JP2004293396A - 内燃機関の排ガス低減システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関の排気通路の絞り開度を変化させる排気絞り手段と、排気絞り手段を介して排気通路の排気流動を制御する排気流動制御手段と、内燃機関を搭載した車両の走行状態を検出する車両状態検出手段とを備え、排気流動制御手段は、車両状態検出手段により検出される車両の速度が排気絞り手段によって生じる排気通路内の風切り音を認識させるフィーリング悪化低速度に該当するとき(S202)、排気絞り手段の絞り開度を風切り音阻止開度に抑制させる(S203)よう構成する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排ガス低減システムに係り、詳しくは、排気絞り手段により排気流動制御を行う内燃機関の排ガス低減システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
HC及びCO等の未燃物並びにNOx等の排ガス物質を低減させる技術としては、触媒による反応を利用した排ガス低減技術が知られている。また、触媒が活性化されるまでの間にHC等の未燃物が大気中に放出されるのを防止すべく排気流動を制御する技術も知られている。
【0003】
排気流動の制御では、内燃機関の排気通路に排気絞り手段を設けることが知られている。この排気絞り手段による排気通路の開度は、運転者による操作とは無関係に制御され、この開度の変化によって排圧の上昇を行わせ、燃焼室から排気管に至る排気系にて上記未燃物と酸素との反応を促進させることにより、上記排ガス物質の排出抑制及び触媒の早期活性を実現することができる。なお、排気流動の他の制御態様としては、排気密度の上昇、排気滞留時間の延長の他、気筒内への排気の逆流等を行うものがある。
【0004】
ここで、上記排気流動の制御には、車両の低速走行時にスロットル開度が急激に大きくされると排気騒音が大きくなるという問題があり、この状況を打開する内燃機関の排気制御装置の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
当該制御装置では、車両の高速又は低速に応じて排気絞り手段による排気通路を開側又は閉側に変化させている。これにより、車両の低速走行時にスロットル開度が急激に大きくされることに対する排気騒音を低減することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−292534号公報(段落番号0003、0004、0014等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の排気制御装置では、車速が高くなると排気通路の流路面積を大きくする一方、車速が低くなると排気通路の流路面積を小さくする、つまり、高速時には排気絞り手段の絞り率を小、低速時には絞り率を大に変化させている。
【0007】
しかし、排圧上昇による排気流動制御を実施すべく排気系に排気絞り手段を設けた構成では、排気通路内にて排気絞り手段による風切り音が発生する場合がある。この風切り音は、燃焼室からの排気が排気通路と排気絞り手段との隙間を通り抜けることで生じ、排気通路の流路面積が排気絞り手段によって小さくなるに連れて顕著になる。
【0008】
ここで、この風切り音は、車両の走行中においてはロードノイズ等の影響により運転者にはほとんど認識できなくなるので、高速走行時には問題が少ないと考えられる。しかし、車両の低速走行時、特に排気絞り手段による排気流動制御を必要とする冷態始動時にはロードノイズ等の影響が少ないため、運転者が風切り音を明確に認識することになり、運転者にとっては意図しない音が聞こえることで違和感を覚え、フィーリングの悪化が生ずるとの問題がある。
【0009】
このように、上記従来の技術の如く、排気系に排気絞り手段を設けて車両の低速走行時に排気絞り手段の絞り率を大に変化させることは、フィーリングの悪化を生じさせるとの問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、排気絞りによる風切り音を抑制させることができるとともに、車速に拘わらず排ガスを必要最低限度に低減させることができる内燃機関の排ガス低減システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の内燃機関の排ガス低減システムは、内燃機関の排気通路の絞り開度を変化させる排気絞り手段と、排気絞り手段を介して排気通路の排気流動を制御する排気流動制御手段と、内燃機関を搭載した車両の走行状態を検出する車両状態検出手段とを備え、排気流動制御手段は、車両状態検出手段により検出される車両の速度が排気絞り手段によって生じる排気通路内の風切り音を認識させるフィーリング悪化低速度に該当するとき、排気絞り手段の絞り開度を風切り音阻止開度に抑制させることを特徴としている。
