JP2004294266A - トルクセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】トーションバーの過度な捻れ変形を防止するためのストッパ部をコンパクトな構成にすることが可能なトルクセンサを提供する。
【解決手段】本発明のトルクセンサ10では、トーションバー14の一端と他端とに固定された第1と第2の延長スリーブ15,16の互いの遊嵌部分にストッパ部19,27を設け、第2延長スリーブ16における第2ストッパ部27の外側に第2レゾルバ60に備えた回転筒69を嵌合して第2延長スリーブ16の補強に兼用したので、この回転筒69を補強に兼用しなかった場合に比べて、全体をコンパクトな構成にすることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明のトルクセンサ10では、トーションバー14の一端と他端とに固定された第1と第2の延長スリーブ15,16の互いの遊嵌部分にストッパ部19,27を設け、第2延長スリーブ16における第2ストッパ部27の外側に第2レゾルバ60に備えた回転筒69を嵌合して第2延長スリーブ16の補強に兼用したので、この回転筒69を補強に兼用しなかった場合に比べて、全体をコンパクトな構成にすることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トーションバーの捻れ角を1対のレゾルバで検出してトルクを計測可能としたトルクセンサに関する。
【0002】
【関連技術】
レゾルバは、例えば、サーボモータに備えられて回転角を検出する役割を果たす(例えば、特許文献1参照)。そして、近年では、筒形ボディの内部に回転可能に設けたトーションバーの回転角を、1対のレゾルバで検出し、それら検出角の差分に基づき、トーションバーの捻れ角に対応した負荷トルクを計測するトルクセンサの開発が進められている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−328952号公報(請求項42、[0005])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したトルクセンサでは、トーションバーが過度に捻られないようにするためのストッパ部を設ける必要がある。そして、如何にストッパ部をコンパクトに纏めるかが課題になっている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、トーションバーの過度な捻れ変形を防止するためのストッパ部をコンパクトな構成にすることが可能なトルクセンサの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るトルクセンサは、筒形ボディの内部に回転可能に設けたトーションバーの回転角を1対のレゾルバで検出し、それら検出角の差分に基づき、トーションバーの捻れ角に対応した負荷トルクを計測可能としたトルクセンサにおいて、トーションバーの中間部外側に遊嵌されかつトーションバーの一端部に固定された第1延長スリーブと、第1延長スリーブの外側に遊嵌されかつトーションバーの他端部に固定された第2延長スリーブとを備え、第1と第2の延長スリーブ同士の遊嵌部分には、トーションバーが所定の角度まで捻れたときに互いに当接するストッパ部が設けられ、第2延長スリーブのストッパ部の外側に一方のレゾルバに備えた回転筒を嵌合して第2延長スリーブを補強したところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のトルクセンサにおいて、回転筒に第2延長スリーブを圧入しかつ、その締まり代を0〜50μmにしたところに特徴を有する。
【0008】
【発明の作用及び効果】
請求項1のトルクセンサでは、トーションバーの一端と他端とに固定された第1と第2の延長スリーブの互いの遊嵌部分にストッパ部を設け、第2延長スリーブにおけるストッパ部の外側にレゾルバに備えた回転筒を嵌合して第2延長スリーブの補強に兼用したので、この回転筒を補強に兼用しなかった場合に比べて、全体をコンパクトな構成にすることが可能になる。具体的には、回転筒に第2延長スリーブを圧入しかつ、その締まり代を0〜50μmにすることが好ましい(請求項2の発明)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトルクセンサ及び電動ステアリング装置に関する実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1には、本実施形態のトルクセンサ10の全体が示されている。同図において符号11は筒形ボディであって、その内側を回転軸部12が貫通し、筒形ボディ11の両端部に設けたベアリング13,13により回転可能に軸支されている。
【0010】
