JP2004294088A - 画像取得装置および画像取得方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の種類に応じた適切な画像を短時間で取得する。
【解決手段】プリント配線基板である基板9の複数箇所の画像を取得する画像取得装置1に、基板9を移動するステージ移動機構12、2次元の撮像デバイス131およびズームレンズ132を有するカメラ13、ランプ14、並びに、各種構成を制御するコンピュータ15を設ける。画像の取得に際してズームレンズ132の倍率が基板9の種類に応じて設定され、さらに、撮像倍率に合わせて基板9上の撮像位置、基板9の移動速度、ランプ14の発光強度等が設定される。そして、基板9を連続的に移動させながら基板9の撮像が繰り返し行われる。これにより、基板9の種類に応じた適切な画像が短時間で取得される。
【選択図】 図1
【解決手段】プリント配線基板である基板9の複数箇所の画像を取得する画像取得装置1に、基板9を移動するステージ移動機構12、2次元の撮像デバイス131およびズームレンズ132を有するカメラ13、ランプ14、並びに、各種構成を制御するコンピュータ15を設ける。画像の取得に際してズームレンズ132の倍率が基板9の種類に応じて設定され、さらに、撮像倍率に合わせて基板9上の撮像位置、基板9の移動速度、ランプ14の発光強度等が設定される。そして、基板9を連続的に移動させながら基板9の撮像が繰り返し行われる。これにより、基板9の種類に応じた適切な画像が短時間で取得される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の画像を取得する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリント配線基板(以下、「基板」という。)の検査等を目的として基板の画像を取得する際に、1次元のラインセンサまたは2次元の撮像デバイスが用いられている。2次元の撮像デバイスは、VGA(640×480画素)程度では様々なメーカから販売されており、ラインセンサに比べてセンサの大きさが小さく、撮像光学系も小型化が可能であるという点で優れている。
【0003】
2次元の撮像デバイスが用いられる場合、通常、基板に対してカメラを相対的に移動し、画像を取得すべき位置で移動を一旦停止してから画像の取得が行われている。その結果、1回の撮像ごとにカメラまたは基板の加速、定速移動、減速および停止が繰り返されることとなり、多数の位置で画像を取得する場合には時間を要することとなる。
【0004】
そこで、特許文献1では、ウエハ上の複数の箇所の表面状態を1つのCCDに重ねて記録することにより、CCDをウエハに対して相対的に移動しつつ検査を行う装置が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−326233号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、微細な基板上のパターンの画像を取得する装置は、通常、大量生産される基板に対して専用の装置として設計されてきた。しかしながら近年、様々な分野において多品種少量生産が重視されており、様々な基板に対して柔軟に画像を取得することが求められている。特に、プリント配線基板は各種電子機器の型の更新に伴い大きく設計変更が繰り返されるため、一定の線幅の配線パターンの画像を取得する専用の装置では適切な画像取得がとなる場合がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、様々な種類の基板に対して基板上の複数箇所の画像を短時間に取得することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、基板の画像を取得する画像取得装置であって、2次元の画像を取得する撮像デバイスと、基板に対して前記撮像デバイスを相対的に移動する移動機構と、前記移動機構により前記撮像デバイスが連続的に移動している間に前記撮像デバイスによる複数回の撮像を実行する制御部と、前記複数回の撮像における倍率を基板の種類に応じて変更する倍率変更機構とを備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像取得装置であって、前記撮像デバイスが基板に対して所定の距離を相対的に移動するごとに撮像を行い、前記制御部が、前記倍率に基づいて前記所定の距離を設定する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像取得装置であって、前記制御部が、前記複数回の撮像が行われる基板上の位置を基板の種類ごとに記憶する記憶手段を有する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像取得装置であって、前記制御部が、前記倍率に基づいて基板に対する前記撮像デバイスの相対速度を設定する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像取得装置であって、前記制御部が、1回の撮像において基板から前記撮像デバイスに入射する光量を前記倍率に基づいて制御する。
【0013】
請求項6に記載の発明は、基板の画像を取得する画像取得方法であって、2次元の画像を取得する撮像デバイスにより基板を撮像する際の倍率を前記基板の種類に基づいて設定する工程と、前記基板に対して相対的に前記撮像デバイスを連続的に移動しつつ前記撮像デバイスによる複数回の撮像を実行する工程とを有する。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像取得方法であって、前記複数回の撮像を実行する工程において、前記撮像デバイスが前記基板に対して所定の距離を相対的に移動するごとに撮像が行われ、前記複数回の撮像を実行する工程の前に、前記倍率に基づいて前記所定の距離を設定する工程をさらに有する。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の画像取得方法であって、前記複数回の撮像を実行する工程の前に、前記倍率に基づいて前記基板に対する前記撮像デバイスの相対速度を設定する工程をさらに有する。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項6ないし8のいずれかに記載の画像取得方法であって、前記複数回の撮像を実行する工程において、1回の撮像において前記基板から前記撮像デバイスに入射する光量が前記倍率に基づいて制御される。