【0011】
したがって、請求項1記載の内燃機関の排ガス低減システムでは、排気流動制御手段が、車両の速度がフィーリング悪化低速度に該当するときには、絞り開度を風切り音阻止開度に抑制させているので、運転者は自身の操作とは無関係に生じてしまう風切り音を認識することがなくなり、つまり、意図しない音が認識されることによる違和感をなくし、フィーリングの悪化が防止される。
【0012】
また、請求項2記載の発明では、フィーリング悪化低速度には、車両の停止状態も含まれることを特徴としている。
これにより、風切り音が最も顕著に認識され得る停車時にも、フィーリングの悪化が防止される。
さらに、請求項3記載の発明では、風切り音阻止開度には、排気絞り手段の絞りを禁止したときの開度も含まれることを特徴としている。
【0013】
これにより、排気絞り手段の絞りを禁止することで、風切り音を確実に抑制させることが可能である。
また、請求項4記載の発明では、風切り音阻止開度は、車両の速度に応じて決定されることを特徴としている。
このように、車両の速度に応じて絞りが決定されることから、風切り音の発生によるフィーリング悪化がロードノイズ等の変化に応じて適切かつ迅速に防止される。
【0014】
さらに、請求項5記載の発明では、排気流動制御手段からの出力信号に基づいて内燃機関の空燃比を制御する空燃比制御手段をさらに備え、空燃比制御手段は、排気絞り手段の絞り開度が風切り音阻止開度に抑制されたとき、空燃比をリーンに設定することを特徴としている。
これにより、排気絞り手段の絞りが風切り音阻止開度に抑制され、排気流動制御による排ガス低減が行えないときに、仮に内燃機関の負荷が高くなったとしても、空燃比をリーンに設定して未燃物の排出が抑制されて排気流動制御による排ガス低減分を補うことができ、排ガス浄化効率を高めることが可能になる。
【0015】
また、請求項6記載の発明では、排気流動制御手段は、車両状態検出手段により検出される車両の速度がフィーリング悪化低速度に該当しないとき、排気絞り手段を風切り音阻止開度に抑制させない開度で作動させ、空燃比制御手段は、排気絞り手段が風切り音阻止開度に抑制されない開度で作動されたとき、空燃比をストイキオよりスライトリッチに対してリーン側に設定することを特徴としている。
【0016】
このように、風切り音が認識されずフィーリング悪化低速度に該当しないときには絞りを通常の開度に設定するので、フィーリングの悪化が避けられるとともに、排ガス浄化効率を高めることが可能になる。
しかも、この場合には、空燃比がストイキオに設定されると車両の加速性が確保され、特にストイキオに比してリーン側に設定されると、上記排気絞り手段による排ガス低減効果と相俟って、排ガス浄化効率を一層高めることが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る内燃機関の排ガス低減システムの概略構成図が示されており、以下図1に基づき本発明に係る内燃機関の排ガス低減システムの構成を説明する。
【0018】
この排ガス低減システムに用いられる内燃機関(以下、エンジン)1としては、例えば、吸気ポート9を介した燃料噴射が実施可能なマルチポイントインジェクションエンジン(MPI型エンジン)が採用される。
エンジン1のシリンダヘッド2には、各気筒毎に略水平方向に吸気ポート9が形成されており、各吸気ポート9の燃焼室5側には、吸気口12を介して各吸気ポート9と燃焼室5との連通と遮断とを行う吸気弁11がそれぞれ設けられている。各吸気ポート9には、各気筒に燃料噴射を行う電磁式のインジェクタ6が取り付けられており、インジェクタ6には、燃料パイプ7を介して燃料タンクを擁した燃料供給装置(図示せず)が接続されている。なお、インジェクタ6は、ピストン21の排気行程で燃焼室5に向けて燃料を噴射する。
【0019】
また、各吸気ポート9には吸気マニホールド10の一端がそれぞれ接続されている。吸気マニホールド10には吸入空気量を調節する電磁式のスロットル弁17が設けられている。
シリンダヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ4が取り付けられており、点火プラグ4には高電圧を出力する点火コイル8が接続されている。そして、吸気マニホールド10からの新気とインジェクタ6からの燃料とからなる混合気に対して燃焼室5内で火花点火を行う。
【0020】
