JP2004293609A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

流体封入式防振装置 Download PDF

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Abstract

【課題】第一の取付部材と第二の取付部材を弾性連結する本体ゴム弾性体の外側に可撓性ゴム膜を重ね合わせて配設し、本体ゴム弾性体の内方に受圧室を外方に平衡室をそれぞれ形成した流体封入式防振装置において、バウンドストッパ機構およびリバウンドストッパ機構を、優れた耐荷重性能や緩衝性能等をもって実現すること。
【解決手段】第二の取付部材14の開口縁部に環状支持部62を一体形成し、バウンドストッパ機構を構成するバウンドストッパ金具98を該環状支持部62の上面に重ね合わせて配設すると共に、第一の取付部材12の外方を跨いで延びる門形のリバウンドストッパ金具96の両基端部106,106を該バウンドストッパ金具98の上に重ね合わせて配設し、それらバウンドストッパ金具98とリバウンドストッパ金具96の重ね合わせ部位をそれぞれ密接状態で固定ボルト64により締付固定した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいて防振効果が発揮されることにより、例えば自動車用のエンジンマウント等として有利に採用され得る流体封入式防振装置に係り、特に過大な振動荷重の入力時に防振連結する両部材間の相対変位量を緩衝的に制限するストッパ機構を備えた、新規な構造の流体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、自動車用のエンジンマウントやボデーマウント,キャブマウント等のように、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体としての防振装置の一種として、特許文献1に開示されているように、防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、本体ゴム弾性体を挟んだ一方の側に形成された受圧室と他方の側に形成された平衡室をオリフィス通路で連通すると共に、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入して、振動入力時にオリフィス通路を通じて受圧室と平衡室の間を流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置が、知られている。このような構造の流体封入式防振装置は、本体ゴム弾性体を挟んだ両側に受圧室と平衡室を形成することで防振装置全体の高さ方向寸法を抑えることが出来ることから、例えば自動車用エンジンマウント等のように配設スペースが制限される場合にも有利に用いられ得る。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−59540号公報
【0004】
ところで、このような流体封入式防振装置が適用される自動車用のエンジンマウント等においては、例えば自動車の停車中のクランキング時や走行中の段差乗り越え時などに過大な振動荷重が入力された際にパワーユニットのボデーに対する相対変位量を制限するために、一般に、本体ゴム弾性体の弾性変形を制限して第一の取付部材と第二の取付部材の相対変位量を緩衝的に制限するストッパ機構が採用される。かかるストッパ機構は、例えば、第一の取付部材と第二の取付部材の対向面上に本体ゴム弾性体と一体成形した緩衝用のストッパゴムを突出形成することによって有利に実現され得ることとなる。
【0005】
しかしながら、本体ゴム弾性体を挟んで受圧室と反対側に平衡室を形成した上述の如き構造の流体封入式防振装置においては、本体ゴム弾性体と一体的にストッパゴムを形成することが難しく、ストッパ機構の実現に問題があったのである。
【0006】
すなわち、上述の特許文献1にも示されているように、本体ゴム弾性体は外側から可撓性ゴム膜で覆われており、これら本体ゴム弾性体と可撓性ゴム膜を一体成形することは、金型構造上等の理由により困難であることから、本体ゴム弾性体を外側に延び出させて一体的にストッパゴムを形成することが構造的に難しいのである。なお、外側に配設される可撓性ゴム膜によりストッパゴムを一体形成することも考えられるが、本来的に荷重が入力されない可撓性ゴム膜に要求される特性は、ストッパゴムに要求される特性と大きくことなるために、可撓性ゴム膜でストッパゴムを一体形成すると、材質的にストッパゴムの要求特性を満足させることが難しいのである。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、第一の取付部材と第二の取付部材の相対変位量を制限するストッパ機構が、耐荷重強度等の要求される特性を充分に満足せしめつつ、溶接等の特別な処理工程を必要とすることなく簡単な構造で有利に実現され得る、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0009】
(本発明の態様1)