回転軸部12は、トーションバー14と第1及び第2の延長スリーブ15,16とからなる。トーションバー14は、両端部14A,14Bに比べて中間部14Cの径が細くなっており、負荷トルクを受けるとその中間部14Cが捻れ変形する。
【0011】
第1延長スリーブ15は、トーションバー14における中間部14Cのほぼ全体を遊嵌状態に覆うと共に、トーションバー14の一方の端部14A(以下、これを「基端部14A」といい、逆側の端部を「先端部14B」という)に隙間無く嵌合されている。第1延長スリーブ15とトーションバー14の基端部14Aとの嵌合部分にはピン17が横切って貫通しており、これにより、第1延長スリーブ15がトーションバー14の基端部14Aと一体に回転する。
【0012】
第1延長スリーブ15の外周面には、前記ベアリング13が嵌合されたベアリング嵌合部20が設けられ、そのベアリング嵌合部20よりトーションバー14の先端部14B側には、第1レゾルバ嵌合部18が設けられている。また、第1レゾルバ嵌合部18より先端部14B側は、第1レゾルバ嵌合部18より外径が小さい第1ストッパ部19が形成され、さらに先端部14B側には、最小径部21が形成されている。
【0013】
第1ストッパ部19は、図2に示すように、円筒の周面に1対の平坦面19H,19Hを互いに平行に形成してなる。そして、各平坦面19Hのうち前記円筒の残された円弧面19C寄りの両側縁部が、後述する第2延長スリーブ16に当接可能な計4つの当接部22なっている。
【0014】
図1に示すように、第2延長スリーブ16は、ピニオンギヤ23の一端に一体形成されている。そして、トーションバー14の先端部14Bに嵌合されて、第1延長スリーブ15における第1ストッパ部19の外側を覆っている。第2延長スリーブ16とトーションバー14の先端部14Bとの嵌合部分には回り止め用の凹凸部24が周方向に複数形成されており、これにより、第2延長スリーブ16がトーションバー14の先端部14Bと一体に回転する。従って、トーションバー14の中間部14Cが捻られると、トーションバー14の基端部14Aに一体に回転する第1延長スリーブ15と、先端部14Bと一体に回転する第2延長スリーブ16とが相対的に回転する。
【0015】
第2延長スリーブ16の外周面には、前記ベアリング13が嵌合されたベアリング嵌合部25が設けられ、そのベアリング嵌合部25よりトーションバー14の基端部14A側には、レゾルバ嵌合部26が設けられている。第2レゾルバ嵌合部26は、前記第1レゾルバ嵌合部18と外径が同じになっている。また、第2レゾルバ嵌合部26の内側は第2ストッパ部27になっており、この第2ストッパ部27と前記第1ストッパ19とから本発明に係る「ストッパ部」が構成されている。
【0016】
第2ストッパ部27は、図2に示すように第1ストッパ部19と同じ中心線(図2のL1,L2)で同図の上下左右に対称な略長孔形状をなしている。詳細には、第2ストッパ部27は、第1ストッパ部19の円弧面19Cより径が大きい1対の円弧面27C,27Cを、同図の上下方向に対向配置して備える一方、円弧面19Cより径が小さい1対の円弧面27D,27Dを同図の縦横に対向配置して備え、それら隣り合った円弧面27C,27Dの端部同士との間を、第1ストッパ部19の4つの当接部22に対向する4つの受面28にて繋いだ形状になっている。
【0017】
そして、トーションバー14の中間部14Cが一方に捻れることで第1延長スリーブ15が第2延長スリーブ16に対して同図の反時計回り方向に5.9°回転すると、図3に示すように、第1ストッパ部19における点対称位置にある1対の当接部22,22が、第2ストッパ部27における1対の受面28,28に面当接する。また、トーションバー14の中間部14Cが逆方向に捻られて第1延長スリーブ15が第2延長スリーブ16に対して図2における時計回り方向に5.9°回転すると、図3の場合とは別の1対の当接部22,22が、第2ストッパ部27の1対の受面28,28に面当接する。
【0018】
図1に示すように、筒形ボディ11と回転軸部12との間には、第1及び第2のレゾルバ50,60が設けられている。第1レゾルバ50は、第1延長スリーブ15における第1レゾルバ嵌合部18の外面に固定された受電コイル52及び検出用固定巻線54と、筒形ボディ11に内面に固定された給電コイル51及び検出用可動巻線53とからなる。そして、給電コイル51と受電コイル52との間の電磁誘導により検出用固定巻線54が受電して励磁され、回転軸部12の回転角に伴った検出用固定巻線53,54の相互インダクタンスの変化に基づいて回転軸部12の電気角が変化する。
【0019】