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一の実施の形態に係る画像取得装置1を示す図である。画像取得装置1は、プリント配線基板である基板9を保持するステージ11、ステージ11を水平面内で2方向(図1中のX方向およびY方向)に移動するステージ移動機構12、基板9の2次元の画像を取得する撮像デバイス131やズームレンズ132を有するカメラ13、および、基板9に照明光を照射する光源であるランプ14を備える。画像取得装置1はさらに、ステージ移動機構12、カメラ13およびランプ14を制御するコントローラとしてコンピュータ15を備える。画像取得装置1では、基板9を連続的に移動しながら撮像対象である基板9よりも視野が狭いカメラ13用いて基板9上の複数箇所の画像(撮像範囲は離散していても隣接していてもよく、さらには、一部重なっていてもよい。)の取得が短時間の間に繰り返し行われる。
【0018】
ズームレンズ132は、例えば、基板9を10〜20倍に拡大した像を2次元に配列された受光素子群を有する撮像デバイス131上に形成する。ただし、場合によっては縮小された像が形成されてもよい。撮像デバイス131は、通常、30万画素(640×480画素)のものが使用されるが、用途に応じては400万画素(2000×2000画素)のものが用いられてもよい。
【0019】
図2はコンピュータ15の構成を制御対象とともに示すブロック図である。コンピュータ15では、通常のコンピュータと同様に、各種演算処理を行うCPU21、基本プログラムを記憶するROM22および各種情報や取得された画像を記憶するRAM23がバスラインに接続され、さらに、情報記憶を行う固定ディスク24、操作者からの入力を受け付けるキーボードやマウス等の入力デバイス25、各種情報の表示を行うディスプレイ26、および、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体から情報の読み取りを行うリムーバブルディスク駆動装置27も適宜、インターフェイス(I/F)を介する等してバスラインに接続される。
【0020】
なお、後述するように取得された画像のデータは、RAM23に一時的に記憶された後、識別番号やメモ情報等が付加された上で固定ディスク24(または、リムーバブルディスク駆動装置27内のディスク)に保存され、基板9の検査や品質管理等の別の処理に利用される。
【0021】
コンピュータ15には、画像取得装置1特有の制御を行うために、ランプ14の発光を制御する発光制御回路31、撮像デバイス131による画像取得を制御する撮像制御回路32、ズームレンズ132を制御する倍率制御回路33、ステージ11の移動を制御するステージ制御回路34、および、ステージ移動機構12のエンコーダからの信号を受けて撮像用のトリガ信号を発生するトリガ信号発生回路35が設けられる。これらの回路は専用の回路として設けられるが、部分的にコンピュータ15によりソフトウェア的に実現されてもよい。
【0022】
図3は、CPU21がRAM23内のプログラムに従って動作することにより、CPU21、ROM22、RAM23、固定ディスク24等が実現する機能を示すブロック図であり、図3中の発光強度設定部41、撮像倍率設定部42、移動速度設定部43および撮像位置設定部44がCPU21等により実現される機能を示している。図4および図5は画像取得装置1が基板9の画像を取得する動作の流れを示す図である。以下、主として図1および図3を参照しながら図4および図5の流れについて説明する。
【0023】
基板9がステージ11上にロード(すなわち、載置)されると(ステップS11)、まず、操作者から入力デバイス(図2参照)を介して、あるいは、外部の装置から基板9の種類を示す情報が入力されて基板9の種類が特定される(ステップS12)。固定ディスク24には、基板9の各種情報を含む基板データ71(図3参照)が基板9の種類ごとに記憶されており、特定された種類に対応する基板データ71が固定ディスク24からRAM23に読み込まれる。基板データ71には、基板9上の撮像位置、1回の撮像における撮像範囲の大きさ、取得されるべき画像のおよその明るさ、基板9のサイズ、その他基板9の種類に応じた情報が含まれている。
【0024】
なお、基板9をカメラ13(図1参照)が撮像することにより、基板9の種類が特定されてもよい。また、複数種類の基板データ71が予めRAM23に準備されてもよい。
【0025】
基板データ71が準備されると、撮像倍率設定部42が基板データ71に含まれる撮像範囲の大きさの情報に基づいて撮像倍率を求め、撮像倍率を倍率制御回路33に設定する(ステップS13)。撮像倍率を基板9の種類に基づいて設定することにより、画像取得装置1では基板9の種類ごとに適切な大きさの画像取得が可能とされる。
【0026】
一方、撮像位置設定部44は、RAM23に記憶されている基板データ71から撮像位置の情報を読み出してトリガ信号発生回路35に書き込むことにより基板9の種類に応じた撮像位置の設定を行う(ステップS14)。これにより、基板9の種類に応じた撮像位置の変更が容易に実現される。図6および図7は基板9上に設定される撮像位置701を例示する図である。図6は基板9全体の画像が取得される場合の撮像位置701を十字にて示しており、細い実線の各矩形が各撮像位置701における撮像範囲702を示している。図6では撮像範囲702が互いに接して配列される。図7は、基板9の一部の画像が取得される場合の撮像位置701を十字にて示しており、離散した撮像範囲702を細い実線の矩形にて示している。
【0027】
なお、図6および図7では、移動開始位置703から始まる撮像中心の経路710を破線にて示しており、撮像中心は各撮像位置を通過しつつ基板9を横切るごとに折り返しながら移動する。図6および図7に例示するように、基板9の種類に応じて撮像位置701および撮像範囲702が個別に設定される。
【0028】