本発明の態様1の特徴とするところは、非圧縮性流体が封入されて振動が入力される受圧室の壁部の一部を構成する本体ゴム弾性体の中央部分に本体ゴム中央金具を接着すると共に外周部分に本体ゴムアウタ金具を接着する一方、該本体ゴム弾性体の外側を覆うように配設される可撓性ゴム膜の中央部分にゴム膜中央金具を接着すると共に外周部分にゴム膜アウタ金具を接着して、該本体ゴム中央金具と該ゴム膜中央金具を相互に固着せしめて防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材を構成すると共に、該本体ゴムアウタ金具と該ゴム膜アウタ金具を相互に固着せしめて防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材を構成し、該本体ゴム弾性体を挟んで前記受圧室と反対側に該可撓性ゴム膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を形成すると共に、該受圧室と該平衡室を連通するオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置において、前記ゴム膜アウタ金具を外周側に延び出させて環状支持部を形成する一方、前記第一の取付部材の外方を跨いで延びる門形のリバウンドストッパ金具を設けて該リバウンドストッパ金具の両基端部を該環状支持部に重ねて締結ボルトで固定すると共に、該リバウンドストッパ金具の該第一の取付部材に対する対向面にリバウンドストッパゴムを固着することにより、該第一の取付部材の該リバウンドストッパゴムへの直接的な当接により前記本体ゴム弾性体のリバウンド方向の弾性変形量を緩衝的に制限するリバウンドストッパ機構を構成し、更に該環状支持部にバウンドストッパ金具を重ね合わせ、前記リバウンドストッパ金具の少なくとも一方の基端部と該環状支持部の間に該バウンドストッパ金具を挟んで前記締結ボルトで締付固定すると共に、該バウンドストッパ金具の表面にバウンドストッパゴムを固着することにより、前記第一の取付部材の該バウンドストッパゴムへの直接的乃至は間接的な当接により前記本体ゴム弾性体のバウンド方向の弾性変形量を緩衝的に制限するバウンドストッパ機構を構成したことにある。
【0010】
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、第一及び第二の取付部材とそれぞれ別体のリバウンドストッパ金具とバウンドストッパ金具が採用され、それらリバウンドストッパ金具とバウンドストッパ金具に対して、本体ゴム弾性体および可撓性ゴム膜の何れともそれぞれ別体のリバウンドストッパゴムとバウンドストッパゴムが固着して形成されることとなる。そこにおいて、特にバウンドストッパ金具は、ゴム膜アウタ金具に設けた環状支持部に重ね合わせられて配設されているだけでなく、リバウンドストッパ金具と環状支持部の間で挟み込まれることにより充分に大きな面積で両金具間で挟圧せしめられた状態でボルト締付けして環状支持部に固着されていることにより、かかるバウンドストッパ金具に対して有効な補強効果が及ぼされ得て、高強度なストッパ機構が容易に実現可能となるのである。
【0011】
要するに、ゴム膜アウタ金具において、リバウンドストッパ金具やバウンドストッパ金具の固定部位には、ストッパ機構の作用時に大きな荷重が及ぼされることとなるが、本実施形態では、ゴム膜アウタ金具におけるリバウンドストッパ金具とバウンドストッパ金具の各固定部位を共用構造としたことにより、かかる固定部位における強度が、ゴム膜アウタ金具に重ね合わされたリバウンドストッパ金具とバウンドストッパ金具によって大幅に向上され得るのである。それ故、金具の厚肉化等の特別な補強構造を特に必要とすることなく、リバウンドストッパ機構とバウンドストッパ機構が、充分な強度をもって、簡単な構造で実現可能と為し得たのである。
【0012】
しかも、本体ゴム弾性体や可撓性ゴム膜から別体形成されたリバウンドストッパゴムやバウンドストッパゴムは、本体ゴム弾性体や可撓性ゴム膜に要求される特性に拘束されることなく材質設計可能であることから、一層優れたストッパ機能が容易に実現可能となるのである。
【0013】
また、リバウンドストッパ金具とバウンドストッパ金具が、共通の締付ボルトで組み付けられることから、構造の簡略化や部品点数の減少および組立の容易化などの効果が何れも有効に達成され得る。
【0014】
(本発明の態様2)
本発明の態様2は、前記態様1に係る流体封入式防振装置において、前記締結ボルトによる固定力が及ぼされていない状態下で前記バウンドストッパ金具を前記環状支持部に対して仮固定する仮固定手段を設けたことを、特徴とする。本態様においては、ゴム膜アウタ金具にバウンドストッパ金具を組み付けた後、リバウンドストッパ金具を締結ボルトで締付固定する前や、締付ボルトを完全に締付固定するまでの状態下で、バウンドストッパ金具がゴム膜アウタ金具から外れ落ちることを防止することが出来る。また、仮固定手段を適当に設定すれば、ゴム膜アウタ金具に対するバウンドストッパ金具の位置ずれも防止することも可能となる。
【0015】
(本発明の態様3)
本発明の態様3は、前記態様1又は態様2に係る流体封入式防振装置において、前記バウンドストッパ金具を、前記環状支持部の周方向で半周以上の長さで形成して、前記リバウンドストッパ金具の両基端部を固定する締結ボルトによってそれぞれ該バウンドストッパ金具を該環状支持部に固定したことを、特徴とする。本態様においては、バウンドストッパ金具のゴム膜アウタ金具に対する固定力が増大されることは勿論、それに加えて、ゴム膜アウタ金具の環状支持部におけるリバウンドストッパ金具の両側のボルト固定部位に対する補強効果が一層有利に発揮されて、バウンドストッパ機構だけでなくリバウンドストッパ機構の耐強度性能の更なる向上が図られ得る。
