも容易である。このため、同構造を有する半導体力学量センサによれば、その設計の自由度が大きく高められるとともに、直交する2軸方向への力学量の印加についても、これをより高い精度にて検出することが可能となる。なお、上記マスの分割態様は基本的に任意であるが、当該センサとしての性格上、個々のマスは、上記連結梁に比べてより高い剛性が維持される態様で分割される必要がある。
【0031】
そして具体的には、請求項2に記載のように、
(イ)マスは、第1および第2および第3の3つのマスに直列に分割される。
(ロ)それらマスの端部に位置する第1および第3のマスは、マスの連結方向と直交する方向への変位が許容されるかたちでそれぞれ半導体基板に梁を介して支持されるとともに、該変位が許容される方向への力学量の印加を検出する態様で一体形成された可動電極をそれぞれ有する。
(ハ)これら第1および第3のマスに各々連結梁を介して連結された中央に位置する第2のマスは、その変位が許容される方向であるマスの連結方向への力学量の印加を検出する態様で一体形成された可動電極を有する。
といった構造とすることで、上記直交する2軸方向への力学量の印加について、互いに他軸感度を低下させることなくこれを高い精度にて検出することができるようになる。
【0032】
一方、こうした半導体力学量センサとしても、請求項3に記載のように、前記半導体基板として、シリコン基板等の適宜の基板上に絶縁膜およびシリコン膜が形成されたSOI基板を用い、前記各マスおよびそれら各マスに一体形成される可動電極および前記固定電極を前記シリコン膜によって形成する構造とすることで、安定した高い検出精度を有する力学量センサを、周知の半導体製造プロセスを用いて容易に製造することができる。
【0033】
またこの場合には、請求項4に記載のように、前記半導体基板上の前記各マスおよび可動電極および固定電極の周囲に、これらを囲繞するかたちで、前記シリコン膜を残存させる構造とすることで、当該センサの取り付け作業等に際して、その取り扱いを容易なものとすることができるようになる。
【0034】
さらにこの場合、請求項5に記載のように、前記各マスおよび可動電極および固定電極の周囲を囲繞するかたちで残存させたシリコン膜に、その電位を一定の電位に固定するための電極を設ける構造とすれば、これら各マスおよび可動電極および固定電極を該シリコン膜によって電気的にシールドすることも可能となる。すなわち、マスの変位に伴う可動電極と固定電極との間の電気的特性の変化をノイズ等の外乱から保護することができるようにもなる。
【0035】
他方、請求項6に記載のように、半導体基板上の少なくとも各マスおよび可動電極および固定電極の形成部に、その上方を覆うキャップを設ける構造も有効である。このようなキャップを設けることにより、微細な構造を有するそれら各マスおよび可動電極および固定電極を機械的に保護することが可能となる。
【0036】
またこの場合には、請求項7に記載のように、上記キャップを、半導体基板上に絶縁性接着剤にてその当接辺が接着固定される導体もしくは半導体材料にて形成するものとすれば、上記各マスおよび可動電極および固定電極をこのキャップによって電気的にシールドすることも可能となる。すなわち、この場合も、マスの変位に伴う可動電極と固定電極との間の電気的特性の変化をノイズ等の外乱から保護することができるようになる。
【0037】
さらに、請求項8に記載のように、上記キャップにも、その電位を一定の電位に固定するための電極を設ける構造とすれば、上記シールド効果のさらなる向上を図ることができるようになる。
【0038】
なおこれらの構造は、上記請求項5に記載の構造と併用することによって、上記シールド効果もさらに高められるようになる。
そして、特に請求項9に記載のように、同半導体力学量センサを加速度センサとして用いれば、上記直交する2軸方向への加速度の印加について、互いに他軸感度を低下させることなく、これをより高い精度にて検出することができるようになる。
【0039】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1に、本発明にかかる半導体力学量センサについてその第1の実施の形態を示す。
【0040】
この実施の形態にかかる半導体力学量センサも、先の図8に例示したセンサと同様、直交する2軸方向への力学量(加速度)を検出するものである。ただし、この実施の形態のセンサでは、図1(a)〜(c)に示すマス構造、並びに梁構造を採用することによって、前述したような他軸感度の低下を抑えるようにしている。
【0041】