また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に略水平方向に排気ポート13が形成されており、各排気ポート13の燃焼室5側には、排気口16を介して各排気ポート13と燃焼室5との連通と遮断とを行う排気弁15がそれぞれ設けられている。
そして、各排気ポート13には排気マニホールド14の一端がそれぞれ接続されている。排気マニホールド14の他端には排気管(排気通路)20が接続されており、排気管20には、ストイキオ近傍においてHC、CO、NOxを高効率で浄化可能な三元触媒23が介装されている。また、排気管20の三元触媒23の直上流部分には、排気中の酸素濃度ひいては排気空燃比を検出するO2センサ22が設けられている。
【0021】
さらに、三元触媒23の下流部分には、排気管20の流路面積を調節可能な密閉型開閉弁(排気絞り手段)24が介装されている。密閉型開閉弁24は、排気管20の開度(流路面積)を変化させ、HC、CO等の未燃物の他、NOx等を含む排ガス物質の低減を促進させることを目的とする装置であり、排圧を変更することが可能に構成されている。なお、この排圧の変更の他、排気密度又は排気流速を変更する構成であっても良い。また、密閉型開閉弁24としては種々の方式が考えられるが、本実施形態では一例としてバタフライ弁が採用されている。バタフライ弁は、排気管20を貫通する軸回りに円盤を回転させ、排気管20の流路面積を調節するように構成される。そして、密閉型開閉弁24は電子コントロールユニット(ECU)30に電気的に接続されて構成されている。
【0022】
ECU30は、入出力装置、記憶装置、中央処理装置(CPU)等を備えており、当該ECU30により、エンジン1の総合的な制御が行われる。
ECU30の入力側には、上記O2センサ22等の他、エンジン1の冷却水温度を検出する水温センサ18やクランク角センサ19、エンジン1を搭載した車両の走行状態を検出する車速センサ(車両状態検出手段)25等の各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。また、本実施形態のECU30の記憶装置には、フィーリング悪化低速度と風切り音阻止開度とがそれぞれ記憶されている。フィーリング悪化低速度とは、密閉型開閉弁24による排気管20内の風切り音を運転者に認識させる車両の速度であり、風切り音阻止開度とは、密閉型開閉弁24による排気管20内の風切り音を阻止可能な弁開度である。
【0023】
一方、ECU30の出力側には、上記インジェクタ6、点火コイル8、スロットル弁17、密閉型開閉弁24等の各種出力デバイスが接続されており、これらには、上記各種センサ類からの検出情報に応じて燃料噴射量及び燃料噴射時期、点火時期、スロットル開度、並びに弁開度等の各信号がそれぞれ出力される。これにより、インジェクタ6からは適正量の燃料が適正時期で噴射され、点火プラグ4により適正時期で火花点火が実施され、スロットル開度及び弁開度が適正開度に制御される。
【0024】
特に、本発明の排ガス低減システムでは、ECU30に対し、車速センサ25からの出力信号に応じて密閉型開閉弁24の開度を調節し排気管20内の排気流動を制御する構成と、エンジン1の空燃比を制御する構成とが設けられている。具体的には、密閉型開閉弁24を介して排気管20の排気流動を制御する排気流動制御部(排気流動制御手段)31と、この排気流動制御部31からの出力信号に基づいてエンジン1の空燃比を制御する空燃比制御部(空燃比制御手段)32とを備えている。
【0025】
排気流動制御部31は、車速センサ25からの出力信号に基づいて排気流動を制御するものであり、車速センサ25による車両の速度が密閉型開閉弁24による排気管20内の風切り音を運転者に認識させるフィーリング悪化低速度に該当するときには、密閉型開閉弁24の絞り開度を風切り音阻止開度に抑制させるのに対し、前記フィーリング悪化低速度に該当しないときには、密閉型開閉弁24の絞り開度を風切り音阻止開度に抑制させない開度で作動させる。これらの信号は、密閉型開閉弁24及び空燃比制御部32に出力される。
【0026】
空燃比制御部32は、排気流動制御部31からの出力信号基づいてエンジン1の空燃比を設定するものであり、排気流動制御部31にて密閉型開閉弁24の絞りが風切り音阻止開度に抑制されたときには、空燃比をリーンに設定するのに対し、密閉型開閉弁24の絞りが風切り音阻止開度に抑制されない開度で作動されたときには、空燃比をストイキオよりスライトリッチに対してリーン側に設定する。これらの信号は、インジェクタ6、スロットル弁17及び点火プラグ4等に出力される。
【0027】
図2を参照すると、排ガス低減制御のフローチャートが示されており、以下、本発明に係る排ガス低減システムの制御手順について説明する。