また、図6に示すように、画像取得装置1では、撮像範囲702が互いに隣接する(あるいは、所定の幅で一部重なるように配置される)場合に基板データ71に含まれる基板9のサイズの情報、撮像範囲702の大きさの情報等に基づいて撮像位置701を自動的に求めることも可能とされている。すなわち、撮像範囲702の大きさに基づいて撮像倍率設定部42にて撮像倍率が設定されると、撮像位置設定部44では、撮像倍率に基づいて撮像が繰り返されるごとの移動距離(撮像位置701間の距離)が自動的に設定される。そして、連続する2回の撮像間の移動距離および基板9のサイズの情報に基づいて各撮像位置701が設定される(ステップS14)。このように、画像取得装置1では、基板データ71が撮像位置701の情報含まないものであっても撮像倍率に基づいて撮像位置701の自動設定が可能とされており、撮像倍率に応じた適切な画像取得が実現される。
【0029】
なお、撮像間の移動距離の設定は実質的に撮像倍率に相当するものに基づいて行われるのであれば他の手法が用いられてもよく、例えば、撮像範囲702の大きさから2回の撮像間の移動距離が直接求められてもよい。
【0030】
移動速度設定部43は、撮像倍率に基づいてカメラ13に対する基板9の相対移動速度を求め、ステージ制御回路34に移動速度を設定する(ステップS15)。具体的には、1回の撮像において基板9からの光が撮像デバイス131に入射する時間の間に、撮像デバイス131上で1画素の10分の1以下だけ像が移動するように基板9の移動速度を設定する。これにより、取得される画像のぶれが防止され、撮像倍率の影響を抑制した適切な画像取得が実現される。なお、移動速度を極端に低下させずに適切な画像を取得するために、撮像デバイス131では数マイクロ秒(1〜2/106秒)程度の極端に短い時間の間に画像の取得が行われる。
【0031】
次に、発光強度設定部41によりランプ14の発光強度が求められ、発光強度(照明光の強度に相当する)を発光制御回路31に設定する(ステップS16)。既述のように、撮像デバイス131では短い時間の間に画像の取得が行われるため、ランプ14として輝度が非常に高いものが使用される。ここで、画像取得装置1では、ランプ14を常時点灯しておいて極短時間だけカメラ13のシャッタを開ける手法と、ランプ14を極短時間だけ発光する手法とのいずれかが採用される。
【0032】
図8はランプ14を常時点灯させる場合の画像取得動作を示すタイミング図である。ランプ14としてはキセノンランプ等の高輝度の光源が用いられ、常時ON状態のランプ14に対して画像取得時刻t1から時刻t2までの短時間の間だけシャッタが開けられて画像の取得が行われる。発光強度設定部41では、時間(t2−t1)と取得されるべき画像のおよその明るさ(画像取得後の検査等における画像処理の内容によって異なる)の情報(以下、「明度情報」という。)とに基づいてランプ14の発光強度(輝度)が設定される。発光強度の変更は、ランプ14と基板9との間の距離や光学フィルタの交換等により行われる。なお、シャッタ(機械シャッタでも電子シャッタでもよい。)の制御が可能な場合には、発光強度設定部41によりシャッタの開放時間が求められてもよい(この場合も、撮像デバイス131への入射光量が制御されることとなる。)。
【0033】
図9は、ランプ14を極短時間だけ発光させる手法の場合の画像取得動作を示すタイミング図である。この場合、時刻t3にてシャッタを開いた後、キセノンフラッシュ等の高輝度光源を画像取得時刻t1から時刻t4までの短時間だけ発光させ、その後、時刻t5においてシャッタが閉じられる。発光強度設定部41では、時間(t4−t1)と基板データ71に含まれる明度情報とに基づいてランプ14の発光強度が設定される。発光強度の変更は、ランプ14の電源電圧の制御により行われる。
【0034】
図8および図9に示すいずれの手法においても、ランプ14の輝度が一定である場合には、取得画像の明るさはズームレンズ132の撮像倍率に応じて変化することから、発光強度設定部41では、撮像デバイス131に光が入射する時間および明度情報のみならず撮像倍率設定部42にて設定された撮像倍率にも基づいて、1回の撮像(正確には、1回の撮像に利用される光が撮像デバイス131に入射する時間)において基板9から撮像デバイス131に入射する光量が制御される。これにより、基板9の種類に応じて撮像倍率が変更された場合であっても倍率に応じた適切な画像の取得が実現される。
【0035】
以上の準備が完了すると、コンピュータ15の倍率制御回路33からの信号により、ズームレンズ132がアライメント(位置合わせ)用の低倍率に設定され(ステップS17)、基板9上の所定位置の画像が撮像デバイス131により取得され、コンピュータ15における演算処理により基板9の位置ずれ量が求められる。そして、位置ずれ量に応じてステージ制御回路34からの信号により、基板9がカメラ13に対して所定の初期位置(例えば、図6および図7中に示す経路710の移動開始位置703)へと移動する(ステップS18)。
【0036】
その後、倍率制御回路33によりズームレンズ132が撮像用の倍率に変更される(ステップS21)。なお、撮像用の倍率は取得される画像の利用目的に応じて決定され、アライメント時の倍率はアライメント精度に応じて決定されることから、撮像用の倍率はアライメント時の倍率よりも大きい場合もあれば小さい場合もある。
【0037】
次に、ステージ制御回路34の制御によりステージ移動機構12の駆動が開始され、ステージ11および基板9のカメラ13に対する相対的な移動が開始される(ステップS22)。このとき、ステージ移動機構12のエンコーダからの信号(ステージ11に設けられたセンサからの信号等であってもよい。)がステージ制御回路34に送られ、ステージ11が設定済みの所定の移動速度にて移動するように制御される。
【0038】
カメラ13の基板9に対する相対位置を実質的に示すステージ移動機構12からの信号(以下、「位置信号」という。)は、トリガ信号発生回路35にも入力され、トリガ信号発生回路35では設定済みの撮像位置と、位置信号のパルスをカウントして求められる位置とを比較してカメラ13が基板9上の撮像位置701(図6および図7参照)に対向する位置まで相対移動したか否かが確認される(ステップS23)。
【0039】
撮像位置701と位置信号から導かれる位置とが一致すると、トリガ信号発生回路35からトリガ信号が撮像制御回路32へと送信され(ステップS24)、撮像デバイス131により撮像位置701における基板9の画像が電気的信号として取得され、撮像デバイス131からの画像信号は、撮像制御回路32を介してRAM23内に画像データ72として記憶される(ステップS25)。
【0040】
