JP2004293725A - モーター用スラスト軸受け及びそれを用いたモーター - Google Patents
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Abstract
【課題】モーターの高速回転性能および長寿命化を実現するため、耐摩耗性及び成形性に優れるスラスト軸受けおよび該スラスト軸受け材を用いたモーターを提供する。
【解決方法】モーターのスラスト軸受けにおいて、少なくとも回転軸に接する部分がポリエーテル芳香族ケトン樹脂100重量部に対して、セラミック系材料を1〜100重量部を含有してなるポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物で形成されているモーター用スラスト軸受けであり、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物をシート状に溶融押し出した後、打ち抜いた平板、又は打ち抜き時に成形した曲面状板であり、厚みが25〜1000μmであり、打ち抜き径は直径0.5〜20mmであるモーター用スラスト軸受けであり、これを用いたモーターである。
【選択図】なし
【解決方法】モーターのスラスト軸受けにおいて、少なくとも回転軸に接する部分がポリエーテル芳香族ケトン樹脂100重量部に対して、セラミック系材料を1〜100重量部を含有してなるポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物で形成されているモーター用スラスト軸受けであり、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物をシート状に溶融押し出した後、打ち抜いた平板、又は打ち抜き時に成形した曲面状板であり、厚みが25〜1000μmであり、打ち抜き径は直径0.5〜20mmであるモーター用スラスト軸受けであり、これを用いたモーターである。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば情報機器、事務機器、オーディオ・ビデオ機器などに使用される高速マイクロモーター、冷却ファンモーター、振動モーター、各種精密モーターおよびそれに用いられるスラスト軸受け材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型モーターは、パソコン等の情報機器、事務機器、オーディオ・ビデオ機器の家庭用及び産業用の市場拡大に伴う軽薄短小かつ長時間使いたいとのニーズがある。
これらに用いられるモーターの回転数は10000rpmを超える高回転性能が求められる。高回転数に耐えうるモーターや長時間連続使用可能となる各種材料や構造が開発されてきた。
【0003】
小型モーター構造の一部であるラジアル軸受けの構造としては、転がり軸受け構造とすべり軸受け構造があり、前者の転がり軸受け構造の代表的なものはボールベアリングがあげられ、後者のすべり軸受け構造の代表的なものには焼結含油軸受けがあげられる。
ボールベアリング構造のものはボールベアリングがスラスト方向でも回転軸を支える構造になっているが、すべり軸受け構造ではスラスト方向で回転軸を受けるスラスト軸受けが必要となる。
【0004】
パソコンの中にはCPU、ハードディスク、CD−ROMドライブ、ビデオチップ等が搭載されている。特に近年のパソコンの高性能化に伴い搭載部品の消費電力が増加し、発熱量は増加する傾向にある。パソコン内部の温度が上昇すると搭載部品の動作が不安定になり、正常に作動しなくなるおそれがある。
パソコン内部の温度上昇を防ぐためにヒートシンクおよびパソコン内部の空気を外に放熱するために冷却ファンが必要となる。長時間連続使用に耐えうる冷却ファンモーターの各種材料や構造が開発されてきた。
【0005】
特に冷却ファンモーターやハードディスク(以下、HDDと記す)駆動用モーターの多くはボールベアリングを用いたタイプのものが主流である。性能的な課題はほとんど無いが、生産コストが高いため、すべり軸受け構造のような生産コストが安いタイプへの移行が進んでいる。
すべり軸受け構造のモーターでボールベアリング構造に取って代わる設計を行う為には、従来のすべり軸受け構造のモーターに使用されていたスラスト軸受け材よりもより低摩耗でかつ長寿命化を達成する材料が望まれている。
【0006】
近年急激に市場を伸ばしている携帯電話等に呼び出し音の代替として振動により着信を知らせるための振動モーターが搭載されている。公共の場等でのマナーとして振動により着信を知らせることが推進されてきている。これらの振動モーターは携帯電話の小型化および軽量化に伴い、非常に小さな体積のモーターの開発が行われている。さらに、ICチップ部品のようにキャリアテープで自動マウント、プリント配線板に直接リフロー炉を通して固着させるタイプの開発が行われている。これらに用いられるモーターはボールベアリング構造では小型化が困難であることなどからすべり軸受け構造のものが使用されている。更なる性能の向上を目的として、スラスト軸受け材に対する高性能化が求められる。
