JP2010048785A - 電極基板及びこれを用いた静電容量型加速度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】基板に設けられた、固定電極及び可動電極用の導電部材間の寄生容量を低減させて高感度を示す静電容量型加速度センサを提供すること。
【解決手段】本発明の電極基板は、一対の主面を有する基板19と、前記基板19を貫通し、前記基板の両主面で露出するように形成された複数の導電部材16a,16b,16gと、少なくとも一つの導電部材16gを囲むように形成されたグランド電極16hと、を具備することを特徴とする。
【選択図】図1a
【解決手段】本発明の電極基板は、一対の主面を有する基板19と、前記基板19を貫通し、前記基板の両主面で露出するように形成された複数の導電部材16a,16b,16gと、少なくとも一つの導電部材16gを囲むように形成されたグランド電極16hと、を具備することを特徴とする。
【選択図】図1a
Description
本発明は、電極基板及びこれを用いた静電容量型加速度センサに関する。
従来より、静電容量センサとして、静電容量型加速度センサが知られている。この静電容量型加速度センサは、固定電極と、固定電極と所定の間隔をおいて配置され、G(加速度)が加わることにより揺動する可動電極(錘)とを有し、固定電極と可動電極との間の微小な静電容量の変化を検出することにより、加速度を求めることができる。
このような静電容量型加速度センサとして、図10に示すものがある(特許文献1)。図10に示す静電容量型加速度センサにおいては、錘部A1が加速度を受けると、錘部A1を支持する撓み部A2が撓む。これにより、可動電極(錘)A1と固定電極Bとの間の距離が変化し、その際の静電容量の変化を検出することにより加速度を求める。
この構成においては、固定電極Bと電気的に接続する導電部材C2を基台Dに貫通して設けて、固定電極Bを外部回路と電気的に接続できようにしている。また、可動電極(錘)と電気的に接続する導電部材C1(可動電極引出し部)を基台Dに貫通して設けて、可動電極を外部回路と電気的に接続できるようにしている。このため、可動電極(錘)A1と固定電極Bとの間の静電容量の変化を信号として外部回路(図示せず)に取り出すことができる。この導電部材C2及び導電部材C1は、基台Dに異方性エッチングにより設けた貫通孔に、銀ペーストを充填することにより設けることができる。
特開2002−328137号公報
図10に示す静電容量型加速度センサにおいては、導電部材C2と導電部材C1との間に寄生容量が発生する。上記静電容量型加速度センサは、微小な静電容量の変化を検出することから、導電部材C2と導電部材C1との間に発生する寄生容量が、測定に影響を及ぼして感度を低下させる恐れがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、基板に設けられた、固定電極及び可動電極用の導電部材間の寄生容量を低減させて高感度を示す静電容量型加速度センサを提供することを目的とする。
本発明の電極基板は、一対の主面を有する基板と、前記基板を貫通し、前記基板の両主面で露出するように形成された複数の導電部材と、少なくとも一つの導電部材を囲むように形成されたグランド電極と、を具備することを特徴とする。
この構成によれば、導電部材を囲むようにグランド電極を形成しているので、導電部材間に発生する寄生容量を小さくすることができる。これにより、感度を向上させることができ、高精度のセンシングが可能となる。
本発明の静電容量型加速度センサは、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の3軸方向用の可動電極を有し、一対の主面を有する導電性の第1基板と、前記第1基板の一方の主面に接合されており、前記可動電極と所定の間隔を置いて対向し、前記静電容量を容量差として検出するための固定電極を有する電極基板と、前記第1基板の他方の主面と接合された第2基板と、具備し、前記可動電極と前記固定電極との間の静電容量の変化から加速度を検出する静電容量型加速度センサであって、前記電極基板は、一対の主面を有する基板と、前記基板を貫通し、前記基板の主面で露出するように形成された複数の導電部材と、少なくとも一つの導電部材を囲むように形成されたグランド電極と、を具備し、一つの導電部材が前記第1基板と電気的に接続されており、前記一つの導電部材以外の導電部材が前記固定電極と電気的に接続することを特徴とする。
この構成によれば、電極基板が導電部材を囲むグランド電極を有しているので、導電部材間に発生する寄生容量を小さくすることができる。これにより、感度を向上させることができ、高精度でX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の加速度を独立して検出することができる。