第2レゾルバ60は、第2延長スリーブ16における第2レゾルバ嵌合部26の外面に嵌合固定された受電コイル62及び検出用固定巻線64と、筒形ボディ11に内面に固定された給電コイル61及び検出用可動巻線63とからなる。そして、給電コイル61と受電コイル62との間の電磁誘導により検出用固定巻線64が受電して励磁され、回転軸部12の回転角に伴った検出用固定巻線63,64の相互インダクタンスの変化に基づいて回転軸部12の電気角が変化する。
【0020】
さて、第2レゾルバ60の受電コイル62及び検出用固定巻線64は、金属製の回転筒69(本発明に係る「回転筒」に相当する)の外側に固定されており、この回転筒69を第2レゾルバ嵌合部26に圧入することで、第2レゾルバ嵌合部26の外面に受電コイル52及び検出用固定巻線54が嵌合固定されている。ここで、回転筒69の外径は、例えば18〜25mmになっており、回転筒69の肉厚は、例えば0.5〜2.5mmとなっており、回転筒69と第2レゾルバ嵌合部26との絞まり代は、例えば0〜50μmになっている。
【0021】
なお、本実施形態では、第1レゾルバ50の受電コイル52及び検出用固定巻線54も金属製の回転筒59の外側に固定されており、この回転筒59が第1レゾルバ嵌合部18に圧入固定されている。
【0022】
トルクセンサ10は、以上のように構成されており、例えば、図4に示すように、自動車に備えた電動ステアリング装置70に組み付けられている。具体的には、ハンドル71に連結されたステアリングシャフト78の先端にトルクセンサ10の回転軸部12が連結され、その回転軸部12のピニオンギヤ23が、アクチュエータ72内でラック74に噛合している。アクチュエータ72には電動モータが内蔵され、この電動モータの回転出力を直動運動に変換してラック74を直動させる。また、ラック74の両端と、操舵輪73,73の回転支持部76,76との間は、タイロッド75,75によって連結されている。さらに、トルクセンサ10の筒形ボディ11は車両本体に固定され、トルクセンサ10の各レゾルバ50,60の出力線がECU77に接続されている。そして、ECU77は、トルクセンサ10にて検出したステアリングシャフト78の負荷トルクに基づいて、アクチュエータ72を駆動制御する。これにより、運転者によるハンドル71への操舵力にアクチュエータ72の出力を補助力として加えた合力で、ラック74が直動駆動されて、操舵輪73,73が転舵する。
【0023】
次に本実施形態の作用効果について説明する。ハンドル71を回転させると、トルクセンサ10におけるトーションバー14に負荷トルクがかかってトーションバー14の中間部14Cが捻られる。すると、トーションバー14の基端部14Aに一体回転する第1延長スリーブ15と、トーションバー14の先端部14Bと一体回転する第2延長スリーブ16とが相対的に回転し、第1レゾルバ50の電気角と、第2レゾルバ60の電気角との間に差が生じる。ECU77は、これらレゾルバ50,60の電気角の差分に基づいて回転軸部12にかかる負荷トルクを演算し、その回転軸部12にかかる負荷トルク、即ち、ハンドル71への反力トルクを運転状況に応じて適宜変更するように、アクチュエータ72の出力を変更する。
【0024】
ところで、トルクセンサ10のトーションバー14に過大なトルクがかかった場合には、第1延長スリーブ15と第2延長スリーブ16との互いの遊嵌部分に備えたストッパ部19,27同士が当接する。このとき、第2延長スリーブ16の第2ストッパ部27における薄肉部分に応力が集中する。しかしながら、本実施形態では、第2レゾルバ60を第2ストッパ部27の外側に圧入したことで、第2延長スリーブ16の第2ストッパ部27における薄肉部分が補強されている。これにより、トーションバー14にかかり得るトルクで第2延長スリーブ16が変形するような事態は防がれる。
【0025】
このように本実施形態のトルクセンサ10では、トーションバー14の一端と他端とに固定された第1と第2の延長スリーブ15,16の互いの遊嵌部分にストッパ部19,27を設け、第2延長スリーブ16における第2ストッパ部27の外側に第2レゾルバ60に備えた回転筒69を嵌合して第2延長スリーブ16の補強に兼用したので、この回転筒69を補強に兼用しなかった場合に比べて、全体をコンパクトな構成にすることができる。
【0026】
なお、本実施形態のトルクセンサ10は、電動ステアリング装置70に組み込んで用いられていたが、電動ステアリング装置以外のものに本発明に係るトルクセンサを用いてもよい。
また、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、上記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るレゾルバ式トルクセンサの側断面図
【図2】図1のA−A切断面における断面図
【図3】ストッパ部がストッパ受部に当接した状態の断面図
【図4】電動ステアリング装置の概念図
【符号の説明】
10…トルクセンサ
11…筒形ボディ