以下、同図1を参照して、この実施の形態にかかるセンサのこうしたマス構造、並びに梁構造について詳述する。なお、図1において、図1(a)はこのセンサエレメントの平面図、図1(b)は図1(a)のB−B線に沿った断面図、図1(c)は図1(a)のC−C線に沿った断面図である。
【0042】
同図1(a)〜(c)に示されるように、このセンサも、大きくは、半導体基板(シリコン基板)1と、絶縁層2、そしてこの絶縁層2上に形成された半導体層(シリコン層)3を有して構成されている。すなわち、先の従来のセンサにおいても同様であるが、通常のSOI基板を利用しての加工が可能な構造となっている。
【0043】
そして、この実施の形態において、上記半導体層3は、周知のフォトリソグラフィ技術等によって、基本的には図1(a)に示される態様でパターン形成されるとともに、絶縁層2は、同図1(a)に破線にて示される領域Z1が選択的にエッチング除去されて、溝部を形成している。これにより、上記半導体層3は、この溝部に対応する領域Z1内では上記基板1から浮いた状態となり、それ以外の領域では絶縁層2を介して同基板1に支持されるかたちとなる。
【0044】
具体的には、上記領域Z1内で、上記半導体層3によるマス(重り部)301〜303、各マスに一体形成された櫛歯状の可動電極ME1〜ME4、これら各可動電極に対向するように片持ち支持された固定電極FE1〜FE4、そして梁B1〜B4、並びに連結梁CB1〜CB4が形成されている。すなわち、この実施の形態にあって、上記各マス301〜303は、直列に分割されて、上記連結梁CB1〜CB4により連結されている。またこのうち、マス301(第1のマス)および303(第3のマス)は上記梁B1〜B4によって支持されている。なお、これらマス301および303は、少なくとも上記連結梁CB1〜CB4よりも高い剛性が維持される態様をもって分割形成されている。他方、上記領域Z1外では、同じく半導体層3による梁固定部S1〜S4、並びにアンカー部311〜314がそれぞれ形成されている。
【0045】
そして、上記梁B1〜B4の各々他端は、上記梁固定部S1〜S4によって支持されており、上記固定電極FE1〜FE4は、上記アンカー部311〜314によってそれぞれ支持されている。また、上記梁固定部S2には、上記可動電極ME1〜ME4の電位を取り出すための例えばアルミニウム等の金属からなる電極パッド400が形成されている。他方、上記アンカー部311〜314には、それぞれ上記固定電極FE1〜FE4に給電を行うための同じくアルミニウム等の金属からなる電極パッド401〜404が形成されている。
【0046】
ここで、上記梁B1〜B4は、図1(a)から明らかなように、上記連結梁CB1〜CB4によって連結されている各マス301〜303の図中X軸方向への変位は許容するものの、これに接続されている両端のマス301および303の図中Y軸方向への変位についてはこれを規制する構造となっている。また一方、上記連結梁CB1〜CB4は、これも図1(a)から明らかなように、中央のマス302(第2のマス)について、その図中X軸方向への変位についてはこれを規制し、その図中Y軸方向への変位のみを許容する構造となっている。ただし、これら連結梁CB1〜CB4は半導体基板1に支持されていないため、このセンサに図中X軸方向への加速度が印加されたときには、同連結梁CB1〜CB4および各マス301〜303は一体となって図中X軸方向に変位するようになる。したがって結局のところ、これら連結梁CB1〜CB4が各マス301〜303のX軸方向への変位に干渉することはない。しかも、これらマス301〜303のうち、特に図中Y軸方向への変位が許容されている中央のマス302は、半導体基板1に支持されている上記梁B1〜B4とは力学的に独立するかたちで配設されているため、これら梁B1〜B4が該中央のマス302のY軸方向への変位に干渉することはない。
【0047】
このように、この実施の形態にかかる半導体力学量センサでは、直交する2軸方向(X軸方向およびY軸方向)のいずれの方向に加速度が印加される場合であれ、上記梁B1〜B4や連結梁CB1〜CB4がマス301〜303の他軸側への変位に干渉することはなく、高い他軸感度が維持されるようになる。
【0048】
そして、この実施の形態のセンサにあっては、このようなマス構造、並びに梁構造を通じて、以下の態様で、図中X軸方向あるいはY軸方向に印加される加速度の検出が実行される。
【0049】
すなわち、上記各マス301〜303に図中X軸方向への加速度が印加されたときには、連結梁CB1〜CB4を含むそれらマス全体のX軸方向への変位に伴って、マス301および303に一体形成されている可動電極ME1およびME2も同様にX軸方向に変位する。そしてこの場合、一方では可動電極ME1と固定電極FE1の間の距離が増加または減少し、他方では可動電極ME2と固定電極FE2の間の距離が減少または増加する。