例えば、図6に示すように撮像範囲702が隙間なく基板9上に設定される場合において、撮像デバイス131が640×480画素を有し、1μmが1画素の幅に対応し、ステージ移動機構12からステージ11を1μm移動するごとに1パルスが発信される場合、トリガ信号発生回路35では640パルスごとにトリガ信号が発生されて画像の取り込みが行われる。ステージ11の移動がステージ移動機構12外のセンサにより直接測定される場合には、ステージ11が640μm移動するごとにトリガ信号発生回路35がトリガ信号を発生する。
【0041】
なお、図8に示す撮像動作において機械シャッタが用いられる場合には、トリガ信号に従って機械シャッタが制御される。図9に示す撮像動作の場合には時刻t3において別のトリガ信号がトリガ信号発生回路35から撮像制御回路32に送られて機械シャッタまたは電子シャッタが制御され、時刻t1において撮像位置701がカメラ13と対向するとトリガ信号が発光制御回路31に入力されて発光が行われる。
【0042】
画像の取得は、基板9上の撮像位置701がカメラ13と対向する位置に達するごとに繰り返される(ステップS23〜S26)。全ての撮像位置701にて画像が取得されると、基板9がステージ11からアンロードされ(すなわち、払い出され)(ステップS27)、RAM23に記憶された画像データ72が固定ディスク24に転送される(ステップS28)。このとき、各画像データ72に画像番号および撮像位置番号が付され、画像データ72のグループに対して基板9の番号が付される。なお、撮像位置701の数が多い場合には基板9の移動方向が変更されるごとに(図6または図7に示す経路710の左右における折り返し点において)、固定ディスク24にまとめて転送される。
【0043】
以上に説明したように、画像取得装置1では、カメラ13が基板9に対して相対的に連続的に移動している間に撮像デバイス131による複数回の撮像がコンピュータ15からのトリガ信号に基づいて実行されるため、基板9上の離散した、あるいは、連続した複数箇所の画像を短時間で得ることが実現される。また、複数回の撮像におけるズームレンズ132の倍率が基板9の種類に応じて変更され、さらには、撮像倍率に応じて基板9の移動速度、ランプ14の発光強度(および撮像位置)が設定されるため、多種類の基板9に対して適切な画像取得が実現される。
【0044】
次に、従来のように画像取得時に基板9(またはカメラ13)の移動を停止させる場合と、画像取得装置1のように基板9の移動を停止させない場合との画像取得時間の比較例について説明する。300mm(X方向)×250mm(Y方向)のプリント配線基板を640×480画素の撮像デバイス131を用いて撮像し、1画素が基板上の20μm四方に対応し、1回の画像取得に17msを要する(すなわち、60Hzにて撮像が行われる。)ものとすると、基板に対する撮像回数は648回(=24(X方向)×27(Y方向))となる。
【0045】
移動方向の切替時間および一時停止を伴う撮像時間(移動停止、撮像および移動開始に要する時間)がそれぞれ100msであるものとし、(+X)方向および(−X)方向へと移動方向が変更されるものとすると、従来のように一時停止して画像取得を行う場合には、約67秒(=648回×100ms+26回×100ms)が1つの基板に対する画像取得に必要となるのに対し、画像取得装置1では、約13秒(=648回×17ms+26回×100ms)となる。その結果、画像取得装置1では従来手法に比べて約1/5の時間で全画像を取得することが実現される。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0047】
上記実施の形態では、基板9がカメラ13(すなわち、撮像デバイス131)に対して移動するが、カメラ13の移動は相対的なものでよく、カメラ13、または、基板9およびカメラ13が基板9の主面に平行に移動してもよい。
【0048】
また、既述のように、各撮像範囲は部分的に重なってもよい。特に、基板9全体の画像を取得する場合であって、高速に基板9を移動させるために各画像の周縁部に異常が生じるおそれがある場合には、各撮像範囲を部分的に重ねて画像を取得し、各画像の周囲が削除された上で保存されることが好ましい。
【0049】
撮像倍率の変更は、ズームレンズ132以外により実現されてもよい。例えば、フォーカスを基板9に合わせつつカメラ13(または撮像デバイス131)と基板9との間の距離が変更されてもよい。
【0050】
画像取得装置1にて画像が取得される対象は、プリント配線基板には限定されず、半導体基板、フラットパネルディスプレイやフォトマスクに用いられるガラス基板等であってもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、基板の種類に応じた倍率で基板上の複数箇所の画像を短時間で取得することができる。また、請求項2、4、5並びに7ないし9の発明では、倍率に応じた適切な画像取得が実現され、請求項3の発明では、基板の種類に応じて基板上の撮像位置を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像取得装置を示す図である。
【図2】コンピュータの構成を制御対象とともに示すブロック図である。
【図3】CPU等が実現する機能を示すブロック図である。
【図4】基板の画像を取得する動作の流れを示す図である。
【図5】基板の画像を取得する動作の流れを示す図である。
【図6】撮像位置を例示する図である。
【図7】撮像位置を例示する図である。
【図8】ランプを常時点灯させる場合の画像取得動作を示すタイミング図である。
【図9】ランプを極短時間だけ発光させる手法の場合の画像取得動作を示すタイミング図である。
【符号の説明】
1 画像取得装置
9 基板
12 ステージ移動機構
15 コンピュータ
24 固定ディスク
41 発光強度設定部
42 撮像倍率設定部
43 移動速度設定部
44 撮像位置設定部
71 基板データ
131 撮像デバイス
132 ズームレンズ
S13〜S16,S23〜S26 ステップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板の画像を取得する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリント配線基板(以下、「基板」という。)の検査等を目的として基板の画像を取得する際に、1次元のラインセンサまたは2次元の撮像デバイスが用いられている。2次元の撮像デバイスは、VGA(640×480画素)程度では様々なメーカから販売されており、ラインセンサに比べてセンサの大きさが小さく、撮像光学系も小型化が可能であるという点で優れている。