【0007】
最近では、すべり軸受け構造で流体軸受け又は動圧軸受けと呼ばれる構造のものが開発されている。これは、オイルや空気などを潤滑に利用し、その動圧力により回転軸とラジアル軸受け間を非接触に保持する軸受け構造を持つものである。
【0008】
図1は、流体軸受けを有する高速マイクロモーターの回転軸部分の断面の模式図である。図1において、回転軸1がラジアル軸受け4とスラスト軸受け6により回転自在に支持されている。回転軸1にはビス形状等の溝きり2が加工されており、回転軸1が回転中にラジアル軸受け4と回転軸1間の潤滑剤3が均一に充満することで回転による摩擦抵抗を低減し、高速回転性能を有することが可能である。
【0009】
軸受け部に接する回転軸先端部1aは、スラスト軸受け6の摩耗を防止するべく、先端部分を円弧状等に形成した回転軸1を用いたものもある。
【0010】
また、従来から低回転の分野で使用されている焼結含油軸受けについても、10000rpm以上の高回転に対応可能なものが開発されている。そしていずれもすべり軸受け構造のものは、ボールベアリングに代表される転がり軸受け構造のものと比べても安価である。これらの製品については市場に多く出回っている。
【0011】
スラスト軸受け6の摩耗発生については、スラスト軸受け6の表面平滑性が重要であることが知られている。表面が平滑であれば、回転軸1とスラスト軸受け6間の摩擦抵抗を低減することが可能となり、摩擦抵抗、摩擦熱によるスラスト軸受け6の摩耗を防止することができる。
【0012】
スラスト軸受け部は、特に回転時に回転軸1のスラスト方向の荷重をスラスト軸受け6で受ける構造になっているため、スラスト軸受け6の摩耗が避けられない。スラスト軸受け6の摩耗を解決するためにスラスト軸受け6の表面に潤滑剤7を塗布したもの、または耐摩耗性に優れる材質からなるスラスト軸受け板5を回転軸1とスラスト軸受け6の間に設計したものがある。スラスト軸受け板5の材質を選択することで、回転軸1に用いる金属材に対する摺動時の摩耗を低減させる検討が種々行われている。
【0013】
回転軸1には硬度の高い金属を用いることが一般的である。
一方、スラスト軸受け材には金属または樹脂性のものを用いる。
スラスト軸受け材に硬度の高い金属であるSUS鋼、鉄等を用いた場合には、重量が増加し、また精度の高い加工を施す際に加工手間、コストがかさむという問題点がある。また、硬度の高い材質間では摺動により摩耗が生じる。
回転軸、スラスト軸受けともに金属材を用いての小型モーターの設計は、重量、コスト、摺動音、耐久寿命の点で問題点がある。
【0014】
従来より金属系材料に取って代わる各種樹脂がスラスト軸受け材として検討され、使用されている。例えば、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン6・10、ナイロン6・12やそれらのコポリマーであるナイロン系、PET系、PBT系、PAR系、PC系、POM系、PPS系、PTFE系、超高分子量PE系樹脂、ABS系、PI系等の熱可塑性樹脂、PI系、エポキシ系、DAP系およびそれらの複合樹脂、さらには各樹脂に対して木紛、アスベスト、グラファイト、ガラス繊維、カーボン繊維、ガラス質セラミック繊維系、アラミド繊維、硫化モリブデン、硫化鉄等の金属硫化物の固体潤滑材、油潤滑材等を充填した材料である。これらについては特許文献1等に記載されている。小型モーターのスラスト軸受け材として、上記材料を用いた場合、厳しい摩耗状況下や長時間使用時に摩耗が生じることがある。また、摺動時の摩擦熱により耐久性に問題が生じることがある。PTFE等のフッ素樹脂を混合した硬度が低く、摩擦係数の小さい材質を用いて摩耗が生じない場合においても、回転軸の荷重を支えきれずに軸受け部分に窪みが生じることがある。
【0015】
上記流体軸受けは転がり軸受け構造と違い、すべり軸受け構造に分類されるため、スラスト方向の軸受けが必要となるが、その回転数が非常に高いため摺動適性に優れかつ耐摩耗性に優れ、使用環境による温度変化に対応し、更に潤滑剤にオイルを使用することが多いため耐油性を必要としていたが適合する材料がなかった。また各材料を複合させることにより上記特性を満たす材質よりなる軸受け部材が研究されているが、いずれも必要とされる特性を十分に満足させ、かつコスト的にも安価なものは開発されていない。
【0016】
スラスト軸受け6の摩耗を解決するためにスラスト軸受け6の表面に潤滑剤7を塗布したもの、または耐摩耗性に優れる材質からなるスラスト軸受け板5を回転軸1のスラスト方向に設計したものがあるが、耐摩耗性、摩擦による発熱の影響を受け長寿命化を実現することが困難である。
【0017】
【特許文献1】
特開平07−268126号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、モーターの高速回転性能および長寿命化を実現し、耐摩耗性及び生産性に優れるスラスト軸受けを提供し、かつ安価で高性能なモーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、
