JP2004293527A - 風車装置、および風力発電装置 - Google Patents

風車装置、および風力発電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】騒音が許容値を超えないよう制御することができる風力発電装置を提供することを目的とする。
【解決手段】風の力を受けて回転するブレード1と、ブレード1の騒音を測定する騒音測定部8、9と、前記測定された騒音の値によりブレード1のピッチ角を制御する制御部11とを備える風車装置101とする。このようにすると、騒音が許容値を超えないよう制御部で制御することができ、風車装置を居住区域に接した地域に建設することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、騒音の値を制御することができる風車装置、当該風車装置と発電機とを備えた風力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
風力発電装置は、騒音問題を発生させないよう、民家(居住区域)から一定距離(例えば、500m)離れた地域のみ建設を行っている。しかしながら、石油エネルギーに替わる新エネルギーの代表として挙げられている風力発電をより一層普及させるためには、民家(居住区域)にある程度接した地域にも建設を行っていくことが要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
居住区域に接した地域に建設を行うためには、騒音が許容値を超えないよう制御することができる風車装置、風力発電装置とすることが必要となる。そこで、本発明は、当該風車装置、風力発電装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による風車装置101は、例えば図1に示すように、風の力を受けて回転するブレード1と;ブレード1の騒音を測定する騒音測定部8、9と;前記測定された騒音の値によりブレード1のピッチ角を制御する制御部11とを備える。
【0005】
このように構成すると、ブレード1と、騒音測定部8,9と、制御部11とを備えるので、騒音測定部8、9によりブレード1の騒音を測定し、測定された騒音の値により、制御部11により、ブレード1のピッチ角を制御することにより騒音の値を制御することができる。
【0006】
請求項2に係る発明による風車装置101は、例えば図1に示すように、風の力を受けて回転するブレード1と;ブレード1の騒音を測定する騒音測定部8、9と;ブレード1の回転数とピッチ角とを制御する制御部11とを備え;制御部11が、前記測定された騒音の値によりブレード1の回転数を設定し、前記設定された回転数でブレード1が回転するようブレード1のピッチ角を制御する。
【0007】
このように構成すると、ブレード1と、騒音測定部8、9と、制御部11とを備えるので、制御部11により、測定された騒音の値によりブレード1の回転数を設定し、設定された回転数でブレード1が回転するようブレード1のピッチ角を制御することにより騒音の値を制御することができる。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項3に係る発明による風力発電装置101は、例えば図1に示すように、請求項1または請求項2に記載の風車装置101と;ブレード1によって駆動され、発電を行う発電機4とを備える。
【0009】
このように構成すると、風車装置101と、発電機4を備えるので、風力によってブレード1を回転させ、ブレード1によって発電機4を駆動し、発電機4に発電をさせて電力を得ることができ、騒音の値を制御することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る風力発電装置101について、図1、図2を参照して説明する。図1は、風力発電装置101の構成を示すブロック図である。図2は、後述のハブ2とハブ2近傍の部分を拡大した部分拡大ブロック図である
【0011】
風車装置としての風力発電装置101は、風車を構成し、風の力を受けて略水平な回転軸の回りに回転する3本のブレード1と、ブレード1を支え、ブレード1と一体に回転するハブ2と、翼車(ブレード1およびハブ2)が取り付けられたナセル3と、翼車の回転軸を風の方向(風向)に向けるためのヨーシステム6と、翼車、ナセル3を支持し、鉛直方向に伸びる柱状のタワー7と、ハブ2に接続され、ブレード1の回転数を増速する変速機5と、変速機5により増速された回転数で駆動される発電機4とを備える。
【0012】