【0050】
また、上記各マス301〜303に図中Y軸方向への加速度が印加されたときには、それらマスのうち、中央のマス302のY軸方向への変位に伴って、これに一体形成されている可動電極ME3およびME4も同様にY軸方向に変位する。そしてこの場合、一方では可動電極ME3と固定電極FE3の間の距離が増加または減少し、他方では可動電極ME4と固定電極FE4の間の距離が減少または増加する。
【0051】
この実施の形態のセンサでは、図中X軸方向あるいはY軸方向への加速度の印加に伴うこうした電極間の距離の変化がそれぞれ静電容量の変化として検出される。そして、これら静電容量の変化が、それぞれ先の図6に例示したスイッチドキャパシタ回路等を通じて電圧値に変換されるようになる。
【0052】
図2は、上述したこの実施の形態にかかる半導体力学量センサと先の図8に例示した従来の半導体力学量センサとについて、これらをそれぞれ等価的にモデル化するとともに、そのモーダル解析を行った結果を示したものである。
【0053】
なお、この図2の図表において、「共振モード」の欄の「Z方向」とは、Z軸方向への共振モードであり、「マス回転」とは、このZ軸を回転軸とした各マスの回転に関する共振モードであり、そして、「梁のうねり」とは、X軸あるいはY軸を回転軸とした梁の振動(うねり)に関する共振モードである。また、「共振モード」の欄のこれら各項目に対応する数値は、検出方向(X軸方向およびY軸方向)の共振周波数を「1」と基準化したときの相対値であり、またそれぞれ括弧内の数値は、それら各項目に対応する実際の共振周波数である。これら相対値あるいは共振周波数が上記検出方向の値「1」あるいは共振周波数に比べて高いほど、それら共振モードが検出方向の変位に干渉し難いことになる。
【0054】
さて、この図2のモーダル解析結果によれば、上記各共振モードのいずれにおいても、この実施の形態にかかるセンサの方が、従来のセンサよりも上記相対値あるいは共振周波数が高くなっている。特に、「Z方向」および「梁のうねり」に関するそれらの値は、従来のセンサに比べて大幅に高い値を示している。すなわち、上記マス構造、並びに梁構造を有するこの実施の形態にかかるセンサによれば、上述したX軸方向とY軸方向との間の他軸感度のみならず、Z軸方向についても高い他軸感度が維持されることがわかる。また、上記検出方向に対して「梁のうねり」も生じ難いことから、それら検出方向に対するより安定した高い精度での加速度検出が可能でもある。
【0055】
以上説明したように、この実施の形態にかかる半導体力学量センサによれば、以下のような優れた効果が得られるようになる。
(1)重り部となるマスを、マス301〜303に直列に分割するとともに、それら分割した各マス301〜303をそれぞれ連結梁CB1〜CB4によって連結する構造とした。そしてこれらマスのうち、端部に位置するマス301および303についてはこれを、マス301〜303の連結方向と直交する方向への変位が許容されるかたちで半導体基板1にそれぞれ梁B1〜B4を介して支持されるようにした。また、これらマス301〜303のうち、中央に位置するマス302は、上記連結梁CB1〜CB4によって、それらマスの連結方向への変位のみが許容される。このようなマス構造、並びに梁構造を採用したことで、直交する2軸方向への力学量(加速度)の印加についても、互いに他軸感度を低下させることなく、これをより高い精度にて検出することができるようになる。
【0056】
(2)また、その製造には、半導体基板1、絶縁層2、シリコン層3が形成された通常のSOI基板を利用することができ、上記マス構造や梁構造についてもこれを、周知の半導体プロセスを用いて容易に実現することができるようになる。
【0057】
(3)図2のモーダル解析結果からも明らかなように、検出方向であるX軸およびY軸方向のそれらの間の他軸感度のみならず、Z軸方向等についても高い他軸感度を維持することができる。また、検出方向に対して「梁のうねり」も生じ難いことから、それら検出方向に対するより安定した高い精度での加速度検出が可能でもある。
【0058】
(第2の実施の形態)
図3に、本発明にかかる半導体力学量センサについてその第2の実施の形態を示す。
【0059】