(1)モーターのスラスト軸受けにおいて、少なくとも回転軸に接する部分が、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂100重量部に対してセラミック系材料を1〜100重量部を含有してなるポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物で形成されていることを特徴とするモーター用スラスト軸受け、
(2)ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物はシート状に溶融押し出した後、打ち抜きした平板、又は打ち抜き時に成形した曲面状板であり、厚みが25〜1000μmであり、打ち抜き径は直径0.5〜20mmである(1)記載のモーター用スラスト軸受け、
(3)モーターが高速マイクロモーター、冷却ファンモーター、振動モーター、またはハードディスク駆動用モーターである(1)または(2)記載のモーター用スラスト軸受け、
(4)高速マイクロモーターの回転数が10,000rpm以上である(3)記載のモーター用スラスト軸受け、
(5)(1)又は(2)記載のモーター用スラスト軸受けを使用したモーターが高速マイクロモーター、冷却ファンモーター、振動モーター、またはハードディスク駆動用モーターであるモーター、
である。
【発明の実施の形態】
【0020】
本発明において用いられるポリエーテル芳香族ケトン樹脂は化学式(1)や(2)で表されるものがある。しかし、これらに特に限定するものではない。
【0021】
【化1】
【0022】
本発明において用いられるセラミック系材料は繊維状や球状または板状の形状であるフィラーである。例えばアルミナ粒子やガラス繊維がある。本発明においては特に限定するものではない。セラミック系のフィラーをポリエーテル芳香族ケトン樹脂に添加することでその耐摩耗性が向上し、モーターのスラスト軸受けとして使用した場合、そのモーターの高性能化に寄与できる。摩耗しにくいスラスト軸受けを構造部品に持つことで、モーターとしての長寿命化を実現できる。従来耐摩耗性の観点から、ボールベアリング構造が必要であったモーター(例えばパソコン用の冷却ファンモーター等)も本発明におけるポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物をスラスト軸受け材に用いることで、低コストで性能を満足するモーターの設計が可能となった。添加するフィラーの量は樹脂100重量部に対して1〜100重量部が好ましい。添加するフィラーの量が100重量部以上になった場合には成形性を悪化させる為、安定して低コストで生産することが困難となる。
【0023】
本発明の効果を阻害しない限り、必要に応じて導電性向上材(カーボン、酸化亜鉛、酸化チタン等)、熱伝導性向上剤(粉末状金属酸化物等)、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑材、離型剤、染料、顔料、他の熱可塑性樹脂(ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリアセタール系、PET系、PBT系、ポリアリレート系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリエーテルサルフォン系、ポリサルフォン系、ポリアリレート系、ポリエーテルイミド系、ポリイミド系、フッ素系、ポリエーテルニトリル系、液晶ポリマー系等)、熱硬化性樹脂(フェノール系、エポキシ系、ポリイミド系、シリコン系、ポリアミドイミド系等)を併用しても良い。
【0024】
添加混合・混錬方法は特に限定されることはなく各種混合・混錬手段が用いられる。例えば、各々別々に溶融押出機に供給して混合しても良い、またあらかじめ紛体原料のみをヘンシェルミキサー、ボールミキサー、ブレンダー、タンブラー等の混合機を利用して乾式予備混錬して、さらに溶融可能な熱可塑性樹脂であれば溶融混錬機にて溶融混錬することができる。成形方法としては基材となる樹脂に適当な成形方法を適用することができる。たとえば射出成形、溶融押出成形、注型成形、圧縮成形、焼結成形、紛体塗装等の各種成形方法である。生産性の点からは溶融押出シート成形が好ましい。ただし、成形方法については特に限定するものではない。
【0025】
本発明の前記材料からなるシートの製法は、溶融押出直後に引き取り冷却ロールにより冷却固化させる方法が好ましい。冷却ロールの表面粗さを溶融樹脂が固化する際にシート表面へ転写させることが可能である。それにより得られる所定の表面粗さを有するシートを打ち抜き加工しスラスト軸受け材として用いた場合、摩耗の発生を防止することができる。
【0026】
回転軸と接するスラスト軸受け材として用いるセラミック含有ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物は、その表面ができるだけ平滑であることが耐磨耗性のために必要である。セラミック含有ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物からなるスラスト軸受け材の表面平滑性については、十点平均粗さ(Rz)は15μm以下が好ましく、より好ましくは8μm以下、更に好ましくは6μm以下である。