本発明の電極基板は、一対の主面を有する基板と、前記基板を貫通し、前記基板の両主面で露出するように形成された複数の導電部材と、少なくとも一つの導電部材を囲むように形成されたグランド電極と、を具備するので、導電部材間に発生する寄生容量を小さくして、高精度のセンシングを行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1aは本発明の実施の形態に係る静電容量型加速度センサ用の電極基板を示す平面図であり、図1bは図1aのIA−IA線に沿う断面図であり、図1cは図1aのIB−IB線に沿う断面図である。
図1aは本発明の実施の形態に係る静電容量型加速度センサ用の電極基板を示す平面図であり、図1bは図1aのIA−IA線に沿う断面図であり、図1cは図1aのIB−IB線に沿う断面図である。
図1aに示す電極基板19は、基板13にそれぞれ設けられた、X軸用の一対の導電部材16a,16bと、Y軸用の一対の導電部材16c,16dと、Z軸用の一対の導電部材16e,16fと、可動電極引出し部となる導電部材16gと、導電部材16gを囲繞するグランド電極16hとを有する。これらの導電部材16a〜16g及びグランド電極16hは、図1b、図1cに示すように、基板13をそれぞれ貫通しており、基板13の両主面上でそれぞれ露出している。これにより、電極基板19の両主面間で電気的導通をとることができる。
図2は、図1に示す電極基板を用いた静電容量型加速度センサを示す平面図である。図3aは、図2におけるIIA−IIA線に沿う断面図であり、図3bは、図2におけるIIB−IIB線に沿う断面図である。
図2に示す静電容量型加速度センサは、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の加速度をそれぞれ独立して検出するための3つの可動電極である錘部12a,12b,12cを有する第1基板であるシリコン基板11を備えている。図2に示すように、Y軸方向用の錘部12aは、平面視において略矩形状を有しており、対向する一対の辺において捩り梁11aによりシリコン基板11に対して揺動可能に支持されている。X軸方向用の錘部12bは、平面視において略矩形状を有しており、対向する一対の辺において捩り梁11bによりシリコン基板11に対して揺動可能に支持されている。それぞれの捩り梁11a,11bは、平面視において錘部12a,12bのそれぞれ対向する辺の中央付近に設けられている。また、Z軸方向用の錘部12cは、平面視において略矩形状を有しており、その周囲が撓み梁11cによりシリコン基板11に対して昇降可能に支持されている。
図3a、図3bに示すように、シリコン基板11は、その一方の主面で電極基板19と接合している。電極基板19は、それぞれの錘部12a,12b,12cに対して所定の間隔を持ち、導電部材16a〜16fと電気的に接続するように設けられた固定電極14a〜14fを有する。また、シリコン基板11と導電部材16gとが電気的に接続されている。すなわち、シリコン基板11と電極基板19とを接合することにより、Y軸方向の加速度に感度を持つ可動電極である錘部12aと、一対の固定電極14a,14bとがそれぞれ所定の間隔をおいて対向し、X軸方向の加速度に感度を持つ可動電極である錘部12bと、一対の固定電極14c,14dとがそれぞれ所定の間隔をおいて対向し、Z軸方向の加速度に感度を持つ可動電極である錘部12cと、固定電極14eとが所定の間隔をおいて対向する。また、Z軸方向のセンシングの際の参照電極用の固定電極14fは、シリコン基板11との間で所定の間隔をおいて対向している。
また、シリコン基板11の他方の主面には第3基板であるガラス基板15が接合されており、錘部12a,12bを揺動させ、錘部12cを昇降させる領域(キャビティ)18a,18b,18cが形成される。
Y軸方向用錘部12aに対する固定電極14a,14bは、ほぼ同じ面積を有しており、図2から分かるように、平面視においてY軸方向用錘部12aの下方であって、捩り梁11aを通る中央部分を境界にして分割して形成されている(図2において上下分割)。ここでは、2つの固定電極14a,14bの面積を合わせてY軸方向用錘部12aの面積とほぼ等しくなるようになっている。
X軸方向用錘部12bに対する固定電極14c,14dは、ほぼ同じ面積を有しており、図2から分かるように、平面視においてX軸方向用錘部12bの下方であって、捩り梁11bを通る中央部分を境界にして分割して形成されている(図2において左右分割)。ここでは、2つの固定電極14c,14dの面積を合わせてX軸方向用錘部12bの面積とほぼ等しくなるようになっている。
Z軸方向用錘部12cに対する固定電極14e,14fは、それぞれZ軸方向用錘部12cとほぼ同じ面積を有しており、一方の固定電極14eがZ軸方向用錘部12cの下方に形成され、他方の固定電極14fが別の領域に形成されている。