ステップS201では、まず密閉型開閉弁24による排気流動制御を行う必要があるか否かを判別する。例えば、エンジン1が冷態始動時であるか否かを判別し、暖機状態に達する程度の所定時間が経過しておらず、エンジン1が冷態始動時であると判定された場合には、排気流動制御が必要と判断し、ステップS202に進む。一方、冷態始動時でないと判定された場合には、一般に密閉型開閉弁24による排気流動制御を行う必要がないので、このルーチンを抜ける。
【0028】
ステップS202では、排気流動制御部31にて、車速センサ25による車両の速度が風切り音を運転者に認識させるフィーリング悪化低速度に該当しているか否かを判別し、フィーリング悪化低速度に該当している場合、すなわちYESのときには運転者は風切り音に対して違和感を覚えることから、ステップS203に進み、密閉型開閉弁24の開度を、風切り音を阻止できる風切り音阻止開度に抑制させてステップS204に進み、空燃比制御部32にて、空燃比をリーンに設定してHC等の未燃物の放出を防止して排ガスの低減化を図り、このルーチンを抜ける。なお、このステップS204で空燃比をリーンに設定するのは、排気流動制御部31では車両の速度を考慮する一方、エンジン1の負荷は考慮されておらず、万一アクセルペダルが踏み込まれて負荷が高くなった場合であっても、排気流動制御による排ガス低減分を補うことで、HC等の未燃物の放出防止を図るためである。
【0029】
一方、例えば、車両が中高速状態で走行しており、ステップS202で車速センサ25による車両の速度がフィーリング悪化低速度に該当していない場合には、例え排気管20内で風切り音が生じていても運転者には認識されず、フィーリングの悪化は生じないことから、ステップS205に進み、密閉型開閉弁24の開度を、風切り音阻止開度に抑制させることなく通常の開度に設定して排ガスの低減化を図り、ステップS206に進む。このステップS206では、空燃比制御部32にて、空燃比をストイキオに設定して車両の加速性を確保し、このルーチンを抜ける。
【0030】
なお、上記ステップS202では、車両の速度がフィーリング悪化低速度に該当しているか否かを判別しているが、フィーリング悪化低速度は、排気絞りの風切り音が運転者にとって違和感を覚えるか否かによって判別されるものであることから、このフィーリング悪化低速度には、車両の低速走行時の他、風切り音が最も顕著に認識され得る場合として車両が停止状態にある場合或いは車両が走行中でない場合も当然に含まれ、例えば、フィーリング悪化低速度は、車速が0(km/h)を含めた5(km/h)までとすることができる。
【0031】
また、上記ステップS203では、密閉型開閉弁24の開度を、風切り音を阻止できる風切り音阻止開度に抑制しているが、風切り音阻止開度もまた、排気絞りの風切り音が運転者にとって違和感を覚えるか否かによって判別されるものであることから、この風切り音阻止開度には、上記の如く密閉型開閉弁24の開度を増大させて絞り量を減少させる他、排気絞りを禁止するものであっても良い。排気絞りを禁止させれば絞り量は最小になり、風切り音を確実に抑制できる。
【0032】
さらに、ステップS206では、空燃比制御部32にて空燃比をストイキオに設定している。しかし、平均空燃比がストイキオよりスライトリッチに対してリーン側であれば、必ずしもストイキオに設定されなくても良く、例えばリーンに設定しても良い。密閉型開閉弁24の通常制御がなされていても空燃比をリーンに設定することで、密閉型開閉弁24による排ガス低減効果と相俟って、排ガス浄化効率を相乗的に高めることができる。
【0033】
なお、ストイキオよりスライトリッチに対してリーン側に設定するには、いわゆるオープンループ制御の他、O2センサ22によるF/B制御等の空燃比変調制御における制御ゲインを変更することでも平均空燃比をスライトリッチからストイキオ或いはスライトリーンに容易に設定することが可能である。
また、上述したように、ステップS202のフィーリング悪化低速度は、車速が0(km/h)を含めた5(km/h)までとすることができるものであるが、仮に、フィーリング悪化低速度が車速0(km/h)のみを指すとした場合、つまり、ステップS202で車両の停止に該当しているか否かを判別するとした場合には、車両の発進によってステップS205及びステップS206に進むことになるが、排気絞りによる排気抵抗の増大、又はエンジンの構成によっては内部EGR量の増大によって車両の発進加速性が特に損なわれ得る場合には、このステップS206においては、車両の発進初期時点(例えば、車速が0から増加し始める極短時間)の排気絞り作動中にのみ空燃比をリッチに設定し、その後スライトリッチ化或いはストイキオ化若しくはリーン化するように設定しても良いものである。
【0034】