【0003】
2次元の撮像デバイスが用いられる場合、通常、基板に対してカメラを相対的に移動し、画像を取得すべき位置で移動を一旦停止してから画像の取得が行われている。その結果、1回の撮像ごとにカメラまたは基板の加速、定速移動、減速および停止が繰り返されることとなり、多数の位置で画像を取得する場合には時間を要することとなる。
【0004】
そこで、特許文献1では、ウエハ上の複数の箇所の表面状態を1つのCCDに重ねて記録することにより、CCDをウエハに対して相対的に移動しつつ検査を行う装置が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−326233号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、微細な基板上のパターンの画像を取得する装置は、通常、大量生産される基板に対して専用の装置として設計されてきた。しかしながら近年、様々な分野において多品種少量生産が重視されており、様々な基板に対して柔軟に画像を取得することが求められている。特に、プリント配線基板は各種電子機器の型の更新に伴い大きく設計変更が繰り返されるため、一定の線幅の配線パターンの画像を取得する専用の装置では適切な画像取得がとなる場合がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、様々な種類の基板に対して基板上の複数箇所の画像を短時間に取得することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、基板の画像を取得する画像取得装置であって、2次元の画像を取得する撮像デバイスと、基板に対して前記撮像デバイスを相対的に移動する移動機構と、前記移動機構により前記撮像デバイスが連続的に移動している間に前記撮像デバイスによる複数回の撮像を実行する制御部と、前記複数回の撮像における倍率を基板の種類に応じて変更する倍率変更機構とを備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像取得装置であって、前記撮像デバイスが基板に対して所定の距離を相対的に移動するごとに撮像を行い、前記制御部が、前記倍率に基づいて前記所定の距離を設定する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像取得装置であって、前記制御部が、前記複数回の撮像が行われる基板上の位置を基板の種類ごとに記憶する記憶手段を有する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像取得装置であって、前記制御部が、前記倍率に基づいて基板に対する前記撮像デバイスの相対速度を設定する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像取得装置であって、前記制御部が、1回の撮像において基板から前記撮像デバイスに入射する光量を前記倍率に基づいて制御する。
【0013】
請求項6に記載の発明は、基板の画像を取得する画像取得方法であって、2次元の画像を取得する撮像デバイスにより基板を撮像する際の倍率を前記基板の種類に基づいて設定する工程と、前記基板に対して相対的に前記撮像デバイスを連続的に移動しつつ前記撮像デバイスによる複数回の撮像を実行する工程とを有する。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像取得方法であって、前記複数回の撮像を実行する工程において、前記撮像デバイスが前記基板に対して所定の距離を相対的に移動するごとに撮像が行われ、前記複数回の撮像を実行する工程の前に、前記倍率に基づいて前記所定の距離を設定する工程をさらに有する。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の画像取得方法であって、前記複数回の撮像を実行する工程の前に、前記倍率に基づいて前記基板に対する前記撮像デバイスの相対速度を設定する工程をさらに有する。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項6ないし8のいずれかに記載の画像取得方法であって、前記複数回の撮像を実行する工程において、1回の撮像において前記基板から前記撮像デバイスに入射する光量が前記倍率に基づいて制御される。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一の実施の形態に係る画像取得装置1を示す図である。画像取得装置1は、プリント配線基板である基板9を保持するステージ11、ステージ11を水平面内で2方向(図1中のX方向およびY方向)に移動するステージ移動機構12、基板9の2次元の画像を取得する撮像デバイス131やズームレンズ132を有するカメラ13、および、基板9に照明光を照射する光源であるランプ14を備える。画像取得装置1はさらに、ステージ移動機構12、カメラ13およびランプ14を制御するコントローラとしてコンピュータ15を備える。画像取得装置1では、基板9を連続的に移動しながら撮像対象である基板9よりも視野が狭いカメラ13用いて基板9上の複数箇所の画像(撮像範囲は離散していても隣接していてもよく、さらには、一部重なっていてもよい。)の取得が短時間の間に繰り返し行われる。
【0018】
ズームレンズ132は、例えば、基板9を10〜20倍に拡大した像を2次元に配列された受光素子群を有する撮像デバイス131上に形成する。ただし、場合によっては縮小された像が形成されてもよい。撮像デバイス131は、通常、30万画素(640×480画素)のものが使用されるが、用途に応じては400万画素(2000×2000画素)のものが用いられてもよい。
【0019】
図2はコンピュータ15の構成を制御対象とともに示すブロック図である。コンピュータ15では、通常のコンピュータと同様に、各種演算処理を行うCPU21、基本プログラムを記憶するROM22および各種情報や取得された画像を記憶するRAM23がバスラインに接続され、さらに、情報記憶を行う固定ディスク24、操作者からの入力を受け付けるキーボードやマウス等の入力デバイス25、各種情報の表示を行うディスプレイ26、および、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体から情報の読み取りを行うリムーバブルディスク駆動装置27も適宜、インターフェイス(I/F)を介する等してバスラインに接続される。