図3aは図2のIIA−IIA線に沿う断面図であり、Y軸方向用錘部12aとX軸方向用錘部12bについての構成を示しており、図3bは図2のIIB−IIB線に沿う断面図であり、Z軸方向用錘部12cについての構成を示す。図3aにおいて、電極基板19の一方の主面に固定電極14a,14b,14c,14d,14e,14fが形成されている。なお、図3aにおいては、X軸方向用錘部12bに対する固定電極14c,14dが示されており、Y軸方向用錘部12aに対する固定電極14a,14b及びZ軸方向用錘部12cに対する固定電極14e,14fは示されていない。
電極基板19には、図1で説明したように、両主面で露出するように貫通する導電部材16a〜16g(16gは可動電極引出し部)及びグランド電極16hが設けられている。導電部材16a,16bについては、図3aに示すように、電極基板19の両方の主面で露出しており、X軸方向用錘部12bに対向する側の主面に固定電極14c,14dが形成されており、電極基板19の他方の主面に引き出し電極17a,17bが形成されている。また、導電部材については、電極基板19の両方の主面で露出しており、Y軸方向用錘部12aに対向する側の主面に固定電極14a,14bが形成されており、電極基板19の他方の主面に引き出し電極が形成されている。また、導電部材16eについては、図3bに示すように、電極基板19の両方の主面で露出しており、Z軸方向用錘部12cに対向する側の主面に固定電極14eが形成されており、電極基板19の他方の主面に引き出し電極17eが形成されている。導電部材16fについては、図3bに示すように、電極基板19の両方の主面で露出しており、シリコン基板11に対向する側の主面に固定電極14fが形成されており、電極基板19の他方の主面に引き出し電極17fが形成されている。また、導電部材16g(共通電極)については、図3aに示すように、電極基板19の両方の主面で露出しており、一方の主面でシリコン基板11と電気的に接続され、電極基板19の他方の主面に引き出し電極が形成されている。
グランド電極16hは、可動電極引出し部である導電部材16gの周囲を厚さ方向にわたって囲むように形成されている。すなわち、この可動電極引き出し部の導電部材16gは、厚さ方向にわたってグランド電極16hの内側に配設されている。ここでは、グランド電極16hは、可動電極引出し部である導電部材16gの周囲を厚さ方向にわたって囲むように形成されているが、本発明はこれに限定されず、導電部材16gの周囲に厚さ方向にわたって設けられていれば、導電部材16gを囲繞していなくても良い。例えば、導電部材16gを挟むようにしてグランド電極16hを厚さ方向にわたって配設しても良い。
このグランド電極16hも電極基板19の両方の主面で露出しており、一方の主面ではシリコン基板11と電気的に接続しないようになっており(ここではシリコン基板側に凹部を形成している)、電極基板19の他方の主面に引き出し電極が形成されている。このような構成により、Y軸用の可動電極12aに対する固定電極14a,14bは、導電部材16c,16d及び引き出し電極を介して外部回路に電気的に接続でき、X軸用の可動電極12bに対する固定電極14c,14dは、導電部材16a,16b及び引き出し電極17a,17bを介して外部回路に電気的に接続でき、Z軸用の可動電極12cに対する固定電極14e,14fは、導電部材16e,16f及び引き出し電極17e,17fを介して外部回路に電気的に接続できるようになっている。これにより、前記各可動電極と前記各固定電極との間の静電容量の変化を信号として外部回路(図示せず)に取り出すことができる。
電極基板19上には、シリコン基板11が接合されている。ここでは、梁部の形成を容易にするためにシリコン基板としてSOI(Silicon On Insulator)基板を用いている。また、シリコン基板11上には、ガラス基板15が接合されている。これにより、Y軸方向用錘部12aとそれに対応する固定電極14a,14bとが配置されたキャビティ18bと、X軸方向用錘部12bとそれに対応する固定電極14c,14dとが配置されたキャビティ18aと、が形成される。なお、電極基板19とシリコン基板11との間や、ガラス基板15とシリコン基板11との間の接合には、基板間で形成するキャビティ18a,18bの気密性を高めるために陽極接合を行うことが好ましい。また、キャビティ18a内においては、SOI基板の活性層11fが捩り梁11bとなり、X軸方向用錘部12bを揺動可能に支持し、キャビティ18b内においては、SOI基板の活性層11fが捩り梁11aとなり、Y軸方向用錘部12bを揺動可能に支持する。