14…トーションバー
19…第1ストッパ部
27…第2ストッパ部
28…ストッパ面
50…第1レゾルバ
60…第2レゾルバ
69…回転筒
【発明の属する技術分野】
本発明は、トーションバーの捻れ角を1対のレゾルバで検出してトルクを計測可能としたトルクセンサに関する。
【0002】
【関連技術】
レゾルバは、例えば、サーボモータに備えられて回転角を検出する役割を果たす(例えば、特許文献1参照)。そして、近年では、筒形ボディの内部に回転可能に設けたトーションバーの回転角を、1対のレゾルバで検出し、それら検出角の差分に基づき、トーションバーの捻れ角に対応した負荷トルクを計測するトルクセンサの開発が進められている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−328952号公報(請求項42、[0005])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したトルクセンサでは、トーションバーが過度に捻られないようにするためのストッパ部を設ける必要がある。そして、如何にストッパ部をコンパクトに纏めるかが課題になっている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、トーションバーの過度な捻れ変形を防止するためのストッパ部をコンパクトな構成にすることが可能なトルクセンサの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るトルクセンサは、筒形ボディの内部に回転可能に設けたトーションバーの回転角を1対のレゾルバで検出し、それら検出角の差分に基づき、トーションバーの捻れ角に対応した負荷トルクを計測可能としたトルクセンサにおいて、トーションバーの中間部外側に遊嵌されかつトーションバーの一端部に固定された第1延長スリーブと、第1延長スリーブの外側に遊嵌されかつトーションバーの他端部に固定された第2延長スリーブとを備え、第1と第2の延長スリーブ同士の遊嵌部分には、トーションバーが所定の角度まで捻れたときに互いに当接するストッパ部が設けられ、第2延長スリーブのストッパ部の外側に一方のレゾルバに備えた回転筒を嵌合して第2延長スリーブを補強したところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のトルクセンサにおいて、回転筒に第2延長スリーブを圧入しかつ、その締まり代を0〜50μmにしたところに特徴を有する。
【0008】
【発明の作用及び効果】
請求項1のトルクセンサでは、トーションバーの一端と他端とに固定された第1と第2の延長スリーブの互いの遊嵌部分にストッパ部を設け、第2延長スリーブにおけるストッパ部の外側にレゾルバに備えた回転筒を嵌合して第2延長スリーブの補強に兼用したので、この回転筒を補強に兼用しなかった場合に比べて、全体をコンパクトな構成にすることが可能になる。具体的には、回転筒に第2延長スリーブを圧入しかつ、その締まり代を0〜50μmにすることが好ましい(請求項2の発明)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトルクセンサ及び電動ステアリング装置に関する実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1には、本実施形態のトルクセンサ10の全体が示されている。同図において符号11は筒形ボディであって、その内側を回転軸部12が貫通し、筒形ボディ11の両端部に設けたベアリング13,13により回転可能に軸支されている。
【0010】
回転軸部12は、トーションバー14と第1及び第2の延長スリーブ15,16とからなる。トーションバー14は、両端部14A,14Bに比べて中間部14Cの径が細くなっており、負荷トルクを受けるとその中間部14Cが捻れ変形する。
【0011】
第1延長スリーブ15は、トーションバー14における中間部14Cのほぼ全体を遊嵌状態に覆うと共に、トーションバー14の一方の端部14A(以下、これを「基端部14A」といい、逆側の端部を「先端部14B」という)に隙間無く嵌合されている。第1延長スリーブ15とトーションバー14の基端部14Aとの嵌合部分にはピン17が横切って貫通しており、これにより、第1延長スリーブ15がトーションバー14の基端部14Aと一体に回転する。
【0012】
第1延長スリーブ15の外周面には、前記ベアリング13が嵌合されたベアリング嵌合部20が設けられ、そのベアリング嵌合部20よりトーションバー14の先端部14B側には、第1レゾルバ嵌合部18が設けられている。また、第1レゾルバ嵌合部18より先端部14B側は、第1レゾルバ嵌合部18より外径が小さい第1ストッパ部19が形成され、さらに先端部14B側には、最小径部21が形成されている。
【0013】