風力発電装置101は、さらに、制御部11が収納される制御装置12と、風力発電装置101内の騒音を測定する騒音測定部としての風力発電装置内騒音計8と、風力発電装置101外の騒音を測定する騒音測定部としての風力発電装置外騒音計9と、ブレード1の回転数を測定する回転計13と、ブレード1のピッチ角(迎え角)を測定する角度計14と、騒音計8、9で測定した騒音データ、回転計13で測定した回転数信号、角度計14で測定したピッチ角信号を制御部11に送る信号ケーブル10と、ハブ2内に設置された、ブレード1のピッチ角を変更するピッチ角変更機構15とを備える。制御部11は、ピッチ角変更信号を、信号ケーブル10を介してピッチ角変更機構15に送る。なお、制御部11は、制御プログラムをインストールしたパソコンやマイコンであってもよい。
【0013】
風力発電装置101は、発電機4に加え、整流回路(不図示)と、コンバータ(不図示)と、インバータ(不図示)と、負荷(不図示)とを備え、商用電源系統(不図示)に接続され、発電機4により発電が行われた場合は、電力は商用電源系統に供給される。インバータの出力周波数は商用電源系統の周波数と同じになるよう制御されている。
【0014】
変速機5と、発電機4とは、ナセル3内に設置されている。風力発電装置内騒音計8は、タワー7内であって、ナセル3とタワー7との接続面から3m以内の距離に設置されている。風力発電装置外騒音計9は、タワー7からブレード1の先端部の高さに等しい距離だけ離れた地上の位置に設置されている。
【0015】
制御部11は、各騒音計8、9で測定される騒音の騒音許容値Kn(n=1、2)、あるピッチ角ごと(p(=0)、p、・・p、pi+1、・・p、pj+1、・・)(例えば、−10°ごと)の出力曲線(ブレード1の回転数と出力との関係を示す曲線)を記憶する記憶部(不図示)を有する。
【0016】
次に、図3のフローチャート、図4(騒音偏差Dnと、騒音を変更するために変更すべきピッチ角変量ΔPnの関係を表した曲線Cnを示す)を参照し、適宜図1を参照して、本発明の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態では以下のように、制御部11による騒音の第1の制御方法が行われる。制御部11の記憶部は、曲線Cnを記憶する。
【0017】
騒音計8、9で、騒音値Xn(n=1、2、以下同様)を測定する(ステップS1)。騒音計8で、測定された騒音値はX1(以下、n=1は、騒音計8に対応)、騒音計9で測定された騒音値はX2(以下、n=2は、騒音計9に対応)である。制御部11によって、各騒音計8、9で測定される騒音の許容値Knから、測定された騒音値Xnを引いて、騒音偏差Dnを演算する(ステップS2)。騒音の許容値Knは、騒音計8、9が設置される場所が、装置内か、装置外か、音源からの距離はいくつか、音源に対する方位はどうか、居住区域がどのくらいはなれているか等によって決められる。
【0018】
図4に示すように、制御部11によって、曲線Cnを用いて騒音偏差Dnからピッチ角変量ΔPnを演算する(ステップS3)。騒音偏差Dnとピッチ角変量ΔPnとの関係を表す曲線Cnは、騒音計8、9の設置個所により決められる。図において、曲線C1が、騒音計8によって測定される騒音の、騒音偏差D1とピッチ角変位ΔP1との関係を表す。曲線C2が、騒音計9によって測定される騒音の、騒音偏差D2とピッチ角変量ΔP2との関係を表す。
【0019】
測定された騒音値Xnが、許容値Knより大きい場合は、ピッチ角変量ΔPnは負の値であり、騒音値を減らすためブレード1のピッチ角を減少させる必要がある。測定された騒音値Xnが、許容値Knより小さい場合は、ピッチ角変量ΔPnは正の値であり、騒音値を増やすためブレード1のピッチ角を増加させる必要がある。
【0020】
演算されたピッチ角変量ΔPnのうち最小値を求め、求めた最小値を変更すべきピッチ角変量ΔPとする(ステップS4)。すなわち、騒音値を減らすようブレード1のピッチ角を減少させる場合は、騒音が最も大きく減少するピッチ角変量ΔPとし、騒音値を増やすようブレード1のピッチ角を増加させる場合は、騒音が最も小さく増加するピッチ角変量ΔPとする。
【0021】
制御部11は、ピッチ角変更機構15にブレード1のピッチ角をΔPだけ変更するようピッチ角変更信号を送り、ピッチ角変更を指示する(ステップS5)。ピッチ角変更信号を受けたピッチ角変更機構15は、ブレード1のピッチ角をΔPだけ変更する。
【0022】
このときブレード1の回転数Nを一定に保ち、出力Lから出力L’を変化させる場合(ケース1)と、ブレード1の出力Lを一定に保ち、回転数Nを回転数N’に変化させる場合がある(ケース2)。