【0020】
なお、後述するように取得された画像のデータは、RAM23に一時的に記憶された後、識別番号やメモ情報等が付加された上で固定ディスク24(または、リムーバブルディスク駆動装置27内のディスク)に保存され、基板9の検査や品質管理等の別の処理に利用される。
【0021】
コンピュータ15には、画像取得装置1特有の制御を行うために、ランプ14の発光を制御する発光制御回路31、撮像デバイス131による画像取得を制御する撮像制御回路32、ズームレンズ132を制御する倍率制御回路33、ステージ11の移動を制御するステージ制御回路34、および、ステージ移動機構12のエンコーダからの信号を受けて撮像用のトリガ信号を発生するトリガ信号発生回路35が設けられる。これらの回路は専用の回路として設けられるが、部分的にコンピュータ15によりソフトウェア的に実現されてもよい。
【0022】
図3は、CPU21がRAM23内のプログラムに従って動作することにより、CPU21、ROM22、RAM23、固定ディスク24等が実現する機能を示すブロック図であり、図3中の発光強度設定部41、撮像倍率設定部42、移動速度設定部43および撮像位置設定部44がCPU21等により実現される機能を示している。図4および図5は画像取得装置1が基板9の画像を取得する動作の流れを示す図である。以下、主として図1および図3を参照しながら図4および図5の流れについて説明する。
【0023】
基板9がステージ11上にロード(すなわち、載置)されると(ステップS11)、まず、操作者から入力デバイス(図2参照)を介して、あるいは、外部の装置から基板9の種類を示す情報が入力されて基板9の種類が特定される(ステップS12)。固定ディスク24には、基板9の各種情報を含む基板データ71(図3参照)が基板9の種類ごとに記憶されており、特定された種類に対応する基板データ71が固定ディスク24からRAM23に読み込まれる。基板データ71には、基板9上の撮像位置、1回の撮像における撮像範囲の大きさ、取得されるべき画像のおよその明るさ、基板9のサイズ、その他基板9の種類に応じた情報が含まれている。
【0024】
なお、基板9をカメラ13(図1参照)が撮像することにより、基板9の種類が特定されてもよい。また、複数種類の基板データ71が予めRAM23に準備されてもよい。
【0025】
基板データ71が準備されると、撮像倍率設定部42が基板データ71に含まれる撮像範囲の大きさの情報に基づいて撮像倍率を求め、撮像倍率を倍率制御回路33に設定する(ステップS13)。撮像倍率を基板9の種類に基づいて設定することにより、画像取得装置1では基板9の種類ごとに適切な大きさの画像取得が可能とされる。
【0026】
一方、撮像位置設定部44は、RAM23に記憶されている基板データ71から撮像位置の情報を読み出してトリガ信号発生回路35に書き込むことにより基板9の種類に応じた撮像位置の設定を行う(ステップS14)。これにより、基板9の種類に応じた撮像位置の変更が容易に実現される。図6および図7は基板9上に設定される撮像位置701を例示する図である。図6は基板9全体の画像が取得される場合の撮像位置701を十字にて示しており、細い実線の各矩形が各撮像位置701における撮像範囲702を示している。図6では撮像範囲702が互いに接して配列される。図7は、基板9の一部の画像が取得される場合の撮像位置701を十字にて示しており、離散した撮像範囲702を細い実線の矩形にて示している。
【0027】
なお、図6および図7では、移動開始位置703から始まる撮像中心の経路710を破線にて示しており、撮像中心は各撮像位置を通過しつつ基板9を横切るごとに折り返しながら移動する。図6および図7に例示するように、基板9の種類に応じて撮像位置701および撮像範囲702が個別に設定される。
【0028】
また、図6に示すように、画像取得装置1では、撮像範囲702が互いに隣接する(あるいは、所定の幅で一部重なるように配置される)場合に基板データ71に含まれる基板9のサイズの情報、撮像範囲702の大きさの情報等に基づいて撮像位置701を自動的に求めることも可能とされている。すなわち、撮像範囲702の大きさに基づいて撮像倍率設定部42にて撮像倍率が設定されると、撮像位置設定部44では、撮像倍率に基づいて撮像が繰り返されるごとの移動距離(撮像位置701間の距離)が自動的に設定される。そして、連続する2回の撮像間の移動距離および基板9のサイズの情報に基づいて各撮像位置701が設定される(ステップS14)。このように、画像取得装置1では、基板データ71が撮像位置701の情報含まないものであっても撮像倍率に基づいて撮像位置701の自動設定が可能とされており、撮像倍率に応じた適切な画像取得が実現される。
【0029】
なお、撮像間の移動距離の設定は実質的に撮像倍率に相当するものに基づいて行われるのであれば他の手法が用いられてもよく、例えば、撮像範囲702の大きさから2回の撮像間の移動距離が直接求められてもよい。
【0030】
移動速度設定部43は、撮像倍率に基づいてカメラ13に対する基板9の相対移動速度を求め、ステージ制御回路34に移動速度を設定する(ステップS15)。具体的には、1回の撮像において基板9からの光が撮像デバイス131に入射する時間の間に、撮像デバイス131上で1画素の10分の1以下だけ像が移動するように基板9の移動速度を設定する。これにより、取得される画像のぶれが防止され、撮像倍率の影響を抑制した適切な画像取得が実現される。なお、移動速度を極端に低下させずに適切な画像を取得するために、撮像デバイス131では数マイクロ秒(1〜2/106秒)程度の極端に短い時間の間に画像の取得が行われる。
【0031】
次に、発光強度設定部41によりランプ14の発光強度が求められ、発光強度(照明光の強度に相当する)を発光制御回路31に設定する(ステップS16)。既述のように、撮像デバイス131では短い時間の間に画像の取得が行われるため、ランプ14として輝度が非常に高いものが使用される。ここで、画像取得装置1では、ランプ14を常時点灯しておいて極短時間だけカメラ13のシャッタを開ける手法と、ランプ14を極短時間だけ発光する手法とのいずれかが採用される。
【0032】