この実施の形態にかかる半導体力学量センサも、先の第1の実施の形態のセンサと同様、直交する2軸方向への力学量(加速度)を検出するものであり、上記マス構造や梁構造を採用することによって、他軸感度の低下を抑えるようにしている。しかも、この実施の形態のセンサでは、図3に示すように、各マスおよび可動電極および固定電極、そしてアンカー部の周囲を囲繞するかたちで半導体層3を残存させ、該半導体層3にその電位を一定の電位に固定するための電極を設けることにより、基板強度および電気的特性の向上を図るようにしている。
【0060】
以下、同図3を参照して、この実施の形態にかかるセンサの構造について詳述する。なお、図3において、図3(a)はこのセンサエレメントの平面図、図3(b)は図3(a)のB−B線に沿った断面図、図3(c)は図3(a)のC−C線に沿った断面図である。また、この図3において、先の図1に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する説明は割愛する。
【0061】
この実施の形態にかかる半導体力学量センサも、その基本構造は、先の第1の実施の形態と略同様である。
すなわち、図3(a)〜(c)に示されるように、このセンサも、大きくは、半導体基板(シリコン基板)1と、絶縁層2、そしてこの絶縁層2上に形成された半導体層(シリコン層)3を有して構成されている。そして、半導体層3は、周知のフォトリソグラフィ技術等によって、基本的には図3(a)に示される態様でパターン形成されるとともに、絶縁層2は、同図3(a)に破線にて示される領域Z1が選択的にエッチング除去されて、溝部を形成している。すなわち、上記半導体層3は、この溝部に対応する領域Z1内では上記基板1から浮いた状態となり、それ以外の領域では絶縁層2を介して同基板1に支持されるかたちとなる。この領域Z1の内外でのマス構造や梁構造、さらには各電極構造等も、図1に例示した先の第1の実施の形態のセンサと同様である。
【0062】
ただし、この実施の形態においては、図3(a)〜(c)に示されるように、各マス301〜303および可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4、さらにはアンカー部311〜314の周囲を囲繞するかたちで半導体層3を残存させている。そして、この残存させた該半導体層3には、その電位を一定の電位に固定するための例えばアルミニウム等からなる電極パッド405を形成している。
【0063】
半導体力学量センサとしてこのような構造を採用することで、前記各マス301〜303および可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4、そしてアンカー部311〜314を、上記残存させた半導体層3によって電気的にシールドすることが可能となる。すなわち、マス301〜303の変位に伴う可動電極ME1〜ME4と固定電極FE1〜FE4との間の静電容量の変化をノイズ等の外乱から保護することができるようになる。また、上記残存させた半導体層3によって、このセンサ自体の剛性も増し、取り付け作業等に際して、その取り扱いをより容易なものとすることができるようにもなる。
【0064】
以上に説明したように、この第2の実施の形態にかかる半導体力学量センサによっても、先の第1の実施の形態による上記(1)〜(3)の効果と同様の効果を得ることができるとともに、これに加えて、新たに次のような効果を得ることもできる。
【0065】
(4)残存させた半導体層3によってセンサ自体の剛性が高められ、センサの取り付け作業等に際しても、その取り扱いをより容易なものとすることができるようになる。
【0066】
(5)上記残存させた半導体層3を通じて、各マスおよび可動電極および固定電極、そしてアンカー部を電気的にシールドすることが可能となる。すなわち、マスの変位に伴う可動電極と固定電極との間の静電気量の変化をノイズ等から保護することができるようになり、印加される力学量(加速度)についての安定した高い精度での検出が可能となる。
【0067】
(第3の実施の形態)
図4に、本発明にかかる半導体力学量センサについてその第3の実施の形態を示す。
【0068】
この実施の形態にかかる半導体力学量センサも、先の第1あるいは第2の実施の形態のセンサと同様、直交する2軸方向への力学量(加速度)を検出するものであり、上記マス構造や梁構造を採用することによって、他軸感度の低下を抑えるようにしている。また、この実施の形態のセンサにおいても、先の第2の実施の形態のセンサと同様、各マスおよび可動電極および固定電極、そしてアンカー部の周囲を囲繞するかたちで半導体層3を残存させ、該半導体層3にその電位を一定の電位に固定するための電極を設けている。これにより、基板強度および電気的特性の向上が図られることは前述の通りである。さらにこの実施の形態のセンサでは、上記各マスや可動電極、固定電極、そしてアンカー部の形成部に、その上方を覆うキャップを設けることによって、微細な構造を有するそれら各マスや可動電極、固定電極等を機械的に保護するようにもしている。