【0016】
(本発明の態様4)
本発明の態様4は、前記態様1乃至3の何れかの態様に係る流体封入式防振装置において、前記ゴム膜アウタ金具を略円筒形状として前記本体ゴムアウタ金具に外嵌することにより、該本体ゴムアウタ金具と該ゴム膜アウタ金具の間を周方向に延びるようにして前記オリフィス通路を形成する一方、該ゴム膜アウタ金具の軸方向一方の開口部に前記環状支持部を一体形成すると共に、軸方向他方の開口部に蓋部材を重ね合わせて、該蓋部材の外周縁部を該本体ゴムアウタ金具の外周縁部と共に該ゴム膜アウタ金具の開口部に対してかしめ固定することにより該本体ゴムアウタ金具の開口部を流体密に覆蓋せしめたことを、特徴とする。
【0017】
本態様においては、本体ゴムアウタ金具とゴム膜アウタ金具を巧く利用して良好なスペース効率をもってオリフィス通路を充分な通路長さで形成することが可能となる。また、ゴム膜アウタ金具における本体ゴム弾性体と反対側の軸方向開口部も、蓋部材のかしめ固定によって優れた流体密性を確保することが出来るのであり、特に非圧縮性流体中で蓋部材をゴム膜アウタ金具に組み付けることにより、流体室(受圧室や平衡室)の形成と同時に非圧縮性流体を封入することも容易となる。
【0018】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0019】
先ず、図1〜3には、本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている(図2は、理解し易いように、後述するリバウンドストッパ金具を取り外した状態で示す)。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結された構造とされており、第一の取付金具12が図示しない自動車のパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付金具14が図示しない自動車のボデーに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持するようになっている。また、そのような装着状態下、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間には、パワーユニットの分担荷重と、防振すべき主たる振動が、何れも、エンジンマウント10における中心軸(図1,3中、上下方向)に入力されるようになっている。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向を言うものとする。
【0020】
より詳細には、第一の取付金具12は、本体ゴム中央金具としての本体ゴムインナ金具18とゴム膜中央金具としてのダイヤフラムインナ金具20によって構成されていると共に、第二の取付金具14は、本体ゴムアウタ金具としての本体ゴムアウタ筒金具22とゴム膜アウタ金具としてのダイヤフラムアウタ筒金具24および蓋板金具26によって構成されている。そして、本体ゴム弾性体16に対して本体ゴムインナ金具18と本体ゴムアウタ筒金具22が加硫接着されて第一の一体加硫成形品28とされている一方、ダイヤフラムインナ金具20とダイヤフラムアウタ筒金具24が、可撓性ゴム膜としてのダイヤフラム30に対して加硫接着されて第二の一体加硫成形品32とされており、これら第一及び第二の一体加硫成形品28,32が相互に組み合わされている。
【0021】
ここにおいて、先ず第一の一体加硫成形品28を構成する本体ゴムインナ金具18は、逆向きの略円錐台形状を有している。また、本体ゴムインナ金具18には、上面に開口するねじ穴38が形成されている。
【0022】
また、本体ゴムアウタ筒金具22は、略大径円筒形状を有する筒壁部40を備えており、この筒壁部40の軸方向下端部には径方向外方に向かって広がるフランジ状部42が一体形成されている。更にまた、筒壁部40の軸方向上端部分は、軸方向上方に行くに従って次第に拡開するテーパ筒状部44とされている。これによって、本体ゴムアウタ筒金具22には、外周面に開口して周方向に一周弱の長さで延びる周溝45が形成されている。そして、本体ゴムアウタ筒金具22の上方に離隔して、本体ゴムインナ金具18が略同一中心軸上で離隔配置されており、本体ゴムインナ金具18における逆テーパ形状の外周面と本体ゴムアウタ筒金具22におけるテーパ筒状部44の内周面が相互に離隔して対向位置せしめられており、これら本体ゴムインナ金具18の外周面と本体ゴムアウタ筒金具22におけるテーパ筒状部44の内周面との対向面間が、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。
【0023】
かかる本体ゴム弾性体16は、全体として大径の円錐台形状を有しており、その中央部分には、本体ゴムインナ金具18が同軸的に配されて加硫接着されていると共に、その大径側端部外周面に対して本体ゴムアウタ筒金具22のテーパ筒状部44が重ね合わせられて加硫接着されている。これによって、本体ゴム弾性体16が、上述の如き本体ゴムインナ金具18および本体ゴムアウタ筒金具22を備えた第一の一体加硫成形品28として形成されている。
【0024】