【0027】
セラミック含有ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物からなるスラスト軸受け材の形状としては、特に限定しないが、シートから打ち抜いた円盤状の平板、又は打ち抜き時に成形した曲面状板が好ましい。
セラミック含有ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物からなるシートの厚みとしては25〜1000μmが好ましく、25μm未満の場合は打ち抜きなどの加工性及び組立時の安定性が悪く、また1000μmを超えると打ち抜きにくく、コスト的に高価なものになってしまう。
【0028】
本発明におけるセラミック含有ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物をスラスト軸受け材として用いたモーターは従来のすべり軸受けモーターに比較して、スラスト軸受けの摩耗によるモーターとしての性能不足、寿命不足といった不具合を改善できた。特に耐摩耗性、長寿命化を求められるパソコンの冷却ファンモーターやHDD駆動用モーターについて、すべり軸受け構造のモーターで従来のボールベアリング同等以上の高速回転性能及び長寿命化の実現を可能にする。
【0029】
【実施例】
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
実施例には、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂はビクトレックス社製PEEK450Pを用い、セラミック系材料は龍森社製PLV−3、アドマテックス社製AO−502を用い、その配合を表1にまとめて示した。評価用シート作製には、溶融押出加工によりシリンダー温度380℃、ダイス温度400℃の条件で押出成形を行ない、評価用シートを得た。
【0030】
各種評価については下記に基づき実施し、その結果を表1にまとめて示した。
(1)耐磨耗性(1):磨耗輪磨耗型磨耗試験機を用い、摺動荷重1000gf、試験片回転速度60rpm、磨耗距離245m運転後の試験片磨耗体積を測定(JIS K 7204準拠)。セラミック系材料を使用していない比較例1の値(9.0)を下回る値を示したものを〇、上回る値を示したものを×とした。
(2)耐磨耗性(2):ピンオンディスク型磨耗試験機を用い、摺動荷重90gf、SUS軸回転速度10000rpm、磨耗時間100時間運転後の試験片磨耗痕および軸先端の磨耗状況を観察。試験片磨耗および軸先端磨耗の非常に少ないものを○、試験片または軸先磨耗が確認できるものを△、試験片および軸先磨耗が確認できるものを×とした。
(3)成形性:単軸押出機とT型ダイスを用いてシート加工成形を行い得られたサンプルの外観を目視で評価。外観良好なものを○、表面粗さの大きいもの、または安定した成形品が得られないものについて×とした。
【0031】
実施例1,2,3はそれぞれセラミック系フィラーを樹脂100重量部に対して10,5,60重量部添加している。フィラーを含まない比較例1に比較して成形性を損なわず、耐摩耗性が向上していることが分かる。実施例3のように添加するフィラーは2種類のフィラーの組み合わせでも耐摩耗性の向上が確認できた。
【0032】
比較例2,3のように樹脂100重量部に対してフィラーを100重量部以上添加した場合、成形性を悪化させる。また、耐摩耗性についてはフィラーを含まない比較例1に比較して耐摩耗性が低下することが分かる。
【0033】
比較例1の樹脂組成物からなるスラスト軸受けと、実施例2の樹脂組成物からなるスラスト軸受けを作成し、すべり軸受け構造のモーターを作成した。これらのモーターを実際に回転させて性能評価を行った。回転時間が5000時間経過した時点でモーターを停止した。
それぞれスラスト軸受け材を用いたモーターの回転時のモータートルクは、実施例2の樹脂組成物からなるスラスト軸受けを使用したモーターではトルク値の増減は確認できず、スタート時からほぼ一定であった。比較例1の樹脂組成物からなるスラスト軸受けを使用したモーターではトルク値が経時的に増加し、5000時間経過後にはスタート時の約1.5倍となった。トルク値の増加はモーター性能としては、消費電力の増加や異音の発生を引き起こす欠点である。おそらくスラスト軸受け材の耐摩耗性不足が原因と考えられる。この結果は表1にも示した耐摩耗性の結果を支持するものであった。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、スラスト軸受けに摺動性の優れるポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物を用いることにより、スラスト軸受け材の成形性を損なわずに耐摩耗性が向上しモーターの高速回転性能及び長寿命化を達成した。
【図面の簡単な説明】
【図1】モーターの回転軸部分の断面の模式図