【0069】
以下、図4を参照して、この実施の形態にかかるセンサの構造について詳述する。なお、図4において、図4(a)はこのセンサエレメントの平面図、図4(b)は図4(a)のB−B線に沿った断面図、図4(c)は図4(a)のC−C線に沿った断面図である。またこの図4においても、先の図1あるいは図3に示した要素と同一もしくは対応する要素には各々同一の符号を付して示しており、それら要素についての重複する詳細は割愛する。
【0070】
この実施の形態にかかる半導体力学量センサも、上記キャップの内部の基本構造は先の第2の実施の形態と略同様である。
すなわち、図4(a)〜(c)に示されるように、このセンサも、大きくは、半導体基板(シリコン基板)1と、絶縁層2、そしてこの絶縁層2上に形成された半導体層(シリコン層)3を有して構成されている。そして、半導体層3は、周知のフォトリソグラフィ技術等によって、基本的には、図4(a)に示される態様でパターン形成されるとともに、絶縁層2は、同図4(a)に破線にて示される領域Z1が選択的にエッチング除去されて、溝部を形成している。すなわち、上記半導体層3は、この溝部に対応する領域Z1内では上記基板1から浮いた状態となり、それ以外の領域では絶縁層2を残して同基板1に支持されるかたちとなる。この領域Z1の内外でのマス構造や梁構造、さらには各電極構造等も、図1や図3に例示した第1あるいは第2の実施の形態のセンサと同様である。ただし、この実施の形態では、以下に説明するキャップ5を設ける都合上、前記電極パッド400〜404は、図4(a)に示される態様で、半導体層3を通じて一方向に引き出されている。また、残存された半導体層3の電位固定用の電極パッド405も同様に、キャップ5の外側に配設される構造となっている。
【0071】
次に、この実施の形態において、各マス301〜303および可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4、そしてアンカー部311〜314が形成された部分の上方を覆うように配設されているキャップ5について詳述する。
【0072】
この実施の形態において、キャップ5は、例えば上記半導体層3と同様、シリコン等の半導体材料にて形成されている。そして、その半導体基板1(正確にはその上の半導体層3)との当接辺は、絶縁性の接着剤等にて接着固定されている。また、このキャップ5にも、その電位を一定の電位に固定するための電極パッド500が形成されている。
【0073】
半導体力学量センサとしてこのような構造を採用することで、前記各マス301〜303および可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4、そしてアンカー部311〜314を、このキャップ5によっても電気的にシールドすることが可能となる。すなわち、先の残存させた半導体層3によるシールド効果とも併せ、各マス301〜303の変位に伴う可動電極ME1〜ME4と固定電極FE1〜FE4との間の静電容量の変化をノイズ等の外乱からより的確に保護することができるようになる。また、少なくとも各マス301〜303および可動電極ME1〜ME4および固定電極FE1〜FE4が形成された部分の上方がこのキャップ5により覆われることで、それら微細な構造を有する各部が機械的に保護されることともなる。
【0074】
以上説明したように、この第3の実施の形態にかかる半導体力学量センサによれば、先の第1あるいは第2の実施の形態による前記(1)〜(5)の効果と同様の効果を得ることができるとともに、新たに次のような効果を得ることもできる。
【0075】
(6)各マスや可動電極、固定電極、アンカー部等を覆うキャップ5をシリコン等の半導体材料にて形成するとともに、このキャップ5についても、電極パッド500を通じてその電位を一定の電位に固定することとした。これにより、前述した電気的なシールド効果のさらなる向上を図ることができるようになる。
【0076】
(7)少なくとも各マスおよび可動電極および固定電極が形成された部分の上方をキャップ5で覆う構造としたことで、それら微細な構造を有する各部を機械的に保護することができるようにもなる。
(他の実施の形態)