以上のように、本発明では、エンジン1の排気管20の開度(流路面積)を変化させる密閉型開閉弁24と、密閉型開閉弁24を介して排気管20の排気流動を制御する排気流動制御部31と、エンジン1を搭載した車両の走行状態を検出する車速センサ25と、排気流動制御部31からの出力信号に基づいてエンジン1の空燃比を制御する空燃比制御部32とを備えた排ガス低減システムであって、排気流動制御部31では、車両停止或いは車両走行中でない状態を含めたフィーリング悪化低速度に該当するとき、密閉型開閉弁24による排気絞りが絞りの禁止を含めた風切り音阻止開度にまで抑制され、空燃比制御部32では空燃比をリーンに設定しているので、フィーリングの悪化を防止することができるとともに、未燃物の排出を抑制して排気流動制御による排ガス低減分を補うことができ、排ガス浄化効率を高めることができる。
【0035】
また、排気流動制御部31では、フィーリング悪化低速度に該当しないときには、密閉型開閉弁24による排気絞りが風切り音阻止開度に抑制されずに通常の開度に設定し、空燃比制御部32では空燃比をスライトリッチ、ストイキオ或いはリーンに設定しているので、フィーリングの悪化を防止することができるとともに、特にリーンに設定すれば、密閉型開閉弁24による排ガス低減効果と相俟って、排ガス浄化効率を相乗的に高めることができる。
【0036】
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、ステップS203の如く、密閉型開閉弁24の開度を風切り音阻止開度に抑制させているが、この風切り音阻止開度は、車両の速度(ロードノイズ等)に応じて決定されるものであっても良い。
【0037】
図3には、排気絞り量と車両の速度との具体的関係が示されている。このように、排気絞り量は、車速が高速のときには多いまま一定であっても良いが、高速から低速への遷移時には絞りの減少割合を大きくし、また、低速では徐々に少なくなるように決定されている。このように、車両の速度(ロードノイズ等)に応じて絞りが決定されていれば、風切り音が発生して運転者に認識され得る状態になると、直ちに風切り音の発生を抑制させる対応が可能になるので、フィーリングの悪化を適切かつ迅速に防止することができる。
【0038】
また、排気絞り量は、上記の車速との関係から表すことができる他、例えば、排圧、密閉型開閉弁24による排気管20の最小断面積、密閉型開閉弁24の絞り開度からも表すことが可能である。例えば、排圧においては低排圧ほど、排気管20の最小断面積においては大面積ほど、絞り開度においては大開度ほど排気絞り量が少なくなる。したがって、これらの関係を用いても、風切り音の問題を回避して排ガス低減を効率良く達成することができる。
【0039】
さらに、本発明の排ガス低減システムに用いられる内燃機関としては、上述のMPI型エンジンの他、筒内噴射型エンジンやディーゼルエンジンであっても良く、この場合にも、排気絞りによる風切り音を抑制させることができるとともに、排ガスを必要最低限度に低減させることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、請求項1記載の本発明の内燃機関の排ガス低減システムによれば、排気流動制御手段が、車両の速度がフィーリング悪化低速度に該当するときには、絞りを風切り音阻止開度に抑制させるので、運転者は自身の操作とは無関係に生じてしまう風切り音を認識することがなくなり、つまり、意図しない音が認識されることによる違和感をなくし、フィーリングの悪化を防止することができる。
【0041】
また、請求項2記載の発明によれば、風切り音が最も顕著に認識され得る停車時にも、フィーリングの悪化を防止することができる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、排気絞り手段の絞りを禁止することで、風切り音を確実に抑制させることができる。
また、請求項4記載の発明によれば、車両の速度に応じて絞りが決定されることから、風切り音の発生によるフィーリング悪化をロードノイズ等の変化に応じて適切かつ迅速に防止することができる。
【0042】
さらに、請求項5記載の発明によれば、排気絞り手段の絞りが風切り音阻止開度に抑制され、排気流動制御による排ガス低減が行えないときに、仮に内燃機関の負荷が高くなったとしても、空燃比をリーンに設定して未燃物の排出が抑制されて排気流動制御による排ガス低減分を補うことができ、排ガス浄化効率を高めることができる。
【0043】
また、請求項6記載の発明によれば、フィーリング悪化低速度に該当しないときには絞りを通常の開度に設定するので風切り音は認識されず、フィーリングの悪化を避けることができるとともに、排ガス浄化効率を高めることができる。