また一方、第二の一体加硫成形品32を構成するダイヤフラムインナ金具20は、軸直角方向に広がる厚肉の円板形状を有しており、略中央部分を貫通して挿通孔52が形成されている。また、ダイヤフラムインナ金具20の外周部分には、取付板部58が上方に向かって突設されていると共に、取付板部58の中央部分には取付ボルトの挿通用孔59が貫設されている。更に、ダイヤフラムインナ金具20の上面には、ボルトヘッド収容穴60が形成されている。
【0025】
また、ダイヤフラムアウタ筒金具24は、薄肉大径の円筒形状を有しており、その軸方向上側の開口部には、径方向外方に向かってフランジ状に広がる環状支持部62が一体形成されている。なお、環状支持部62には、径方向に対向位置する両側部分に一対の貫通孔63,63が貫設されており、それらの貫通孔63,63に対して、それぞれ固定ボルト64が圧入されて上方に向かって植設されている。更にまた、ダイヤフラムアウタ筒金具24の軸方向下側の開口部には、径方向外方に向かって広がる円環板形状の段差部66が一体形成されており、更に、段差部66の外周縁部には、軸方向下方に向かって突出する円筒状のかしめ筒部68が一体形成されている。
【0026】
そして、ダイヤフラムアウタ筒金具24の軸方向上方に離隔して、ダイヤフラムインナ金具20が、略同一中心軸上に配設されており、それらダイヤフラムインナ金具20とダイヤフラムアウタ筒金具24が、ダイヤフラム30によって弾性的に連結されている。
【0027】
ダイヤフラム30は、薄肉のゴム膜によって形成されており、容易に弾性変形が許容されるように大きな弛みを持った湾曲断面形状をもって周方向に延びる略円環形状乃至は円筒形状を有している。そして、ダイヤフラム30の内周縁部が、ダイヤフラムインナ金具20の外周縁部に対して加硫接着されていると共に、ダイヤフラム30の外周縁部が、ダイヤフラムアウタ筒金具24の軸方向上側の開口部に加硫接着されている。これにより、ダイヤフラム30は、ダイヤフラムインナ金具20およびダイヤフラムアウタ筒金具24を備えた第二の一体加硫成形品32として形成されている。
【0028】
而して、かかる第二の一体加硫成形品32が、前述の第一の一体加硫成形品28に対して上方から重ね合わされて組み付けられており、ダイヤフラムインナ金具20が本体ゴムインナ金具18に固着されていると共に、ダイヤフラムアウタ筒金具24が本体ゴムアウタ筒金具22に固着されており、更にダイヤフラム30が、本体ゴム弾性体16の径方向外方に離隔して、本体ゴム弾性体16の外周面を全体に亘って覆うようにして配設されている。
【0029】
すなわち、ダイヤフラムインナ金具20が本体ゴムインナ金具18の上面に直接に重ね合わされて、連結ボルト70がダイヤフラムインナ金具20の挿通孔52を通じて本体ゴムインナ金具18のねじ穴38に螺着されて、両金具20,18が相互に固着されることにより、第一の取付金具12が構成されている。また、かかる第一の取付金具12には、図1に示されているように、ダイヤフラムインナ金具20の上面に重ね合わされて、取付板部58から軸直角方向一方の側に向かって側方に延びる第一ブラケット74が組み付けられ、取付板部58の挿通用孔59に挿通された固定ボルト75で固着されるようになっている。そして、第一の取付金具12は、かかる第一ブラケット74を介して、図示しない自動車のパワーユニットに対して固定的に取り付けられるようになっている。
【0030】
また、ダイヤフラムアウタ筒金具24は本体ゴムアウタ筒金具22に対して軸方向上方から外挿されており、本体ゴムアウタ筒金具22が、その下端部において、段差部66の外周縁部をダイヤフラムアウタ筒金具24の段差部66に対して軸方向に重ね合わされていると共に、その上端部において、テーパ筒状部44の開口端縁部をダイヤフラムアウタ筒金具24の内周面に対して径方向で重ね合わされている。そして、本体ゴムアウタ筒金具22のフランジ状部42の外周縁部に対して、ダイヤフラムアウタ筒金具24のかしめ筒部68がかしめ固定されることにより、本体ゴムアウタ筒金具22とダイヤフラムアウタ筒金具24が相互に固定されて組み付けられている。なお、これら本体ゴムアウタ筒金具22の上下両端部におけるダイヤフラムアウタ筒金具24との重ね合わせ部位には、それぞれ、本体ゴム弾性体16またはダイヤフラム30と一体成形されたシールゴムが介在されており、流体密にシールされている。
【0031】
これにより、本体ゴムアウタ筒金具22に形成された周溝45がダイヤフラムアウタ筒金具24で流体密に覆蓋されており、以て、本体ゴムアウタ筒金具22の筒壁部40とダイヤフラムアウタ筒金具24の径方向対向面間を周方向に所定長さで連続して延びる環状通路が形成されている。更に、本体ゴムアウタ筒金具22の下側には、大径の円板形状を有する蓋板金具26が重ね合わせられており、蓋板金具26の外周縁部が、本体ゴムアウタ筒金具22のフランジ状部42の外周縁部に対して軸方向で直接に重ね合わされて、該フランジ状部42と共に、ダイヤフラムアウタ筒金具24のかしめ筒部68でかしめ固定されている。これにより、本体ゴムアウタ筒金具22の下側開口が、蓋板金具26によって流体密に覆蓋されている。
【0032】
なお、蓋板金具26の外周縁部には、軸方向下方に向かって立ち上がる環状圧入部69が一体形成されており、かしめ固定に先立って、かかる環状圧入部69が蓋板金具26のかしめ筒部68に圧入されることにより、ダイヤフラムアウタ筒金具24の下側開口部が蓋板金具26で流体密に覆蓋されるようになっている。また、本体ゴムアウタ筒金具22と蓋板金具26の重ね合わせ部位は、本体ゴム弾性体16と一体成形されたシールゴムが当接されて流体密に封止されている。