・上記第2の実施の形態では、各マスおよび可動電極および固定電極、そしてアンカー部の周囲を囲繞するかたちで残存させた半導体層3に電極パッド405を形成しているが、前記残存させた半導体層3に電極パッド405を設けない構造とすることも可能である。そしてこのような構造としても、残存させた半導体層3によってセンサ自体の剛性が高められ、センサの取り付け作業等に際しても、その取り扱いをより容易なものとすることができるようになる。また、同電極パッド405を設ける場合ほどではないにしろ、電気的特性の向上を図ることもできる。
【0077】
・上記第3の実施の形態では、キャップ5をシリコン等の半導体材料にて形成することとしたが、このキャップ5についてはこれを、例えば銅やアルミニウム等の導体材料で形成することもできる。そしてこのような導体材料にて形成されたキャップ5によっても、上記第3の実施の形態と同様に、各マスや可動電極、固定電極、アンカー部等を機械的に保護するとともに、ノイズ等の外乱から保護することができる。
【0078】
・上記第3の実施の形態では、キャップ5にその電位を一定の電位に固定するための電極パッド500を設けることとした。しかし、この電極パッド500を形成せずに、各マスや可動電極、固定電極、アンカー部等の上方を前記キャップ5で覆うことのみによっても、同電極パッド500を設ける場合ほどではないにしろ、それら覆われた各部を電気的にシールドして、ノイズ等の外乱から保護することはできる。
【0079】
・また、上記キャップ5についてはこれを、例えば樹脂等の絶縁材料で形成することもできる。そして、この絶縁材料にて形成されたキャップ5によっても、各マスや可動電極、固定電極等を機械的に保護することはできる。しかも、この場合においては、半導体基板1(正確にはその上の半導体層3)との接着方法は任意である。
【0080】
・上記第3の実施の形態では、半導体基板1の略全体を覆うようなかたちでキャップ5を設け、電極パッド400〜404についてはこれを、半導体層3を通じて一方向に引き出す構造とした。しかし、このキャップ5は、各マスや可動電極、固定電極、アンカー部等の上方のみを選択的に覆う態様で設けることもできる。このような構造によれば、前記電極パッド400〜404の引き出しが容易になるとともに、半導体層3による配線構造についても、これをより簡素にすることができるようになる。
【0081】
・上記第3の実施の形態では、第2の実施の形態のセンサ構造に対して前記キャップ5を設ける場合について例示したが、このキャップ5は、先の第1の実施の形態のセンサ構造についても同様に適用することができる。
【0082】
・上記各実施の形態においては、各マス301〜303が連結梁CB1〜CB4によって連結されている方向をY軸方向とし、これと直交する方向をX軸方向としているが、それら軸方向の設定はZ軸方向も含めて任意である。
【0083】
・上記各実施の形態においては、検出回路として先の図6に例示するスイッチドキャパシタ回路を用いているが、基本的に検出方法および検出回路は任意である。また、静電容量の変化以外の電気的特性、例えば電界や抵抗値等の変化を利用して加速度を検出するようにしてもよい。
【0084】
・上記各実施の形態においては、重り部となるマスを、3つのマス301〜303に直列に分割するとともに、それら分割したマスをそれぞれ連結梁CB1〜CB4によって連結する構造とした。しかし、前記マスは、連結梁に比べてより高い剛性が維持される態様で、複数のマスに直列に分割されるとともに、互いに近接および離間する方向へ変位を許容する上記連結梁によって連結されていれば、前述と同様の効果が得られる。すなわち、連結梁の構造およびマスの分割態様(例えばマスの分割数)等は上記条件を満たす範囲で任意であり、その設計の自由度も高く維持される。
【0085】
・上記各実施の形態においては、SOI基板を利用する場合について言及したが、上記マス構造や梁構造は、必ずしもこうしたSOI基板を用いずとも実現可能である。また、基板1に関しても、絶縁基板等も含めて、半導体基板に限らない任意の基板を採用することができる。
【0086】
・上記各実施の形態においては、加速度検出用の2軸半導体力学量センサについて言及したが、他の力学量、例えば角速度等を検出する力学量センサとしても本発明は同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる半導体力学量センサの第1の実施の形態について、(a)はそのセンサ構造の概要を示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図、(c)は(a)のC−C線に沿った断面図。
【図2】上記第1の実施の形態の半導体力学量センサと従来の半導体力学量センサとのモーダル解析結果を対比して示す図表。