ケース1は、発電機4が誘導発電機である場合に特に採用される。ケース1を、発電機4が、同期発電機である場合であって、特に定格出力に達する前の運転(低風速領域)に典型的に採用することができる。
ケース2は、発電機4が同期発電機である場合の、定格出力に達した後の運転(高風速領域)に典型的に採用される。同期発電機回路のインバータ(不図示)の電力出力を一定にすることによりブレード1の出力Lは一定に保たれ、同期発電機の回転子(不図示)の励磁電流を変えることによりブレード1の回転数Nを回転数N’に変える。
【0023】
図5を参照して出力曲線上の運転点の変化について説明する。初めの運転点を図中▲1▼とし、騒音制御後のケース1の運転点を▲2▼、同ケース2の運転点を▲2▼’とする。運転点▲1▼は、図中、回転数がN、ピッチ角がP、出力がLの運転点である。
ケース1の場合、騒音値Xnが許容値Knより大きいときは、運転点は図中、下に縦軸に平行に移動し、回転数がN(不変)、ピッチ角がP+ΔP、出力がL’の点に移行する。このとき(但し、誘導発電機の場合は、スリップ分だけわずかに減少する)、ピッチ角が減少し、出力が減少する。騒音値Xnが許容値Knより小さい場合は、図中、上に縦軸に平行に同様に移動し、回転数Nが一定で(但し、誘導発電機の場合は、スリップ分がわずかに減少する)、ピッチ角が増加し、出力が増加する。
【0024】
ケース2の場合、騒音値Xnが許容値Knより大きい場合は、図中、左に横軸に平行に移動し、回転数がN’、ピッチ角がP+ΔP、出力がL(不変)の点に移行する。このとき出力は一定で、回転数は減少しピッチ角も減少する。騒音値Xnが許容値Knより小さい場合は、図中、右に横軸に平行に同様に移動し、出力が一定で、回転数が増加しピッチ角も増加する。なお、ブレード1の回転数が変化しても、発電機回路のインバータ(不図示)の出力周波数が一定になるように制御される。
【0025】
次に、図3に戻って説明する。所定時間(例えば、1秒)経過したか否かが判断され(ステップS6)、経過していない場合(ステップS6がNOの場合)は、ステップS6の前に戻りステップS6が繰り返され、経過した場合(ステップS6がYESの場合)は、ステップS1に戻る。
【0026】
本実施の形態の風力発電装置101によれば、前述のようにブレード1と、騒音計8、9と、制御部11が収納される制御装置12と、ピッチ角変更機構15とを備えるので、制御部11により、騒音計8、9によって測定された騒音値Xmから、騒音計8、9により測定される騒音の許容値Kmを引いて騒音偏差Dmを求め、騒音偏差Dmから曲線Cmを用いてブレード1のピッチ角変量ΔPmを求め、最小のピッチ角変量ΔPmを求めてピッチ角変量ΔPとし、ブレード1のピッチ角をΔPだけ変更するようピッチ角変更機構15に指示する。よって、騒音の値を制御することができ、騒音が許容値を超えないように、騒音の許容値近くで運転することができ、風力発電装置101を居住区域に接した地域に建設することができる。

【0027】
次に、図6のフローチャートを参照し、図7(本発明の第2の実施の形態の風力発電装置によって行われる第2の制御方法のフローチャートである。)を参照し、適宜図1を参照して、本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態では以下のように、制御部11による騒音の第2の制御方法が行われる。制御部11の記憶部(不図示)は、曲線Cmを記憶する。
【0028】
騒音計8、9で、騒音値Xm(m=1、2、以下同様)を測定する(ステップS21)。騒音計8で、測定された騒音値はX1(以下、m=1は、騒音計8に対応)、騒音計9で測定された騒音値はX2(以下、m=2は、騒音計9に対応)である。ブレード1の回転数Nを回転計13により測定し(ステップS22)、ブレード1のピッチ角を角度計14により測定する(ステップS23)。制御部11によって、各騒音計8、9で測定される騒音の許容値Kmから、測定された騒音値Xmを引いて、騒音偏差Dmを演算する(ステップS24)。
【0029】
図7に示すように、制御部11によって、騒音偏差Dmから回転数変量ΔNmを演算する(ステップS25)。騒音偏差Dmと回転数変量ΔNmとの関係を表す曲線Cmは、騒音計8、9の設置個所により決められる。図において、曲線C1が、騒音計8によって測定される騒音の、騒音偏差D1と回転数変位ΔN1との関係を表す。曲線C2が、騒音計9によって測定される騒音の、騒音偏差D2と回転数変量ΔN2との関係を表す。
【0030】
測定された騒音値Xmが、許容値Kmより大きい場合は、回転数ΔNmは負の値であり、騒音値を減らすためにブレード1の回転数を減少させる必要がある。測定された騒音値Xmが、許容値Kmより小さい場合は、回転数変量ΔNmは正の値であり、騒音値を増やすためブレード1の回転数を増加させる必要がある。