しかも、この場合には、空燃比がストイキオよりスライトリッチに対してリーン側に設定されていることから車両の加速性が確保され、特にストイキオに比してリーン側に設定されると、排気絞り手段による排ガス低減効果と相俟って、排ガス浄化効率を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の排ガス低減システムの概略構成図である。
【図2】図1の内燃機関の排ガス低減システムにおける排ガス低減制御のフローチャートである。
【図3】本発明の他の実施形態に係る排気絞り量の決定手法を説明する図である。
【符号の説明】
1 内燃機関
20 排気管(排気通路)
24 密閉型開閉弁(排気絞り手段)
25 車速センサ(車両状態検出手段)
30 電子コントロールユニット(ECU)
31 排気流動制御部(排気流動制御手段)
32 空燃比制御部(空燃比制御手段)
Claims (6)
- 内燃機関の排気通路の絞り開度を変化させる排気絞り手段と、
該排気絞り手段を介して前記排気通路の排気流動を制御する排気流動制御手段と、
前記内燃機関を搭載した車両の走行状態を検出する車両状態検出手段とを備え、
前記排気流動制御手段は、前記車両状態検出手段により検出される前記車両の速度が前記排気絞り手段によって生じる前記排気通路内の風切り音を認識させるフィーリング悪化低速度に該当するとき、前記排気絞り手段の絞り開度を風切り音阻止開度に抑制させることを特徴とする内燃機関の排ガス低減システム。 - 前記フィーリング悪化低速度には、前記車両の停止状態も含まれることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排ガス低減システム。
- 前記風切り音阻止開度には、前記排気絞り手段の絞りを禁止したときの開度も含まれることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の排ガス低減システム。
- 前記風切り音阻止開度は、前記車両の速度に応じて決定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の排ガス低減システム。
- 前記排気流動制御手段からの出力信号に基づいて前記内燃機関の空燃比を制御する空燃比制御手段をさらに備え、
該空燃比制御手段は、前記排気絞り手段の絞り開度が前記風切り音阻止開度に抑制されたとき、空燃比をリーンに設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の排ガス低減システム。 - 前記排気流動制御手段は、前記車両状態検出手段により検出される前記車両の速度が前記フィーリング悪化低速度に該当しないとき、前記排気絞り手段を風切り音阻止開度に抑制させない開度で作動させ、前記空燃比制御手段は、前記排気絞り手段が前記風切り音阻止開度に抑制されない開度で作動されたとき、空燃比をストイキオよりスライトリッチに対してリーン側に設定することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の排ガス低減システム。
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JP (1) | JP2004293396A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020054428A1 (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | 制御装置、排ガス浄化システムおよびエンジンの制御方法 |
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2003
- 2003-03-26 JP JP2003086285A patent/JP2004293396A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020054428A1 (ja) * | 2018-09-10 | 2020-03-19 | 三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社 | 制御装置、排ガス浄化システムおよびエンジンの制御方法 |
US11293320B2 (en) | 2018-09-10 | 2022-04-05 | Mitsubishi Heavy Industries Engine & Turbocharger, Ltd. | Control device, exhaust gas purification system, and control method of engine |
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