【図3】この発明にかかる半導体力学量センサの第2の実施の形態について、(a)はそのセンサ構造の概要を示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図、(c)は(a)のC−C線に沿った断面図。
【図4】この発明にかかる半導体力学量センサの第3の実施の形態について、(a)はそのセンサ構造の概要を示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図、(c)は(a)のC−C線に沿った断面図。
【図5】従来の1軸タイプの半導体力学量センサの一例について、(a)はそのセンサ構造の概要を示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図。
【図6】スイッチドキャパシタ回路の構成例を示す回路図。
【図7】(a)〜(d)は上記スイッチドキャパシタ回路の動作例を示すタイミングチャート。
【図8】従来の2軸タイプの半導体力学量センサの一例について、(a)はそのセンサ構造の概要を示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った断面図。
【符号の説明】
1…半導体基板(シリコン基板)、2…絶縁層、3…半導体層(シリコン層)、5…キャップ、301〜303、320、340…マス、311〜314、321、322、331、332、351〜354…アンカー部、400〜405、410〜412、420〜424、500…電極パッド、B1〜B4、B11〜B14、B21〜B28…梁、S1〜S4、S21〜S24…梁固定部、CB1〜CB4…連結梁、FE1〜FE4、FE11、FE12、FE21〜FE24…固定電極、ME1〜ME4、ME11、ME12、ME21〜ME24…可動電極。
Claims (9)
- 半導体基板に梁を介して支持されるとともに、力学量の印加に応じて変位するマスを有し、該マスに一体形成された可動電極と前記半導体基板に片持ち支持された固定電極との間の電気的特性の変化に応じて前記印加される力学量を検出する半導体力学量センサにおいて、
前記マスは、直列に、複数のマスに分割されてなるとともに、それら分割された各マスは、互いに近接および離間する方向への変位を許容する連結梁によって連結されてなる
ことを特徴とする半導体力学量センサ。 - 前記マスは、第1および第2および第3の3つのマスに直列に分割されて、直交する2軸方向への力学量の印加を検出するものであり、それらマスの端部に位置する第1および第3のマスは、前記マスの連結方向と直交する方向への変位が許容されるかたちでそれぞれ前記半導体基板に梁を介して支持されるとともに、該変位が許容される方向への力学量の印加を検出する態様で一体形成された可動電極をそれぞれ有してなり、これら第1および第3のマスに各々前記連結梁を介して連結された中央に位置する第2のマスは、その変位が許容される方向である前記マスの連結方向への力学量の印加を検出する態様で一体形成された可動電極を有してなる
請求項1に記載の半導体力学量センサ。 - 前記半導体基板は、適宜の基板上に絶縁膜およびシリコン膜が形成されたSOI基板からなり、前記各マスおよびそれら各マスに一体形成された可動電極および前記固定電極は、前記シリコン膜によって形成されてなる
請求項1または2に記載の半導体力学量センサ。 - 前記半導体基板上の前記各マスおよび可動電極および固定電極の周囲には、これらを囲繞するかたちで前記シリコン膜が残存されてなる
請求項3に記載の半導体力学量センサ。 - 前記各マスおよび可動電極および固定電極の周囲を囲繞するかたちで残存されたシリコン膜には、その電位を一定の電位に固定するための電極が設けられてなる
請求項4に記載の半導体力学量センサ。 - 前記半導体基板上の少なくとも前記各マスおよび可動電極および固定電極の形成部には、その上方を覆うキャップが設けられてなる
請求項1〜5のいずれかに記載の半導体力学量センサ。 - 前記キャップが前記半導体基板上に絶縁性の接着剤にてその当接辺が接着固定される導体もしくは半導体材料からなる
請求項6に記載の半導体力学量センサ。 - 前記キャップには、その電位を一定の電位に固定するための電極が設けられてなる
請求項7に記載の半導体力学量センサ。 - 当該半導体力学量センサが、前記印加される力学量として加速度を検出する加速度センサである
請求項1〜8のいずれかに記載の半導体力学量センサ。
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