【0031】
演算された回転数変量ΔNmのうち最小値を求め、求めた最小値を変更すべき回転数ΔNとする(ステップS26)。すなわち、騒音値を減らすようブレード1の回転数を減少させる場合には、騒音が最も大きく減少する回転数変量ΔNとし、騒音値を増やすようブレード1の回転数を増加させる場合には、騒音が最も小さく増加する回転数変量ΔNとする。
【0032】
制御部11が、ピッチ角P及び回転数Nの場合の、出力Lを演算する(ステップS27)(後述の演算方法1を参照)。回転数Nに回転数変量ΔNを加えて、回転数N’を演算する(ステップS28)。回転数N’、出力Lの場合の、ピッチ角P’を演算する(ステップS29)(後述の演算方法2を参照)。ピッチ角P’からピッチ角Pを引いて差を求め、ピッチ角変量ΔPを演算する(ステップS30)。ブレード1のピッチ角をΔPだけ変えるようピッチ角変更機構15に指示する(ステップS31)。すなわち、制御部11は、ピッチ角変更機構15にブレード1のピッチ角をΔPだけ変更するようピッチ角変更信号を送る。ピッチ角変更信号を受けたピッチ角変更機構15は、ブレード1のピッチ角をΔPだけ変更する。このときブレード1の回転数は、NからN’までΔNmだけ変化するが、発電機回路のインバータ(不図示)の出力周波数は一定に保たれる。
【0033】
次に、所定時間(例えば、1秒)経過したか否かが判断され(ステップS32)、経過していない場合(ステップS32がNOの場合)は、ステップS32の前に戻りステップS32が繰り返され、経過した場合(ステップS32がYESの場合)は、ステップS21に戻る。
【0034】
次に、図8を参照して、ピッチ角P及び回転数Nの場合に、出力Lを演算する方法(演算方法1)、回転数N’、出力Lの場合に、ピッチ角P’を演算する方法(演算方法2)について説明する。図は、所定のピッチ角ごと(Q(=0度)、・・、Q、Qi+1、・・、Q、Qj+1、・・)(以下、0度から−10度ごととする。)に、回転数と出力の関係を示す出力曲線図である。説明のため、出力曲線は、ピッチ角がQ、Qi+1の場合、Q、Qj+1の場合のみ記載してある。ここで、Q、Qi+1は、Q≦P≦Qi+1であり、ピッチ角Pを鋏む、それぞれ前後の角度である。Q、Qj+1は、Q≦P’≦Qj+1であり、ピッチ角P’を鋏む、それぞれ前後の角度である。回転数N、出力Lの運転点は、ピッチ角Qの出力曲線と、ピッチ角Qi+1の出力曲線の間に挟まれた位置にあり、回転数N’、出力Lの運転点は、ピッチ角Qの出力曲線と、ピッチ角Qj+1の出力曲線の間に挟まれた位置にあるとする。
【0035】
以下、演算方法1について説明する。Pより大きく一番小さいピッチ角度Qを求め、Pより小さく一番大きいピッチ角Qi+1を求める。ピッチ角がQのときの出力曲線から、回転数Nのときの出力Lを求める。ピッチ角がQi+1のときの出力曲線から、回転数Nのときの出力Li+1を求める。次式から、ピッチ角Pのときの出力Lを演算する。
【数1】
Figure 2004293527
【0036】
以下、演算方法2について説明する。回転数がN’、出力がLである点を出力曲線図上に求める。求めた点を挟む出力曲線図上の二つの出力曲線(ピッチ角度Q、Qj+1)を求め、右側の出力曲線に対応するピッチ角度Qを得る。二つの出力曲線上で、出力がLとなる回転数N、Nj+1を求める。次式から、出力Lのときのピッチ角P’を求める。
【数2】
Figure 2004293527
【0037】
前述の第2の制御方法において、ステップS27において、ピッチ角P及び回転数Nの場合の、出力Lを演算にて求めているが、発電機回路のインバータ(不図示)の出力を測定し、回転系のメカニカルロスを加えることにより出力Lを求めてもよい。
【0038】
本実施の形態の風力発電装置101によれば、前述のようにブレード1と、騒音計8、9と、制御部11が収納される制御装置12と、ピッチ角変更機構15とを備えるので、制御部11により、騒音計8、9によって測定された騒音値Xmから、騒音計8、9により測定される騒音の許容値Kmを引いて騒音偏差Dmを求め、騒音偏差Dmから曲線Cmを用いてブレード1の回転数変量ΔNを設定し、設定された回転数変量ΔNから回転数N’を求め、回転数N’で出力が同じ場合のピッチ角P’を求め、ブレード1が回転数N’で回転し、ブレード1のピッチ角がP’になるよう制御することにより騒音の値を制御することができ、騒音が許容値を超えないように、騒音の許容値近くで運転することができる。よって、風力発電装置101を居住区域に接した地域に建設することができる。本実施の形態は、発電機4が同期電動機であり、定格出力に達した後の運転(高風速領域)に典型的に適用される。なお、風力発電装置101の騒音の中には、ブレード1から発生するもの以外にも、変速機5から発生するものもあり、回転数が下がることにより、変速機5からの騒音が低減される。