図8はランプ14を常時点灯させる場合の画像取得動作を示すタイミング図である。ランプ14としてはキセノンランプ等の高輝度の光源が用いられ、常時ON状態のランプ14に対して画像取得時刻t1から時刻t2までの短時間の間だけシャッタが開けられて画像の取得が行われる。発光強度設定部41では、時間(t2−t1)と取得されるべき画像のおよその明るさ(画像取得後の検査等における画像処理の内容によって異なる)の情報(以下、「明度情報」という。)とに基づいてランプ14の発光強度(輝度)が設定される。発光強度の変更は、ランプ14と基板9との間の距離や光学フィルタの交換等により行われる。なお、シャッタ(機械シャッタでも電子シャッタでもよい。)の制御が可能な場合には、発光強度設定部41によりシャッタの開放時間が求められてもよい(この場合も、撮像デバイス131への入射光量が制御されることとなる。)。
【0033】
図9は、ランプ14を極短時間だけ発光させる手法の場合の画像取得動作を示すタイミング図である。この場合、時刻t3にてシャッタを開いた後、キセノンフラッシュ等の高輝度光源を画像取得時刻t1から時刻t4までの短時間だけ発光させ、その後、時刻t5においてシャッタが閉じられる。発光強度設定部41では、時間(t4−t1)と基板データ71に含まれる明度情報とに基づいてランプ14の発光強度が設定される。発光強度の変更は、ランプ14の電源電圧の制御により行われる。
【0034】
図8および図9に示すいずれの手法においても、ランプ14の輝度が一定である場合には、取得画像の明るさはズームレンズ132の撮像倍率に応じて変化することから、発光強度設定部41では、撮像デバイス131に光が入射する時間および明度情報のみならず撮像倍率設定部42にて設定された撮像倍率にも基づいて、1回の撮像(正確には、1回の撮像に利用される光が撮像デバイス131に入射する時間)において基板9から撮像デバイス131に入射する光量が制御される。これにより、基板9の種類に応じて撮像倍率が変更された場合であっても倍率に応じた適切な画像の取得が実現される。
【0035】
以上の準備が完了すると、コンピュータ15の倍率制御回路33からの信号により、ズームレンズ132がアライメント(位置合わせ)用の低倍率に設定され(ステップS17)、基板9上の所定位置の画像が撮像デバイス131により取得され、コンピュータ15における演算処理により基板9の位置ずれ量が求められる。そして、位置ずれ量に応じてステージ制御回路34からの信号により、基板9がカメラ13に対して所定の初期位置(例えば、図6および図7中に示す経路710の移動開始位置703)へと移動する(ステップS18)。
【0036】
その後、倍率制御回路33によりズームレンズ132が撮像用の倍率に変更される(ステップS21)。なお、撮像用の倍率は取得される画像の利用目的に応じて決定され、アライメント時の倍率はアライメント精度に応じて決定されることから、撮像用の倍率はアライメント時の倍率よりも大きい場合もあれば小さい場合もある。
【0037】
次に、ステージ制御回路34の制御によりステージ移動機構12の駆動が開始され、ステージ11および基板9のカメラ13に対する相対的な移動が開始される(ステップS22)。このとき、ステージ移動機構12のエンコーダからの信号(ステージ11に設けられたセンサからの信号等であってもよい。)がステージ制御回路34に送られ、ステージ11が設定済みの所定の移動速度にて移動するように制御される。
【0038】
カメラ13の基板9に対する相対位置を実質的に示すステージ移動機構12からの信号(以下、「位置信号」という。)は、トリガ信号発生回路35にも入力され、トリガ信号発生回路35では設定済みの撮像位置と、位置信号のパルスをカウントして求められる位置とを比較してカメラ13が基板9上の撮像位置701(図6および図7参照)に対向する位置まで相対移動したか否かが確認される(ステップS23)。
【0039】
撮像位置701と位置信号から導かれる位置とが一致すると、トリガ信号発生回路35からトリガ信号が撮像制御回路32へと送信され(ステップS24)、撮像デバイス131により撮像位置701における基板9の画像が電気的信号として取得され、撮像デバイス131からの画像信号は、撮像制御回路32を介してRAM23内に画像データ72として記憶される(ステップS25)。
【0040】
例えば、図6に示すように撮像範囲702が隙間なく基板9上に設定される場合において、撮像デバイス131が640×480画素を有し、1μmが1画素の幅に対応し、ステージ移動機構12からステージ11を1μm移動するごとに1パルスが発信される場合、トリガ信号発生回路35では640パルスごとにトリガ信号が発生されて画像の取り込みが行われる。ステージ11の移動がステージ移動機構12外のセンサにより直接測定される場合には、ステージ11が640μm移動するごとにトリガ信号発生回路35がトリガ信号を発生する。
【0041】
なお、図8に示す撮像動作において機械シャッタが用いられる場合には、トリガ信号に従って機械シャッタが制御される。図9に示す撮像動作の場合には時刻t3において別のトリガ信号がトリガ信号発生回路35から撮像制御回路32に送られて機械シャッタまたは電子シャッタが制御され、時刻t1において撮像位置701がカメラ13と対向するとトリガ信号が発光制御回路31に入力されて発光が行われる。
【0042】
画像の取得は、基板9上の撮像位置701がカメラ13と対向する位置に達するごとに繰り返される(ステップS23〜S26)。全ての撮像位置701にて画像が取得されると、基板9がステージ11からアンロードされ(すなわち、払い出され)(ステップS27)、RAM23に記憶された画像データ72が固定ディスク24に転送される(ステップS28)。このとき、各画像データ72に画像番号および撮像位置番号が付され、画像データ72のグループに対して基板9の番号が付される。なお、撮像位置701の数が多い場合には基板9の移動方向が変更されるごとに(図6または図7に示す経路710の左右における折り返し点において)、固定ディスク24にまとめて転送される。
【0043】
以上に説明したように、画像取得装置1では、カメラ13が基板9に対して相対的に連続的に移動している間に撮像デバイス131による複数回の撮像がコンピュータ15からのトリガ信号に基づいて実行されるため、基板9上の離散した、あるいは、連続した複数箇所の画像を短時間で得ることが実現される。また、複数回の撮像におけるズームレンズ132の倍率が基板9の種類に応じて変更され、さらには、撮像倍率に応じて基板9の移動速度、ランプ14の発光強度(および撮像位置)が設定されるため、多種類の基板9に対して適切な画像取得が実現される。
【0044】