また、電極基板19上に、シリコン基板11が接合され、シリコン基板11上に、ガラス基板15が接合されていることにより、Z軸方向用錘部12cと対応する固定電極14eとが配置されたキャビティ18cと、Z軸方向用錘部12cの固定電極14fが配置されたキャビティと、が形成される。これにより、Z軸方向用の固定電極の一方が、X軸、Y軸、Z軸方向のそれぞれの可動電極のキャビティとは異なる独立したキャビティ内に密閉される。なお、電極基板19とシリコン基板11との間や、ガラス基板15とシリコン基板11との間の接合には、基板間で形成するキャビティ18cの気密性を高めるために陽極接合を行うことが好ましい。また、キャビティ18a内においては、SOI基板の活性層11fが撓み梁11cとなり、Z軸方向用錘部12cを昇降可能に支持する。
捩り梁11a,11b及び撓み梁11cは、錘部12a,12b,12cの底面側に形成されている。すなわち、それぞれの錘部12a,12b,12cは、シリコン基板11の厚さ方向において対向する一対の面を有しており、捩り梁11a,11b及び撓み梁11cがそれぞれの錘部12a,12b,12cの一方の面に沿って形成されている。また、図2,図3a,図3bから分かるように、捩り梁11a,11b及び撓み梁11cは、それぞれ錘部12a,12b,12cの重心位置を通っている。このような梁を形成することにより、他軸の感度を低くして、各軸方向の加速度を独立して検出することが可能となる。
このような構成の静電容量型加速度センサにおいては、X軸方向の加速度が加わると、捩り梁11bを支点としてX軸方向用錘部12bが揺動する。このように錘部12bが揺動して変位することにより、対向した固定電極14c,14dとの間の距離が変わり、その距離の変化による静電容量の変化を容量差として検出することができ、その静電容量変化で加速度を測定することができる。また、Y軸方向の加速度が加わると、捩り梁11aを支点としてY軸方向用錘部12aが揺動する。このように錘部12aが揺動して変位することにより、対向した固定電極14a,14bとの間の距離が変わり、その距離の変化による静電容量の変化を容量差として検出することができ、その静電容量変化で加速度を測定することができる。また、Z軸方向の加速度が加わると、撓み梁11cによりZ軸方向用錘部12cが昇降する。このように錘部12cが昇降して変位することにより、対向した固定電極14eとの間の距離が変わり、その距離の変化による静電容量の変化を固定電極14fとの間の容量差として検出することができ、その静電容量変化で加速度を測定することができる。
次に、上記構成を有する電極基板を用いた静電容量型加速度センサの製造方法の一例について説明する。図4(a)〜(d)、図5(a),(b)、図6(a)〜(c)は、本発明に係る電極基板及びその電極基板を用いた静電容量型加速度センサの製造方法を説明するための図である。
図4(a)のように、シリコン基板16の一方の主面にフォトリソグラフィ及びドライエッチングにより導電部材16a〜16g(16g:可動電極引出し部)及びグランド電極16hとなる突出部を形成する(16c,16d,16e,16fは図示せず)。次いで、シリコン基板16の突出部上にガラス基板13を載せ、図4(b)に示すように、加熱しながら押圧してガラス基板13に突出部を埋め込むようにして両基板を接合する。その後、図4(c)のように、得られた複合体の両主面を研磨して、導電部材16a〜16g及びグランド電極16hを両主面で露出させる(16c,16d,16e,16fは図示せず)ことで、電極基板19が完成する。なお、図4(a)〜(c)は、図3aに対応する構成に基づいて示しているが、図3bに対応する構成も同時に形成される。すなわち、Y軸方向用錘部12a及びZ軸方向用錘部12cに対応する固定電極に対する導電部材16c,16d,16e,16fも同様に形成される。
次いで、図4(d)に示すように、露出した導電部材16a〜16f(16c,16d,16e,16fは図示せず)上にスパッタリングにより電極材料を被着し、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、それぞれ固定電極14a〜14eを形成する(14a,14b,14e,14fは図示せず)。
次いで、図5(a)に示すように、活性層11f、絶縁層11d及びベース層11eを有するSOI基板(シリコン基板11)のベース層11eの錘部を形成する領域及び活性層11fの錘を形成する領域にフォトリソグラフィ及びエッチングにより凹部11g,11hを形成する。次いで、図5(b)に示すように、活性層11fをフォトリソグラフィ及びエッチングにより捩り梁11a,11bを形成する(11bは図示せず)。なお、SOI基板の活性層11fの厚さから前記凹部の段差を引いた厚さが梁の厚さに相当する。なお、図5(a),(b)は、図3aに対応する構成に基づいて示しているが、図3bに対応する構成も同時に形成される。すなわち、X軸方向用錘部12bに対応する捩り梁11b、Z軸方向用錘部12cに対応する撓み梁11cや凹部11g,11hも同様に形成される。