【符号の説明】
1 回転軸
1a回転軸先端部
2 ビス状の溝きり
3 潤滑剤
4 ラジアル軸受け
5 スラスト軸受け板
6 スラスト軸受け
7 潤滑剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば情報機器、事務機器、オーディオ・ビデオ機器などに使用される高速マイクロモーター、冷却ファンモーター、振動モーター、各種精密モーターおよびそれに用いられるスラスト軸受け材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型モーターは、パソコン等の情報機器、事務機器、オーディオ・ビデオ機器の家庭用及び産業用の市場拡大に伴う軽薄短小かつ長時間使いたいとのニーズがある。
これらに用いられるモーターの回転数は10000rpmを超える高回転性能が求められる。高回転数に耐えうるモーターや長時間連続使用可能となる各種材料や構造が開発されてきた。
【0003】
小型モーター構造の一部であるラジアル軸受けの構造としては、転がり軸受け構造とすべり軸受け構造があり、前者の転がり軸受け構造の代表的なものはボールベアリングがあげられ、後者のすべり軸受け構造の代表的なものには焼結含油軸受けがあげられる。
ボールベアリング構造のものはボールベアリングがスラスト方向でも回転軸を支える構造になっているが、すべり軸受け構造ではスラスト方向で回転軸を受けるスラスト軸受けが必要となる。
【0004】
パソコンの中にはCPU、ハードディスク、CD−ROMドライブ、ビデオチップ等が搭載されている。特に近年のパソコンの高性能化に伴い搭載部品の消費電力が増加し、発熱量は増加する傾向にある。パソコン内部の温度が上昇すると搭載部品の動作が不安定になり、正常に作動しなくなるおそれがある。
パソコン内部の温度上昇を防ぐためにヒートシンクおよびパソコン内部の空気を外に放熱するために冷却ファンが必要となる。長時間連続使用に耐えうる冷却ファンモーターの各種材料や構造が開発されてきた。
【0005】
特に冷却ファンモーターやハードディスク(以下、HDDと記す)駆動用モーターの多くはボールベアリングを用いたタイプのものが主流である。性能的な課題はほとんど無いが、生産コストが高いため、すべり軸受け構造のような生産コストが安いタイプへの移行が進んでいる。
すべり軸受け構造のモーターでボールベアリング構造に取って代わる設計を行う為には、従来のすべり軸受け構造のモーターに使用されていたスラスト軸受け材よりもより低摩耗でかつ長寿命化を達成する材料が望まれている。
【0006】
近年急激に市場を伸ばしている携帯電話等に呼び出し音の代替として振動により着信を知らせるための振動モーターが搭載されている。公共の場等でのマナーとして振動により着信を知らせることが推進されてきている。これらの振動モーターは携帯電話の小型化および軽量化に伴い、非常に小さな体積のモーターの開発が行われている。さらに、ICチップ部品のようにキャリアテープで自動マウント、プリント配線板に直接リフロー炉を通して固着させるタイプの開発が行われている。これらに用いられるモーターはボールベアリング構造では小型化が困難であることなどからすべり軸受け構造のものが使用されている。更なる性能の向上を目的として、スラスト軸受け材に対する高性能化が求められる。
【0007】
最近では、すべり軸受け構造で流体軸受け又は動圧軸受けと呼ばれる構造のものが開発されている。これは、オイルや空気などを潤滑に利用し、その動圧力により回転軸とラジアル軸受け間を非接触に保持する軸受け構造を持つものである。
【0008】
図1は、流体軸受けを有する高速マイクロモーターの回転軸部分の断面の模式図である。図1において、回転軸1がラジアル軸受け4とスラスト軸受け6により回転自在に支持されている。回転軸1にはビス形状等の溝きり2が加工されており、回転軸1が回転中にラジアル軸受け4と回転軸1間の潤滑剤3が均一に充満することで回転による摩擦抵抗を低減し、高速回転性能を有することが可能である。
【0009】
軸受け部に接する回転軸先端部1aは、スラスト軸受け6の摩耗を防止するべく、先端部分を円弧状等に形成した回転軸1を用いたものもある。
【0010】
また、従来から低回転の分野で使用されている焼結含油軸受けについても、10000rpm以上の高回転に対応可能なものが開発されている。そしていずれもすべり軸受け構造のものは、ボールベアリングに代表される転がり軸受け構造のものと比べても安価である。これらの製品については市場に多く出回っている。
【0011】
スラスト軸受け6の摩耗発生については、スラスト軸受け6の表面平滑性が重要であることが知られている。表面が平滑であれば、回転軸1とスラスト軸受け6間の摩擦抵抗を低減することが可能となり、摩擦抵抗、摩擦熱によるスラスト軸受け6の摩耗を防止することができる。
【0012】