【0033】
また、このようにして相互に組み付けられたダイヤフラムアウタ筒金具24と本体ゴムアウタ筒金具22が互いにかしめ固定されることによって第二の取付金具14が構成されており、かかる第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16を介して、第一の取付金具12に対して弾性連結されている。更にまた、第二の取付金具14の下端開口部には、第二ブラケット76が組み付けられている。この第二ブラケット76は、全体として大径の略円筒形状を有しており、軸方向上端の開口部には、径方向外方に広がる鍔状部78が一定形成されていると共に、軸方向下端の開口部には、径方向外方に広がる取付板部80が一体形成されている。そして、第二ブラケット76は、第二の取付金具14に対して軸方向下方から同軸的に組み合わされており、第二の取付金具14を構成するダイヤフラムアウタ筒金具24の段差部66に対して、そこに重ね合わされた本体ゴムアウタ筒金具22のフランジ状部42と蓋板金具26の上に直接に重ね合わされ、それらフランジ状部42と蓋板金具26と共に、段差部66とかしめ筒部68の間でかしめ挟持されることにより、第二の取付金具14に対して固定的に組み付けられている。これにより、第二ブラケット76は、第二の取付金具14から軸方向下方に向かって突出せしめられており、図面上に明示はされていないが、下端開口部に突設された取付板部80に設けられた複数の取付用孔82に挿通される複数本の固定ボルトによって、自動車のボデーに対して固定的に取り付けられるようになっている。
【0034】
さらに、上述の如く第二の取付金具14の下端開口部が蓋板金具26で流体密に覆蓋されることにより、本体ゴム弾性体16と蓋板金具26の対向面間には、非圧縮性流体が封入された受圧室86が形成されている。この受圧室86は、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されており、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて振動が入力されて圧力変動が惹起されるようになっている。
【0035】
また、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム30が、それぞれの内周縁部と外周縁部において第一の取付金具12と第二の取付金具14に固着されることにより、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム30の対向面間には、非圧縮性流体が封入された平衡室88が形成されている。即ち、この平衡室88は、壁部の一部が変形容易なダイヤフラム30で構成されており、該ダイヤフラム30の弾性変形に基づいて容易に容積変化が許容されるようになっているのである。なお、受圧室86や平衡室88に封入される非圧縮性流体としては、後述するオリフィス通路90を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果を自動車用のエンジンマウント10に要求される振動周波数域で効率的に得るために、一般に、0.1Pa・s以下の低粘性流体が好適に採用される。
【0036】
さらに、このように本体ゴム弾性体16を挟んで下側に形成された受圧室86と上側に形成された平衡室88には、第二の取付金具14内に形成された環状通路が、その周方向両端部に形成された連通孔92,94を通じて接続されており、それによって、受圧室86と平衡室88を相互に連通せしめて両室86,88間での流体流動を許容するオリフィス通路90が所定長さで形成されている。そして、公知の如く、振動入力時に受圧室86と平衡室88の間に生ぜしめられる相対的な圧力変動に基づいてオリフィス通路90を通じての流体流動が生ぜしめられることとなり、以て、かかる流体の共振作用等の流動作用に基づいて入力振動に対して有効な防振効果が発揮されるようになっているのである。なお、オリフィス通路90を流動せしめられる流体の流動作用に基づいて発揮される防振効果は、オリフィス通路90の通路断面積と通路長さの比をチューニングすること等によって、周波数特性を調節することが可能である。
【0037】
また一方、第二の取付金具14を構成するダイヤフラムアウタ筒金具24には、上側開口部側にリバウンドストッパ金具96とバウンドストッパ金具98が組み付けられている。
【0038】
リバウンドストッパ金具96は、所定幅の金属板を屈曲成形して得られた全体として略門形状を有しており、一対の脚部100,100と略水平に延びる天板部102を備えている。なお、リバウンドストッパ金具96の幅方向両端縁部には、両脚部100,100と天板部102の全長に跨がって延びる一対の補強リブ104,104が一体形成されている。また、両脚部100,100の下端部分は、水平方向に屈曲されて平坦な取付板部106,106とされていると共に、それら各取付板部106には、取付用孔108が形成されている。
【0039】
そして、かかるリバウンドストッパ金具96は、第二の取付金具14の上方から開口部に重ね合わされて、第二の取付金具14の上側開口部から突出せしめられた本体ゴム弾性体16やダイヤフラム30および第一の取付金具12等を径方向一方向に跨いだ状態で配設されている。また、リバウンドストッパ金具96の両端の取付板部106,106が、ダイヤフラムアウタ筒金具24の環状支持部62に重ね合わされて、取付板部106,106の取付用孔108,108が環状支持部62に形成された貫通孔63,63に位置合わせされて、それら貫通孔63,63に植設された固定ボルト64,64が取付用孔106,106に挿通されて締付ナット110,110で環状支持部62に対して締付固定されている。