次いで、図6(a)に示すように、図4(d)に示す構造の電極基板19に形成した固定電極14c,14dと、SOI基板の活性層11fとが対向するようにして、図5(b)に示すシリコン基板11を電極基板19に載置し、両基板11,13を接合する。このとき、陽極接合により接合を行うことが好ましい。次いで、図6(b)に示すように、SOI基板のベース層11e及び絶縁層11dの所定の部分をフォトリソグラフィ及びエッチングにより除去してX軸方向用錘部12b及びY軸方向用錘部12aを形成する。次いで、図6(c)に示すように、SOI基板のベース層11e上にガラス基板15を接合する(11eは図示せず)。このとき、陽極接合により接合を行うことが好ましい。次いで、電極基板19の主面に露出した導電部材16a〜16h上にそれぞれ電極材料を被着し、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、それぞれ引き出し電極17a〜17fを形成する(17c,17d,17e,17fは図示せず)。
このような構成の静電容量型加速度センサにおいては、共通電極となる導電部材16gを囲むようにグランド電極16hを形成している。このため、導電部材間に発生する寄生容量を小さくすることができる。これにより、感度を向上させることができ、高精度のセンシングが可能となる。また、この静電容量型加速度センサにおいては、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の加速度をそれぞれ独立して、錘として機能する可動電極と固定電極との間の静電容量の変化から検出することができる。すなわち、他軸感度が低いので、他軸方向の加速度成分の干渉がない状態で各軸方向の加速度を検出することができる。これにより、加速度検出のための演算が簡単であり、信号回路の負荷を小さくすることができる。また、各軸方向の加速度は、差動方式により算出するので、精度良く求めることができる。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
(実施例1)
図1a〜図1cに示す電極配置(共通電極用の導電部材16gを厚さ方向にわたって囲繞するようにグランド電極16hが設けられている電極配置)となるように電極基板を作製した。この電極基板は、上述した方法により作製した。このようにして得られた電極基板について、導電部材16a〜16fと可動電極引出し部である導電部材16gとの間に発生する寄生容量を調べた。その結果を下記表1に示す。なお、寄生容量は、LCRメータにより求めた。
(実施例1)
図1a〜図1cに示す電極配置(共通電極用の導電部材16gを厚さ方向にわたって囲繞するようにグランド電極16hが設けられている電極配置)となるように電極基板を作製した。この電極基板は、上述した方法により作製した。このようにして得られた電極基板について、導電部材16a〜16fと可動電極引出し部である導電部材16gとの間に発生する寄生容量を調べた。その結果を下記表1に示す。なお、寄生容量は、LCRメータにより求めた。
(実施例2)
図9a、図9bに示す電極配置(共通電極用の導電部材16gを挟むように厚さ方向にわたって位置するようにグランド電極16hが設けられている電極配置)となるように電極基板を作製した。このようにして得られた電極基板について、導電部材16a〜16fと可動電極引出し部である導電部材16gとの間に発生する寄生容量を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
図9a、図9bに示す電極配置(共通電極用の導電部材16gを挟むように厚さ方向にわたって位置するようにグランド電極16hが設けられている電極配置)となるように電極基板を作製した。このようにして得られた電極基板について、導電部材16a〜16fと可動電極引出し部である導電部材16gとの間に発生する寄生容量を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
(比較例1)
図7a、図7bに示す電極配置(共通電極用の導電部材16gの周辺にグランド電極16hが設けられていない電極配置)となるように電極基板を作製した。このようにして得られた電極基板について、導電部材16a〜16fと可動電極引出し部である導電部材16gとの間に発生する寄生容量を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
図7a、図7bに示す電極配置(共通電極用の導電部材16gの周辺にグランド電極16hが設けられていない電極配置)となるように電極基板を作製した。このようにして得られた電極基板について、導電部材16a〜16fと可動電極引出し部である導電部材16gとの間に発生する寄生容量を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
(比較例2)