スラスト軸受け部は、特に回転時に回転軸1のスラスト方向の荷重をスラスト軸受け6で受ける構造になっているため、スラスト軸受け6の摩耗が避けられない。スラスト軸受け6の摩耗を解決するためにスラスト軸受け6の表面に潤滑剤7を塗布したもの、または耐摩耗性に優れる材質からなるスラスト軸受け板5を回転軸1とスラスト軸受け6の間に設計したものがある。スラスト軸受け板5の材質を選択することで、回転軸1に用いる金属材に対する摺動時の摩耗を低減させる検討が種々行われている。
【0013】
回転軸1には硬度の高い金属を用いることが一般的である。
一方、スラスト軸受け材には金属または樹脂性のものを用いる。
スラスト軸受け材に硬度の高い金属であるSUS鋼、鉄等を用いた場合には、重量が増加し、また精度の高い加工を施す際に加工手間、コストがかさむという問題点がある。また、硬度の高い材質間では摺動により摩耗が生じる。
回転軸、スラスト軸受けともに金属材を用いての小型モーターの設計は、重量、コスト、摺動音、耐久寿命の点で問題点がある。
【0014】
従来より金属系材料に取って代わる各種樹脂がスラスト軸受け材として検討され、使用されている。例えば、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン6・10、ナイロン6・12やそれらのコポリマーであるナイロン系、PET系、PBT系、PAR系、PC系、POM系、PPS系、PTFE系、超高分子量PE系樹脂、ABS系、PI系等の熱可塑性樹脂、PI系、エポキシ系、DAP系およびそれらの複合樹脂、さらには各樹脂に対して木紛、アスベスト、グラファイト、ガラス繊維、カーボン繊維、ガラス質セラミック繊維系、アラミド繊維、硫化モリブデン、硫化鉄等の金属硫化物の固体潤滑材、油潤滑材等を充填した材料である。これらについては特許文献1等に記載されている。小型モーターのスラスト軸受け材として、上記材料を用いた場合、厳しい摩耗状況下や長時間使用時に摩耗が生じることがある。また、摺動時の摩擦熱により耐久性に問題が生じることがある。PTFE等のフッ素樹脂を混合した硬度が低く、摩擦係数の小さい材質を用いて摩耗が生じない場合においても、回転軸の荷重を支えきれずに軸受け部分に窪みが生じることがある。
【0015】
上記流体軸受けは転がり軸受け構造と違い、すべり軸受け構造に分類されるため、スラスト方向の軸受けが必要となるが、その回転数が非常に高いため摺動適性に優れかつ耐摩耗性に優れ、使用環境による温度変化に対応し、更に潤滑剤にオイルを使用することが多いため耐油性を必要としていたが適合する材料がなかった。また各材料を複合させることにより上記特性を満たす材質よりなる軸受け部材が研究されているが、いずれも必要とされる特性を十分に満足させ、かつコスト的にも安価なものは開発されていない。
【0016】
スラスト軸受け6の摩耗を解決するためにスラスト軸受け6の表面に潤滑剤7を塗布したもの、または耐摩耗性に優れる材質からなるスラスト軸受け板5を回転軸1のスラスト方向に設計したものがあるが、耐摩耗性、摩擦による発熱の影響を受け長寿命化を実現することが困難である。
【0017】
【特許文献1】
特開平07−268126号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、モーターの高速回転性能および長寿命化を実現し、耐摩耗性及び生産性に優れるスラスト軸受けを提供し、かつ安価で高性能なモーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、
(1)モーターのスラスト軸受けにおいて、少なくとも回転軸に接する部分が、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂100重量部に対してセラミック系材料を1〜100重量部を含有してなるポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物で形成されていることを特徴とするモーター用スラスト軸受け、
(2)ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物はシート状に溶融押し出した後、打ち抜きした平板、又は打ち抜き時に成形した曲面状板であり、厚みが25〜1000μmであり、打ち抜き径は直径0.5〜20mmである(1)記載のモーター用スラスト軸受け、
(3)モーターが高速マイクロモーター、冷却ファンモーター、振動モーター、またはハードディスク駆動用モーターである(1)または(2)記載のモーター用スラスト軸受け、
(4)高速マイクロモーターの回転数が10,000rpm以上である(3)記載のモーター用スラスト軸受け、
(5)(1)又は(2)記載のモーター用スラスト軸受けを使用したモーターが高速マイクロモーター、冷却ファンモーター、振動モーター、またはハードディスク駆動用モーターであるモーター、
である。
【発明の実施の形態】
【0020】
本発明において用いられるポリエーテル芳香族ケトン樹脂は化学式(1)や(2)で表されるものがある。しかし、これらに特に限定するものではない。
【0021】
【化1】
【0022】