【0039】
なお、風力発電装置外騒音計9は、一つであるとして説明したが、風力発電装置外騒音計9は、タワー7からブレード1の先端部の高さに等しい距離だけ離れた円の円周上に何カ所(例えば、120度おきに3個所、または、90度おきに4個所)か設けるようにしてもよい。例えば、騒音計の合計個数が4個の場合は、n=4、あるいはm=4であり、騒音計の合計個数が5個の場合は、n=5、あるいはm=5である。前述の実施の形態と同様に、騒音計ごとに騒音許容値Kn、Km、騒音偏差Dnとピッチ角変量ΔPnとの関係を表す曲線Cn、騒音偏差Dmと回転数変量ΔNmとの関係を表す曲線Cmを制御部11の記憶部に記憶させておく。騒音制御をするにあたり、演算されたピッチ角変量ΔPnのうち最小値を求め、変更すべきピッチ角変量ΔPとし、あるいは演算された回転数変量ΔNmのうち最小値を求め、その最小値を変更すべき回転数ΔNとするのも同様である。このようにすると、より精度よく騒音制御を行うことができる。
【0040】
また、図2に示すように、回転計13は、ハブ2の回転数、すなわちブレード1の回転数を測定し、変速機5の低速側の回転数を測定するとして説明したが、他の回転数測定方法として、回転計13を変速機5の高速側に設置し、高速側のの回転数を測定するように設置してもよい。このようにすると、測定される回転数の値が大きくなるので、精度よく回転数を測定することができ、精度の高い制御が可能となる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ブレードと、騒音測定部と、制御部とを備えるので、騒音測定部によりブレードの騒音を測定し、測定された騒音の値により、制御部により、ブレードのピッチ角を制御することにより騒音の値を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】風力発電装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の風力発電装置のハブの近傍部分を拡大した拡大図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の風力発電装置によって行われる第1の制御方法のフローチャートである。
【図4】騒音偏差と、騒音を変更するために変更すべきピッチ角変量の関係を表した曲線を示す図である。
【図5】図1の風力発電装置の出力曲線上の運転点の変化について説明する図である。
【図6】本発明の第2実施の形態の風力発電装置によって行われる第2の制御方法のフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態の風力発電装置によって行われる第2の制御方法のフローチャートである。
【図8】ピッチ角及び回転数から、出力を演算する方法(演算方法1)、回転数及び出力から、ピッチ角を演算する方法(演算方法2)について説明する説明図である。
【符号の説明】
1 ブレード
2 ハブ
3 ナセル
4 発電機
5 変速機
6 ヨーシステム
7 タワー
8 風力発電装置内騒音計(騒音計)(騒音測定部)
9 風力発電装置外騒音計(騒音計)(騒音測定部)
10 信号ケーブル
11 制御部
12 制御装置
13 回転計
14 角度計
15 ピッチ角変更機構
101 風力発電装置(風車装置)

Claims (3)

  1. 風の力を受けて回転するブレードと;
    前記ブレードの騒音を測定する騒音測定部と;
    前記測定された騒音の値により前記ブレードのピッチ角を制御する制御部とを備える;
    風車装置。
  2. 風の力を受けて回転するブレードと;
    前記ブレードの騒音を測定する騒音測定部と;
    前記ブレードの回転数とピッチ角とを制御する制御部とを備え;
    前記制御部が、前記測定された騒音の値により前記ブレードの回転数を設定し、前記設定された回転数で前記ブレードが回転するよう前記ブレードのピッチ角を制御する;
    風車装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の風車装置と;
    前記ブレードによって駆動され、発電を行う発電機とを備える;
    風力発電装置。
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