図8a、図8bに示す電極配置(基板13の表面上の共通電極用の導電部材16gの周辺にグランド電極16hが設けられている電極配置)となるように電極基板を作製した。このようにして得られた電極基板について、導電部材16a〜16fと可動電極引出し部である導電部材16gとの間に発生する寄生容量を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
図8a、図8bに示す電極配置(基板13の表面上の共通電極用の導電部材16gの周辺にグランド電極16hが設けられている電極配置)となるように電極基板を作製した。このようにして得られた電極基板について、導電部材16a〜16fと可動電極引出し部である導電部材16gとの間に発生する寄生容量を実施例1と同様にして調べた。その結果を下記表1に併記する。
表1から分かるように、実施例1,2の電極基板においては、グランド電極16hを可動電極引出し部である導電部材16gの周辺を囲むように形成しているので、導電部材16a〜16fと導電部材16gとの間で発生する寄生容量が減少している。一方、グランド電極16hを設けない、あるいは、基板13の表面にしかグランド電極16hを設けない構成(比較例1,2)においては、寄生容量が非常に大きかった。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。上記実施の形態においては、ガラス基板とシリコン基板を用いた場合について説明しているが、本発明においては、ガラス基板やシリコン基板以外の基板を用いても良い。また、センサにおける電極や各層の厚さや材質については本発明の効果を逸脱しない範囲で適宜設定することができる。また、上記実施の形態で説明したプロセスについてはこれに限定されず、工程間の適宜順序を変えて実施しても良い。例えば、凹部などの形成を電極基板のエッチングによって行っているが、対向面であるSOI基板の側に行っても良い。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
11 シリコン基板(第1基板)
11a,11b 捩り梁
11c 撓み梁
11d 絶縁層
11e ベース層
11f 活性層
11g,11h 凹部
12a Y軸方向用錘部
12b X軸方向用錘部
12c Z軸方向用錘部
13 基板
14a〜14e 固定電極
15 ガラス基板(第2基板)
16a〜16f 導電部材
16g 導電部材(可動電極引出し部、共通電極)
16h グランド電極
17a〜17e 引き出し電極
18,18a,18b,18c キャビティ
19 電極基板
11a,11b 捩り梁
11c 撓み梁
11d 絶縁層
11e ベース層
11f 活性層
11g,11h 凹部
12a Y軸方向用錘部
12b X軸方向用錘部
12c Z軸方向用錘部
13 基板
14a〜14e 固定電極
15 ガラス基板(第2基板)
16a〜16f 導電部材
16g 導電部材(可動電極引出し部、共通電極)
16h グランド電極
17a〜17e 引き出し電極
18,18a,18b,18c キャビティ
19 電極基板
Claims (2)
- 一対の主面を有する基板と、前記基板を貫通し、前記基板の両主面で露出するように形成された複数の導電部材と、少なくとも一つの導電部材を囲むように形成されたグランド電極と、を具備することを特徴とする電極基板。
- X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の3軸方向用の可動電極を有し、一対の主面を有する導電性の第1基板と、前記第1基板の一方の主面に接合されており、前記可動電極と所定の間隔を置いて対向し、前記静電容量を容量差として検出するための固定電極を有する電極基板と、前記第1基板の他方の主面と接合された第2基板と、具備し、前記可動電極と前記固定電極との間の静電容量の変化から加速度を検出する静電容量型加速度センサであって、前記電極基板は、一対の主面を有する基板と、前記基板を貫通し、前記基板の主面で露出するように形成された複数の導電部材と、少なくとも一つの導電部材を囲むように形成されたグランド電極と、を具備し、一つの導電部材が前記第1基板と電気的に接続されており、前記一つの導電部材以外の導電部材が前記固定電極と電気的に接続することを特徴とする静電容量型加速度センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008215898A JP2010048785A (ja) | 2008-08-25 | 2008-08-25 | 電極基板及びこれを用いた静電容量型加速度センサ |
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- 2008-08-25 JP JP2008215898A patent/JP2010048785A/ja not_active Withdrawn
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