本発明において用いられるセラミック系材料は繊維状や球状または板状の形状であるフィラーである。例えばアルミナ粒子やガラス繊維がある。本発明においては特に限定するものではない。セラミック系のフィラーをポリエーテル芳香族ケトン樹脂に添加することでその耐摩耗性が向上し、モーターのスラスト軸受けとして使用した場合、そのモーターの高性能化に寄与できる。摩耗しにくいスラスト軸受けを構造部品に持つことで、モーターとしての長寿命化を実現できる。従来耐摩耗性の観点から、ボールベアリング構造が必要であったモーター(例えばパソコン用の冷却ファンモーター等)も本発明におけるポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物をスラスト軸受け材に用いることで、低コストで性能を満足するモーターの設計が可能となった。添加するフィラーの量は樹脂100重量部に対して1〜100重量部が好ましい。添加するフィラーの量が100重量部以上になった場合には成形性を悪化させる為、安定して低コストで生産することが困難となる。
【0023】
本発明の効果を阻害しない限り、必要に応じて導電性向上材(カーボン、酸化亜鉛、酸化チタン等)、熱伝導性向上剤(粉末状金属酸化物等)、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑材、離型剤、染料、顔料、他の熱可塑性樹脂(ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリアセタール系、PET系、PBT系、ポリアリレート系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリエーテルサルフォン系、ポリサルフォン系、ポリアリレート系、ポリエーテルイミド系、ポリイミド系、フッ素系、ポリエーテルニトリル系、液晶ポリマー系等)、熱硬化性樹脂(フェノール系、エポキシ系、ポリイミド系、シリコン系、ポリアミドイミド系等)を併用しても良い。
【0024】
添加混合・混錬方法は特に限定されることはなく各種混合・混錬手段が用いられる。例えば、各々別々に溶融押出機に供給して混合しても良い、またあらかじめ紛体原料のみをヘンシェルミキサー、ボールミキサー、ブレンダー、タンブラー等の混合機を利用して乾式予備混錬して、さらに溶融可能な熱可塑性樹脂であれば溶融混錬機にて溶融混錬することができる。成形方法としては基材となる樹脂に適当な成形方法を適用することができる。たとえば射出成形、溶融押出成形、注型成形、圧縮成形、焼結成形、紛体塗装等の各種成形方法である。生産性の点からは溶融押出シート成形が好ましい。ただし、成形方法については特に限定するものではない。
【0025】
本発明の前記材料からなるシートの製法は、溶融押出直後に引き取り冷却ロールにより冷却固化させる方法が好ましい。冷却ロールの表面粗さを溶融樹脂が固化する際にシート表面へ転写させることが可能である。それにより得られる所定の表面粗さを有するシートを打ち抜き加工しスラスト軸受け材として用いた場合、摩耗の発生を防止することができる。
【0026】
回転軸と接するスラスト軸受け材として用いるセラミック含有ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物は、その表面ができるだけ平滑であることが耐磨耗性のために必要である。セラミック含有ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物からなるスラスト軸受け材の表面平滑性については、十点平均粗さ(Rz)は15μm以下が好ましく、より好ましくは8μm以下、更に好ましくは6μm以下である。
【0027】
セラミック含有ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物からなるスラスト軸受け材の形状としては、特に限定しないが、シートから打ち抜いた円盤状の平板、又は打ち抜き時に成形した曲面状板が好ましい。
セラミック含有ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物からなるシートの厚みとしては25〜1000μmが好ましく、25μm未満の場合は打ち抜きなどの加工性及び組立時の安定性が悪く、また1000μmを超えると打ち抜きにくく、コスト的に高価なものになってしまう。
【0028】
本発明におけるセラミック含有ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物をスラスト軸受け材として用いたモーターは従来のすべり軸受けモーターに比較して、スラスト軸受けの摩耗によるモーターとしての性能不足、寿命不足といった不具合を改善できた。特に耐摩耗性、長寿命化を求められるパソコンの冷却ファンモーターやHDD駆動用モーターについて、すべり軸受け構造のモーターで従来のボールベアリング同等以上の高速回転性能及び長寿命化の実現を可能にする。
【0029】
【実施例】
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