第1ストッパ部19は、図2に示すように、円筒の周面に1対の平坦面19H,19Hを互いに平行に形成してなる。そして、各平坦面19Hのうち前記円筒の残された円弧面19C寄りの両側縁部が、後述する第2延長スリーブ16に当接可能な計4つの当接部22なっている。
【0014】
図1に示すように、第2延長スリーブ16は、ピニオンギヤ23の一端に一体形成されている。そして、トーションバー14の先端部14Bに嵌合されて、第1延長スリーブ15における第1ストッパ部19の外側を覆っている。第2延長スリーブ16とトーションバー14の先端部14Bとの嵌合部分には回り止め用の凹凸部24が周方向に複数形成されており、これにより、第2延長スリーブ16がトーションバー14の先端部14Bと一体に回転する。従って、トーションバー14の中間部14Cが捻られると、トーションバー14の基端部14Aに一体に回転する第1延長スリーブ15と、先端部14Bと一体に回転する第2延長スリーブ16とが相対的に回転する。
【0015】
第2延長スリーブ16の外周面には、前記ベアリング13が嵌合されたベアリング嵌合部25が設けられ、そのベアリング嵌合部25よりトーションバー14の基端部14A側には、レゾルバ嵌合部26が設けられている。第2レゾルバ嵌合部26は、前記第1レゾルバ嵌合部18と外径が同じになっている。また、第2レゾルバ嵌合部26の内側は第2ストッパ部27になっており、この第2ストッパ部27と前記第1ストッパ19とから本発明に係る「ストッパ部」が構成されている。
【0016】
第2ストッパ部27は、図2に示すように第1ストッパ部19と同じ中心線(図2のL1,L2)で同図の上下左右に対称な略長孔形状をなしている。詳細には、第2ストッパ部27は、第1ストッパ部19の円弧面19Cより径が大きい1対の円弧面27C,27Cを、同図の上下方向に対向配置して備える一方、円弧面19Cより径が小さい1対の円弧面27D,27Dを同図の縦横に対向配置して備え、それら隣り合った円弧面27C,27Dの端部同士との間を、第1ストッパ部19の4つの当接部22に対向する4つの受面28にて繋いだ形状になっている。
【0017】
そして、トーションバー14の中間部14Cが一方に捻れることで第1延長スリーブ15が第2延長スリーブ16に対して同図の反時計回り方向に5.9°回転すると、図3に示すように、第1ストッパ部19における点対称位置にある1対の当接部22,22が、第2ストッパ部27における1対の受面28,28に面当接する。また、トーションバー14の中間部14Cが逆方向に捻られて第1延長スリーブ15が第2延長スリーブ16に対して図2における時計回り方向に5.9°回転すると、図3の場合とは別の1対の当接部22,22が、第2ストッパ部27の1対の受面28,28に面当接する。
【0018】
図1に示すように、筒形ボディ11と回転軸部12との間には、第1及び第2のレゾルバ50,60が設けられている。第1レゾルバ50は、第1延長スリーブ15における第1レゾルバ嵌合部18の外面に固定された受電コイル52及び検出用固定巻線54と、筒形ボディ11に内面に固定された給電コイル51及び検出用可動巻線53とからなる。そして、給電コイル51と受電コイル52との間の電磁誘導により検出用固定巻線54が受電して励磁され、回転軸部12の回転角に伴った検出用固定巻線53,54の相互インダクタンスの変化に基づいて回転軸部12の電気角が変化する。
【0019】
第2レゾルバ60は、第2延長スリーブ16における第2レゾルバ嵌合部26の外面に嵌合固定された受電コイル62及び検出用固定巻線64と、筒形ボディ11に内面に固定された給電コイル61及び検出用可動巻線63とからなる。そして、給電コイル61と受電コイル62との間の電磁誘導により検出用固定巻線64が受電して励磁され、回転軸部12の回転角に伴った検出用固定巻線63,64の相互インダクタンスの変化に基づいて回転軸部12の電気角が変化する。
【0020】
さて、第2レゾルバ60の受電コイル62及び検出用固定巻線64は、金属製の回転筒69(本発明に係る「回転筒」に相当する)の外側に固定されており、この回転筒69を第2レゾルバ嵌合部26に圧入することで、第2レゾルバ嵌合部26の外面に受電コイル52及び検出用固定巻線54が嵌合固定されている。ここで、回転筒69の外径は、例えば18〜25mmになっており、回転筒69の肉厚は、例えば0.5〜2.5mmとなっており、回転筒69と第2レゾルバ嵌合部26との絞まり代は、例えば0〜50μmになっている。
【0021】
なお、本実施形態では、第1レゾルバ50の受電コイル52及び検出用固定巻線54も金属製の回転筒59の外側に固定されており、この回転筒59が第1レゾルバ嵌合部18に圧入固定されている。
【0022】