【0040】
また、リバウンドストッパ金具96は、本体ゴム弾性体16やダイヤフラム30および第一の取付金具12から外方に所定距離だけ離隔した状態で組み付けられており、本体ゴム弾性体16やダイヤフラム30の所定量の弾性変形に際して干渉しないようにされている。更に、リバウンドストッパ金具96の天板部102は、第一の取付金具12に対して軸方向上方に離隔して対向位置せしめられていると共に、天板部102の第一の取付金具12に対する対向面である下面には、リバウンドストッパゴム112が被着されて突設されている。
【0041】
これにより、第一の取付金具12が第二の取付金具14に対して主たる振動入力方向で離隔する方向となるリバウンド方向のストッパ機構が構成されており、マウント装着状態下で第一の取付金具12と第二の取付金具14の間にリバウンド方向の過大な荷重が及ぼされると、第一の取付金具12にボルト固定された第一ブラケット74が、リバウンドストッパゴム112を介してストッパ金具96に当接せしめられることにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14の相対的な離隔方向の変位量が緩衝的に制限されるようになっている。
【0042】
一方、バウンドストッパ金具98は、平面視において所定幅で略円弧状に延びるプレート形状を有しており、外周縁部の両端部分には、補強リブ114,114が上方に向かって突出するように一体形成されている。特に、バウンドストッパ金具98の周方向両端部分は、幅広の取付板部118,118とされており、これらの取付板部118,118には、挿通孔120,120が貫設されている。また、バウンドストッパ金具98の周方向中央部分には、外周縁部において上方に突出する補強リブ122が一体形成されていると共に、この補強リブ122の外周面上にまで広がる状態で、上方に向かって突出するバウンドストッパゴム124が、バウンドストッパ金具98の上面に被着されて突出形成されている。
【0043】
また、バウンドストッパ金具98は、第二の取付金具14を構成するダイヤフラムアウタ筒金具24における環状支持部62の上面に対して周方向に半周を超える範囲で重ね合わされており、かかる環状支持部62において、バウンドストッパ金具98における取付板部118,188が重ね合わされた上に、更に、リバウンドストッパ金具96における取付板部106,106が直接に重ね合わされている。そして、これら取付板部118,118の挿通孔120,120と取付板部106,106の取付用孔108,108に対して、環状支持部62に植設された固定ボルト64,64が挿通されており、両固定ボルト64,64に螺合された締付ナット110,110で締め付けられることにより、リバウンドストッパ金具96の取付板部106,106とバウンドストッパ金具98の取付板部118,118が、略全面に亘って環状支持部62に対して密接状態で重ね合わされて相互に固着されている。
【0044】
これにより、第一の取付金具12が第二の取付金具14に対して主たる振動入力方向で接近する方向となるバウンド方向のストッパ機構が構成されており、マウント装着状態下で第一の取付金具12と第二の取付金具14の間にバウンド方向の過大な荷重が及ぼされると、第一の取付金具12にボルト固定された第一ブラケット74が、バウンドストッパゴム124を介してバウンドストッパ金具98に当接せしめられることにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14の相対的な接近方向の変位量が緩衝的に制限されるようになっている。
【0045】
なお、本実施形態では、バウンドストッパ金具98の周方向中間部分に位置して、バウンドストッパ金具98とダイヤフラムアウタ筒金具24の環状支持部62の各対応部位に貫通孔が形成されており、かかる貫通孔に対してリベット125が装着されている。このリベット125は、バウンドストッパ金具98を環状支持部62に対して離脱を阻止する程度の強度をもって仮固定し得るものであり、バウンドストッパ金具98を環状支持部62に組み付けた後、このリベット125を装着することにより、リバウンドストッパ金具96を装着してボルト固定するまでの工程や、リバウンドストッパ金具96を交換等する場合において、バウンドストッパ金具98の脱落が防止されるようになっている。
【0046】
このような構造とされたエンジンマウント10は、前述の如く、第一の取付金具12が第一ブラケット74を介してパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付金具14が第二ブラケット76を介して自動車ボデーに取り付けられることにより、パワーユニットとボデーの間に装着されることとなる。そして、かかる装着状態下、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に振動が入力されると、本体ゴム弾性体16の弾性変形に伴って受圧室86と平衡室88の間に惹起される圧力差に基づいてオリフィス通路90を通じての流体流動が生ぜしめられて、かかる流体の共振作用等の流動作用に基づいて受動的な防振効果が発揮される。