実施例には、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂はビクトレックス社製PEEK450Pを用い、セラミック系材料は龍森社製PLV−3、アドマテックス社製AO−502を用い、その配合を表1にまとめて示した。評価用シート作製には、溶融押出加工によりシリンダー温度380℃、ダイス温度400℃の条件で押出成形を行ない、評価用シートを得た。
【0030】
各種評価については下記に基づき実施し、その結果を表1にまとめて示した。
(1)耐磨耗性(1):磨耗輪磨耗型磨耗試験機を用い、摺動荷重1000gf、試験片回転速度60rpm、磨耗距離245m運転後の試験片磨耗体積を測定(JIS K 7204準拠)。セラミック系材料を使用していない比較例1の値(9.0)を下回る値を示したものを〇、上回る値を示したものを×とした。
(2)耐磨耗性(2):ピンオンディスク型磨耗試験機を用い、摺動荷重90gf、SUS軸回転速度10000rpm、磨耗時間100時間運転後の試験片磨耗痕および軸先端の磨耗状況を観察。試験片磨耗および軸先端磨耗の非常に少ないものを○、試験片または軸先磨耗が確認できるものを△、試験片および軸先磨耗が確認できるものを×とした。
(3)成形性:単軸押出機とT型ダイスを用いてシート加工成形を行い得られたサンプルの外観を目視で評価。外観良好なものを○、表面粗さの大きいもの、または安定した成形品が得られないものについて×とした。
【0031】
実施例1,2,3はそれぞれセラミック系フィラーを樹脂100重量部に対して10,5,60重量部添加している。フィラーを含まない比較例1に比較して成形性を損なわず、耐摩耗性が向上していることが分かる。実施例3のように添加するフィラーは2種類のフィラーの組み合わせでも耐摩耗性の向上が確認できた。
【0032】
比較例2,3のように樹脂100重量部に対してフィラーを100重量部以上添加した場合、成形性を悪化させる。また、耐摩耗性についてはフィラーを含まない比較例1に比較して耐摩耗性が低下することが分かる。
【0033】
比較例1の樹脂組成物からなるスラスト軸受けと、実施例2の樹脂組成物からなるスラスト軸受けを作成し、すべり軸受け構造のモーターを作成した。これらのモーターを実際に回転させて性能評価を行った。回転時間が5000時間経過した時点でモーターを停止した。
それぞれスラスト軸受け材を用いたモーターの回転時のモータートルクは、実施例2の樹脂組成物からなるスラスト軸受けを使用したモーターではトルク値の増減は確認できず、スタート時からほぼ一定であった。比較例1の樹脂組成物からなるスラスト軸受けを使用したモーターではトルク値が経時的に増加し、5000時間経過後にはスタート時の約1.5倍となった。トルク値の増加はモーター性能としては、消費電力の増加や異音の発生を引き起こす欠点である。おそらくスラスト軸受け材の耐摩耗性不足が原因と考えられる。この結果は表1にも示した耐摩耗性の結果を支持するものであった。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、スラスト軸受けに摺動性の優れるポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物を用いることにより、スラスト軸受け材の成形性を損なわずに耐摩耗性が向上しモーターの高速回転性能及び長寿命化を達成した。
【図面の簡単な説明】
【図1】モーターの回転軸部分の断面の模式図
【符号の説明】
1 回転軸
1a回転軸先端部
2 ビス状の溝きり
3 潤滑剤
4 ラジアル軸受け
5 スラスト軸受け板
6 スラスト軸受け
7 潤滑剤
Claims (5)
- モーターのスラスト軸受けにおいて、少なくとも回転軸に接する部分が、ポリエーテル芳香族ケトン樹脂100重量部に対してセラミック系材料を1〜100重量部を含有してなるポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物で形成されていることを特徴とするモーター用スラスト軸受け。
- ポリエーテル芳香族ケトン樹脂組成物はシート状に溶融押し出した後、打ち抜きした平板、又は打ち抜き時に成形した曲面状板であり、厚みが25〜1000μmであり、打ち抜き径は直径0.5〜20mmである請求項1記載のモーター用スラスト軸受け。
- モーターが高速マイクロモーター、冷却ファンモーター、振動モーター、またはハードディスク駆動用モーターである請求項1または2記載のモーター用スラスト軸受け。
- 高速マイクロモーターの回転数が10,000rpm以上である請求項3記載のモーター用スラスト軸受け。
- 請求項1又は2記載のモーター用スラスト軸受けを使用したモーターが高速マイクロモーター、冷却ファンモーター、振動モーター、またはハードディスク駆動用モーターであるモーター。
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- 2003-03-28 JP JP2003089561A patent/JP2004293725A/ja active Pending
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