次に、従来のように画像取得時に基板9(またはカメラ13)の移動を停止させる場合と、画像取得装置1のように基板9の移動を停止させない場合との画像取得時間の比較例について説明する。300mm(X方向)×250mm(Y方向)のプリント配線基板を640×480画素の撮像デバイス131を用いて撮像し、1画素が基板上の20μm四方に対応し、1回の画像取得に17msを要する(すなわち、60Hzにて撮像が行われる。)ものとすると、基板に対する撮像回数は648回(=24(X方向)×27(Y方向))となる。
【0045】
移動方向の切替時間および一時停止を伴う撮像時間(移動停止、撮像および移動開始に要する時間)がそれぞれ100msであるものとし、(+X)方向および(−X)方向へと移動方向が変更されるものとすると、従来のように一時停止して画像取得を行う場合には、約67秒(=648回×100ms+26回×100ms)が1つの基板に対する画像取得に必要となるのに対し、画像取得装置1では、約13秒(=648回×17ms+26回×100ms)となる。その結果、画像取得装置1では従来手法に比べて約1/5の時間で全画像を取得することが実現される。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0047】
上記実施の形態では、基板9がカメラ13(すなわち、撮像デバイス131)に対して移動するが、カメラ13の移動は相対的なものでよく、カメラ13、または、基板9およびカメラ13が基板9の主面に平行に移動してもよい。
【0048】
また、既述のように、各撮像範囲は部分的に重なってもよい。特に、基板9全体の画像を取得する場合であって、高速に基板9を移動させるために各画像の周縁部に異常が生じるおそれがある場合には、各撮像範囲を部分的に重ねて画像を取得し、各画像の周囲が削除された上で保存されることが好ましい。
【0049】
撮像倍率の変更は、ズームレンズ132以外により実現されてもよい。例えば、フォーカスを基板9に合わせつつカメラ13(または撮像デバイス131)と基板9との間の距離が変更されてもよい。
【0050】
画像取得装置1にて画像が取得される対象は、プリント配線基板には限定されず、半導体基板、フラットパネルディスプレイやフォトマスクに用いられるガラス基板等であってもよい。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、基板の種類に応じた倍率で基板上の複数箇所の画像を短時間で取得することができる。また、請求項2、4、5並びに7ないし9の発明では、倍率に応じた適切な画像取得が実現され、請求項3の発明では、基板の種類に応じて基板上の撮像位置を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像取得装置を示す図である。
【図2】コンピュータの構成を制御対象とともに示すブロック図である。
【図3】CPU等が実現する機能を示すブロック図である。
【図4】基板の画像を取得する動作の流れを示す図である。
【図5】基板の画像を取得する動作の流れを示す図である。
【図6】撮像位置を例示する図である。
【図7】撮像位置を例示する図である。
【図8】ランプを常時点灯させる場合の画像取得動作を示すタイミング図である。
【図9】ランプを極短時間だけ発光させる手法の場合の画像取得動作を示すタイミング図である。
【符号の説明】
1 画像取得装置
9 基板
12 ステージ移動機構
15 コンピュータ
24 固定ディスク
41 発光強度設定部
42 撮像倍率設定部
43 移動速度設定部
44 撮像位置設定部
71 基板データ
131 撮像デバイス
132 ズームレンズ
S13〜S16,S23〜S26 ステップ
Claims (9)
- 基板の画像を取得する画像取得装置であって、
2次元の画像を取得する撮像デバイスと、
基板に対して前記撮像デバイスを相対的に移動する移動機構と、
前記移動機構により前記撮像デバイスが連続的に移動している間に前記撮像デバイスによる複数回の撮像を実行する制御部と、
前記複数回の撮像における倍率を基板の種類に応じて変更する倍率変更機構と、
を備えることを特徴とする画像取得装置。 - 請求項1に記載の画像取得装置であって、
前記撮像デバイスが基板に対して所定の距離を相対的に移動するごとに撮像を行い、前記制御部が、前記倍率に基づいて前記所定の距離を設定することを特徴とする画像取得装置。 - 請求項1に記載の画像取得装置であって、
前記制御部が、前記複数回の撮像が行われる基板上の位置を基板の種類ごとに記憶する記憶手段を有することを特徴とする画像取得装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像取得装置であって、
前記制御部が、前記倍率に基づいて基板に対する前記撮像デバイスの相対速度を設定することを特徴とする画像取得装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像取得装置であって、
前記制御部が、1回の撮像において基板から前記撮像デバイスに入射する光量を前記倍率に基づいて制御することを特徴とする画像取得装置。 - 基板の画像を取得する画像取得方法であって、
2次元の画像を取得する撮像デバイスにより基板を撮像する際の倍率を前記基板の種類に基づいて設定する工程と、
前記基板に対して相対的に前記撮像デバイスを連続的に移動しつつ前記撮像デバイスによる複数回の撮像を実行する工程と、
を有することを特徴とする画像取得方法。 - 請求項6に記載の画像取得方法であって、
前記複数回の撮像を実行する工程において、前記撮像デバイスが前記基板に対して所定の距離を相対的に移動するごとに撮像が行われ、
前記複数回の撮像を実行する工程の前に、前記倍率に基づいて前記所定の距離を設定する工程をさらに有することを特徴とする画像取得方法。 - 請求項6または7に記載の画像取得方法であって、
前記複数回の撮像を実行する工程の前に、前記倍率に基づいて前記基板に対する前記撮像デバイスの相対速度を設定する工程をさらに有することを特徴とする画像取得方法。 - 請求項6ないし8のいずれかに記載の画像取得方法であって、
前記複数回の撮像を実行する工程において、1回の撮像において前記基板から前記撮像デバイスに入射する光量が前記倍率に基づいて制御されることを特徴とする画像取得方法。
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