【0047】
なお、エンジンマウント10を製造するに際しては、例えば、非圧縮性流体中で、第一の一体加硫成形品28と第二の一体加硫成形品32の組付体に対して、蓋板金具26を軸方向に組み合わせて、該蓋板金具26の環状圧入部69をダイヤフラムインナ金具20のかしめ筒部68に圧入固定することにより、受圧室86や平衡室88を形成すると同時に非圧縮性流体を封入せしめた後、かかる組付体を非圧縮性流体から取り出し、その後、大気中でかしめ筒部68にかしめ加工することによって、有利に行われる。そこにおいて、リバウンドストッパゴム112を有するリバウンドストッパ金具96やバウンドストッパゴム124を有するバウンドストッパ金具98は、好適には、かしめ加工の後に組み付けられる。
【0048】
ここにおいて、上述の如き構造とされたエンジンマウント10では、リバウンドストッパ機構およびバウンドストッパ機構を構成するために、何れも第二の取付金具14と別体形成されたリバウンドストッパ金具96とバウンドストッパ金具98を採用して、それら3つの金具を密着状態で充分な面積をもって重ね合わせて締付固定したことにより、第二の取付金具14を含むストッパ機構の耐荷重強度が極めて効果的に確保され得ることとなる。
【0049】
しかも、リバウンドストッパ機構を構成するリバウンドストッパゴムと、バウンドストッパ機構を構成するバウンドストッパゴムが、何れも、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム30の何れからも別体で加硫成形されることから、それら本体ゴム弾性体16やダイヤフラム30による拘束を受けることなく、ゴム材料等の選択自由度が有利に確保され得るのである。
【0050】
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0051】
例えば、受圧室86と平衡室88を接続するオリフィス通路90の形状や構造は、要求される防振特性等に応じて変更されるものであり、例えば、別体のオリフィス部材を組み付けること等によって周方向に一周以上の長さで延びるオリフィス通路を形成することも可能となる。
【0052】
また、前記実施形態におけるエンジンマウント10においては、要求される防振特性に応じて、各種の公知の機構を適宜に付加することが可能であり、例えば、図4に示されているように、第二の取付金具14を構成するダイヤフラムアウタ筒金具24の下側開口部分において、蓋板金具26の代わりに、略円板形状の加振板132を配設すると共に、該加振板132の外周縁部を、円環板状の支持ゴム弾性体134を介して、ダイヤフラムアウタ筒金具24にかしめ固定された環状支持金具136に対して弾性的に連結支持せしめる一方、ダイヤフラムアウタ筒金具24の軸方向下方に、公知の空気圧式や電磁式等のアクチュエータ138を配設して、該アクチュエータ138で加振板132をマウント中心軸方向(図中の上下方向)に加振駆動せしめることにより、能動型の防振機構を付与することも可能である。なお、本体ゴム弾性体16と加振板132の対向面間には、仕切板金具142が配設されて、その外周縁部が、本体ゴムアウタ筒金具22と環状支持金具136の間でかしめ力を及ぼされて挟持されていることにより、受圧室86が、作用室144と加振室146に仕切られている。また、これら作用室144と加振室146は、仕切板金具142に貫設された連通路148を通じて連通されており、加振板132の加振駆動で加振室146に生ぜしめられた圧力変動が連通路148を通じて作用室144に伝達されるようになっている。更に、アクチュエータ138は、その有底円筒形状のハウジングの開口周縁部に一体形成されたフランジ状部150が、かしめ筒部68でかしめ挟持されることにより、第二の取付金具14に対して装着されている。
【0053】
このような本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウント140にあっては、その能動形の防振機構において、入力振動に対応した周波数と位相で加振板132を加振制御することにより、受圧室86の圧力を積極的に制御して防振性能を調節することが出来ることから、より広い周波数域の振動に対して一層効果的な防振性能を得ることが可能となるのである。なお、図4では、その理解を容易とするために、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位に対して、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付しておく。
【0054】
また、ダイヤフラムアウタ筒金具24の環状支持部62に対して、上面の全周に亘って重ね合わされる円環板形状をもってバウンドストッパ金具を構成し、バウンドストッパゴムを複数箇所に設けるようにしても良い。
【0055】
更にまた、バウンドストッパ金具98を環状支持部62に仮固定する手段は、リベット125以外であっても、例えば凹凸係止構造等であっても良い。尤も、かかる仮固定手段は、本発明において必須ではない。
【0056】
加えて、前記実施形態では、何れも、本発明を自動車用エンジンマウントに適用した場合について説明したが、本発明は、自動車用のボデーマウントやメンバマウント等、或いは自動車以外の各種装置における防振装置に対しても、同様に適用可能である。