トルクセンサ10は、以上のように構成されており、例えば、図4に示すように、自動車に備えた電動ステアリング装置70に組み付けられている。具体的には、ハンドル71に連結されたステアリングシャフト78の先端にトルクセンサ10の回転軸部12が連結され、その回転軸部12のピニオンギヤ23が、アクチュエータ72内でラック74に噛合している。アクチュエータ72には電動モータが内蔵され、この電動モータの回転出力を直動運動に変換してラック74を直動させる。また、ラック74の両端と、操舵輪73,73の回転支持部76,76との間は、タイロッド75,75によって連結されている。さらに、トルクセンサ10の筒形ボディ11は車両本体に固定され、トルクセンサ10の各レゾルバ50,60の出力線がECU77に接続されている。そして、ECU77は、トルクセンサ10にて検出したステアリングシャフト78の負荷トルクに基づいて、アクチュエータ72を駆動制御する。これにより、運転者によるハンドル71への操舵力にアクチュエータ72の出力を補助力として加えた合力で、ラック74が直動駆動されて、操舵輪73,73が転舵する。
【0023】
次に本実施形態の作用効果について説明する。ハンドル71を回転させると、トルクセンサ10におけるトーションバー14に負荷トルクがかかってトーションバー14の中間部14Cが捻られる。すると、トーションバー14の基端部14Aに一体回転する第1延長スリーブ15と、トーションバー14の先端部14Bと一体回転する第2延長スリーブ16とが相対的に回転し、第1レゾルバ50の電気角と、第2レゾルバ60の電気角との間に差が生じる。ECU77は、これらレゾルバ50,60の電気角の差分に基づいて回転軸部12にかかる負荷トルクを演算し、その回転軸部12にかかる負荷トルク、即ち、ハンドル71への反力トルクを運転状況に応じて適宜変更するように、アクチュエータ72の出力を変更する。
【0024】
ところで、トルクセンサ10のトーションバー14に過大なトルクがかかった場合には、第1延長スリーブ15と第2延長スリーブ16との互いの遊嵌部分に備えたストッパ部19,27同士が当接する。このとき、第2延長スリーブ16の第2ストッパ部27における薄肉部分に応力が集中する。しかしながら、本実施形態では、第2レゾルバ60を第2ストッパ部27の外側に圧入したことで、第2延長スリーブ16の第2ストッパ部27における薄肉部分が補強されている。これにより、トーションバー14にかかり得るトルクで第2延長スリーブ16が変形するような事態は防がれる。
【0025】
このように本実施形態のトルクセンサ10では、トーションバー14の一端と他端とに固定された第1と第2の延長スリーブ15,16の互いの遊嵌部分にストッパ部19,27を設け、第2延長スリーブ16における第2ストッパ部27の外側に第2レゾルバ60に備えた回転筒69を嵌合して第2延長スリーブ16の補強に兼用したので、この回転筒69を補強に兼用しなかった場合に比べて、全体をコンパクトな構成にすることができる。
【0026】
なお、本実施形態のトルクセンサ10は、電動ステアリング装置70に組み込んで用いられていたが、電動ステアリング装置以外のものに本発明に係るトルクセンサを用いてもよい。
また、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、上記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るレゾルバ式トルクセンサの側断面図
【図2】図1のA−A切断面における断面図
【図3】ストッパ部がストッパ受部に当接した状態の断面図
【図4】電動ステアリング装置の概念図
【符号の説明】
10…トルクセンサ
11…筒形ボディ
14…トーションバー
19…第1ストッパ部
27…第2ストッパ部
28…ストッパ面
50…第1レゾルバ
60…第2レゾルバ
69…回転筒
Claims (2)
- 筒形ボディの内部に回転可能に設けたトーションバーの回転角を1対のレゾルバで検出し、それら検出角の差分に基づき、前記トーションバーの捻れ角に対応した負荷トルクを計測可能としたトルクセンサにおいて、
前記トーションバーの中間部外側に遊嵌されかつ前記トーションバーの一端部に固定された第1延長スリーブと、前記第1延長スリーブの外側に遊嵌されかつ前記トーションバーの他端部に固定された第2延長スリーブとを備え、
前記第1と第2の延長スリーブ同士の遊嵌部分には、前記トーションバーが所定の角度まで捻れたときに互いに当接するストッパ部が設けられ、
前記第2延長スリーブの前記ストッパ部の外側に前記一方のレゾルバに備えた回転筒を嵌合して前記第2延長スリーブを補強したことを特徴とするトルクセンサ。 - 前記回転筒に前記第2延長スリーブを圧入しかつ、その締まり代を0〜50μmにしたことを特徴とする請求項1に記載のトルクセンサ。
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