【0057】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、平衡室を画成する可撓性ゴム膜が外部を覆うように配設された特定構造の流体封入式防振装置において、過大な衝撃荷重等が及ぼされた際の第一の取付金具と第二の取付金具の相対的な変位量を、リバウンド方向とバウンド方向の両方向でそれぞれ緩衝的に制限せしめ得るリバウンドストッパ機構とバウンドストッパ機構の両方が、充分な耐強度特性と衝撃緩和性能や耐久性をもって、有利に実現可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントの側面図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントにおいてリバウンドストッパ金具を外した状態の平面図である。
【図3】図1に示されたエンジンマウントの縦断面図であって、図2のIII −III 断面に相当する図である。
【図4】本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントを示す、図3に対応する縦断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
18 本体ゴムインナ金具
20 ダイヤフラムインナ金具
22 本体ゴムアウタ筒金具
24 ダイヤフラムアウタ筒金具
26 蓋板金具
28 第一の一体加硫成形品
30 ダイヤフラム
32 第二の一体加硫成形品
62 環状支持部
64 固定ボルト
86 受圧室
88 平衡室
90 オリフィス通路
96 リバウンドストッパ金具
98 バウンドストッパ金具
106 取付板部
110 締付ナット
112 リバウンドストッパゴム
118 取付板部
124 バウンドストッパゴム

Claims (4)

  1. 非圧縮性流体が封入されて振動が入力される受圧室の壁部の一部を構成する本体ゴム弾性体の中央部分に本体ゴム中央金具を接着すると共に外周部分に本体ゴムアウタ金具を接着する一方、該本体ゴム弾性体の外側を覆うように配設される可撓性ゴム膜の中央部分にゴム膜中央金具を接着すると共に外周部分にゴム膜アウタ金具を接着して、該本体ゴム中央金具と該ゴム膜中央金具を相互に固着せしめて防振連結される一方の部材に取り付けられる第一の取付部材を構成すると共に、該本体ゴムアウタ金具と該ゴム膜アウタ金具を相互に固着せしめて防振連結される他方の部材に取り付けられる第二の取付部材を構成し、該本体ゴム弾性体を挟んで前記受圧室と反対側に該可撓性ゴム膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を形成すると共に、該受圧室と該平衡室を連通するオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置において、
    前記ゴム膜アウタ金具を外周側に延び出させて環状支持部を形成する一方、前記第一の取付部材の外方を跨いで延びる門形のリバウンドストッパ金具を設けて該リバウンドストッパ金具の両基端部を該環状支持部に重ねて締結ボルトで固定すると共に、該リバウンドストッパ金具の該第一の取付部材に対する対向面にリバウンドストッパゴムを固着することにより、該第一の取付部材の該リバウンドストッパゴムへの直接的な当接により前記本体ゴム弾性体のリバウンド方向の弾性変形量を緩衝的に制限するリバウンドストッパ機構を構成し、更に該環状支持部にバウンドストッパ金具を重ね合わせ、前記リバウンドストッパ金具の少なくとも一方の基端部と該環状支持部の間に該バウンドストッパ金具を挟んで前記締結ボルトで締付固定すると共に、該バウンドストッパ金具の表面にバウンドストッパゴムを固着することにより、前記第一の取付部材の該バウンドストッパゴムへの直接的乃至は間接的な当接により前記本体ゴム弾性体のバウンド方向の弾性変形量を緩衝的に制限するバウンドストッパ機構を構成したことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記締結ボルトによる固定力が及ぼされていない状態下で前記バウンドストッパ金具を前記環状支持部に対して仮固定する仮固定手段を設けた請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記バウンドストッパ金具を、前記環状支持部の周方向で半周以上の長さで形成して、前記リバウンドストッパ金具の両基端部を固定する締結ボルトによってそれぞれ該バウンドストッパ金具を該環状支持部に固定した請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記ゴム膜アウタ金具を略円筒形状として前記本体ゴムアウタ金具に外嵌することにより、該本体ゴムアウタ金具と該ゴム膜アウタ金具の間を周方向に延びるようにして前記オリフィス通路を形成する一方、該ゴム膜アウタ金具の軸方向一方の開口部に前記環状支持部を一体形成すると共に、軸方向他方の開口部に蓋部材を重ね合わせて、該蓋部材の外周縁部を該本体ゴムアウタ金具の外周縁部と共に該ゴム膜アウタ金具の開口部に対してかしめ固定することにより該本体ゴムアウタ金具の開口部を流体密に覆蓋せしめた請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式防振装置。
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